特許第6028012号(P6028012)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6028012
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】構造化した表面を有する電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/02 20060101AFI20161107BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20161107BHJP
   H01G 2/24 20060101ALI20161107BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20161107BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   H01M2/02 G
   H01M10/04 Z
   H01G9/00 311
   H01G11/78
   H01G1/04
   H01M10/48 P
   H01M10/48 A
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-256849(P2014-256849)
(22)【出願日】2014年12月19日
(65)【公開番号】特開2015-135813(P2015-135813A)
(43)【公開日】2015年7月27日
【審査請求日】2015年1月21日
(31)【優先権主張番号】13198570.7
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】イヴ・ビュリ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・シュタルダー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−クロード・マルタン
【審査官】 松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−012567(JP,A)
【文献】 特開2003−178727(JP,A)
【文献】 特開平04−269446(JP,A)
【文献】 特開平03−297053(JP,A)
【文献】 米国特許第05438249(US,A)
【文献】 特開2003−217533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/02
H01G 2/24
H01G 11/78
H01M 10/04−0587
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極ケース(12)と、
前記陽極ケース内に位置する陽極(14)と、
前記陽極ケースに固定される陰極ケース(13)と、
前記陽極ケースに対して前記陰極ケースをシールするシール(16)と、
前記陽極と前記陰極ケースの間であって前記陰極ケース内に位置する陰極(15)と、
前記陽極と前記陰極の間の膜(17)と
を有する電気的エネルギーを蓄える蓄エネルギー装置(10)を製造する方法であって、
互いに対して固定された前記陽極ケース(12)及び前記陰極ケース(13)はそれぞれ、第1の外側表面(21)と第2の外側表面(22)と前記蓄エネルギー装置の端縁としてはたらく第3の外側表面(23)とを有し、
前記蓄エネルギー装置の外側表面(21、22、23)のうちの1つに少なくとも1つのマーキング(18)を局部加熱によって当該表面を彫刻することによって作成し、
前記マーキングは、導電性であり、
前記マーキング(18)は、蓄エネルギー状態をモニタリングするデバイス(183)であり、
前記マーキングは、回折格子(180)を形成する複数の溝(180a)を有し、
前記溝は、前記回折格子が設けられた前記表面が、当該蓄エネルギー装置のエネルギー蓄積状態に応じて変形した場合に、変形する
ことを特徴とする蓄エネルギー装置の製造方法。
【請求項2】
前記マーキング(18)を形成する前記局部加熱によって、前記表面から材料が取り除かれる
ことを特徴とする請求項に記載の蓄エネルギー装置の製造方法。
【請求項3】
前記マーキング(18)を形成する前記局部加熱は、レーザーによって行われる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄エネルギー装置の製造方法。
【請求項4】
前記マーキング(18)は、当該蓄エネルギー装置の前記外側表面のうちの少なくともいずれか1つにわたって延在することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓄エネルギー装置の製造方法。
【請求項5】
前記マーキング(18)は、当該蓄エネルギー装置の前記外側表面のすべてにわたって延在することを特徴とする請求項に記載の蓄エネルギー装置の製造方法。
【請求項6】
前記レーザーによる前記局部加熱は、前記マーキングが設けられる表面の材料とコントラストを有する色を前記マーキング(18)が有するように行われることを特徴とする請求項に記載の蓄エネルギー装置の製造方法。
【請求項7】
前記レーザーによる前記局部加熱は、前記マーキングが設けられる表面の材料と同じ色を前記マーキング(18)が有するように行われることを特徴とする請求項に記載の蓄エネルギー装置の製造方法。
【請求項8】
前記マーキング(18)は、回折格子(180)を形成する複数の溝(180a)を有し、これによって、前記マーキングに色を与える干渉効果がもたらされることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の蓄エネルギー装置の製造方法。
【請求項9】
当該蓄エネルギー装置は、さらに、装飾された画像である第2のマーキング(18)を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の蓄エネルギー装置の製造方法。
【請求項10】
当該蓄エネルギー装置は、さらに、偽造防止デバイス(182)である第2のマーキング(18)を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の蓄エネルギー装置の製造方法。
【請求項11】
前記偽造防止デバイス(182)は、表面上の寸法構成が異なる複数の凹部(182a)の組み合わせを有し、これによって、固有な構成を形成することを特徴とする請求項10に記載の蓄エネルギー装置の製造方法。
【請求項12】
前記偽造防止デバイス(182)は、互いに対して平行に構成する複数の凹部(182a)の組み合わせを有し、これらの前記凹部どうしの間の間隔と前記凹部の幅は不均一であって、これによって、固有な構成を形成することを特徴とする請求項10に記載の蓄エネルギー装置の製造方法。
【請求項13】
前記蓄エネルギー装置は、さらに、少なくとも1つの非導電性のマーキングを有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の蓄エネルギー装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陽極ケースと、陽極ケース内に位置する陽極と、陽極ケースに固定される陰極ケースと、陽極ケースに対して陰極ケースをシールするシールと、陽極ケースと陰極ケースの間で陰極ケース内に位置する陰極と、及び陽極と陰極の間の膜とを有する一次電池又は蓄エネルギー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示す腕時計又は計算器のような電気デバイスに電源を供給するためのボタンセルのような電気的エネルギーを蓄える蓄エネルギー装置が知られている。これらのボタンセル1は、陽極ケース2と、陽極ケース内に位置する陽極4と、陽極ケース2につながれた陰極ケース3と、陽極ケースに対して陰極ケースをシールするシール6と、陽極と陰極ケースの間にて陰極ケース内に位置する陰極5と、及び陽極と陰極を分離する膜7とを有する。
【0003】
様々な種類のボタンセルどうしを区別するために、セルの外側表面の1つ、具体的には、陰極ケース表面又は陽極ケース表面にマーキング8が設けられる。
【0004】
これらのマーキングは、様々な異なる方法で設けられる。第1の方法は、電池の表面のうちの1つにインク8aないし塗料を堆積されることを伴う。この方法は、簡単で適応させることが容易であるという利点を有する。実際に、第1の種類の電池マーキングから第2の種類の電池マーキングに変えるのは容易である。
【0005】
しかし、この手法の第1の課題は、電池ケースに対する良好な層の接着を確実にする必要があることである。別の課題は、電池上の塗料ないしインクが容易に消されたり引っ掻かれたりするということである。実際に、これらの電池は、注意せずに取り扱われたり、落とされたり、又は機械的に摩耗して、これによって、引っ掻き傷や変形を引き起こし、これは、インクないし塗料を劣化させる。堆積した層が劣化すると、インクないし塗料の残留物が電池表面から離れ、電気接点を汚したり、デバイスの正常動作を害することがある。
【0006】
また、このようなインク又は塗料の使用には、電池の接触面積を減少させてしまうという課題があり、したがって、電気接点に悪影響を与えないようにマーキングを形成しなければならない。1つの手法は、より高価な導電性塗料ないしインクを使用することを伴う。これにも前記課題があてはまり、また、灰黒色が支配的であるような暗い色に色の選択を限定させてしまう。
【0007】
別の手法は、スタンピングによってマーキング8b、8cを形成することを伴う。この方法は、ポンチプレスの支援を受けて、陽極ケース、又はより伝統的には陰極ケース、を可塑的に変形することを伴う。ケースの他の側から見ることができるマーキング8bをスタンピングによって、あるいは、マーキング8cを材料を砕くことによって作ることができる。しかし、この方法には、より複雑な管理を伴うという課題がある。実際に、各マーキングに対して異なるポンチが必要である。
【0008】
結果的に、これは、マーキングが変わる毎に各ポンチを変える必要があるような、あるいは一又は複数の特定のマーキングを備えた一連の電池が連続して作られるような、複雑な電池製造プロセスを伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、電池との電気接点を害さない単純な耐久性を有するマーキングを設けることができる電池を提案することによって、従来技術の前記課題を克服する、電解槽電池のような電気的エネルギーを蓄える蓄エネルギー装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このために、本発明は、陽極ケースと、前記陽極ケース内に位置する陽極と、前記陽極ケースに固定される陰極ケースと、前記陽極ケースに対して前記陰極ケースをシールするシールと、前記陽極ケースと前記陰極ケースの間で前記陰極ケース内に位置する陰極と、及び前記陽極と前記陰極の間の膜とを有する電池ないし蓄エネルギー装置に関し、お互いに対して固定された前記陽極ケース及び前記陰極ケースはそれぞれ、第1の外側表面及び第2の外側表面と、及び前記第1及び第2の外側表面とは割面であり、かつ、当該蓄エネルギー装置の端縁としてはたらく第3の外側表面とを有し、前記蓄エネルギー装置は、当該蓄エネルギー装置の外側表面のうちの1つは、材料の局部加熱によって作成される少なくとも1つのマーキングを有し、前記マーキングは、導電性であり、前記マーキングは、畜エネルギー状態をモニタリングするデバイスであり、前記マーキングは、回折格子を形成する複数の溝を有し、前記溝は、前記回折格子が設けられた前記表面が、当該蓄エネルギー装置の放出又は当該蓄エネルギー装置の充エネルギー/放エネルギーの影響の下で変形した場合に、変形する。
【0011】
第1の好ましい一実施形態において、前記マーキングを形成する前記材料の局部加熱によって、材料が取り除かれる。
【0012】
第2の好ましい一実施形態において、前記マーキングを形成する前記材料の局部加熱は、レーザーによって行われる。
【0013】
第3の好ましい一実施形態において、前記マーキングは、当該蓄エネルギー装置の前記外側表面のうちの少なくともいずれか1つにわたって延在する。
【0014】
本発明の第4の好ましい一実施形態において、前記レーザーによる材料の前記局部加熱は、前記マーキングが設けられる表面の材料とコントラストを有する色を前記マーキングが有するように行われる。
【0015】
本発明の別の好ましい一実施形態において、前記レーザーによる材料の前記局部加熱は、前記マーキングが設けられる表面の材料と同じ色を前記マーキングが有するように行われる。
【0016】
本発明の別の好ましい一実施形態において、前記マーキングは、回折格子を形成する複数の溝を有し、これによって、前記マーキングに色を与える干渉効果がもたらされる。
【0017】
本発明の別の好ましい一実施形態において、当該蓄エネルギー装置は、さらに、装飾された画像である第2のマーキングを有する。
【0018】
本発明の別の好ましい一実施形態において、当該蓄エネルギー装置は、さらに、偽造防止デバイスである第2のマーキングを有する。
【0019】
本発明の別の好ましい一実施形態において、前記偽造防止デバイスは、表面上の寸法構成が異なる複数の凹部の組み合わせを有し、これによって、固有な構成を形成する。
【0020】
本発明の別の実施形態において、前記偽造防止デバイスは、お互いに対して平行に構成する複数の凹部の組み合わせを有し、これらの前記凹部どうしの間の間隔と前記凹部の幅は不均一であって、これによって、固有な構成を形成する。
【0021】
本発明の別の好ましい一実施形態において、前記偽造防止デバイスは、お互いに対して平行に構成する複数の凹部の組み合わせを有し、これらの前記凹部どうしの間の間隔と前記凹部の幅は不均一であって、これによって、固有な構成を形成する。
【0022】
本発明の別の好ましい一実施形態において、当該電池は、さらに、少なくとも1つの非導電性のマーキングを有する。
【0023】
本発明は、さらに、電子的モジュールを収容する閉じたケースを有する電子装置に関し、前記ケースは、ハッチカバーによって閉じられるハッチを有し、前記ハッチの中に、前記電子的モジュールに電源を供給する前記蓄エネルギー装置が配置される。
【0024】
本発明の好ましい一実施形態において、前記ハッチカバー又は前記ケースの他のいずれかの要素は、透明な材料で作られ、これによって、前記蓄エネルギー装置のマーキングを見ることができるようになっている。
【0025】
本発明の好ましい一実施形態において、前記蓄エネルギー装置の前記ケースには、装飾が施されており、前記電池マーキングは、前記装飾及び前記マーキングが組み合わさることで人目を引くアセンブリを形成するように作られている。
【0026】
本発明の実施形態についての下の詳細な説明(専ら制限されない例として与えられるものであって、添付図面において図示されている)を読むことで、本発明に係る電池の他の利点及び特徴が、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術に係る電池についての概略図である。
図2】本発明に係る電池の概略断面図である。
図3】本発明に係る電池のマーキングの変種の断面図である。
図4】本発明に係る電池のマーキングの変種の断面図である。
図5】本発明に係る電池の第1のアプリケーションの斜視図である。
図6】本発明の電池の第1のアプリケーションにおけるマーキングを有する計時器用ケースの裏蓋についての図である。
図7】本発明に係る電池の第2のアプリケーションの斜視図である。
図8図8A及び8Bは、本発明に係る電池の第3のアプリケーションの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図2は、本発明に係る電池として、電気的エネルギーを蓄える蓄エネルギー装置10を示す。前記電池10は、再充電可能であることも再充電可能ではないこともある。この電池10は、例えば、ボタンセルであり、陽極14を有する陽極ケース12を有する。電池は、さらに、陽極ケース12に固定された陰極ケース13を有する。陽極ケース12と陰極ケース13の間のシールを確実にするために、陽極ケース12に対して陰極ケース13をシールするシール16が使用される。
【0029】
陰極15は、陽極14と陰極ケース13の間にて陰極ケース13内に位置している。膜17は、陽極14と陰極15の間で位置するように構成する。陽極ケース12は、第1の外側表面21がある。陰極ケース13に第2の外側表面22がある一方。例えば、第1の外側表面21及び第2の外側表面22どうしは、平行である。電池10は、さらに、これらの第1の表面21及び第2の表面22に対して割面(セカント)である第3の外側表面23を有する。この第3の表面23は、電池10の端縁を形成し、陽極ケース12の一部及び陰極ケース13の一部で構成している。しかし、第1の外側表面21及び第2の外側表面22どうしは平行でなくてもよく、曲がっていてもよい。
【0030】
この電池10は、腕時計や計算機のような電子装置100内に配置されることを意図されている。電子デバイス100は、ケース101を有し、その中に電子的モジュールが配置されている。この電子的モジュールには、前記電池10によって電力が供給される。ケース101は、その裏蓋102の中にハッチ103が設けられるように作られており、ハッチ103の中には、電池10が電子的モジュールへの電気接続のために配置されている。このハッチ103は、電池ハッチカバー104によって閉じられる。一般的には、電池10がそのハッチ103内に配置されると、表面の1つがユーザーに見えるようになる。しかし、電子装置100において電池10の複数の表面が見えるようにすることもできる。ユーザーが見える表面とは反対の表面を介して電気接触が行われる。これは、一般には、第2の外側表面21、言い換えると、陽極であり、また、電池10の端縁としてはたらく第3の外側表面23の陰極ケースの一部を介して行われる。これは、一般に弾性的金属細長片の形態であるコンタクターを通して行われる。
【0031】
好ましいことに、本発明によると、電池10にはマーキング18がある。このマーキング18は、材料の局部加熱によって達成される。第1の実施形態において、材料の局部加熱には、電池10の表面のうちの1つからの材料の除去を伴う。この材料の除去は、レーザー彫刻によって達成される。すなわち、レーザー光線が所望の領域に当てられる。その後、材料はレーザーによって溶かされ蒸発される。このレーザー彫刻の使用は、より単純な電池マーキング工程を提供できるという利点を有する。なぜなら、レーザープログラミングのみが1つのマーキング18と別のマーキングの間で変わるからである。また、この方法によって、10〜200nmの彫刻深さを達成することが可能になる。これをスタンピングによって達成することは不可能である。レーザー彫刻によって、マーキングの非常に良好な接着を達成することが可能になる。なぜなら、ケースの材料と一体化されるからである。
【0032】
好ましくは、マーキング18は、導電性を有するように作られる。これを達成するために、レーザー彫刻は、(空気中の酸素と材料の間の酸化による)導電率の低下を電池性能に対する衝撃のない値に、すなわち、電池の内部抵抗に対して無視できる値に制限するように、周囲雰囲気で行われる。
【0033】
伝導性のマーキング18によって、マーキング18は電池のいずれの表面にもわたって延在することができる。この導電性のマーキング18は、第1の外側表面21、第2の外側表面22又は第3の外側表面23にわたって延在することができる。もちろん、マーキング18は、表面全体に同時にわたって延在することができる。この種のマーキング18の利点は、配置や表面に対する拘束がないということである。実際に、マーキング18が電気的接触を害さないので、その形は利用可能な表面によってのみ制限される。
【0034】
本発明の特徴によると、本発明に係るマーキング18は無色であることができ又は有色であることができる。この着色又は色の欠如は、レーザー彫刻方法のパラメーターに依存する。これらのパラメーターは、ビーム強度、信号種別(パルス化又は連続的)、パルス持続時間、彫刻時の雰囲気などである。
【0035】
黒い色のマーキング18を有することの利点は、それが電池10の材料、すなわち、陽極ケース12及び/又は陰極ケース13の材料と、前記マーキング18との間のコントラストを与えるということである。このように、このコントラストは、マーキング18が目立ち、注目されることを意味する。
【0036】
反対に、無色であることは、マーキング18が、電池10のケースの素材と同じ色を有することを意味し、これによって、事実上目に見えず、したがって、一目で見られる必要のない基本的な情報を秘密にすることができる。
【0037】
第2の実施形態において、材料が除去されずに単に電池材料が着色されるような温度で材料の局部加熱が行われる。異なる色で着色することが、温度のような所望の色を得るのに必要な方法パラメーターを選ぶことによって達成される。この技術は、色変化マーキングと呼ばれ、レーザーによって行うことができる。このようにして、以前にアブレーションマーキングのために使用した調整の種類も使用される。すなわち、ビーム幅、ビーム種類、ビーム周波数、マーキングする環境などである。
【0038】
図3に示す変種において、黒以外の色で又は電池の素材の色でマーキング18を作ることができる。これを達成するために、回折格子180を彫るためにレーザー彫刻方法が使用される。この回折格子180は、お互い平行な複数の溝180aで作られる。
【0039】
これらの溝180aは、それらの形とそれらの寸法によって定められる。溝180aは、散乱光反射を発生させる。鏡面反射時に干渉効果が発生し、これは、複数の小さな鏡を有する回折格子の彫られていない表面上の鋸歯状突起180bの一番上において発生する。したがって、これは溝のネットワークと同じ物理的構成である。鋸歯状突起180bの幅は溝の開口と同じである。他方、溝180aは、溝どうしの間の空間と等しい。鋸歯状突起の間の空間は、領域ごとに異なるようにすることができる。これによって、図4に示すような色のモザイク(クジャクの羽のような)を得ることができる。これらの領域間の境界は、黒っぽく/無秩序になる、したがって、間隔が規則的なままであるような特定の表面を有する領域が必要である。
【0040】
第1のアプリケーションにおいては、これらのマーキング18は、図5に示すような、人目を引く図形181又は装飾イメージを形成するように使用される。このために、人目を引く図形181は、電池10がハッチ103にあるときにユーザーに見られる電池の表面上で作られる。これらの人目を引く図形181は、限定版を作るために容易に使用することができる。
【0041】
また、図6に示すように、一又は複数の人目を引く図形181を大きな人目を引くアセンブリと一体化することができる。電池10を有するデバイス100用のケース101が装飾105を備えていたり、電池10用のケース101が装飾105の一部であることを考えることができる。これを達成するために、電池10のマーキング18がケース101の装飾105と連係し、人目を引くアセンブリ106を形成することが考えられる。例えば、ケース101に特定の星座を形成する星(図示せず)からなる装飾がある場合、電池10のマーキング18は、電池10をハッチ103内に設けると前記星座が完全に現れるように構成する一又は複数の星の形態であることができる。同様に、有名な秘密諜報部員007(登録商標)についてのロゴを作ることができる。これにおいて、銃身の画像がケース101の装飾105となっており、人間の図形がマーキング18を形成している。
【0042】
他方では、人目を引く図形181は、単にメーカーのロゴであったり、セル種別や供給電圧のような電池10の特徴に関する表示であることができる。その場合には、マーキング18はあまり目に見えないように無色とすることができる。特に、マーキング18が人目を引く図形181として機能する別のマーキング18に関連づけられている場合にである。このアプリケーションにおいては、人目を引く図形181は、その外観を改善するために、回折格子180を有することができる。
【0043】
この第1のアプリケーションは、透明材料で作られた電池ハッチカバー104を有する有利な手法に関係している。このような材料の透明性によって、電池10が交換される際だけでなく望んだ時にユーザーは電池10のマーキング18を見ることが可能になる。
【0044】
第2のアプリケーションにおいて、一又は複数のマーキング18が偽造して使用することを防止するために利用される。この偽造防止マーキングは、様々な形態であることができる。
【0045】
第1の形態は、通し番号を作ることを伴う。通し番号は、好ましくは、無色であり、すなわち、電池の素材と同じ色であり、これによって、検出が困難になる。
【0046】
偽造防止マーキング18の第2の形態は、図7に示すようにバーコード182のような特定の構成を伴う。バーコードは、二次元であることができ、例えば、レーザー彫刻で設けられる。一連の凹部182aを作ることを考えることができる。これは、浅いこともあって深いこともあり、幅広であることもあって幅が狭いこともあり、長いこともあって短いこともある。また、例えば、正方形を形成することもできる。このような特定の組み合わせは、好ましくは、できるだけ地味なように無色のマーキングとなるように作られる。その後、バーコード182を走査して、電池10の真正性を確認することができる。
【0047】
また、深さが同じで幅と間隔が異なる複数の平行な凹部182aで形成された従来のバーコードも彫ることができる。
【0048】
この偽造防止マーキング18の第2の形態の変種において、凹部182aそれぞれに回折格子180を設けて、有色のバーコード182を得ることができる。レーザーによって材料をマーキングして取り除く利点の1つは、印刷よりも信頼性があるということである。これは、前記バーコードを取り除くには下方向に削らなくてはならず、したがって、痕跡を残すことになるからである。
【0049】
第3のアプリケーションによると、電池10用の充電インジケータ183を形成するようにマーキング18が使用される。実際に、電池10が完全に充電されているか放電されているかどうかに応じて、電池の輪郭が変わる。より詳細には、電池10が完全に放電されていれば、第1の外側表面21又は第2の外側表面22の輪郭の外観は異なるようになる。
【0050】
本発明によると、電池10用の充電インジケータ183は、巧妙に、変形する電池10の表面上に回折格子180を有する。この回折格子180はお互いに平行な複数の溝180aで作られる。上で説明したように、図8Aに示すように、この回折格子は、光を異なる波長の光に分け、これらはお互いから離れて伝わる。
【0051】
したがって、図8Bに示すように、電池10が放電されていれば、回折格子180が設けられた表面(ここでは、陽極ケース12の表面)が変形する。これは、回折格子180の間隔を変える。結果的に、光は異なるように散乱し、色が変わる。このようにして、このような色変化によって、充電の状態の視覚表示を提供することができる。
【0052】
添付の請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱せずに、上記の本発明の様々な実施形態に対して当業者にとって明白な様々な変更、改善及び/又は組み合わせを行うことができることは明らかであろう。
【0053】
第2の変種において、電池10は、さらに、非導電性であるように作られたマーキングを有する。これを達成するために、酸素雰囲気でレーザー彫刻が行われる。これによって、彫られた表面を酸化させて、導電率を十分に減らして電気の流れを妨げることができるという効果を有する。
【符号の説明】
【0054】
10 蓄エネルギー装置
12 陽極ケース
13 陰極ケース
14 陽極
15 陰極
16 シール
17 膜
18 マーキング
21 第1の外側表面
22 第2の外側表面
23 第3の外側表面
100 電子装置
101 ケース
103 ハッチ
104 ハッチカバー
105 装飾
106 アセンブリ
180 回折格子
182 偽造防止デバイス
183 畜エネルギー状態をモニタリングするデバイス
180a 溝
182a 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8