特許第6028130号(P6028130)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6028130色分類装置、色分類方法、プログラム、ならびに、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6028130
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】色分類装置、色分類方法、プログラム、ならびに、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20161107BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   G06Q30/06 320
   G06Q30/06 322
   G06F17/30 170B
   G06F17/30 350C
   G06F17/30 210D
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-536793(P2016-536793)
(86)(22)【出願日】2016年2月9日
(86)【国際出願番号】JP2016053783
【審査請求日】2016年6月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】片川 淳
【審査官】 青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−288465(JP,A)
【文献】 特表2011−520203(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/145766(WO,A1)
【文献】 特開2014−160396(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/045920(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
色空間を分割する複数の領域についての領域情報であり、当該領域の範囲と当該領域を示す代表色とを対応付ける領域情報を記憶する記憶部、
商品画像に含まれる商品についての画素を、当該画素が有する色が前記複数の領域のいずれに属するかにより、分類する分類部、
前記複数の領域のそれぞれに分類された画素の数が多い順に第1領域および第2領域を取得する取得部、
前記第1領域と前記第2領域とが前記色空間において接しており、かつ、前記第1領域に分類された画素の数と前記第2領域に分類された画素の数との比率が所定比率を超える、中間色条件を満たすか否かを判別する判別部、
前記中間色条件を満たせば、前記商品を、前記第1領域に対応付けられた第1代表色および前記第2領域に対応付けられた第2代表色のいずれにても検索可能とする検索部、
前記第1代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第1反応と、前記第2代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第2反応と、に基づいて、前記第1領域と前記第2領域との境界を変化させるように、前記領域情報における前記領域の範囲を修正する修正部、
を備えることを特徴とする色分類装置。
【請求項2】
請求項1に記載の色分類装置であって、
前記修正部は、前記第2反応が前記第1反応よりも度合いが大きい場合に、前記第1領域が狭くなり、前記第2領域が広がるように、前記領域情報における前記領域の範囲を修正する、
ことを特徴とする色分類装置。
【請求項3】
請求項1に記載の色分類装置であって、
前記修正部は、前記第1反応が前記第2反応よりも度合いが大きい場合に、前記第1領域と前記第2領域との境界を初期の境界に戻すように、前記領域情報における前記領域の範囲を修正する、
ことを特徴とする色分類装置。
【請求項4】
請求項1に記載の色分類装置であって、
前記中間色条件を満たす場合に、前記第1代表色および前記第2代表色の両方を前記商品の商品情報に登録する登録部、を更に備え、
前記検索部は、検索時に指定された指定色が、前記商品情報における前記第1代表色と一致する際に検索をヒットさせる第1確率と、当該指定色が、前記商品情報における前記第2代表色と一致する際に検索をヒットさせる第2確率とに応じて、商品の検索を行う、
ことを特徴とする色分類装置。
【請求項5】
請求項4に記載の色分類装置であって、
前記検索部は、前記第1領域に分類された画素の数と前記第2領域に分類された画素の数とに基づいて、前記第1確率および第2確率を算定する、
ことを特徴とする色分類装置。
【請求項6】
色空間を分割する複数の領域についての領域情報であり、当該領域の範囲と当該領域を示す代表色とを対応付ける領域情報を記憶する記憶部を有する色分類装置における色分類方法であって、
前記色分類装置が、商品画像に含まれる商品についての画素を、当該画素が有する色が前記複数の領域のいずれに属するかにより、分類する分類ステップ、
前記色分類装置が、前記複数の領域のそれぞれに分類された画素の数が多い順に第1領域および第2領域を取得する取得ステップ、
前記色分類装置が、前記第1領域と前記第2領域とが前記色空間において接しており、かつ、前記第1領域に分類された画素の数と前記第2領域に分類された画素の数との比率が所定比率を超える、中間色条件を満たすか否かを判別する判別ステップ、
前記色分類装置が、前記中間色条件を満たせば、前記商品を、前記第1領域に対応付けられた第1代表色および前記第2領域に対応付けられた第2代表色のいずれにても検索可能とする検索ステップ、
前記色分類装置が、前記第1代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第1反応と、前記第2代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第2反応と、に基づいて、前記第1領域と前記第2領域との境界を変化させるように、前記領域情報における前記領域の範囲を修正する修正ステップ、
を備えることを特徴とする色分類方法。
【請求項7】
色空間を分割する複数の領域についての領域情報であり、当該領域の範囲と当該領域を示す代表色とを対応付ける領域情報を記憶する記憶部を有するコンピュータを、
商品画像に含まれる商品についての画素を、当該画素が有する色が前記複数の領域のいずれに属するかにより、分類する分類部、
前記複数の領域のそれぞれに分類された画素の数が多い順に第1領域および第2領域を取得する取得部、
前記第1領域と前記第2領域とが前記色空間において接しており、かつ、前記第1領域に分類された画素の数と前記第2領域に分類された画素の数との比率が所定比率を超える、中間色条件を満たすか否かを判別する判別部、
前記中間色条件を満たせば、前記商品を、前記第1領域に対応付けられた第1代表色および前記第2領域に対応付けられた第2代表色のいずれにても検索可能とする検索部、
前記第1代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第1反応と、前記第2代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第2反応と、に基づいて、前記第1領域と前記第2領域との境界を変化させるように、前記領域情報における前記領域の範囲を修正する修正部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
色空間を分割する複数の領域についての領域情報であり、当該領域の範囲と当該領域を示す代表色とを対応付ける領域情報を記憶する記憶部を有するコンピュータを、
商品画像に含まれる商品についての画素を、当該画素が有する色が前記複数の領域のいずれに属するかにより、分類する分類部、
前記複数の領域のそれぞれに分類された画素の数が多い順に第1領域および第2領域を取得する取得部、
前記第1領域と前記第2領域とが前記色空間において接しており、かつ、前記第1領域に分類された画素の数と前記第2領域に分類された画素の数との比率が所定比率を超える、中間色条件を満たすか否かを判別する判別部、
前記中間色条件を満たせば、前記商品を、前記第1領域に対応付けられた第1代表色および前記第2領域に対応付けられた第2代表色のいずれにても検索可能とする検索部、
前記第1代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第1反応と、前記第2代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第2反応と、に基づいて、前記第1領域と前記第2領域との境界を変化させるように、前記領域情報における前記領域の範囲を修正する修正部、
として機能させることを特徴とするプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、 色分類装置、色分類方法、プログラム、ならびに、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上において、電子商取引を行う販売サイトが人気を博している。例えば、多くの店舗(仮想店舗)が集まって構成される販売サイト(ショッピングモールサイト)では、全体で幅広いカテゴリ(ジャンル)の商品を取り扱っているだけでなく、店舗同士の価格競争も行われていることもあり、多くのユーザを獲得している。
このような販売サイトにおいて、ユーザは、カテゴリを絞って目的の商品を探したり、商品名や型番等を検索条件に設定して検索することで目的の商品を探していた。
【0003】
ところで、販売サイトで扱われる商品の中には、種々のカラーバリエーションが用意された商品(色違い商品)も多い。例えば、鞄や衣料品などの商品では、商品ページ(商品の販売ページ)において、その商品にどのような色の種類があるかや、各色の商品在庫数などが表示されるようになっている。
【0004】
また、検索条件に色を指定して、商品を検索できる販売サイトも知られている。例えば、特許文献1には、販売者や商品の種別を超えて色によって商品を検索する販売サイト(インターネットショッピングシステム)の先行技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−92020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された先行技術では、色メニューに表示される所定数の色見本の中からユーザが目で見て確認した任意の色を選択して、商品の検索を指示できるようになっている。また、より簡易なユーザインタフェースを考慮すると、所定数の色の名称の中から任意の色の名称を指定して、商品の検索を行うことも考えられる。
いずれにしても、検索時において、大まかに分類した代表色(例えば、「ホワイト」、「イエロー」、「オレンジ」、「ピンク」、「レッド」、「ベージュ」、・・・)の何れかを指定(選択)して、商品の検索を行うことになる。
【0007】
それでも、実際の商品において、その商品の色が、代表色の何れに該当するのかが、明確に決められない場合も少なくない。例えば、商品の色が、「レッド」とも「オレンジ」とも言える中間色に該当する場合などである。この場合、商品の色が一方の色(例えば、「レッド」)に登録されると、他方の色(例えば、「オレンジ」)が指定されて検索されても、その商品が検索結果に含まれないことになる。
そのため、単純に、中間色に該当する場合には、どちらの色が指定されても、検索結果に含めてしまうことも考えられる。
【0008】
しかしながら、その場合、せっかく色を指定して商品を絞り込んでいるにも拘わらず、大量の商品が検索されてしまったり、ユーザが色の指定を変えて検索しても、同じ商品(中間色の商品)が再び検索されてしまうなどの不具合も起こり得る。
このため、中間色等の商品であっても、代表色の何れかに適切に分類することのできる技術が求められていた。
【0009】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、商品の色を適切に分類することのできる色分類装置、色分類方法、プログラム、ならびに、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点に係る色分類装置は、
色空間を分割する複数の領域についての領域情報であり、当該領域の範囲と当該領域を示す代表色とを対応付ける領域情報を記憶する記憶部、
商品画像に含まれる商品についての画素を、当該画素が有する色が前記複数の領域のいずれに属するかにより、分類する分類部、
前記複数の領域のそれぞれに分類された画素の数が多い順に第1領域および第2領域を取得する取得部、
前記第1領域と前記第2領域とが前記色空間において接しており、かつ、前記第1領域に分類された画素の数と前記第2領域に分類された画素の数との比率が所定比率を超える、中間色条件を満たすか否かを判別する判別部、
前記中間色条件を満たせば、前記商品を、前記第1領域に対応付けられた第1代表色および前記第2領域に対応付けられた第2代表色のいずれにても検索可能とする検索部、
前記第1代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第1反応と、前記第2代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第2反応と、に基づいて、前記第1領域と前記第2領域との境界を変化させるように、前記領域情報における前記領域の範囲を修正する修正部、
を備えることを特徴とする。
【0011】
また、上記観点に係る色分類装置において、
前記修正部は、前記第2反応が前記第1反応よりも度合いが大きい場合に、前記第1領域が狭くなり、前記第2領域が広がるように、前記領域情報における前記領域の範囲を修正する、
ことを特徴とする。
【0012】
また、上記観点に係る色分類装置において、
前記修正部は、前記第1反応が前記第2反応よりも度合いが大きい場合に、前記第1領域と前記第2領域との境界を初期の境界に戻すように、前記領域情報における前記領域の範囲を修正する、
ことを特徴とする。
【0013】
また、上記観点に係る色分類装置において、
前記中間色条件を満たす場合に、前記第1代表色および前記第2代表色の両方を前記商品の商品情報に登録する登録部、を更に備え、
前記検索部は、検索時に指定された指定色が、前記商品情報における前記第1代表色と一致する際に検索をヒットさせる第1確率と、当該指定色が、前記商品情報における前記第2代表色と一致する際に検索をヒットさせる第2確率とに応じて、商品の検索を行う、
ことを特徴とする。
【0014】
また、上記観点に係る色分類装置において、
前記検索部は、前記第1領域に分類された画素の数と前記第2領域に分類された画素の数とに基づいて、前記第1確率および第2確率を算定する、
ことを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の観点に係る色分類方法は、
色空間を分割する複数の領域についての領域情報であり、当該領域の範囲と当該領域を示す代表色とを対応付ける領域情報を記憶する記憶部を有する色分類装置における色分類方法であって、
前記色分類装置が、商品画像に含まれる商品についての画素を、当該画素が有する色が前記複数の領域のいずれに属するかにより、分類する分類ステップ、
前記色分類装置が、前記複数の領域のそれぞれに分類された画素の数が多い順に第1領域および第2領域を取得する取得ステップ、
前記色分類装置が、前記第1領域と前記第2領域とが前記色空間において接しており、かつ、前記第1領域に分類された画素の数と前記第2領域に分類された画素の数との比率が所定比率を超える、中間色条件を満たすか否かを判別する判別ステップ、
前記色分類装置が、前記中間色条件を満たせば、前記商品を、前記第1領域に対応付けられた第1代表色および前記第2領域に対応付けられた第2代表色のいずれにても検索可能とする検索ステップ、
前記色分類装置が、前記第1代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第1反応と、前記第2代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第2反応と、に基づいて、前記第1領域と前記第2領域との境界を変化させるように、前記領域情報における前記領域の範囲を修正する修正ステップ、
を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
色空間を分割する複数の領域についての領域情報であり、当該領域の範囲と当該領域を示す代表色とを対応付ける領域情報を記憶する記憶部を有するコンピュータを、
商品画像に含まれる商品についての画素を、当該画素が有する色が前記複数の領域のいずれに属するかにより、分類する分類部、
前記複数の領域のそれぞれに分類された画素の数が多い順に第1領域および第2領域を取得する取得部、
前記第1領域と前記第2領域とが前記色空間において接しており、かつ、前記第1領域に分類された画素の数と前記第2領域に分類された画素の数との比率が所定比率を超える、中間色条件を満たすか否かを判別する判別部、
前記中間色条件を満たせば、前記商品を、前記第1領域に対応付けられた第1代表色および前記第2領域に対応付けられた第2代表色のいずれにても検索可能とする検索部、
前記第1代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第1反応と、前記第2代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第2反応と、に基づいて、前記第1領域と前記第2領域との境界を変化させるように、前記領域情報における前記領域の範囲を修正する修正部、
として機能させることを特徴とする。
【0017】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。
【0018】
本発明の第4の観点に係るコンピュータ読取可能な記録媒体は、
色空間を分割する複数の領域についての領域情報であり、当該領域の範囲と当該領域を示す代表色とを対応付ける領域情報を記憶する記憶部を有するコンピュータを、
商品画像に含まれる商品についての画素を、当該画素が有する色が前記複数の領域のいずれに属するかにより、分類する分類部、
前記複数の領域のそれぞれに分類された画素の数が多い順に第1領域および第2領域を取得する取得部、
前記第1領域と前記第2領域とが前記色空間において接しており、かつ、前記第1領域に分類された画素の数と前記第2領域に分類された画素の数との比率が所定比率を超える、中間色条件を満たすか否かを判別する判別部、
前記中間色条件を満たせば、前記商品を、前記第1領域に対応付けられた第1代表色および前記第2領域に対応付けられた第2代表色のいずれにても検索可能とする検索部、
前記第1代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第1反応と、前記第2代表色にて前記商品が検索された後の検索者の前記商品に対する第2反応と、に基づいて、前記第1領域と前記第2領域との境界を変化させるように、前記領域情報における前記領域の範囲を修正する修正部、
として機能させることを特徴とするプログラムを記録する。
【0019】
上記記録媒体は、非一時的な(non-transitory)記録媒体であってよく、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な記録媒体とは、有形な(tangible)記録媒体をいう。非一時的な記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、商品の色を適切に分類することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態に係る販売システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2】色分類装置、及び、ユーザ端末が実現される典型的な情報処理装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る色分類装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
図4A】色空間が各領域に分けられている様子を説明するための模式図である。
図4B】「ホワイト」の領域を説明するための模式図である。
図4C】「レッド」の領域を説明するための模式図である。
図5】商品画像をグリッド化する様子を説明するための模式図である。
図6】ポップ画像が含まれている商品画像の一例を示す模式図である。
図7A】背景を判別する手法を説明するための模式図である。
図7B】背景を判別する手法を説明するための模式図である。
図7C】背景を判別する手法を説明するための模式図である。
図7D】背景を判別する手法を説明するための模式図である。
図7E】背景を判別する手法を説明するための模式図である。
図7F】背景を判別する手法を説明するための模式図である。
図8】領域情報における領域同士の境界を変動させる様子を説明するための模式図である。
図9】本実施形態に係る色分類処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態では、多くのショップ(仮想店舗)が集まって構成される販売サイト(ショッピングモールサイト)を一例として説明するが、1つのショップ(業者)による販売サイトにおいても適宜適用可能である。
なお、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0023】
(全体構成)
本発明の実施形態に係る販売システム100は、図1に示すように、色分類装置200と各ユーザ端末300とがインターネット900を介して接続されて構成される。なお、図中では簡略化しているが、ユーザ端末300は、利用するユーザに応じて、多数存在しているものとする。
【0024】
色分類装置200は、例えば、販売サーバ(サーバコンピュータ)等からなり、ユーザ端末300に対して商品に関する情報を提示すると共に、ユーザが希望する商品を販売する。
一例として、色分類装置200は、アクセスしてきたユーザ端末300に、商品の一覧ページ等を提示する。後述するように、商品についての商品情報には、商品の色を示すカラータグが付与されており、ユーザ(検索者)が任意のカラータグを選択すると、色分類装置200は、そのカラータグにて絞り込んだ商品の一覧ページをユーザ端末300に提示する。
【0025】
ユーザ端末300は、例えば、パソコンやスマートフォン等からなり、インターネット900を介して色分類装置200にアクセスし、商品に関する情報を取得すると共に、ユーザの操作を受け付け、色分類装置200から所望の商品の購入を行う。
【0026】
(情報処理装置の概要構成)
本発明の実施形態に係る色分類装置200、及び、ユーザ端末300が実現される典型的な情報処理装置400について説明する。
【0027】
情報処理装置400は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、NIC(Network Interface Card)404と、画像処理部405と、音声処理部406と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc ROM)ドライブ407と、インターフェース408と、外部メモリ409と、コントローラ410と、モニタ411と、スピーカ412と、を備える。
【0028】
CPU 401は、情報処理装置400全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0029】
ROM 402には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、所定のプログラムをRAM 403に読み出してCPU 401による当該プログラムの実行が開始される。また、ROM 402には、情報処理装置400全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0030】
RAM 403は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0031】
NIC 404は、情報処理装置400をインターネット等のコンピュータ通信網に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 401との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)等により構成される。
【0032】
画像処理部405は、DVD−ROM等から読み出されたデータをCPU 401や画像処理部405が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部405が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、モニタ411に出力される。これにより、各種のページ表示が可能となる。
【0033】
音声処理部406は、DVD−ROM等から読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ412から出力させる。また、CPU 401の制御の下、情報処理装置400が行う処理の進行の中で発生させるべき音を生成し、これに対応した音声をスピーカ412から出力させる。
【0034】
DVD−ROMドライブ407に装着されるDVD−ROMには、例えば、実施形態に係る色分類装置200等を実現するためのプログラムが記憶される。CPU 401の制御によって、DVD−ROMドライブ407は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 403等に一時的に記憶される。
【0035】
インターフェース408には、外部メモリ409、コントローラ410、モニタ411、及びスピーカ412が、着脱可能に接続される。
【0036】
外部メモリ409には、ユーザの個人情報に関するデータなどが書き換え可能に記憶される。
【0037】
コントローラ410は、情報処理装置400の各種の設定時などに行われる操作入力を受け付ける。情報処理装置400のユーザは、コントローラ410を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ409に記録することができる。
【0038】
モニタ411は、画像処理部405により出力されたデータを情報処理装置400のユーザに提示する。
【0039】
スピーカ412は、音声処理部406により出力された音声データを情報処理装置400のユーザに提示する。
【0040】
この他、情報処理装置400は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 402、RAM 403、外部メモリ409、DVD−ROMドライブ407に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0041】
以下、上記情報処理装置400において実現される色分類装置200の構成等について、図3図8を参照して説明する。情報処理装置400に電源が投入され、例えば、ユーザ端末300からのアクセスを受け付けると、本実施形態に係る色分類装置200として機能させるそれぞれのプログラムが実行され、本実施形態に係る色分類装置200が実現される。
なお、各ユーザ端末300も同様に情報処理装置400において実現されるが、これらの構成については省略し、本実施形態において最も特徴的な色分類装置200について、以下説明する。
【0042】
(色分類装置の概要構成)
図3は、本実施形態に係る色分類装置200の概要構成の一例を示すブロック図である。図示するように、色分類装置200は、受付部210と、記憶部220と、制御部230と、提示部240とを備える。
【0043】
受付部210は、インターネット900を介して各ユーザ端末300から送られる種々の情報を受け付ける。
例えば、受付部210は、商品の一覧ページへの遷移指示や、一覧ページ中における種々の操作指示(一例として、ユーザによるマウスのクリック操作等)を、ユーザ端末300から受け付ける。
上述したNIC 404等が、このような受付部210として機能しうる。
【0044】
記憶部220は、商品に関する種々の情報や、ユーザに関する種々の情報に加え、色空間を分割する複数の領域についての領域情報を記憶する。
例えば、記憶部220は、図4Aに示すように、色空間CSを分割する複数の領域(破線にて区分けされる各領域)について、その領域の範囲と領域を示す代表色とを対応付ける領域情報を記憶する。
以下、一例として、各領域の代表色を、ホワイト、イエロー、オレンジ、ピンク、レッド、ベージュ、シルバー、ゴールド、グレー、パープル、ブラウン、グリーン、ブルー、および、ブラックとする場合について説明するが、これら代表色は一例であり、適宜変更可能である。また、異なる色の縞模様の商品等に対応できるように、代表色に、マルチカラーを含めてもよい。
【0045】
具体的に、領域情報において、代表色が「ホワイト」の場合、図4Bに示すように、RGB値におけるR,G,B(各8ビット)の全ての値が230〜255の範囲を規定している。なお、純粋な「ホワイト」であれば RGB値は、R:255,G:255,B:255であるが、オフホワイト(R:255,G:255,B:230)や、ややグレーがかったホワイト(R:230,G:230,B:230)なども、広義的に「ホワイト」に含めることができる。そこで、ある程度の幅を持たせるため、領域情報において、「ホワイト」の範囲を、R,G,Bの全ての値が230以上と規定している。
【0046】
また、代表色が「レッド」の場合、図4Cに示すように、RGB値におけるR:196〜255,G:0〜50,B:0〜50の範囲を規定している。なお、純粋な「レッド」であれば、RGB値は、R:255,G:0,B:0であるが、ある程度の幅を持たせるため、領域情報において、「レッド」の範囲を、196≦R≦255,0≦G≦50,0≦B≦50の全てを満たすものと規定している。
【0047】
同様に、他の代表色にも、領域情報の範囲が規定されている。つまり、他の代表色の領域情報についても、ある程度の幅を持たせた範囲が規定されている。
このような領域情報は、後述するように、商品の画像(画像データ)から、その商品の色を分類するために使用される。なお、多くの画像は、単色ではない。また、照明の反射などにより白く写ることもある。それらの色の違いを、領域情報において、ある程度の幅を持たせることで、同色に分類されるようにしている。
また、後述するように、領域情報には、中間色の範囲が規定されていてもよい。
上述したRAM 403や外部メモリ409等が、このような記憶部220として機能しうる。
【0048】
図3に戻って、制御部230は、色分類装置200全体を制御する。この制御部230は、分類部231、取得部232、判別部233、検索部234、及び、修正部235を含んでおり、ユーザによる商品の購入を支援する。
【0049】
分類部231は、商品画像の画素の色がどの領域に属するか分類する。なお、以下では、商品画像を格子状に区分け(グリッド化)して、各マスがどの領域に属するかを分類する場合について説明するが、グリッド化することなく、1ドッド(1ピクセル)の画素について、各画素がどの領域に属するかを分類してもよい。
【0050】
分類部231は、図5に示すような商品P(スーツケース)を含んだ商品画像PIに対して、一例として、マス目の数が100×100(縦×横)となるようにグリッド化し、1マス毎に色の抽象化を行った後に、各マスがどの領域に属するかを分類する。このような商品画像PIには、通常、背景が含まれているため、分類部231は、背景を除いた商品画像PIに対する各マスがどの領域に属するかを分類する。
【0051】
背景には、多くの場合、単色が使用される。また、図6に示すように、商品Pの他に、ポップ(POP)画像Gを含んだ商品画像PIもあるが、このようなポップ画像Gにも単色が使用される場合が多い。これら単色が使用される場合には、隣り合ったマス同士のRGB値が全く同じになるという特徴がある。そのため、分類部231は、隣り合ったマス同士のRGB値が同じ場合に、背景やポップ画像Gであると判別し、分類対象から除外する。
【0052】
また、単色の背景の代わりに、利用シーンをイメージした背景が使用される場合もある。この場合、分類部231は、商品Pが商品画像PIの周囲(上下左右の4辺)に25%以上掛かることがないという特徴を利用して、背景を除外する。
例えば、図7Aに例示する商品画像PIでは、商品Pの下部が、商品画像PIの1辺に掛かっている場合を示す。この図7Aでは、商品Pの下部が商品画像PIの下辺に30%ほど掛かっているものの、4辺全体を基準とした割合では、およそ12%程度となる。
また、図7Bに例示する商品画像PIでは、商品Pの一部が、商品画像PIの2辺に掛かっている場合を示す。この図7Bでは、商品Pの下部が商品画像PIの下辺に30%ほど掛かり、商品Pの右部が商品画像PIの右辺に10%ほど掛かっているものの、4辺全体を基準とした割合では、およそ16%程度となる。
【0053】
なお、商品Pが商品画像PIの4辺に25%以上掛かる場合として、図7C図7Dが挙げられるが、極めて不自然となり、現実には使用されないと考えられる。実際に、出願人が管理している販売サイトにおいて、約1,000件の商品画像を無作為に抽出して検証した限りにおいて、存在しなかった。
また、図7Eに例示する商品画像PIのように、画像中に複数の商品Pが含まれる場合にも、各商品Pが商品画像PIの4辺に25%以上掛かることも考えられる。それでも、色違いの各商品Pを1つの商品画像PI中に含めてしまうと、どちらがどの色の商品なのかが分かり難くなるため、現実には使用されないと考えられる。
これらのことから、分類部231は、商品画像PIの4辺に25%以上掛かる場合に、背景(利用シーンをイメージした背景)であると判別し、分類対象から除外する。
【0054】
更に、商品画像PIにおいて、商品を引き立たせる必要があるため、通常、商品Pの色と背景の色とは、比較的コントラストの大きいカラーバランスが採用されるという特徴もある。
これらの特徴から、商品画像PIの周囲に沿って、幅1〜3ピクセル程度の色を抽出した場合、その中で、75%以上を占める色が背景色と推定でき、商品画像PI内に存在する同色の部分が、全て背景である可能性が高いと判断できる。
例えば、図7Fに示す商品画像PIの場合に、商品画像PIの周囲に沿って、幅1〜3ピクセル程度の色を抽出すると、L1で示される色の部分が4辺全体の88%となり、L2で示される色の部分が4辺全体の12%となったとする。この場合、分類部231は、4辺全体の88%を占めるL1で示される色と同色の部分を全て背景であると判別して、分類対象から除外する。
【0055】
なお、商品画像PIの中には、商品画像PIの周囲を単色で縁取りする場合もある。このため、商品画像PIの周囲に沿って抽出して、75%以上を占める色であっても、商品画像PIに占める同色の割合が低いなどの場合には、縁取りである場合も考慮して、別の手法によって背景を判別してもよい。
【0056】
このようにして、分類部231は、背景を除いた商品画像PIに対する画素(マス)がどの領域に属するかを分類する。
具体的に、上述した図5に示す商品Pが真っ赤なスーツケースである場合に、分類部231は、一例として、2500のマスを「レッド」に分類し、900のマスを「グレー」に分類し、200のマスを「ピンク」に分類する。なお、他のマスも分類されているが省略する。
また、色違い商品で、上述した図5に示す商品Pが赤と橙との中間色のスーツケースである場合に、分類部231は、一例として、1400のマスを「レッド」に分類し、1100のマスを「オレンジ」に分類し、900のマスを「グレー」に分類する。なお、他のマスも分類されているが省略する。
【0057】
図3に戻って、取得部232は、分類部231によって分類された画素(マス)の数が多い順に第1領域および第2領域を取得する。
例えば、分類部231によって、「レッド」:2500,「グレー」:900,「ピンク」:200,・・・と分類されている場合に、取得部232は、第1領域として「レッド」を取得し、第2領域として「グレー」を取得する。
また、分類部231によって、「レッド」:1400,「オレンジ」:1100,「グレー」:900,・・・と分類されている場合に、取得部232は、第1領域として「レッド」を取得し、第2領域として「オレンジ」を取得する。
【0058】
判別部233は、取得部232によって取得された第1領域および第2領域が、中間色条件を満たしているか否かを判別する。
例えば、判別部233は、第1領域と第2領域とが色空間において接しており、かつ、第1領域に分類された画素(マス)の数と前記第2領域に分類された画素(マス)の数との比率が所定比率(一例として、5:3)を超える場合に、中間色条件を満たしていると判別する。
具体的に、取得部232によって、第1領域として「レッド」が取得され、第2領域として「グレー」が取得されている場合において、「レッド」と「グレー」とが色空間において接していないことから、判別部233は、中間色条件を満たしていないと判別する。
一方、取得部232によって、第1領域として「レッド」(マスの数1400)が取得され、第2領域として「オレンジ」(マスの数1100)が取得されている場合において、「レッド」と「オレンジ」とが色空間において接しており、かつ、所定比率を超えていることから、判別部233は、中間色条件を満たしていると判別する。
なお、中間色条件は、一例であり、他の条件で判別してもよい。例えば、後述するように、中間色を判定するための範囲を更に定めておき、分類部231にて2種類の範囲に従って分類した結果に基づいて、中間色条件を満たしているか否かを判別するようにしてもよい。
【0059】
検索部234は、判別部233によって中間色条件を満たすと判別された場合に、当該商品を、第1領域に対応付けられた第1代表色および第2領域に対応付けられた第2代表色のいずれにても検索可能とする。
例えば、検索部234は、検索時に指定された指定色が、第1代表色と一致する際に検索をヒットさせる第1確率と、同指定色が、第2代表色と一致する際に検索をヒットさせる第2確率とに応じて、商品の検索を行う。
ここで、第1確率は、例えば、「f(第1領域に分類された数)/f(第1領域に分類された数+第2領域に分類された数)」により算定される。一方、第2確率は、例えば、「f(第2領域に分類された数)/f(第1領域に分類された数+第2領域に分類された数)」により算定される。
なお、関数f()は、例えば、f(x)=x,f(x)= x2,f(x)=log2(x),f(x)=2xなど、1以上の引数xに対して単調増加し、非負値を返す関数であれば、適宜採用できる。
また、第1確率+第2確率=1となる場合に限られず、第1確率+第2確率>1となる場合や、極端な例では、第1確率=第2確率=1となる場合も、適宜採用することができる。
【0060】
このように、中間色条件を満たすと判別されると、検索部234は、検索時に指定された指定色が第1代表色と一致する場合に、第1確率に基づいて当該商品をヒットさせ、若しくは、同指定色が第2代表色と一致する場合に、第2確率に基づいて当該商品をヒットさせる。そのため、指定色が第1代表色と一致する際に、確率的に有利となり、当該商品が検索され易くなるものの、同指定色が第2代表色と一致する際にも、適宜当該商品が検索されることになる。
【0061】
なお、判別部233によって中間色条件を満たさないと判別された場合に、検索部234は、第1領域に対応付けられた第1代表色が指定された際に限り、当該商品を検索するものとする。
【0062】
修正部235は、第1代表色にて商品が検索された後のユーザ(検索者)による商品に対する第1反応と、第2代表色にて商品が検索された後のユーザによる商品に対する第2反応と、に基づいて、第1領域と第2領域との境界を変化させるように、領域情報における領域の範囲を修正する。
例えば、上述した図5に示す商品Pが赤と橙との中間色のスーツケースである場合において、「レッド」のスーツケースについての検索がユーザに指示され、検索部234が、このスーツケースを検索結果(検索結果一覧)に含めて提示した後に、ユーザからこのスーツケースが選択された(商品ページへの遷移が指示された)数と、「オレンジ」のスーツケースについての検索がユーザに指示され、検索部234が、このスーツケースを検索結果に含めて提示した後に、ユーザからこのスーツケースが選択された数と、に基づいて、「レッド」と「オレンジ」との境界を変化させるように、領域情報における領域の範囲を修正する。
【0063】
具体的には、第2代表色である「オレンジ」を検索結果に含めたときの方が、第1代表色である「レッド」を検索結果に含めたときよりも、このスーツケースがユーザからより多く選択された場合に、修正部235は、図8に示すように、「レッド」の領域RAが狭くなり、その分「オレンジ」の領域OAが広がるように、領域情報における領域の範囲を修正する。これにより、今後、赤と橙との中間色の商品は、「レッド」よりも「オレンジ」により多く分類され、指定色に「オレンジ」が指定された際により検索され易くなる。
一方、第1代表色である「レッド」を検索結果に含めたときの方が、第2代表色である「オレンジ」を検索結果に含めたときよりも、このスーツケースがユーザからより多く選択された場合に、修正部235は、「レッド」の領域と「オレンジ」の領域との境界を初期の境界に戻すように、領域情報における領域の範囲を修正する。つまり、図8に示すように、「レッド」の領域RAが狭くなり、その分「オレンジ」の領域OAが広がっていれば、互いの領域を元に戻す。なお、「レッド」の領域RAと「オレンジ」の領域OAとが初期の領域のままであれば、修正部235は、何ら修正を行わない。
【0064】
このような構成の制御部230は、中間色の商品について、いわゆるA/Bテストを適宜行うことになり、その結果(ユーザの反応)に応じて、対応する領域同士の境界を変動させる。これによって、中間色の商品は、自然と反応のよい方の代表色に分類され、ユーザに提示され易くなる。
上述したCPU 401等が、このような構成からなる制御部230として機能しうる。
【0065】
提示部240は、インターネット900を介してユーザ端末300に種々の情報を提示する。
例えば、提示部240は、制御部230の検索部234が商品を検索した検索結果(検索結果一覧)をユーザ端末300に提示する。すなわち、ユーザが指定色を指定して商品の検索を指示した際に、指定色で絞り込んだ検索結果一覧を、ユーザ端末300に提示する。
【0066】
なお、上述したCPU 401及びNIC 404等が、このような提示部240として機能しうる。
【0067】
(色分類装置の動作)
以下、このような構成の色分類装置200の動作について図9を参照して説明する。図9は、色分類装置200が実行する色分類処理の流れを示すフローチャートである。この色分類処理は、例えば、ユーザが指定色を指定して商品の検索を指示した際に開始される。
【0068】
まず、色分類装置200は、商品画像の画素(マス)の色がどの領域に属するか分類する(ステップS11)。
例えば、制御部230(分類部231)は、上述した図5に示すような商品P(スーツケース)を含んだ商品画像PIに対して、マス目の数が100×100(縦×横)となるようにグリッド化し、1マス毎に色の抽象化を行った後に、各マスがどの領域に属するかを分類する。
なお、上述したように、商品画像PIには、背景が含まれているため、分類部231は、背景を除いた商品画像PIに対する各マスがどの領域に属するかを分類する。
【0069】
具体的に、上述した図5に示す商品Pが真っ赤なスーツケースである場合に、分類部231は、一例として、2500のマスを「レッド」に分類し、900のマスを「グレー」に分類し、200のマスを「ピンク」に分類する。なお、他のマスも分類されているが省略する。
また、色違い商品で、上述した図5に示す商品Pが赤と橙との中間色のスーツケースである場合に、分類部231は、一例として、1400のマスを「レッド」に分類し、1100のマスを「オレンジ」に分類し、900のマスを「グレー」に分類する。なお、他のマスも分類されているが省略する。
【0070】
色分類装置200は、分類された画素(マス)の数が多い順に第1領域および第2領域を取得する(ステップS12)。
具体的に、ステップS11にて、「レッド」:2500,「グレー」:900,「ピンク」:200,・・・と分類されている場合に、制御部230(取得部232)は、第1領域として「レッド」を取得し、第2領域として「グレー」を取得する。
また、ステップS11にて、「レッド」:1400,「オレンジ」:1100,「グレー」:900,・・・と分類されている場合に、取得部232は、第1領域として「レッド」を取得し、第2領域として「オレンジ」を取得する。
【0071】
色分類装置200は、第1領域および第2領域が、中間色条件を満たしているか否かを判別する(ステップS13)。
例えば、制御部230(判別部233)は、第1領域と第2領域とが色空間において接しており、かつ、第1領域に分類された画素(マス)の数と前記第2領域に分類された画素(マス)の数との比率が所定比率(一例として、5:3)を超える場合に、中間色条件を満たしていると判別する。
具体的に、ステップS12にて、第1領域として「レッド」が取得され、第2領域として「グレー」が取得されている場合において、「レッド」と「グレー」とが色空間において接していないことから、判別部233は、中間色条件を満たしていないと判別する。
一方、ステップS12にて、第1領域として「レッド」(マスの数1400)が取得され、第2領域として「オレンジ」(マスの数1100)が取得されている場合において、「レッド」と「オレンジ」とが色空間において接しており、かつ、所定比率を超えていることから、判別部233は、中間色条件を満たしていると判別する。
【0072】
色分類装置200は、第1領域および第2領域が、中間色条件を満たしていると判別すると(ステップS13;Yes)、指定色が第1代表色と一致する際に検索をヒットさせる第1確率と、同指定色が第2代表色と一致する際に検索をヒットさせる第2確率とに応じて、商品の検索を行う(ステップS14)。
すなわち、制御部230(検索部234)は、検索時に指定された指定色が第1代表色と一致する場合に、第1確率に基づいて当該商品をヒットさせ、若しくは、同指定色が第2代表色と一致する場合に、第2確率に基づいて当該商品をヒットさせる。
【0073】
一方、第1領域および第2領域が、中間色条件を満たしていないと判別した場合(ステップS13;No)に、色分類装置200は、指定色が、第1代表色と一致する際に検索をヒットさせる検索を行う(ステップS15)。
すなわち、制御部230(検索部234)は、第1領域に対応付けられた第1代表色が指定された際に限り、当該商品を検索結果に含める。
【0074】
色分類装置200は、検索結果を、ユーザ端末300に提示する(ステップS16)。
すなわち、提示部240は、上述したステップS14又は、ステップS15にて検索された検索結果(検索結果一覧)をユーザ端末300に提示する。
【0075】
色分類装置200は、中間色条件を満たす場合におけるユーザの反応を収集する(ステップS17)。
すなわち、制御部230は、上述したステップS14にて検索された検索結果をユーザ端末300に提示した場合におけるユーザの反応を収集する。つまり、第1代表色にて商品が検索された後のユーザによる商品に対する第1反応と、第2代表色にて商品が検索された後のユーザによる商品に対する第2反応とを収集する。
例えば、上述した図5に示す商品Pが赤と橙との中間色のスーツケースである場合において、「レッド」のスーツケースについての検索がユーザに指示され、ステップS14にて、このスーツケースを検索結果に含めて提示した後に、ユーザからこのスーツケースが選択された数(第1反応)と、「オレンジ」のスーツケースについての検索がユーザに指示され、ステップS14にて、このスーツケースを検索結果に含めて提示した後に、ユーザからこのスーツケースが選択された数(第2反応)と、を集計する。
【0076】
色分類装置200は、第2反応の方が第1反応よりも反応度合いが大きいか否かを判別する(ステップS18)。
色分類装置200は、第2反応の方が第1反応よりも反応度合いが大きいと判別すると(ステップS18;Yes)、第1領域を狭くし、第2領域を広げるように、領域情報を修正する(ステップS19)。
例えば、第2代表色である「オレンジ」を検索結果に含めたときの方が、第1代表色である「レッド」を検索結果に含めたときよりも、このスーツケースがユーザからより多く選択された場合に、制御部230(修正部235)は、上述した図8に示すように、「レッド」の領域RAが狭くなり、その分「オレンジ」の領域OAが広がるように、領域情報における領域の範囲を修正する。これにより、今後、赤と橙との中間色の商品は、「レッド」よりも「オレンジ」により多く分類され、指定色に「オレンジ」が指定された際により検索され易くなる。
【0077】
一方、第2反応の方が第1反応よりも反応度合いが大きくないと判別した場合(ステップS18;No)、第1領域と第2領域との境界を元に戻すように、領域情報を修正する(ステップS20)。
例えば、第1代表色である「レッド」を検索結果に含めたときの方が、第2代表色である「オレンジ」を検索結果に含めたときよりも、このスーツケースがユーザからより多く選択された場合に、修正部235は、「レッド」の領域と「オレンジ」の領域との境界を初期の境界に戻すように、領域情報における領域の範囲を修正する。つまり、ステップS19にて、「レッド」の領域RAが狭くなり、その分「オレンジ」の領域OAが広がっていれば、互いの領域を元に戻す。なお、「レッド」の領域RAと「オレンジ」の領域OAとが初期の領域のままであれば、修正部235は、何ら修正を行わない。
【0078】
このような色分類処理によって、商品の色が中間色であっても、代表色の何れかに適切に分類することができる。また、ユーザの反応に応じて、隣り合う領域同士の境界を変動させるため、中間色が多くのユーザから支持を受け易い代表色に分類することができる。
この結果、商品の色を適切に分類することができる。
【0079】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、検索の度に、商品の色を分類する場合について説明したが、一旦分類した結果を商品情報に登録するようにし、所定の見直しタイミングで、再度分類するようにしてもよい。
例えば、上述した図3に示す色分類装置200において、制御部230に登録部を更に備えるようにし、この登録部が、第1代表色および第2代表色を、当該商品の商品情報に登録するようにしてもよい。
この場合、検索部234は、検索時に指定された指定色が、商品情報における第1代表色と一致する際に検索をヒットさせる第1確率と、同指定色が、同商品情報における第2代表色と一致する際に検索をヒットさせる第2確率とに応じて、商品の検索を行う。
【0080】
上記の実施形態では、領域情報に、代表色の領域の範囲だけが規定されている場合について説明したが、更に、中間色の領域の範囲が領域情報に規定されていてもよい。
この場合、分類部231は、更に、商品画像の画素(マス)の色が中間力の領域に属するかも含めて分類する。そして、判別部233は、分類部231にて2種類の範囲に従って分類した結果に基づいて、中間色条件を満たしているか否かを判別する。
これにより、商品の色が、中間色条件を満たしているかどうかを、より詳細に判別することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上説明したように、本発明によれば、商品の色を適切に分類することのできる色分類装置、色分類方法、プログラム、ならびに、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体を提供することができる。
【符号の説明】
【0082】
100 販売システム
200 色分類装置
210 受付部
220 記憶部
230 制御部
231 分類部
232 取得部
233 判別部
234 検索部
235 修正部
240 提示部
300 ユーザ端末
400 情報処理装置
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 NIC
405 画像処理部
406 音声処理部
407 DVD−ROMドライブ
408 インターフェース
409 外部メモリ
410 コントローラ
411 モニタ
412 スピーカ
900 インターネット
【要約】
記憶部(220)は、色空間を分割する複数の領域についての領域情報(領域の範囲と領域を示す代表色とを対応付ける領域情報)を記憶する。分類部(231)は、商品画像の画素の色(商品の色)がどの領域に属するか分類する。取得部(232)は、分類された画素の数が多い順に第1領域および第2領域を取得する。判別部(233)は、取得された第1領域と第2領域とが中間色条件を満たすか否かを判別する。検索部(234)は、判別により中間色条件を満たせば、商品を、第1領域に対応付けられた第1代表色および第2領域に対応付けられた第2代表色のいずれにても検索可能とする。修正部(235)は、第1代表色にて商品が検索された後の商品に対する第1反応と、第2代表色にて商品が検索された後の商品に対する第2反応と、に基づいて、第1領域と第2領域との境界を変化させるように、領域情報における領域の範囲を修正する。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8
図9