(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係る実施の形態であるカプセル型内視鏡システムについて、被検体内に経口にて導入され、被検体の胃に蓄えた液中を漂うカプセル型内視鏡を用いるカプセル型内視鏡用誘導システムを例に説明する。ただし、これに限定されず、例えば被検体の食道から肛門にかけて管腔内を移動するカプセル型内視鏡や、肛門から等張液とともに導入されるカプセル型内視鏡など、種々のカプセル型内視鏡を用いることが可能である。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0023】
(実施の形態1)
〔カプセル型内視鏡システムの構成〕
図1は、本発明の実施の形態1に係るカプセル型内視鏡システムの構成例を示す図である。
図1に示すカプセル型内視鏡システム1は、被検体2内に導入され、被検体2内を撮像することにより取得した画像信号(画像情報)を被検体2の外部へ無線送信するカプセル型内視鏡10と、被検体2が載置されるベッド3の下方に設けられた複数のセンスコイル11aを介してカプセル型内視鏡10の位置を検出する位置検出部11と、カプセル型内視鏡10に磁気誘導するための磁界を発生する磁界発生部12と、位置検出部11から出力された信号を処理する信号処理部13と、磁界発生部12を動作させるための信号を発生する信号発生部14と、カプセル型内視鏡10から無線送信された画像信号を受信する受信部15と、カプセル型内視鏡10を誘導操作するための入力部16と、受信部15が受信した画像信号に基づいて、被検体2内の画像(以下、「体内画像」という)を表示するための処理を行う制御部17と、体内画像やその他の情報を表示する表示部18と、カプセル型内視鏡10によって撮像された画像情報などを記憶する記録部19と、を備える。なお、ベッド3は、上面(被検体2の載置面)が水平面(重力方向の直交面)と平行になるように配置されている。以下においては、ベッド3の長手方向をX方向、ベッド3の短手方向をY方向、鉛直方向(重力方向)をZ方向とする。また、本実施の形態1では、磁界発生部12、入力部16および制御部17が磁界発生装置として機能する。
【0024】
カプセル型内視鏡10は、経口摂取等によって所定の液体とともに被検体2の臓器内部に導入された後、消化管内部を移動して、最終的に、被検体2の外部に排出される。カプセル型内視鏡10は、被検体2で体内画像を順次撮像し、得られた体内画像を外部の受信部15に順次無線送信する。ここで、カプセル型内視鏡10の構成について説明する。
図2は、カプセル型内視鏡10の内部構造の一例を示す模式図である。
【0025】
図2に示すカプセル型内視鏡10は、被検体2の臓器内部に導入し易い大きさに形成された外装であるカプセル型筐体101と、被検体2を撮像して画像信号を生成する撮像部102と、撮像部102によって生成された画像信号を外部に無線送信する無線通信部103と、カプセル型内視鏡10の各構成部に電力を供給する電源部104と、カプセル型内視鏡10の位置検出用の交番磁界を発生する磁界発生部105と、磁界発生部12による磁気誘導を可能にするための永久磁石106と、カプセル型内視鏡10の各構成部を制御する制御部107と、を備える。
【0026】
カプセル型筐体101は、被検体2の臓器内部に導入可能な大きさに形成された外装ケースであり、筒状筐体111の両側開口端をドーム形状筐体112,113によって塞ぐことによって実現される。ドーム形状筐体112は、可視光等の所定波長帯域の光に対して透明なドーム形状の光学部材である。また、筒状筐体111およびドーム形状筐体113は、可視光に対して略不透明な有色の筐体である。これらの筒状筐体111およびドーム形状筐体112、113によって形成されるカプセル型筐体101は、
図2に示すように、撮像部102、無線通信部103、電源部104、磁界発生部105、永久磁石106および制御部107、を液密に内包する。
【0027】
撮像部102は、LED(Light Emitting Diode)等の照明部114と、集光レンズ等の光学系115と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)またはCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子116と、を有する。照明部114は、制御部107の制御のもと、撮像素子116の撮像視野に白色光等の照明光を発光して、ドーム形状筐体112越しに撮像視野内の被検体2を照明する。光学系115は、撮像視野からの反射光を撮像素子116の撮像面に集光して被検体像を結像させる。光学系115は、少なくとも1以上のレンズを用いて構成される。撮像素子116は、撮像面に集光された撮像視野からの反射光を受光し、受光した光信号を光電変換することにより、撮像視野の被検体像、即ち被検体2の体内画像を表す画像信号を生成する。
【0028】
なお、本実施の形態においては、カプセル型内視鏡10に撮像部102を1つのみ設けたが、ドーム形状筐体113側にも撮像部102を設け、カプセル型内視鏡10の軸Laの前方および後方を撮像可能な構成としても良い。この場合、ドーム形状筐体113も可視光等の所定波長帯域の光に対して透明な光学部材によって形成する。また、この場合、2つの撮像部102は、各々の光軸がカプセル型筐体101の長手方向の中心軸である軸Laと略平行または略一致し、且つ各撮像視野が互いに反対方向を向くように配置される。
【0029】
無線通信部103は、撮像部102が生成した画像信号を、図示しないアンテナを介して外部に順次無線送信する。具体的には、無線通信部103は、撮像部102が生成した画像信号を制御部107から取得し、この画像信号に変調等の信号処理を施して無線信号を生成する。無線通信部103は、この無線信号を、被検体2外に設けられた受信部15に送信する。
【0030】
電源部104は、ボタン型電池またはキャパシタ等の蓄電部であって、磁気スイッチや光スイッチ、あるいは制御部107からのコマンドによって切り替えられるスイッチ部(図示せず)を有する。電源部104は、例えば無線通信部103を介して外部から印加されたスイッチ部を切り替えるコマンドとなる特定のパターンの高周波信号を受信するとともに、この高周波信号に基づく制御部107の制御によって電源のオンオフ状態を切り替え、オン状態の場合に、蓄電部の電力をカプセル型内視鏡10の各部に供給する。また、電源部104は、オフ状態の場合に、カプセル型内視鏡10の各部への電力供給を停止する。
【0031】
磁界発生部105は、共振回路の一部をなし、電流が流れることにより磁界を発生する送信コイルと、この送信コイルとともに共振回路を形成するコンデンサと、を含み、電源部104からの電力供給を受けて所定の周波数の交番磁界を発生する。なお、本実施の形態1では、磁界発生部105が外部から印加される磁界に応答する磁界応答部として機能する。
【0032】
永久磁石106は、磁化方向が軸Laに対して傾きを持つように、カプセル型筐体101の内部に固定配置される。本実施の形態1において、永久磁石106は、磁化方向が軸Laに対して直交するように配置されている。永久磁石106は、外部から印加された磁界に追従して動作し、この結果、後述する磁界発生部12によるカプセル型内視鏡10の磁気誘導が実現する。
【0033】
制御部107は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成され、撮像部102および無線通信部103の各動作を制御するとともに、これらの各構成部間における信号の入出力を制御する。具体的には、制御部107は、撮像素子116が画像信号を生成する都度、この画像信号を取得して所定の信号処理を施し、さらに、この画像信号を時系列に沿って外部に順次無線送信するように無線通信部103を制御する。また、制御部107は、調光情報算出部107aと、照明制御部107bと、を有する。
【0034】
調光情報算出部107aは、撮像素子116が生成した画像信号に基づいて、照明部114の発光量および露光時間に関する調光情報を算出する。具体的には、調光情報算出部107aは、撮像素子116が生成した画像信号に対応する体内画像の明るさに基づいて、照明部114が照射する光の発光量および露光時間を算出する。
【0035】
照明制御部107bは、調光情報算出部107aが算出した調光情報に基づいて、照明部114を制御する。具体的には、照明制御部107bは、調光情報算出部107aが算出した発光量および露光時間に基づいて、照明部114に照明光を照射させる。
【0036】
図1に戻り、カプセル型内視鏡システム1の構成の説明を続ける。
位置検出部11は、被検体2が載置されるベッド3の下方に設けられた複数のセンスコイル11aを介して被検体2内におけるカプセル型内視鏡10の位置を検出する。具体的には、位置検出部11は、カプセル型内視鏡10の磁界発生部105が発生させた交番磁界を複数のセンスコイル11aによって補足することによって、被検体2内におけるカプセル型内視鏡10の位置を検出する。
【0037】
磁界発生部12は、被検体2内のカプセル型内視鏡10を磁気誘導する。磁界発生部12は、例えば複数のコイル等を用いて実現され、図示しない電力供給部によって供給された電力を用いて誘導用磁界を発生する。磁界発生部12は、誘導用磁界をカプセル型内視鏡10内の永久磁石106に印加し、この誘導用磁界の作用によってカプセル型内視鏡10を磁気的に捕捉する。磁界発生部12は、被検体2内のカプセル型内視鏡10に作用する誘導用磁界の磁界方向を変更することによって、被検体2内におけるカプセル型内視鏡10の3次元的な姿勢を制御する。具体的には、磁界発生部12は、被検体2内のカプセル型内視鏡10に作用する誘導用磁界の磁界方向を変更することによって、カプセル型内視鏡10の姿勢、被検体2までの距離およびカプセル型内視鏡10の撮像方向を制御する。なお、磁界発生部12は、複数のコイルに代えて、永久磁石を用いる構成としても良い。
【0038】
信号処理部13は、位置検出部11が検出した検出結果に対して、所定の処理を行った信号を制御部17へ出力する。具体的には、信号処理部13は、位置検出部11が検出したアナログ信号に対して、例えば復調処理を施した後に、A/D変換処理を行うことによって、制御部17へ出力する。
【0039】
信号発生部14は、制御部17の制御のもと、磁界発生部12を動作させるための信号を生成して磁界発生部12へ出力する。
【0040】
受信部15は、複数の受信アンテナ15aを備え、これらの複数の受信アンテナ15aを介してカプセル型内視鏡10から無線送信されたカプセル型内視鏡10の周囲の空間的な情報を含む画像信号を受信する。受信部15は、カプセル型内視鏡10から受信した画像信号に対して復調処理およびA/D変換処理等を行って制御部17へ出力する。
【0041】
入力部16は、医師等のユーザによる入力操作に応じて各種情報を受け付けて、受け付けた各種情報を制御部17へ出力する。
図3は、入力部16の概略構成図である。
図3に示す入力部16は、ジョイスティック、ボタンおよびスイッチ等の入力デバイスを用いて実現され、医師等のユーザによる入力操作に応じて各種情報を受け付ける。入力部16は、カプセル型内視鏡10の姿勢を指示する指示信号の入力を受け付けるジョイスティック161と、カプセル型内視鏡10の移動(位置)を指示する指示信号の入力を受け付けるジョイスティック162と、カプセル型内視鏡10と被検体2との距離を設定する指示信号の入力を受け付ける距離入力部163と、距離入力部163が入力を受け付けたカプセル型内視鏡10と被検体2との距離を表示する表示部164と、を有する。なお、入力部16は、キーボード、マウスおよびタッチパネル等の入力デバイスを用いて実現してもよい。
【0042】
図1に戻り、カプセル型内視鏡システム1の説明を続ける。
制御部17は、CPU(Central Processing Unit)を用いて構成され、カプセル型内視鏡システム1の各構成部を統括的に制御する。制御部17は、設定部171と、検出部172と、判定部173と、磁界制御部174と、表示制御部175と、を有する。
【0043】
設定部171は、撮像部102(カプセル型内視鏡10)と被検体2との基準距離を設定する。具体的には、設定部171は、入力部16から入力される指示信号に基づいて、撮像部102と被検体2との基準距離を設定する。
【0044】
検出部172は、被写体(被検体2の壁面)とカプセル型内視鏡10における周囲との空間的な関係を検出する。具体的には、検出部172は、撮像素子116が生成した画像データに対応する画像の明るさに基づいて、撮像素子116から被検体2までの距離を空間的な関係として検出する。
【0045】
判定部173は、検出部172が算出した距離が設定部171によって設定された基準距離より小さいか否かを判定する。
【0046】
磁界制御部174は、検出部172が検出した検出結果と入力部16が受け付けた指示信号に基づいて、カプセル型内視鏡10における周囲の空間的な関係を維持させながらカプセル型内視鏡10を誘導するように磁界発生部12がカプセル型内視鏡10の永久磁石106に印加する誘導磁界を制御する。
【0047】
表示制御部175は、表示部18の表示態様を制御する。具体的には、表示制御部175は、表示部18が表示する体内画像に、各種情報を重畳して表示部18に表示させる。また、表示制御部175は、カプセル型内視鏡システム1に関する各種情報を表示部18に表示させる。
【0048】
表示部18は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等の表示パネルを用いて実現され、制御部17によって表示指示された各種情報を表示する。具体的には、表示部18は、表示制御部175の制御のもと、カプセル型内視鏡10が撮像した被検体2の体内画像群を表示する。
【0049】
記録部19は、カプセル型内視鏡10が撮像した体内画像、カプセル型内視鏡システム1が実行するプログラムが処理中の各種情報を記録する。記録部19は、例えば、フラッシュメモリまたはハードディスク等の書き換え可能に情報を保存する記録メディアを用いて実現される。
【0050】
このように構成されたカプセル型内視鏡システム1は、被検体2にカプセル型内視鏡10および所定の液体が経口摂取された後に、ユーザが表示部18で表示される体内画像を見ながら入力部16を操作し、磁界発生部12による磁界によってカプセル型内視鏡10による観察位置を移動させながら被検体2の観察等を行う。
【0051】
〔カプセル型内視鏡システムの処理〕
次に、カプセル型内視鏡システム1が実行する処理について説明する。
図4は、カプセル型内視鏡システム1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。なお、以下においては、被検体2の胃をカプセル型内視鏡10を用いて観察する場合について説明する。
【0052】
図4に示すように、まず、設定部171は、距離入力部163から入力された指示信号に基づいて、カプセル型内視鏡10から被検体2の管腔壁面までの基準距離d1を設定する(ステップS101)。
【0053】
続いて、ジョイスティック162から撮像方向に対して垂直な方向へのカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号の操作入力があった場合(ステップS102:Yes)、磁界制御部174は、信号発生部14を制御することによって、磁界発生部12に磁界を発生させてカプセル型内視鏡10を操作入力方向に移動させる(ステップS103)。
【0054】
続いて、制御部17は、受信部15を介してカプセル型内視鏡10の画像を取得し(ステップS104)、画像に含まれる調光情報を取得する(ステップS105)。
【0055】
その後、検出部172は、受信部15を介してカプセル型内視鏡10の画像に含まれる調光情報に基づいて、カプセル型内視鏡10から被検体2の管腔壁までの距離dを算出する(ステップS106)。
【0056】
図5は、検出部172が算出する距離の算出方法を模式的に説明する図である。
図5に示すように、検出部172は、カプセル型内視鏡10の調光情報算出部107aが算出した調光情報に応じて適正な明るさ(適正露出)になったときに照明部114が照射する光量に基づいて、カプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離dを算出する。なお、検出部172は、照明部114が照射する光量が大きくなるほど、カプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離dが大きくなるように算出する。
図5に示す場合、カプセル型内視鏡10は、照明制御部107bの制御のもと、照明部114が発光後、調光情報算出部107aが撮像素子116によって生成された画像データに基づき画像の明るさを算出し、照明制御部107bが調光情報算出部107aによって算出された画像の明るさに基づき照明部114の発光量を制御して発光させる。
【0057】
続いて、判定部173は、検出部172が算出した距離dが設定部171によって設定された基準距離d1より大きいか否かを判定する(ステップS107)。具体的には、判定部173は、
図6Aに示すように、カプセル型内視鏡10が矢印(a)方向に移動した後に、カプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離dが設定部171によって設定された基準距離d1よりも大きいと判定する。判定部173によって検出部172が算出した距離dが設定部171によって設定された基準距離d1より大きいと判定された場合(ステップS107:Yes)、制御部17は、後述するステップS108へ移行する。これに対して、判定部173によって検出部172が算出した距離dが設定部171によって設定された基準距離d1より大きくないと判定された場合(ステップS107:No)、制御部17は、後述するステップS110へ移行する。
【0058】
ステップS108において、磁界制御部174は、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号に応じて、カプセル型内視鏡10が撮像方向に移動するように信号発生部14を介して磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する。具体的には、
図6Bに示すように、磁界制御部174は、カプセル型内視鏡10が矢印(b)方向に向けて移動するようにカプセル型内視鏡10が撮像方向に移動するように信号発生部14を介して磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する。
【0059】
続いて、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号の操作入力が継続されている場合(ステップS109:Yes)、制御部17は、ステップS103へ戻る。この場合、
図6Bおよび
図6Cに示すように、磁界制御部174は、カプセル型内視鏡10が矢印(c)方向(撮像方向に対して垂直な方向)に移動するようにカプセル型内視鏡10が撮像方向に移動するように信号発生部14を介して磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する。これに対して、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号の操作入力が継続されていない場合(ステップS109:No)、制御部17は、後述するステップS112へ移行する。
【0060】
ステップS110において、判定部173は、検出部172が算出した距離dが設定部171によって設定された基準距離d1より小さいか否かを判定する。具体的には、判定部173は、
図6Cに示すように、カプセル型内視鏡10が矢印(c)方向に移動した後に、カプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離dが設定部171によって設定された基準距離d1よりも小さいか否かを判定する。判定部173によって検出部172が算出した距離dが設定部171によって設定された基準距離d1より小さいと判定された場合(ステップS110:Yes)、制御部17は、後述するステップS111へ移行する。これに対して、判定部173によって検出部172が算出した距離dが設定部171によって設定された基準距離d1より小さくないと判定された場合(ステップS110:No)、制御部17は、ステップS109へ移行する。
【0061】
ステップS111において、磁界制御部174は、カプセル型内視鏡10が撮像方向に対して反対方向に移動するように信号発生部14を介して磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する。具体的には、
図6Dに示すように、磁界制御部174は、カプセル型内視鏡10が矢印(d)方向に向けて移動するように信号発生部14を介して磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する。ステップS111の後、制御部17は、ステップS109へ移行する。
【0062】
ステップS102において、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号の操作入力がなかった場合(ステップS102:No)、制御部17は、ステップS112へ移行する。
【0063】
続いて、カプセル型内視鏡10による被検体2の観察を終了する場合(ステップS112:Yes)、制御部17は、本処理を終了する。これに対して、カプセル型内視鏡10による被検体2の観察を終了しない場合(ステップS112:No)、制御部17は、ステップS101へ戻る。
【0064】
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、磁界制御部174が検出部172によって算出された距離と設定部171によって設定された基準距離とに基づいて、設定部171によって設定された距離を保つようにカプセル型内視鏡10の位置を自動的に移動させるので、カプセル型内視鏡10の誘導操作の操作性を向上させることによって、被検体2の観察を容易にすることができる。
【0065】
また、本発明の実施の形態1によれば、磁界制御部174が検出部172によって算出された距離と設定部171によって設定された基準距離との差が一定の範囲内を維持するようにカプセル型内視鏡10を誘導するので、カプセル型内視鏡10の観察方向と垂直方向の誘導操作をユーザに意識させずにカプセル型内視鏡10を所望の位置へ誘導することができる。この結果、操作の容易且つ操作性を向上させることができる。
【0066】
さらに、本発明の実施の形態1によれば、カプセル型内視鏡10にもともと備わっている照明機能と撮像機能のみを用いて、カプセル型内視鏡10と被検体2の壁面2aまでの距離を検出するため、新たな構成をカプセル型内視鏡10に追加する必要がないので、カプセル型内視鏡10の組立を容易に行うことができるとともに、安価に製造することができる。
【0067】
(実施の形態1の変形例1)
次に、本発明の実施の形態1の変形例1について説明する。本実施の形態1の変形例1は、上述した実施の形態1に係るカプセル型内視鏡システム1と同様の構成を有し、カプセル型内視鏡を誘導する方向の観察方向および垂直方向に合わせて姿勢(回転)および観察方向への移動を行う。このため、以下においては、本実施の形態1の変形例1に係る動作について説明する。なお、上述した実施の形態1に係るカプセル型内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
図7A〜
図7Gは、本実施の形態1の変形例1に係るカプセル型内視鏡10の被検体2内における遷移を模式的に示す図である。
【0069】
まず、
図7Aに示すように、カプセル型内視鏡10と被検体2の壁面2aとの距離が基準距離d1に維持されている状態において、ジョイスティック161からカプセル型内視鏡10を右方向へ回転する指示信号が入力された場合、磁界制御部174は、カプセル型内視鏡10が右方向(矢印(a))へ回転する磁界を磁界発生部12に発生させてカプセル型内視鏡10の姿勢を変更する(
図7A→
図7B)。
【0070】
続いて、磁界制御部174は、検出部172が算出したカプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離と設定部171が設定した基準距離d1とに基づいて、信号発生部14を介して磁界発生部12を制御し、カプセル型内視鏡10が撮像方向(矢印(b))へ移動するように磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御することによって、カプセル型内視鏡10と被検体2の壁面2aとの距離が設定部171によって設定された基準距離d1になるように誘導する(
図7B→
図7C)。
【0071】
その後、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10を斜め上方向へ移動させる指示信号が入力された場合、磁界制御部174は、検出部172が算出したカプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離と設定部171が設定した基準距離d1とに基づいて、カプセル型内視鏡10が斜め上方向(矢印(c))へ移動するように磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御することによって、カプセル型内視鏡10を斜め上方向へ誘導する(
図7C→
図7D)。
【0072】
続いて、磁界制御部174は、検出部172が算出したカプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離と設定部171が設定した基準距離d1とに基づいて、カプセル型内視鏡10が撮像方向に対して反対方向(矢印(d))へ移動するように磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御することによって、カプセル型内視鏡10と被検体2の壁面2aとの距離が設定部171によって設定された基準距離d1になるように維持する(
図7D→
図7E)。
【0073】
その後、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の観察方向と垂直な方向へ移動させる指示信号が入力された場合、磁界制御部174は、検出部172が算出したカプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離と設定部171が設定した基準距離d1とに基づいて、カプセル型内視鏡10が観察方向と垂直な方向(矢印(e))へ移動するように磁界発生部12を制御する(
図7E→
図7F)。
【0074】
続いて、磁界制御部174は、検出部172が算出したカプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離と設定部171が設定した基準距離d1とに基づいて、カプセル型内視鏡10が撮像方向(矢印(f))へ移動するように磁界発生部12を制御することによって、カプセル型内視鏡10と被検体2の壁面2aとの距離が設定部171によって設定された基準距離d1になるように維持する(
図7F→
図7G)。
【0075】
以上説明した本発明の実施の形態1の変形例1によれば、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10を斜め方向への移動を指示する指示信号またはカプセル型内視鏡10の姿勢(回転)の変更を指示する指示信号が入力された場合であっても、磁界制御部174が検出部172によって算出されたカプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離と設定部171が設定した基準距離とに基づいて、カプセル型内視鏡10と被検体2の壁面2aとの距離を一定に保つので、より高度な誘導操作を行うことができるとともに、観察性能を向上させることができ、適切な画像を常に取得することができる。
【0076】
(実施の形態1の変形例2)
次に、本発明の実施の形態1に係る変形例2について説明する。本実施の形態1の変形例2は、上述した実施の形態1に係るカプセル型内視鏡システム1と同様の構成を有し、表示部18が表示する画像が異なる。このため、以下においては、本実施の形態1の変形例2に係る表示部が表示する画像について説明する。なお、上述した実施の形態1に係るカプセル型内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
図8は、本発明の実施の形態1の変形例2に係る表示部が表示する画像の一例を示す図である。
図8に示すように、表示制御部175は、表示部18に画像W1を表示させる。画像W1は、カプセル型内視鏡10が撮像した被検体2の体内画像を表示する体内画像表示領域181と、カプセル型内視鏡10と被検体2との距離を設定した設定値を表示する設定表示領域182と、検出部172が算出したカプセル型内視鏡10と被検体2との実際の距離を表示する測定値表示領域183と、設定値と測定値との差分を表示する差分表示領域184と、を有する。
【0078】
以上説明した本発明の実施の形態1の変形例2によれば、表示制御部175が設定部171によって設定された距離、検出部172によって算出された距離、設定値と測定値との差分およびカプセル型内視鏡10が撮像した体内画像を表示部18に表示させるので、ユーザは、自動誘導が正しく機能しているか否かを直感的に把握することができる。
【0079】
また、本発明の実施の形態1の変形例2によれば、カプセル型内視鏡10が設定部171によって設定された距離に誘導されて移動するまでの時間差がある場合であっても、その遷移を視覚的に把握することができるため、ユーザのストレスを緩和することができる。
【0080】
なお、本発明の実施の形態1の変形例2では、表示制御部175が設定値と測定値との差に応じて体内画像表示領域181の周囲の表示態様を制御してもよい。具体的には、表示制御部175は、設定部171が設定した距離と検出部172が算出した距離との差分に基づいて、体内画像表示領域181の周囲(枠)の色を変更する。例えば、表示制御部175は、設定部171が設定した距離より被検体2の壁面2aに近づいている場合、体内画像表示領域181の周囲の色を赤色で表示部18に表示させ、設定部171が設定した距離より被検体2の壁面2aから遠ざかっている場合、体内画像表示領域181の周囲の色を青色で表示部18に表示させ、設定部171が設定した距離に近づいている場合、体内画像表示領域181の周囲の色を緑色で表示部18に表示させる。これにより、ユーザは、カプセル型内視鏡10と被検体2の壁面2aとの距離関係を直感的に把握することができる。また、表示制御部175は、設定値と測定値との差分によって体内画像の色の濃さや輝度を変更して表示部18に表示させてもよい。
【0081】
(実施の形態1の変形例3)
次に、本発明の実施の形態1に係る変形例3について説明する。本実施の形態1の変形例3は、上述した実施の形態1に係るカプセル型内視鏡システム1と同様の構成を有し、管腔壁面までの基準距離d1の設定方法が異なる。このため、以下においては、本実施の形態1の変形例3に係る管腔壁面までの基準距離d1の設定方法について説明する。なお、上述した実施の形態1に係るカプセル型内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
図4に示すステップS101において、設定部171は、ジョイスティック162に操作入力が入力された時のカプセル型内視鏡10の画像と、画像に含まれる調光情報に基づいて、カプセル型内視鏡10から被検体2の管腔壁面までの距離を算出した結果を、基準距離d1に設定する。なお、本実施の形態1の変形例3においては、距離入力部163は構成上不要となる。
【0083】
以上説明した本発明の実施の形態1の変形例3によれば、カプセル型内視鏡10を被検体2の管腔壁面に対して適切な距離に誘導した後に、その状態を維持したまま管腔壁面に沿ってカプセル型内視鏡10を誘導できるため、高い操作性を実現できる。
【0084】
なお、本発明の実施の形態1の変形例3では、距離入力部163の替わりに管腔壁面までの距離を規定の範囲内にコントロールするか否かを選択するトグルスイッチ(図示しない)を備え、トグルスイッチが切り替えられるタイミング(管腔壁面までの距離を規定の範囲内におけるコントロールを開始するタイミング)でのカプセル型内視鏡10から被検体2の管腔壁面までの距離を基準距離d1として設定するようにしてもよい。これにより、同じ入力装置(ジョイスティック161,162)で管腔壁面までの距離を規定の範囲内にコントロールするモードとしないモードに対応することができ、操作性が向上する。
【0085】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2に係るカプセル型内視鏡システムは、上述した実施の形態1に係るカプセル型内視鏡システム1における入力部16および制御部17と構成が異なる。このため、以下においては、本実施の形態2に係るカプセル型内視鏡システムの構成を説明後、本実施の形態2に係る制御部が実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1に係るカプセル型内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
図9は、本発明の実施の形態2に係るカプセル型内視鏡システムの構成例を示す図である。
図9に示すカプセル型内視鏡システム1aは、上述した実施の形態1に係るカプセル型内視鏡システム1の入力部16および制御部17に換えて、入力部16aおよび制御部17aを備える。
【0087】
図10は、本発明の実施の形態2に係る入力部16aの概略構成図である。
図10に示す入力部16aは、上述した実施の形態1に係る入力部16の構成に加えて、カプセル型内視鏡10の撮像方向とカプセル型内視鏡10が撮像する撮像面とがなす角度(姿勢)を設定する指示信号の入力を受け付ける姿勢設定部165を有する。なお、本実施の形態1では、カプセル型内視鏡10の精細な角度の検出を行うことが難しいため、姿勢設定部165が入力を受け付ける角度を3段階(被検体2の壁面2aとカプセル型内視鏡10の撮像方向とが垂直な場合を0とした場合、−45度、0度および+45度)または5段階(被検体2の壁面2aとカプセル型内視鏡10の撮像方向とが垂直な場合を0とした場合、−60、−45度、0度、+45度および+60度)とすることが好ましい。
【0088】
制御部17aは、上述した実施の形態1に係る制御部17の構成に加えて、角度設定部176および角度検出部177を有する。
【0089】
角度設定部176は、姿勢設定部165から入力される指示信号に基づいて、カプセル型内視鏡10の撮像方向とカプセル型内視鏡10が撮像する撮像面とがなす基準角度(姿勢)を設定する。
【0090】
角度検出部177は、カプセル型内視鏡10から送信された体内画像の明るさ分布に基づいて、カプセル型内視鏡10の撮像方向とカプセル型内視鏡10が撮像する撮像面とがなす角度を算出する。
【0091】
次に、角度検出部177が算出する算出方法について説明する。
図11は、カプセル型内視鏡10と被検体2の壁面2aとの関係を示す図である。
図12は、
図11に示す状況下でカプセル型内視鏡10が撮像した体内画像の一例を示す図である。
【0092】
図11および
図12に示すように、カプセル型内視鏡10の撮像方向が被検体2の壁面2aに対して傾斜している場合において、カプセル型内視鏡10が被検体2の壁面2aを撮像したとき、カプセル型内視鏡10が撮像した体内画像P1は、カプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離に応じて明るさが変化したものになる。例えば、
図12に示すように、体内画像P1は、カプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離が大きいほど、照明部114が照射した照明光の反射光が少なくなるので、距離に応じて徐々に暗くなる。このため、角度検出部177は、カプセル型内視鏡10から送信された体内画像における左右または上下の明暗の比率を検出することによって、カプセル型内視鏡10の撮像方向とカプセル型内視鏡10が撮像する撮像面とがなす角度を模擬的に算出する。
【0093】
〔カプセル型内視鏡システムの処理〕
次に、カプセル型内視鏡システム1aが実行する処理について説明する。
図13は、カプセル型内視鏡システム1aが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0094】
図13において、ステップS201〜ステップS207は、上述した
図4のステップS101〜ステップS107それぞれに対応する。
【0095】
ステップS208において、設定部171は、カプセル型内視鏡10を撮像部102の撮像方向へ移動させる移動量を設定する。
【0096】
続いて、判定部173は、角度設定部176が設定した角度と角度検出部177が算出した角度とにズレがあるか否かを判定する(ステップS209)。判定部173によって角度設定部176が設定した角度と角度検出部177が算出した角度とにズレがあると判定された場合(ステップS209:Yes)、制御部17aは、後述するステップS210へ移行する。これに対して、判定部173によって角度設定部176が設定した角度と角度検出部177が算出した角度とにズレがないと判定された場合(ステップS209:No)、制御部17aは、後述するステップS211へ移行する。
【0097】
ステップS210において、角度設定部176は、カプセル型内視鏡10の姿勢の変更量を設定する。ステップS210の後、制御部17aは、ステップS211へ移行する。
【0098】
続いて、磁界制御部174は、設定部171が設定した移動量および角度設定部176が設定した変更量に基づいて、カプセル型内視鏡10の撮像方向の位置および姿勢を変更するように磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する(ステップS211)。ステップS211の後、制御部17aは、ステップS212へ移行する。
【0099】
ステップS212およびステップS213は、上述した
図4のステップS109およびステップS110それぞれに対応する。
【0100】
ステップS214において、設定部171は、カプセル型内視鏡10を撮像部102の撮像方向に対して反対方向へ移動させる移動量を設定する。ステップS214の後、制御部17aは、ステップS209へ移行する。
【0101】
ステップS215は、上述した
図4のステップS112に対応する。
【0102】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、磁界制御部174がカプセル型内視鏡10から被検体2の壁面2aまでの距離を設定された距離で一定に維持しながらカプセル型内視鏡10を移動させるとともに、被検体2の壁面2aに対する観察角度の設定も一定に保てるため、鳥瞰図の体内画像を取得することができる。
【0103】
また、本発明の実施の形態2によれば、被検体2内における隆起性病変等の凹凸の度合を容易に把握することができるので、被検体2に対する観察性能を向上させることができる。
【0104】
(実施の形態2の変形例1)
次に、本発明の実施の形態2に係る変形例1について説明する。本実施の形態2の変形例1は、上述した実施の形態2に係るカプセル型内視鏡システム1aと同様の構成を有し、カプセル型内視鏡10の撮像方向とカプセル型内視鏡10が撮像する撮像面とがなす角度の設定方法が異なる。このため、以下においては、本実施の形態2の変形例1に係るカプセル型内視鏡10の撮像方向とカプセル型内視鏡10が撮像する撮像面とがなす角度の設定方法について説明する。なお、上述した実施の形態2に係るカプセル型内視鏡システム1aと同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0105】
角度設定部176は、ジョイスティック162に操作入力が入力された時のカプセル型内視鏡10の画像に基づいて、カプセル型内視鏡10の撮像方向とカプセル型内視鏡10が撮像する撮像面とがなす角度を基準角度として設定する。なお、本実施の形態2の変形例1においては、姿勢設定部165は構成上不要となる。
【0106】
以上説明した本発明の実施の形態2の変形例1によれば、カプセル型内視鏡10の撮像方向とカプセル型内視鏡10が撮像する撮像面とのなす角度を適切な角度に誘導した後に、その状態を維持したまま管腔壁面に沿ってカプセル型内視鏡10を誘導できるため、高い操作性を実現できる。
【0107】
なお、本発明の実施の形態2の変形例1では、姿勢設定部165の替わりにカプセル型内視鏡10の撮像方向とカプセル型内視鏡10が撮像する撮像面とのなす角度を規定の範囲内にコントロールするか否かを選択するトグルスイッチ(図示しない)を備え、トグルスイッチが切り替えられるタイミング(角度の規定の範囲内でのコントロールを開始するタイミング)でのカプセル型内視鏡10の撮像方向とカプセル型内視鏡10が撮像する撮像面とのなす角度を基準角度として設定するようにしてもよい。これにより、同じ入力装置(ジョイスティック162)でカプセル型内視鏡10の撮像方向とカプセル型内視鏡10が撮像する撮像面とのなす角度を規定の範囲内にコントロールするモードとしないモードに対応することができ、操作性が向上する。
【0108】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本発明の実施の形態3に係るカプセル型内視鏡システムは、上述した実施の形態2に係るカプセル型内視鏡システム1aと同一の構成を有し、実行する処理のみが異なる。このため、以下においては、本実施の形態3に係るカプセル型内視鏡システムが実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1に係るカプセル型内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0109】
〔カプセル型内視鏡システムの処理〕
図14は、本発明の実施の形態3に係るカプセル型内視鏡システム1aが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0110】
図14に示すように、まず、設定部171は、距離入力部163から入力された指示信号に基づいて、カプセル型内視鏡10から被検体2の管腔壁面までの基準距離d0を設定する(ステップS301)。
【0111】
ステップS302〜ステップS305は、上述した
図4のステップS102、ステップS104〜ステップS106にそれぞれ対応する。
【0112】
ステップS306において、判定部173は、検出部172によって算出された距離dが設定部171によって設定された基準距離d0より大きいか否かを判定する(d0<d)。判定部173が検出部172によって算出された距離dが設定部171によって設定された基準距離d0より大きいと判定した場合(ステップS306:Yes)、制御部17aは、後述するステップS307へ移行する。これに対して、判定部173が検出部172によって算出された距離dが設定部171によって設定された基準距離d0より大きくないと判定した場合(ステップS306:No)、制御部17aは、後述するステップS309へ移行する。
【0113】
ステップS307において、磁界制御部174は、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号に応じて、カプセル型内視鏡10が移動するように磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する。具体的には、
図15Aおよび
図15Bに示すように、磁界制御部174は、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号に応じて、カプセル型内視鏡10が矢印(a)方向に向けて移動するように磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する。ステップS307の後、制御部17aは、後述するステップS308へ移行する。
【0114】
ステップS309において、磁界制御部174は、検出部172によって算出された距離dが設定部171によって設定された基準距離d0より小さい(d<d0)ので、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号に応じて、カプセル型内視鏡10の姿勢を矢印(b)の操作入力方向に変更するように磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する。具体的には、
図15Bおよび
図15Cに示すように、磁界制御部174は、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号に応じて、カプセル型内視鏡10の姿勢を操作入力方向に変更するように磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する。これにより、カプセル型内視鏡10と被検体2の壁面2aとの距離に応じて、ジョイスティック162に対する垂直な方向の操作入力に対してカプセル型内視鏡10を移動させる自由度を自動的に切り替えることができる。ステップS309の後、制御部17aは、後述するステップS308へ移行する。
【0115】
続いて、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号の操作入力が継続されている場合(ステップS308:Yes)、制御部17aは、ステップS303へ戻り、上述したステップS303〜ステップS308の処理を繰り返す。この場合、
図15C〜
図15Eに示すように、検出部172によって算出された距離dが設定部171によって設定された基準距離d0以上の場合(d≧d0)、磁界制御部174は、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号に応じて、カプセル型内視鏡10が矢印(c)方向および矢印(d)方向に移動するように磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する。その後、
図15Eおよび
図15Fに示すように、検出部172によって算出された距離dが設定部171によって設定された基準距離d0より小さくなった場合(d<d0)、磁界制御部174は、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号に応じて、カプセル型内視鏡10の姿勢を矢印(e)方向の操作入力方向に変更するように磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する。そして、
図15Fおよび
図15Gに示すように、検出部172によって算出された距離dが設定部171によって設定された基準距離d0以上になった場合(d≧d0)、磁界制御部174は、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号に応じて、カプセル型内視鏡10が矢印(f)方向に移動するように磁界発生部12が発生する誘導磁界を制御する。
【0116】
ステップS308において、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号の操作入力が継続されていない場合(ステップS308:No)、制御部17aは、後述するステップS310へ移行する。
【0117】
ステップS310は、上述した
図4のステップS112に対応する。
【0118】
以上説明した本発明の実施の形態3によれば、磁界制御部174が検出部172によって算出された距離dが設定部171によって設定された基準距離d0より小さい場合(d<d0)、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号に応じて、カプセル型内視鏡10の姿勢を操作入力方向に変更する一方、検出部172によって算出された距離dが設定部171によって設定された基準距離d0以上の場合(d≧d0)、ジョイスティック162からカプセル型内視鏡10の移動を指示する指示信号に応じて、カプセル型内視鏡10の位置を操作入力方向に移動させる。この結果、カプセル型内視鏡10と被検体2の壁面2aとの距離に応じて、ジョイスティック162のカプセル型内視鏡10の位置変更と姿勢変更の自由度を切り替えることができる。
【0119】
また、本発明の実施の形態3によれば、ユーザが表示部18に表示される体内画像を見ながらジョイスティック162を操作して、カプセル型内視鏡10の位置を移動させる場合、カプセル型内視鏡10を垂直な方向へ移動させ続けた場合であっても、被検体2の壁面2aに近づきすぎる前にカプセル型内視鏡10の姿勢を変化させるので、被検体2の壁面2aの接触を回避させることができる。この結果、被検体2の観察をスムーズに継続することができる。
【0120】
なお、本発明の実施の形態3では、磁界制御部174が検出部172によって検出された距離と設定部171によって設定された基準距離との比率に基づいて、入力部16aから入力される指示信号に対応するカプセル型内視鏡10の撮像方向と直交する垂直な方向へカプセル型内視鏡10を移動させる割合と、被写体に対するカプセル型内視鏡10の姿勢を変化させる割合とをそれぞれ変化させてもよい。この場合、磁界制御部174が検出部172によって検出された距離が小さくなるにつれてカプセル型内視鏡10の姿勢を変化させる割合を大きくする。この結果、カプセル型内視鏡10と被検体2の壁面2aとの距離に応じて、ジョイスティック162のカプセル型内視鏡10の位置変更と姿勢変更の自由度を切り替えることができるとともに、被検体2の壁面2aとの接触を回避しながら被検体2の観察をスムーズに行うことができる。
【0121】
(その他の実施の形態)
なお、本発明の実施の形態では、カプセル型内視鏡10の撮像素子116が生成した画像データに基づいて、カプセル型内視鏡10の周辺における空間的な関係として被検体2からカプセル型内視鏡10までの距離や被検体2とカプセル型内視鏡10とがなす角度を検出部172および角度検出部177が検出していたが、例えばカプセル型内視鏡10の制御部107が撮像素子116によって生成された画像データに基づいて、距離または角度を算出するようにしてもよい。さらに、カプセル型内視鏡10に超音波によって距離を検出する検出部を設け、この検出部が検出結果を画像データに重畳して外部へ送信させるようにしてもよい。
【0122】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本発明を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0123】
また、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、発明の要旨を逸脱しない範囲内で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、上述した実施の形態に記載した全構成要素から本発明の主旨を逸脱しない範囲で、いくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、各実施の形態で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0124】
また、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語とともに記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
カプセル型内視鏡に対する誘導操作の操作性を向上させることができるカプセル型内視鏡システムおよび磁界発生装置を提供する。カプセル型内視鏡システム1は、カプセル型内視鏡10と、カプセル型内視鏡10を磁気誘導する磁界発生部12と、カプセル型内視鏡10の移動または姿勢の少なくとも一方を変更する指示の入力を受け付ける入力部16と、被写体とカプセル型内視鏡10における周囲との空間的な関係を検出する検出部172と、検出部172が検出した検出結果と入力部16が受け付けた指示に基づいて、空間的な関係を維持させながらカプセル型内視鏡10を誘導するように磁界発生部12の誘導磁界を制御する磁界制御部174と、を備える。