特許第6028023号(P6028023)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6028023封止ジョー用サスペンションおよび封止ジョーを較正するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6028023
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】封止ジョー用サスペンションおよび封止ジョーを較正するための方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20161107BHJP
   B65B 51/14 20060101ALI20161107BHJP
   B65B 51/26 20060101ALN20161107BHJP
【FI】
   B65B51/10 M
   B65B51/14
   !B65B51/26
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-515788(P2014-515788)
(86)(22)【出願日】2012年6月13日
(65)【公表番号】特表2014-519456(P2014-519456A)
(43)【公表日】2014年8月14日
(86)【国際出願番号】SE2012050637
(87)【国際公開番号】WO2012173558
(87)【国際公開日】20121220
【審査請求日】2015年6月8日
(31)【優先権主張番号】1150540-1
(32)【優先日】2011年6月15日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】593205554
【氏名又は名称】テトラ・ラヴァル・ホールディングス・アンド・ファイナンス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】TETRA LAVAL HOLDINGS & FINANCE S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・パーション
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/045395(WO,A1)
【文献】 特開2010−013171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/10−51/30
B65B 7/00−7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止方向に封止ジョーを選択的に付勢するための第1のスプリング機構(146;246)および第2のスプリング機構(149;151;249)を備えたサスペンションを介してソケット(160;260)内で懸架された前記封止ジョー(104;204)を備えた封止ユニットであって、前記サスペンションは、
・前記第2のスプリング機構(149;249)が前記封止ジョー(104;204)に対して付勢力を加えるのを阻止しながら、前記第1のスプリング機構が前記ソケット(160;260)に対して固定的に取り付けられかつ封止方向に前記封止ジョー(104;204)に対して付勢力を加えるように動作可能な第1の状態と、
・前記第1のスプリング機構(146;246)が前記ソケット(160;260)に対して移動可能に配置され、かつ、前記第2のスプリング機構(149;151;249)が前記封止方向に前記封止ジョー(104;204)に対して付勢力を加えるように配置された第2の状態と、を有することを特徴とする封止ユニット。
【請求項2】
前記第1のスプリング機構は、その中に第1のスプリング(147)が配置される第1のハウジングを備え、前記ハウジングは、前記封止ジョーの方向に開放端を有することを特徴とする請求項1に記載の封止ユニット。
【請求項3】
弾性バッファー(152)が前記第1のスプリング機構の前記第1のスプリング(147)と前記封止ジョーとの間に配置され、前記弾性バッファーは付勢方向に貫通孔を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の封止ユニット。
【請求項4】
前記ハウジングは前記ソケットのマッチング開口内に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の封止ユニット。
【請求項5】
前記第2のスプリング機構は、前記ソケットのマッチング開口内に配置された第2のハウジングを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の封止ユニット。
【請求項6】
前記第1のスプリング機構に関する有効スプリング定数は、前記第2のスプリング機構に関する有効スプリング定数を上回ることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の封止ユニット。
【請求項7】
前記封止ジョーは長さ方向に分割されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の封止ユニット。
【請求項8】
ワッシャー(250)が、スプリングハウジング(246)のスプリング(247)と、前記スプリングハウジング(246)の遠位端部との間に配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の封止ユニット。
【請求項9】
対向する封止ジョーを較正するための方法であって、前記封止ジョーの少なくとも一つは請求項1に記載のサスペンションを備えており、前記方法は、
・前記対向する封止ジョーを完全閉ポジションへと移動させるステップと、
・第2のスプリング機構のみによって提供される力によって、前記封止ジョーが互いに付勢されるように前記第1のスプリング機構を係合解除するステップと、
・前記第1のスプリング機構を係合させるステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項10】
前記第1のスプリング機構の係合解除/係合は、前記ソケットに対するその結合を解除/係合することによって実施可能であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のスプリング機構を係合および係合解除するステップをさらに備え、前記第2のスプリング機構を係合解除する前記ステップは、前記第1のスプリング機構を係合する前記ステップの後に実施されることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記封止ジョー間にシム要素を配置するステップをさらに備えることを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挟持(クランピング)ジョー用サスペンションに関し、特に、チューブ状パッケージング容器の開放端を成形し封止するための封止ユニットにおいて使用される封止ジョーに関する。
【背景技術】
【0002】
注入可能な製品のパッケージング、特に注入可能な食品の分野では、さまざまな種類のパッケージング容器が使用されている。パッケージング容器は、パッケージ形状、パッケージング素材などに関して異なっており、このため、パッケージング容器の充填のために、そしてパッケージング容器の封止のために使用される方法は相違する。本発明は、好ましくは、コア層および複数の周囲のバリア層を含むパッケージングラミネートから製造されたパッケージング容器のために使用することができる。
【0003】
チューブ状のパッケージング容器の端部を封止する際には、しばしば、その一端を封止するために、パッケージング容器の端部を挟持して加熱する封止ジョーが使用されている。基本技術はよく知られており、ここではこれ以上詳細には説明しない。しかしながら本発明の目的のためには、「チューブ状」とは、矩形、長方形、六角形、楕円形等のような円形以外の断面を有するパッケージ、すなわちスリーブを形成するために、その二つの対向する縁部を接合することによって形成されたパッケージ容器を含むことに留意すべきである。
【0004】
パッケージング容器の端部の封止は複雑な処理である。端部は、プリセットパターンに従って封止され、成形され、折り込まれ、そして所望の形状(容器の底の場合は通常はフラット)へと固定されるべきである。各処理は、必ずしも、上述した順序で実行されない。容器の最終的な開口端を封止する際には、封止は、好ましくは、遅く行われるべきである。というのは、過度に早く封止されると、余分な空気が容器の内部に残るからである。これは、容器の第1の端部が封止され、成形され、そして折り込まれる際には、問題を生じない。
【0005】
上記の処理は、必ずしも、同じツールで実施されない。一般に、封止および初期成形および折り込みは、あるツールによって行われ、そして最終的な折り込みおよび固定は別のツールあるいはツール設備によって達成される。
【0006】
封止および初期成形および折り込みのためのツールは、チューブ状のパッケージング容器の開口端を挟持し、封止を達成するためのエネルギーを提供する、二つの対向する封止ジョーを含むことがある。開ポジションから挟持ポジションへのその途中において、二つの対向する封止ジョーは、それらが形成および折り込みを開始するように移動経路をたどることができ、そしてパッケージ容器の挟持および封止の後、それらは、成形および折り込みを継続するためにその動作を続けることが可能である。たとえ、そうした経路が十分に単純であっても、封止ジョーにそうした経路をたどらせるために必要な機構は、より複雑になる。これは、とりわけ、信頼性、再現性および耐久性のような要因が重要であり、かつ、価格が常に問題であるためである。従来の解決策の例は、本願出願人による特許文献1およびやはり本願出願人による特許文献2に見出すことができる。さらに、封止ジョー間でパッケージング材を挟持する際の、適切な封止力の達成に多大な労力が投入されている。本発明は、とりわけ、このような適切な封止力/挟持力の達成を容易にする封止ジョーサスペンションを提供することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2004/054790号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0276576号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に基づくサスペンションは、ソケット内で封止ジョーを懸架するよう構成されたサスペンションを有する封止ユニットとして形成され、当該サスペンションは、封止方向に、すなわち対向する封止ジョーの方向に、封止ジョーを選択的に付勢するための第1のスプリング機構および第2のスプリング機構を含み、
第1のスプリング機構は、それがソケットに対して堅固に取り付けられた状態と、それがソケットに対して移動可能に取り付けられた状態とを有する。
【0009】
これはまた、封止方向に封止ジョー付勢するための第1のスプリング機構および第2のスプリング機構を含むサスペンションを介してソケット内で懸架された封止ジョーを含む封止ユニットとして表現することができ、このサスペンションは、
・第2のスプリング機構が封止ジョーに対して付勢力を加えることを阻止されながら第1のスプリング機構が堅固にソケットに対して固定されかつ封止方向に封止ジョーに対して付勢力を加えるように動作可能な第1の状態と、
・第1のスプリング機構がソケットに対して移動可能に配置されかつ第2のスプリング機構が封止ジョーに対して(やはり封止方向に)付勢力を加えるように配置される第2の状態とを有する。
【0010】
第1のスプリング機構を係合および係合解除する能力は、封止ジョーの較正の間、すなわちその間に対向する封止ジョーの距離が設定される処置において、第2のスプリング機構の離隔を可能にする。この距離、スプリング、そしてパッケージング材の厚みは、成形および封止の間、パッケージング材に加えられる力(封止圧力)を決定するパラメータである。
【0011】
一つ以上の実施態様において、第2のスプリング機構は、封止ジョーに対して付勢力を選択的に加えるよう構成されるが、これは、較正の間だけ、第2のスプリング機構の機能を発揮させることができる。このようにしてシール圧力は完全に予測可能となる。
【0012】
サスペンションの第1のスプリング機構は、その中に第1のスプリングが配置された第1のハウジングを備えることができ、このハウジングハウジングは封止ジョーの方向に開放端を有する。ハウジングの使用は、第1のスプリングの簡素な閉じ込めを可能にし、そしてソケットやシューに対してそれを容易に取り付け可能とする。一つまたは複数の実施形態では、第2のスプリング機構は封止ジョーに直接作用するように構成されてもよく、他の実施形態では、第1のスプリング機構のハウジングに、したがって封止ジョーに間接的に作用するよう構成されてもよい。後者の実施形態は空間効率的でかつかつ細長い構造を保証し、一方、前者は、第1および第2のスプリング機構の機能が分離された、より簡単な構造である。
【0013】
サスペンションの性能を高めるために、弾性バッファーが第1のスプリングと封止ジョーとの間に配置されてもよく、この弾性バッファーは付勢方向に貫通孔を有する。弾性バッファー(その実施形態は以下で説明する)は、それが封止ジョーの予期しない挙動を吸収するので、サスペンションの損傷を起きにくくする。
【0014】
第1のスプリング機構のハウジングは、ソケット/シューのマッチング開口内に配置することができ、そして他の実施形態では、第2のスプリング機構のハウジングもまた、シュー/ソケットのマッチング開口内に配置でき、これは係合/係合解除の実施を容易にする。シュー/ソケットは、以下で説明するように、その開口内での第1のスプリング機構の挟持が容易に達成されるように、二つの半体からなっていてもよい。
【0015】
本発明の任意の実施形態において、第1のスプリング機構に関する有効スプリング定数は、第2のスプリング機構に関する有効スプリング定数を上回る。
【0016】
一般的な用語で、本発明のさまざまな実施形態の共通の特徴を説明すると、対向する封止ジョー間の距離を較正するための方法は以下のステップを含むことができる(必ずしもこの順に行われる必要はない)。
・対向する封止ジョーを完全に閉じたポジションへと移動させるステップ
・第2のスプリング機構のみによって提供される力によって、封止ジョーが互いに向かって付勢されるように第1のスプリング機構を係合解除するステップ
・第1のスプリング機構を係合させるステップ
【0017】
第1のスプリング機構の係合解除/係合は、好ましくは、ソケットに対するその結合を解除/係合することによって実施可能である。
【0018】
この方法はまた、第2のスプリング機構を係合および係合解除するステップを含むことができ、ここで、第2のスプリング機構を係合解除するステップは、第1のスプリング機構を係合する工程の後に行われる。第2のスプリング機構の「係合」とは、第2のスプリング機構が互いに向かって封止ジョーを押しやるために第1の封止ジョーに効果的に作用することを意味し、そして「係合解除」とは、それがなされないことを意味する。これらの追加ステップは、フローティングドリーを利用する成形/封止ユニットの実際の作業サイクルの間に第2のスプリング機構が相互作用することを阻止すべきである状況で実施されてもよい。
【0019】
この方法はまた、上述の追加のステップと共に、あるいはそれを伴わずに、封止ジョー間にシム要素を配置するステップを備えていてもよい。シム要素は、一片のシートメタルまたは一片の折り畳まれるか、折り畳まれていないパッケージング材といった、所望の厚さを備えた一片のシート材を備えていてもよい。所望の厚さは、好ましくは、実際の動作時に、封止ジョー間に配置される材料の厚さよりも小さなものであってもよい。
【0020】
フローティングドリーシステムは、先に説明した実施形態に係る成形・封止ユニットにおいて利用できるが、それはまた、一般に、封止ジョーを利用する封止および/または成形ユニットに対して適用可能である独立型構造物として使用することができる。
【0021】
本発明について特定の実施形態を参照して説明したが、本明細書に記載された特定の形態に限定することを意図していない。本発明は特許請求の範囲の記載によってのみ限定され、上記以外の実施形態も特許請求の範囲内で同様に実施可能である。
【0022】
請求項の記載に関して、「備える/備えている」との語は他の要素またはステップの存在を排除するものではない。さらに、別個に列挙したが、複数の手段、要素または方法ステップは、例えば単一のユニットまたはプロセッサによって実施されてもよい。さらに、個々の特徴は異なる請求項に含まれ得るが、それらは、ことによると有利に組み合わせることができ、そして異なる請求項における包含は特徴の組み合わせが実現可能かつ/または有利でないことを意味しない。さらに、単数の言及は複数を排除するものではない。「ある」、「一つの」「第1の」、「第2の」等の用語は複数を排除するものではない。請求項における参照数字は、単に、明確化する例として付与したものであり、決して、特許請求の範囲の限定として解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態に係るサスペンションを含む成形・封止ユニットの斜視図である。
図2図1の成形・封止ユニットの拡大詳細図である。
図3】第1実施形態に係る封止ジョーサスペンションの断面図である。
図4】第1実施形態に係る封止ジョーサスペンションの断面図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係るサスペンションを含む成形・封止ユニットの斜視図である。
図6】第2実施形態に係る封止ジョーサスペンションの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を説明するために、まず図1を参照すると、これには、本発明の第1実施形態に係るサスペンション機構を有する成形・封止ユニット100が示されている。初めから説明すると、成形・封止ユニット100の機能は、開ポジションと閉ポジションとの間で封止ジョー102,104を移動させることである。開ポジションでは、封止ジョー間に新しいパッケージ容器を装填することが可能となり、そして閉ポジションでは、パッケージ容器の一端を閉塞し封止することが可能となる。封止ジョーの目的および機能は、ここでは詳しく説明しない。というのは、目的は明白であり、かつ、基本的な機能は当業者にはよく知られていると考えられるからである。開ポジションから閉ポジションへのその途上で封止ジョーによって選択された経路は、パッケージ容器とのその相互作用に影響を与え、そして経路は考慮するためのパラメータである。これについては以下で詳しく説明する。
【0025】
説明を続けるが、各封止ジョー102,104は、対応するトング106,108の近位端部に取り付けられている。封止ジョー104の少なくとも一方は、封止ジョー102,104間の距離を変更可能であるように、対応するトング108に対して動作可能に取り付けられている。封止ジョー間の距離を変化させることを望む主な目的は、封止ジョー間のクリアランスを調整することにより、パッケージング材料の特定の厚みを考慮することである。各トング106,108の対向する遠位端部は、本実施形態では、両トング106,108に関して共通のピボット軸である第1のピボット軸110に対して結合される。
【0026】
封止ジョー104の詳細は、図2により詳しく示されている。
【0027】
封止ジョー102,104と第1のピボット軸110との間のポジションにおいて、リンク112,114(図1では部分的に隠れている)は、共通の第2のピボット軸(図1では示していない)116へとトング106,108から延びる。リンク112,114は、両方のそれらの取り付けポイントにおいて回動可能となっており、そして、本実施形態では、各トングは二つのリンクと関連付けられている。第1および第2のピボット軸間の相対距離を変えることによって、各リンクの傾きが変化すること、そしてこれによって封止ジョー102,104間の距離が変化することは明らかである。このデバイスは、好ましくは、リンクが互いに対して180°の角度で方向付けられるポジションが、封止ジョーが完全に閉じた(あるいは少なくとも互いに接近できない)ポジションに対応する動作サイクルに含まれるように調整される。
【0028】
ソケット118はユニット100用のフレームワークとして機能し、そしてソケットに対して堅固に接続されたコンポーネントはフレームワークの一部を形成する。システムによって生じる全ての力がシステム内部でも吸収されることは、この説明に接した当業者には自明であろう。なぜなら、ソケット118は剛体アンカーとして機能するからである。システムが、慣性力が問題になるような様式で動作する場合、それを適切にバランスさせる必要がある。上記のものはソケット118の一方側に配置される。ソケット118の他方側は駆動セクションを備え、その詳細は本発明には関連しない。
【0029】
封止ジョー102,104、特にそのサスペンションに戻るが、本実施形態ではトング106,108は本質的に同一でありかつ二つのトングが各封止ジョーのために使用されていることを知ることから利益を得ることができる。封止ジョー102の一方はインダクタを備えるが、これは、作業間、第1の封止ジョー102と第2の封止ジョー104との間に挟持されたパッケージング材料を加熱するために使用される。第2の封止ジョー104はインダクタのアンビルとして機能する。一般に、熱を発生させて封止を達成するために、封止ユニットからパッケージング材へとエネルギーを伝達する必要があるが、ある場合には、クランプ力で十分である。ケーブルまたはバスバー142が、加熱のために使用されるインダクタに電力を伝送するために使用される。加熱が望まれる状況では、誘導加熱が、いくつかの選択肢の一つであり、したがって本発明は、この特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。第2の封止ジョー104は、封止ジョー間の距離が可変であるように、対応するトング108に対して取り付けられる。このようにして、本機構は、単純かつ簡単な方法でパッケージング材のさまざまな厚みに適合することができる。
【0030】
二つの部品ホルダー(またはソケット)160のボルト144を緩めた後、シリンダ146を前後にスライドさせることができるが、これは、効果的に、その閉ポジションでの封止ジョー間の距離を変化させる。シリンダ146は、図1から明らかなものより少し複雑な構造を有する。それらは、封止ジョー104のための弾性サスペンションを提供し、そして内部可変スプリング機構(各シリンダ内部にあり、特許請求の範囲では第1のスプリング機構と呼ばれる)は、可変封止力をシリンダジョー間で挟持されるパッケージング材に対して加えることを可能とする。サスペンションはまた、ホルダーから離れるように封止ジョー104を押しやるよう配置された、さらなるスプリング機構151(第1のスプリング機構と区別するために特許請求の範囲では第2のスプリング機構と呼ばれる)を備える。さらなるスプリング機構は別個の要素であり、スプリング149は、さらなるスプリング機構151の付勢力を提供する。これは、さらに説明する第2実施形態とは異なっており、ここでは、「さらなるスプリング機構」249は第1のスプリング機構として同じ要素内に配置され、そして直接的に実際のスプリング(付勢力を提供するスプリングの対)を指す。スプリング機構151によって加えられる力を変更し、所望の封止力の約半分に設定することが可能であり、そしてスプリング機構151は、シリンダジョー、そして機構全体、以下の段落で説明する処理を較正する際に特に有用である。図1では、ただ一つのボルト144、シリンダ146、さらにスプリング機構151に参照数字が付されているが、これは単に図1を見やすくするためであり、コンポーネントの実際の数の指標として使用されるべきでないことに留意されたい。図1から、本実施形態の構成では、四つのボルト144、四つのシリンダ146および二つのスプリング機構151が存在することを推定することができる。当業者には、それが、実際のコンポーネントの種類および数よりも問題であるコンポーネントの所望の機能であることは明らかである。さらなるスプリング機構151の効果はネジ148の操作によって制御されるが、これは図3および図4に関連して、より詳細に説明する。
【0031】
上記システムの較正は特に簡単であり、それは、たとえそれが最も簡単な方法である場合でも以下で説明する順序で実行する必要はない。ユーザは単に、好ましくはシステムの実際の動作中にそこに置かれるパッケージング材の量未満である、封止ジョー間で挟持される所望の量のパッケージング材を有するその完全な閉ポジションへと封止ジョーを移動させる。本機構は、続いて、例えばカムホイールの物理的なロックによって、このポジションでロックすることができる。ボルト144を緩めた後、封止ジョー104は、さらなるスプリング機構151(149)によって付与される所望の封止力の約半分で封止ジョー102に向って付勢され、その間でパッケージング材を挟持する。この時点で、ボルト144が再び締め込まれて、配置が較正される。いくつかの実施形態において、スプリング機構151の付勢力は、動作の間、望ましくなく、この場合、それらは、封止ジョーの較正中に作動させられるだけである。封止機構は多数のジョイントを備え、各関節は、公差に影響を与える、ある量の遊びをもたらす。較正中にスプリング機構によって生成される力は、一つの極に向ってシステムの全遊びを効果的に押しやり、このようにしてパッケージング材が封止ジョー間で挟持される際の機構の公差が最小限に抑えられる。
【0032】
ラバーブッシュは、サスペンションの一部として、封止ジョー104とシリンダ146との間に配置されてもよい。ラバーブッシュは、それらが、依然として機構のための保護安全手段として機能しながら封止力に影響を与えない(少なくとも著しい程度には与えない)ように、形状および素材を適切に選択することによって容易に設計することができる。封止ユニットに不具合がある場合、起こり得る影響は封止ジョー間のパッケージング材の量が2倍またはそれ以上になるかもしれないことである。パッケージング材はまた、封止ジョーの一端部に向かって移動することがあるが、これは不均一な負荷を生じる。封止ジョーのそうした望ましくない変位は、封止ジョー、そのサスペンションの故障の原因となり、そして望ましくない力は機構を経て伝達され、機構全体の故障を引き起こすことがある。ラバーブッシングは、予見できる限界内で力および変位を吸収するが、これが機構の完全性を残す。
【0033】
第1実施形態はさらに図3および図4の詳細図に示されている。図3は、さらなるスプリング機構151の断面を示し、図4はシリンダ146の断面を示している。ここで、(デバイスの動作中に使用される)メインスプリングの作用をもたらす要素はシリンダ146内に配置されており、これは、第2実施形態に関連して説明されるものと基本的に同一の構造を有することができるが、第2実施形態に存在するディスクスプリング手段に関しては異なる。だが、ディスクスプリングの作用は、これに代えて、さらなる別体のスプリングハウジング、すなわち「さらなるスプリング機構」151によって提供され、その機能は、本実施形態では、コイルスプリング149によって提供され。図5および図6の実施形態におけるディスクスプリングおよびコイルスプリング149は、それらが、実際の付勢力が加えられるように、シリンダ146/スプリングハウジング246がそのシュー/ソケット160/260から解放されるとき、それがその対向するジョー102/202に当接するポジションを越えてジョー104/204を付勢しようとするように構成されている、という共通点を有する。さらなるスプリング機構151は、コイルスプリング149の代わりに、ディスクスプリングを備えてもよいが、他の適切な付勢機構が採用されてもよい。この第1実施形態では、コイルスプリング149は、ソケット160の開口内に配置され、スプリングの一端は(封止ジョーに対して遠方の)開口の底に当接している。コイルスプリングの他端は当接要素内に配置されており(参照数字149で示す要素を参照)、これは、今度は、ネジ148に接続可能である。ネジは、当接要素と螺合し、かつ、コイルスプリング149と同心円状に、かつ、開口の底の孔を経て、ネジヘッドが配置されているソケット160の遠隔端部に向って延びる。ネジ148を操作することによって、コイルスプリングは圧縮される(そして封止ジョーとの接触状態でなくなるように引っ張られる)か、(それが封止ジョーに付勢力を加えるように)弛緩させられる。
【0034】
図3および図4(および図1図2)の実施形態では、サスペンションを用いて封止ジョーを較正する方法は、以下のステップを含んでいてもよい。
・ネジ144を緩める。これは、メインスプリングシリンダ146がそのソケット内でスライドすることを可能とする。
・封止ジョーとドリーとの間でシムまたはカートンの一つの層を伴って封止ポジションでカムを設定する。
・ネジ148を緩める。これは、さらなるスプリング機構151(149)がコイルスプリング149の特性によって決定される力で閉方向に封止ジョーを付勢することを可能とする。
・そのソケット内でメインスプリングシリンダ146をロックするようにネジ144を締め込む。
・ネジ148を締め込む。これは、その付勢効果が中断されるように、さらなるスプリング機構151(149)と作用し合う。
【0035】
使用時、同時に二つ以上のパッケージング容器で動作するための成形・封止ユニットを利用することが一般的である。このような場合、封止ジョー104は、それが二つ以上のセグメントを含むように、その長手方向を横切って分割されてもよい。これは、本発明のシステムを用いて成形され封止された各パッケージング容器が個々のセグメントによって取り扱われるように利用可能である。このように、他のセグメントに異常がある場合でも、あるセグメントは影響を受けない。異常の例としては、パッケージング容器の不在、材料の予期しない厚みなどが挙げられる。本発明のサスペンションへの影響は、複数の、好ましくは封止ジョーのセグメント毎に二つの重複したサスペンション機構を使用しなければならないことである。代替実施形態では、二つのメインスプリングは各セグメントのために使用されるが、以上のまたは以下の説明に基づく、ただ一つのさらなるスプリング機構でもよい。だが、最も一般的な機構は、二種の付勢機構が対をなすものである。
【0036】
本発明の第2実施形態が図5および図6に示されており、図5は出願番号SE1000902−5を持つ同時係属出願から採用されたものであるが、ここには、この特定のシステムの詳細が開示されており、よりよい理解のためにそれを参照する。以下、本実施形態に直接関連する詳細については説明する。サスペンションは遠位端に封止ジョー204を有するが、これは、ラバーブッシュ252およびラバーブッシュ252を通って延びるジョーピストン254を介して、封止ジョー204の近位側で、スプリングハウジングに246に結合している。スプリングハウジング246は、遠位プレート256および近位プラグ258によって、(スプリングハウジングの内部で応力を受ける)メインスプリング247を取り囲んでいる。近位側では、スプリングハウジング246は、シュー260によって従動アーム208に取り付けられている。スプリングハウジング246とアーム208との間に、すなわちプラグ258とアーム208との間に、シュー260によって保持されて、ディスクスプリング249が配置されている。したがって、ディスクスプリング249はプラグ258の近位に、そしてアーム208の遠位に配置されている。シュー260を締め込む/緩めることで、ネジ244を締め込み/緩めることで、ディスクスプリング249は、(図6に示すように左側へと)封止方向にスプリングハウジング246を付勢することができるができる。ラバーブッシュは、図示の実施形態では、二つの金属円筒間の加硫ラバーからなる(これは図6から分かる)。
【0037】
したがって、シュー260が緩和ポジションにあるとき、ディスクスプリング249はリリース状態であり、スプリングハウジング246は、シュー260内で近位方向に変位可能である。同時に、メインスプリング247は、プレート256とプラグ258との間で、スプリングハウジング246内で予加圧される。このポジションでは、シムまたはカートンの層が封止ジョー204と、対応する封止ジョーとの間に配置されるであろう。
【0038】
封止ジョーは、続いて、クランプポジションで接触状態とさせられる。このポジションでは、メインスプリング247は、それが圧縮される程度に影響されず、一方、スプリングハウジング246は封止ジョー204に対して正確な封止ポジションとなる。ディスクスプリング249はいまや圧縮され、そしてシュー260は、例えばネジ部材244を締め込むことによりスプリングハウジング246に対して固定される。このステップにおいて、第1のスプリング機構、メインスプリング244は係合され、そして第2のスプリング機構、ディスクスプリング249は係合解除される。というのは、ハウジングは位置的にソケット260に関してロックされるからである。図6の特定の実施形態において、ディスクスプリング249によって提供されるスプリング力は、メインスプリング247によって提供されるスプリング力よりも小さく、これはメインスプリングが影響を受けない理由の説明である。これは、ハウジング246のストロークがディスクスプリング249の能動ストローク内に留まる限り当てはまる。ディスクスプリング249が完全に圧縮されるか、またはハウジング246がシュー260と係合させられ、すなわちシュー260と位置関係に関してロックされると、さらなる圧縮がメインスプリング247を作動させる。この関係は第1実施形態には当てはまらなくてもよいが、多くの場合、第1のスプリングのスプリング定数が第2のスプリングのスプリング定数を上回るというこの関係が依然として支配的であることが好ましい。
【0039】
カートンの二つの層を封止する際、使用中、スプリングハウジング246はシュー内に固定的に配置され、ディスクスプリング249は影響を受けない。したがって、その代わりに、ラバーブッシュ252を貫通して延びるジョーピストン254がプレート256を押圧したときに、メインスプリング247が圧縮される。この状態では、ワッシャ250は除荷されるが、このワッシャはスプリングハウジング246とプレート256との間で挟持されている。このようにして、ワッシャ250を押圧することにより、ユーザは、メインスプリング247が影響を受けたかどうかを、したがって正確な封止ポジションが得られたかどうかを制御できる。メインスプリング247が僅かに圧縮されている場合、それはスプリングハウジング246から係合解除され、これによってスプリングハウジング246から延出するワッシャ250のハンドル部分は、接触状態まで緩んだ状態となる。それゆえ、ワッシャ250が緩く配置される場合、メインスプリング247は圧縮されており、これは、今度は、正確な封止力が印加されていることを意味する。たとえワッシャ250が簡便な制御パラメータを提供する場合であっても、それが本発明の本質的な特徴と解釈すべきではない。
【0040】
ディスクスプリング249によって提供されるスプリング力は、挟持中に必要な力の半分程度を提供するようにバランスさせられてもよい。
【0041】
本実施形態に関する、さまざまな用途が存在し、その一つは、出願番号SE1000902−5を持つ同時係属出願に開示されたシステムのためのものであり、ここで、それは封止ジョー102(引用出願の図1および図2において使用される参照数字)を懸架するために使用可能である、
【符号の説明】
【0042】
100 成形・封止ユニット
102 第1の封止ジョー
104 第2の封止ジョー
106,108 トング
110 第1のピボット軸
112,114 リンク
116 第2のピボット軸
118 ソケット
142 バスバー
144 ボルト
146 メインスプリングシリンダ
148 ネジ
149 コイルスプリング
151 スプリング機構
160 ソケット
204 封止ジョー
208 従動アーム
244 ネジ
246 スプリングハウジング
247 メインスプリング
249 ディスクスプリング
250 ワッシャ
252 ラバーブッシュ
254 ジョーピストン
256 遠位プレート
258 近位プラグ
260 シュー
図1
図2
図3
図4
図5
図6