特許第6028453号(P6028453)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6028453画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6028453
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20060101AFI20161107BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20161107BHJP
【FI】
   G06T7/00 510B
   G06F21/32
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-184948(P2012-184948)
(22)【出願日】2012年8月24日
(65)【公開番号】特開2014-44475(P2014-44475A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105142
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲次
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 源太
(72)【発明者】
【氏名】松田 高弘
【審査官】 新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−259278(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/099816(WO,A1)
【文献】 特開2010−231320(JP,A)
【文献】 特開2008−217355(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0135165(US,A1)
【文献】 特開2007−058649(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0260988(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00−7/60
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像された画像を取得する取得部と、
前記画像に含まれる第1ユーザの第1特徴量と、第2特徴量、および前記画像または前記画像の撮像場所において撮像された画像に含まれる第2ユーザの第1特徴量を抽出する抽出部と、
前記第2ユーザにおける前記第1特徴量に対して前記第1ユーザの前記第1特徴量が類似する確率を示す第1認証判別値を少なくとも所定時間に1回算出する算出部と、
前記第1認証判別値に基づいて前記第1特徴量あるいは前記第1特徴量と前記第2特徴量を用いて前記第1ユーザを認証する認証部
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記第1特徴量は色ヒストグラムであり、前記第2特徴量は特徴ベクトルであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記認証部は、
前記第1認証判別値が所定の第1閾値未満の場合は、前記第1特徴量と予め保持している基準第1特徴量との類似度を示す第1類似度に基づいて前記第1ユーザを認証し、
前記第1認証判別値が前記第1閾値以上の場合は、前記第1類似度ならびに、前記第2特徴量と予め保持している基準第2特徴量との類似度を示す第2類似度に基づいて前記第1ユーザを認証することを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記認証部は、前記第1認証判別値が前記第1閾値未満の場合は
前記第1類似度が、前記第1類似度に基づいて前記第1ユーザを認証する時に用いる第2閾値以上の場合に、前記第1ユーザを認証する請求項3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記認証部は、前記第1認証判別値が前記第1閾値以上の場合は、
前記第2類似度に基づいて前記第1ユーザを認証する時に用いる第3閾値を算出する第2認証判別値を、前記第1閾値と前記第1認証判別値に基づいて規定することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記認証部は、前記第1認証判別値が前記第1閾値以上の場合は、
前記第1類似度が前記第2閾値以上、かつ前記第2類似度が前記第3閾値以上の場合に、前記第1ユーザを認証する請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第1認証判別値と、前記第2認証判別値を乗算した値は、前記第1閾値以下になることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
撮像された画像を取得し、
前記画像に含まれる第1ユーザの第1特徴量と、第2特徴量、および前記画像または前記画像の撮像場所において撮像された画像に含まれる第2ユーザの第1特徴量を抽出し、
前記第2ユーザにおける前記第1特徴量に対して前記第1ユーザの前記第1特徴量が類似する確率を示す第1認証判別値を少なくとも所定時間に1回算出し、
前記第1認証判別値に基づいて前記第1特徴量あるいは前記第1特徴量と前記第2特徴量を用いて前記第1ユーザを認証する
ことを特徴とする画像処処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
撮像された画像を取得し、
前記画像に含まれる第1ユーザの第1特徴量と、第2特徴量、および前記画像または前記画像の撮像場所において撮像された画像に含まれる第2ユーザの第1特徴量を抽出し、
前記第2ユーザにおける前記第1特徴量に対して前記第1ユーザの前記第1特徴量が類似する確率を示す第1認証判別値を算出し、
前記第1認証判別値に基づいて前記第1特徴量あるいは前記第1特徴量と前記第2特徴量を用いて前記第1ユーザを認証する
ことを実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ユーザの継続認証に用いる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報機器の急速な普及に伴い、情報機器内に多種多様な情報が保持されるようになっている。このため、情報機器内に保持されている情報の漏洩等を抑制するセキュリティ技術の確立は極めて重要な課題になってきており、様々な認証技術(例えばパスワード認証や生体認証、カード認証等)が提案されている。しかし、既存の認証技術の多くは、ログイン時にのみ認証処理を実施するものであり、例えば、正規のユーザが情報機器の設置位置から離席している間に第三者が情報機器を不正に使用した場合、不正使用を検知できないという共通の課題がある。
【0003】
上記の課題を解決するため、ログイン後もユーザに対して継続的に認証処理を行う継続認証技術が提案されている。代表的な継続認証として、特徴ベクトルを用いた顔認証による継続認証が存在する。顔認証は画像中のユーザに対応する顔領域の特徴ベクトル郡となる特徴点群を登録しておき、登録した特徴点群との認証時に抽出する特徴点群との対応関係に基づいて、画像中のユーザを検知することで継続認証が実現される。
【0004】
また、ユーザを撮影した画像の色ヒストグラムを用いる色ヒストグラム認証も提案されている。色ヒストグラム認証は、顔認証等を用いる他の方式と比較して、ユーザの姿勢変化に対して頑健な継続認証が可能という特長を有している。色ヒストグラム認証では、例えば、画像中のユーザに対応する領域(例えば体領域)の色ヒストグラムを登録しておき、登録した色ヒストグラムとの色ヒストグラムの類似度に基づいて、画像中のユーザの体領域を検知し、その移動を追跡することで継続認証が実現される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】F. Monrose and A. D. Rubin, “Keystroke dynamics as biometrics for authentication,” Future Generation Comput. Syst., vol. 16, pp. 351-359, 2000.
【非特許文献2】A. Altinok and M. Turk, “Temporal integration for continuous multimodal biometrics,” in Proc. Workshop on Multimodal User Authentication, 2003, pp. 131-137.
【非特許文献3】T. Sim, S. Zhang, R. Janakiraman, and S. Kumar, “Continuous verification using multimodal biometrics,” IEEE Trans. Pattern Anal. Mach. Intell., vol. 29, no. 4, pp. 687-700, Apr. 2007.
【非特許文献4】K. Niinuma, U. Park, A. K. Jain, "Soft Biometric Traits For Continuous User Authentication", IEEE Transactions on Information Forensics and Security (TIFS), Vol. 5, No. 4, pp. 771-780, 2, 2010.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特徴ベクトルを用いる顔認証による継続認証においては、画像を撮像する撮像部に対してユーザが正面を向いていないと正確に継続認証を行うことが困難である。つまり、特徴ベクトルを用いる顔認証による継続認証は、姿勢の変化に対するロバスト性が低く、FRR(False Rejection Rate;本人拒否率)が高い為、可用性が低い課題を有している。
【0007】
一方、色ヒストグラムを用いる継続認証においては、顔認証とは異なり統計量を取り扱う性質上、ユーザの顔や体の向きの姿勢の変化に対するロバスト性が高い利点を有している。しかしながら、本発明者らの検証により以下の課題を有していることが新たに見出された。色ヒストグラムを用いた継続認証においては、継続認証中に、同一または類似の衣服の色を着用する別のユーザが画像に入ってくると、本来登録されたユーザの色ヒストグラムと別のユーザの色ヒストグラムが類似しているため、別のユーザを本人として誤って認証を続けてしまう問題が発生する。通常、認証システムを設計する際には、FAR(False Acceptance Rate;他人受入れ率)を一定以下(例えば1%)と設定する必要がある。ところが、同じ衣服を着たユーザが多い環境(例えば、オフィスや工場等)においては、上述のような問題が発生しやすくFARが高くなり、堅牢性が低くなる場合がある。
【0008】
上述の事情を考慮して、顔認証と色ヒストグラムを組み合わせた継続認証の適用を新たに本発明者らが検証した。しかしながら、同じ衣服のユーザが多く居る状況を想定すると、顔認証の認証判定の閾値は、従来の手法と同等の閾値に設定する必要がある。この為、顔認証の姿勢の変化に対するロバスト性は、色ヒストグラムを組み合わせても変わらずに低く、可用性が低いままであることが新たに判明された。よって、現状の継続認証技術おいては、可用性と堅牢性の双方を具備した継続認証を実施できる画像処理装置は提唱されていない状況である。
【0009】
本発明は、可用性と堅牢性を具備した継続認証が可能となる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明が開示する画像処理装置は、撮像された画像を取得する取得部と、画像に含まれる第1ユーザの第1特徴量と、第2特徴量を抽出する抽出部を備える。更に、当該画像処理装置は、第2ユーザにおける第1特徴量に対して第1ユーザの第1特徴量が類似する確率を示す第1認証判別値を算出する算出部を備える。更に、当該画像処理装置は、第1認証判別値に基づいて第1特徴量あるいは第1特徴量と第2特徴量を用いて第1ユーザを認証する認証部を備える。
【0011】
なお、本発明の目的及び利点は、請求項において特に指摘されたエレメント及び組み合わせにより実現され、かつ達成されるものである。また、上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を制限するものではないことを理解されたい。
【発明の効果】
【0012】
本明細書に開示される画像処理装置では、可用性と堅牢性を具備した継続認証が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一つの実施形態による画像処理装置1が含まれる継続認証装置10の機能ブロック図である。
図2】継続認証装置10による認証処理のフローチャートである。
図3】画像処理装置1による初期登録処理のフローチャートである。
図4】(a)は、色ヒストグラム抽出における顔領域と体領域の概念図である。(b)は色ヒストグラムのデータ構造の一例を示すテーブルである。(c)は色ヒストグラムの概念図である。
図5】(a)は、特徴ベクトル抽出における顔領域の概念図である。(b)は、特徴点を用いた特徴ベクトル情報のデータ構造の一例を示すテーブルである。
図6】算出部7が算出する第1認証判別値の算出処理のフローチャートである。
図7】(a)は、特徴ベクトルを用いた顔認証閾値(Th2)と、顔認証による他人受入れ率(FARf)の対応テーブルである。(b)は、特徴ベクトルを用いた顔認証閾値(Th2)と、顔認証による他人受入れ率(FARf)の関係図である。
図8】(a)は、特徴ベクトルを用いた顔認証閾値(Th2)と、顔認証による本人拒否率(FRRf)の対応テーブルである。(b)は、特徴ベクトルを用いた顔認証閾値(Th2)と、顔認証による本人拒否率(FRRf)の関係図である。
図9】画像処理装置1による継続認証処理のフローチャートを示す。
図10】一つの実施形態による画像処理装置1として機能するコンピュータのハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、一つの実施形態による画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例は、開示の技術を限定するものではない。
【0015】
図1は、一つの実施形態による画像処理装置1が含まれる継続認証装置10の機能ブロック図である。継続認証装置10は、画像処理装置1、ログイン認証部2、撮像部3、記憶部4を有する。更に、画像処理装置1は、取得部5、抽出部6、算出部7、認証部8を有する。
【0016】
継続認証装置10は、例えば、PCや携帯端末等の情報機器を使用するユーザの認証を行う装置である。なお、継続認証装置10は、ユーザによって使用されるPCや携帯端末等の情報機器に内蔵または接続することもできる。また、情報機器そのものを継続認証装置10として機能させることもできる。更に、情報機器と通信回線を介して接続されたコンピュータを継続認証装置10として機能させることでも実現できる。本実施例においては、一つの継続認証装置10をクライアント認証型の継続認証を例として説明するが、通信回線を利用したサーバ認証型の継続認証にも適用可能である。例えば、サーバ認証型の継続認証を行う場合は、クライアント側から後述するログイン認証処理に必要な情報や、ユーザの画像を受け取る。そして、画像処理装置1が有する各機能の処理をサーバ側で実施し、認証結果をクライアント側へ通知すれば良い。
【0017】
ログイン認証部2は、例えば、ワイヤードロジックによるハードウェア回路である。また、ログイン認証部2は、継続認証装置10で実行されるコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールであっても良い。ログイン認証部2は、ユーザの認証方式として、公知の各種の認証方式(例えば、パスワード認証や生体認証、カード認証等)の何れを適用することで、ユーザのログイン認証処理を実施することが可能になる。
【0018】
撮像部3は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどの撮像デバイスである。撮像部3は、例えば、ログイン認証部2によるログイン認証処理を経て情報機器を使用しており、正規の使用権限を有する第1ユーザや、ログイン認証処理を経ていない正規の使用権限を有さない第2ユーザのユーザ領域となる顔領域または体領域を含む画像を一定時間毎に撮像する。なお、第2ユーザは第1ユーザ以外の一人でも良いし複数人の何れでも良い。
【0019】
記憶部4は、例えば、フラッシュメモリ(flash memory)などの半導体メモリ素子、または、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部4は、上記の種類の記憶装置に限定されるものではなく、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)であってもよい。記憶部4には、例えば、画像処理装置1が算出する色ヒストグラムや特徴ベクトル等の各種データ等が必要に応じて記憶される。なお、記憶部4は、必ずしも継続認証装置10に含まれる必要はない。例えば当該各種データは、画像処理装置1に含まれる各機能部の図示しないキャッシュやメモリ等に記憶しても良い。また、継続認証装置10または、画像処理装置1に設けられる図示しない通信ユニットを用いて通信回線を介することによって、記憶部4を継続認証装置10以外の外部装置に設けることも可能である。
【0020】
取得部5は、例えば、ワイヤードロジックによるハードウェア回路である。また、取得部5は、画像処理装置1で実行されるコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールであっても良い。取得部5は、撮影部3が撮影を行うことで得られた画像を一定時間毎に取得する。なお、取得部5は、撮像部3以外からも画像を受信することが可能である。例えば、取得部5は、当該画像を図示しない通信ユニット用いて、通信回線を介することで外部装置から受け取っても良い。この場合、撮像部3は継続認証装置10の中に存在する必要は必ずしもなく、存在していてもよいし、していなくてもよい。
【0021】
抽出部6は、例えば、ワイヤードロジックによるハードウェア回路である。また、抽出部6は、画像処理装置1で実行されるコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールであっても良い。抽出部6は、取得部5から画像を受け取り、画像に含まれる第1ユーザまたは第2ユーザのユーザ領域の一部である第1領域から、第1特徴量となる色ヒストグラムを抽出する。なお、当該第1領域は、ユーザの顔領域あるいは顔領域と体領域の双方の領域を示す。更に、抽出部6は、画像に含まれるユーザ領域の一部である第2領域から、第2特徴量となる特徴ベクトルを抽出する。なお、第2領域は、ユーザの顔領域を示す。また、第1領域と第2領域におけるユーザの顔領域は必ずしも一致させる必要は無く、独立した領域として設定しても良い。なお、抽出部6による第1特徴量となる色ヒストグラムと、第2特徴量となる特徴ベクトルの抽出方法については後述する。また、説明の便宜上、第1領域から抽出する第1特徴量を色ヒストグラムと称し、第2領域から抽出する第2特徴量を特徴ベクトルと以後称することにする。
【0022】
算出部7は、例えば、ワイヤードロジックによるハードウェア回路である。また、算出部7は、画像処理装置1で実行されるコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールであっても良い。算出部7は、抽出部6から第1ユーザまたは第2ユーザの色ヒストグラムと特徴ベクトルを受け取る。
【0023】
なお、算出部7は、第2ユーザの色ヒストグラムを必ずしも抽出部6から受け取る必要はなく、画像処理装置1以外の他の画像処理装置から受け取って良い。例えば、あるオフィスにおいて、複数のユーザ(第2ユーザ)が、画像処理装置1を含むそれぞれ個別の継続認証装置10を利用している場合、通信回線を介して第2ユーザの色ヒストグラムを受けることが可能である。また、例えば、単数の継続認証装置10を、複数のユーザで共有して使用する場合、ログイン認証処理が完了後、算出部7は、第1ユーザの色ヒストグラムを抽出する。そして、第1ユーザのログアウト処理の実行を契機に、当該第1ユーザの色ヒストグラムを、第2ユーザの色ヒストグラムとして、抽出部6の図示しないキャッシュまたはメモリまたは、記憶部4に保存しても良い。また、例えば、第1ユーザが継続認証装置10を使用している時に、周囲に存在している第2ユーザを撮像部3が撮像した場合は、算出部7は、抽出部6が抽出した第2ユーザの色ヒストグラムを受け取っても良い。
【0024】
算出部7は、第1ユーザの色ヒストグラムと、第2ユーザの色ヒストグラムを用いて、第2ユーザの色ヒストグラムに対して、第1ユーザの色ヒストグラムが類似する確率を示す第1認証判別値を算出する。なお、第1認証判別値の技術的意味と、算出部7による第1認証判別値の算出処理の詳細フローについては後述する。
【0025】
認証部8は、例えば、ワイヤードロジックによるハードウェア回路である。また、認証部8は、画像処理装置1で実行されるコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールであっても良い。認証部8は、算出部7が算出する第1認証判別値を受け取り、当該第1認証判別値に基づいて、色ヒストグラムあるいは、色ヒストグラムと特徴ベクトルの双方を用いることで第1ユーザを継続認証する。なお、認証部8による継続認証フローの詳細については後述する。
【0026】
図2は、継続認証装置10による認証処理のフローチャートである。図2に示す認証処理は、ユーザによって継続認証装置10または、継続認証装置10に接続(または内蔵)される情報機器の使用が開始される際に実行される。先ず、ログイン認証部2は、ログイン認証処理を行う(ステップS201)。このログイン認証処理における認証方式は、公知の各種の認証方式(例えばパスワード認証や生体認証、カード認証等)の何れを用いることが可能である。次に、ログイン認証部2は、ログイン認証処理によってユーザが正規の利用者で第1ユーザであることを確認できたか否か判定する(ステップS202)。
【0027】
ログイン認証部2によりログイン認証の判定が否定された場合(ステップS202−No)は、継続認証装置10は認証処理を終了する。これにより、正規の利用者である第1ユーザ以外の第2ユーザが継続認証装置10または、継続認証装置10が接続される情報機器を使用することを阻止することが出来る。一方、ログイン認証部2によりログイン認証の判定が肯定された場合(ステップS202−Yes)は、ログイン認証部2は画像処理装置1を起動し、画像処理装置1は、継続認証処理を行う(ステップS203)。なお、ステップS203における継続認証処理の詳細フローについては後述する。
【0028】
画像処理装置1により継続認証の判定が否定された場合(ステップS204−No)は、継続認証装置10または、継続認証装置10に接続される情報機器のロック処理を行う(ステップS206)。ロック処理は、例えば、一時的にログアウト処理することで、ログイン認証部2によるログイン認証処理が再度実行出来る状態にする処理である。また、情報機器を完全に操作不能にさせた上で、管理者等にアラームを通知する処理でも良い。一方、画像処理装置1により継続認証の判定が肯定された場合(ステップS204−Yes)は、画像処理装置1は一定時間待機し(ステップS205)、継続認証処理(ステップS203)を繰り返し実行する。なお、ステップS205における一定時間は、継続認証装置10に求められる堅牢性等を考慮して任意に設定することが出来る。例えば、一定時間は30秒または60秒の何れかに設定すれば良い。
【0029】
以上の処理により、ログイン認証によって正規の利用者である第1ユーザであることが確認されたユーザは、画像処理装置1によって継続認証処理が行われている間、継続認証装置10または、継続認証装置10接続される情報機器を使用することが可能となる。
【0030】
次に、図2に示す認証処理のステップS203で画像処理装置1によって実行される継続認証処理の詳細フローを説明する。図3は、画像処理装置1による初期登録処理のフローチャートである。図2に示す継続認証処理のステップS203では、先ず始めに図3に示す初期登録処理が実行される。
【0031】
先ず、取得部5は、撮像部3によって撮像された画像を取得する(ステップS301)。次に抽出部6は、取得部5から画像を受け取り、画像に含まれる第1ユーザの顔を検出する(ステップS302)。なお、顔の検出は、例えば、「P. Viola and M. Jones, “Rapid object detection using a boosted cascade of simple features,” in Proc. IEEE Computer Vision and Pattern Recognition, pp. I-511 - I-518, 2001.」に開示されるHaar classifier等の任意の公知手法を用いることが可能である。抽出部6は、第1ユーザの顔を適格に抽出できたか否か判定する(ステップS303)。
【0032】
撮像部3による撮影時に第1ユーザの顔が撮像部3の正面を向いていなかった等の場合により、第1ユーザの顔抽出の適格性が否定された場合(ステップS303−No)は、撮像部3により再度撮像が実行された後、取得部5による画像の取得が実行される(ステップS301)。なお、ステップS303において、一定回数に渡り第1ユーザの顔抽出の適格性が否定された場合は、初期登録処理を完了させた上で、図2のステップS206のロック処理を行っても良い。一方、図3において、顔抽出の適格性が肯定された場合(ステップS303−Yes)は、抽出部6は、第1ユーザの顔に対応する一定形状(例えば、円形状、楕円形状、または矩形状)を顔領域として設定する(ステップS304)。更に、抽出部6は、設定した顔領域の下方に、第1ユーザの体の一部に対応する一定形状(例えば矩形状、楕円形状または半円形状)を体領域として設定する(ステップS304)。なお、体領域は、例えば、顔領域に対して2倍の横幅、等倍の縦幅に設定することが出来る。
【0033】
図4(a)は、色ヒストグラム抽出における顔領域と体領域の概念図である。図4(a)に示す例では、形状を円形とする顔領域と、形状を矩形とする体領域が設定されている。なお、図4(a)に示す通り、顔領域には頭部を含ませることで、ユーザの髪の色も特徴量として含まれる為、色ヒストグラムを用いる類似度の判定精度を向上させることが可能になる。また、抽出部4は、色ヒストグラム抽出における第1領域として顔領域と体領域のいずれかを設定しても良い。なお、ユーザの服装のユニーク性を考慮して、色ヒストグラム抽出における第1領域として、顔領域と体領域の双方を設定しても良い。図5(a)は、特徴ベクトル抽出における顔領域の概念図である。図5(a)に示す例では、特徴ベクトル抽出におけるユーザ検知領域は、形状を円形とする顔領域が設定される。
【0034】
図3において、抽出部6は、ステップS304で設定した第1ユーザの顔領域または体領域の色ヒストグラムを抽出する(ステップS305)。抽出部6は、例えば、画像の画素のRGBレベルが各256階調の場合、画像中の顔領域または体領域の対象画素について、RGB色空間の各成分を16分割し、16×16×16=4096階調化する。ここで、Rの画素値をVr(0〜255)として、Rを16分割したビンVr’は、次式で表現することが出来る。
(数1)
Vr’ = Vr×16÷256

なお、Gの画素値をVg(0〜255)としてGを16分割したビンVg’ならびに、Bの画素値をVb(0〜255)としてGを16分割したビンVb’は、上述のVr’と同様の手法で算出することが出来る為、詳細な説明は省略する。抽出部6は、算出したビンVr’、ビンVg’、ビンVb’を用いることで、次式にて表現される4096階調化した画素レベルV’を算出する。
(数2)
V’ = Vr’×16×16+Vg’×16+Vb’
【0035】
抽出部6は、4096階調化した各階調について、顔領域または体領域の画素の和を求めた配列を色ヒストグラムとする。図4(b)は、色ヒストグラムのデータ構造の一例を示すテーブルである。図4(b)は、例として体領域の色ヒストグラムのデータの構造を示しているが、顔領域の色ヒストグラムのデータ構造も同様のデータ構造で表現することが出来る為、詳細な説明は省略する。図4(b)に示す通り、抽出部6は必要に応じて体領域の形状や、当該形状の位置情報等の付帯情報を領域形状・位置情報としてテーブルに格納しても良い。図4(b)においては、形状が矩形であり、体領域の中心が、例えば画像の左上端を原点とする座標(200、200)に位置しており、幅が200画素分、高さが150画素分のサイズであることを表している。また、図4(b)に示す色ヒストグラム(R、G、B)は、上述のビンVr’、ビンVg’、ビンVb’の各々の数値範囲内に入る色の割合によって色ヒストグラムを表している。例えば、図4(a)に示す色ヒストグラム(15、15、15)は、(R、G、B)=(0、0、0)〜(15、15、15)の数値範囲の色の画素数の全体に占める割合が0.01=1%であることを表している。なお、抽出部6は、色ヒストグラムの抽出において、RGB色空間以外の他の色空間(例えばHSV色空間)を用いることも可能である。
【0036】
図4(c)は、色ヒストグラムの概念図である。図4(c)に示される通り、抽出部6は、比較対象となる色ヒストグラムの領域サイズ(領域に含まれる画素数)が異なると、異なる色ヒストグラム同士の類似度の算出処理が煩雑になることを考慮し、任意の標準の領域サイズで画素数を正規化した正規化ヒストグラムを生成しても良い。
【0037】
図3において、抽出部6は、ステップS305で抽出した色ヒストグラムを基準色ヒストグラムとして、認識部8の図示しないキャッシュまたはメモリ、または記憶部4に記憶する(ステップS306)。なお、基準色ヒストグラムを基準第1特徴量と称しても良い。
【0038】
抽出部6は、第1ユーザの顔領域から、例えば、「L. Sirovich and M. Kirby, "Low-dimensional procedure for the characterization of human faces". Journal of the Optical Society of America A 4 (3): 519-524, 1987」に開示される、事前に用意された固有顔データに対するユーザの顔データの主成分分析を行う固有顔(Eigen)方式を用いて特徴ベクトルを抽出する(ステップS307)。抽出部6は、当該特徴ベクトルを基準特徴ベクトルとして、認識部8の図示しないキャッシュまたはメモリ、または記憶部4に記憶する(ステップS308)ことで、初期登録処理が終了する。なお、基準特徴ベクトルを基準第2特徴量と称しても良い。
【0039】
また、抽出部6は、図3のステップS307において、上述の固有顔方式以外にも、Harris corner detector等を利用して特徴点を抽出し、当該特徴点から特徴ベクトルを抽出することも可能である。この場合、ステップS307において、顔領域から抽出する特徴点は、記述子(descriptor)と呼ばれる特徴点ごとの特徴ベクトルが計算される特徴点であれば良い。例えば、SIFT(Scale Invariant Feature Transform)特徴点や、SURF(Speeded Up Robust Features)特徴点等の公知の特徴点を使用することが可能である。なお、SIFT特徴点の抽出方法については、例えば、米国特許第6、711、293号に開示されている方法を用いることが出来る。SURFの抽出方法については、例えば、「H. Bay, et.al. "SURF : Speeded Up Robust Features”, Computer Vision AND Image Understanding, Vol. 110, No.3, pp.346-359, 2008」に開示されている方法を用いることが出来る。
【0040】
図5(a)においては、顔領域で抽出された特徴点の位置の例を示している。当該特徴点の位置は、画像の基準位置(例えば画像の左上端)を原点とした場合における基準位置からの距離(x、y)で定義される。方向は、基準位置に対する特徴点の方向で定義される。また、特徴ベクトルは、色や形状などの複数の特徴量(例えば128次元)の集合で定義される。図5(b)は、特徴点を用いた特徴ベクトル情報のデータ構造の一例を示すテーブルである。図5(b)に示す通り、抽出部6は必要に応じて顔領域の形状や、当該形状の位置情報等の付帯情報を領域形状・位置情報としてテーブルに格納しても良い。図5(b)に示す例では、形状が円形であり、顔領域の中心が、画像の左上端を原点とする座標(200、100)に位置しており、幅が100画素分、高さが150画素分のサイズであることを表している。また、図5(b)に示す特徴ベクトルは、抽出部6が抽出した特徴ベクトルのIDと、当該特徴ベクトルの画像中の位置・方向等の情報を有する。なお、方向は、基準位置に対する特徴点の方向で定義される。特徴ベクトルは、色や形状などの複数の特徴量(例えば128次元)の集合で定義される。なお、特徴ベクトルは、上述の方法以外にも様々な公知の特徴量を用いることが出来る。なお、本実施例は、ユーザの顔領域から特徴ベクトルを抽出しているが、他の任意の領域から特徴ベクトルを抽出しても良い。
【0041】
次に、図3に示す初期登録処理が完了した後の、図2に示す認証処理のステップS203で画像処理装置1によって実行される継続認証処理で用いる第1認証判別値の算出フローを説明する。図6は、算出部7が算出する第1認証判別値の算出処理のフローチャートである。算出部7は、図3のステップS306で記憶した基準色ヒストグラム(Dsta)を、例えば認証部8から受け取る(ステップS601)。算出部7は、ログイン認証部2によるログイン認証処理を経て、情報機器を使用している正規の使用権限を有する第1ユーザ以外(ログイン認証処理を経ていない正規の使用権限を有さない第2ユーザ)の色ヒストグラム(Di)の取得数(i)を0にセットする。また、算出部7は、第2ユーザの色ヒストグラム(Di)が基準色ヒストグラム(Dsta)と類似する類似総数(Ssum)を0にセットする(ステップS602)。
【0042】
算出部7は、第2ユーザの色ヒストグラム(Di)を受け取る(ステップS603)。ステップS603において、例えば、上述の通り、あるオフィスにおいて、複数のユーザ(第2ユーザ)が、画像処理装置1を含むそれぞれ個別の継続認証装置10を利用している場合、算出部7は、通信回線を介して第2ユーザの色ヒストグラム(Di)を受けることが可能である。更に、算出部7は、ネットワークドメインやIPアドレス等を利用することで、オフィスに存在する複数の継続認証装置10や、第2ユーザを特定することが可能となる。
【0043】
また、ステップS603において、算出部7は、単数の継続認証装置10を、複数のユーザで共有して使用する場合、第1ユーザのログアウト処理の実行を契機に、当該第1ユーザの色ヒストグラムを、第2ユーザの色ヒストグラム(Di)として抽出部6から受け取ることが出来る。なお、この場合、色ヒストグラム(Di)に対して、ユーザを一意に特定するID、収集日時を付帯情報として付与されていても良い。色ヒストグラムは、ユーザが着用する衣服によって異なる為、収集日時を付帯情報とすることで、ある特定期間内の色ヒストグラムを利用することが可能となり、堅牢性を向上させることが出来る。
【0044】
また、ステップS603において、第1ユーザが継続認証装置10を使用している時に、周囲に存在している第2ユーザを含む画像を撮像部3が撮像した場合は、算出部7は、抽出部6が抽出した第2ユーザの色ヒストグラム(Di)を受け取っても良い。なお、第2ユーザの色ヒストグラム(Di)は、例えば図3のステップS301ないしS305と同様の処理で算出することが出来る。
【0045】
算出部7は、基準色ヒストグラム(Dsta)と、第2ユーザの色ヒストグラム(Di)の類似度を算出し、当該類似度が所定の閾値となる色ヒストグラム認証閾値(Th1)以上か否かを判定する(ステップS604)。ここで、基準色ヒストグラム(Dsta)と、第2ユーザの色ヒストグラム(Di)の類似度判定処理について説明する。色ヒストグラムの類似度の算出には、様々な公知の手法を用いることが可能であるが、例えば、Bhattacharyya距離を用いることが出来る。Bhattacharyya距離を用いた類似度計算については、例えば、「Kailath T. The Divergence AND Bhattacharyya Distance Measures in Signal Selection". IEEE Transactions on Communication Technology 15 (1) pp.52-60, 1967」に開示されている計算方法を用いることが出来る。また、図4(c)に示す様に、正規化色ヒストグラムを生成している場合は、基準色ヒストグラム(Dsta)の正規化色ヒストグラムをpu、第2ユーザの色ヒストグラム(Di)の正規化色ヒストグラムをpuとすると、類似度ρは、次式を用いて算出することが出来る。
(数3)


なお、算出部7は、顔領域と体領域の色ヒストグラムの類似度を組み合わせて判定する場合は、顔領域の色ヒストグラムの類似度をSface、体領域の色ヒストグラムの類似度をSbodyした場合、総合類似度Stotalは、例えば次式で算出することが出来る。
(数4)
Stotal=t×Sface+(1−t)×Sbody

但し、tは顔領域の色ヒストグラムの類似度Sfaceに対する重み係数であり、0≦t≦1である。
【0046】
算出部7は、算出した色ヒストグラムの類似度が所定の閾値となる色ヒストグラム認証閾値(Th1)以上であれば、基準色ヒストグラム(Dsta)と、第2ユーザの色ヒストグラム(Di)が類似していると判定し(ステップS604−Yes)、類似総数(Ssum)に対して1をインクリメントさせる(ステップS605)。また、算出部7は、算出した色ヒストグラムの類似度が色ヒストグラム認証閾値(Th1)未満であれば非類似と判定し(ステップS604−No)、ステップS606へ処理を進める。
【0047】
算出部7は、色ヒストグラム(Di)の取得数(i)に対して1をインクリメントさせる(ステップS606)。算出部7は、色ヒストグラム(Di)の取得数(i)が色ヒストグラム(Di)の取得数(i)に対する規定取得数(N)以上か否かを判断する(ステップS607)。ここで、規定取得数(N)は、任意定めることが出来る定数である。例えば、あるオフィスにおいて、複数のユーザ(第2ユーザ)が、画像処理装置1を含むそれぞれ個別の継続認証装置10を利用している場合は、第2ユーザ数を規定取得数(N)とすることが出来る。また、例えば、一定時間色ヒストグラム(Di)の取得数(i)がインクリメントされない場合において、取得数(i)を規定取得数(N)と規定しても良い。なお、規定取得数(N)は、例えば100とすれば良い。
【0048】
色ヒストグラム(Di)の取得数(i)が規定取得数(N)より小さい場合(ステップS607−No)は、算出部7は、ステップS602ないしステップS607の処理を繰り返し実行する。色ヒストグラム(Di)の取得数(i)が規定取得数(N)より大きい場合(ステップS607−Yes)は、算出部7は、第2ユーザの色ヒストグラムに対して、第1ユーザの色ヒストグラムが類似する確率を示す第1認証判別値(FARc)を算出する(ステップS608)。
【0049】
第1認証判別値(FARc)は、類似総数(Ssum)と、規定取得数(N)を用いて次式で算出することが出来る。
(数5)
FARc(%) = Ssum/N×100

ここで、第1認証判別値(FARc)は、色ヒストグラム認証における他人受入れ率と同義である。換言すると、第1認証判別値(FARc)は、色ヒストグラムを抽出した複数の第2ユーザに対して、どの程度第1ユーザと類似する色ヒストグラムを有するユーザが存在するかという確率を示している。なお、第1認証判別値(FARc)は、第1ユーザと類似する色ヒストグラムを有する第2ユーザが多いほど値が大きくなる。また、第1ユーザと類似する色ヒストグラムを有する第2ユーザが存在しない場合は、値が0となる。また、第1認証判別値(FARc)を算出するタイミングは継続認証装置10に要求される堅牢性に応じて任意に設定することが出来る。例えば、算出部7は少なくとも12時間または24時間に1回は、第1認証判別値(FARc)を算出する。これによって、ユーザが着用する衣類の変化による色ヒストグラムの変動にも対応することが可能となる。
【0050】
算出部7は、ステップS608で算出した第1認証判別値(FARc)を、例えば、認証部8の図示しないキャッシュまたはメモリ、または記憶部4に記憶することで、第1認証判別値(FARc)算出処理が終了する。
【0051】
ここで、本実施例における特徴ベクトルと色ヒストグラム認証を組み合わせた複合認証の技術的意義について説明する。先ず、継続認証装置10に要求される認証要求他人受入れ率(FARt)が1%であり、第1認証判別値(FARc)が1%未満であれば、第1ユーザの色ヒストグラムは、継続認証装置10の利用環境下において十分にユニークであること意味している。つまり、色ヒストグラム認証のみで、第1ユーザを認証することが出来る。一方、第1認証判別値(FARc)が1%以上場合は、第1ユーザの色ヒストグラムは、継続認証装置10の利用環境下において十分にユニークではないこと意味している。つまり、色ヒストグラム認証のみで、第1ユーザを認証することは適当ではなく、特徴ベクトルを用いた顔認証を併用する必要がある。
【0052】
なお、特徴ベクトルを用いた顔認証方法は例えば、以下の様に実行される。認証部8は、継続認証時に第1ユーザの顔領域から抽出した認証特徴ベクトルを含む認証特徴点群と、基準特徴ベクトルを含む基準特徴点群との照合を行う。例えば、認証部8は、基準特徴点群から、任意の一つの特徴点を選択する。
【0053】
認証部8は、選択した一つの特徴点と、認証特徴ベクトルと基準特徴点の対応付けを探索する。探索方法としては、一般的な対応点探索によるマッチング処理を用いれば良い。認証部8は、認証特徴点群と基準特徴点群を全て照合した後で、対応付けた特徴点の個数と、所定の閾値となる顔認証閾値(Th2)に基づいて第1ユーザを認証する。
【0054】
また、特徴点を抽出した際の第1ユーザの実際の顔位置によっては、抽出した特徴点の中に背景領域に対応する特徴点が一部含まれていることも考えられる。これを考慮すると、抽出した個々の特徴点に個別に信頼度を付与して顔領域を判定するようにしてもよい。信頼度は、例えば、特徴点群の重心からの距離に基づき、この距離が小さくなるに従って信頼度が高くなるように付与することができる。顔領域を判定する際には、信頼度の高い特徴点のみを使用するか、或いは、信頼度に応じて個々の特徴点を重み付けすることで、顔領域の判定精度を向上させることができる。また、認証部8は、固有顔データを用いる場合は、基準特徴ベクトルと認証時に抽出する認証特徴ベクトルを類似度と、所定の閾値となる顔認証閾値(Th2)に基づいて第1ユーザを認証することが出来る。
【0055】
図7(a)は、特徴ベクトルを用いた顔認証閾値(Th2)と、顔認証による他人受入れ率(FARf)の対応テーブルである。図7(b)は、特徴ベクトルを用いた顔認証閾値(Th2)と、顔認証による他人受入れ率(FARf)の関係図である。図8(a)は、特徴ベクトルを用いた顔認証閾値(Th2)と、顔認証による本人拒否率(FRRf)の対応テーブルである。図7(b)は、特徴ベクトルを用いた顔認証閾値(Th2)と、顔認証による本人拒否率(FRRf)の関係図である。図7(b)と図8(b)に示される通り、顔認証による他人受入れ率(FARf)は、顔認証による本人拒否率(FRRf)は、一方が上がると他方が下がる「トレードオフの関係」にある。例えば、図7(a)と図8(a)のテーブルをそれぞれ参照すると、顔認証閾値(Th2)が90の場合、他人受入れ率(FARf)は0.9%であり、本人拒否率(FRRf)は15%である。また、顔認証閾値(Th2)が70の場合、他人受入れ率(FARf)は10%であり、本人拒否率(FRRf)は4%であり、トレードオフの関係となる。
【0056】
一方、色ヒストグラム認証他人受入れ率(FARc)は、上述の第1認証判別値(FARc)と同義であり、FARcが取り得る値の範囲は、上述の(数5)から理解出来る通り、0〜100%である。色ヒストグラム認証における本人拒否率(FRRc)は、着用する衣類の変化や照明の変化等の外乱の影響を受けない限り、本人を拒否する確率は極めて低く、例えば0.1%以下である。つまり、色ヒストグラムは、特徴ベクトルを用いた顔認証とは異なり、他人受入れ率(FARc)と本人拒否率(FRRc)は「独立した関係」となっている。
【0057】
ここで、特徴ベクトルを用いた顔認証のみを用いる認証方式の本人拒否率について説明する。継続認証装置10に要求される他人受入れ率(FARt=1%)を達成する場合の本人拒否率(FRRf)は、図7(a)と図8(a)に示される通り、顔認証閾値(Th2)を、90に設定する必要がある。この場合の本人拒否率(FRRf)は15%となる。
【0058】
次に、本実施例における色ヒストグラム認証と特徴ベクトル認証を組み合わせた認証方式の本人拒否率について説明する。複数の認証方式を組み合わせてAND条件で認証を行う複合認証の場合、複合認証における他人受入れ率(FAR)は、各認証方式の他人受入れ率(FAR)の積で表現される。また、本人拒否率(FRR)は、各認証方式は本人拒否率(FRR)の和で表現される。ここで、継続認証装置10に要求される他人受入れ率(FARt)が1%として与えられていると想定する。この場合、継続認証装置に要求される他人受入れ率(FARt)は、上述の色ヒストグラム認証他人受入れ率(第1認証判別値(FARc))と顔認証他人受入れ率(FARf)を用いて次式で表現することが出来る。なお、顔認証他人受入れ率(FARf)を、第2認証判別値と称しても良い。
(数6)
FARt=FARc+FARf
【0059】
例えば、色ヒストグラム認証他人受入れ率(第1認証判別値(FARc))が20%(5人中に1人が、色ヒストグラムが類似している状態)である場合、上述の(数6)から、
(数7)
FARf=FARt/FARc

の関係となり、要件とされる顔認証他人受入れ率(FARf)は5%となる。FARf=5%を実現させる顔認証閾値(Th2)は、図7(a)に示される通り80に設定される。つまり、本実施例においては、顔認証閾値が第1認証判別値等に応じて動的に変動している。ここで、Th2=80の場合、顔認証本人拒否率(FRRf)は、図8(a)に示される通り、8%である。継続認証装置10に要求される他人受入れ率(FARt=1%)を達成する場合の本人拒否率(FRR)は、顔認証本人拒否率(FRRf)の8%と、色ヒストグラム本人拒否率(FRRc)0.1%の和の8.1%となり、堅牢性を保持しつつ大幅に可用性が向上している。
【0060】
この様に、本実施例における認証方式においては、第2ユーザの色ヒストグラムから第1ユーザの色ヒストグラムが類似する確率となる第1認証判別値を算出し、色ヒストグラム認証と、当該第1認証判別値に応じて認証閾値を変動させた特徴ベクトル認証を組み合せることで継続認証における堅牢性と可用性を向上させることが可能となる。
【0061】
図9は、画像処理装置1による継続認証処理のフローチャートを示す。当該フローは図2のステップS202の詳細フローを示す。なお、図9に示す処理フローを開始する時点で図3図6に示す各フローで、基準色ヒストグラム(Dstd)、基準特徴ベクトル(Vstd)、第1認証判別値(FARc)が抽出または算出されているものとする。
【0062】
取得部5は、撮像部3によって撮像された画像を取得する(ステップS901)。次に抽出部6は、取得部5から画像を受け取り、画像に含まれる第1ユーザのユーザ領域となる顔領域と体領域を設定する(ステップS903)。なお、顔領域と体領域の設定は、図3のステップS302ないしS304に示す方法で同様に検出することが出来る。図9において、抽出部6は、第1ユーザのユーザ領域を適格に設定できたか否か判定する(ステップS903)。
【0063】
撮像部3による撮影時に第1ユーザの顔が撮像部3の正面を向いていなかった等の場合により、第1ユーザのユーザ領域設定の適格性が否定された場合(ステップS903−No)は、撮像部3により再度撮像が実行された後、取得部5による画像の取得が実行される(ステップS901)。なお、ステップS903において、一定回数に渡り第1ユーザのユーザ領域設定の適格性が否定された場合は、図2のステップS206のロック処理を行っても良い。一方、図9において、ユーザ領域の設定の適格性が肯定された場合(ステップS903−Yes)、抽出部6は、当該ユーザ領域から認証用ヒストグラム(Daut)を抽出する(ステップS904)。なお、認証用ヒストグラム(Daut)は、図3のステップS305に示す方法で同様に抽出することが出来る。
【0064】
図9において、算出部7は、基準色ヒストグラム(Dstd)と、認証用ヒストグラム(Daut)の類似度を示す第1類似度を算出する(ステップS905)。なお、第1類似度の算出には、図6のステップS604に示す方法で同様に算出することが出来る。
【0065】
第1類似度が所定の色ヒストグラム閾値(Th1)未満の場合(ステップS906−No)は、認証部8は、継続認証失敗と判定し(ステップS913)、画像処理装置1は継続認証処理を終了する。なお、色ヒストグラム閾値(Th1)を第2閾値と称しても良い。
【0066】
第1類似度が所定の色ヒストグラム閾値(Th1)以上の場合(ステップS906−Yes)は、認証部8は、継続認証装置10に要求される他人受入れ率を示す第1閾値(FARt)が、第1認証判別値(FARc)以上か否かを判定する(ステップS907)。第1閾値(FARt)が、第1認証判別値未満の場合(ステップS907−Yes)は、認証部8は、継続認証成功と判定し(ステップS912)、画像処理装置1は継続認証処理を終了する。
【0067】
第1閾値(FARt)が、第1認証判別値(FARt)未満の場合(ステップS907−No)は、抽出部8は、認証用特徴ベクトル(Vaut)をユーザ領域の一部である顔領域から抽出する(ステップS908)。なお、認証用特徴ベクトル(Vaut)は、図3のステップS307と同様の方法で抽出することが出来る。
【0068】
図9において、算出部7は、基準特徴ベクトル(Vstd)と、認証用特徴ベクトル(Vaut)の類似度を示す第2類似度を算出する(ステップS909)。なお、特徴ベクトルの類似度の算出方法は、上述の公知の手法を用いることが出来る。
【0069】
認証部8は、顔認証閾値(Th2)を、第1認証判別値(FARc)と第1閾値(FARt)基づき規定する(ステップS909)。認証部8は、例えば、顔認証閾値(Th2)を、上述の(数7)と図7(a)に示すテーブルを用いて規定することが出来る。また、顔認証閾値(Th2)を第3閾値と称しても良い。
【0070】
認証部8は、ステップS909で算出した第2類似度が顔認証閾値(Th2)以上か否かを判定する(ステップS911)。第2類似度が顔認証閾値(Th2)以上の場合(ステップS911−Yes)の場合、認証部8は、継続認証成功と判定し(ステップS912)、画像処理装置1は継続認証処理を終了する。第2類似度が顔認証閾値(Th2)未満の場合(ステップS911−No)の場合、認証部8は、継続認証失敗と判定し(ステップS913)、画像処理装置1は継続認証処理を終了する。
【0071】
図10は、一つの実施形態による画像処理装置1として機能するコンピュータのハードウェア構成図である。図10に示すように、画像処理装置1は、制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、ドライブ装置14、ネットワークI/F部17、入力部18、表示部19を含む。これら各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続されている。
【0072】
制御部11は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部11は、主記憶部12や補助記憶部13に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部18や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、表示部19や記憶装置などに出力する。
【0073】
主記憶部12は、ROMやRAMなどであり、制御部11が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶または一時保存する記憶装置である。
【0074】
補助記憶部13は、HDDなどであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0075】
ドライブ装置14は、記録媒体15、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、補助記憶部13にインストールする。
【0076】
また、記録媒体15に、所定のプログラムを格納し、この記録媒体15に格納されたプログラムはドライブ装置14を介して画像処理装置1にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、画像処理装置1により実行可能となる。
【0077】
ネットワークI/F部17は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と画像処理装置1とのインターフェースである。
【0078】
入力部18は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、表示部19の表示画面上でキーの選択等を行うためのマウスやスライスパット等を有する。また、入力部18は、ユーザが制御部11に操作指示を与えたり、データを入力したりするためのユーザインターフェースである。
【0079】
表示部19は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、制御部11から入力される表示データに応じた表示が行われる。
【0080】
なお、上述した画像処理方法は、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。このプログラムをサーバ等からインストールしてコンピュータに実行させることで、上述した画像処理方法を実現することができる。
【0081】
また、このプログラムを記録媒体15に記録し、このプログラムが記録された記録媒体15をコンピュータや携帯端末に読み取らせて、前述した画像処理を実現させることも可能である。なお、記録媒体15は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0082】
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。
【0083】
以上、説明した実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
撮像された画像を取得する取得部と、
前記画像に含まれる第1ユーザの第1特徴量と、第2特徴量を抽出する抽出部と、
第2ユーザにおける第1特徴量に対して前記第1ユーザの前記第1特徴量が類似する確率を示す第1認証判別値を算出する算出部と、
前記第1認証判別値に基づいて前記第1特徴量あるいは前記第1特徴量と前記第2特徴量を用いて前記第1ユーザを認証する認証部
を備えることを特徴とする画像処理装置。
(付記2)
前記第1特徴量は色ヒストグラムであり、前記第2特徴量は特徴ベクトルであることを特徴とする付記1記載の画像処理装置。
(付記3)
前記画像には、前記第2ユーザが含まれており、前記算出部は、
前記抽出部が抽出した前記第2ユーザにおける第1特徴量を取得するか、
他の画像処理装置から前記第2ユーザにおける第1特徴量を取得することを特徴とする付記1または付記2記載の画像処理装置。
(付記4)
前記認証部は、
前記第1認証判別値が所定の第1閾値未満の場合は、前記第1特徴量と予め保持している基準第1特徴量との類似度を示す第1類似度に基づいて前記第1ユーザを認証し、
前記第1認証判別値が前記第1閾値以上の場合は、前記第1類似度ならびに、前記第2特徴量と予め保持している基準第2特徴量との類似度を示す第2類似度に基づいて前記第1ユーザを認証することを特徴とする付記1ないし付記3いずれか一つに記載の画像処理装置。
(付記5)
前記第1閾値は、前記認証部が許容する他人受入れ率に基づいて規定されることを特徴とする付記4記載の画像処理装置。
(付記6)
前記認証部は、前記第1認証判別値が前記第1閾値未満の場合は
前記第1類似度が、前記第1類似度に基づいて前記第1ユーザを認証する時に用いる第2閾値以上の場合に、前記第1ユーザを認証する付記4記載の画像処理装置。
(付記7)
前記認証部は、前記第1認証判別値が前記第1閾値以上の場合は、
前記第2類似度に基づいて前記第1ユーザを認証する時に用いる第3閾値を算出する第2認証判別値を、前記第1閾値と前記第1認証判別値に基づいて規定することを特徴とする付記4ないし付記6のいずれか一つに記載の画像処理装置。
(付記8)
前記認証部は、前記第1認証判別値が前記第1閾値以上の場合は、
前記第1類似度が前記第2閾値以上、かつ前記第2類似度が前記第3閾値以上の場合に、前記第1ユーザを認証する付記7記載の画像処理装置。
(付記9)
前記第1認証判別値と、前記第2認証判別値を乗算した値は、前記第1閾値以下になることを特徴とする付記7に記載の画像処理装置。
(付記10)
前記抽出部は、前記第1特徴量を顔領域または体領域から抽出し、前記第2特徴量を前記顔領域から抽出することを特徴とする付記1記載の画像処理装置。
(付記11)
撮像された画像を取得し、
前記画像に含まれる第1ユーザの第1特徴量と、第2特徴量を抽出し、
第2ユーザにおける第1特徴量に対して前記第1ユーザの前記第1特徴量が類似する確率を示す第1認証判別値を算出し、
前記第1認証判別値に基づいて前記第1特徴量あるいは前記第1特徴量と前記第2特徴量を用いて前記第1ユーザを認証する
ことを特徴とする画像処理方法。
(付記12)
前記第1特徴量は色ヒストグラムであり、前記第2特徴量は特徴ベクトルであることを特徴とする付記11記載の画像処理方法。
(付記13)
前記画像には、前記第2ユーザが含まれており、前記算出部は、
前記抽出することが抽出した前記第2ユーザにおける第1特徴量を取得するか、
他の画像処理装置から前記第2ユーザにおける第1特徴量を取得することを特徴とする付記11または付記12記載の画像処理方法。
(付記14)
前記認証することは、
前記第1認証判別値が所定の第1閾値未満の場合は、前記第1特徴量と予め保持している基準第1特徴量との類似度を示す第1類似度に基づいて前記第1ユーザを認証し、
前記第1認証判別値が前記第1閾値以上の場合は、前記第1類似度ならびに、前記第2特徴量と予め保持している基準第2特徴量との類似度を示す第2類似度に基づいて前記第1ユーザを認証することを特徴とする付記11ないし付記13いずれか一つに記載の画像処理方法。
(付記15)
前記第1閾値は、前記認証部が許容する他人受入れ率に基づいて規定されることを特徴とする付記14記載の画像処理方法。
(付記16)
前記認証することは、前記第1認証判別値が前記第1閾値未満の場合は
前記第1類似度が、前記第1類似度に基づいて前記第1ユーザを認証する時に用いる第2閾値以上の場合に、前記第1ユーザを認証する付記14記載の画像処理方法。
(付記17)
前記認証することは、前記第1認証判別値が前記第1閾値以上の場合は、
前記第2類似度に基づいて前記第1ユーザを認証する時に用いる第3閾値を算出する第2認証判別値を、前記第1閾値と前記第1認証判別値に基づいて規定することを特徴とする付記14ないし付記16のいずれか一つに記載の画像処理方法。
(付記18)
前記認証することは、前記第1認証判別値が前記第1閾値以上の場合は、
前記第1類似度が前記第2閾値以上、かつ前記第2類似度が前記第3閾値以上の場合に、前記第1ユーザを認証する付記17記載の画像処理方法。
(付記19)
前記第1認証判別値と、前記第2認証判別値を乗算した値は、前記第1閾値以下になることを特徴とする付記17に記載の画像処理方法。
(付記20)
コンピュータに、
撮像された画像を取得し、
前記画像に含まれる第1ユーザの第1特徴量と、第2特徴量を抽出し、
第2ユーザにおける第1特徴量に対して前記第1ユーザの前記第1特徴量が類似する確率を示す第1認証判別値を算出し、
前記第1認証判別値に基づいて前記第1特徴量あるいは前記第1特徴量と前記第2特徴量を用いて前記第1ユーザを認証する
ことを実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【符号の説明】
【0084】
1 画像処理装置
2 ログイン認証部
3 撮像部
4 記憶部
5 取得部
6 抽出部
7 算出部
8 認証部
10 継続認証装置
図1
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図10