(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プレス手段がワークに対してプレス圧を印加した後において、前記上金型は、前記右金型及び前記左金型の少なくともいずれか一方がワークから離間するよりも早いタイミングでワークから離間するように構成されている請求項1または2に記載のワーク加工装置。
前記プレス手段における下金型、右金型、左金型及び上金型の少なくともいずれか一つには、ワークに対するプレス圧印加時に、ワークの所定位置に識別マークを刻印する刻印部が形成されている請求項1から4のいずれかに記載のワーク加工装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態にかかるワーク加工装置について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るワーク加工装置1の構成を示すブロック図である。本発明に係るワーク加工装置1は、ワークの加工を行う装置であって、プレス加工を行うプレス手段2と、プレス手段2にワークを供給するワーク供給手段3と、プレス手段2からワークを排出させるワーク排出手段4とを備えている。
【0018】
ここで、本発明に係るワーク加工装置1により加工されるワークとしては、種々のものを採用することができる。例えば、合成樹脂材料から形成される部材や、金属材料から形成される部材、合成樹脂材料と金属材料を組み合わせた部材等、種々の材料から形成されるワークを例示することができる。また、ワークの形状に関しても特に限定されず、例えば、プレス加工後のワーク形状が、棒状或いは線材状の部材や角状、円柱状、中空円筒状等種々の形状を有するものであってよい。
【0019】
プレス手段2は、熱風加熱装置や赤外線加熱機などの予熱器によって予熱されたワークをプレス型(金型)の間に挟み込み、高い圧力でワークをプレス型の内面に押し付けることにより、プレス型と同じ形状にワークを成型する装置である。このプレス手段2は、
図2(a)(b)の概略構成正面図に示すように、ワークが載置される下金型21と、下金型21に載置されるワークを挟んだ左右方向両側にそれぞれ配置される右金型22及び左金型23と、下金型21の上方に配置される上金型24とを備えている。右金型22、左金型23及び上金型24は、下金型21に載置されるワークに対して、プレス圧を印加するプレス位置(
図2(b)の状態)と、ワークから離間し、プレス圧を印加しないプレス待機位置(
図2(a)の状態)との間でそれぞれ往復移動可能に構成されている。また、右金型22、左金型23及び上金型24が、プレス待機位置に配置されている状態においては、下金型21、上金型24、右金型22及び左金型23によってとり囲まれる領域Rが、所定の一方向に対して外部空間と連通するように構成されている。
図2においては、紙面に垂直な方向に対して、当該領域Rが連通するように構成されており、右金型22、左金型23及び上金型24が、プレス待機位置に配置されている状態において、下金型21、上金型24、右金型22及び左金型23によってとり囲まれる領域Rに向けてワークを供給し、下金型21上にワークをセットできるように構成されている。また、このプレス手段2がワークに対してプレス圧を印加した後においては、上金型24は、右金型22及び左金型23がワークから離間するよりも早いタイミングでワークから離間するように構成されている。具体的に説明すると、ワークに対してプレス圧を印加した後、
図3(a)に示すように、最初に上金型24をプレス待機位置に向けて上方に移動させることによりワークから離間させ、その後、
図3(b)に示すように、右金型22及び左金型23をそれぞれプレス待機位置に向けて移動させるように構成されている。ここで、右金型22及び左金型23を左右方向に移動させるための往復移動機構や、上金型24を上下方向に移動させる往復移動機構としては、種々の機構を利用することができる。例えば、電動モータの回転運動を偏心機構(クランク機構やエキセントリック機構等)を介して、直線運動(昇降運動)に変換して各金型を移動させる機構や、油圧ピストンの作用により各金型を移動させる機構などを利用することができる。
【0020】
ワーク供給手段3は、プレス手段2にワークを供給するための装置であり、
図4の概略構成図に示すように、供給用プッシャー部31を備えている。なお、
図4は、
図2(a)のA−A断面をワーク供給手段3、ワーク排出手段4及びワークを移送する移送装置5と共に示したものである。この供給用プッシャー部31は、棒状に形成される供給用プッシャー本体32と、この供給用プッシャー本体32の長手方向に沿って供給用プッシャー本体32を往復移動させる供給用プッシャー駆動部33とを備えている。供給用プッシャー本体32は、その長手方向が水平方向と平行となるようにして、支持体34を介して供給用プッシャー駆動部33に接続されている。また、供給用プッシャー部31は、供給用プッシャー本体32の往動完了時に、供給用プッシャー本体32の先端部32aが、下金型21、上金型24、右金型22及び左金型23によってとり囲まれる領域Rに進入可能となるように構成されている。このような構成のワーク供給手段3は、
図5(a)〜(c)に示すようにコンベア等の移送装置5により移送されてきた予熱後のワークZの端部を供給用プッシャー本体32の先端部32aが押圧することにより、コンベア5上から押し出し、下金型21、上金型24、右金型22及び左金型23により囲まれる領域Rに向けてワークZを供給する(
図5(a)の状態)。なお、移送装置5は、
図5(a)等の紙面に垂直な方向に移動しワークZを移送している。各金型により囲まれる領域Rに導かれたワークZは、供給用プッシャー本体32の更なる押圧により下金型21上をスライドして(
図5(b)の状態)、下金型21上の所定位置に載置される(
図5(c)の状態)。なお、ワーク供給手段3がワークZを各金型間に供給する際には、ワークZがスムーズに下金型21上をスライドできるように、上金型24、右金型22及び左金型23をプレス待機位置に配置しておく。ここで、右金型22及び左金型23の各対向面221,231が、下金型21上をスライドするワークZの案内面を兼ねるように、プレス待機位置を設定する。具体的には、下金型21上をスライドして供給されるワークとの間で僅かな隙間を形成するような位置をプレス待機位置として右金型22及び左金型23を配置している。
【0021】
ワーク排出手段4は、下金型21を挟んでワーク供給手段3の反対側に配置されており、プレス手段2によってプレス加工されたワークを各金型間から押し出して排出させる装置である。このワーク排出手段4は、上述のワーク供給手段3と同様な構成を有しており、具体的には、
図4の概略構成図に示すように、下金型21、上金型24、右金型22及び左金型23により囲まれる領域に進入可能な排出用プッシャー部41を備えている。この排出用プッシャー部41は、棒状に形成される排出用プッシャー本体42と、この排出用プッシャー本体42の長手方向に沿って排出用プッシャー本体42を往復移動させる排出用プッシャー駆動部43とを備えている。排出用プッシャー本体42は、その長手方向が水平方向と平行となるようにして、支持体44を介して排出用プッシャー駆動部43に接続されており、この排出用プッシャー駆動部43の作用により、下金型21、上金型24、右金型22及び左金型23により囲まれる領域Rに進入可能となるように構成されている。具体的には、
図6(a)〜(c)に示すように、ワークを下金型21から押し出す前の待機状態においては(
図6(a)の状態)、排出用プッシャー本体42の全体が、下金型21、上金型24、右金型22及び左金型23により囲まれる領域の外方に配置されるように構成されており、一方、ワークを押し出す動作状態においては、下金型21、上金型24、右金型22及び左金型23により囲まれる領域Rに、排出用プッシャー本体42が進入し(
図6(b)の状態)、押し出し完了時(排出用プッシャー駆動部43の往動完了時;
図6(c)の状態)において、排出用プッシャー本体42の先端部42aが、下金型21とワーク排出手段4との間に配設されるコンベア等の移送装置5の搬送面の上方に位置するように構成されている。このような構成により、このワーク排出手段4は、下金型21上に載置されるプレス加工後のワークの端部を排出用プッシャー本体42の先端部42aが押圧することにより、下金型21上をスライドさせながらワークZを押し出して排出し、供給用プッシャー部31と下金型21との間に配置されるコンベア5上にワークZを導くことができる。なお、ワーク排出手段4がワークZを各金型間から排出させる際には、ワークZがスムーズに下金型21上をスライドできるように、上金型24、右金型22及び左金型23をプレス待機位置に配置しておく。また、右金型22及び左金型23の各対向面が、下金型21上をスライドするワークZの案内面を兼ねるように、下金型21上をスライドして供給されるワークZとの間で僅かな隙間を形成するような位置をプレス待機位置として右金型22及び左金型23を配置する。
【0022】
ここで、上述のワーク供給手段3が、ワーク排出手段4の機能を兼ねるように構成する場合には、上述のワーク排出手段4を省略して本ワーク加工装置1を構成してもよい。ワーク供給手段3が、ワーク排出手段4の機能を兼ねるように構成するには、ワーク供給手段3の供給用プッシャー駆動部33の往復移動ストローク長等を変更し、供給用プッシャー本体32の先端部が、供給用プッシャー駆動部33の往動完了時に、下金型21、上金型24、右金型22及び左金型23により囲まれる領域の外方側につき出るように構成すればよい。このように、ワーク供給手段3が、ワーク排出手段4の機能を兼ねるように構成する場合には、例えば、下金型21を挟んだワーク供給手段3の反対側に、ワーク移送用のベルトコンベア等の移送装置を配置し、ワーク供給手段3によって排出されたワークZを受け取ることができるように構成する。
【0023】
このような構成のワーク加工装置1は、ワーク供給手段3の作用により、下金型21、上金型24、右金型22及び左金型23により囲まれる領域Rに向けてワークZを供給すると共に、ワークZを下金型21上をスライドさせて下金型21の所定位置に載置するように構成しているため、極めてスムーズにワークZをプレス加工を行うための所定位置に配置することが可能となり、効率よくプレス加工を施すことができる。また、上記実施形態においては、下金型21上からワークZを排出するワーク排出手段4を備えているため、各金型によってプレス加工されたワークZを効率よく外部に排出することができ、プレス加工の作業性を向上させることが可能となる。
【0024】
また、上記実施形態においては、右金型22、左金型23及び上金型24がプレス待機位置に配置された状態において、右金型22及び左金型23の各対向面221,231が、下金型21上をスライドするワークZの案内面を兼ねるように、右金型22及び左金型23のプレス待機位置が設定されているため、ワークZを下金型21上をスライドさせて各金型間に供給する際に、ワークZの側面が右金型22及び左金型23の各対向面221,231がワークZの移動を規制することとなり、ワークZを下金型21の所定位置に確実にセットすることが可能となる。また、ワーク排出手段4の排出用プッシャー部41(ワーク供給手段3がワーク排出手段4の機能を兼ねる場合には、ワーク供給手段3の供給用プッシャー部31)が、下金型21に載置されるプレス加工後のワークZを押圧し、下金型21上をスライドさせて下金型21からワークを排出する場合も同様に、ワークZの側面が右金型22及び左金型23の各対向面221,231にガイドされることとなり、スムーズにワークZを外部に排出させることが可能となる。
【0025】
また、上記実施形態においては、プレス手段2がワークに対してプレス圧を印加した後において、上金型24は、右金型22及び左金型23がワークZから離間するよりも早いタイミングでワークZから離間するように構成されているため、右金型22及び左金型23がワークZを挟持している状態(右金型22及び左金型23によるワークのプレス状態)を維持したまま、上金型24をワークZから離間させることができるため、上金型24の上方向への移動に伴ってワークZが上方向に移動すること(上金型24に付着した状態でワークが移動すること)を効果的に抑制することができる。上金型24に付着した状態でワークZが移動してしまうと、上金型24からの落下によってワークZに傷が発生する恐れや、下金型21外に飛び出してしまう恐れがあるが、上述のように構成することにより、プレス加工後のワークZを下金型21上に確実に残すことが可能となり、ワークZに傷が発生することを効果的に抑制することができる。また、ワークZを確実に下金型21上に残すことができる結果、ワーク排出手段4の排出用プッシャー部41(ワーク供給手段3がワーク排出手段4の機能を兼ねる場合には、ワーク供給手段3の供給用プッシャー部31)が、下金型21上に載置されるプレス加工後のワークZを確実に押圧することが可能となり、下金型21上をスライドさせて下金型21からワークZを確実に排出することが可能となり、効率良くプレス加工を行うことができる。
【0026】
以上、本発明に係るワーク加工装置1について説明したが、具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態においては、プレス手段2、ワーク供給手段3及びワーク排出手段4の組み合わせが単一である構成について説明しているが、プレス手段2、ワーク供給手段3及びワーク排出手段4の組み合わせを複数備えるようにワーク加工装置1を構成し、同時に複数のワークZに対してプレス加工を行うことができるように構成してもよい。
【0027】
また、上記実施形態においては、右金型22及び左金型23の両方が、それぞれ、下金型21に載置されるワークZに対して、プレス圧を印加するプレス位置と、プレス圧を印加しないプレス待機位置との間で往復移動可能に構成されているが、右金型22及び左金型23の少なくともいずれか一方が、下金型21に載置されるワークZに対して、プレス圧を印加するプレス位置と、プレス圧を印加しないプレス待機位置との間で往復移動可能に構成してもよい。
【0028】
また、上記実施形態においては、
図4に示すように、ワーク供給手段3及びワーク排出手段4が、下金型21を挟んだ両側にそれぞれ配置するように構成されているが、このような構成に特に限定されない。例えば、
図7(a)に示す概略構成平面図に示すように、ワーク排出手段4を、移送装置5によるワークの搬送方向に沿う方向にワーク供給手段3と隣接するように配置してもよい。また、このような構成を採用する場合、下金型21を挟んだワーク供給手段3及びワーク排出手段4の反対側に、下金型21から排出されたワークを受け取って移送するためのベルトコンベア等の移送装置5Aを配置する。また、ワーク供給手段3による下金型21へのワークZの供給、及び、ワーク排出手段4による下金型21からのワークZの排出を行うために、例えば、
図7(b)の概略構成平面図における矢印Tで示すように、下金型21が、ワーク供給手段3によってワークが供給される位置と、ワーク排出手段4によってワークが排出される位置との間で往復移動できるように構成する。このとき、下金型21のみを往復移動させただけでは、下金型21上のワークZと、下金型21に対して移送装置5によるワークの搬送方向下流側に配置される金型(左金型23;図示せず)とが干渉してしまうため、係る干渉を防止するために、右金型22、左金型23及び上金型24も下金型21との相対的な位置関係を維持したまま同期して往復移動できるように構成する。
【0029】
また、上記実施形態において、プレス加工後のワークの所定位置に識別マークを形成するマーキング手段6を備えるように構成してもよい。マーキング手段6は、プレス加工後のワークの所定位置に識別マークを形成する装置であり、
図8に示すように、インク供給手段61と、ワークZを保持するワーク保持手段62と、インクが貯留されるインク貯留槽63と、インク供給手段61を上下左右方向に移動可能な搬送手段64と、プレス手段2側から供給されるワークZが載置される可動式載置台65と、プレス加工されたワークZを可動式載置台65へと移動させるための第1ワーク移動手段66と、識別マークが付されたワークZを載置台651上から取り出して後工程へと導くための第2ワーク移動手段67とを備えている。
【0030】
インク供給手段61は、
図9(c)に示すように、ワークZに印字可能なインクを液滴状のインク玉Sに形成するための装置であり、
図10に示すように、インク保持体611、当該インク保持体611が先端部に設置される中空支持体612、及び、ピストン体613により構成される加減圧手段を備えている。インク保持体611は、
図9(a)や
図10に示すように、両端間を連通する内部通路614を備えている。内部通路614の各端部は、インク保持体611の両端においてそれぞれ開口している。この内部通路614が、インクを保持する機能を発揮する。また、インク保持体611の内部通路614と中空支持体612の中空部とが連通するように、インク保持体611の他方端が、中空支持体612に固定されている。
【0031】
加減圧手段は、インク保持体611の内部通路614内を加減圧可能な手段であり、本実施形態においてはピストン体613を加減圧手段として使用している。このピストン体613の外周面は、インク保持体611における内部通路614の内周面と摺接可能となるように構成されている。また、
図10に示すように、中空支持体612の中空部615及びインク保持体611の内部通路614内にピストン体613を最も押し込んだ状態(
図10(b)に示す状態)において、ピストン体613の先端が、インク保持体611の一方端611a(先端)と同一位置に配置されるように、あるいは、ピストン体613の先端が、インク保持体611の一方端611aから僅かに外部に突出するように、インク保持体611、中空支持体612及びピストン体613の長さを設定することが好ましい。インク保持体611、中空支持体612及びピストン体613の長さをこのように設定する場合、ピストン体613をインク保持体611に最も押し込むことにより、インク保持体611の内部通路614内に残留するインクの全量を吐出することが可能となる。このような構成により、つまり、インク保持体611の内部通路614内に残留するインクの全量を一旦吐出することができる構成を採用することにより、内部通路614内におけるインクが乾燥して内部通路614内に詰まりが発生することを確実に防止することが可能となる。ここで、インク保持体611、中空支持体612及びピストン体613は、ステンレス等の金属材料から形成されることが好ましいが、金属材料以外の材料、例えば、テフロン(登録商標)等の合成樹脂材料から形成してもよい。
【0032】
また、ピストン体613の他端部617には、
図8に示すように、当該ピストン体613の往復動を可能にするピストン駆動装置618が接続されており、このピストン駆動装置618の作用により、ピストン体613をインク保持体611から引き抜く方向への移動、及び、ピストン体613の先端をインク保持体611の一方端611a側に押し込む方向への移動を可能にしている。なお、インクが貯留されるインク貯留槽63にインク保持体611の一方端611aを浸漬させた状態で、ピストン体613をインク保持体611から引き抜く方向に移動させることにより、インク保持体611の内部通路614内を負圧とし、インク保持体611の一方端611aを介してインクを内部通路614内に導き、内部通路614内にインクを供給することができる。また、インクが供給されたインク保持体611に対してピストン体613を僅かに押圧することにより、インク保持体611の内部通路614内が加圧され、インク保持体611の一方端611aに液滴状のインク玉を形成することができる(
図9(c)の状態)。
【0033】
ここで、
図8の構成においては、加減圧手段を、ピストン体613により構成しているが、例えば、中空支持体612の他端部に接続されるポンプ装置により加減圧手段を構成し、インク保持体611の内部通路614内を加減圧するようにしてもよい。このような構成であっても、ポンプ装置によって、中空支持体612の中空部615及びインク保持体611の内部通路614内の空気を吸引することにより、インク保持体611の一方端611aからインクを吸引することができ、また、中空支持体612の中空部615及びインク保持体611の内部通路614内に空気を供給することにより内部通路614内に供給されたインクをインク保持体611の一方端611aから吐出させ、当該一方端611aにインク玉Sを形成することができる。
【0034】
ワーク保持手段62は、所定位置に識別マークが形成されるワークZを保持するための装置であり、
図8に示すように、チャック621と、当該チャック621が配置されるチャック保持体622と、チャック保持体622が固定される回転軸623と、回転軸623を回転自在に支持する支持台(図示せず)とを備えている。回転軸623には図示しない駆動手段が接続しており、この駆動手段の作用により、回転軸623が回転し、この回転に伴い、チャック保持体622及び当該チャック保持体622に配置されるチャック621が回転する。チャック621は、チャック保持体622に対して進退可能に構成されている。また、チャック621は、その先端でワークZを挟持して保持状態を維持すると共に、保持状態を解除して(挟持状態を解除して)チャック621先端からワークZを離脱できるように構成されている。
【0035】
インク貯留槽63は、内部にインクを貯留する容器本体631と、容器本体631の上部開口を閉塞する蓋体632とを備えている。蓋体632の略中央部には、インク供給手段61におけるインク保持体611を容器本体631内に挿入して容器本体631内のインクに浸漬させるための貫通孔633が設けられている。この貫通孔633の蓋体表面側端部の周囲には、ストッパー部材634が配置されている。このストッパー部材634は、インク供給手段61における中空支持体612の先端部周縁619が当接できるように構成されている。
【0036】
搬送手段64は、ワークZとインク供給手段61との相対位置を移動するための装置であり、
図8の構成においては、アーム641を介してインク供給手段61を支持し、当該インク供給手段61を移動させることにより、ワークZとインク供給手段61との相対位置を変更できるように構成している。なお、上述のピストン駆動装置618は、アーム641上に設置されている。この搬送手段64は、一方端611aを含むインク保持体611の先端部611bにおける外周部611cが、識別マークを形成しようとするワークZの所定位置に沿うように、インク保持体611の一方端611aを下方に向けた状態を維持しつつ、インク供給手段61をワークZ側に移動させるように構成している(
図9(b)の状態)。また、インク供給手段61を移動させる際には、インク保持体611の先端部611bにおける外周部611cが、ワークZの表面(識別マークを付与しようとするワークZの所定位置)に当接するように構成されている。また、搬送手段64は、インク供給手段61をインク貯留槽63側に移動させて、インク貯留槽63の蓋体632に形成される貫通孔633を介して、インク保持体611を容器本体631内に挿入し、容器本体631内に貯留されるインク内にインク保持体611の先端部を浸漬させる動きが可能となるように構成されている。つまり、搬送手段64は、
図11に示すようにインク貯留槽63内にインク保持体611が浸漬されるインク供給手段61をインク貯留槽63から引き抜いてワークZ側へと移動する往動(
図11(a)(b)(c)の順の動き)と、インク供給手段61をワークZ側からインク貯留槽63側へと移動し、インク保持体611をインク貯留槽63内に挿入する復動(
図11(c)(b)(a)の順の動き)とを行えるように構成されている。なお、搬送手段64を駆動させていない状態においては(停止状態においては)、インク保持体611をインク貯留槽63内に挿入し、中空支持体612の先端部周縁619が、蓋体632に設けられるストッパー部材634と当接した状態となるようにすることが好ましい(
図11(a)の状態)。中空支持体612の先端部周縁619がストッパー部材634と当接することにより、インク貯留槽63が密閉された状態となるため、インクに含まれる溶剤が揮発して、インクが乾燥することを効果的に防止することができる。特に、インク貯留槽63の密閉性を向上させるという観点から、ストッパー部材634を弾性材料から形成することが好ましい。また、
図8や
図11の構成においては、ストッパー部材634は、蓋体632に形成される貫通孔633の上部に配置されているが、このような配置の他、例えば、インク供給手段61における中空支持体612の先端部周縁619に配置するように構成してもよい。
【0037】
可動式載置台65は、
図8に示すように、載置台651及び図示しない往復移動装置を備えている。載置台651は、その載置面上にワークZが載置される台であり、ワーク保持手段62の下方に配置されている。往復移動装置は、載置台651を第1の位置と第2の位置との間で往復移動させるための装置である。
【0038】
第1ワーク移動手段66は、プレス加工されたワークZを可動式載置台65の載置台651へ移動させるための装置である。この第1ワーク移動手段66としては、プレス加工されたワークZを載置台651上に移動させることができる構成のものであれば特に限定されず、種々のものを採用することができる。例えば、ワークZを挟持してプレス手段2側から載置台651へと移動させるロボットアームや、ワークZを押圧することによりスライドさせて載置台651上に導くスライド装置等を採用することができる。
【0039】
第2ワーク移動手段67は、識別マークが付されたワークZを後工程へと導くために、可動式載置台65における載置台651上からワークZを取り出す装置である。この第2ワーク移動手段67としては、可動式載置台65における載置台651上からワークZを取り出すことができる構成のものであれば特に限定されず、種々のものを採用することができる。例えば、第1ワーク移動手段66と同様に、ワークZを挟持して載置台651上から取り出すロボットアームや、ワークZを押圧することによりスライドさせて載置台651上から取り出すスライド装置等を採用することができる。
【0040】
ここで、マーキング手段6を構成するインク供給手段61、搬送手段64、ワーク保持手段62、可動式載置台65、第1ワーク移動手段66及び第2ワーク移動手段67は、それぞれ互いに同期して動作するように構成されている。つまり、プレス手段2によりプレス成型されたワークZが、第1ワーク移動手段66、可動式載置台65、ワーク保持手段62、可動式載置台65、第2ワーク移動手段67の順に一連の流れとして順次導かれつつ、所定のタイミングで識別マークが形成されるように構成されている。具体的に説明すると、
図12(a)〜(h)に示すように、載置台651を第1ワーク移動手段66側(
図12(a)の右側;第1の位置)に移動させた後、第1ワーク移動手段66によってプレス手段2から供給されるワークZaを載置台651の載置面上に移動させる(
図12(a)の状態)。次いで、可動式載置台65の往復移動装置を駆動させて載置台651を第2ワーク移動手段67側(第2の位置)に移動させる(
図12(b)の状態)。この状態において、ワーク保持手段62のチャック621がワークZaを挟持して持ち上げ(
図12(c)の状態)、当該チャック621が上方位置となるように回転軸623周りにチャック保持体622を回転させる(
図12(d)の状態)。チャック保持体622の回転完了後、搬送手段64を駆動して、インク保持体611の先端部がワークZaの識別マーク形成位置に沿うようにインク保持体611を移動させ、所定位置に識別マークを形成する(
図12においては、識別マーク形成過程を図示していない)。この識別マーク形成過程の途中段階において、再度、可動式載置台65の往復移動装置が駆動して載置台651を第1ワーク移動手段66側(第1の位置)に移動させる(
図12(d)の状態)。載置台651の移動が完了した段階で、識別マークが形成されたワークを挟持しているチャック621が下方位置となるように、チャック保持体622を再度回転させ、識別マークが形成されたワークZaに対するチャック621挟持状態を解除して、当該ワークZを載置台651上に戻すと共に、第1ワーク移動手段66が、プレス成型された他のワークZbを載置面上に移動させる(
図12(e)の状態)。そして、可動式載置台65の往復移動装置を駆動して載置台651を再度、第2ワーク移動手段67側(第2の位置)に移動させる(
図12(f)の状態)。載置台651の移動が完了したタイミングで、第2ワーク移動手段67が、識別マークが付されたワークZaを載置台651上から取り出すと共に、下方位置に配置されているチャック621が、プレス加工された他のワークZbを挟持して持ち上げる(
図12(f)(g)の状態)。その後、当該チャック621が上方位置となるように回転軸623周りにチャック保持体622を回転させ、識別マークをワーク表面に形成すると共に、可動式載置台65の載置台651を第1ワーク移動手段66側(第1の位置)に移動させる(
図12(h)の状態)。このような一連の動作を連続的に行うことによって、プレス手段2側からマーキング手段6側、後工程側へとワークZを順次導くことができるように、インク供給手段61、搬送手段64、ワーク保持手段62、可動式載置台65、第1ワーク移動手段66及び第2ワーク移動手段67は、その動作が制御されている。
【0041】
上記実施形態に係るワーク加工装置1が備えるマーキング手段6は、
図9(a)〜(d)に示すように、インクが供給されるインク保持体611の先端部611bにおける外周部611cが、識別マークを付与しようとするプレス成型後のワークZの所定位置Z1に沿うように、インク保持体611(或いはワークZ)を移動し、その後、インク保持体611の一方端611aにインク玉Sを形成するようにしている。これにより、形成されたインク玉Sにおけるインクが、
図9(d)やそのB−B断面図である
図13に示すように、ワークZの表面及びインク保持体611の先端部611bの外周部611cを伝って、ワークZに識別マークを形成しつつ上方に移動するため、インク保持体611の先端部611bの外周部611cの形状に沿った形の識別マーク(先端部611bの形状に即した形状の識別マーク)をワークZ表面に印字することが可能となる。具体的には、例えば、インク保持体611が直線状の形状(棒状の形状)を有している場合には、直線状の識別マークを形成することができ、或いは、インク保持体611が湾曲した形状を有する場合には、その湾曲形状に沿った形状の識別マークを形成することができる。
【0042】
また、本実施形態に係るワーク加工装置1によれば、インク保持体611の先端部611bにおける外周部611cがプレス成型されたワークZの所定位置Z1に沿うように、インク保持体611とワークZとの相対位置を移動させるという動きだけで、識別マークを形成することが可能であり、識別マークの形状となるようにインクを吐出する部材(インク保持体611に相当する部材)を移動させる必要が無く、マーキング時のインク保持体611(或いはワークZ)の移動に関する制御をシンプルなものに構成することができると共に、マーキングに要する時間を短縮することが可能となる。
【0043】
また、本実施形態に係るワーク加工装置1においては、マーキング手段6の搬送手段64が、インク保持体611の先端部611bにおける外周部611cが、プレス加工されたワークZの所定位置Z1(識別マークを付与しようとする位置)に当接するように、インク供給手段61とワークZとの相対位置を移動するように構成している。このような構成を採用することにより、インク保持体611の先端部611bにおける外周部611cとワークZとの間に導かれるインクを、インク保持体611の先端部611bに沿う方向に効率よく引き延ばすことが可能となるため、先端部611bの形状に即した識別マークを確実にかつ簡便に形成することが可能となる。
【0044】
ここで、インク保持体611の内部通路614内に供給されるインク量は、インク保持体611の一方端611aに形成されるインク玉Sのインク量の1.5倍〜2.5倍となるように設定することが好ましい。このようにインク保持体611の一方端611aに形成されるインク玉Sのインク量に対して、1.5倍〜2.5倍のインク量をインク保持体611の内部通路614内に供給するように設定することにより、インク保持体611の内部通路614内を加圧してインク玉Sを形成する際に、気泡噛み等が発生しても略同一形状・略同一インク量のインク玉Sを安定的に形成することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態に係るマーキング方法において使用されるインクとしては、ワークZに印字可能であれば種々のインクを採用することができる。インクは、一般的に、溶剤に所定の色を有する顔料を溶解或いは混合することにより形成されるが、溶剤としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、ベンゼン、HFIP(ヘキサフルオロ−2−プロパノール)等の揮発性溶剤を好適に使用することができる。このような溶剤を含むインクを採用した場合、
図14(a)(b)に示すように、インク保持体611の一方端611aにインク玉Sを垂下して形成した際に、形成されたインク玉Sが素早く持ち上がって、インク保持体611の先端部611bにおける外周部611c側に移動することとなる(
図14(b)の状態)。つまり、インク保持体611とワークZとの距離が近づくように両者の相対位置を移動し、インク玉Sを形成した場合に、効率よくかつ綺麗な識別マークをワークZ表面に形成することが可能となる。
【0046】
また、ワークZが合成樹脂材料から形成される場合には、インクが、当該ワークZを溶解可能な溶剤を含むことが好ましい。このような溶剤としては、例えば、ポリ乳酸や、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材料からワークZが形成される場合には、上述した揮発性溶剤を好適に使用することができる。このような場合、ワークZの所定位置Z1に識別マークを印字した際に、インクに含まれる溶剤の働きにより、インク付着部分であるワークZ表面が溶けてその表面粗さが大きくなる。表面粗さが大きくなったワークZ表面に付着・含浸したインク中の顔料は、摩擦等によっても消えにくくなるため、耐久性のある識別マークをワークZに形成することが可能となる。
【0047】
また、
図15の断面図に示すように、表面に凹凸が形成されているようなプレス加工後のワークZに対して、ワークZにおける凹部(溝部)Z2に沿った形状の識別マークを形成する場合、インク保持体611における先端部611bの外周部611cとワークZとの距離を近づけることにより、ワークZの凹部Z2の外表面とインク保持体611の外周部611cとの間で、隙間の狭い空間部Z3が形成されることとなるため、インク保持体611の一方端611aに形成されるインク玉Sが、素早く空間部Z3に吸い込まれることとなり、極めて迅速に且つ綺麗にワークZにおける凹部Z2に識別マークを形成することが可能となる。なお、
図15は、
図9(d)のB−B断面に相当する断面を示す断面図である。
【0048】
また、
図9に示すように、マーキング手段6は、インク保持体611の先端部611bにおける外周部611cがワークの所定位置Z1に沿うように、ワークとインク保持体611との相対位置を移動させた後、インク保持体611の一方端611aに垂下するようにインク玉Sを形成しているが、例えば、
図16に示すように、インク保持体611の一方端611aに垂下するようにインク玉Sを形成し、その後、インク保持体611の先端部611bにおける外周部611cがワークの所定位置Z1に沿うように、ワークとインク保持体611との相対位置を移動させるように構成してもよい。このような構成であっても、
図16(d)(e)に示すように、ワークとインク保持体611の先端部611bとの距離が近づくに従い、インク保持体611の一方端611aに形成されるインク玉Sが、インク保持体611の先端部611bにおける外周部611cとワークとの間に導かれつつ、インク保持体611の先端部611bの外周部611cに沿って流動することとなるため、インク保持体611の先端部611bの外周部611cの形状に沿った形の識別マーク(先端部611bの形状に即した形状の識別マーク)をワーク表面に印字することが可能となる。
【0049】
また、
図8における構成においては、マーキング手段6が、インク保持体611の一方端611aを下方に向けた状態を維持しつつ、インク保持体611とワークとの相対位置を移動させるように構成すると共に、一方端611aを下方に向けた状態を維持してインク玉Sを形成するように構成しているが、このような構成に特に限定されず、インク保持体611の一方端611aが向く方向を種々選択することが可能である。例えば、一方端611aを上方に向けた状態でインク保持体611とワークとの相対位置を移動して、この状態を維持しつつインク玉Sを形成するようにしてもよく、或いは、一方端611aが水平方向を向くようにしてインク保持体611とワークとの相対位置を移動し、この状態を維持しつつインク玉Sを形成するようにしてもよい。
【0050】
また、
図9に示すように、マーキング手段6のインク保持体611の先端部611bにおける外周部611cが、ワークZの表面(識別マークを付与しようとするワークZの所定位置Z1)に当接するように、ワークZとインク保持体611との相対位置を移動させるように構成しているが、このような構成に限定されない。例えば、インク保持体611の先端部611bにおける外周部611cとワークZとの間に僅かな隙間が形成される程度に、ワークZとインク保持体611との相対位置を移動させるように構成してもよい。このような構成であっても、インク保持体611の一方端611aに形成されるインク玉Sが、インク保持体611の先端部611bにおける外周部611cとワークZとの間に形成される隙間内に吸い込まれるようにして導かれ、ワーク表面に線状の識別マークを形成することができる。
【0051】
また、
図8に示す構成においては、インク供給手段は、インク保持体611の一方端611aからインクを吸引すると共に、ピストン体613による押圧作用により一方端611aにインク玉Sを形成するように構成しているが、このような構成の他、例えば、インク保持体611の他方端側から一方端611a側に向けて連続的にインクを供給可能なディスペンサ(液体定量吐出装置)によりインク供給手段を構成してもよい。
【0052】
また、上述のマーキング手段6を備える代わりに、プレス手段2における下金型21、右金型22、左金型23及び上金型24の少なくともいずれか一つに対して識別マーク刻印用の刻印部を形成し、ワークに対するプレス圧印加時に、プレス加工と同時にワークの所定位置に識別マークを刻印できるように構成してもよい。
【0053】
また、識別マークが付与されたワークZに対して所定の曲げ加工を施す曲げ加工手段を更に備えるようにしてワーク加工装置1を構成してもよい。曲げ加工手段としては、ワークZを曲げ加工用のプレス型の間に挟み込み、高い圧力でワークZをプレス型の内面に押し付けることにより、プレス型と同じ形状にワークZを湾曲させるプレス曲げ加工機を例示することができる。ワークZに対して曲げ加工を行う場合、ワークZに損傷を与えずに容易に曲げ加工を行うという観点から、予め、熱風加熱装置や赤外線加熱機などの予熱器によってワークZを予熱することが好ましい。このように、識別マークが付されたワークZに対して曲げ加工を行うように構成することにより、曲がった形状のワークに対して識別マークを形成する場合に比べて、識別マークが形成される位置を均一な状態とすることが可能となる。具体的に説明すると、曲げ加工が施されたワークZに対して識別マークを所定位置に形成する場合、湾曲・屈曲したワークZを常に一定の姿勢で支持することが困難であるため、識別マークの形成位置に誤差が生じやすくなる。これに対して、識別マークが形成されたワークZに曲げ加工を施す曲げ加工手段を備えるようにワーク加工装置1を構成する場合、支持し易い湾曲・屈曲前のワークZに対して識別マークを予め形成するため、曲げ加工後のワークZにおける識別マークの形成位置を安定させることが可能となる。
【0054】
また、同時に複数のワークに対して曲げ加工を行うために、複数のワークを並べて設置できるように曲げ加工用のプレス型を構成することが好ましい。
図17に、このようなプレス型を構成する曲げ加工用下金型71の一例を示す。この曲げ加工用下金型71には、所定の湾曲形状に形成される複数の型711(凹部)が並列に配置されるように形成されている。曲げ加工が施される各ワークは、各型711(各凹部)に設置される。また、曲げ加工用下金型71の上方に配置され、曲げ加工用下金型71に設置されるワークに対してプレス圧を印加する曲げ加工用上金型には、曲げ加工用下金型71における各型711に対応する型(凸部或いは凹部)が形成されている。
【0055】
また、
図17に示す曲げ加工用下金型71は、種類の異なるワーク(形状が異なるワーク)に対して曲げ加工ができるように構成されている。このように種類の異なるワークに対して曲げ加工を行うように加工用金型を構成する場合、同一の形状を有するワークが、互いに隣接して配置されないように各型711(各凹部)を構成する。
図17の構成においては、種類の異なる5種類のワークA,B,C,D,Eが、この順番で繰り返し配列させるように型711(凹部)が形成されている、このような構成を採用する場合、曲げ加工用上金型によるプレス圧が均等にワークに印加されることとなり、ワークに対する曲げ加工を確実にかつ効率良く行うことができる。また、種類の異なるワーク(例えば、ワークA〜E)を同時にセットせずに、任意の種類のワーク(例えばワークA)のみを複数セットして曲げ加工を行う場合、各ワークAが均等な距離を保ってプレス型に配置されることになるため、曲げ加工用上金型によるプレス圧が均等に全てのワークAに印加されることとなる。この結果、全てのワークAに対して均一な曲げ加工を行うことが可能となる。