(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ネットワーク(20)を介して互いに通信可能に接続されたサーバ(30)と端末(50a,50b)とを備え、所定文書(12)の翻訳データ(31a)が前記端末(50a,50b)に報知される翻訳データ報知システム(10)であって、
前記サーバ(30)は、
前記所定文書(12)が1以上の言語によって翻訳された前記翻訳データ(31a)を格納する格納部(31)と、
前記翻訳データ(31a)を抽出する抽出部(35)と
を有し、
前記端末(50a,50b)は、
前記所定文書(12)を識別するための識別情報(14)を読み取り可能な読み取り部(52)と、
自端末を操作するユーザの目的及び嗜好を取得可能な嗜好情報取得部(54)と、
前記読み取り部(52)の読み取り結果に基づく前記翻訳データ(31a)の第1抽出処理または前記嗜好情報取得部(54)の取得結果に基づく前記翻訳データ(31a)の第2抽出処理の選択を受け付ける受付部(54)と、
前記受付部(54)が受け付けた前記第1抽出処理または前記第2抽出処理を、前記サーバ(30)の前記抽出部(35)に行わせる処理指示部(56)と、
前記サーバ(30)により抽出された前記翻訳データ(31a)を報知する報知部(54)と
を有し、
前記サーバ(30)は、前記翻訳データ報知後の前記端末(50a,50b)のユーザが辿った経路及び検索した情報を含むユーザに関する情報(32a)、を蓄積する蓄積部(32)を更に有する
ことを特徴とする翻訳データ報知システム。
ネットワーク(20)を介して互いに通信可能に接続されたサーバ(30)と端末(50a,50b)とを備え、所定文書(12)の翻訳データ(31a)が前記端末(50a,50b)に報知される翻訳データ報知システム(10)であって、
前記サーバ(30)は、
前記所定文書(12)が1以上の言語によって翻訳された前記翻訳データ(31a)それぞれを閲覧可能なウェブサイトのアドレスを示すサイトアドレス情報、を格納する格納部(31)と、
前記サイトアドレス情報を抽出する抽出部(35)と
を有し、
前記端末(50a,50b)は、
前記所定文書(12)を識別するための識別情報(14)を読み取り可能な読み取り部(52)と、
自端末を操作するユーザの目的及び嗜好を取得可能な嗜好情報取得部(54)と、
前記読み取り部(52)の読み取り結果に基づく前記サイトアドレス情報の第1抽出処理または前記嗜好情報取得部(54)の取得結果に基づく前記サイトアドレス情報の第2抽出処理の選択を受け付ける受付部(54)と、
前記受付部(54)が受け付けた前記第1抽出処理または前記第2抽出処理を、前記サーバ(30)の前記抽出部(35)に行わせる処理指示部(56)と、
前記サーバ(30)により抽出された前記サイトアドレス情報に対応するウェブサイトにアクセスして、前記翻訳データ(31a)を報知する報知部(54)と
を有し、
前記サーバ(30)は、前記翻訳データ報知後の前記端末(50a,50b)のユーザが辿った経路及び検索した情報を含むユーザに関する情報(32a)、を蓄積する蓄積部(32)を更に有する
ことを特徴とする翻訳データ報知システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、外国人旅行者は、市販の旅行ガイドブックや配布されているガイドマップ等を頼りに、訪れる目的地を決定する傾向にある。しかしながら、何らかの理由により目的地に辿り着けず、また辿り着いたとしても目的地が休業(閉園)している可能性がある。その場合、旅行者は、たとえ上記特許文献1の技術を利用できるとしても、旅行ガイドブックやガイドマップを利用して他の目的地を探す必要があり、不便である。
【0006】
また、旅行ガイドブック等には掲載されていないが、最近外国人旅行者が急増し外国人旅行者の間で人気が急上昇しているような場所等も、場合によっては存在する。ところが、文化の異なる国内の者にとっては、どのような場所に外国人旅行者が急増するかを予測したり、このような事態をなるべく早い段階で把握したりすることは、困難を極める。
【0007】
そこで、本発明は、旅行者が、自身の把握できる言語にて所定文書を把握することができるのみならず目的地の代替案等を容易に決定することができ、且つ、国内の者が外国人旅行者に関するトレンド等を把握できるになるためのシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、ネットワーク(20)を介して互いに通信可能に接続されたサーバ(30)と端末(50a,50b)とを備え、所定文書(12)の翻訳データ(31a)が前記端末(50a,50b)に報知される翻訳データ報知システム(10)である。前記サーバ(30)は、前記所定文書(12)が1以上の言語によって翻訳された前記翻訳データ(31a)を格納する格納部(31)と、前記翻訳データ(31a)を抽出する抽出部(35)とを有する。前記端末(50a,50b)は、前記所定文書(12)を識別するための識別情報(14)を読み取り可能な読み取り部(52)と、自端末を操作するユーザの目的及び嗜好を取得可能な嗜好情報取得部(54)と、前記読み取り部(52)の読み取り結果に基づく前記翻訳データ(31a)の第1抽出処理または前記嗜好情報取得部(54)の取得結果に基づく前記翻訳データ(31a)の第2抽出処理の選択を受け付ける受付部(54)と、前記受付部(54)が受け付けた前記第1抽出処理または前記第2抽出処理を、前記サーバ(30)の前記抽出部(35)に行わせる処理指示部(56)と、前記サーバ(30)により抽出された前記翻訳データ(31a)を報知する報知部(54)とを有する。前記サーバ(30)は、前記翻訳データ報知後の前記端末(50a,50b)のユーザが辿った経路及び検索した情報を含むユーザに関する情報(32a)、を蓄積する蓄積部(32)を更に有することを特徴とする。
【0009】
ここでは、先ず所定文書(12)が掲示されているとする。当該所定文書(12)の識別情報(14)を読み取る手段またはユーザ(U1,U2)の目的及び嗜好を取得する手段を介して、端末(50a,50b)には、ユーザ(U1,U2)が所望する言語に応じた所定文書(12)の翻訳データ(31a)が報知される。これにより、ユーザ(U1,U2)は、所定文書(12)自体が理解不能な言語で表示されていても、所定文書(12)に何が書かれているのかを理解することができる。
【0010】
更に、上述のように、翻訳データ(31a)を報知する手段は2通りあり、うち1つは、ユーザ(U1,U2)の目的及び嗜好を取得し、取得した情報を基に報知対象となる翻訳データ(31a)を抽出する手段である。それ故、例えばユーザ(U1,U2)が何らかの理由により急遽目的地を変更せざるを得ないような場合にも、新たな目的地に関する所定文書(12)の翻訳データ(31a)を、識別情報(14)の読み取りなく誘導して端末(50a,50b)に報知することができる。従って、目的地の代替案等を容易に決定することができる。
【0011】
特に、上記2つの手段のいずれかにより翻訳データ(31a)が報知された端末(50a,50b)のユーザ(U1,U2)が、その後辿った経路及び検索した情報等は、ユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)としてサーバ(30)に蓄積される。この情報(32a)から、所定文書(12)の内容を把握したユーザ(U1,U2)が、その後どのような場所に向かうことが多いか等の傾向を把握することができる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記端末(50a,50b)の前記受付部(54)は、前記報知部(54)に報知されるべき前記翻訳データ(31a)の言語の選択を更に受け付けることを特徴とする。
【0013】
ここでは、端末(50a,50b)に報知される翻訳データ(31a)の言語を、ユーザ(U1,U2)が自由に設定することができる。従って、ユーザ(U1,U2)は、好みの言語にて、所定文書(12)の内容を把握することができる。
【0014】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、前記サーバ(30)は、前記翻訳データ(31a)の言語毎に、前記ユーザに関する情報(32a)を集計する集計部(36)、を更に有し、前記端末(50a,50b)の前記報知部(54)は、前記集計部(36)による集計結果を更に報知することを特徴とする。
【0015】
これにより、端末(50a,50b)のユーザ(U1,U2)は、例えば自身と同じ言語を使用する他ユーザが、どのような場所を訪れているかや、何に興味を持っているかを、把握することができる。従って、端末(50a,50b)のユーザ(U1,U2)は、把握した場所を自身が訪れる候補地としたり、他ユーザが興味を持っているコンテンツを把握したりすることができる。
【0016】
第4の発明は、第1の発明から第3の発明のいずれか1つにおいて、前記端末(50a,50b)は、自端末の位置を検出する位置情報検出部(53)を更に有し、前記端末(50a,50b)の前記嗜好情報取得部(54)は、該端末(50a,50b)のユーザが任意の場所を目的地として入力した情報を取得し、前記端末(50a,50b)の前記報知部(54)は、自端末の位置から前記目的地までのルートに関する情報(84b)を更に報知することを特徴とする。
【0017】
自端末の位置から目的地までのルートに関する情報(84b)としては、自端末の位置から目的地までの経路、距離、所要時間等が挙げられる。このような情報が端末(50a,50b)に報知されることにより、ユーザ(U1,U2)は、目的地まで辿り着くための手段を把握することができ、また場合によっては目的地を変更することができる。
【0018】
第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれか1つにおいて、前記所定文書(12)は、任意の場所に掲載された文書であって、前記端末(50a,50b)の前記読み取り部(52)は、前記任意の場所付近に表示された前記識別情報(14)を拡大して読み取ることを特徴とする。
【0019】
例えば、ユーザ(U1,U2)が所定文書(12)の掲載場所付近に居るものの、掲載場所付近に表示された識別情報(14)のサイズが比較的小さく読み取りがしづらい場合、端末(50a,50b)は、識別情報(14)を拡大して読み取ることができる。従って、ユーザ(U1,U2)が識別情報(14)にあえて接近せずとも、端末(50a,50b)は、識別情報(14)を問題なく読み取ることができる。
【0020】
第6の発明は、ネットワーク(20)を介して互いに通信可能に接続されたサーバ(30)と端末(50a,50b)とを備え、所定文書(12)の翻訳データ(31a)が前記端末(50a,50b)に報知される翻訳データ報知システム(10)である。前記サーバ(30)は、前記所定文書(12)が1以上の言語によって翻訳された前記翻訳データ(31a)それぞれを閲覧可能なウェブサイトのアドレスを示すサイトアドレス情報、を格納する格納部(31)と、前記サイトアドレス情報を抽出する抽出部(35)と、を有する。前記端末(50a,50b)は、前記所定文書(12)を識別するための識別情報(14)を読み取り可能な読み取り部(52)と、自端末を操作するユーザの目的及び嗜好を取得可能な嗜好情報取得部(54)と、前記読み取り部(52)の読み取り結果に基づく前記サイトアドレス情報の第1抽出処理または前記嗜好情報取得部(54)の取得結果に基づく前記サイトアドレス情報の第2抽出処理の選択を受け付ける受付部(54)と、前記受付部(54)が受け付けた前記第1抽出処理または前記第2抽出処理を、前記サーバ(30)の前記抽出部(35)に行わせる処理指示部(56)と、前記サーバ(30)により抽出された前記サイトアドレス情報に対応するウェブサイトにアクセスして、前記翻訳データ(31a)を報知する報知部(54)と、を有する。前記サーバ(30)は、前記翻訳データ報知後の前記端末(50a,50b)のユーザが辿った経路及び検索した情報を含むユーザに関する情報(32a)、を蓄積する蓄積部(32)を更に有することを特徴とする。
【0021】
ここでは、サーバ(30)の格納対象が、上記第1発明における翻訳データ(31a)そのものではなく、翻訳データ(31a)を閲覧可能なウェブサイトのサイトアドレス情報となっている。
【0022】
この構成により、所定文書(12)の識別情報(14)を読み取る手段またはユーザ(U1,U2)の目的及び嗜好を取得する手段のいずれかを介して、端末(50a,50b)には、ユーザ(U1,U2)が所望する言語に応じた所定文書(12)の翻訳データ(31a)がウェブサイトを通じて報知される。従って、ユーザ(U1,U2)は、所定文書(12)自体が理解不能な言語で表示されていても、所定文書(12)に何が書かれているのかを理解することができる。
【0023】
更に、翻訳データ(31a)を報知する手段が2通りあり、例えばユーザ(U1,U2)が何らかの理由により急遽目的地を変更せざるを得ないような場合にも、新たな目的地に関する所定文書(12)の翻訳データ(31a)を、識別情報(14)の読み取りなく誘導して端末(50a,50b)に報知することができる。従って、目的地の代替案等を容易に決定することができる。
【0024】
特に、上記2つの手段のいずれかにより翻訳データ(31a)が報知された端末(50a,50b)のユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)は、サーバ(30)に蓄積される。この情報(32a)から、所定文書(12)の内容を把握したユーザ(U1,U2)が、その後どのような場所に向かうことが多いか等の傾向を把握することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ユーザは、所定文書(12)自体が理解不能な言語で表示されていても、所定文書(12)に何が書かれているのかを理解することができ、目的地の代替案等を容易に決定することができる。更に、蓄積された情報から、所定文書(12)の内容を把握したユーザが、その後どのような場所に向かうことが多いか等の傾向を把握することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
≪第1実施形態≫
<翻訳データ報知システムの概要と全体構成>
図1では、一例として、外国人旅行者であるユーザ(U1,U2)が来日し、そのユーザ(U1,U2)が飲食店(r1)に訪れた場面を想定している。飲食店(r1)の正面には、所定文書(12)であるメニューを記載した看板(任意の場所に相当)が掲げられ、メニューは日本語で表記されている。メニューの看板には、所定文書(12)付近に、当該所定文書(12)を識別するための識別情報(14)が付されている。識別情報(14)は、QRコード(登録商標)やバーコード等の識別コードで構成されている。識別情報(14)に含まれる情報としては、所定文書(12)の認識コードの他、後述するサーバ(30)のアドレス等が挙げられる。
【0028】
本実施形態に係る翻訳データ報知システム(10)は、上記所定文書(12)の内容を、ユーザ(U1,U2)の所有するスマートフォン及びタブレット等の携帯端末(50a,50b)(端末に相当)を介して、ユーザ(U1,U2)の所望する言語にて提供するシステムである。例えば、ユーザ(U1,U2)が所望(使用)する言語が英語であれば、所定文書(12)の内容は、ユーザ(U1,U2)の携帯端末(50a,50b)に英語にて表示される。
【0029】
特に、翻訳データ報知システム(10)は、所定文書(12)の内容の提供にあたり、識別情報(14)の読み取りによって携帯端末(50a,50b)に提供するべき所定文書(12)の内容を特定する手段と、識別情報(14)の読み取りは行われないが、ユーザ(U1,U2)が目的や嗜好等を携帯端末(50a,50b)に入力することによって携帯端末(50a,50b)に提供するべき所定文書(12)の内容を特定する手段、との2通りのルートを有する。つまり、いずれのルートを介しても、最終的には、携帯端末(50a,50b)に表示するべき所定文書(12)が特定され、その内容がユーザ(U1,U2)の所望する言語にて携帯端末(50a,50b)に表示されるのである。
【0030】
更に、翻訳データ報知システム(10)は、所定文書(12)の内容が提供されたユーザ(U1,U2)のその後の行動等を、ユーザ(U1,U2)に関する情報としてサーバ(30)に蓄積していく。蓄積された情報は、言語の種類毎の集計等に利用される。集計結果は、例えば、どのような言語を使用しているユーザ(U1,U2)がどのような観光地を辿るかや、使用言語毎のユーザ(U1,U2)の嗜好の偏り等、ユーザ(U1,U2)に纏わる様々な情報の使用言語毎の傾向を掴むことに利用することができる。
【0031】
このようなシステム(10)は、
図1に示すように、ネットワーク(20)を介して互いに通信可能に接続されたサーバ(30)及び携帯端末(50a,50b)を備える。
【0032】
サーバ(30)は、所定文書(12)が各言語に予め翻訳された翻訳文書を管理している。サーバ(30)は、所定文書(12)の発行元である企業が所有及び管理していてもよい。
【0033】
携帯端末(50a,50b)には、上記システム(10)実現のため、上記システム(10)専用のアプリケーションソフトウェアが予めインストールされていることが好ましい。そして、上記システム(10)が利用される際、識別情報(14)が上記システム(10)専用の識別コードであることが判別されるようにするため、識別情報(14)には当該ソフトウェア名が更に含まれていても良い。更に、看板には、上記システム(10)専用のアプリケーションソフトウェアを表すアプリケーションロゴが、識別情報(14)付近に付されていることが好ましい。このロゴにより、ユーザ(U1,U2)は、識別情報(14)が上記システム(10)専用のアプリケーションに対応したものであることを、一目で把握することができるになる。
【0034】
なお、仮に、アプリケーションソフトウェアのプログラムがインストールされていない状態で識別情報(14)の読み取りを行った場合、携帯端末(50a,50b)は、識別情報(14)に含まれるサーバ(30)のアドレスを頼りに一旦サーバ(30)と接続し、サーバ(30)経由にて上記アプリケーションソフトウェアのプログラムがダウンロードできるサイトに自動的にアクセスすることも可能である。これにより、携帯端末(50a,50b)には、上記システム(10)専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされるようになる。
【0035】
なお、本実施形態では、上述したように、ユーザ(U1,U2)の目的地を飲食店(r1)及び所定文書(12)をメニューとした例を挙げて、以下説明を行っていくが、本システム(10)の適用が本例に限定されないことは、言うまでも無い。本システム(10)は、交通広告、商品案内、観光地や公共の場における案内表示や注意喚起等を、ユーザ(U1,U2)の所望する言語にて提供することができるシステムとして、様々な場面において適用することができる。
【0036】
以下、翻訳データ提供システム(10)が備えるサーバ(30)及び携帯端末(50a,50b)の各構成について詳述する。
【0037】
<サーバの構成>
図2に示すように、サーバ(30)は、第1メモリ(31)(格納部に相当)、第2メモリ(32)(蓄積部に相当)、及びCPU(33)を有する。第1メモリ(31)及び第2メモリ(32)は、フラッシュメモリ及びHDD等の不揮発性記憶装置で構成される。
【0038】
第1メモリ(31)には、複数の翻訳データ(31a)が格納されている。翻訳データ(31a)とは、所定文書(12)が1以上の言語(英語、中国語、韓国語等)それぞれによって翻訳されたデータである。複数の翻訳データ(31a)は、機械翻訳や翻訳者による翻訳作業等により予め作成され、第1メモリ(31)に格納される。
【0039】
第2メモリ(32)には、ユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)が蓄積される。ユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)とは、翻訳データ(31a)受信且つ表示後の携帯端末(50a,50b)のユーザ(U1,U2)が辿った経路(位置情報)及びユーザ(U1,U2)が検索した内容等を含む情報である。例えば、ユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)には、翻訳データ(31a)を確認したユーザ(U1,U2)が、その後どのような観光地及び店舗を巡ったのかや、インターネットを利用してどのような検索を行ったのかを表す情報が含まれる。従って、ユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)には、ユーザ(U1,U2)の軌跡が表されている。
【0040】
このユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)は、翻訳データ(31a)受信後の携帯端末(50a,50b)から次々にサーバ(30)に送られ、その都度第2メモリ(32)に記憶されるが、
図2に示すように、その情報源と言えるユーザ(U1,U2)の所望する言語(使用言語。即ち携帯端末(50a,50b)に送信された翻訳データ(31a)の翻訳言語)と対応づけて記憶されることが好ましい。後述する集計部(36)が、言語の種類に応じてユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)を集計するからである。
【0041】
CPU(33)は、ROM(図示せず)内のプログラムを読み出して実行することにより、サーバ側通信部(34)、抽出部(35)、集計部(36)、及び画像データ生成部(37)として機能する。
【0042】
サーバ側通信部(34)は、各携帯端末(50a,50b)との間で各種データ及び各種指示の送受信を行う。サーバ側通信部(34)が受信する指示としては、翻訳データ(31a)の抽出処理の実行指令、集計データの送信要求等が挙げられる。サーバ側通信部(34)が送信するデータとしては、携帯端末(50a,50b)に表示させるべき翻訳データ(31a)、集計データ等が挙げられる。
【0043】
抽出部(35)は、第1メモリ(31)内の複数の翻訳データ(31a)の中から、携帯端末(50a,50b)に表示するべき翻訳データ(31a)、つまりは所定文書(12)がユーザ(U1,U2)の所望する言語で翻訳された翻訳データ(31a)を抽出する。特に、抽出部(35)は、携帯端末(50a,50b)から指示された抽出処理に従って、翻訳データ(31a)の抽出を行う。本実施形態に係る抽出処理には、携帯端末(50a,50b)によって読み取られた識別情報(14)の読み取り結果に基づき所定文書(12)の内容の特定及び翻訳データ(31a)の抽出を行う第1抽出処理、ユーザ(U1,U2)によって携帯端末(50a,50b)に入力されたユーザ(U1,U2)の目的及び嗜好等に基づき携帯端末(50a,50b)に表示されるべき所定文書(12)の特定及び翻訳データ(31a)の抽出を行う第2抽出処理、の2つがある。サーバ側通信部(34)が第1抽出処理及び第2抽出処理のどちらの指令を実行受信したかにより、抽出部(35)が行う処理は異なってくる。
【0044】
集計部(36)は、第2メモリ(32)に蓄積されたユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)を、翻訳データ(31a)の言語毎に集計を行う。
図2に示すように、携帯端末(50a,50b)に送信された翻訳データ(31a)の翻訳言語と、その携帯端末(50a,50b)のユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)とが対応づけて記憶されているため、集計部(36)は、言語の種類毎(例えば英語、中国語、韓国語毎)に、翻訳データ(31a)確認後のユーザ(U1,U2)がどのような観光地及び店舗を巡ったか、どのようなことに興味を持って検索を行ったのかを集計する。使用言語毎に、訪れる場所や興味を持つ事柄が異なることが十分に考えられ、その内容が集計結果として現れる。図示していないが、集計結果は、第2メモリ(32)に格納される。
【0045】
画像データ生成部(37)は、携帯端末(50a,50b)のタッチパネル(54)に表示させる画像のデータを生成する。例えば、画像データ生成部(37)は、上記集計結果の表示画面を生成する。
【0046】
<携帯端末の構成>
図3に示すように、携帯端末(50a,50b)は、メモリ(51)、カメラ(52)(読み取り部に相当)、位置検出センサ(53)(位置情報検出部に相当)、タッチパネル(54)(嗜好情報取得部、受付部、報知部に相当)、及びCPU(55)を有する。
【0047】
メモリ(51)は、フラッシュメモリ等の半導体メモリで構成されている。メモリ(51)は、カメラ(52)によって撮像された写真データやダウンロードされた画像データ等の他、上記システム(10)専用のアプリケーションソフトウェアのプログラム(51a)を記憶する。
【0048】
カメラ(52)は、レンズ及び撮像素子を含む。カメラ(52)は、人等の被写体の撮像のみならず、上記プログラム(51a)が起動している場合は識別情報(14)を読み取るスキャナ(リーダー)としても機能する。また、カメラ(52)は、スキャナ(リーダー)として機能する際、識別情報(14)を拡大して読み取ることも可能となっている。これにより、看板の前に人がいる等して、ユーザ(U1,U2)が看板に接近することができない場合でも、カメラ(52)は、識別情報(14)を拡大して読み取ることができる。
【0049】
位置検出センサ(53)は、例えばGPS機能を利用して自端末(50a、50b)の位置を検出するものであり、検出結果を位置情報としてCPU(55)に出力する。位置検出センサ(53)は、アプリケーションソフトウェアのプログラム(51a)が起動した場合、自動でオンとなり位置情報の検出を行う。この場合、当該プログラム(51a)が終了しアプリケーションソフトウェアがオフとなれば、位置検出センサ(53)もオフとなる。但し、アプリケーションソフトウェアがオンとなる前から既に位置検出センサ(53)がオンしている場合には、アプリケーションソフトウェアがオフしても位置検出センサ(53)はオンの状態を保つ。
【0050】
タッチパネル(54)は、各種画面を表示すると共に、ユーザ(U1,U2)から入力を受け付ける。タッチパネル(54)が受け付ける情報としては、自端末(50a,50b)を操作するユーザ(U1,U2)の目的及び嗜好、ユーザ(U1,U2)が所定文書(12)を理解する際に利用を希望する翻訳データ(31a)の言語の種類、ユーザ(U1,U2)が任意の場所を目的地として入力した情報、上記第1抽出処理または上記第2抽出処理の選択、が挙げられる。各種画面としては、選択された上記第1抽出処理または上記第2抽出処理によりサーバ(30)が抽出した翻訳データ(31a)の画面、サーバ(30)が集計した集計結果の画面、自端末(50a,50b)の位置から目的地までのルートに関する情報(84b)(距離、経路、所要時間等)を表す画面、などが挙げられる。
【0051】
CPU(55)は、ROM(図示せず)内のプログラムを読み出して実行することにより、端末側通信部(56)(処理指示部に相当)、特定部(57)、入力情報判断部(58)、及び画像データ生成部(59)、として機能する。
【0052】
端末側通信部(56)は、サーバ(30)との間で各種データ及び各種指示の送受信を行う。端末側通信部(56)が送信する指示としては、タッチパネル(54)が受け付けた上記第1抽出処理または上記第2抽出処理の実行指令、集計結果の送信要求等が挙げられる。端末側通信部(56)が受信するデータとしては、抽出された翻訳データ(31a)、集計結果等が挙げられる。
【0053】
特定部(57)は、カメラ(52)がQRコード(登録商標)やバーコード等の二次元コードを読み取った際、その二次元コードが本システム(10)に係る識別情報(14)であるか否かを特定する。二次元コードが本システム(10)に係る識別情報(14)であると特定した場合、特定部(57)は、その識別情報(14)の内容に、翻訳データ(31a)を表示する際の言語、携帯端末(50a,50b)のID、識別情報(14)の撮影場所等を付加したデータを作成する。当該データは、端末側通信部(56)によって、上記第1抽出処理の実行指令と共にサーバ(30)に送信される。このような動作は、本システム(10)専用のアプリケーションソフトウェアのプログラム(51a)が起動された状態にて行われる。
【0054】
なお、識別情報(14)に含まれるサーバ(30)のアドレスは、本システム(10)専用のアプリケーションソフトウェアのプログラム(51a)がメモリ(51)に記憶されているか否かに関わらず、特定部(57)が特定できるようになっていることが好ましい。識別情報(14)の読み取り時に上記プログラム(51a)がメモリ(51)に記憶されていなければ、端末側通信部(56)は、サーバ(30)にプログラム(51a)の送信要求を行い、プログラム(51a)をダウンロードすることができるためである。
【0055】
入力情報判断部(58)は、タッチパネル(54)を介して入力された情報の種類及び内容を判断する。つまり、入力情報判断部(58)は、タッチパネル(54)に入力された情報が、ユーザ(U1,U2)の目的及び嗜好、翻訳データ(31a)の言語の種類、ユーザ(U1,U2)が希望する目的地、上記第1抽出処理または上記第2抽出処理の選択、のいずれに該当するかを判断する。入力された情報に応じて、タッチパネル(54)に表示される画面、サーバ(30)に送信するデータ及び指示を変化させる必要があるからである。
【0056】
画像データ生成部(59)は、タッチパネル(54)に表示させる画像データを生成したり、サーバ(30)から送られてくる各種データやタッチパネル(54)に入力された情報に応じてタッチパネル(54)に表示させる画面を適宜編集したりする。
【0057】
<翻訳データ報知システムの動作>
以下、本システム(10)における動作の流れについて、
図4〜
図9を用いて説明する。
【0058】
―携帯端末(50a,50b)における事前準備―
図4は、本システム(10)を実際に利用するにあたり、本システム(10)専用のアプリケーションソフトウェアのプログラム(51a)が携帯端末(50a,50b)のメモリ(51)に記憶されていない場合に、携帯端末(50a,50b)において実行される動作の流れを表す。
【0059】
ステップS1:先ず、端末側通信部(56)は、ユーザ(U1,U2)による操作または識別情報(14)の読み取りをトリガとして、サーバ(30)にアクセスする。サーバ(30)経由にてプログラムがダウンロードできるサイトから、端末側通信部(56)は、上記プログラム(51a)をダウンロードし、これをメモリ(51)に格納する。すると、
図6に示すように、タッチパネル(54)の待ち受け画面(70)には、本システム(10)に係るアプリケーションソフトウェアのアイコン(70a)が、他のアイコンと並んで表示される。
【0060】
ステップS2:アイコン(70a)がタップされると、上記プログラム(51a)が起動しアプリケーションソフトウェアが立ち上げられ、タッチパネル(54)には、
図6の設定画面(71)が表示される。設定画面(71)には、当該アプリケーションソフトウェアを表すロゴマーク(71a)、ユーザ(U1,U2)の希望する言語を設定するための言語選択ボタン(71b)、ユーザ(U1,U2)の性別を設定するためのボタン(71c)、ユーザ(U1,U2)の生年月日を設定するためのボタン(71d)等が含まれている。
【0061】
ステップS3〜S4:入力情報判断部(58)は、言語、性別、生年月日の情報のユーザ(U1,U2)による入力を受け付ける(ステップS3)。更に、入力情報判断部(58)は、携帯端末(50a,50b)のIDを付与し、当該IDと入力された各種設定情報とを結びつけてメモリ(51)に格納する(ステップS4)。なお、ID及び各種設定情報は、直ちにサーバ(30)に送信され、サーバ(30)側で管理されてもよい。
【0062】
―識別情報(14)を利用する場合の本システム(10)の動作―
図5は、
図4の動作完了後、本システム(10)が実際に利用される場合の動作の流れを示す。特に、
図5では、識別情報(14)の読み取りが行われる場合の動作の流れを示す。
【0063】
携帯端末(50a,50b)では、プログラム(51a)が起動しアプリケーションソフトウェアが立ち上がると(#1)、タッチパネル(54)には、
図6のメイン画面(72)が表示される。メイン画面(72)には、アプリケーションソフトウェアの名称を表すロゴ(72a)が位置し、当該画面(72)の主な部分には、コード撮影ボタン(72b)及び周辺案内ボタン(72c)が選択可能に並べて表示されている。コード撮影ボタン(72b)は、識別情報(14)の読み取りモードに移行するためのボタンであって、周辺案内ボタン(72c)は、識別情報(14)の読み取りはされずにユーザ(U1,U2)が目的及び嗜好を入力するモードに移行するためのボタンである。即ち、コード撮影ボタン(72b)が押下されることにより、サーバ(30)に対し、上記第1抽出処理の実行が指示され、周辺案内ボタン(72c)が選択されることにより、サーバ(30)に対し、上記第2抽出処理の実行が指示される。
【0064】
図5では、コード撮影ボタン(72b)が選択された場合を表す。
【0065】
メイン画面(72)にて、コード撮影ボタン(72b)が選択されると(#2)、タッチパネル(54)は、
図7のコード撮影画面(73)を表示する(#3)。コード撮影画面(73)では、当該画面(73)のメインとなる部分に、識別情報(14)を映し出すゾーン(73a)が位置し、当該ゾーン(73a)からユーザ(U1,U2)の体に近づく方向に向かって順に、広告が表示されるゾーン(73b)、プッシュボタン(73c)が位置する。プッシュボタン(73c)は、識別情報(14)を読み取るためのシャッターとしての役割を担うが、カメラ(52)が識別情報(14)を自動で読み取る場合には、設けられずとも良い。図示していないが、コード撮影画面(73)には、識別情報(14)を拡大して撮像するためのボタンが選択可能に設けられている。
【0066】
なお、ゾーン(73b)への広告の表示は、解除することが可能となっていてもよい。
【0067】
コード撮影画面(73)がタッチパネル(54)に表示された状態で、カメラ(52)が識別情報(14)を読み取ると(#4)、特定部(57)は、識別情報(14)を本システム(10)専用のコードであるとの特定を行い、翻訳データ(31a)を表示する際の言語及び自端末(50a,50b)のID等を付加したデータを作成する。端末側通信部(56)は、当該データと上記第1抽出処理の実行指令とをサーバ(30)に送信し(#5)、サーバ(30)は、これを受信する(#6)。
【0068】
サーバ(30)側では、抽出部(35)は、上記データに基づき、ユーザ(U1,U2)の所望する言語で所定文書(12)が翻訳された翻訳データ(31a)を抽出し、サーバ側通信部(34)は、これを携帯端末(50a,50b)に送信する(#7)。タッチパネル(54)には、送られてきた翻訳データ(31a)が、例えば
図7の結果表示画面(74)に示すように表示される(#8)。結果表示画面(74)では、当該画面(74)のメインとなる部分に翻訳データ(31a)の表示ゾーン(74a)が位置している。
【0069】
携帯端末(50a,50b)側では、以降、位置検出センサ(53)にて自端末(50a,50b)の位置の検出が継続して行われる。端末側通信部(56)は、自端末(50a,50b)の位置情報及びユーザ(U1,U2)が携帯端末(50a,50b)を介して検索した情報を、逐次、サーバ(30)に送信する(#9)。サーバ(30)側では、当該情報がユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)として受信されて第2メモリ(32)に蓄積される(#10)。集計部(36)は、定期的に、第2メモリ(32)に蓄積されたユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)を例えば言語毎に集計し、第2メモリ(32)に記憶する(#11)。
【0070】
―識別情報(14)を利用しない場合の本システム(10)の動作―
図8は、
図4の動作完了後、本システム(10)が実際に利用される場合の動作の流れを示す。特に、
図8では、識別情報(14)の読み取りが行われず、周辺案内ボタン(72c)が選択された場合の動作の流れを示す。
【0071】
携帯端末(50a,50b)では、アプリケーションソフトウェアが立ち上がると(#21)、タッチパネル(54)には、
図6のメイン画面(72)が表示される。メイン画面(72)上から周辺案内ボタン(72c)が選択されると(#22)、サーバ側通信部(34)は、第2抽出処理の実行指令を受信する(#23)。
【0072】
サーバ(30)側では、携帯端末(50a,50b)から順に送られてくる各種ボタン及び情報(81a,82a,83a,84a)の選択に関する情報に応じて、
図9の案内画面(81,82,83,84)の画像データの生成及び送信が逐次行われる(#24)。携帯端末(50a,50b)側では、送られてくる画像データの逐次受信及びタッチパネル(54)への表示が行われる(#25)。
【0073】
ここで、案内画面(81)は、周辺案内ボタン(72c)が選択された直後にタッチパネル(54)に表示される画面である。案内画面(81)では、当該画面(81)のメインとなる部分に、ユーザ(U1,U2)の希望する目的(食事/娯楽/宿泊/公共/観光/その他)それぞれを表すボタン(81a)が、選択可能に並んで位置している。
【0074】
案内画面(82)は、案内画面(81)において食事のボタン(81a)が選択された直後に表示される画面であって、ユーザ(U1,U2)がどのようなジャンルの食事を希望するかを入力するための画面である。案内画面(82)では、当該画面(82)のメインとなる部分に、ユーザ(U1,U2)の希望する食事のジャンル(和食/洋食/中華/カフェ/ファーストフード/その他)それぞれを表すボタン(82a)が、選択可能に並んで位置している。
【0075】
案内画面(83)は、案内画面(82)において和食のボタン(82a)が選択された直後に表示される画面であって、ユーザ(U1,U2)が更にどのようなタイプの店を希望するかを入力するための画面である。案内画面(83)では、当該画面(83)のメインとなる部分に、ユーザ(U1,U2)の希望する店舗のタイプ(ファミリー向け/個室あり/居酒屋/麺類)それぞれを表すボタン(83a)が、選択可能に並んで位置している。
【0076】
案内画面(84)は、案内画面(83)においてファミリー向けのボタン(83a)が選択された直後に表示される。特に、案内画面(84)は、ファミリー向けの複数の店舗の中からユーザ(U1,U2)が行き先とする店舗の決定を支援するための画面であって、サーバ(30)の集計結果がお勧めランキング情報(84a)として掲載されている。お勧めランキング情報(84a)が複数ある場合、ユーザ(U1,U2)は、タッチパネル(54)を指でスライドさせることで、全てのお勧めランキング情報(84a)を順に見ることもできる。上述の通り、第2メモリ(32)に記憶されている集計結果は、ユーザに関する情報(32a)が言語毎に集計されているため、携帯端末(50a,50b)に表示される本実施形態の案内画面(84)は、アプリケーションにおける設定言語に応じて異なる内容となっている。設定言語に応じたお勧めランキング情報(84a)により、ユーザ(U1,U2)は、案内ガイドブック等がなくても、比較的最新の情報により、自分の嗜好にできるだけ即した、自身が最も訪れたいと考える店舗を決定することができる。
【0077】
なお、お勧めランキング情報(84a)それぞれは、選択可能にボタンによって表示されている。また、お勧めランキング情報(84a)に変えて、設定言語に応じた口コミ情報が案内画面(84)に表示されてもよい。
【0078】
また、案内画面(84)には、お勧めランキング情報(84a)よりもユーザ(U1,U2)の体に近い部分に、自端末(50a,50b)の位置から目的地までのルートに関する情報(84b)が表示されている。ルートに関する情報(84b)は、自端末(50a,50b)の位置から目的地までの距離を目視で簡単に把握できるように、図によって表されている。ここで、
図9の案内画面(84)では、目的地を0m地点とし、図中の太い実線が自端末(50a,50b)の位置を表しており、これによって目的地から現在地までの距離が一目で分かるようになっている。
【0079】
なお、ルートに関する情報(84b)は、口コミ情報に対応する店舗と自端末(50a,50b)との距離を表すため、各お勧めランキング情報(84a)のボタンがタップされる毎に変化する。
【0080】
再び、
図8に戻る。案内画面(84)にて任意のお勧めランキング情報(84a)のボタンがダブルタップ等によって選択されると、サーバ(30)の抽出部(35)は、第1メモリ(31)の中から該情報(84a)に対応する店舗の所定文書(12)の翻訳データ(31a)を抽出し、サーバ側通信部(34)はこれを携帯端末(50a,50b)に送信する(#26)。タッチパネル(54)には、送られてきた翻訳データ(31a)が、例えば
図7の結果表示画面(74)に示すように表示される(#27)。
【0081】
携帯端末(50a,50b)側では、以降、位置検出センサ(53)にて自端末(50a,50b)の位置の検出が継続して行われる。端末側通信部(56)は、自端末(50a,50b)の位置情報及びユーザ(U1,U2)が携帯端末(50a,50b)を介して検索した情報を、逐次、サーバ(30)に送信する(#28)。サーバ(30)側では、当該情報がユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)として受信されて第2メモリ(32)に蓄積される(#29)。集計部(36)は、定期的に、第2メモリ(32)に蓄積されたユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)を例えば言語毎に集計し、第2メモリ(32)に記憶する(#30)。
【0082】
なお、図示していないが、
図6,7,9における各種画面(72~74,81~84)は、設定された言語にて表示されることが望ましい。
【0083】
また、
図6,7,9の各種画面(72~74,81~84)において、戻るボタンが選択された場合は、1つ前の画面が表示される。設定ボタンが選択された場合、
図6のメイン画面(72)が表示される。
【0084】
<効果>
本実施形態では、所定文書(12)の識別情報(14)を読み取る手段またはユーザ(U1,U2)の目的及び嗜好を取得する手段を介して、端末(50a,50b)には、端末(50a,50b)のユーザ(U1,U2)が所望する言語に応じた所定文書(12)の翻訳データ(31a)が表示される。これにより、ユーザ(U1,U2)は、所定文書(12)自体が理解不能な言語で表示されていても、所定文書(12)に何が書かれているのかを理解することができる。
【0085】
更に、上述のように、翻訳データ(31a)を報知する手段は2通りあり、うち1つは、ユーザ(U1,U2)の目的及び嗜好を取得し、取得した情報を基に表示対象となる翻訳データ(31a)を抽出する手段である。それ故、例えばユーザ(U1,U2)が何らかの理由により急遽目的地を変更せざるを得ないような場合にも、新たな目的地に関する所定文書(12)の翻訳データ(31a)を、識別情報(14)の読み取りなく誘導して端末(50a,50b)に表示することができる。従って、目的地の代替案等を容易に決定することができる。
【0086】
特に、上記2つの手段のいずれかにより翻訳データ(31a)が表示された端末(50a,50b)のユーザ(U1,U2)が、その後辿った経路及び検索した情報等は、ユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)としてサーバ(30)に蓄積される。蓄積された情報(32a)から、所定文書(12)の内容を把握したユーザ(U1,U2)が、その後どのような場所に向かうことが多いか等の傾向を把握することができる。
【0087】
本実施形態では、例えば
図6の設定画面(71)を通じて、端末(50a,50b)に表示される翻訳データ(31a)の言語を、ユーザ(U1,U2)が自由に設定することができる。従って、ユーザ(U1,U2)は、好みの言語にて、所定文書(12)の内容を把握することができる。
【0088】
本実施形態では、翻訳データ(31a)の言語毎に、ユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)が集計され、その集計結果はタッチパネル(54)に更に表示されるようになっている。これにより、ユーザ(U1,U2)は、例えば自身と同じ言語を使用する他ユーザが、どのような場所を訪れているかや、何に興味を持っているかを、把握することができる。従って、端末(50a,50b)のユーザ(U1,U2)は、把握した場所を自身が訪れる候補地としたり、他ユーザが興味を持っているコンテンツを把握したりすることができる。
【0089】
本実施形態では、携帯端末(50a,50b)のタッチパネル(54)には、
図9の案内画面(84)に示すように、自端末の位置から目的地までのルートに関する情報(84b)が更に表示される。ここで、ルートに関する情報(84b)としては、自端末の位置から目的地までの経路、距離、所要時間等が挙げられる。このような情報(84b)が端末(50a,50b)に表示されることにより、ユーザ(U1,U2)は、目的地まで辿り着くための手段を把握することができ、また場合によっては目的地を変更することができる。
【0090】
本実施形態では、携帯端末(50a,50b)のカメラ(52)は、識別情報(14)を拡大して読み取ることができる。これにより、端末(50a,50b)のユーザ(U1,U2)が所定文書(12)の掲載場所付近に居るものの、掲載場所付近に表示された識別情報(14)のサイズが比較的小さく読み取りがしづらい場合、携帯端末(50a,50b)は、識別情報(14)を拡大して読み取ることができる。従って、ユーザ(U1,U2)が識別情報(14)にあえて接近せずとも、携帯端末(50a,50b)は、識別情報(14)を問題なく読み取ることができる。
≪第2実施形態≫
上記第1実施形態では、サーバ(30)の第1メモリ(31)が、翻訳データ(31a)そのものを格納している場合について説明した。
【0091】
しかし、サーバ(30)は、翻訳データ(31a)の代わりに、
図10に示すように、所定文書(12)の内容が各言語で翻訳された画面を表示できるサイトのアドレス情報(131a)を、第1メモリ(31)に格納していてもよい。サイトアドレス情報(131a)は、他サーバにアクセスするためのアドレスであって、特に、ユーザ(U1,U2)の所望する言語にて所定文書(12)が翻訳された翻訳データ(31a)を表示するサイトのアドレスである。
【0092】
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様、翻訳データ(31a)を報知する手段は2通りあるが、サーバ(30)が抽出するべき対象は、翻訳データ(31a)そのものではなく、サイトアドレス情報(1361a)である点のみ、第1実施形態と異なっている。
【0093】
つまり、2通りの手段のうち一方は、所定文書(12)の識別情報(14)の読み取りを介して所定文書(12)を特定し、特定された所定文書(12)を設定言語で表記されたサイトのアドレス情報(131a)を抽出する手段である(第1抽出手段)。2通りの手段のうち他方は、識別情報(14)の読み取りを行わずに、ユーザ(U1,U2)の目的及び嗜好を取得するとその内容に基づいて携帯端末(50a,50b)に表示させるべき所定文書(12)を特定し、特定された所定文書(12)を設定言語で表記されたサイトのアドレス情報(131a)を抽出する手段である(第2抽出手段)。
【0094】
サーバ(30)のサーバ側通信部(34)は、上記いずれかの手段により抽出部(35)が抽出したサイトアドレス情報(131a)を携帯端末(50a,50b)に送信する。携帯端末(50a,50b)は、送られてきたサイトアドレス情報(131a)を頼りに、他サーバにおける該情報(131a)に対応するウェブサイトにアクセスして、翻訳データ(31a)をウェブブラウザ等を用いて表示する。
【0095】
なお、本実施形態では、上記以外、即ちサイトアドレス情報(131a)の管理及び抽出以外の他の構成及びシステム動作については、上記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0096】
このような本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
≪変形例≫
上記実施形態は、例えば以下のように、様々な変更が可能である。
【0097】
−変形例1−
上記システム(10)専用のアプリケーションソフトウェアのプログラム(51a)は、ダウンロードできるサイトではなく、サーバ(30)が記憶していてもよい。この場合、携帯端末(50a,50b)は、上記プログラムをインストールしていない場合、サーバ(30)にアクセスしてサーバ(30)から直接ダウンロードすることができる。
【0098】
−変形例2−
図6,7,9に係る各種画面は、一例であって、画面のデザイン及び表示される順番はこれに限定されることはない。
【0099】
−変形例3−
上記第1実施形態において、設定されている言語にて所定文書(12)が翻訳された翻訳データ(31a)が第1メモリ(31)に格納されていない場合、及び、上記第2実施形態において、設定されている言語にて所定文書(12)が翻訳された翻訳データ(31a)を閲覧可能なウェブサイトが存在しない場合、タッチパネル(54)は、
図11に示すエラー画面(85)を表示することができる。エラー画面(85)では、設定した言語がない旨のメッセージ(85a)と共に、別の言語の選択を受け付けるためのボタン(85b)及びメイン画面(72)に戻るためのボタン(85c)とが、選択可能に並べて表示されている。この画面(85)により、ユーザ(U1,U2)は、現在の設定言語では所定文書(12)を理解することができない旨を知ることができ、言語の設定を変更することができる。
【0100】
−変形例4−
翻訳データ(31a)等の各種情報は、タッチパネル(54)への表示に変えて音出力されてもよいし、表示と音との組合せによって出力されてもよい。
【0101】
また、タッチパネル(54)に変えて、表示パネルと入力キーとが別々に構成されていてもよい。
【0102】
−変形例5−
翻訳データ(31a)の言語は、
図6の設定画面(71)を介して設定される代わりに、携帯端末(50a,50b)自体に設定されている言語が、そのまま翻訳データ(31a)の言語として用いても良い。
【0103】
−変形例6−
サーバ(30)の第2メモリ(32)に記憶されているユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)は、集計されずともよい。ユーザ(U1,U2)に関する情報(32a)は、そのままの状態にて第2メモリ(32)から取り出し可能となっていてもよい。
【0104】
−変形例7−
図9の案内画面(84)におけるルートに関する情報(84b)の表示は、必須ではない。ルートに関する情報(84b)は、非表示であってもよいし、他の画面に表示されていてもよい。
【0105】
−変形例8−
携帯端末(50a,50b)におけるカメラ(52)のズーム機能は、必須ではない。
【課題】旅行者の所望する言語にて所定文書を把握できるのみならず目的地の代替案を容易に決定でき、且つ、国内の者が外国人旅行者の傾向等を把握できるシステムを提供する。
【解決手段】サーバ(30)は、所定文書(12)が1以上の言語によって翻訳された翻訳データ(31a)を格納する。携帯端末(50a,50b)による所定文書(12)の識別情報(14)の読み取り結果又はユーザ(U1,U2)の目的等の入力結果に従って、サーバ(30)は翻訳データ(31a)を抽出し、携帯端末(50a,50b)はこれを表示する。更に、サーバ(30)は、その後のユーザ(U1,U2)が辿った経路及び検索した情報を含むユーザに関する情報(32a)、を蓄積する。