【実施例】
【0033】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0034】
(色素Aの合成)
4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)ベンズアルデヒドの合成
【0035】
【化4】
【0036】
反応容器に、4‐ブロモベンズアルデヒド(9.17g)、2‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)‐4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン(14.00g)、リン酸三カリウム(11.00g)、トルエン(150ml)と、ジクロロ[1,1‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(0.20g)を加えて撹拌し、70℃に加熱した。反応終了後、反応液をセライトに通し、ろ液を濃縮した。これをシリカゲルカラム(クロロホルム)で展開分離し、生成物(4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)ベンズアルデヒド、7.79g)を得た。
【0037】
5‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)‐10,15,20‐トリ[4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)フェニル]ポルフィリンの合成
【0038】
【化5】
【0039】
反応容器に、ピロール(0.92g)、4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)ベンズアルデヒド(2.79g)、テレフタルアルデヒド酸メチル(0.56g)、クロロホルム(130ml)とエタノール(0.5ml)を加え、約10℃に冷却した。そこへ、三フッ化ホウ素(0.47g)を滴下し、そのまま2時間撹拌した。この溶液に、2,3‐ジクロロ‐5,6‐ジシアノ‐1,4‐ベンゾキノン(2.32g)を加え、さらに1時間撹拌した。反応液をセライトとシリカゲルに通し、ろ液を濃縮して粗成生物を得た。これをシリカゲルカラム(クロロホルム/ヘキサン=3/2)により展開分離し、生成物(5‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)‐10,15,20‐トリ[4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)フェニル]ポルフィリン、0.34g)を得た。
【0040】
5‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)‐10,15,20‐トリ[4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)フェニル]ポルフィリン亜鉛(II)錯体の合成
【0041】
【化6】
【0042】
5‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)‐10,15,20‐トリ[4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)フェニル]ポルフィリン(0.33g)をクロロホルム(16.5ml)に溶解させた。そこへ、メタノール(6ml)に溶解させた酢酸亜鉛二水和物(0.62g)を滴下した。反応終了をTLCで確認後、水を加えて分液した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去し、粗成生物を得た。これをシリカゲルカラム(クロロホルム)で展開分離し、紫色生成物(5‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)‐10,15,20‐トリ[4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)フェニル]ポルフィリン亜鉛(II)錯体、0.33g)を得た。
【0043】
5‐(4‐カルボキシルフェニル)‐10,15,20‐トリ[4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)フェニル]ポルフィリン亜鉛(II)錯体の合成
【0044】
【化7】
【0045】
5‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)‐10,15,20‐トリ[4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)フェニル]ポルフィリン亜鉛(II)錯体(0.31g)をTHF(30ml)と水(7ml)に溶解させた。そこへ48%水酸化ナトリウム(0.70g)を加え、原料が無くなるまで約68℃で加熱した。反応終了後、THFを留去した。残渣に3%ギ酸水を加え、弱酸性にした。紫色沈殿物を回収して、紫色生成物(5‐(4‐カルボキシルフェニル)‐10,15,20‐トリ[4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)フェニル]ポルフィリン亜鉛(II)錯体、0.28g)を得た。
1H‐NMR(δ
H/ppm,THF,400MHz)0.96(t,9H),1.50‐1.40(m,18H),1.81(quin,6H),2.95(t,6H),6.92(d,3H),7.51(d,3H),8.00(d,6H),8.20(d,6H),8.31(d,2H),8.43(d,2H),8.84‐8.96(m,8H)
【0046】
(色素Bの合成)
2‐(4‐ヘキシルフェニル)‐4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロランの合成
【0047】
【化8】
【0048】
反応容器に、1‐ブロモ‐4‐ヘキシルベンゼン(10.00g)、ビス(ピナコレート)ジボラン(12.60g)、酢酸カリウム(12.13g)とDMF(200ml)を加えて撹拌した。そこへビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.61g)を投入して80℃に加温した。一晩加熱撹拌した後、クロロホルムと水を加えて分液洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去した。これをシリカゲルカラム(ヘキサン→ヘキサン/クロロホルム=1/2)で精製して、生成物(2‐(4‐ヘキシルフェニル)‐4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン、9.30g)を得た。
【0049】
5‐(4‐ヘキシルフェニル)チオフェン‐2‐カルバルデヒドの合成
【0050】
【化9】
【0051】
反応容器に2‐(4‐ヘキシルフェニル)‐4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン(5.10g)、5‐ブロモチオフェン‐2‐カルバルデヒド(4.07g)、10%炭酸ナトリウム水溶液(55ml)とジオキサン(60ml)を加えて撹拌した。そこへテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(598mg)を投入し、80℃に加温した。一晩加熱撹拌した後、クロロホルムと水を加えて分液洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去した。これをシリカゲルカラム(ヘキサン/クロロホルム=4/1→クロロホルム)で精製して、生成物(5‐(4‐ヘキシルフェニル)チオフェン‐2‐カルバルデヒド、4.70g)を得た。
【0052】
5,10,15‐トリ[5‐(4‐ヘキシルフェニル)チオフェン‐2‐イル]‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリンの合成
【0053】
【化10】
【0054】
ピロール(1.58g)、5‐(4‐ヘキシルフェニル)チオフェン‐2‐カルバルデヒド(4.80g)、テレフタルアルデヒド酸メチル(0.97g)をクロロホルム(180ml)とエタノール(3ml)に溶解させ、約10℃に冷却した。そこへ、三フッ化ホウ素(0.83g)を滴下し、そのまま2時間撹拌した。この溶液に、2,3‐ジクロロ‐5,6‐ジシアノ‐1,4‐ベンゾキノン(4.10g)を入れ、さらに1時間撹拌した。反応液をセライトとシリカゲルに通し、ろ液を濃縮して粗成生物を得た。これをシリカゲルカラム(クロロホルム)により展開分離し、生成物(5,10,15‐トリ[5‐(4‐ヘキシルフェニル)チオフェン‐2‐イル]‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン、0.50g)を得た。
【0055】
5,10,15‐トリ[5‐(4‐ヘキシルフェニル)チオフェン‐2‐イル]‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン亜鉛(II)錯体の合成
【0056】
【化11】
【0057】
5,10,15‐トリ[5‐(4‐ヘキシルフェニル)チオフェン‐2‐イル]‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン(0.50g)をクロロホルム(120ml)に溶解させた。そこへ、メタノール(60ml)に溶解させた酢酸亜鉛二水和物(0.70g)を滴下した。反応終了をTLCで確認後、水を加えて分液した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去し、粗成生物を得た。これをシリカゲルカラム(ヘキサン/クロロホルム=2/1)で展開分離し、紫色生成物(5,10,15‐トリ[5‐(4‐ヘキシルフェニル)チオフェン‐2‐イル]‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン亜鉛(II)錯体、0.40g)を得た。
【0058】
5,10,15‐トリ[5‐(4‐ヘキシルフェニル)チオフェン‐2‐イル]‐20‐(4‐カルボキシルフェニル)ポルフィリン亜鉛(II)錯体の合成
【0059】
【化12】
【0060】
5,10,15‐トリ[5‐(4‐ヘキシルフェニル)チオフェン‐2‐イル]‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン亜鉛(II)錯体(0.40g)をTHF(50ml)と水(30ml)に溶解させた。そこへ48%水酸化ナトリウム(3ml)を加え、約68℃で加熱した。反応終了後、THFを留去した。残渣に3%ギ酸水を加え、弱酸性にした。クロロホルムで抽出し、有機層を水洗した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて溶媒を留去した。これをシリカゲルカラム(クロロホルム→クロロホルム/酢酸エチル=4/1)で精製して、紫色生成物(5,10,15‐トリ[5‐(4‐ヘキシルフェニル)チオフェン‐2‐イル]‐20‐(4‐カルボキシルフェニル)ポルフィリン亜鉛(II)錯体、0.30g)を得た。
1H‐NMR(δ
H/ppm,CDCl
3,400MHz)0.92(t,9H),1.30‐1.42(m,18H),1.69(quin,6H),2.69(t,6H),7.31(d,6H),7.67(d,3H),7.79(d,6H),7.87(d,3H),8.36(d,2H),8.52(d,2H),8.91‐9.34(m,8H)
(比較例の合成)
比較例として、以下の化合物を合成した。
【0061】
【化13】
【0062】
(比較例1の合成)
5,10,15‐トリ(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリンの合成
【0063】
【化14】
【0064】
反応容器に、ピロール(2.73g)、2‐ホルミル‐5‐ヘキシルチオフェン(6.0g)、テレフタルアルデヒド酸メチル(1.67g)、クロロホルム(1500ml)とエタノール(6ml)を加え、約10℃に冷却した。そこへ、三フッ化ホウ素(1.45g)を滴下し、そのまま2時間撹拌した。この溶液に、2,3‐ジクロロ‐5,6‐ジシアノ‐1,4‐ベンゾキノン(6.94g)を加え、さらに1時間撹拌した。反応液をセライトとシリカゲルに通し、ろ液を濃縮して粗成生物を得た。これをシリカゲルカラム(クロロホルム/ヘキサン=3/1)により展開分離し、生成物(5,10,15‐トリ(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン、1.43g)を得た。
【0065】
5,10,15‐トリ(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)‐20‐(4‐カルボキシルフェニル)ポルフィリンの合成
【0066】
【化15】
【0067】
5,10,15‐トリ(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン(0.15g)をTHF(50ml)と水(10ml)に溶解させた。そこへ48%水酸化ナトリウム(1.50g)を加え、原料が無くなるまで約68℃で加熱した。反応終了後、THFを留去した。残渣に3%ギ酸水を加え、弱酸性にした。沈殿物を回収し、シリカゲルカラム(クロロホルム→クロロホルム/THF=5/1)で展開分離して、紫色生成物(5,10,15‐トリ(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)‐20‐(4‐カルボキシルフェニル)ポルフィリン、0.10g)を得た。
1H‐NMR(δ
H/ppm,CDCl
3,400MHz)0.98(t,9H),1.40‐1.50(m,12H),1.60(quin,6H),1.96(quin,6H),3.14(t,6H),7.17(d,3H),7.71(d,3H),8.35(d,2H),8.54(d,2H),8.78‐9.14(m,8H)
【0068】
(比較例2の合成)
5,10,15‐トリ(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン銅(II)錯体の合成
【0069】
【化16】
【0070】
5,10,15‐トリ(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン(0.53g)をクロロホルム(100ml)に溶解させた。そこへ、メタノール(40ml)に溶解させた酢酸銅(0.50g)を滴下した。反応終了をTLCで確認後、溶媒を留去し、粗成生物を得た。これをシリカゲルカラム(クロロホルム/ヘキサン=1/1)で展開分離し、紫色生成物(5,10,15‐トリ(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン銅(II)錯体、0.42g)を得た。
【0071】
5,10,15‐トリ(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)‐20‐(4‐カルボキシルフェニル)ポルフィリン銅(II)錯体の合成
【0072】
【化17】
【0073】
5,10,15‐トリ(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン銅(II)錯体(0.42g)をTHF(100ml)と水(10ml)に溶解させた。そこへ48%水酸化ナトリウム(1.50g)を加え、原料が無くなるまで約68℃で加熱した。反応終了後、THFを留去した。残渣に3%ギ酸水を加え、弱酸性にした。沈殿物を回収し、シリカゲルカラム(クロロホルム→クロロホルム/THF=5/1)で展開分離して、紫色生成物(5,10,15‐トリ(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)‐20‐(4‐カルボキシルフェニル)ポルフィリン銅(II)錯体、0.40g)を得た。
【0074】
(比較例3の合成)
5,10,15‐トリメシチル‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリンの合成
【0075】
【化18】
【0076】
反応容器に、ピロール(2.45g)、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド(4.06g)、テレフタルアルデヒド酸メチル(1.50g)、クロロホルム(540ml)とエタノール(7ml)を加え、約10℃に冷却した。そこへ、三フッ化ホウ素(1.43g)を滴下し、そのまま2時間撹拌した。この溶液に、2,3‐ジクロロ‐5,6‐ジシアノ‐1,4‐ベンゾキノン(6.22g)を加え、さらに1時間撹拌した。反応液をセライトとシリカゲルに通し、ろ液を濃縮して粗成生物を得た。これをシリカゲルカラム(クロロホルム/ヘキサン=3/2)により展開分離し、生成物(5,10,15‐トリメシチル‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン、1.13g)を得た。
【0077】
5,10,15‐トリメシチル‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン亜鉛(II)錯体の合成
【0078】
【化19】
【0079】
5,10,15‐トリメシチル‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン(0.60g)をクロロホルム(70ml)に溶解させた。そこへ、メタノール(20ml)に溶解させた酢酸亜鉛二水和物(1.98g)を滴下した。反応終了をTLCで確認後、水を加えて分液した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去し、粗成生物を得た。これをシリカゲルカラム(クロロホルム)で展開分離し、紫色生成物(5,10,15‐トリメシチル‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン亜鉛(II)錯体、0.60g)を得た。
【0080】
5,10,15‐トリメシチル‐20‐(4‐カルボキシルフェニル)ポルフィリン亜鉛(II)錯体の合成
【0081】
【化20】
【0082】
5,10,15‐トリメシチル‐20‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)ポルフィリン亜鉛(II)錯体(0.60g)をTHF(60ml)と水(20ml)に溶解させた。そこへ48%水酸化ナトリウム(2.0g)を加え、原料が無くなるまで約68℃で加熱した。反応終了後、THFを留去した。残渣に3%ギ酸水を加え、弱酸性にした。沈殿物を回収し、シリカゲルカラム(クロロホルム→クロロホルム/THF=5/1)で展開分離して、紫色生成物(5,10,15‐トリメシチル‐20‐(4‐カルボキシルフェニル)ポルフィリン亜鉛(II)錯体、0.45g)を得た。
1H‐NMR(δ
H/ppm,CDCl
3,400MHz)1.85(s,18H),2.64(s,9H),7.29(s,6H),8.37(s,2H),8.51(s,2H),8.78‐8.83(m,8H)
【0083】
(比較例4の合成)
5‐(4‐カルボキシルフェニル)‐10,15,20‐トリ[4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)フェニル]ポルフィリンの合成
【0084】
【化21】
【0085】
5‐(4‐メトキシカルボニルフェニル)‐10,15,20‐トリ[4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)フェニル]ポルフィリン(15mg)をTHF(10ml)と水(3ml)に溶解させた。そこへ48%水酸化ナトリウム(0.30g)を加え、約68℃で加熱した。反応終了後、THFを留去した。残渣に3%ギ酸水を加え、弱酸性にした。紫色沈殿物を回収し、シリカゲルカラム(クロロホルム→クロロホルム/THF=5/1)で展開分離して、紫色生成物(5‐(4‐カルボキシルフェニル)‐10,15,20‐トリ[4‐(5‐ヘキシルチオフェン‐2‐イル)フェニル]ポルフィリン、14mg)を得た。
1H‐NMR(δ
H/ppm,THF,400MHz)−2.65(s,2H),0.95(t,9H),1.40‐1.50(m,18H),1.81(quin,6H),2.94(t,6H),6.92(d,3H),7.51(d,3H),8.02(d,6H),8.21(d,6H),8.32(d,2H),8.46(d,2H),8.83‐8.94(m,8H)
【0086】
(紫外吸収スペクトルの測定)
上記合成例により調製した各種色素AおよびBならびに比較例1〜3について、それぞれDMF溶媒を用いて濃度0.015mMの溶液を調製し、分光光度計(SHIMADZU UVmini1240)を用いて吸収スペクトルを測定した。結果を
図2に示す。
(色素増感太陽電池の作製)
(1)以下の手順により、上記合成例により調製した各種色素AおよびBならびに比較例1〜3を用いた色素増感太陽電池を作製した。
【0087】
i. 基板(フッ素ドープ酸化スズ膜付ガラス板、35mm×33mm)上の1辺1cmの正方形面積部分にスクリーン印刷により酸化チタンペースト[触媒化成製PST−21NR]を膜厚8μmにスクリーン印刷し、乾燥後、その上にさらに酸化チタンペースト[触媒化成製PST−400C]を膜厚4μmにスクリーン印刷した。これを500℃で焼成することで、発電層を形成した。
【0088】
ii. 前記発電層を形成した電極を色素溶液[濃度:0.3mM、溶媒:アセトニトリル/t−ブタノール1/1(v/v)の混合溶媒]に40℃で2時間、浸漬することで、色素を前記発電層の酸化チタン上に担持させアノード電極を得た。
【0089】
iii. 上記アノード電極の発電層の周囲に接着剤を施し、このアノード電極と、別途用意した電解液注入孔を有するチオアセトアミドで処理した白金被覆チタン板(カソード電極)とを、該接着剤により接着し、両電極が50μm程度の一定間隔を置いて平行に配置されるようにした。
【0090】
iv. 次いで、電解液注入口より電解液を注入した。ここで、用いた電解液は、ヨウ素0.1M、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨウ化物0.8M、N−メチルベンゾイミダゾール0.5M、3−メトキシプロピオニトリルを溶媒とする溶液を用いた。
【0091】
v. 接着剤を用いて電解液注入孔を封止し、アノード電極上に端子取り出しのためのハンダを塗布して実験用セルを完成させた。
【0092】
(分光感度の測定)
作製した太陽電池セルの分光感度を分光感度測定装置(分光計器株式会社製CEP−2000)で測定した。結果を
図3に示す。また、これらの太陽電池セルの外観を
図4に示す。
【0093】
(性能試験)
AM1.5、 1SUN(100mW/cm
2)の照射条件下で、上記のとおり作製した太陽電池セルの初期光電変換効率を測定した。結果を表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
なお光電変換効率は下記式により計算した。
光電変換効率(%)=
100×[(短絡電流密度×開放電圧×曲線因子)/(照射太陽光エネルギー)]
上記表1のとおり、本発明の光増感色素を用いて作製した色素増感太陽電池は、高い光電変換効率を示し、かつ緑色のセルを提供することができた。