(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の高電力LEDユニットを駆動するためのシステムであって、リップルのない一定の直流を複数の高電力LEDランプユニットに与えるための単一のドライバを備え、前記単一のドライバは、エネルギーの検出及びそのエネルギーをLEDランプユニットへ放出して前記リップルのない一定の直流を調整するのに要する期間の計算に基づき、前記リップルのない一定の直流を各所定の時間間隔で調整するようにプログラム可能なデジタルコントローラを備え、
前記単一のドライバは、変成器として誘導性素子を有する分離型交流フライバック構成で動作するようにさらに構成され、前記変成器は、前記変成器の二次端に設けられた複数の高電力LEDを分離する、システム。
前記デジタルコントローラは、特定用途向け集積回路(ASIC)であり、該ASICは、更に、前記変成器のコアにより前記複数の高電力LEDへ放出されるエネルギーを検出し及びその期間を計算し、前記リップルのない出力DC電流を調整し及び与えるように動作する、請求項1に記載のシステム。
前記ASICは、前記変成器のコアにより放出されるエネルギーの期間に基づいて各クロックサイクルにおいてフィードバックを入力として受け取り、次のクロックサイクルでの前記リップルのない一定のDC電流の量を決定するようにプログラムされる、請求項2に記載のシステム。
前記システムは、前記減光回路が調整されるとき少なくとも0.9の力率を維持するようにそのキャパシタンスを変化させるよう動作するフィルタキャパシタを備える、請求項6に記載のシステム。
請求項21から24のいずれか一項に記載の前記装置を更に備え、請求項21から24のいずれか一項に記載の前記装置の前記入力ポートが単一のドライバに接続するように動作可能である、請求項5に記載のシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した構成は、次のような多数の欠点を有する。
【0008】
・各LED照明ユニットは、点灯のためにそれ自身の内蔵コントローラ回路3を必要とするので、LED照明ユニットが連続動作するときには、LED及びコントローラ回路の両方により著しい熱が発生する。適度な熱にするために、各LED照明ユニットのヒートシンク(1つ又は複数)を設けて、熱源から熱を引き出すと共に、熱を周囲へ消散させ、LED及びコントローラを動作する熱的に低温の環境を与えねばならない。LED及びコントローラ回路は、電力損失を減少し、ひいては、効率を改善することから熱的に低温の環境で動作することが重要である。しかしながら、標準的なフォームファクタであるために、各LED照明ユニットにおけるヒートシンクのサイズに関して限度がある。各LED照明ユニットには2つの発熱源(即ち、LEDランプユニット及びLEDコントローラ)があるために、ヒートシンク2は、典型的に、著しい熱が発生される連続動作中に最大熱消散能力に到達する。その結果、これは、LED照明ユニットの照明性能及び製品寿命の低下を招く。
【0009】
・典型的に、内蔵コントローラ回路及びヒートシンク2を有するLED照明ユニットを製造するにはコストがかかる。というのは、それらは、製造に必要なコンポーネントの数を増加させるからである。更に、ヒートシンクは、標準フォームファクタであるためサイズに制約のある2つの熱源からの熱の消散をうまく処理するように設計されねばならない。これは、LED照明ユニットを製造する全体的コストを更に高くする。
【0010】
・AC電源は、コントローラ回路3によってLED照明ユニットにおいてDC電圧及び電流に変換されるので、対処すべき安全に関連した問題がある。
【0011】
それ故、本発明の目的は、以上の問題を克服し又は少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記問題を軽減すると共に、「1つのドライバ・対・多数の高電力LEDランプユニット」解決策を与えるシステム及び装置を提供する。これを達成するため、システム及び装置は、指定の定格電流から、少なくとも5%未満の比較的「リップルのない」電流を与えるのが適当である。指定の定格電流は、典型的に、ランプユニット当たりほぼ350mAから700mAである(が、これに限定されない)。
【0013】
更に、「流れ(current)」、「接続(connection(s))」とは、特に指示のない限り、電流(electricalcurrent)及び電気的接続(electrical connections)を指す。
【0014】
本発明の第1の態様によれば、複数の高電力LEDユニットを駆動するためのシステムであって、リップルのない一定の直流を複数の高電力LEDランプユニットに与えるための単一のドライバを備え、この単一のドライバは、エネルギーの検出及びそのエネルギーをLEDランプユニットへ放出してリップルのない一定の直流を調整するのに要する期間の計算に基づき、リップルのない一定の直流を各所定の時間間隔で調整するようにプログラム可能なデジタルコントローラを備えているシステムが提供される。
【0015】
好ましくは、単一のドライバは、複数の高電力LEDを分離する変成器として誘導性素子を有する分離型交流フライバック構成においてその変成器の二次端で動作する。
【0016】
好ましくは、デジタルコントローラは、特定用途向け集積回路(ASIC)であり、このASICは、更に、変成器のコアにより複数の高電力LEDへ放出されるエネルギーを検出し及びその期間を計算し、リップルのない出力DC電流を調整して与えるように動作する。ASICは、好ましくは、変成器のコアにより放出されるエネルギーの期間に基づいて各クロックサイクルにおいてフィードバックを入力として受け取り、次のクロックサイクルでのリップルのない一定のDC電流の量を決定するようにプログラムされる。更に好ましくは、ASICは、各クロックサイクルにおいて電子スイッチをターンオン及びオフするための電圧波形を与えるようにプログラムされる。
【0017】
好ましくは、複数の高電力LEDランプユニットの各々は、他の高電力LEDランプユニットと直列である。
【0018】
好ましくは、単一のドライバは、複数の高電力LEDランプユニットの輝度を調整するための減光回路に電気的に接続される。好ましくは、この減光回路は、電位計、赤外線インターフェイス、モーションセンサ、又は周囲光センサを含む。
【0019】
好ましくは、このシステムは、減光器が調整されるとき少なくとも0.9の力率を維持するようにそのキャパシタンスを変化させるよう動作するフィルタキャパシタを備えている。
【0020】
減光器が電位計である場合には、電位計は、0から10ボルトの電圧で作用するように動作する。
【0021】
好ましくは、分離型フライバックモードにおいて、変成器の二次端は、短絡保護回路に電気的に接続される。
【0022】
好ましくは、ASICは、能動的な力率コントローラに結合される。更に好ましくは、能動的な力率コントローラは、少なくとも1つの電圧ホロワを含む。そのようなケースにおいて、好ましくは、ASICは、能動的な力率コントローラと、リップルのない一定のDC電流の調整との両方をコントロールための14ピン構成である。
【0023】
好ましくは、各高電力LEDランプには、高電力LEDのみから熱を消散する形状及び構成にされたヒートシンクが設けられる。
【0024】
好ましくは、このシステムは、更に、電子スイッチを備え、リップルのない一定のDC電流は、次の式
【数1】
に基づく電圧コントロールにより達成され、ここで、V
OUTは、出力にまたがる電圧であり、V
INは、入力電圧であり、T
OFFは、分離変成器のコアの放電時間であり、T
ONは、電子スイッチのスイッチオン時間であり、L
1は、変成器の一次巻線のインダクタンス値であり、そしてL
2は、変成器の二次巻線のインダクタンス値である。
【0025】
分離型構成モードとは別に、単一のドライバは、次の式
【数2】
に基づく連続モードで動作する誘導性素子を有する非分離型構成で動作し、ここで、T
OFFは、定数として固定され、T
ONは、電子スイッチのスイッチオン時間であり、Tは、T
ON、T
OFF及びT
CALCの和であり、ここで、T
CALCは、誘導性素子の放電時間後に式を計算するための時間であり、I
1は、望ましい基準電流であり、そしてI
MAXは、ピーク電流である。ヒステリシスコントローラ構成では、I
MAX及びI
1の値が固定され、T
ON及びT
OFF時間が決定される。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、ハードウェア記述言語を使用してプログラム可能な少なくとも1つの集積回路(IC)と、力率電圧をコントロールするために第1のスイッチング時間周期を与えるように動作する第1の電子スイッチであって、この第1のスイッチング時間周期は少なくとも1つのICによりプログラム可能である、第1の電子スイッチと、少なくとも1つのLEDに流れ込むリップルのない一定のDC電流を調整するために第2のスイッチング時間周期を与えるように動作する第2の電子スイッチであって、この第2のスイッチング時間周期は少なくとも1つのICによりプログラム可能である、第2の電子スイッチと、を備えたLEDドライバが提供される。そのようなLEDドライバは、リップルのないDC電流を得るように力率コントローラの形態で付加的な電流コントロールを与える。
【0027】
好ましくは、第1及び第2の電子スイッチは、電力MOSFETである。
【0028】
好ましくは、少なくとも1つのICは、ASICである。
【0029】
本発明の第3の態様によれば、入力ポート及び複数の出力ポートを有する装置であって、入力ポート及び複数の出力ポートの各々に電気的に接続されるように構成された逆極性保護装置と、出力ポートに接続するように各々動作する複数の開路保護回路とを備え、逆極性保護装置は、負荷が出力ポートのいずれかに誤った極性で接続された場合に極性要求を否定するように動作し、開路保護回路は、負荷が出力ポートに接続されないとき又は負荷がブレークダウンしたときに閉ループ直列接続を形成するように動作する装置を備えたLEDドライバが提供される。
【0030】
好ましくは、逆極性保護装置は、ダイオードブリッジ整流器である。
【0031】
好ましくは、各入力ポートは、対応する開路保護装置を含む。
【0032】
好ましくは、入力ポートは、LEDドライバに接続するのに適しており、そして各出力ポートは、高電力LEDランプユニットを含む負荷に接続するのに適している。
【0033】
本発明の第4の態様によれば、負荷が直列接続される第1の態様に基づくシステムであって、更に、請求項22から25に記載の本発明の第3の態様に基づく装置を備え、請求項22から25に記載の装置の入力ポートが単一のドライバに接続するように動作可能であるシステムが提供される。
【0034】
本発明の第5の態様によれば、LEDドライバに使用するための減光回路であって、少なくとも1つの減光コントローラに接続可能なように動作する減光インターフェイス、及び減光回路内に少なくとも0.9の力率を維持するように調整できる容量性素子を少なくとも備えた減光回路が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0037】
本発明の他の構成も考えられ、従って、添付図面は、本発明の以上の説明の一般性に置き換わるものとして理解されてはならない。
【0038】
本発明の説明において、「リップルのない」電流及びリップルなし電流に近い記載は、指定の定格電流から5%未満の許容できるリップルを指す。
【0039】
本発明の説明において、高電力LEDランプユニットは、少なくとも5ワットの電力を要求するLEDランプユニットを指す。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、
図4に示すように、複数の高電力LEDランプ100を駆動するためのLEDドライバ10が提供される。LEDドライバ10は、分離型交流(AC)用途に特に適しており、一次側と二次側で構成される。LEDドライバ10の一次側は、デカップリング変成器11を経て二次側とデカップルされる。一次側は、電子スイッチ14、ブリッジ整流回路16及び集積回路(IC)コントローラ18を備えている。
図4は、分離型構成を示しているが、当業者であれば、デカップリング変成器11を他の誘導性素子に置き換えた非分離型構成用に回路を変更できることが明らかであろう。
【0041】
デカップリング機能を満足させるために、変成器11は、分離変成器であり、プレーナ変成器であるのが好ましい。変成器11は、連続又は非連続のいずれかのモードで作用するように働くが、説明上、
図4、5a及び5bは、不連続モードで作用する変成器11に適した回路を示している。連続モードでは、
図8又は10に示すように、ある出力キャパシタが省略される。変成器11がプリント回路板技術に基づくプレーナ変成器である場合には、プリント回路板は、FR4 PCB、ポリイミド又は他の厚い銅ホイル(リードフレーム)である。
【0042】
抵抗器R
P及びキャパシタC
Pは、変成器11の一次端と並列構成で接続される。ダイオードD
Pは、抵抗器R
P、キャパシタC
P及び変成器11に接続される。ダイオードD
Pの導通端は、変成器11の一次端に直列構成で接続される。ダイオードD
Pの非導通端は、抵抗器R
P及びキャパシタC
Pに直列構成で接続される。
【0043】
キャパシタC
Sは、出力電圧をフィルタリングするために変成器11の二次端に並列に接続される。ダイオードD
Sは、変成器11の二次端及びキャパシタC
Sに接続される。ダイオードD
Sの導通端は、変成器11の二次端に直列構成で接続される。ダイオードD
Sの非導通端は、(該当する場合には)キャパシタC
Sの正の端に直列構成で接続される。LED負荷100は、キャパシタC
Sに並列構成で接続される。各LED負荷100は、他のLED負荷100に直列に接続される。二次側は、以下に詳細に述べる短絡保護回路44を含むのも任意である。
【0044】
電子スイッチ14は、典型的に、電力トランジスタである。この特定の実施形態では、電子スイッチ14は、電力MOSFETであるのが更に好ましい。MOSFET構成では、電子スイッチ14のドレインがダイオードD
Pの導通端及び変成器11の一次端に接続される。電子スイッチ14のゲートは、IC18の出力ピンに接続され、そして電子スイッチ14のソースは、電気的接地点に接続される。
【0045】
電子スイッチ14は、他の機能的に同等のコンポーネントに置き換えられてもよいことが明らかである。
【0046】
ICコントローラ18の内部発振器は、該内部発振器により決定されるクロックサイクルごとに特定のターンオン時間周期T
ON(スイッチング周波数)で電子スイッチ14のゲートをターンオンするように構成される。又、ICコントローラ18は、誘導性素子L
1及びL
2の放電を主入力として感知しそしてその放電時間を計算するようにプログラムされた特定用途向け集積回路(ASIC)であるのが好ましい。ASIC18は、次の入力に基づき各クロックサイクルにT
ONのターンオン周期を有する電子スイッチ14のゲートをターンオンするようにプログラムされ構成される。
(a)誘導性素子L
1及びL
2の放電時間に基づく基準定数K;
(b)LEDのための望ましい出力DCリップルなし電流I
OUT;
(c)ブリッジ回路16と並列に接続された電位分割器22から取り出されてデジタル化されたデジタル電圧値V
DD(V
in);
(d)電位分割器30を通して測定されて基準電圧と比較される変成器11のコアの放電の時間値T
OFF;及び
(e)スイッチング周期T(即ち、発振器により決定される電子スイッチ14のスイッチング周期)。
【0047】
受け取られた5つの入力を使用して、IC18は、式(1)として数学的に表現された電子スイッチ14のスイッチオン時間である出力T
ONを計算する。
【数3】
【0048】
基準定数Kは、式(2)で示す変成器11の一次及び二次巻線のインダクタンス値に基づいて計算される。
【数4】
【0049】
但し、L
1は、変成器11の一次巻線のインダクタンス値であり、そしてL
2は、変成器11の二次巻線のインダクタンス値である。基準Kの値は、IC16内のメモリに記憶される。非分離型直流(DC)フライバック構成では、基準定数Kは、次の数学式に基づいて計算される。
【数5】
但し、L
3は、フライバック構成の誘導性素子のインダクタンス値である。
【0050】
式(1)及び(2)を操作すると、I
OUTが次のように導出される。
【数6】
【0051】
ICコントローラ18は、更に、LED負荷100に対して減光を行うために可変抵抗器40に結合された減光ピンを含む。この減光ピンは、電位計、モーションセンサ又は赤外線センサのような種々の減光装置を経て減光を行う融通性を促進する。
【0052】
上述したICコントローラ18は、典型的に、8ピンである。ICコントローラ18のコントロールのレベルを微同調するために、高解像度のICコントローラが使用される。望ましいリップルなし電流I
OUTの微同調コントロールに加えて、回路の性能を改善するための能動的な力率コントローラ(PFC)がある。
【0053】
望ましいリップルなし電流I
OUTのコントロールを微同調しそして能動的な力率コントロールを与える能力を有する高解像度のICコントローラは、別の実施形態において以下に説明する。
【0054】
複数の高電力LEDランプユニット100を駆動するためのLEDドライバ500の形態の本発明の別の実施形態が
図5a及び5bに示されている(一次側に重点を置いて)。このLEDドライバ500は、第1の電子スイッチ513、第2の電子スイッチ514、ブリッジ整流回路516、及び集積回路コントローラ518を備えている。LEDドライバ500は、更に、能動的な力率コントローラ(PFC)回路520を備えている。前記実施形態と比較すると、能動的な力率コントローラ(PFC)は、改善されたリップルなしの一定DC電流を得るための電流コントローラの付加的な段を形成するように動作する。集積回路コントローラ518は、望ましい力率を得そしてリップルなしの電流I
OUTを出力するために第1の電子スイッチ513及び第2の電子スイッチ514のスイッチング周波数をコントロールするように動作する。
【0055】
集積回路コントローラ518は、内部発振器、内蔵アナログ/デジタルコンバータ、等を含むICコントローラ18と同様である。これは、更に、PFCコントローラの更なるコントロールのためにより多くのピンを含むことができる。この実施形態では、ICコントローラ518は、14ピンを含む。全体的な解像度は、高く(10ビット)、従って、電子スイッチ513、514及びI
OUTに対してスイッチング周波数の良好な調整及び微同調を行うことができる。
【0056】
ブリッジ整流器516は、AC入力を受け取り、そして整流された電圧出力を発生するように動作する。整流された電圧出力は、キャパシタC
4を通過する。C
4は、入力電圧フィルタとして機能して、整流回路516からの整流された電圧を更にフィルタリングするように動作する。キャパシタC
4は、抵抗器R
8及びR
9に並列に、且つインダクタL
4に直列に接続される。
【0057】
抵抗器R
8及びR
9は、入力電圧分割器を形成する。動作中、R
8及びR
9との間の電圧がASICへの入力電圧(V
inPとして示す)として取り出される。
【0058】
インダクタL
4は、抵抗器R
10及びR
11に直列に接続される。抵抗器R
10及びR
11は、PFC電圧分割器を形成し、これは、PFC出力電圧測定のためにT
2Pピン入力を経てコントローラ518へPFCフィードバック電圧を与えるのに使用される。
【0059】
第1の電子スイッチ513は、誘導性素子L
4に直列に且つPFC電圧分割器に並列に接続される。第1の電子スイッチ513は、PFC出力電圧をコントロールするための可変周波数を与える。第1の電子スイッチ513及び第2の電子スイッチ514は、どちらも、Nチャンネル電力MOSFETである。第1の電子スイッチ513のゲートは、ASIC(MOSOUTピン)によりアクチベートされ、そのドレインは、L
4と直列に接続され、そしてそのソースは、接地される。
【0060】
動作中に、コントローラ518は、第1の電子スイッチ513を駆動し、第1の電子スイッチ513のドレインに必要な力率電圧を発生させる。
【0061】
第1の電子スイッチ513は、機能的に同等の他のコンポーネントと置き換えてもよいことが明らかであろう。
【0062】
電力ダイオードD
3は、誘導性素子L
4に直列に接続される。これは、整流されたPFC電流の順方向の通過を許し、この電流は、第1の電子スイッチ513により緩和される。
【0063】
C
5は、PFC出力電圧をフィルタリングするための容量性フィルタである。
【0064】
誘導性素子L
4は、
図5aに示す標準的インダクタであるか、又は
図5bに示す変成器である。L
4が変成器であるケースでは、変成器は、L
4p一次インダクタンス及びL
4s二次インダクタンスを含む。
図5bに示すように、L
4pは、ピン1からピン6へ接続され、L
4sは、ICコントローラ518のピン1からピン7へ接続される。
【0065】
次の式(4)は、PFCの出力電圧をコントロールするための変成器の変形例に適用することができる。
【数7】
【0066】
V
PFC,OUTは、PFCの出力電圧であり、L
4pは、PFC変成器の一次インダクタ値であり、L
4sは、PFC変成器の二次インダクタ値であり、V
inは、入力電圧であり、T
Q2onは、第1の電子スイッチ513のスイッチオン時間であり、そしてT
Q2offは、PFC変成器の放電時間である。T
Q2onは、コントローラ518のMOSOUTピンを経てコントロールされ、そしてV
in及びT
Q2offは、V
PFC,OUTが望ましい出力電圧V
OUTを適切に追跡することを保証し且つ検証するのに使用されるフィードバック値である。
【0067】
式(4)は、この式を解いた後、V
PFC,OUTが予想値未満(許容偏差以内)であれば、T
Q2onが増加され、さもなければ、T
Q2onが減少されるという意味で、V
PFC,OUTがV
OUTをたどる電圧ホロワとして知られている。
【0068】
V
OUTは、LEDユニットの合計数と、LEDユニットへ供給される希望の電流I
OUTとに基づいて決定される。
【0069】
第2の電子スイッチ514では、I
OUTを調整し及び計算する動作及び式は、式(1)から(3)で述べたものと同じである。
【0070】
上述したように、LEDドライバ10、500の二次側は、更に、電圧保護回路44を備えている。LEDドライバ500の二次側に合体されているが
図5a及び5bには明確に示されていない電圧保護回路について
図4を参照すれば、電圧保護回路44は、ツェナーダイオード46、シリコン制御整流器(SCR)48及び抵抗器50を含む。短絡が検出されると、ツェナーダイオード46が電気的に導通し、従って、SCR48をイネーブルし、LED100への出力電圧を減少させる。
【0071】
一連のLED照明ユニットを駆動する動作に関し、LEDドライバ10、500を以下に説明する。
【0072】
回路を動作するため、V
R(LEDドライバ10の場合)又はV
inP(LEDドライバ500の場合)に対する電圧値Nを発生するように可変抵抗器が調整され、ここで、値Nは、複数のLEDランプユニット100を駆動するためのほぼリップルのない最大の一定電流の発生に対応する電子スイッチ14、514のターンオン時間周期T
ONを調整するものである。調整N値の減少又は増加は、フィードバックに基づくもので、T
ON、Tに直接変化を生じさせ、従って、可変抵抗器V
Rに基づいてI
OUTを適宜に変化させ、LEDランプユニット100を暗くするか又は明るくする。
【0073】
式(1)から(3)の最適化のために、回路の式は、別の形態で表現されてもよい。
【数8】
但し、T
CALCは、誘導性素子の放電時間後に式を計算するための時間であり、電子スイッチのスイッチング時間周期は、T
ON、T
OFF及びT
CALCの和である。
【0074】
I
OUTの各調整サイクルにおいて、A及びBの値が比較される。
【0075】
AがBより大きく、即ちA>Bの場合には、次の時間周期Tについて、T
ONがT
ON−Nに調整される。
【0076】
AがBより小さく、即ちA<Bの場合には、T
ONがT
ON+Nに調整される。
【0077】
AがBに等しい状態では、T
ONの更新はなく、T
ONは不変である。
【0078】
ランプユニット100の数、及び希望の電流I
OUTに基づいて、ユーザは、次のように幾つかの重要な要素を変化させることにより設計上の最適化を遂行する。
・変成器11のインダクタンスL
1及びL
2;
・電子スイッチ14、514のスイッチング周波数、V
DSドレイン/ソース電圧、及びI
Dドレイン電流;
・キャパシタC
S及びダイオードD
Sの値。キャパシタC
Sにまたがる電圧がLED負荷100の電圧より高くなることを保証するように注意を払わねばならない。
【0079】
ダイオードの順方向電流I
F及び繰り返しピーク逆電圧V
RRMは、適当なダイオードD
Sの選択を考慮するためのパラメータである。
【0080】
前記要素が負荷仕様に同調されると、ICコントローラ18、518は、変成器11のコア(又は非分離型フライバック構成の誘導性素子)を経てLED負荷100へ放電されるエネルギーを検出し、そしてその期間を計算して、一定の出力電流を調整する。それ故、コントローラ18、518は、高電力LEDライト100に対して広範囲の負荷電圧及び一定電流に作用を及ぼすことができる。
【0081】
ここに述べる実施形態は、ほぼリップルのない一定のDC電流を複数の高電力LEDランプユニット100に与える。ここに述べる1ドライバ・対・多ランプの構成は、本出願人により「ストリング構成」と称される。
【0082】
任意の特徴として、ICコントローラ18、518は、更に、全照明コントロールシステムのための電源ライン、デジタルアドレス可能な照明インターフェイス(DALI)、ワイヤレスプロトコルのようなインテリジェントなコントロール手段と通信できるマルチポイントコントロールユニット(MCU)を備えている。
【0083】
ここに述べる実施形態は、単一LEDドライバ10、500の概念に基づいて、多数の高電力LEDランプユニット100を駆動し、各高電力LEDランプユニットには、高電力LEDのみからの熱を消散する形状及び構成にされたヒートシンクが設けられ、そして複数の高電力LEDランプユニットにほぼリップルのない一定のDC電流を与えるように構成された単一のドライバは、LEDランプユニット4ごとに1つのLEDドライバ4が必要とされる従来のMR16システムと比較される。この標準的なASICドライバ設計解決策は、一定の電流で駆動し、全照明システム内の一連の多数のLEDを駆動するための広範囲の融通性を与え、これによる利点は
図6に要約されている。
【0084】
図7は、高電力LED負荷100から測定されたI
OUTを示し、これは、リップルのない一定のDC電流の程度を表わしている。
【0085】
図4、5a及び5bに示す前記実施形態では、電流コントローラ(即ち、I
OUTを操作する)としてのICコントローラ実施、及び不連続モードで作用する変成器11、511について述べた。ASICベースのコントローラ18、518をプログラミングする柔軟性のために、4つの異なる組み合わせ及び/又はモードが次のように得られる。
A.電流コントロールではなく電圧コントロール;
B.T
OFFベースのフィードバック(又は監視)ではなく一次インダクタ電流フィードバックでの不連続モード;
C.T
OFFベースのフィードバック(又は監視)ではなく一次インダクタ電流フィードバックでの連続モード;及び
D.ヒステリシスコントローラのための連続モード。
【0086】
A.電流コントロールではなく電圧コントロール
電流コントロールではなく電圧コントロールを使用する場合に、式(3)は、次のように書き直される。
【数9】
【0087】
但し、V
OUTは、出力電圧である。L
1がL
2に等しい場合には、この式は、次のように変更される。
【数10】
【0088】
B.TOFFベースのフィードバック(又は監視)ではなく一次インダクタ電流フィードバックでの不連続モード
T
OFFベースのフィードバック(又は監視)ではなく一次インダクタ電流フィードバックでの不連続モードの場合に、ピーク電流I
MAXと、入力電圧V
INと、誘導性素子Lとの間の関係は、次のように数学的に表現される。
【数11】
式(6)を式(3)に代入すると、誘導性素子Lが、例えば、非分離型構成に使用される単一インダクタである場合には、次のようになり、
【数12】
誘導性素子Lが変成器であり、そしてL
1及びL
2が各々一次及び二次インダクタンスを表わす場合には、次のようになる。
【数13】
【0089】
式(7)又は(8)を適用する場合、
図4、5a及び5bに示す回路は、一次電流が、ASICコントローラにより、電子スイッチ14、514のソースから接地へ至る抵抗器を通して読み取られるか、或いは電子スイッチ14、514に直列な変流器又は順方向構造の場合にはフィルタインダクタを使用して読み取られるように変更される。
【0090】
C.TOFFベースのフィードバック(又は監視)ではなく一次インダクタ電流フィードバックでの連続モード
T
OFFベースのフィードバック(又は監視)ではなく一次インダクタ電流フィードバックでの連続モードの場合、整流器ダイオードシリーズを通してLEDへ流れる電流は、LEDの電流と同じであることが明らかである。
【0091】
連続モードでの電流の波形が
図9に示されている。所与のスイッチオン時間T
ONに対して、T
OFFが固定である場合には、ダイオードを横切る電流を次のように計算することができる。
【数14】
但し、T=T
ON+T
OFF+T
CALC;T
CALCは、変成器又はインダクタ素子の放電時間である。
【0092】
前記情報は、全て、一次誘導素子Lから得られる。特に、
図8に示す回路構成は、次のものを含む。
i.電子スイッチと直列の抵抗器;
ii.電子スイッチと直列の変流器;及び
iii.フィルタインダクタ。
【0093】
図8に示す回路構成体は、負荷を分離するための第1の変成器811を備えている。第1のインダクタ820は、ヒステリシスコントローラのインダクタと同様に使用される。
【0094】
出力電流I
OUTは、電子スイッチのソースに接続された抵抗器822からのフィードバックを経てコントロールされる。
【0095】
抵抗器822は、コントロールの目的ではなく保護の目的で使用される。インダクタ823及びダイオード824を含むリセット回路812は、順方向構造において、変成器から残留エネルギーを完全に放出するために使用される。これは、ある作用時間後にコアが飽和するのを防止するように働く。
【0096】
D.ヒステリシスコントローラのための連続モード
ヒステリシスコントローラの構造が
図10に示されている。実施については、I
MAX及びI
1の値が式(9)に基づいて固定され、そしてT
ON及びT
OFF時間が決定される。しかしながら、電流I
OUTは、図の下のエリアとなる。
【0097】
上述した連続モードは、非分離型フライバック又はフィードフォワード構成だけに特に適していることが明らかである。しかしながら、これは、必要とされる要素の最少個数を減少し、そして負荷キャパシタンスを必要とせずに、リップルのない電流を与えることができる。従って、コスト節約が達成される。
【0098】
ここに述べる実施形態では、減光器40は、従来のトライアック減光器ではなくエネルギー節約のためのSSL照明減光コントロール手段として使用される。減光器40は、照明が必要なときだけエネルギーを使用するように構成され且つそのように動作し、そうでなければ、照明が低い強度に自動的に減光されるか又は完全にスイッチオフされる(両方とも照明の完全なスイッチオンに比して節電となる)。
【0099】
図4、5a及び5bに示すように、ICコントローラは、良好な減光性能及びエネルギー節約のために減光器40に接続され、例えば、全照明の10%未満の照明出力のような低い減光レベルでは、エネルギー節約の目的を満足するために力率が0.9以上に維持される。
図4、5a及び5bには、減光器40が示されているが、当業者であれば、減光器40を分離型/非分離型構成の両方で示された回路に連続モード又は不連続モードで容易に合体できることが容易に明らかであろう。
【0100】
エネルギーの節約及び高い力率の維持の前記目的を満足するための減光器40の動作に関連した更なる説明を、
図15を参照して行う。
図15は、LEDドライバに使用するための減光回路であって、少なくとも1つの減光コントローラに接続するように動作する少なくとも1つの減光インターフェイスを含む減光回路と、減光回路内で少なくとも0.9の力率を維持するように調整できる容量性素子とを備えた別の実施形態を示す。
【0101】
図15に示すように、減光器40は、照明の減光コントロールのためにICコントローラ18、518のピンを含む減光インターフェイス1670とインターフェイスすることのできる種々の装置を備えている。
【0102】
電源がスイッチオンされると、整流器1516へ電流が流れて、ASICコントローラ18、518を含むスイッチング電源1600をターンオンする。リップルのない一定のDC出力電流の分離型又は非分離型供給源1610が設けられる。スイッチング電源1600は、分離型又は非分離型であり、その構成に基づいて誘導性素子1511が分離変成器となる。誘導性素子1511の出力は、分離型又は非分離型のリップルのない一定のDC出力電流1610をLED負荷1700に与えて、ライトをターンオンする。デフォールトにより、LED負荷1700は、電力がスイッチオフされなければ、ライトをターンオンするために100%のエネルギーを消費する。
【0103】
減光器40は、0−10Vの減光器1708である。減光器が10Vにセットされると、DC出力電流1610は、光出力を100%にセットし、減光器が5Vにセットされると、DC出力電流1610は、光出力を全光の50%にセットする。0Vでは、光が発生されない。
【0104】
リモート照明コントロールのために、赤外線(IR)リモートコントロール1711も使用される。そのような構成では、減光インターフェイスが適当なIR受信器を有して、IR送信器が信号を送信するときIR受信器がその信号をデコードしそして減光コントロールのために0−100%の範囲でPWMデューティサイクルを適宜発生することが要求される。デューティサイクルが100%にセットされるとき、DC出力電流1610は、光出力を100%にセットし、一方、IR送信器が50%デューティサイクルで送信するとき、DC出力電流1610は、全光出力の50%を送出する。IR送信器が0%デューティサイクルでPWM信号を送信する場合には、光が発生されない。
【0105】
別の形式の減光器は、モーションセンサ1712として実施される。モーションセンサ1712により検出される動きがないときには、DC出力電流1610は、減光のために出力電流を100%から20%にするか、又は出力電流をスイッチオフする。これは、モーションセンサ1712が動きを検出したときだけエネルギーが使用されることを意味する。
【0106】
別のオプションは、例えば、夜明けが近付いているとき周囲光センサ1714を使用して環境条件を検出することであり、DC出力電流1610は、出力電流をスイッチオフし、そしてライト1700をターンオフする。環境が日暮れに変わることを周囲光センサ1714が検出すると、DC出力電流1610は、出力電流を100%にスイッチオンする。
【0107】
0−100%のPWM出力デューティサイクルで設計された他の装置をLED照明減光コントロールのために減光インターフェイスに接続してもよいことが明らかである。減光インターフェイスは、種々の減光器(IRリモート、モーション、周囲、等)からの減光信号を検出し、そしてその入力減光信号を、減光コントロールのためにASICコントローラへのアナログ信号へ変換するための1つ以上のマイクロコントローラ装置を含む回路である。又、これは、他の実施形態で述べるASICコントローラ内に合体されてもよい。実施に関して、「減光インターフェイス」は、電源PCBにマウントされるか又は電源回路PCBに一体化される小型モジュールでもよい。
【0108】
キャパシタ1630は、力率に影響するコンポーネントである。減光回路が作動されると、スイッチング電源1600は、1630のキャパシタンスを自動的に充電して、力率を0.9以上に維持し、減光レベルがどれほど下がろうと、力率が常に0.9以上に留まるようにする。
【0109】
種々の実施形態による減光器の設計は、ユーザが、フリッカー現象を伴わずに、LED照明ユニットを元の駆動電流の1−2%程度の低いものへ減光できるようにする。
【0110】
本発明の別の実施形態によれば、前記実施形態で述べたLEDドライバ10、500に使用するための装置1100が提供される。
図11に示すように、装置1100は、LEDドライバ10、500とLED負荷100との間の中間コネクタである。この中間コネクタは、これ以降、「ジャンクションボックス」と称される。
【0111】
図11は、ジャンクションボックス1100のPCBA設計を示す。ジャンクションボックス1100は、次のことを達成するように配置された入力コネクタ1120及び複数の出力コネクタ1140を備えている。
a.高電力LEDランプ負荷100の設置容易性;
b.複数のLEDランプ100を直列に接続する効果、及び高電力LEDランプ100がブレークダウンした場合のシステム規模の開路問題を軽減;及び
c.設置中の共通のエラー、特に、電気的極性の逆転に関するエラーを軽減又は完全に排除。
【0112】
前記(b)項において、LED照明ユニット100の直列接続は、各ランプユニット100が厳密に同じ駆動電流で駆動されることを保証し、従って、各LED照明ユニット100は、同じ輝度を発生する。輝度が均一であることが重要な照明システムでは、並列接続より直列接続が好都合である。
【0113】
以上のことを達成するため、ジャンクションボックスは、逆極性保護装置1160及び開路保護装置1180を備えている。逆極性保護装置は、整流器1160であるのが好ましい。
【0114】
図11に示すように、9個の出力コネクタ1140がある。入力コネクタ1120は、ドライバの出力コネクタとインターフェイスするように配置され、そしてジャンクションボックスの出力コネクタ1140は、SSLドライバなし照明ユニットのストリップ端ケーブルを含むLED負荷100とインターフェイスするように配置される。
【0115】
入力コネクタ1120は、典型的に、ケーブル導入プラグインタイプであるLEDドライバ10、500の出力コネクタに結合するためのヘッダタイプコネクタである。出力コネクタ1140は、典型的に、ケーブル導入タイプのもので、LEDランプ100の電気コネクタ、例えば、ストリップ端SSLドライバなしケーブルタイプのコネクタをそこに挿入して閉じた電気的ループを形成できるものである。
【0116】
図12は、単一のLEDドライバ10、500、単一のジャンクションボックス1100、及びSSLドライバなし照明ユニット/負荷100を備えたランプシステムを示す。
【0117】
LEDドライバ10、500のケーブルプラグインタイプコネクタ1100は、入力コネクタ1120に接続され、そしてSSLドライバなし照明ユニットのストリップ端ケーブルは、出力コネクタ1140へ挿入され、電源がスイッチオンされたときに照明目的のための完全なネットワーク照明システムを形成する。
【0118】
図13は、2つのジャンクションボックス1100を伴う別の考えられる構成を示し、全システムは、単一ストリングドライバ10、500、二重ジャンクションボックス1100、及びSSLドライバなし照明ユニット100を備えている。
【0119】
有資格者により予め決定された望ましいドライバ出力電圧は、SSLドライバなし照明ユニット100の合計数を決定するか、或いは全てのSSLドライバなし照明ユニット100を予想される設計上のリップルなし一定電流で駆動するために全照明ネットワークに使用すべきジャンクションボックス1100の数を決定する。
【0120】
簡単な例として、ドライバ10、500の設計上の最大出力電圧定格が170VDCであり、そして照明システムに1つのジャンクションボックス1100しか存在しない場合には、各SSLドライバなし照明ユニットの順方向電圧が18.8VDC/ユニット(170VDC÷9ユニット)に制限される。2つのジャンクションボックス1100が使用される場合には、SSLドライバなし照明ユニットの順方向電圧が10VDC/ユニット(170VDC÷17ユニット)に制限される。
【0121】
図14は、入力コネクタと出力コネクタとの間の回路図を示すと共に、整流器1160及び開路保護回路1180の配置を示している。ブリッジ整流器1160は、逆極性保護として働き、設置中にドライバ10、500とジャンクションボックス1100との間に極性の問題が生じないようにする。設置者がミスを犯し、ランプユニット100を逆極性で接続した場合には、ブリッジ整流器1160の形態の逆極性保護装置がドライバ10、500及びジャンクションボックス1100をダメージから保護する。開路保護回路1180は、好ましくは、ツェナーダイオード1220、シリコン制御整流器(SCR)1240、及び抵抗器1260を各出力ポート1140に備えている。
【0122】
照明ユニット100には付加的な整流器が追加されてもよい。これは、次の問題に対処する。
【0123】
整流器1160は、ドライバ10、500とジャンクションボックス1100との間の逆極性保護を与えるが、特定の照明負荷100を正しく機能させるにはその特定の負荷を正しい極性で接続しなければならない。照明負荷100が逆極性で接続された場合には、システムが機能せず、従って、これを克服するために、照明ユニットは、逆極性保護を与える整流器を有していなければならない。
【0124】
いずれかの出力コネクタ1140に開路が生じたとき、及び/又は電圧がツェナーダイオード1220の指定の逆ブレークダウン電圧を越えて、ツェナーダイオード1220を逆バイアスモードで動作させるとき、シリコン制御整流器(SCR)1240がゲート端子でトリガーされ、シリコン制御整流器(SCR)1240に電流を通流させて、全照明システムのための閉ループを維持し、ネットワーク内に接続された他の照明ユニット100が規則的に動作を続けるようにする。抵抗器1260は、ツェナーダイオード1220の電流リミッタとして使用され、あまりに大きな電流がツェナーダイオード1220に流れるのを防止する。別の抵抗器1280が、開路保護回路と並列に且つ出力コネクタ1140と並列に接続される。
【0125】
開路保護装置1180とは別に又はそれに加えて、抵抗器1280は、ジャンパー/バイパス抵抗器として働くもので、負荷100が接続されない特定の出力コネクタ1140(1つ又は複数)に対して配備され、全照明システムの閉じたループを維持する。特定の出力コネクタ1140(1つ又は複数)に負荷が接続されることが永久的に想定されない場合には、その出力コネクタ(1つ又は複数)に接続された回路保護装置(1つ又は複数)を除去してもよい。
【0126】
従って、ジャンクションボックス1100は、直列接続から生じる前記欠点を克服するために設計され且つそのためにストリングドライバと一緒に実施される。
【0127】
動作技術仕様の例
LEDドライバ10、8ピン(低解像度)構成について推奨される動作技術仕様を以下にリストする。
動作電圧: USでは100〜120VAC;EUでは220〜240VAC
動作周波数: 50/60ヘルツ(Hz)
AC電流: USでは0.2アンペア(A);EUでは0.1A
インラッシュ電流: USでは最大許容4A;EUでは最大許容12A
漏れ電流: 0.7mA未満
効率(全負荷): 83%を越える
力率(全負荷): 0.98を越える
【0128】
120VAC(US)/230VAC(EU)入力;定格負荷及び25℃の周囲温度に基づく出力仕様(8ピン構成)を以下にリストする。
出力チャンネル: 1
出力電圧範囲: 12〜36VDC
出力電流: 600又は700mA
電流公差: ±5%
電流調整範囲: 調整不可
定格電力: 21.6W
MAX(600mAにおいて)、及び
25.2W
MAX(700mAにおいて)
【0129】
LEDドライバ10、500、14ピン構成について推奨される動作入力仕様を以下にリストする。
動作電圧: USでは100〜120VAC;EUでは220〜240VAC
動作周波数: 50/60ヘルツ(Hz)
AC電流: USでは1.3アンペア(A);EUでは0.6A
インラッシュ電流: USでは最大許容7A;EUでは最大許容30A
漏れ電流: 0.7mA未満
効率(全負荷): 86%を越える
力率(全負荷): 0.96を越える
【0130】
2つの出力チャンネルを有し、120VAC(US)/230VAC(EU)入力;定格負荷及び25℃の周囲温度に基づくLEDドライバ10、500、14ピン構成の出力仕様を以下にリストする。
出力チャンネル: 2
出力電圧範囲: 35〜85VDC(単一チャンネル)、合計70〜170VDC
出力電流: 600又は700mA
電流公差: ±5%
電流調整範囲: 調整不可
定格電力: 102W
MAX(600mAにおいて)、及び
119W
MAX(700mAにおいて)
【0131】
LEDドライバ10、500は、特に、0℃から40℃の温度範囲において、LEDダウンライト、トロッファーLED照明及びMR16に特に適している。
【0132】
更に、次のような効果も明らかである。
【0133】
a.LED照明ユニットに対する安全方法
LEDドライバ10、500は、分離型のDC構成で、DC駆動のLED照明ユニットでしか動作しないので、主電源から分離されて二次側にあるLED照明ユニット100に対してAC電流に関連した安全に関する問題は生じない。LEDドライバ10、500はLED照明ユニット100から分離されるので、内蔵構成の場合のように設計上のサイズ限界はなく、従って、LEDドライバ10、500は、安全要件に従って設計することができる。
【0134】
b.高い電気的効率
「ストリングドライバ」と称されるLEDドライバ10、500は、LED負荷ユニット100から分離され且つ連続動作中にLEDユニット100により放出される熱の影響を受けないので、熱的に低温の環境で動作する。これは、LEDドライバ10、500の熱損失を減少し、従って、動作中に消費される電力が少なく、効率の改善となる。各LEDランプがそれ自身のドライバを備え、それがAC主電源に直結される従来の構成と比べると、完全な照明システムのACドライバ照明ユニットに比して電力効率が著しく改善される。というのは、全電力損失が特定の単一のドライバのみに適用されるのに対し、AC駆動の照明ユニットが各照明の損失のために大きな合計電力損失を有することになるからである。
【0135】
c.高い効率(ルーメン/ワット)
関連効果として、ストリング構成は、LED装置の光学的損失を下げる低温の動作環境を与え、従って、LED装置によって示される高い光束が最終的に全照明システムの効率(ルーメン/ワット)を改善する。
【0136】
d.長寿命
ASICコントロールを使用するLEDドライバ10、500は、アルミニウム電解キャパシタのような短寿命コンポーネントの使用を排除し、LEDドライバ10、500の寿命を延長させる。LEDランプユニット100に関しては、熱的に低温で且つほぼリップルのない一定電流での動作が、LED装置の性能及び信頼性を著しく改善すると共に、LED装置100の全劣化進行を低速化し、最終的に、全LED照明ユニットの寿命を延ばす。
【0137】
e.広範囲の適応オプション
単一LEDドライバ10、500の柔軟な設計は、いかなるタイプのDC駆動LED照明ユニットにも適用でき、そして理論的に、上述した特定コンポーネントの僅かな微同調により全照明システムにおいて無制限の数のLEDを駆動することができる。
【0138】
f.費用効果の高い解決策
ストリングドライバ構成は、従来の構成が各LED照明に対して1つのドライバを要求したのに対して、単一のLEDドライバ10、500で一連のDC駆動LED照明ユニットを駆動できるので、費用効果の高い解決策である。更に、この解決策は、より競争力のある製造コスト、及び特にヒートシンクについて設計パーツコストも与える。
【0139】
g.保守の容易さ
単一LEDドライバ10、500は、LED照明ユニット100から分離されるので、そのLEDドライバ10、500の欠陥により照明システム内に故障が生じても、ユーザは、LED照明全体を分解するのではなく欠陥LEDドライバを交換するだけでよい(内蔵概念)。そのような保守プロセスは簡単であり、比較的短い期間内に完了することができる。
【0140】
h.フォームファクタの小型化
照明器具用のヒートシンクは、サイズが小さく、LED照明ユニット100により発生された熱だけを消散するように設計され、AC−DC LEDドライバから発生される熱は、それらの間の分離のために消散しない。又、単一のドライバは、一体的な概念に比してシステム全体に要求されるコンポーネントの数が少ないので最適なサイズで設計することができ、従って、使用する材料が少なく且つプレーナ変成器の導入により、かさばるフォームファクタの従来の変成器ではなく、ドライバのスリムな見掛けが更に向上される。
【0141】
LEDドライバ10、500は、各LEDランプユニットがそれ自身のAC/DCドライバを要求する従来のシステムに比して、要求するコンポーネントの数及びコンポーネントの繰り返しが少ないことが更に明らかである。従って、ドライバ解決策のフォームファクタが減少される。それに加えて、製造プロセスが簡単化されて、生産スループット及び周率が改善される。
【0142】
ストリング構成では、各LED照明ユニット100のヒートシンクフォームファクタが減少されることが更に明らかであろう。というのは、各ヒートシンクは、LED照明ユニット100により分散される熱だけを取り扱えばよいからである。これは、LEDドライバ10、500がLED照明ユニット100から分離されているためである。これは、材料の使用が少ないためにパーツコストについて有利である。更に、LED照明ユニット100及びLEDドライバ10、500の両設計活動を同時に実行できるので、全設計サイクルが更に短縮され、市場への生産時間の改善に通じる。
【0143】
ジャンクションボックス1100は、更に、ストリングドライバの概念に対して次のような付加的な効果も発揮する。
【0144】
a.エラーなしの設置
ジャンクションボックス1100は、エラーのない設置経験をエンドユーザに与えるように「フール・プルーフ」概念で設計される。全照明システムが予想通りに作用することを保証するためには設置中の極性が問題である。各ジャンクションボックスのブリッジ整流器がドライバ10、500及びSSLドライバなし照明ユニット100とのインターフェイスを与える状態では、設置中の偶発的な逆極性接続が否定される。照明システム内の照明ユニット100は、ドライバ10、500とSSLドライバなし照明ユニット100との間に連続性が存在する限り、極性を考慮しなくても、通常に動作する。更に、ドライバ出力とジャンクションボックス入力との間のインターフェイスにはヘッダ及びプラグインコネクタ設計が存在し、これは、ドライバ出力をジャンクションボックスの出力コネクタに接続するおそれを完全に排除する。
【0145】
b.設置の容易さ
ジャンクションボックス1100は、ドライバ10、500、及びSSLドライバなし照明ユニット100とインターフェイスするためのコネクタ設計を含む。従って、ユーザは、ストリップ端ケーブルを正しい又は専用のコネクタにプラグイン又は挿入するためにそれを容易に見つけることができる。更に、設置が簡単であるために、設置及びシステム設定に費やされる時間が短くなり、ひいては、コストも低下する。
【0146】
c.安全な設置
ジャンクションボックス1100にはDC電源しか存在しないので、設置のための安全な環境が作り出される。
【0147】
d.設置の融通性
ストリングドライバの概念は、設置中のワイヤ長さに制約がないので、ユーザは、自分の好みの設計及び/又はニーズに従ってSSLドライバなし照明ユニットを配置するという融通性がある。ユーザは、SSLドライバなし照明ユニット100の電気ワイヤを希望の長さに容易に延長し、例えば、アメリカン・ワイヤ・ゲージ(AWG)16〜24のような特定ワイヤ仕様での適用を満足させ、ジャンクションボックスの入力/出力コネクタ1120、1140に完全に一致させることができる。更に、ジャンクションボックスは、設置に付加的な融通性を与える2つ(又はおそらく多数)のジャンクションボックスリンケージをサポートするようにも設計される。
【0148】
e.保守容易性
この実施形態に述べるジャンクションボックスの特定の設計特徴は、ユーザ/設置者が欠陥ユニットを容易に識別でき、そしてストリング装置が直列接続で動作しているとしても従来の習慣で経験する必要な保守を実施できるようにする。
【0149】
f.信頼性のある接続
照明システム内の接続に使用される前記入力/出力接続1120、1140は、市場で広く使用されている従来のスクリュー締め付け方法に比して良好な接続を与えるワイヤエントリ又はラッチロックタイプのいずれかである。
【0150】
以上に述べた実施形態は、本発明を単に例示するものに過ぎず、当業者に明らかなように、更なる変更や改善も、ここに述べる本発明の広い範囲内に包含されると考えられる。更に、本発明の個々の実施形態について説明したが、本発明は、それら実施形態の種々の組み合わせも網羅することが意図される。