特許6028236IP Force 特許公報全文掲載

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初期化遺伝子の導入のみでは人工多能性幹細胞を製造できない疾患に罹患した固体に由来する細胞から人工多能性幹細胞の誘導を促進する物質をスクリーニングする方法

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

進行性骨化性線維異形成症等の難病に対する薬剤の開発では、一般的な培養細胞株や遺伝子異常を有するトランスジェニック・マウス等を用いた薬剤のスクリーニング系により薬剤の選別及び効能試験が行われているのが現状である。しかしながら、これらの手法は試験操作を煩雑にし、薬剤の効能評価に多大な時間を要する等の問題がある。さらに、このような従来の薬剤スクリーニング系では、患者本人に由来する細胞を用いて薬効を評価していないことから、選別された薬剤が実際に有効な薬剤として機能するかどうかの懸念を排除できないという問題がある。 本発明の課題は、初期化遺伝子の導入のみでは人工多能性幹細胞を製造できない疾患に罹患した固体に由来する細胞から人工多能性幹細胞の誘導を促進する物質をスクリーニングする方法を提供することにある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者らは、課題を解決するため鋭意検討した結果、特に進行性骨化性線維異形成症の患者由来の線維芽細胞に初期化遺伝子である4因子(Oct4、Sox2、KLF4、及びcMyc)を導入して人工多能性幹細胞の誘導を行っても、人工多能性幹細胞はほとんど樹立できないことを見出したが、同時に、ALK2キナーゼの阻害剤として知られるLDN193189の存在下で人工多能性幹細胞を誘導すると、効率的に人工多・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
本発明によれば、従来の方法による初期化遺伝子の導入のみでは人工多能性幹細胞を製造できない疾患であっても、人工多能性幹細胞の誘導を促進する物質を効率的にスクリーニングすることができる。さらに、本発明によれば、初期化遺伝子の導入のみでは人工多能性幹細胞を製造できない疾患であっても、信頼性の高い薬剤候補を簡便かつ効率的に取得できる薬剤スクリーニング系として利用可能な物質のスクリーニング方法を提供することが可能となる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】FOP患者からのiPS細胞の形成を調べた結果を示す。(A)FOP患者及び健常者からのiPS細胞の形成効率(Efficiency (%))を示す。AP陽性とES様の形態(典型的(typical)な形態)によってiPSコロニーを判定した。(B)60mmシャーレにおけるiPS細胞コロニーのAP染色を示す。(C)iPS細胞のコロニーの形態を示す。目盛尺:200μm。(D)FOP及び対照における典型的(typical)な及び異常(atypical)なiPS細胞コロニーの数及び比率を示す。

【図2】ALK2キナーゼ阻害剤処理による、FOP線維芽細胞からのiPS細胞の生成と維持を調べた結果を示す図である。(A)ALK2キナーゼ阻害剤であるLDN−193189(LDN)及びドルソモルフィンの処理によるiPS細胞コロニー形成の改善効果を示す。AP陽性とES様の形態によってiPSコロニーを判定した。左と右のパネルはそれぞれ、患者F2と患者F4である。(B)LDNで治療した個々の患者から生成されたFOP由来のiPS細胞の位相差写真を示す。目盛尺:200μm。(C)センダイウイルス及びヒトESマーカーのRT−PCR解析の結果を示す。iPSのF1−1、F2−1及びF4−1はそれぞれ患者F1、F2及びF4に由来するiPS細胞株を示す。201B7:対照のヒトiPS細胞株。SeV(+):SeVを感染させた線維芽細胞。(D)多能性マーカーについてのFOP由来のiPS細胞株の免疫蛍光染色及びAP染色を示す。目盛尺:200μm。(E)LDNなしでのFOP由来のiPS細胞株の自発的な分化を調べた結果を示す。未分化(U)は典型的(typical)なiPSコロニーを示す。部分的分化(P)は部分的に分化したコロニーを示し、分化(D)は完全に分化したコロニーを示す(上段写真)。阻害剤を伴った又は伴わない(真ん中と下のパネル)FOP由来のiPS細胞株における3種のコロニーの数及び比率。目盛尺:200μm。(F)LDNを伴わずに培養したFOP由来のiPS細胞株における分化マーカーの免疫蛍光染色を示す。4種のiPS細胞株を染色し、iPS細胞株F2〜6から得た代表的なデータが示されている。目盛尺:200μm。(G)多能性及び分化に関連する遺伝子の発現に関する定量的RT−PCRの結果を示す。データはGAPDHに対して標準化し、LDNを伴わずに培養した201B7ヒトiPS細胞株に対する相対的な発現レベルとして表す。

【図3】FOPに由来する線維芽細胞からのiPS細胞の形成効率と、ALK2キナーゼ阻害の時期との関係を調べた結果を示す。(A)LDNによる処理の実験計画を示す。iPS細胞の誘導培養は、図示される期間、LDNによって処理される。(B)図3Aに示す期間、3種の濃度:0nM,30nM及び200nMのLDNで処理した60mmシャーレにおける患者F2(左)と健常者N1(右)に由来するiPS細胞コロニーのAP染色の結果を示す。d1−d7、d1−d30、及びd8−d30はそれぞれ、1日目〜7日目、1日目〜30日目及び8日目〜30日目のLDNの処理期間を示す。(C)各期間LDNで処理したiPS細胞コロニーの形成効率を示す。典型的(typical)なAP陽性コロニーを30日目で計数した。グラフ横軸において、「1」から「7」は、それぞれのLDN処理期間を表し、「1」は「d1-d30」を、「2」は「d1-d7」を、「3」は「d1-d30」を、「4」は「d8-d30」を、「5」は「d8-d14」を、「6」は「d15-d21」を、「7」は「d22-d30」を表す(図3Aを参照)。

【図4】ALK2キナーゼ阻害剤について調べた結果を示す。(A)正常なiPS細胞及びFOP由来のiPS細胞の全般的遺伝子発現パターンを調べた結果を示す。LDN−193189の存在下及び非存在下における、iPS細胞株N3−1、iPS細胞株F1−1及びF2−1、及びiPS細胞株F4−1についての全般的遺伝子発現パターンの散布図を示す。(B)LDN−193189及びドルソモルフィンの構造を示す。

【図5】ALK2遺伝子における突然変異及びFOP−iPS細胞のALK2活性の阻害を調べた結果を示す。(A)FOP由来のiPS細胞株のALK2遺伝子におけるゲノム塩基配列を決定した結果を示す。617G>A(R206H)及び1067G>A(G356D)の突然変異を矢印で示した。(B)ドルソモルフィン(DM)で処理したFOP由来のiPS細胞の位相差像を示す。左のパネル:患者F2に由来するiPS細胞;右のパネル:患者F4に由来するiPS細胞。目盛尺:200μm。(C)FOP由来のiPS細胞株における3種のコロニーの数及び比率を示す。iPS F2−1及びiPS F4−2の細胞をDMと共に、又はDMを伴わずに培養した。未分化(U)、部分分化(P)及び完全分化(D)のコロニーは図2Eで記載したように定義する。目盛尺:200μm。(D)LDN−193189(LDN)で処理した又は処理しない正常対照(201B7)及びFOP由来のiPS細胞(F2−1及びF4−1)におけるリン酸化Smad1/5/8の免疫ブロット解析の結果を示す。BMP−4で処理したiPSのF2−1、F4−1及び201B7におけるSmad1/5/8のリン酸化の相対的レベルは、201B7細胞のみよりは高く、Smad1/5/8のそのようなリン酸化はLDNによる処理によって阻害される。10ng/mLのBMP−4で処理した又は処理しない201B7iPS細胞をそれぞれ、Smad1/5/8リン酸化の陰性対照及び陽性対照として用いた。(E)FOP由来のiPS細胞におけるSmad1/5/8のリン酸化に対するDMの効果を調べた結果を示す。FOP由来のiPS細胞(F2−1及びF4−2)におけるSmad1/5/8のリン酸化は、LDNによるもののようにDMによる処理によって双方とも阻害される。リン酸化されたSmad1/5/8の相対的レベルは総Smad1に対して標準化されている。

【図6】FOP−iPS細胞についての遺伝子発現を解析した結果を示す。(A)LDNの非存在下でiPS F2−1とF2−2の間で共通して2倍以上、上方又は下方調節される発現遺伝子に関するベン図を示す。54,675の遺伝子中、1,417の発現遺伝子が、F2のiPS細胞株間で共通して上方調節され、394の遺伝子が下方調節される。(B)LDNの非存在下で培養されたiPSのF1−1、F2(F2−1とF2−2)及びF4−1の間で2倍以上、共通して上方又は下方調節される遺伝子についてのベン図を示す。これらのiPS細胞株の遺伝子発現プロファイルを互いに比較すると、516の遺伝子の発現が共通して上方調節されることが示され、85の遺伝子の発現が下方調節されることが示された。

【図7】乳児型クラッベ病患者由来の線維芽細胞からiPS細胞を誘導した結果を示す。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

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