(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6028228
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】表示装置と、それを搭載した移動装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20161107BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20161107BHJP
F16M 11/10 20060101ALI20161107BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
G09F9/00 351
G09F9/00 302
B60R11/02 C
F16M11/10 P
H04N5/64 521F
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-32876(P2013-32876)
(22)【出願日】2013年2月22日
(65)【公開番号】特開2014-164013(P2014-164013A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】高山 憲治
(72)【発明者】
【氏名】上山 知毅
【審査官】
南川 泰裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−143373(JP,A)
【文献】
特開昭51−075846(JP,A)
【文献】
特開2005−149462(JP,A)
【文献】
特開2007−238005(JP,A)
【文献】
特開2012−256891(JP,A)
【文献】
特開2007−281345(JP,A)
【文献】
特開2003−222121(JP,A)
【文献】
特開2012−126285(JP,A)
【文献】
実開昭61−138711(JP,U)
【文献】
実開平06−072286(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−9/46
B60R 11/00−11/06
F16M 11/10
H04N 5/64−5/655
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、この表示部の外周側、または背面側を覆ったカバーと、このカバーをシート構成体に取り付ける筒状、または棒状の取付シャフトとを備え、前記カバーを炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)にて形成するとともに、このカバーには、前記取付シャフトの一部を、このカバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には、一端がカバー内側、他端がカバー外側に位置する筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、前記取付シャフトの一部を、前記カバー内に挿入するとともに、前記筒状の軸受のカバー内側部分には、前記カバーの挿入口の外周方向に延長されたフランジを設け、このフランジのカバー側面と、前記カバーの内面との間にパッキンを設けた表示装置。
【請求項2】
前記フランジの外周端を、前記カバー内側に向けて折り曲げた請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記軸受の前記カバー外側部分の外周に雄ネジを設け、この雄ネジ部分に、ナットを螺合させた請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記パッキンは、前記フランジのカバー側面と、前記カバーの内面で圧縮した請求項1から3のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記取付シャフトを、金属製とし、この取付シャフトと前記カバーを電気的に導通させた請求項1から4のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記取付シャフトを、第1、第2の取付シャフトにより構成し、前記カバーの対向部分には、第1、第2の挿入孔を設け、前記第1の挿入孔には、前記第1の軸受を装着し、前記第2の挿入孔には、前記第2の軸受を装着し、前記第1、第2の取付シャフトの一端側を、それぞれ前記シート構成体への取付部とするとともに、前記第1の取付シャフトの他端側を前記第1の軸受の貫通孔を介して、前記カバー内に挿入し、前記第2の取付シャフトの他端側を前記第2の軸受の貫通孔を介して、前記カバー内に挿入し、このカバー内において、前記第1の取付シャフトの他端側と前記第2の取付シャフトの他端側を連結具で連
結した請求項1から5のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1、第2の取付シャフトと前記連結具を金属製とし、これらの第1、第2の取付シャフトと前記連結具の少なくとも一つを、前記カバーと電気的に導通させた請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記連結具の外周にはテンション部材を当接させ、このテンション部材は前記カバーに取り付けた請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一つに記載の表示装置を搭載した移動装置であって、前席は、金属製のシート構成体と、このシート構成体を覆ったカバー材とにより構成され、前記カバー材に設けた開口部から、このカバー材内に、前記表示装置の取付シャフトを挿入し、このカバー材内で、前記シート構成体と前記取付シャフトを連結した移動装置。
【請求項10】
前記前席の上部に開口部を設け、前記表示装置の表示部を、この前席の背面側に向けて取り付けた請求項9に記載の移動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車、航空機などの移動装置に搭載される表示装置と、それを搭載した移動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車や航空機などの移動装置においては、その前席の上部背面側に、後席者用の表示装置を埋め込んだものが見受けられるが、このように、前席の上部背面側に、後席者用の表示装置を埋め込むと、表示装置の向きを大きく変えることが出来ない。
【0003】
そこで考えられるのが、取付シャフトを用いて、前席の背面側に表示装置を露出した状態で取り付けることである。
【0004】
しかしながら、このように表示装置を露出した状態で取り付けると、露出した表示装置に、例えば、子供が悪戯で、ぶら下がったりする虞があるので、表示装置の強度を強くするために、表示部の外周や背面側を覆ったカバーを強固な金属ケースで作らなければならない。
【0005】
ところが、カバーを強固な金属ケースで構成すると、重量が重くなり、自動車や航空機などの移動装置においては、急停車時の安全性を考慮すると、好ましくないものとなる。
【0006】
そこで、考えられるのが、カバーを炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)にて形成することである(これに類似する先行文献としては、例えば下記特許文献1が存在する)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−149463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のごとく、カバーを炭素繊維強化プラスチックにて形成すると、強度が強く、しかも軽量なので、前席から露出した表示装置であっても、安全性の問題は発生しないものとなる。
【0009】
しかしながら、炭素繊維強化プラスチックは硬く、脆いものであるので、カバーと取付シャフトとの接触部においては、取付シャフトに傷をつけたり、あるいは炭素繊維強化プラスチックの一部が欠けたりすることになる。
【0010】
また、炭素繊維強化プラスチックは導電性があるので、この欠片がカバー内に侵入すると電子回路の短絡を発生させることにもなる。
【0011】
そこで、本発明は、カバーや取付シャフトの損傷を防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そしてこの目的を達成するために本開示の第1の局面は、表示部と、この表示部の外周側、または背面側を覆ったカバーと、このカバーをシート
構成体に取り付ける筒状、または棒状の取付シャフトとを備え、カバーを炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)にて形成するとともに、このカバーには、取付シャフトの一部を、このカバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には、一端がカバー内側、他端がカバー外側に位置する筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、取付シャフトの一部を、カバー内に挿入するとともに、筒状の軸受のカバー内側部分には、カバーの挿入口の外周方向に延長されたフランジを設け、このフランジのカバー側面と、カバーの内面との間にパッキンを設け、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本開示の第1の局面は
、表示部と、この表示部の外周側、または背面側を覆ったカバーと、このカバーをシート
構成体に取り付ける筒状、または棒状の取付シャフトとを備え、カバーを炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)にて形成するとともに、このカバーには、取付シャフトの一部を、このカバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には、一端がカバー内側、他端がカバー外側に位置する筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、取付シャフトの一部を、カバー内に挿入するとともに、筒状の軸受のカバー内側部分には、カバーの挿入口の外周方向に延長されたフランジを設け、このフランジのカバー側面と、カバーの内面との間にパッキンを設けたものであるので、カバーや取付シャフトの損傷を防止することができる。
【0014】
すなわち、本発明においては、カバーに、取付シャフトの一部を、このカバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には、一端がカバー内側、他端がカバー外側に位置する筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、取付シャフトの一部を、カバー内に挿入したものであるので、表示部の傾きを調整する、いわゆるチルト調整時でも、炭素繊維強化プラスチックにて形成したカバーの挿入孔と取付シャフトがこすれた状態となることは無く、その結果としてカバーや取付シャフトの損傷を防止することができるのである。
【0015】
また、本発明においては、筒状の軸受のカバー内側部分には、カバーの挿入口の外周方
向に延長されたフランジを設け、このフランジのカバー側面と、カバーの内面との間にパッキンを設けたものであるので、カバーの挿入口部分において、例えば、挿入口形成加工時などに加工粉が発生したとしても、それがカバー内に侵入し、電気的な問題を発生させることはなく、信頼性の高いものとなる。
【0016】
すなわち、カバーは炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)にて形成されたもので、導電性を有するので、その加工粉がカバー内に侵入すると電気的な問題を発生させることになるが、本発明では、筒状の軸受のカバー内側部分にカバーの挿入口の外周方向に延長されたフランジを設け、このフランジのカバー側面と、カバーの内面との間にパッキンを設けたものであるので、加工粉がカバー内に侵入するのをパッキン部分で阻止し、それによって上述した電気的な問題の発生を防止することが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる表示装置を搭載した自動車の室内の前席を示す斜視図
【
図12】同、表示装置の取付シャフト部分の分解斜視図
【
図13】同、表示装置の取付シャフト部分の縦断面図
【
図14】同、表示装置の取付シャフト部分の縦断面図
【
図16】同、表示装置の取付シャフト間部分の縦断面図
【
図17】同、表示装置の取付シャフト部分の縦断面図
【
図18】同、表示装置の取付シャフト部分の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1、
図2において、自動車の前席で、運転席や助手席がその一例である。
【0020】
前席1は、
図3、
図4にその一部が記載されている金属製のシート
構成体2と、このシート
構成体2を覆ったカバー材3、およびカバー材3上に設けたヘッドレスト4により構成されている。
【0021】
本実施形態で特徴的なのは、金属製のシート
構成体2を利用して、前席1の上部背面側に表示装置5を取り付けたことである。
【0022】
表示装置5は、
図5〜
図8から理解されるように、前席1の上部背面側から後方に向けて配置される表示部6と、この表示部6の外周側を覆ったカバー7と、この表示部6の背面側(前席1側)を覆ったカバー8と、このカバー8をシート
構成体2に取り付ける
図1
2に示す筒状(または棒状)の2本の取付シャフト9と、これら2本の取付シャフト9をカバー8で覆ったカバー10とを備えている。
【0023】
前記カバー7、8、10はいずれも、炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)にて形成したものである。
【0024】
このうち、カバー8の背面側(前席1側)には、
図10、
図11に示すように背面側に突出した突出部11が設けられ、またこの突出部11の対向部分には、取付シャフト9の一部である上端部分を挿入するための挿入孔12が設けられている。
【0025】
さらに、この挿入孔12には、
図12、
図14に示す筒状の軸受13が装着されている。
【0026】
そして、この軸受13の貫通孔を介して、前記2本の取付シャフト9の上端が、前記カバー8内に挿入されている。
【0027】
また、2本の取付シャフト9の上端は、
図12から理解されるように、前記カバー8内において、筒状の連結具14内に挿入され、その後、ピン15を取付シャフト9の貫通孔16と連結具14の貫通孔17に挿入することで、2本の取付シャフト9の上端は、連結具14によって連結されるようになっている。
【0028】
なお、このような組み立てを行う時には、カバー8からカバー7を取り外した状態で行うようにしている。
【0029】
一方、この2本の取付シャフト9の下端は、
図3、
図4から理解されるように、前記カバー材3に設けた開口部18から、このカバー材3内に挿入され、このカバー材3内で、シート
構成体2と取付ネジ19などを用いて固定されている。
【0030】
以上の構成とすれば、表示装置5は、
図1〜
図4のごとく、前席1の背面側において、この前席1を構成する金属製のシート
構成体2に、2本の取付シャフト9を介して強固に取り付けられることになる。
【0031】
そして、この状態では、その表示部6が後席側に向けられているので、後席側から表示部6を見ることができる。
【0032】
つまり、この表示装置5は、
図9に示すように制御部20に表示部6、メモリ21、電源部22、音声出力部23を接続した構成となっているので、例えばメモリ21に記録された映像や音声を後席側から視聴することができるようになっているのである。
【0033】
さて、このような視聴時において、表示部6の傾き調整、いわゆるチルト調整を行う時には、表示部6を持って簡単に行うことが出来る。
【0034】
つまり、本実施形態においては、2本の取付シャフト9の上端が軸受13の貫通孔に挿入された構造となっているので、表示部6のチルト調整は、軸受13の周りに簡単に行うことが出来るのである。
【0035】
また、この表示部6の回動に対する適度のテンションをかけるために、本実施形態では、
図16から理解されるように、連結具14の外周に、弾性部材よりなるC字状のテンション部材24を当接させ、このテンション部材24の端部はカバー5の取り付け部25に挿入して取り付けている。
【0036】
なお、
図12のリング26は、テンション部材24が、連結具14の外周を左右に大きく移動するのを防止する移動防止リングで、それぞれ左右の軸受13に固定されている。
【0037】
また、これらの
図10、
図15、
図16から理解されるように、カバー8の突出部11下部には、各種配線を引き出すための開口部27が設けられている。
【0038】
なお、本実施形態における金属製のシート
構成体2は、自動車のアースとなっているので、これに固定した金属製の取付シャフト9、取付シャフト9に連結した金属製の連結具14、連結具14に当接させた金属製のテンション部材24を介してカバー8、7はアースされた状態となるので、カバー7、8内の電子部品に対するノイズによる影響を大幅に向上させることができる。
【0039】
つまり、炭素繊維強化プラスチックで形成したカバー7、8は導電性を有するものであるので、これを上述した経路でアース接続すれば、カバー7、8内の電子部品に対するノイズによる影響を大幅に向上させることができるのである。
【0040】
また、カバー7、8を炭素繊維強化プラスチックで形成すれば、強度が極めて高く、しかも軽量となるので、
図1、
図2に示したように前席1に上部背面側に取り付けても、違和感の少ないものとなる。
【0041】
さらに、強度が極めて高く、しかも軽量となるので、その分、表示部6を大きくすることも出来るようになる。
【0042】
なお、カバー10には、
図13に示すように、取付シャフト9の位置決めを行うためのリブ28が形成されているので、取付シャフト9の位置決めも適切に行える。
【0043】
次に、本実施形態における、他の特徴点について説明する。
【0044】
本実施形態においては、上述のごとく、また
図17、
図18に示すように、カバー8に、前記取付シャフト9の一部を、このカバー8内に挿入させる挿入孔12を設け、この挿入孔12には、一端がカバー8内側、他端がカバー8外側に位置する筒状の軸受13を装着し、この軸受13の貫通孔を介して、前記取付シャフト9の一部を、前記カバー8内に挿入したものであるので、表示部6の傾きを調整する、いわゆるチルト調整時でも、炭素繊維強化プラスチックにて形成したカバー8の挿入孔12と取付シャフト9がこすれた状態となることは無く、その結果としてカバー8や取付シャフト9の損傷を防止することができるのである。
【0045】
また、本実施形態においては、
図12、
図18に示すごとく、筒状の軸受13のカバー8内側部分に、カバー8の挿入口12の外周方向に延長されたフランジ13aを設け、このフランジ13aのカバー8側面と、カバー8の内面との間に環状のパッキン13bを設けたものであるので、カバー8の挿入口12部分において、例えば、
図17のごとく、挿入口12形成加工時にバリ8aが発生し、その後の組み立て作業時にバリ8aなどに加工粉が発生したとしても、それがカバー8内に侵入し、電気的な問題を発生させることはなく、信頼性の高いものとなる。
【0046】
すなわち、カバーは炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)にて形成されたもので、導電性を有するので、その加工粉がカバー8内に侵入すると電気的な問題を発生させることになる。しかし、本実施形態では、筒状の軸受13のカバー8内側部分には、カバー8の挿入口12の外周方向に延
長されたフランジ13aを設け、このフランジ13aのカバー8側面と、カバー8の内面との間にパッキン13bを設けたものであるので、加工粉がカバー8内に侵入するのをパッキン13b部分で阻止し、それによって上述した電気的な問題の発生を防止することが出来るのである。
【0047】
また、そのようにするためには、
図18のごとく、パッキン13bをフランジ13aのカバー8側面と、カバー8の内面との間で圧縮させた状態とすることが好ましい。
【0048】
また、そのようにパッキン13bをフランジ13aのカバー8側面と、カバー8の内面との間で圧縮させるために、軸受13のカバー外側部分の外周に雄ネジ(図示せず)を設け、この雄ネジ部分に、ナット13cを螺合させ、このナット13cを締め付けることで、パッキン13bを圧縮させる構成とした。
【0049】
さらに、パッキン13bの過度の圧縮を防ぐために、
図18にしめすごとく、フランジ13aの外周端を、カバー8内側に向けて折り曲げ、この折り曲げ部分がカバー8の内側に当接すれば、それ以上ナット13cを締め付けることが出来ない構成とした。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように本発明は、表示部と、この表示部の外周側、または背面側を覆ったカバーと、このカバーをシート
構成体に取り付ける筒状、または棒状の取付シャフトとを備え、カバーを炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced
Plastics)にて形成するとともに、このカバーには、取付シャフトの一部を、このカバー内に挿入させる挿入孔を設け、この挿入孔には、一端がカバー内側、他端がカバー外側に位置する筒状の軸受を装着し、この軸受の貫通孔を介して、取付シャフトの一部を、カバー内に挿入するとともに、筒状の軸受のカバー内側部分には、カバーの挿入口の外周方向に延長されたフランジを設け、このフランジのカバー側面と、前記カバーの内面との間にパッキンを設けたものであるので、カバーや取付シャフトの損傷を防止することができる。
【0051】
また、本発明においては、筒状の軸受のカバー内側部分には、カバーの挿入口の外周方向に延長されたフランジを設け、このフランジのカバー側面と、カバーの内面との間にパッキンを設けたものであるので、カバーの挿入口部分において、例えば、挿入口形成加工時などに加工粉が発生したとしても、それがカバー内に侵入し、電気的な問題を発生させることはなく、信頼性の高いものとなる。
【0052】
したがって、移動装置用の表示装置としての活用が期待されるものとなる。
【符号の説明】
【0053】
1 前席
2 シート
構成体
3 カバー材
4 ヘッドレストレイント
5 表示装置
6 表示部
7 カバー
8 カバー
8a バリ
9 取付シャフト
10 カバー
11 突出部
12 挿入孔
13 軸受
13a フランジ
13b パッキン
13c ナット
14 連結具
15 ピン
16 貫通孔
17 貫通孔
18 開口部
19 取付ネジ
20 制御部
21 メモリ
22 電源部
23 音声出力部
24 テンション部材
25 取り付け部
26 リング
27 開口部
28 リブ