(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明をDLP(登録商標)方式のプロジェクタに適用した場合の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る投影環境を例示する。同図で1がプロジェクタである。プロジェクタ1は、例えばPCなどの図示しない外部機器を接続し、あるいはドキュメントファイルを格納したUSB(Universal Serial Bus)メモリを装着することで、画像投影すべき画像が入力可能となる。プロジェクタ1は、上記した画像信号に応じた投影画像PIをスクリーンに投影する。
【0012】
3はプロジェクタ1専用のポイントペンであり、プロジェクタ1とポイントペン3の間は例えばBluetooth(登録商標)技術により無線接続される。プロジェクタ1が投影する投影画像PIには、PCまたはUSB(Universal Serial Bus)メモリから提供される画像に加えて、位置検出用の画像が時分割で含まれている。
【0013】
ポイントペン3は内部にプロジェクタ1との通信系回路と、受光強度(輝度)から位置座標を算出する演算回路を備え、投影画像PI内の任意の位置をポイントとすることにより、そのポイント位置の輝度から位置座標を算出し、ポイント指示の座標情報としてプロジェクタ1に送信する。
【0014】
プロジェクタ1では、受信したポイントペン3の座標情報に基づいて、投影画像PI中にポイントマークPTの画像が重畳されるような画像信号を生成して投影する。
したがって、ポイントペン3を把持するユーザは、あたかもポイントペン3から直接ポイントマークPTの形状をした光が出射しているような感覚でポイントペン3を操作することができる。
【0015】
図2は上記プロジェクタ1の概略機能構成を示す図である。
入出力部11は、例えばビデオ入力端子、RGB入力端子、VGA端子、USB端子などにより構成される。入出力部11に入力された画像信号は、必要に応じてデジタル化された後に、システムバスSBを介して画像変換部12に送られる。
【0016】
画像変換部12は、スケーラとも称され、入力される画像データを投影に適した所定のフォーマットの画像データに統一して投影処理部13へ送る。
【0017】
この際、上記ポイントマークPTを含むOSD(On Screen Display)用の各種動作状態を示すシンボル等のデータも必要に応じて画像変換部12が画像データに重畳加工し、加工後の画像データを投影処理部13へ送る。
【0018】
投影処理部13は、送られてきた画像データに応じて、所定のフォーマットに従ったフレームレート、例えば120[フレーム/秒]と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により、空間的光変調素子であるマイクロミラー素子14を表示するべく駆動する。
【0019】
このマイクロミラー素子14は、当該マイクロミラー素子の有効画素領域にアレイ状に配列された複数、例えばWXGA(Wide eXtended Graphic Array)(横1280画素×縦800画素)分の微小ミラーの各傾斜角度を個々に高速でオン/オフ動作して画像を表示することで、その反射光により光像を形成する。
【0020】
このときマイクロミラー素子14で表示する画像には、ポイントペン3のポイント位置検出用画像が上記入出力部11で入力された画像信号に応じた画像に代えて、時分割で、適宜頻度で含まれる。
【0021】
一方で、光源部15から時分割でR,G,Bの原色光を含む複数色の光が循環的に時分割で順次出射される。この光源部15からの光が、ミラー16で全反射して上記マイクロミラー素子14に照射される。
【0022】
そして、マイクロミラー素子14での反射光で光源光の色に応じた光像が形成され、形成された光像が投影レンズ部17を介して、投影対象となるここでは図示しないスクリーンに投影表示される。
【0023】
上記各回路の動作すべてをCPU18が制御する。このCPU18は、メインメモリ19及びプログラムメモリ20と直接接続される。メインメモリ19は、例えばSRAMで構成され、CPU18のワークメモリとして機能する。プログラムメモリ20は、電気的に書換え可能な不揮発性メモリで構成され、CPU18が実行する動作プログラムや各種定型データ等を記憶する。CPU18は、上記メインメモリ19及びプログラムメモリ20を用いて、このプロジェクタ1内の制御動作を統括して実行する。
【0024】
上記CPU18は、操作部21からのキー操作信号に応じて各種投影動作を実行する。この操作部21は、プロジェクタ1の本体に設けられるキー操作部と、このプロジェクタ1専用の図示しないリモートコントローラからの赤外光を受光する赤外線受光部とを含み、ユーザが本体のキー操作部またはリモートコントローラで操作したキーに基づくキー操作信号をCPU18へ直接出力する。
【0025】
プロジェクタ1本体のキー操作部及び専用のリモートコントローラにはいずれも、メニュー項目を選択して各種詳細設定を行なうための「menu」キーと、後述するが、画像の表示形態を変更するための専用キーである「表示選択」キーが備えられるものとする。
【0026】
上記CPU18はさらに、上記システムバスSBを介して音声処理部22、ポインタ通信部23とも接続される。音声処理部22は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ部24を駆動して拡声放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。
ポインタ通信部23は、アンテナ25を介して上記ポイントペン3と無線接続し、ポイントペン3に対して座標情報の取得タイミングを指示するコマンドを送信する一方で、該送信に応答してポイントペン3から送られてくる座標情報やポイントペン3に備えられる各種キーの操作信号等を受信して上記CPU18へ送出する。
【0027】
次に
図3により上記ポイントペン3の機能構成を説明する。
ポイントペン3の先端に受光レンズ系31が組込まれており、この受光レンズ系31の合焦位置に受光素子として例えばフォトトランジスタ32が配置される。フォトトランジスタ32の出力信号はA/D変換部33でデジタル化された後に復調部34を介して座標算出部35に送られる。
【0028】
座標算出部35は、復調部34の出力から投影画像PIにおけるポイントペン3のポイント位置を表す位置座標の算出とチェック等を行ない、その算出結果を、バスBを介してCPU36へ出力する。
【0029】
CPU36は、上記A/D変換部33、復調部34、及び座標算出部35とこのポイントペン3全体に係る制御動作を司るもので、メインメモリ37及びプログラムメモリ38が直接接続される。メインメモリ37は、CPU36のワークメモリとして機能する。プログラムメモリ38は、CPU36が実行する動作プログラムや各種定型データを記憶する。CPU36は、上記メインメモリ37及びプログラムメモリ38を用いて、このポイントペン3内の制御動作を実行する。
【0030】
このCPU36に対してさらに、クリックキー部39からキー操作信号が入力される。クリックキー部39は、例えばポイントペン3の軸方向に沿って配設された、2つのクリックキーそれぞれの操作信号をCPU36に出力する。
【0031】
ここでクリックキー部39を構成する2つのクリックキーは、例えば
図1に示すように、ポイントペン3の先端側に位置する、より操作面積が大きなクリックキー3a(マウスポインタの左クリックキーに相当する)と、そのキーに隣接して後方側に位置する、比較的小さなクリックキー3b(マウスポインタの右クリックキーに相当する)とからなるものとする。
【0032】
さらに上記CPU36は、バスBを介してプロジェクタ通信部40とも接続される。このプロジェクタ通信部40は、アンテナ41を介して上記プロジェクタ1と無線接続し、指定されたタイミングで取得した上記座標情報やクリックキー部39の操作信号を送信する。
【0033】
次に上記実施形態の動作について説明する。
図4は、上記
図1に示したような投影環境下で、入力される画像信号を投影するプロジェクタ1内において、CPU18が実行する、主として画像が投影される範囲である投影範囲(表示範囲)の設定に関するプログラムの処理内容を示す。
【0034】
図示する如く当該プログラムでは、その時点で設定されている投影範囲の形状にしたがって、CPU18が入出力部11より入力される画像信号に応じた投影動作を実行しながら(ステップS101)、操作部21からのキー入力信号により「menu」キーの選択操作がなされたか否かを判断する(ステップS102)。
【0035】
ここで、「menu」キーの選択操作がなされていないと判断した場合、CPU18は次にその時点で設定されている投影範囲の形状に合わせて、後に詳述する、入力される画像の表示形態を変更させるための「表示選択」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS103)。
【0036】
この「表示選択」キーも操作されていないと判断した場合、CPU18は上記ステップS101からの処理に戻る。尚、このフローを辿った場合、入力される画像の表示形態については、現在の設定を維持したままで投影される。 こうしてステップS101〜S103の処理を繰返し実行することで、その時点に入出力部11より入力されている画像信号に応じた投影動作を実行しながら、「menu」キーまたは「表示選択」キーが操作されるのを待機する。
【0037】
なお、上記「menu」キー及び「表示選択」キーの操作に関しては、上述した如く操作部21においてプロジェクタ1本体のキー操作部及び専用のリモートコントローラによるキー操作信号を受付けるものとしてもよいし、さらにはポイントペン3のクリックキー3bを操作することで、投影画像PI中の一部に「menu」「表示選択」を含む複数の項目名を投影させ、その後のポイント動作とクリックキー3a操作に応じていずれかを選択するものとしてもよい。
【0038】
しかして「menu」キーが操作された場合、CPU18は上記ステップS102でそれを判断し、キー操作に応答して、それまで投影していた入力画像に代えてメインメニューの画像をプログラムメモリ20から読出し、当該画像をマイクロミラー素子14で表示して投影レンズ部17より投影させる(ステップS104)。
【0039】
このメインメニューの画面を投影した状態から、さらにサブメニュー中の「投影範囲」項目が選択されるのを待機する(ステップS105)。
【0040】
そして上記「投影範囲」項目が選択されると、CPU18はその選択操作に対応して、選択可能な「形状設定項目」をプログラムメモリ20から読出してその一覧画面を投影させる(ステップS106)。
【0041】
図5は、このとき投影画像PIの一部で投影される、投影範囲の形状の一覧画面SWを例示する図である。同図に示すように本実施形態では、投影画像PIの形状を「四角形」「円形」「楕円形」「2点対角設定」及び「n点設定」の候補中から任意に選択可能であるものとする。
【0042】
ここで「四角形」は、この
図5において示す投影画像PIの形状そのものであり、マイクロミラー素子14の表示面積を最大限に利用し、画像非投影部分を設けない。なお、本図では、現在選択中の投影範囲の形状が「四角形」であることを示すべく、本項目を波線で囲って他と識別するように表現している。
【0043】
「円形」は、現在の投影画像PI内の任意位置を中心点として可能な範囲内で必要により半径の大きさを選択して円形の範囲内のみを投影範囲とし、それ以外の範囲をミューティングする。本実施形態では、ポイントマークPTが近設しているために本項目「円形」を仮選択しているものとする。
【0044】
「楕円形」は、現在の投影画像PI内の任意位置を中心点として可能な範囲内で楕円形の範囲内のみを投影範囲とし、それ以外の範囲をミューティングする。中心位置のみならず、短軸及び長軸もユーザにより設定可能であるものとする。
【0045】
「2点対角設定」は、現在の投影画像PI内の任意の2点位置を対角位置とするような四角形の範囲内のみを投影範囲とし、それ以外の範囲をミューティングする。
【0046】
「n点設定」は、現在の投影画像PI内の任意複数のn点(n:3以上の自然数)を頂点とするn角形の範囲内のみを投影範囲とし、それ以外の範囲をミューティングする。
【0047】
CPU18は、上記
図5に示したように投影範囲の形状の一覧画面SWを投影した状態からいずれかの形状が選択されるのを、ポイントペン3のクリックキー3aが操作されるまで待機する(ステップS107)。
【0048】
なお、一覧画面SWを投影した状態からいずれかの形状を選択するかは、例えば、プロジェクタ1本体のキー操作部または専用のリモートコントローラに設けられる十字キー等の操作を受付けることにより、ユーザの意図にしたがった形状の選択を受付けるものであってもよい。
【0049】
そしていずれかの形状が選択された場合、ステップS107でそれを判断したCPU18は、次いでその選択された形状について、さらに付随して設定すべき項目があるか否かを判断する(ステップS108)。
【0050】
ここで付随して設定すべき項目があると判断した場合にのみ、CPU18はその付随した他の項目をユーザの操作に応じて設定する処理を実行する(ステップS109)。
【0051】
図6は、上記「円形」形状を選択した場合の設定例を示す。この
図6では、投影範囲PR内のほぼ中央に中心点Oを設定した状態を示すもので、中心位置設定後は、付随して設定項目として、設定した中心点O位置(設定位置)に基づき、拡大と縮小を順次繰返すように円形の投影範囲PRを一定周期で変化させた上で、ポイントペン3のクリックキー3aの操作があった時点での半径の大きさの投影範囲PRを設定する。
【0052】
なお、中止位置はポイントペン3により指定するものであっても良いし、プロジェクタ1本体のキー操作部または専用のリモートコントローラに設けた十字キー等の操作を受付けることにより、投影中の画像にポインタ画像を重畳させて、このポインタ画像をユーザの意図に応じて操作できるものとしても良い。
【0053】
図7は、上記「2点対角設定」形状を選択した場合の設定例を示す。ここでは、本来の矩形の投影画像PI内の任意の2点位置(設定位置)を対角位置とするような四角形の範囲内のみを投影範囲とし、最初の一点P11でポイントペン3のクリックキー3aをクリックし、クリックキー3aを操作したままのドラッグ状態で任意の点位置P12まで移動させ、所望の点位置に達した時点でクリックキー3aの操作を解除することで、点P11,P12を対角線とする矩形の投影範囲PRが設定できる。
【0054】
なお、2点位置はポイントペン3により指定するものであっても良いし、プロジェクタ1本体のキー操作部または専用のリモートコントローラに設けた十字キー等の操作を受け付けることにより、投影中の画像にポインタ画像を重畳させて、このポインタ画像をユーザの意図に応じて指定できるものとしても良い。
【0055】
図8は、上記「n点設定」形状を選択した場合の設定例を示す。ここでは、本来の矩形の投影画像PI内の任意のn点位置(設置位置)をそれぞれ頂点とするようなn角形の範囲内のみを投影範囲としている。
【0056】
最初の一点P21から3番目の点P23までをそれぞれポイントペン3のクリックキー3aの操作で指定した時点で投影範囲PRが現出し、以後4点目P24、5点目P25を順次指定することに投影範囲PRの範囲を広めることができる。
【0057】
全点位置を指定した状態でクリックキー3aを長押し、あるいはクリックキー3bを操作することにより設定終了となる。
【0058】
なお、n点位置はポイントペン3により指定するものであっても良いし、プロジェクタ1本体のキー操作部または専用のリモートコントローラに設けた十字キー等の操作を受付けることにより、投影中の画像にポインタ画像を重畳させて、このポインタ画像をユーザの意図に応じて指定できるものとしても良い。
【0059】
上記のように選択した形状により必要に応じて付随項目の設定を終了した後、投影範囲PR以外の画像を投影しないようにして新たな投影範囲PRでの投影を開始した上で(ステップS110)、上記ステップS101からの処理に戻る。そして、この上述した処理の流れを辿って投影した場合、入力される画像の表示形態は、投影範囲PRに合わせて画像を変形させない表示形態となる。
【0060】
また上記ステップS103で「表示選択」キーが操作されたと判断した場合、CPU18はその時点ですでに、投影範囲PRに合わせて画像の表示形態が影範囲PRに合わせて画像を変形しているか否かを判断する(ステップS111)。
【0061】
ここですでに画像の表示形態が投影範囲PRに合わせて画像を変形していると判断した場合、CPU18はその表示形態の設定を解除し、その時点で設定されている投影範囲PRの範囲から外れる画像非投影部分の画像は投影しないように設定した上で、すなわち上述した表示形態の初期設定に設定を戻した上で(ステップS112)、再び上記ステップS101からの処理に戻る。
【0062】
投影させる画像を歪ませたくない場合には、この画像変形を選択するとよい。この処理の流れを辿った場合、入力される画像の表示形態は必ず投影範囲PRに合わせて画像を変形させない表示形態となる。
【0063】
また上記ステップS111で、その時点ではまだ画像の表示形態の変形が投影範囲PRに合わせて画像を変形していないと判断した場合、CPU18はあらためて入力されている画像の表示形態を変更する。すなわち、その時点で設定されている投影範囲PR内で、入力される画像信号に応じた内容を全て表現するべく、画像変更の設定として対応する画像信号の変形式をプログラムメモリ20から読出し(ステップS113)、読出した変形式に基づいて設定されている形状の投影範囲PRでの投影を開始した上で(ステップS114)、上記ステップS101からの処理に戻る。
【0064】
この処理の流れを辿った場合、入力される画像の表示形態は必ず投影範囲PR内で、入力される画像信号に応じた内容を全て表現するようになる。
【0065】
なお、ここで説明した画像の表示形態は、設定されている投影範囲PR内で、入力される画像信号に応じた内容を全て表現するので、投影させたい画像を歪ませることとなる。このように、画像を歪ませても良いから、入力される画像信号に応じた内容を全て投影したい場合にはこの画像の表示形態を選択するとよい。
【0066】
以上詳述した如く本実施形態によれば、専用のポイントペン3を用いて非常に簡易な操作により投影画像の形状を設定することが可能となる。
【0067】
また上記実施形態では、例えば四角形の対角位置を示す2点をポイントペン3の操作で指定するなど、既定の形状に関してその投影範囲を示す位置座標を合わせて指定することで、容易に所望する形状の位置指定を実行できる。
【0068】
さらに上記実施形態では、投影範囲の形状の「n点設定」で示したように投影範囲の形状を規定するn(n:3以上の自然数)個の頂点の位置座標を指定することで、それらを頂点とした任意多角形の投影範囲を設定できるため、形状が特雑な投影対象、例えば雪を被った樹木のシルエットに合わせてスクリーンとして設定する場合などでも、設定に要する操作を簡略化できる。
【0069】
また、入力した画像信号に対して上記指定した投影範囲の形状を外れる範囲の画像は投影しないか、あるいは入力した画像信号を上記指定した投影範囲の形状内で全て表現できるように変形させるか、その何れか一方を選択可能としても良く、そのような動作を可能とすることで、より多彩な表現に基づく投影を実現できる。
【0070】
加えて上記実施形態では、例えば投影範囲の形状の「円形」で説明したように、中心位置を指定した後、選択した投影範囲の形状のままで随時拡大または縮小する投影範囲PRに対し、所望する大きさとなった時点で必要な操作を行なうことで、大きさの変化を止めて投影範囲PRを設定することができるようにしたので、視覚的にも理解し易い操作で容易に所望する投影範囲PRを設定できる。
【0071】
なお上記実施形態では、ユーザが任意に投影範囲の形状を選択して設定するものとして説明したが、投影範囲の形状が時間の経過と共にランダムに変化するような動作とし、その投影範囲の形状変化の時間等を任意に設定可能としても良い。
【0072】
例えば、投影範囲の形状の一覧画面SWに「ランダム投影」という項目を作り、その「ランダム投影」の項目が選択されたら、ユーザが予め決めておいた投影プログラムにしたがって、投影範囲の形状が時間の経過と共にランダムに変化するような動作を設定可能としても良い。
【0073】
具体的には、「ランダム投影」の項目が選択されたら、まず
図6で示した投影範囲の形状で投影し、5分後には
図7で示した投影範囲の形状で投影し、その7分後には
図8で示した投影範囲の形状で投影する、等が考えられる。
【0074】
また、表示形態の変形が時間の経過と共にランダムに変化するような構成としても良い。
【0075】
このような項目を設定可能とすることで、投影形態の多様化を実現できる。
【0076】
また、例えば投影範囲の形状の一覧画面SWに「記憶形状」という項目を作り、その「記憶形状」の項目が選択されたら、以前にユーザが設定した投影範囲の形状を読出すことができるような構成にしても良い。
【0077】
また上記実施形態では、ポイントペン3を用いて投影した画像から得られる位置座標を検出可能とし、投影範囲の形状の指定を行なうようにしたので、ユーザの操作性を向上して、より直感的な操作環境を実現できる。
【0078】
なお本実施形態では、本発明を画像を投影するプロジェクタに適用した場合について説明したが、その他にも本発明を画像を表示するテレビやスマートフォン、PC、デジタルフォトフレームなどの表示制御装置、あるいは画像を印字するプリンタなどに利用しても良いことは勿論である。
【0079】
また、上記実施形態に示した投影範囲の形状以外にも、例えば選択できる形として、星型や、三角形、六角形、等種々の形を設定していてもよい。
【0080】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0081】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
請求項1記載の発明は、画像信号を入力する入力手段と、上記入力手段で入力した画像信号に応じた画像を形成して表示する画像表示手段と、上記画像表示手段で表示する画像の表示範囲の形状を、複数種類の図形形状の中から指定する指定手段と、上記指定手段で指定した表示範囲の形状に対応して、上記画像表示手段で形成する画像を補正する画像補正手段と、上記画像補正手段で補正した画像を上記画像表示手段で表示させる表示制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0082】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記指定手段は、上記表示範囲の形状を円形、楕円形または正多角形の中から指定することを特徴とする。
【0083】
請求項3記載の発明は、上記゛いぬ記載の発明において、上記指定手段は、上記表示範囲の形状を円形または楕円形と指定し、上記表示範囲の中心位置を指定することを特徴とする。
【0084】
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、上記表示制御手段は、上記指定手段で指定した中心位置に基づいて表示範囲の大きさを順次変化させ、変化の停止を指示する操作を受付けた時点で表示範囲を確定することを特徴とする。
【0085】
請求項5記載の発明は、画像信号を入力する入力手段と、上記入力手段で入力した画像信号に応じた画像を形成する画像表示手段と、上記画像表示手段で表示する画像の表示範囲の形状を、位置座標を指示することで指定する指定手段と、上記指定手段で指定した表示範囲の形状に対応して、上記画像表示手段で形成する画像を補正する画像補正手段と、上記画像補正手段で補正した画像を上記画像表示手段で表示させる表示制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0086】
請求項6記載の発明は、上記請求項5記載の発明において、上記指定手段は、上記表示範囲を示す位置座標を指定することで、矩形または多角形の表示範囲を指定することを特徴とする。
【0087】
請求項7記載の発明は、上記請求項5または6記載の発明において、上記指定手段は、上記表示範囲の形状を規定するn(n:3以上の自然数)個の頂点の位置座標を指示することで、n角形の表示範囲を指定することを特徴とする。
【0088】
請求項8記載の発明は、上記請求項1乃至7何れか記載の発明において、上記指定手段は、画像の表示形態を合わせて指定し、上記画像補正手段は、上記指定手段での画像の表示形態の指定に基づき、上記入力手段で入力した画像信号に応じた画像のうち上記表示範囲を外れる画像は表示しないか、または上記表示範囲の形状内で、上記入力手段で入力した画像信号に応じた画像を全て表現するべく、当該画像を補正することを特徴とする。
【0089】
請求項9記載の発明は、上記請求項1乃至8何れか記載の発明において、上記指定手段は、表示順序を合わせて指定し、上記画像補正手段は、上記指定手段で指定した表示順序に基づいて、表示範囲の形状を時間の経過と共に変化させることを特徴とする。
【0090】
請求項10記載の発明は、上記請求項1乃至8何れか記載の発明において、上記指定手段は、上記表示手段で表示した画像から得られる位置座標の情報を受付け、受付けた位置座標の情報により上記表示範囲の形状を指定することを特徴とする。
【0091】
請求項11記載の発明は、画像信号を入力する入力部、及び上記入力部で入力した画像信号に応じた画像を形成して表示する画像表示部を備えた装置での表示制御方法であって、上記画像表示部で表示する画像の表示範囲の形状を、複数種類の図形形状の中から指定する指定工程と、上記指定工程で指定した表示範囲の形状に対応して、上記画像表示部で形成する画像を補正する画像補正工程と、上記画像補正工程で補正した画像を上記画像表示部で表示させる表示制御工程とを有したことを特徴とする。
【0092】
請求項12記載の発明は、画像信号を入力する入力部、及び上記入力部で入力した画像信号に応じた画像を形成する画像表示部を備えた装置での表示制御方法であって、上記画像表示部で表示する画像の表示範囲の形状を、位置座標を指示することで指定する指定工程と、上記指定工程で指定した表示範囲の形状に対応して、上記画像表示部で形成する画像を補正する画像補正工程と、上記画像補正工程で補正した画像を上記画像表示部で表示させる表示制御工程とを有したことを特徴とする。
【0093】
請求項13記載の発明は、画像信号を入力する入力部、及び上記入力部で入力した画像信号に応じた画像を形成して表示する画像表示部を備えた装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、上記コンピュータを、上記画像表示部で表示する画像の表示範囲の形状を、複数種類の図形形状の中から指定する指定手段、上記指定手段で指定した表示範囲の形状に対応して、上記画像表示部で形成する画像を補正する画像補正手段、及び上記画像補正手段で補正した画像を上記画像表示部で表示させる表示制御手段として機能させることを特徴とする。
【0094】
請求項14記載の発明は、画像信号を入力する入力部、及び上記入力部で入力した画像信号に応じた画像を形成して表示する画像表示部を備えた装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、上記コンピュータを、上記画像表示部で表示する画像の表示範囲の形状を、位置座標を指示することで指定する指定手段、上記指定手段で指定した表示範囲の形状に対応して、上記画像表示部で形成する画像を補正する画像補正手段、及び上記画像補正手段で補正した画像を上記画像表示部で表示させる表示制御手段として機能させることを特徴とする。