【実施例】
【0081】
以下、本発明について実施例及び比較例を示してより具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。尚、物性の測定方法は以下の通りである。
(1)核磁気共鳴分光法(NMR):溶媒としてクロロホルム−dを使用し、JNM−ECA500(日本電子株式会社製)で測定した。
(2)ガスクロマトグラフ−質量分析(GC−MS):EI(株式会社島津製作所製GCMS−QP2010)を用いて測定した。
(3)重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn):HLC−8220 GPCシステム(東ソー製、カラム=TSGgel G−4000HXL+G−2000HXL)を用いてポリスチレン換算で測定した。
【0082】
また、5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−オールは2−アダマンタノンを原料に文献(J.Org.Chem., 48,1099−1101(1983))記載の方法により4−オキソ−1−アダマンタノールを合成し、さらにギ酸と過酸化水素水からなる過ギ酸による反応により合成した。
5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールは2−アダマンタノンを原料に文献(J.Am.Chem.Soc., 108,15,4484(1986))記載の方法によりendo−ビシクロ[3.3.1]ノン−6−エン−3−カルボン酸を合成し、さらにギ酸と過酸化水素水からなる過ギ酸による反応により合成した。
【0083】
実施例1
ホモアダマンタン誘導体の合成:(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメチルクロライド
1Lフラスコに、5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−オール54.7g(300mmol)とジメチルスルホキシド(DMSO)400mL(5.6mol)、無水酢酸200mL(2.1mol)を加え、3日間攪拌した後、ガスクロ分析を行ったところ、5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−オールが完全にメチルチオメチルエーテル体に転化していることを確認した。
【0084】
この反応混合液に水150mLとジエチルエーテル300mLを加え、震とう、静置の後、水層と有機層を分けた。水層に再びジエチルエーテル150mLを加え、震とう、静置の後水層と有機層を分けた。これをさらに2回繰り返し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過、濃縮し、得られた黄色オイルにクロロホルム100mLを加え、塩化チオニル21.8mL(300mmol)を滴下した。1時間撹拌した後、溶媒と軽質ガス成分を減圧下留去したところ、目的とする下記式の(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメチルクロライド54.2g(235mmol、単離収率78.3%、GC純度98.3%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0085】
GC−MS:232(0.04%),230(0.4%),194(10.2%),164(23.3%),138(56.7%),120(39.6%),95(100%),79(58.8%),67(22.1%),55(18.4%),41(29.8%)
1H−NMR:1.84〜2.67(m,11H),3.09(t,J=5.6Hz,1H),4.63(s,1H),5.43(s,2H)
13C−NMR:29.69,30.11,34.56,34.63,38.14,39.83,41.37,68.29,73.88,82.07,177.92
【化24】
【0086】
実施例2
ホモアダマンタン誘導体の合成:(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシメチルクロライド
塩化水素ガス導入用のノズルを取付けた1Lセパラブルフラスコに撹拌装置を取り付け、ここに5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オール54.7g(300mmol)、パラホルムアルデヒド13.6g(450mmol)、硫酸マグネシウム36.2g(300mmol)及び乾燥したジクロロメタン650mLを加え、氷浴で0℃に冷却、攪拌した。ここに塩化ナトリウム292g(5.0mmol)と濃硫酸700mLを混合して発生させた塩化水素ガスをノズルを通して1時間吹き込んだ。さらに3時間攪拌後、硫酸マグネシウムをろ過した後、ガスクロ分析を行ったところ5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールは完全にエーテル体に転化していることを確認した。
【0087】
蒸留により塩化水素及びジクロロメタンを除去し、目的とする下記式の(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシメチルクロライド58.1g(251mmol,単離収率84.0%,GC純度98.9%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0088】
GC−MS:232(0.01%),230(0.5%),194(9.9%),164(53.7%),136(83.0%),121(15.8%),110(15.9%),79(100%),67(22.4%),55(19.1%),41(24.1%)
1H−NMR:1.57(s,1H),1.84〜2.25(m,9H),3.22(s,1H),3.92(s,1H),4.11(s1H),5.68(s,2H)
13C−NMR:24.78,27.76,28.53,29.72,30.41,31.67,38.49,69.91,72.30,82.15,177.48
【化25】
【0089】
実施例3
ホモアダマンタン誘導体の合成:2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライド
1Lフラスコに5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−オール36.4g(200mmol)を加え、テトラヒドロフラン200mLで溶解させ、トリエチルアミン41.8mL(300mmol)を加えた。フラスコを氷浴で冷却した状態で、クロロ酢酸クロライド19.1mL(240mmol)を約30分かけてゆっくり滴下した。
【0090】
その後、3時間撹拌を続けた後、水100mLを加えて反応を停止させた。得られた反応混合液はジエチルエーテル抽出、水洗の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過、濃縮後、再結晶により精製し、目的とする下記式の2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライド39.8g(154mmol、単離収率76.9%、GC純度97.9%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0091】
GC−MS:261(0.02%),259(0.07%),214(0.14%),164(14.5%),138(35.4%),120(26.0%),105(15.1%),95(64.3%),93(43.6%),92(100%),79(38.1%),67(14.5%),55(11.6%),41(19.8%)
1H−NMR:1.80〜2.57(m,11H),3.24(t,J=5.8Hz,1H),3.99(t,J=0.8Hz,2H),4.68(s,1H)
13C−NMR:29.68,30.20,34.55,34.70,38.18,39.70,41.07,41.53,73.67,80.43,165.88,176.75
【化26】
【0092】
実施例4
ホモアダマンタン誘導体の合成:2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライド
実施例3において、5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−オールの代わりに5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールを使用したこと以外は実施例3と同様に行った結果、目的とする下記式の2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライド37.0g(143mmol,単離収率71.5%,GC純度98.0%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0093】
GC−MS:259(0.05%),215(0.60%),186(1.32%),164(55.7%),136(81.7%),121(16.2%),110(16.0%),92(59.6%),79(100%),67(22.9%),55(18.5%),41(24.4%)
1H−NMR:1.57(d,J=13.1Hz,1H),1.86〜2.28(m,9H),3.09(s,1H),4.10(s,2H),4.29(s,1H),5.07(s,1H)
13C−NMR:24.89,27.76,28.61,29.65,30.34,31.62,40.36,40.65,72.08,73.67,165.71,176.66
【化27】
【0094】
実施例5
ホモアダマンタン誘導体の合成:2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライド
1Lフラスコに5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−オール36.4g(200mmol)、パラトルエンスルホン酸1水和物1.9g(10mmol)、クロロ酢酸28.3g(300mmol)を加え、トルエン500mLで溶解させた。トルエンが沸騰するまで昇温し、その後、8時間撹拌を続けた後、水100mLを加えて反応を停止させた。得られた反応混合液は水洗の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過,濃縮後、再結晶により精製し、目的の2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライド44.1g(170mmol,単離収率85.2%,GC純度98.8%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0095】
GC−MS:261(0.02%),259(0.07%),214(0.14%),164(14.5%),138(35.4%),120(26.0%),105(15.1%),95(64.3%),93(43.6%),92(100%),79(38.1%),67(14.5%),55(11.6%),41(19.8%)
1H−NMR:1.80〜2.57(m,11H),3.24(t,J=5.8Hz,1H),3.99(t,J=0.8Hz,2H),4.68(s,1H)
13C−NMR:29.68,30.20,34.55,34.70,38.18,39.70,41.07,41.53,73.67,80.43,165.88,176.75
【化28】
【0096】
実施例6
ホモアダマンタン誘導体の合成:2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライド
実施例5において、5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−オールの代わりに5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールを使用したこと以外は実施例5と同様に行った結果、目的の2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライド49.1g(190mmol,単離収率94.9%,GC純度98.0%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0097】
GC−MS:259(0.05%),215(0.60%),186(1.32%),164(55.7%),136(81.7%),121(16.2%),110(16.0%),92(59.6%),79(100%),67(22.9%),55(18.5%),41(24.4%)
1H−NMR:1.57(d,J=13.1Hz,1H),1.86〜2.28(m,9H),3.09(s,1H),4.10(s,2H),4.29(s,1H),5.07(s,1H)
13C−NMR:24.89,27.76,28.61,29.65,30.34,31.62,40.36,40.65,72.08,73.67,165.71,176.66
【化29】
【0098】
実施例7
ホモアダマンタン誘導体の合成:2−(2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエトキシ)−2−オキソエタノール
500mLの三口フラスコに、グリコール酸4.6g(60mmol)、DMF50mL、炭酸カリウム10.4g(75mmol)、ヨウ化カリウム3.4g(20mmol)を入れ、室温で30分間撹拌した。そこへ、実施例3で合成した2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライド14.9g(50mmol)のDMF30mL溶液をゆっくりと加え、45℃に昇温し、4時間撹拌した。反応終了後、トルエン100mLを加えてろ過し、得られた溶液を水洗、10wt%チオ硫酸ナトリウム水溶液での洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過,濃縮後、トルエン−ヘプタン混合溶液から再結晶を行い、目的とする下記式の2−(2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエトキシ)−2−オキソエタノール10.8g(36.2mmol,単離収率72.4%,GC純度98.7%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0099】
GC−MS:298(0.02%),181(0.09%),164(22.7%),138(58.4%),120(40.6%),95(100%),79(63.2%),67(23.6%),55(17.6%),41(30.4%)
1H−NMR:1.79〜2.55(m,11H),3.36(t,J=6.0Hz,1H),4.42(d,J=5.2Hz,2H),4.55(s,2H),4.79(s,1H)
13C−NMR:29.61,30.39,34.67,34.72,38.30,39.85,41.31,60.85,61.13,74.36,80.11,166.23,171.99,177.64
【化30】
【0100】
実施例8
ホモアダマンタン誘導体の合成:2−(2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエトキシ)−2−オキソエタノール
実施例7において、実施例3で合成した2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライドの代わりに実施例4で合成した2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライドを使用したこと以外は実施例7と同様に行った結果、目的とする下記式の2−(2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエトキシ)−2−オキソエタノール11.3g(37.9mmol,単離収率75.8%,GC純度99.0%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0101】
GC−MS:298(0.01%),181(0.09%),164(53.1%),136(78.0%),121(15.2%),110(15.2%),79(100%),67(22.6%),55(18.2%),41(23.0%)
1H−NMR:1.56(d,J=12.5Hz,1H),1.80〜2.34(m,9H),3.06(s,1H),4.27(d,J=5.0Hz,2H),4.34(s,1H),4.94(s,1H),4.99(s,2H)
13C−NMR:24.94,27.78,28.72,29.55,30.19,31.67,40.42,60.78,61.11,72.33,73.81,165.34,173.65,176.38
【化31】
【0102】
実施例9
ホモアダマンタン誘導体の合成:2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメトキシ−2−オキソエチルクロライド
100mLフラスコに実施例1で合成した(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメチルクロライド11.5g(50mmol)を入れ、テトラヒドロフラン50mLを加えて溶解させ、トリエチルアミン9.1mL(65mmol)を加えて撹拌開始した。ここへクロロ酢酸5.2g(55mmol)のテトラヒドロフラン10mL溶液を約10分かけてゆっくりと滴下した。引き続き2時間撹拌の後、水50mLを加えて反応を止めた。反応混合液にジエチルエーテル100mLを加え、水洗の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過、濃縮すると、目的とする下記式の2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメトキシ−2−オキソエチルクロライド13.7g(47mmol、単離収率95.0%、GC純度95.2%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0103】
GC−MS:288(0.01%),260(1.2%),258(3.9%),164(24.1%),194(21.7%),138(54.0%),120(40.6%),95(100%),79(58.5%),67(22.5%),55(18.6%),41(31.0%)
1H−NMR:1.88〜2.55(m,11H),3.15(t,J=5.6Hz,1H),3.91(s,2H),4.45(s,1H),5.63(s,2H)
13C−NMR:29.59,30.29,34.70,34.80,38.06,39.76,40.88,41.10,74.05,80.25,89.25,167.25,176.55
【化32】
【0104】
実施例10
ホモアダマンタン誘導体の合成:2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシメトキシ−2−オキソエチルクロライド
実施例9において、実施例1で合成した(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメチルクロライドの代わりに実施例2で合成した(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシメチルクロライドを使用したこと以外は実施例9と同様に行った結果、目的とする下記式の2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシメトキシ−2−オキソエチルクロライド12.3g(43mmol,単離収率85.0%,GC純度95.8%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0105】
GC−MS:288(0.01%),260(1.3%),258(4.1%),164(51.9%),136(74.8%),121(15.5%),110(15.5%),79(100%),67(20.9%),55(18.3%),41(22.8%)
1H−NMR:1.62(d,J=12.8Hz,1H),1.92〜2.33(m,9H),2.96(s,1H),4.24(s,1H),4.26(s,2H),4.91(s,1H),5.22(s,2H)
13C−NMR:24.90,27.64,28.73,29.64,30.38,31.63,40.54,40.99,72.17,73.79,89.48,166.30,177.08
【化33】
【0106】
実施例11
(メタ)アクリル酸エステルの合成:(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメチルメタクリレート
実施例9において、クロロ酢酸の代わりにメタクリル酸4.7g(55mmol)を使用したこと以外は実施例9と同様に行った結果、目的とする下記式の(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメチルメタクリレート13.5g(48mmol、単離収率96.3%、GC純度97.8%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0107】
GC−MS:250(30.6%),194(59.8%),164(23.6%),138(53.3%),120(41.1%),95(100%),79(60.9%),69(49.6%),67(21.8%),55(17.4%),41(77.1%)
1H−NMR:1.73〜2.47(m,11H),2.04(s,3H),3.12(t,J=5.7Hz,1H),4.53(s,1H),5.29(s,2H),5.67(t,J=1.5Hz,1H),5.89(s,1H)
13C−NMR:18.17,29.64,30.13,34.50,34.83,38.36,39.59,41.12,73.80,80.49,88.62,126.52,136.49,166.86,176.74
【化34】
【0108】
実施例12
(メタ)アクリル酸エステルの合成:(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシメチルメタクリレート
実施例11において、実施例1で合成した(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメチルクロライドの代わりに実施例2で合成した(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシメチルクロライドを使用したこと以外は実施例11と同様に行った結果、目的とする下記式の(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシメチルメタクリレート12.9g(46mmol、単離収率92.0%、GC純度98.2%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0109】
GC−MS:250(30.8%),194(59.0%),164(57.2%),136(81.2%),121(16.6%),110(16.1%),79(100%),69(50.7%),67(23.1%),55(19.1%),41(24.3%)
1H−NMR:1.54(d,J=12.7Hz,1H),1.92〜2.37(m,9H),2.06(s,3H),3.22(s,1H),4.08(s,1H),5.18(s,1H),5.41(s,2H),5.72(t,J=1.6Hz,1H),5.96(s,1H)
13C−NMR:18.15,24.97,27.85,28.51,29.54,30.46,31.74,40.31,72.09,73.83,88.69,126.13,136.70,166.82,177.50
【化35】
【0110】
実施例13
(メタ)アクリル酸エステルの合成:2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルメタクリレート
200mLの三口フラスコに、メタクリル酸3.1mL(36mmol)、DMF30mL、炭酸カリウム6.2g(45mmol)、ヨウ化カリウム2.0g(12mmol)を入れ、室温で30分間撹拌した。そこへ、実施例3で合成した2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライド7.8g(30mmol)のDMF20mL溶液をゆっくりと加え、45℃に昇温し、4時間撹拌した。反応終了後、トルエン60mLを加えてろ過し、得られた溶液を水洗、10wt%チオ硫酸ナトリウム水溶液での洗浄の後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過、濃縮後、シリカゲルカラムでの精製により、目的とする下記式の2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルメタクリレート8.0g(25.9mmol、単離収率86.3%、GC純度97.5%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0111】
GC−MS:308(1.0%),164(21.3%),138(56.6%),120(40.9%),95(100%),79(60.9%),69(21.8%),67(22.4%),55(17.9%),41(49.5%)
1H−NMR:1.72〜2.55(m,11H),1.98(s,3H),3.18(t,J=5.6Hz,1H),4.74(s,1H),4.91(s,2H),5.53(t,J=1.6Hz,1H),6.38(s,1H)
13C−NMR:18.16,29.67,30.15,34.65,34.70,38.13,39.71,41.26,60.90,74.21,80.27,126.71,134.76,166.11,166.73,178.11
【化36】
【0112】
実施例14
(メタ)アクリル酸エステルの合成:2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエチルメタクリレート
実施例13において、実施例3で合成した2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライドの代わりに実施例4で合成した2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライドを使用したこと以外は実施例13と同様に行った結果、目的とする下記式の2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエチルメタクリレート7.8g(25.3mmol、単離収率84.3%、GC純度96.9%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0113】
GC−MS:308(0.9%),164(60.6%),136(86.0%),121(17.3%),110(16.2%),79(100%),69(20.4%),67(23.6%),55(19.6%),41(45.7%)
1H−NMR:1.58(d,J=13.4Hz,1H),1.76〜2.31(m,9H),2.02(s,3H),3.08(s,1H),4.10(s,1H),4.76(s,2H),5.17(s,1H),5.87(t,J=1.5Hz,1H),6.35(s,1H)
13C−NMR:18.10,24.85,27.65,28.69,29.57,30.33,31.61,40.50,61.16,72.09,73.63,126.75,135.80,167.25,167.36,176.46
【化37】
【0114】
実施例15
(メタ)アクリル酸エステルの合成:2−(2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエトキシ)−2−オキソエチルメタクリレート
実施例13において、実施例3で合成した2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライドの代わりに実施例7で合成した2−(2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエトキシ)−2−オキソエタノールを使用したこと以外は実施例13と同様に行った結果、目的とする下記式の2−(2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエトキシ)−2−オキソエチルメタクリレート8.4g(22.9mmol、単離収率76.3%、GC純度97.0%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0115】
GC−MS:366(1.0%),164(24.1%),138(54.9%),120(41.5%),95(100%),79(58.8%),69(32.9%),67(22.7%),55(18.9%),41(57.0%)
1H−NMR:1.75〜2.65(m,11H),2.00(s,3H),3.30(t,J=5.9Hz,1H),4.49(s,1H),4.69(s,2H),4.74(s,2H),5.58(t,J=1.5Hz,1H),6.11(s,1H)
13C−NMR:18.13,29.62,30.18,34.68,34.74,38.20,39.89,41.09,60.93,61.08,74.27,80.83,126.59,135.40,166.05,166.46,166.74,177.35
【化38】
【0116】
実施例16
(メタ)アクリル酸エステルの合成:2−(2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエトキシ)−2−オキソエチルメタクリレート
実施例13において、実施例3で合成した2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライドの代わりに実施例8で合成した2−(2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエトキシ)−2−オキソエタノールを使用したこと以外は実施例13と同様に行った結果、目的とする下記式の2−(2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシ−2−オキソエトキシ)−2−オキソエチルメタクリレート)8.2g(22.4mmol、単離収率74.6%、GC純度97.2%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0117】
GC−MS:366(1.0%),164(53.4%),136(81.0%),121(15.4%),110(15.8%),79(100%),69(33.7%),67(21.9%),55(19.1%),41(52.0%)
1H−NMR:1.49(d,J=13.5Hz,1H),1.94(s,3H),1.80〜2.36(m,9H),3.02(s,1H),4.16(s,1H),4.47(s,2H),4.78(s,2H),4.95(s,1H),5.64(t,J=1.5Hz,1H),6.04(s,1H)
13C−NMR:18.07,24.82,27.78,28.52,29.73,30.49,31.72,40.19,60.70,60.74,71.96,73.45,126.78,135.42,165.85,166.10,166.79,176.57
【化39】
【0118】
実施例17
(メタ)アクリル酸エステルの合成:2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメトキシ−2−オキソエチルメタクリレート
実施例13において、実施例3で合成した2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライドの代わりに実施例9で合成した2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメトキシ−2−オキソエチルクロライドを使用したこと以外は実施例13と同様に行った結果、目的とする下記式の2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメトキシ−2−オキソエチルメタクリレート7.2g(21.3mmol、単離収率70.9%、GC純度95.3%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0119】
GC−MS:308(32.8%),194(35.4%),164(23.4%),138(53.9%),120(42.5%),95(100%),79(60.4%),69(50.9%),67(21.7%),55(17.9%),41(70.0%)
1H−NMR:1.81〜2.50(m,11H),1.94(s,3H),3.11(t,J=5.9Hz,1H),4.48(s,2H),4.88(s,1H),5.31(s,2H),5.69(t,J=1.5Hz,1H),6.48(s,1H)
13C−NMR:18.09,29.64,30.14,34.65,34.73,38.26,39.69,41.46,60.95,73.72,80.24,88.70,126.68,134.80,166.43,166.66,177.11
【化40】
【0120】
実施例18
(メタ)アクリル酸エステルの合成:2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシメトキシ−2−オキソエチルメタクリレート
実施例13において、実施例3で合成した2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシ−2−オキソエチルクロライドの代わりに実施例10で合成した2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシメトキシ−2−オキソエチルクロライドを使用したこと以外は実施例13と同様に行った結果、目的とする下記式の2−(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−イル)オキシメトキシ−2−オキソエチルメタクリレート7.6g(22.5mmol、単離収率74.9%、GC純度95.0%)を単離した。以下にGC−MS、
1H−NMR及び
13C−NMRの各データを示す。
【0121】
GC−MS:308(31.5%),194(35.0%),164(57.5%),136(85.3%),121(16.5%),110(15.5%),79(100%),69(51.4%),67(22.2%),55(18.9%),41(24.5%)
1H−NMR:1.63(d,J=13.3Hz,1H),1.87〜2.31(m,9H),1.94(s,3H),3.08(s,1H),4.20(s,1H),4.81(s,2H),4.98(s,1H),5.54(s,2H),5.85(t,J=1.5Hz,1H),6.06(s,1H)
k13C−NMR:18.19,24.88,27.76,28.66,29.51,30.48,31.76,40.24,60.65,72.29,73.89,88.73,126.84,135.89,166.16,166.28,175.92
【化41】
【0122】
実施例19〜26
(メタ)アクリル系共重合体の合成
メチルイソブチルケトンに2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル/モノマーA/モノマーB/モノマーC(実施例11〜18で合成した化合物)を質量比0.1/2.0/1.0/1.0で仕込み、加熱還流下、3時間撹拌した。その後、反応液を大量のメタノールと水の混合溶媒に注いで沈殿させる動作を3回行い精製した結果、それぞれの共重合体P1〜P8を得た。共重合体P1〜P8の共重合組成、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を表1に示す。
【化42】
【0123】
【表1】
【0124】
実施例27〜34
ポジ型レジスト組成物の調製
実施例19〜26で得られた共重合体P1〜P8それぞれ100質量部に対し、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートを5質量部加え、得られた樹脂組成物10質量部に対してプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90質量部を用いて溶解し、レジスト組成物R1〜R8を調製した。シリコンウエハー上に、調製したレジスト組成物R1〜R8を塗布し、110℃で、60秒間ベークを行い、レジスト膜を形成した。こうして得られたウエハーを波長248nmの光によって100mJ/cm
2の露光量でオープン露光した。露光直後に110℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で60秒間現像した。このときのレジスト膜の減少の有無を表2に示した。○印はレジスト膜が完全になくなったことを示す。
【0125】
【表2】
【0126】
このように、本発明の(メタ)アクリル系重合体を含む組成物は、いずれもポジ型フォトレジスト組成物として機能することが明らかになった。
【0127】
比較例1
(メタ)アクリル酸エステルの合成:5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イルメタクリレート
実施例9において、(5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イル)オキシメチルクロライドの代わりに5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−オール9.1g(50mmol)を、クロロ酢酸の代わりにメタクリル酸4.7g(55mmol)を使用したこと以外は実施例9と同様に行った結果、目的とする下記式の5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−1−イルメタクリレート11.9g(48mmol、単離収率95.1%、GC純度98.7%)を単離した。
【化43】
【0128】
評価例1
(メタ)アクリル系共重合体の合成
メチルイソブチルケトンに2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル/モノマーD(実施例13で合成した化合物)/モノマーE(比較例1で合成した化合物)を質量比0.1/1.0/1.0で仕込み、加熱還流下、3時間撹拌した。その際、それぞれのモノマーの転化率を経時的に比較したものを表3と
図1に示した。
【化44】
【0129】
【表3】
【0130】
このように、本発明の(メタ)アクリル酸エステルは重合速度も速いことが明らかになった。