特許第6028403号(P6028403)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6028403電源装置、プログラム、制御方法、電源管理装置および電源管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6028403
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】電源装置、プログラム、制御方法、電源管理装置および電源管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/30 20060101AFI20161107BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20161107BHJP
   G06F 1/28 20060101ALI20161107BHJP
   G06F 9/46 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   G06F1/30 K
   G06F1/26 Z
   G06F1/28 C
   G06F9/46 350
【請求項の数】7
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-131516(P2012-131516)
(22)【出願日】2012年6月11日
(65)【公開番号】特開2013-257606(P2013-257606A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】岩田 哲希
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−093842(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0102492(US,A1)
【文献】 特開2009−252056(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0259345(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/30
G06F 1/26
G06F 1/28
G06F 9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想管理サーバによって制御される仮想マシンをエミュレートする仮想ホストコンピュータに電力を供給する電源装置であって、
当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンの電源情報とを対応づけた仮想マシン電源管理データを記憶する記憶装置と、
仮想管理サーバによって、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンが、ほかの電源装置が電力を供給する移行先の仮想ホストコンピュータに移行した場合、前記仮想マシン電源管理データから、移行した仮想マシンの電源情報を抽出して、前記ほかの電源装置に移行する仮想マシン電源データ移行手段
を備え
前記記憶装置は、前記仮想マシンを稼働するために、当該電源装置が電力を供給可能な条件のデータである電源設定ポリシーデータをさらに記憶し、
前記仮想マシン電源データ移行手段は、移行により新たな仮想マシンをエミュレートする場合、当該新たな仮想マシンの電源情報を取得して、前記仮想マシン電源管理データに記憶し、
前記新たな仮想マシンの電源情報が、前記電源設定ポリシーデータの条件を満たすか否かを判定し、一致しない場合、アラータを通知する電源設定ポリシー確認手段をさらに備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記電源情報は、前記仮想マシンがシャットダウンの開始を待機する停止遅延時間と、前記仮想マシンのシャットダウンに要するシャットダウン時間を含み、
前記電源設定ポリシーデータは、前記ほかの電源装置が電力を供給可能なバックアップ可能時間内に、前記仮想ホストコンピュータおよび前記仮想マシンのシャットダウンが完了することを要する条件を含み、
前記電源設定ポリシー確認手段は、前記仮想マシン電源管理データから、前記移行先の仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンについて、停止遅延時間とシャットダウン時間の和の最大値を取得し、取得した最大値と、前記移行先の仮想ホストコンピュータのシャットダウンに要する時間との和が、前記バックアップ可能時間より大きい場合、アラータを通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
仮想管理サーバによって制御される仮想マシンをエミュレートする仮想ホストコンピュータに、電力を供給する電源装置に用いられるプログラムであって、
当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンの電源情報とを対応づけた仮想マシン電源管理データを記憶装置に記憶するステップと、
仮想管理サーバによって、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンが、ほかの電源装置が電力を供給する移行先の仮想ホストコンピュータに移行した場合、前記仮想マシン電源管理データから、移行した仮想マシンの電源情報を抽出して、前記ほかの電源装置に移行するステップとを、
前記電源装置が内蔵するコンピュータに実行させ
前記記憶装置は、前記仮想マシンを稼働するために、当該電源装置が電力を供給可能な条件のデータである電源設定ポリシーデータをさらに記憶し、
前記移行するステップは、移行により新たな仮想マシンをエミュレートする場合、当該新たな仮想マシンの電源情報を取得して、前記仮想マシン電源管理データに記憶し、
前記新たな仮想マシンの電源情報が、前記電源設定ポリシーデータの条件を満たすか否かを判定し、一致しない場合、アラータを通知するステップをさらに前記電源装置が内蔵するコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
仮想管理サーバによって制御される仮想マシンをエミュレートする仮想ホストコンピュータに、電力を供給する電源装置に用いられる制御方法であって、
当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンの電源情報とを対応づけた仮想マシン電源管理データを記憶するステップと、
仮想管理サーバによって、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンが、ほかの電源装置が電力を供給する移行先の仮想ホストコンピュータに移行した場合、前記仮想マシン電源管理データから、移行した仮想マシンの電源情報を抽出して、前記ほかの電源装置に移行するステップ
を備え、
前記記憶するステップは、前記仮想マシンを稼働するために、当該電源装置が電力を供給可能な条件のデータである電源設定ポリシーデータをさらに記憶し、
前記移行するステップは、移行により新たな仮想マシンをエミュレートする場合、当該新たな仮想マシンの電源情報を取得して、前記仮想マシン電源管理データに記憶し、
前記新たな仮想マシンの電源情報が、前記電源設定ポリシーデータの条件を満たすか否かを判定し、一致しない場合、アラータを通知するステップをさらに備えることを特徴とする制御方法。
【請求項5】
第1の仮想ホストコンピュータに電力を供給する第1の電源装置と、第2の仮想ホストコンピュータに電力を供給する第2の電源装置とに接続する電源管理装置であって、
電源装置の識別子と、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンの電源情報とを対応づけた仮想マシン電源管理データを記憶する記憶装置と、
仮想管理サーバによって、仮想マシンが、前記第1の仮想ホストコンピュータから、前記第2の仮想ホストコンピュータに移行した場合、前記仮想マシン電源管理データから、移行した仮想マシンの電源情報を抽出して、前記第2の電源装置に移行する仮想マシン電源データ移行手段
を備え
前記記憶装置は、電源装置の識別子と、当該電源装置が電力を供給可能な条件である電源設定ポリシーデータをさらに記憶し、
前記電源設定ポリシーデータから、前記第2の電源装置の条件を抽出し、移行した前記仮想マシンの電源情報が、前記電源設定ポリシーデータの前記第2の電源装置の条件を満たすか否かを判定し、一致しない場合、アラータを通知する電源設定ポリシー確認手段をさらに備えることを特徴とする電源管理装置。
【請求項6】
前記電源情報は、前記仮想マシンがシャットダウンの開始を待機する停止遅延時間と、前記仮想マシンのシャットダウンに要するシャットダウン時間を含み、
前記電源設定ポリシーデータは、前記第2の電源装置が電力を供給可能なバックアップ可能時間内に、前記第2の仮想ホストコンピュータおよび前記第2の仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンのシャットダウンが完了することを要する条件を含み、
前記電源設定ポリシー確認手段は、前記仮想マシン電源管理データから、前記第2の仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンについて、停止遅延時間とシャットダウン時間の和の最大値を取得し、取得した最大値と、前記第2の仮想ホストコンピュータのシャットダウンに要する時間との和が、前記バックアップ可能時間より大きい場合、アラータを通知する
ことを特徴とする請求項5に記載の電源管理装置。
【請求項7】
第1の仮想ホストコンピュータに電力を供給する第1の電源装置と、第2の仮想ホストコンピュータに電力を供給する第2の電源装置とに接続する電源管理装置に用いられる電源管理プログラムであって、
コンピュータまたは電源管理装置が内蔵するコンピュータに、
電源装置の識別子と、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンの電源情報とを対応づけた仮想マシン電源管理データを記憶装置に記憶するステップと、
仮想管理サーバによって、仮想マシンが、前記第1の仮想ホストコンピュータから、前記第2の仮想ホストコンピュータに移行した場合、前記仮想マシン電源管理データから、移行した仮想マシンの電源情報を抽出して、前記第2の電源装置に移行するステップ
を実行させ
前記記憶装置は、電源装置の識別子と、当該電源装置が電力を供給可能な条件である電源設定ポリシーデータをさらに記憶し、
前記電源設定ポリシーデータから、前記第2の電源装置の条件を抽出し、移行した前記仮想マシンの電源情報が、前記電源設定ポリシーデータの前記第2の電源装置の条件を満たすか否かを判定し、一致しない場合、アラータを通知するステップを、さらに実行させるための電源管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに電力を供給するための電源装置、プログラム、制御方法、電源管理装置および電源管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、物理コンピュータのリソースを有効に活用するため、仮想管理が用いられている。仮想管理では、物理コンピュータを仮想ホストとして適用し、仮想ホスト上で、複数の仮想マシンをエミュレートする。仮想管理において、仮想マシンの稼働状況に応じて、仮想マシンが、他の仮想ホストに移行する場合もある。仮想マシンを自由自在に任意の仮想ホストに移行する仕組みを用いることにより、物理コンピュータのリソースを有効に活用することができる。
【0003】
また、物理コンピュータの消費電力を削減するために、電力制御装置を用いる方法もある(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の方法では、電力制御装置が、システムの負荷状況を収集して、その負荷状況に基づいてシステムを任意の物理コンピュータに移行させるとともに、選択されなかった物理コンピュータの電源をオフする。このように電力制御装置が、仮想管理とともに電源を管理することにより、物理コンピュータの消費電力を削減することが期待されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法において、電力制御装置に電力を供給する電源装置に電力障害があった場合、この電力制御装置は、電源管理のみならず、仮想管理もできなくなってしまう問題がある。
【0005】
このような状況に鑑み、仮想マシンの仮想管理と、仮想マシンおよび仮想ホストに対する電源管理を担う電源装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2に記載の方法によれば、電源装置が仮想システムを管理することにより、予め定められたスケジュールデータによって、仮想管理と電力供給とを連動させ、安定してシステムを運営することができる。
【0006】
また一般的な仮想システムにおいて、電源制御するために、PCNS(PowerChute Network Shutdown)などを用いた仕組みがある(例えば、非特許文献1参照。)。停電によりUPSへの電源供給が停止すると、UPSのバッテリーで電力供給されている間に、このUPSが電源を供給するコンピュータをシャットダウンする必要がある。そこで非特許文献1に記載の方法では、停電によりUPSへの電源供給が停止すると、電源供給が停止されたことを、仮想システムのサービスコンソール上のPCNSに通知する。これにより、仮想ホストコンピュータは、シャットダウンを開始し、仮想マシンのゲストOSをシャットダウンする。ゲストOSのシャットダウンが完了すると、仮想ホストコンピュータをシャットダウンする。このようなPCNSは、仮想マシン上にインストールされ実行される場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−269249号公報
【特許文献2】特開2012−038157号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】日本アイ・ビー・エム株式会社、”VMware ESX / ESXi 4.x 環境におけるIBM UPS管理について”の第5ページ“PowerChute Network Shutdown (PCNS) とは”、[online]、平成23年、日本アイ・ビー・エム株式会社、[平成24年5月17日検索]、インターネット<http://www-06.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd07.nsf/1e97b730bd4fa8f249256a840020d047/c73c9977ac705ccb4925787700436807/$FILE/VMware_esx4_UPS_mgmt.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2に記載の発明や、非特許文献1に記載の技術によっても、仮想マシンを適切に稼働できない場合がある。
【0010】
一般的には、UPSなどの電源装置には、停電等の緊急事態が発生した際、予め蓄積した蓄電池の電源を元に、情報機器に電力を供給する。各種情報機器は、停電が発生した後、UPSなどが電力を供給する間、自身のデータ保護のために安定にシャットダウンする。このシャットダウンに要する時間は、個々の情報機器によって異なり、また、UPSが電力を提供可能な時間内に、シャットダウンしなければならない制約がある。
【0011】
この方法は、仮想システムにおいても適用されている。停電が発生すると、電源装置は、仮想ホストに停電が発生した旨を通知する。仮想ホストは、自身をシャットダウンするのに先駆けて、この仮想ホストがエミュレートする仮想マシンをシャットダウンする。仮想ホストは、全ての仮想マシンのシャットダウンが完了した後、安定的に自身をシャットダウンし、パワーオフする。
【0012】
しかしながら、仮想システムにおいては、仮想マシンが適切にシャットダウンできない場合が生じうる。
【0013】
例えば、仮想マシンの停電時のシャットダウンにおいて、予め、停止遅延時間が定められ、停電が発生してから所定の停止遅延時間が経過した後、仮想マシンはシャットダウンを開始する。この停止遅延時間は、電源装置が電力を供給可能な時間内に仮想マシンがシャットダウンできるように設定されているので、仮想マシンをエミュレートする仮想ホストに電力を供給する電源装置の能力に依存する。
【0014】
しかしながら、仮想マシンは、適宜ほかの仮想ホストコンピュータに移行するため、仮想マシンに定められた停止遅延時間と、この仮想マシンをエミュレートする移行先の仮想ホストコンピュータに電源を供給する電源装置の能力との整合性が常に保持されるとは限らない。その結果、仮想マシンが電源装置に要求する能力より、移行先で用いられる電源装置の能力が低い場合、この仮想マシンは、十分にデータを保護し、シャットダウンできない場合が発生する。
【0015】
このような状況を鑑み、電源装置が仮想マシンに定められた電源に関する情報を、電源装置と整合性があうように制御し、仮想管理の信頼性を高める技術の開発が期待されている。
【0016】
従って本発明の目的は、仮想管理の信頼性を高めることのできる電源装置、プログラム、制御方法、電源管理装置および電源管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、仮想管理サーバによって制御される仮想マシンをエミュレートする仮想ホストコンピュータに電力を供給する電源装置に関する。即ち本発明の第1の特徴に係る電源装置は、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンの電源情報とを対応づけた仮想マシン電源管理データを記憶する記憶装置と、仮想管理サーバによって、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンが、ほかの電源装置が電力を供給する移行先の仮想ホストコンピュータに移行した場合、仮想マシン電源管理データから、移行した仮想マシンの電源情報を抽出して、ほかの電源装置に移行する仮想マシン電源データ移行手段を備える。
【0018】
ここで、記憶装置は、仮想マシンを稼働するために、当該電源装置が電力を供給可能な条件のデータである電源設定ポリシーデータをさらに記憶しても良い。この場合、仮想マシン電源データ移行手段は、移行により新たな仮想マシンをエミュレートする場合、当該新たな仮想マシンの電源情報を取得して、仮想マシン電源管理データに記憶し、新たな仮想マシンの電源情報が、電源設定ポリシーデータの条件を満たすか否かを判定し、一致しない場合、アラータを通知する電源設定ポリシー確認手段をさらに備える。
【0019】
また電源情報は、仮想マシンがシャットダウンの開始を待機する停止遅延時間と、仮想マシンのシャットダウンに要するシャットダウン時間を含み、電源設定ポリシーデータは、ほかの電源装置が電力を供給可能なバックアップ可能時間内に、仮想ホストコンピュータおよび仮想マシンのシャットダウンが完了することを要する条件を含んでも良い。この場合電源設定ポリシー確認手段は、仮想マシン電源管理データから、移行先の仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンについて、停止遅延時間とシャットダウン時間の和の最大値を取得し、取得した最大値と、移行先の仮想ホストコンピュータのシャットダウンに要する時間との和が、バックアップ可能時間より大きい場合、アラータを通知する。
【0020】
本発明の第2の特徴は、仮想管理サーバによって制御される仮想マシンをエミュレートする仮想ホストコンピュータに、電力を供給する電源装置に用いられるプログラムに関する。即ち本発明の第2の特徴に係るプログラムは、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンの電源情報とを対応づけた仮想マシン電源管理データを記憶するステップと、仮想管理サーバによって、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンが、ほかの電源装置が電力を供給する移行先の仮想ホストコンピュータに移行した場合、仮想マシン電源管理データから、移行した仮想マシンの電源情報を抽出して、ほかの電源装置に移行するステップとを、電源装置が内蔵するコンピュータに実行させる。
【0021】
本発明の第3の特徴は、仮想管理サーバによって制御される仮想マシンをエミュレートする仮想ホストコンピュータに、電力を供給する電源装置に用いられる制御方法に関する。即ち本発明の第3の特徴に係る制御方法は、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンの電源情報とを対応づけた仮想マシン電源管理データを記憶するステップと、仮想管理サーバによって、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンが、ほかの電源装置が電力を供給する移行先の仮想ホストコンピュータに移行した場合、仮想マシン電源管理データから、移行した仮想マシンの電源情報を抽出して、ほかの電源装置に移行するステップを備える。
【0022】
本発明の第4の特徴は、第1の仮想ホストコンピュータに電力を供給する第1の電源装置と、第2の仮想ホストコンピュータに電力を供給する第2の電源装置とに接続する電源管理装置に関する。即ち本発明の第4の特徴に係る電源管理装置は、電源装置の識別子と、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンの電源情報とを対応づけた仮想マシン電源管理データを記憶する記憶装置と、仮想管理サーバによって、仮想マシンが、第1の仮想ホストコンピュータから、第2の仮想ホストコンピュータに移行した場合、仮想マシン電源管理データから、移行した仮想マシンの電源情報を抽出して、第2の電源装置に移行する仮想マシン電源データ移行手段を備える。
【0023】
ここで、記憶装置は、電源装置の識別子と、当該電源装置が電力を供給可能な条件である電源設定ポリシーデータをさらに記憶しても良い。この場合電源設定ポリシーデータから、第2の電源装置の条件を抽出し、移行した仮想マシンの電源情報が、電源設定ポリシーデータの第2の電源装置の条件を満たすか否かを判定し、一致しない場合、アラータを通知する電源設定ポリシー確認手段をさらに備える。
【0024】
また電源情報は、仮想マシンがシャットダウンの開始を待機する停止遅延時間と、仮想マシンのシャットダウンに要するシャットダウン時間を含み、電源設定ポリシーデータは、第2の電源装置が電力を供給可能なバックアップ可能時間内に、第2の仮想ホストコンピュータおよび第2の仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンのシャットダウンが完了することを要する条件を含んでも良い。この場合電源設定ポリシー確認手段は、仮想マシン電源管理データから、第2の仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンについて、停止遅延時間とシャットダウン時間の和の最大値を取得し、取得した最大値と、第2の仮想ホストコンピュータのシャットダウンに要する時間との和が、バックアップ可能時間より大きい場合、アラータを通知する。
【0025】
本発明の第5の特徴に係る電源管理プログラムは、第1の仮想ホストコンピュータに電力を供給する第1の電源装置と、第2の仮想ホストコンピュータに電力を供給する第2の電源装置とに接続する電源管理装置に用いられる電源管理プログラムに関する。即ち本発明の第5の特徴に係る電源管理プログラムは、コンピュータまたは電源管理装置が内蔵するコンピュータに、電源装置の識別子と、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンの識別子と、当該仮想マシンの電源情報とを対応づけた仮想マシン電源管理データを記憶装置に記憶するステップと、仮想管理サーバによって、仮想マシンが、第1の仮想ホストコンピュータから、第2の仮想ホストコンピュータに移行した場合、仮想マシン電源管理データから、移行した仮想マシンの電源情報を抽出して、第2の電源装置に移行するステップを実行させる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、仮想管理の信頼性を高めることのできる電源装置、プログラム、制御方法、電源管理装置および電源管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る仮想システムのシステム構成を説明する図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る制御方法の概略を説明するシーケンス図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る仮想ホストコンピュータの機能ブロックを説明する図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る電源装置のハードウェア構成と機能ブロックを説明する図である。
図5図5は、本発明の実施の形態に係る電源装置における仮想マシン電源管理データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
図6図6は、本発明の実施の形態に係る電源装置において、仮想ホストを登録する画面の一例である。
図7図7は、本発明の実施の形態に係る電源装置において、仮想マシンの電源情報を登録する画面の一例である。
図8図8は、本発明の実施の形態に係る電源装置における電源設定ポリシーデータのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
図9図9は、本発明の実施の形態に係る電源装置において、電源装置の停止時間と、仮想マシンおよび仮想ホストのシャットダウンとの関係を説明する図である。
図10図10は、本発明の実施の形態に係る移行元の電源装置において、仮想マシン電源データ移行手段の処理を説明するフローチャートである。
図11図11は、本発明の実施の形態に係る移行先の電源装置において、仮想マシン電源データ移行手段の処理を説明するフローチャートである。
図12図12は、本発明の実施の形態に係る移行先の電源装置において、電源設定ポリシー確認手段の処理を説明するフローチャートである。
図13図13は、本発明の変形例に係る制御方法の概略を説明するシーケンス図である。
図14図14は、本発明の変形例に係る電源管理装置のハードウェア構成と機能ブロックの一例を説明する図である。
図15図15は、本発明の変形例に係る電源管理装置の仮想マシン電源管理データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0029】
まず、本発明の実施の形態において、「物理コンピュータ」は、中央処理制御装置(CPU:Central Processing Unit)および記憶装置などを備えた一般的なコンピュータである。「物理コンピュータ」は、具体的には、パーソナルコンピュータ、サーバ、ブレード型サーバなどのコンピュータである。また「仮想ホストコンピュータ(仮想ホスト)」は、物理コンピュータ上でホストOSを実行することにより物理コンピュータに実装される。1台の仮想ホストは、1台以上の仮想マシンを動かすことができる。「仮想マシン」は、1台の仮想ホスト上で、別のコンピュータをソフトウェア的にエミュレートされた仮想的なコンピュータである。
【0030】
「仮想システム」は、物理コンピュータ、物理ストレージ、物理スイッチ、物理ネットワークなどで構成され、仮想システム全体で1台以上の仮想マシン、仮想ストレージの役割を担う。「仮想管理」とは、仮想システムを構成する仮想インフラを管理するとともに、1台以上の仮想マシンの稼働を制御する。
【0031】
仮想ホストに対するコマンドとして、「シャットダウン」、「再起動」、「パワーオン」、「パワーオフ」などがある。「シャットダウン」とは、物理コンピュータで稼働している仮想ホストOSを所定の手順で、電源供給を停止可能な状態に遷移することである。「再起動」とは、物理コンピュータで稼働している仮想ホストOSを再度所定の手順で、シャットダウンし、再び起動することである。「パワーオン」とは、仮想ホストを稼働している物理コンピュータに電源を投入し、仮想ホストOSを稼働することである。
【0032】
仮想マシンに対するコマンドとして、「シャットダウン」、「再起動」、「パワーオン」、「パワーオフ」などがある。「シャットダウン」とは、仮想マシンにインストールされたゲストOSを、所定の手順で、仮想マシンに割り当てられたCPU、メモリなどのリソースを、解放可能な状態に遷移することである。「再起動」とは、仮想マシンをシャットダウンし、再び起動することである。「パワーオン」とは、仮想マシンに割り当てられたCPU、メモリなどのリソースを、この仮想マシンの稼動のために利用することである。「パワーオフ」とは、仮想マシンに割り当てられたCPU、メモリなどのリソースを開放することである。また、仮想マシンのシャットダウンが正常に終了しない場合、「パワーオフ」して、強制終了する場合もある。
【0033】
「電源装置」とは、仮想インフラに電力を供給したり、測定したり、切断する装置である。具体的には「電源装置」とは、交流(AC:Alternating Current)電源、直流(DC:Direct Current)電源、無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)、電力分配器(PDU:Power Distribution Unit)などである。
【0034】
「仮想電源」とは、仮想ホストコンピュータにおいて、仮想マシンを稼動するために必要なCPUやメモリなどに要する電力の電源である。仮想電源は、物理電源が仮想ホストに供給する電力のうち、所定の仮想マシンが使用する電力を供給する供給源である。
【0035】
「電源管理」とは、インフラに、安定して電源を供給するための制御のことである。本発明の実施の形態において電源管理とは、例えば、電源設備の点検時や電源障害時に、電源が、コンピュータなどのインフラを自動的にシャットダウンして、コンピュータのサービスおよびデータを保護する機能である。
【0036】
「停止遅延時間」とは、電源装置が電力供給を停止するトリガーが発生してから、この電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンが、シャットダウンを開始する時間である。「シャットダウン時間」とは、仮想ホストコンピュータまたはこの仮想ホストコンピュータがエミュレートする仮想マシンが、シャットダウンを開始してから、パワーオフするまでに要する時間である。ここで、仮想ホストコンピュータは、仮想ホストコンピュータがエミュレートする全ての仮想マシンのシャットダウンが完了した後、シャットダウンする。
【0037】
「電力供給を停止するトリガー」とは、(1)停電が発生して、電源装置のシャットダウン待機時間を経過して、電源装置が、各仮想ホストおよび各仮想マシンのシャットダウンを開始するタイミング、(2)スケジュール運転などで、設定したスケジュール停止時刻になるタイミング、(3)リモート端末から、電源装置にシャットダウンのコマンドが届いたタイミング、(4)電源操作パネルなどから管理者が入力したシャットダウンのコマンドが届いたタイミングなどである。
【0038】
(仮想システム)
図1(a)を参照して、本発明の実施の形態に係る仮想システム9を説明する。仮想システム9は、第1の電源装置1a、第2の電源装置1b、第1の仮想ホストコンピュータ2a、第2の仮想ホストコンピュータ2b、第3の仮想ホストコンピュータ2c、第1の仮想マシン3a、第2の仮想マシン3b、第3の仮想マシン3c、第4の仮想マシン3d、第5の仮想マシン3e、第6の仮想マシン3f、仮想管理サーバ4および電源管理装置5を備える。第1の電源装置1a、第2の電源装置1b、第1の仮想ホストコンピュータ2a、第2の仮想ホストコンピュータ2b、第3の仮想ホストコンピュータ2c、第1の仮想マシン3a、第2の仮想マシン3b、第3の仮想マシン3c、第4の仮想マシン3d、第5の仮想マシン3e、第6の仮想マシン3fおよび仮想管理サーバ4は、通信ネットワーク6を介して、相互に通信可能に接続されている。図1(a)に示す例において電源管理装置5は、第1の電源装置1aおよび第2の電源装置1bと相互に通信可能に接続する場合を説明するが、通信ネットワーク6を介して、他の機器とも通信可能に接続しても良い。
【0039】
本実施の形態において、第1の仮想ホストコンピュータ2a、第2の仮想ホストコンピュータ2bおよび第3の仮想ホストコンピュータ2cを区別しない場合、単に仮想ホストコンピュータ2と記載する場合がある。また、仮想ホストコンピュータ2を、単に仮想ホスト2と記載する場合がある。第1の仮想マシン3a、第2の仮想マシン3b、第3の仮想マシン3c、第4の仮想マシン3d、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fを区別しない場合、単に仮想マシン3と記載する場合がある。図1に示す電源装置1、仮想ホストコンピュータ2および仮想マシン3などの数は一例であり、これに限ることはない。
【0040】
図1(a)に示す仮想システム9は、複数の仮想ホストコンピュータ2を備えており、これらの仮想ホストコンピュータ2おいて、1または複数の仮想マシン3がエミュレートされている。ここで、仮想ホストコンピュータ2は、物理インフラを構成する物理コンピュータである。仮想マシン3は、仮想ホストコンピュータ2がエミュレートする、仮想インフラを構成する仮想コンピュータである。
【0041】
仮想ホスト2は、一般的な物理コンピュータに所定のプログラムがインストールされることにより実現される。仮想ホスト2は、仮想マシン3をエミュレートする。図1(a)において、第1の仮想ホスト2aは、第1の仮想マシン3a、第2の仮想マシン3bおよび第3の仮想マシン3cをエミュレートする。第2の仮想ホスト2bは、第4の仮想マシン3dをエミュレートする。第3の仮想ホスト2cは、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fをエミュレートする。
【0042】
図1(a)に示す仮想システム9において、電源装置1は、仮想管理サーバ4によって制御される仮想マシン3をエミュレートする仮想ホストコンピュータ2に電力を供給する。さらに電源装置1は、これらの仮想ホスト2がエミュレートする仮想マシン3の仮想電源を管理する。第1の電源装置1aが電力を供給する対象は、第1の仮想ホスト2aおよび第2の仮想ホスト2bであるので、第1の電源装置1は、第1の仮想マシン3a、第2の仮想マシン3b、第3の仮想マシン3cおよび第4の仮想マシン3dの仮想電源を管理する。第2の電源装置1bが電力を供給する対象は、第3の仮想ホスト2cであるので、第2の電源装置1bは、第5の仮想マシン3eおよび第6の仮想マシン3fの仮想電源を管理する。
【0043】
電源管理装置5は、電源装置1を操作するためのコンピュータである。電源管理装置5は、一般的なコンピュータが、所定のプログラムを実行することにより実現される。電源管理装置5は、電源装置1にコマンドを入力したり、電源装置1の情報を表示したりするとともに、コマンドおよび情報の入出力に伴うデータの処理を担う。
【0044】
仮想管理サーバ4は、図1(a)に示す仮想マシン3について、移行やリソースの割り当てなどの仮想管理を実行する。ここで、本発明の実施の形態において仮想マシン3の起動およびシャットダウンに関する仮想電源は、仮想管理サーバ4でなく、電源装置1で制御される。
【0045】
仮想管理サーバ4によって、仮想マシン3が移行された後の仮想システム9を説明する。図1(b)に示す仮想システム9において、第3の仮想マシン3cおよび第5の仮想マシン3eが移行している。第3の仮想マシン3cは、図1(a)において第1の仮想ホスト2aによってエミュレートされていたところ、図1(b)において第2の仮想ホスト2bによってエミュレートされる。第5の仮想マシン3eは、図1(a)において第3の仮想ホスト2cによってエミュレートされていたところ、図1(b)において第1の仮想ホスト2aによってエミュレートされる。本発明の実施の形態は、仮想管理サーバ4が、これらの仮想マシン3の移行を指示する場合を想定する。
【0046】
本発明の実施の形態に係る電源装置1は、図1に示すように、仮想マシンが移行した際に、この仮想マシンの仮想電源に関する情報を、移行先の仮想ホストコンピュータに電力を供給する電源装置に、移行するものである。これにより、電源装置1は、移行先の仮想ホストコンピュータ2に電力を供給する電源装置の能力と、仮想マシン3の仮想電源に関する設定値とが整合性があるように、制御することにより、仮想管理の信頼性の向上に寄与する。
【0047】
(制御方法)
図2を参照して、本発明の実施の形態に係る仮想システム9の制御方法を説明する。図2においては、仮想管理サーバ4によって、第5の仮想マシン3eが、第3の仮想ホスト2cから第1の仮想ホスト2aに移行する場合を説明する。ここで、第1の仮想ホスト2aは、第1の電源装置1aが電力を供給し、第3の仮想ホスト2cは、第2の電源装置1bが電力を供給する。
【0048】
ステップS1において、第1の電源装置1aおよび第2の電源装置1bが、仮想管理サーバ4の制御により、第5の仮想マシン3eが、第3の仮想ホスト2cから第1の仮想ホスト2aに移行したことを検知する。このとき、第1の電源装置1aおよび第2の電源装置1bは、仮想ホスト2に、当該仮想ホスト2がエミュレートする仮想マシン3を問い合わせることによって検知しても良いし、仮想管理サーバ4による第5の仮想マシン3eの移行の通知によって検知しても良い。本発明の実施の形態においては、第1の電源装置1aおよび第2の電源装置1bが仮想マシン3の移行を検知する方法は問わない。
【0049】
第1の電源装置1aおよび第2の電源装置1bが、第5の仮想マシン3eの移行を検知すると、ステップS2において、電源装置1が電源情報を移行する。具体的には、移行元の第3の仮想ホスト2cに電力を供給する第2の電源装置1bは、移行先の第1の仮想ホスト2aに電力を供給する第1の電源装置1aに、移行した第5の仮想マシン3eの電源情報を送信し、電源情報を移行する。ステップS3において、第1の電源装置1aは、ステップS2で受信した第5の仮想マシン3eの電源情報を記憶する。このとき第1の電源装置1aは、予め第5の仮想マシン3eの最新バージョンの電源情報を記憶し、この電源情報が無効化されている場合、この電源情報を有効化しても良い。ここで、無効化された電源情報が最新バージョンでない場合、第1の電源装置1aは、第5の仮想マシン3eの最新バージョンの電源情報を記憶する。第1の電源装置1aは、ステップS4において、第5の仮想マシン3eの電源情報が、第1の電源装置1aの電源設定ポリシーに合うか否かを判定する。
【0050】
一方、第2の電源装置1bは、ステップS2において、第5の仮想マシン3eの電源情報を、第1の電源装置1aに移行すると、ステップS5において、第2の電源装置1bのメモリから、この第5の仮想マシン3eの電源情報を削除する。このとき、第2の電源装置1bは、この第5の仮想マシン3eの電源情報を削除せず、無効化しても良い。
【0051】
このように、仮想管理サーバ4が制御する仮想システム9において、本発明の実施の形態に係る電源装置1は、当該電源装置1が電力を供給する仮想ホスト2がエミュレートする仮想マシン3の電源情報を保持する。また、仮想マシン3が移行すると、この移行に伴って、電源装置1間で仮想マシン3の電源情報を移行する。また移行先の電源装置1において、移行した仮想マシン3の電源情報が、移行先の電源装置1のポリシーに一致するか否かを判定し、ポリシーに合わない場合、その旨をアラータ通知する。これにより、電源装置1のポリシーに合わせて仮想マシン3の電源情報を変更したり、仮想マシン3の電源情報に合うポリシーを持つ電源装置1への移行を促すことができる。
【0052】
ここで、電源設定ポリシーは、電源装置1が電力を供給する仮想ホスト2またはこの仮想ホスト2がエミュレートする仮想マシン3が、安定して稼働できるように、電源装置1が電力を供給するためのポリシーである。電源設定ポリシーは、電源装置1が有するハードウェアおよびソフトウェアの状態が、仮想ホスト2および仮想マシン3の稼働の開始または停止に関する設定を満たすかの条件である。
【0053】
このような本発明の実施の形態によれば、停電などが発生しても、仮想マシン3および仮想ホスト2がシャットダウンする間、電源装置1が十分電力を供給することができるように、システム管理者に促すことができる。また、故障または停電中の電源装置1が電力を供給する仮想ホスト2に、新たに仮想マシン3が移行されても、移行された仮想マシン3のほかの仮想ホスト2への移行を促すことができる。このように、仮想マシン3の電源情報と、電源装置1の電力供給とを連携させることにより、仮想システム9の信頼性を向上させることができる。
【0054】
(仮想ホストコンピュータ)
図2を参照して、本発明の実施の形態に係る仮想ホストコンピュータ2を説明する。仮想ホストコンピュータ2は、中央処理制御装置210、記憶装置220および通信制御装置230を備える一般的なコンピュータである。仮想マシンを制御するためのホストOSが、仮想ホストコンピュータ2にインストールされている。記憶装置220は、複数の記憶装置によって構成されても良く、同様に中央処理制御装置210も、複数の中央処理制御装置によって構成されても良い。また、記憶装置220は、複数の仮想ホストコンピュータが接続可能な、共有ディスクであっても良い。
【0055】
記憶装置220は、中央処理制御装置210における処理に関するデータを記憶する記憶媒体であって、例えばハードディスクである。通信制御装置230は、他のコンピュータ、電源装置、共有ディスクなどと通信するための装置であって、例えばLANアダプタ、FC−SAN(fibre-channel SAN)である。
【0056】
ホストOSのインストールなどにより、中央処理制御装置210は、仮想マシン制御手段211および移行手段212を実装する。
【0057】
仮想マシン制御手段211は、仮想ホストコンピュータ2がエミュレートする仮想マシン3を制御する手段である。仮想マシン制御手段211は、例えば、各仮想マシン3へのリソースの割り当てなど、各仮想マシン3を制御する。本発明の実施の形態においては特に、仮想管理サーバ4の指示により、仮想マシン3の移行を制御する。
【0058】
移行手段212は、仮想マシン3を他の仮想ホストコンピュータ2に移行する手段である。本発明の実施の形態においては、仮想管理サーバ4から入力された移行リクエストに基づいて仮想マシン3を移行する。本発明の実施の形態において、仮想マシン3の制御や移行の具体的手段については、特に問わない。
【0059】
(電源装置)
図4を参照して、本発明の実施の形態に係る電源装置1を説明する。電源装置1は、メモリ10、コントローラ20、電力供給部30および通信制御装置40を備える。
【0060】
電力供給部30は、電源装置1に接続された仮想ホストコンピュータ2に、電力を供給する。電力供給部30は、複数のアウトレットを備え、複数の仮想ホストコンピュータ2に電力を供給することができる。図1(a)に示す例では、第1の電源装置1aは少なくとも2つのアウトレットを備え、第2の電源装置1bは少なくとも1つのアウトレットを備える。
【0061】
通信制御装置40は、他の電源装置や情報機器と通信するための装置であって、例えばLANアダプタである。図1(a)に示す例において通信制御装置40は、通信ネットワーク6を介して、仮想ホスト2と、相互に通信するとともに、電源管理装置5と相互に通信することができる。
【0062】
メモリ10は、電源装置1で実行するファームウェアプログラムなどのプログラムデータ、およびコントローラ20で処理されるデータなどを蓄積する記憶装置である。メモリ10は、プログラムデータの記憶領域を備えるとともに、電源管理データ11、仮想マシン電源管理データ12および電源設定ポリシーデータ13を記憶する。本発明の実施の形態において、電源装置1のメモリ10が、各データを記憶する場合について説明するが、これらのデータは、電源装置1に内蔵されたメモリ10に記憶されている必要はない。例えば、電源装置1が読み出し可能なコンピュータのハードディスクや、半導体メモリなど、外部の記憶手段において記憶されていても良い。
【0063】
電源管理データ11は、仮想ホスト2に供給する電力の設定情報を記憶したデータである。電源管理データ11は、アウトレット識別子と、そのアウトレットによる電力供給先である仮想ホスト2の識別子と、その電力供給のための設定情報と、シャットダウン時間を対応づける。「シャットダウン時間」は、仮想ホスト2のシャットダウンに要する時間である。実際のシャットダウン時間は、仮想ホスト2の稼働環境によって異なるため、電源管理データ11には、シャットダウンに要すると予想される時間が設定される。このシャットダウン時間は、ユーザによって設定されても良い。また「電力供給のための設定情報」とは、電力供給のタイプ、入力電圧、入力周波数、出力電圧および出力周波などであるが、これは一例で、そのほかの情報が含まれても良い。
【0064】
仮想マシン電源管理データ12は、電源装置1が電力を供給する仮想ホストコンピュータ2がエミュレートする仮想マシン3の識別子と、当該仮想マシン3の電源情報とを対応づけたデータである。仮想マシン電源管理データ12は、後述する仮想マシン電源データ移行手段23によって、取得するデータである。
【0065】
仮想マシン電源管理データ12は、例えば、図5に示すデータである。図5に示す仮想マシン電源管理データ12は、電源装置1が電力を供給する仮想ホスト2の仮想ホスト識別子と、この仮想ホスト2がエミュレートする仮想マシン識別子と、この仮想マシン3に関する仮想マシン電源情報を対応づけたデータである。
【0066】
仮想ホスト識別子は、仮想ホスト2のマシン名、IPアドレスなどである。仮想マシン識別子は、仮想マシン3のマシン名、IPアドレス、UUIDなどである。
【0067】
仮想マシン電源情報は、仮想マシン3の稼働の開始および停止に関する仮想マシン3の仮想電源の情報であって、電源装置1の電力供給と関連のある情報である。仮想マシン電源情報は、例えば、仮想マシン3のIPアドレス、ON/OFFスケジュール情報、停止遅延時間、起動遅延時間、電源ログ、バッテリー低下時の設定、シャットダウン時間などである。ここで、「ON/OFFスケジュール情報」は、仮想マシン3を起動またはシャットダウンするスケジュールの時間である。「電源ログ」は、仮想マシン3の起動やシャットダウンなど、仮想電源に関するログである。「バッテリー低下時の設定」は、電源装置1の蓄電量が低下した際に、シャットダウンする、セーフモードで起動するなど、仮想マシン3が取るべきコマンドを設定する。本発明の実施の形態において、仮想マシン3の移行に伴い、電源装置1が仮想マシン3の電源情報を移行する。「シャットダウン時間」は、仮想マシン3のシャットダウンに要する時間である。実際のシャットダウン時間は、仮想マシン3の稼働環境によって異なるため、仮想マシン電源管理データ12には、シャットダウンに要すると予想される時間が設定される。このシャットダウン時間は、ユーザによって設定されても良い。
【0068】
ここで、電源装置1が新たに導入された際、または新たに仮想ホスト2や仮想マシン3が導入された際、図6および図7に示す画面などにより、仮想マシン電源管理データ12が予め設定される。仮想マシン電源データ12のうち、仮想ホスト識別子は、例えば、図6に示す画面などにより、ユーザによって予め入力されても良い。図6は、電源装置1が電力供給する各仮想ホスト2の情報を、ユーザが入力する画面である。図6に示す画面は、電源装置1の表示装置に表示されても良いし、電源装置1に接続される電源管理装置5の表示装置に表示されても良い。
【0069】
ユーザは、図6に示す画面に、仮想ホスト2のIPアドレス、ユーザ名およびパスワードを入力する。電源装置1は、図6に示す画面に入力された情報を取得して、仮想マシン電源データ12の仮想ホストの情報を設定する。
【0070】
また、仮想マシン電源管理データ12のうち、仮想マシンの電源情報は、図7に示す画面などにより、ユーザによって予め入力されても良い。図7は、電源装置1が電力供給する仮想ホスト2がエミュレートする仮想マシンの情報を、ユーザが入力する画面である。図7に示す画面は、電源装置1の表示装置に表示されても良いし、電源装置1に接続される電源管理装置5の表示装置に表示されても良い。
【0071】
ユーザは、図7に示す画面に、仮想マシン3の停止遅延時間、停止時の操作、起動遅延時間などの、仮想電源に関する情報を設定する。ユーザは、仮想マシン3のデフォルトの電力情報を設定してもよいし、個々の仮想マシン3の電力情報を設定してもよい。電源装置1は、図7に示す画面に入力された情報を取得して、仮想マシン電源データ12の仮想マシンの電源情報を設定する。
【0072】
電源設定ポリシーデータ13は、仮想マシン3を稼働するために、当該電源装置1が電力を供給可能な条件のデータである。特に電源設定ポリシーデータ13は、電源装置1が電力を供給する仮想ホスト2に、新たな仮想マシンが移行した場合、この新たな仮想マシンの移行に関して、電源装置1が、この新たな仮想マシンおよびこの新たな仮想マシンをエミュレートする仮想ホスト2に電力を供給するために必要な条件のデータである。
【0073】
電源設定ポリシーデータ13は、図8に示すデータである。図8に示す電源設定ポリシーデータ13は、整合性を確認するためのポリシー項目と、そのポリシーの比較条件と、この比較により不整合であると判別した場合の電源装置1の処理を対応づけたデータである。
【0074】
電源設定ポリシーデータ13は、電源装置1の能力や状態にあわせて、予めシステム管理者などによって設定されるデータである。
【0075】
例えば、ポリシーの項目として、バックアップ可能時間に関するポリシーが考えられる。このバックアップ可能時間は、停電が発生した後、バックアップのために電力を供給可能な時間であって、バッテリーの定格電圧、温度、稼働時間、バッテリーの内部抵抗、負荷率などから算出される。電源設定ポリシーデータ13によって、このバックアップ可能時間内に、仮想ホスト2および仮想マシン3を全てパワーオフする必要がある。
【0076】
これに対し電源設定ポリシーデータ13は、バックアップ可能時間に、仮想ホスト2および仮想マシン3がパワーオフすることができるための、条件を保持する。バックアップ可能時間内に、これらの装置のシャットダウンが完了しない場合、電源装置1は、システム管理者などにアラータを通知する。これにより、仮想マシン3をほかの電源装置1が電力を供給する仮想ホスト2に移行するよう促したり、仮想マシン3の仮想電源の設定の見直しを促したりできる。
【0077】
図9を参照して、電源装置1に停電が発生し、仮想マシン3および仮想ホスト2をシャットダウンする流れを説明する。図9に示す例において、左から右に時間が流れる。ここでは、図1(b)において、第1の電源装置1aが電力を供給する第1の仮想ホスト2aをシャットダウンする場合を説明する。第1の仮想ホスト2aは、第1の仮想マシン3a、第2の仮想マシン3bおよび第5の仮想マシン3eをシャットダウンしてからシャットダウンする必要がある。
【0078】
まず停電が発生すると、第1の電源装置1aは、第1の仮想ホスト2aに電力の供給を開始するとともに、シャットダウン待機時間WT0の間、復電を待機する。このシャットダウン待機時間WT0の間に復電することがあれば、第1の仮想ホスト2aおよび仮想マシン3のャットダウンを開始しない。復電がない場合、シャットダウン待機時間WT0経過後、第1の電源装置1aは、第1の仮想ホスト2aおよび仮想マシン3のシャットダウンを開始する。
【0079】
各仮想マシン3には、図5を参照して説明した様に、停止遅延時間が設けられている。そこで各仮想マシン3は、それぞれの停止遅延時間経過後、シャットダウンを開始する。
【0080】
第1の仮想マシン3aは、停止遅延時間WT1を待機した後、シャットダウンを開始し、時間TPoff1にシャットダウンを完了後、パワーオフする。第2の仮想マシン3bは、停止遅延時間WT2を待機した後、シャットダウンを開始し、時間TPoff2にシャットダウンを完了後、パワーオフする。第5の仮想マシン3eは、停止遅延時間WT5を待機した後、シャットダウンを開始し、時間TPoff5にシャットダウンを完了後、パワーオフする。これら全ての仮想マシン3のシャットダウンを確認した後、第1の仮想ホスト2aはシャットダウンを開始する。従って第1の電源装置1aは、停電が発生してから、第1の仮想ホスト2aのシャットダウンが完了するまでの間、電力を供給する必要がある。
【0081】
ここで図9に示す例において、シャットダウン待機時間WT0を経過後、第1の電源装置1aが電力供給可能な時間を、バックアップ可能時間WTとする。このバックアップ可能時間WTは、電源装置1が出力可能な時間と、シャットダウン待機時間WT0に基づいて予め算出される。電源装置1は、このバックアップ可能時間WT内に、全ての仮想マシン3および第1の仮想ホスト2aのパワーオフが完了するか否かを判定する。この判定の際、各仮想マシン3のシャットダウンに要する時間は、仮想マシン電源管理データ12で設定されるシャットダウン時間の予測値を用いる。また第1の仮想ホスト2aのシャットダウンに要する時間は、電源管理データ11における第1の仮想ホスト2aのシャットダウン時間の予測値を用いる。
【0082】
例えば、図9に示す例において、第1の仮想マシン3a、第2の仮想マシン3bおよび第5の仮想マシン3eのうち、パワーオフのタイミングは、第5の仮想マシン3eのパワーオフの時間TPoff5が最も遅い。従って、第1の仮想ホスト2aのシャットダウン開始時間は、第5の仮想マシン3eのパワーオフのタイミングに拘束される。
【0083】
具体的には、新たに移行された第5の仮想マシン3eについて、停止遅延時間WT5とシャットダウン時間SD5との和が、他の第1の仮想マシン3aおよび第2の仮想マシン3bと比べて短い場合を考える。この場合、新たに移行された第5の仮想マシン3eが、第1の仮想ホスト2aのシャットダウンの開始を遅らせるボトルネックにはならないため問題がない。しかしながら、新たに移行された第5の仮想マシン3eについて、停止遅延時間WT5とシャットダウン時間SD5との和が、他の第1の仮想マシン3aおよび第2の仮想マシン3bと比べて長い場合、第5の仮想マシン3eがボトルネックとなる。従って、第1の仮想ホスト2aのシャットダウン開始時が遅れ、バックアップ可能時間WT内に、第1の仮想ホスト2aがシャットダウンを終えない可能性が生ずる。
【0084】
そこで電源装置1は、第1の仮想ホスト2aがエミュレートする仮想マシン3のうち、停止遅延時間とシャットダウンの時間の和について、新しく移行された第5の仮想マシン3eが最も大きい場合、この第5の仮想マシン3eの停止遅延時間WT5と、シャットダウン時間SD5と、第1の仮想ホスト2aのシャットダウン時間SDHの和を算出する。この和が、バックアップ可能時間WTを越える場合、電源装置1は、システム管理者などにアラートを通知する。
【0085】
図9に示す例では、第1の仮想ホスト2aのみの場合について説明したが、第1の電源装置1aが複数の仮想ホスト2に電力を供給する場合も同様である。その場合、第1の電源装置1aは、仮想ホスト2ごとに、この仮想ホスト2のシャットダウンが完了するまでの時間を算出し、全ての仮想ホストについてバックアップ可能時間WT内にシャットダウンが完了するか否かを判定する。
【0086】
また、図8に示すように、電源設定ポリシーデータ13は、電源装置1の設定や状態のみに基づいて、アラータ通知するか否かが判別するためのデータを含んでも良い。例えば、電源装置1が仮想ホスト2に十分に電力を供給できる状態でない場合、電源設定ポリシーにあっていないとして、アラータを通知することができる。電源装置1が仮想ホスト2に十分に電力を供給できない場合とは、電源装置1の負荷率が、所定の閾値より高い場合、電源装置1の受電状態が停電中の場合、電源装置1の稼動状態が故障中の場合などである。
【0087】
図8に示す電源設定ポリシーデータ13の例において、電源装置1の設定ポリシーに違反する場合、システム管理者に通知する場合を説明したが、これに限られない。例えば、仮想管理サーバ4にその旨を通知し、仮想管理サーバ4が仮想マシン3をほかの電源装置1が電力を供給する仮想ホスト2に移行しても良い。また、電源装置1が、仮想マシン3を移行しても良い。ほかにも様々な処理が考えられる。
【0088】
コントローラ20は、電源管理手段21、仮想マシン管理手段22、仮想マシン電源データ移行手段23および電源設定ポリシー確認手段24を備える。コントローラ20は、これらの各手段の処理を制御する。コントローラ20は、いわゆる組み込みコンピュータであって、一般的なコンピュータで用いられるCPUとは異なる。
【0089】
電源管理手段21は、電源管理データ11に基づいて電力供給部30に指示し、各仮想ホスト2への電力供給を制御する。電源管理手段21は、各アウトレットに予め定められた条件で、電力を供給する。また、電源管理手段21は、通常時には外部電源から電力供給を受けて蓄電池に蓄電するとともに、各アウトレットに電力を供給する。停電が発生すると電源管理手段21は、蓄電池から各アウトレットに電力を供給する。
【0090】
仮想マシン管理手段22は、仮想マシン電源管理データ12に基づいて、電源装置1が電力を供給する仮想ホスト2がエミュレートする仮想マシン3の電源に関する処理を制御する。図1(a)において、第1の電源装置1aの場合、仮想マシン管理手段22の管理対象は、第1の仮想ホスト2aがエミュレートする第1の仮想マシン3a、第2の仮想マシン3bおよび第3の仮想マシン3cと、第2の仮想ホスト2bがエミュレートする第4の仮想マシン3dである。
【0091】
本発明の実施の形態に係る仮想マシン管理手段22は、仮想マシン電源管理データ12を参照して、仮想マシン3の仮想電源に関するコマンドを入力しても良い。仮想マシン3の仮想電源に関するコマンドは、仮想マシン3の起動、シャットダウン、パワーオン、またはパワーオフなど、仮想マシン3の稼動に必要なリソースに関するコマンドである。仮想マシン管理手段22は、仮想マシン電源管理データ12に設定されたON/OFFスケジュールに基づいて、仮想マシン3を起動またはシャットダウンするコマンドを、仮想ホスト2または仮想マシン3に送信する。
【0092】
なお、本発明の実施の形態において、仮想マシン3に対して、「シャットダウン」、「パワーオン」、「パワーオフ」などのコマンドを、仮想マシン管理手段22が送信しても良い。この場合、仮想マシン管理手段22は、仮想マシン電源管理データ12を読み出して、仮想マシン3の電源情報で特定される停止遅延時間、ON/OFFスケジュール情報などに基づいて、コマンドを仮想ホスト2に送信する。仮想ホスト2は電源装置1からコマンドを受信すると、このコマンドに基づいて、仮想マシン3を制御する。
【0093】
また、他の例としては、電源装置1が、「シャットダウン」、「パワーオン」、「パワーオフ」などのコマンドを送信しない場合も考えられる。その場合、停電などが発生すると、電源装置1の電源管理手段21は、仮想ホスト2にシャットダウンのコマンドを送信する。仮想ホスト2は、電源装置1からシャットダウンのコマンドを受信すると、各仮想マシン3の電源情報に従って、各仮想マシン3をシャットダウンしてから仮想ホスト2をシャットダウンする。
【0094】
仮想マシン電源データ移行手段23は、仮想管理サーバ4によって、電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータ2がエミュレートする仮想マシン3が、ほかの電源装置が電力を供給する移行先の仮想ホストコンピュータに移行した場合、仮想マシン電源管理データ12から、移行した仮想マシンの電源情報を抽出して、ほかの電源装置に移行する。また仮想マシン電源データ移行手段23は、移行により新たな仮想マシンをエミュレートする場合、当該新たな仮想マシンの電源情報を取得して、仮想マシン電源管理データ12に記憶する。
【0095】
具体的には、仮想管理サーバ4によって、第2の電源装置1bが電力を供給する第3の仮想ホスト2cがエミュレートする第5の仮想マシン3eが、第1の電源装置1aが電力を供給する第1の仮想ホスト2aに移行した場合を想定する。この場合、第2の電源装置1bは、第5の仮想マシン3eの電源情報を、第1の電源装置1aに移行する。第1の電源装置1aは、第5の仮想マシン3eの電源情報を受信すると、仮想マシン電源管理データ12に記憶する。
【0096】
本発明の実施の形態に係る電源装置1の仮想マシン電源データ移行手段23は、仮想マシン3の移行に伴って、この仮想マシン3の電源情報を、仮想マシン3の移行先の仮想ホスト2に電力を供給する電源装置1に移行する。従って、仮想マシン3が、データセンタやサーバルームなどのネットワークセグメントを越えて移行する場合、電源情報も、同様に移行する。
【0097】
ここで、図10を参照して、移行元である第2の電源装置1bの仮想マシン電源データ移行手段23の処理を説明する。
【0098】
第2の電源装置1bは、ステップS11において、第5の仮想マシン3eの移行を検知すると、ステップS12に進む。ステップS12において第2の電源装置1bは、仮想マシン電源管理データ12から、移行した仮想マシンである第5の仮想マシン3eの電源情報を抽出し、移行先である第1の電源装置1aに移行する。ステップS13において第2の電源装置1bは、仮想マシン電源管理データ12から、移行した仮想マシンである第5の仮想マシン3eの電源情報を削除または無効化して、処理を終了する。
【0099】
図11を参照して、移行先である第1の電源装置1aの仮想マシン電源データ移行手段23の処理を説明する。
【0100】
第1の電源装置1aは、ステップS21において、第5の仮想マシン3eの移行を検知すると、ステップS22に進む。ステップS22において第1の電源装置1aは、第2の電源装置1bから、移行した仮想マシンである第5の仮想マシン3eの電源情報を取得する。ステップS23において第1の電源装置1aは、仮想マシン電源管理データ12に、移行した仮想マシンである第5の仮想マシン3eの電源情報を記録または有効化して、ステップS24に進む。ステップS24において電源設定ポリシー確認処理を実行した後、処理を終了する。
【0101】
電源設定ポリシー確認手段24は、移行した仮想マシン3の電源情報が、電源設定ポリシーデータ13の条件を満たすか否かを判定し、一致しない場合、アラータを通知する。ここで、電源情報は、仮想マシン3がシャットダウンの開始を待機する停止遅延時間と、仮想マシン3のシャットダウンに要するシャットダウン時間を含む場合を考える。この場合、電源設定ポリシーデータ13は、ほかの電源装置1が電力を供給可能なバックアップ可能時間内に、仮想ホストコンピュータ2および仮想マシン3のシャットダウンが完了することを要する条件を含む。この際、電源設定ポリシー確認手段24は、仮想マシン電源管理データ12から、移行先の仮想ホストコンピュータ2がエミュレートする仮想マシン3について、停止遅延時間とシャットダウン時間の和の最大値を取得し、取得した最大値と、移行先の仮想ホストコンピュータ2のシャットダウンに要する時間との和が、バックアップ可能時間より大きい場合、アラータを通知する。
【0102】
このほかにも電源設定ポリシー確認手段24は、電源装置1が、新たな仮想マシンに電力を供給可能でない場合、その旨をアラータ通知する。例えば、図8の電源設定ポリシーデータ13に示すように、電源設定ポリシー確認手段24は、電源装置1の負荷率、受電状態、稼働状態などの電源装置1の状態を取得し、取得した状態が、電源設定ポリシーデータ13の条件を満たさない場合、アラータ通知する。
【0103】
ここで、電源装置1のバックアップ可能時間、負荷率、受電状態、稼働状態などの電源装置1の状態は、予め電源装置1のメモリ10に記憶されているとする。
【0104】
図12を参照して、電源設定ポリシー確認手段24の処理を説明する。
【0105】
まずステップS31において電源設定ポリシー確認手段24は、電源装置1が、仮想マシン3および仮想ホストがシャットダウンする間、電力を供給可能であるかを判定する。仮想マシン3および仮想ホスト2がシャットダウンするまでの間電力を供給できない場合、ステップS32において電源設定ポリシー確認手段24は、電源容量が不足していると、アラータを通知する。その後、ステップS33に進む。
【0106】
ステップS33において電源設定ポリシー確認手段24は、電源装置1の負荷率を取得し、電源設定ポリシーデータ13で定められる閾値と比較する。電源装置1の負荷率が、電源設定ポリシーデータ13で定められる閾値以上の場合、ステップS34において電源設定ポリシー確認手段24は、電源装置1の負荷が高いと、アラータを通知する。その後、ステップS35に進む。
【0107】
ステップS35において電源設定ポリシー確認手段24は、電源装置1の受電状態を取得する。電源設定ポリシーデータ13で示すように、電源装置1の受電状態が停電中の場合、ステップS36において電源設定ポリシー確認手段24は、電源装置1の容量が不足していると、アラータを通知する。その後、ステップS37に進む。
【0108】
ステップS37において電源設定ポリシー確認手段24は、電源装置1の稼働状態を取得する。電源設定ポリシーデータ13で示すように、電源装置1の稼働状態が、故障中、バイパス中などの、正常でない状態の場合、ステップS38において電源設定ポリシー確認手段24は、電源装置1が異常であると、アラータを通知する。
【0109】
このように電源装置1は、仮想マシン3の電源情報や電源装置1の状態が、電源設定ポリシーデータ13の各条件に、合うか否かを判定し、合わない場合は、アラータを通知し、管理者に認識させる。図8および図12で示した条件は一例であって、一部の条件のみが考慮されても良いし、この他の条件も考慮されてもよい。
【0110】
このように本発明の実施の形態に係る電源装置1は、仮想マシン3の仮想電源と、仮想ホスト2の物理電源の管理を、一元管理することができる。これにより、仮想マシン3が、任意の仮想ホスト2に移行すると、この移行に伴って、移行した仮想マシン3の電源情報を、移行先の仮想ホスト2に電力を供給する電源装置1に移行する。これにより、仮想マシン3の仮想電源と、仮想ホスト2の物理電源との設定の整合性を保って、仮想システム9を稼働することができる。
【0111】
また本発明の実施の形態に係る電源装置1は、仮想マシン3および仮想ホスト2の稼働の開始および停止に関して、仮想マシン3の稼働の開始、仮想マシン3の再起動、仮想マシン3および仮想ホスト2の終了に関するコマンドを、電源装置1が送信する。このように、装置の稼働の開始および停止に関するコマンドを、電源装置1から送信することができるので、仮想システム9の装置の稼働の開始および停止に関して、システム構成を単純化することができる。これにより、仮想システム9のシステム構築、システム運用およびシステム保守を容易に実現することができる。
【0112】
また、電源装置1が、仮想マシン3に稼働の開始および停止に関するコマンドを送信することにより、電源装置1の故障やバッテリー低下など、正常に運転できない状態の場合でも、速やかに、仮想マシン3を安全に停止させることができる。
【0113】
(変形例)
図13ないし図15を参照して、変形例に係る仮想システム9において、仮想マシン3の電源情報を移行する処理を説明する。変形例においては、電源管理装置5が仮想システム9の各電源情報を保持し、仮想マシン3の移行に伴って、電源管理装置5が、移行先の仮想ホスト2に電力を供給する電源装置1に、移行した仮想マシン3の電源情報を移行する。
【0114】
図13を参照して、変形例に係る仮想システム9の処理を説明する。ここでは、図2で示す場合と同様に、仮想管理サーバ4によって、第5の仮想マシン3eが、第3の仮想ホスト2cから第1の仮想ホスト2aに移行する場合を説明する。
【0115】
まずステップS101において、電源管理装置5が、仮想管理サーバ4の制御により、第5の仮想マシン3eが、第3の仮想ホスト2cから第1の仮想ホスト2aに移行したことを検知する。本発明の変形例においては、電源管理装置5が仮想マシン3の移行を検知する方法は問わない。
【0116】
電源管理装置5が、第5の仮想マシン3eの移行を検知すると、ステップS102において、電源管理装置5が、移行に伴って、仮想マシン電源管理データ111を更新する。具体的には、移行した第5の仮想マシン3eをエミュレートする仮想ホストが、第3の仮想ホスト2cから第1の仮想ホスト2aに変更したことを、電源管理装置5は更新する。
【0117】
ステップS103において電源管理装置5は、移行先の電源装置である第1の電源装置1aに、移行した第5の仮想マシン3eの電源情報を送信し、電源情報を移行する。ステップS104において、第1の電源装置1aは、ステップS103で受信した第5の仮想マシン3eの電源情報を記憶または有効化し、この電源情報に従って、第5の仮想マシン3eの稼働の開始および終了に関するコマンドを送信する。
【0118】
一方ステップS105において電源管理装置5は、移行した第5の仮想マシン3eの識別子と、移行元の電源装置である第2の電源装置1bに通知する。ステップS106において、移行元の第2の電源装置1bは、移行した第5の仮想マシン3eの電源情報を削除または無効化する。
【0119】
電源管理装置5が、移行元および移行先の電源装置1に移行を通知すると、移行先の第1の電源装置1aの設定ポリシーが、移行した第5の仮想マシン3eの設定を満たすかを判定する。この判定処理は、図8を参照して説明した通りである。
【0120】
図14を参照して、変形例に係る電源管理装置5を説明する。電源管理装置5の記憶装置110は、電源管理プログラムを記憶するとともに、仮想マシン電源管理データ111および電源設定ポリシーデータ112を記憶する。電源管理プログラムを中央処理制御装置120が実行することにより、中央処理制御装置120は、仮想マシン電源データ移行手段121および電源設定ポリシー確認手段122を備える。
【0121】
ここで、電源設定ポリシーデータ112よび電源設定ポリシー確認手段122は、本発明の実施の形態で説明した通りである。
【0122】
仮想マシン電源管理データ111は、図15に示すように、電源装置1の識別子と、当該電源装置が電力を供給する仮想ホストコンピュータ2がエミュレートする仮想マシン3の識別子と、当該仮想マシン3の電源情報とを対応づけたデータである。電源管理装置5が、複数の電源装置1の仮想マシンを管理するので、変形例に係る仮想マシン電源管理データ111は、図5を参照して説明した実施の形態に係る仮想マシン電源管理データ12と比べて、電源装置1の識別子のカラムを備えている点が異なる。
【0123】
仮想マシン電源データ移行手段23は、仮想管理サーバ4によって、仮想マシン3が、第1の仮想ホストコンピュータ2aから、第2の仮想ホストコンピュータ2bに移行した場合、仮想マシン電源管理データ111から、移行した仮想マシン3の電源情報を抽出して、第2の電源装置1bに移行する。
【0124】
このように、電源管理装置5が、複数の電源装置1の情報を一元管理することにより、仮想マシン3の移行に伴う電源情報の移行を容易に実現することができる。これにより、電源装置1の処理負荷を軽減することができる。
【0125】
図13に示す例では、電源管理装置5が、電源情報のポリシーを確認する場合を説明したが、これに限られない。例えば、図2で示したように、移行先の電源装置で、ポリシーを確認しても良い。
【0126】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態および変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0127】
例えば、図2および図13などのシーケンス図、図10ないし図12などのフローチャートに示す処理の順序は、一例であって、矛盾が生じない限り変更されても良い。
【0128】
また、本発明の実施の形態および変形例において、電源管理装置5は、一般的なコンピュータに所定のプログラムをインストールしたものであると説明したがこれに限られない。電源管理装置5は、いわゆる電源管理ボックスなどの、1または複数の電源装置1の管理の専用のコンピュータであっても良い。
【0129】
また、電源管理装置5は、所定のプログラムをインストールした電源装置であっても良い。電源管理装置5は、図1に示すコンピュータや、図1に示したコンピュータ以外のコンピュータに電力を供給するとともに、図1に示す電源装置1の電源管理を担っても良い。この場合、電源装置1が内蔵するコンピュータが、所定のプログラムに従って各処理を実行する。
【0130】
さらに、他の実施形態として、図1に示す第1の電源装置1aが、電源管理装置5の役割も担っても良い。具体的には、第1の電源装置1aは、第1の電源装置1aが電力を供給する仮想ホスト2がエミュレートする仮想マシン3の仮想マシン情報を保持するとともに、第2の電源装置1bが電力を供給する仮想ホスト2がエミュレートする仮想マシン3の仮想マシン情報を保持する。また、第1の電源装置1aは、仮想マシン3の移行に伴って、第2の電源装置1bに仮想マシン情報を送信して記憶するよう指示し、あるいは削除するよう指示しても良い。同様に、第1の電源装置1aは、仮想マシン3の移行に伴って、第2の電源装置1bに仮想マシン情報の有効化または無効化を指示しても良い。
【0131】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0132】
1 電源装置
2 仮想ホストコンピュータ(仮想ホスト)
3 仮想マシン
4 仮想管理サーバ
5 電源管理装置
6 通信ネットワーク
9 仮想システム
10 メモリ
11 電源管理データ
12 仮想マシン電源管理データ
13 電源設定ポリシーデータ
20 コントローラ
21 電源管理手段
22 仮想マシン管理手段
23 仮想マシン電源データ移行手段
24 電源設定ポリシー確認手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15