特許第6028493号(P6028493)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6028493サーバ装置、プログラム及び通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6028493
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】サーバ装置、プログラム及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20161107BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20161107BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20161107BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20161107BHJP
   H04M 3/493 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   G06F17/30 340A
   G06F17/30 310Z
   G06Q30/02 380
   G06F13/00 540E
   H04M11/00 302
   H04M3/493
【請求項の数】9
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2012-213214(P2012-213214)
(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2014-67306(P2014-67306A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117226
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 俊一
(72)【発明者】
【氏名】白石 幸
【審査官】 齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−033484(JP,A)
【文献】 特開2012−043036(JP,A)
【文献】 特表2005−536804(JP,A)
【文献】 特開2007−272637(JP,A)
【文献】 特開2004−234687(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0184768(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06F 13/00
G06Q 30/02
H04M 3/493
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された通信端末装置にユーザが所望する情報を推薦情報として提供するサーバ装置であって、
現実空間上に存在する施設を識別する施設識別情報と、当該施設のカテゴリ及び当該カテゴリ内の小区分を示すジャンルによって規定された属性を示す施設属性情報と、が対応付けて記録される第1のデータベースを管理する第1管理手段と、
前記通信端末装置から、当該通信端末装置のユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザの行動履歴を示し、かつ、当該ユーザが過去に来訪された施設に対応する前記施設識別情報を含む履歴情報と、を取得し、第2のデータベースに対応付けて登録する履歴情報管理手段と、
複数の前記ユーザの識別情報を有し、当該複数のユーザによって形成されるグループに関する情報をグループ情報として第3のデータベースに登録するグループ情報登録手段と、
所与のユーザの指示に基づいて、前記通信端末装置から送信された、前記施設のカテゴリの指定を含む所定の前記グループに関する推薦情報の配信要求を受信した際に、当該グループに属する所属ユーザに対応するユーザ識別情報を特定するユーザ特定手段と、
前記特定された所属ユーザに対応するユーザ識別情報に基づいて前記第2のデータベースを検索し、当該ユーザ識別情報を有する、各ユーザが過去に来訪された施設に対応する前記施設識別情報を含む履歴情報を読み出す読み出し手段と、
前記読み出された前記所属ユーザに対応する履歴情報に含まれる前記施設識別情報を抽出し、当該抽出した施設識別情報に対応付けられた前記施設属性情報を前記第1のデータベースから抽出する抽出手段と、
前記抽出された施設属性情報に基づいて、前記グループに所属する各所属ユーザにおける前記指定されたカテゴリのジャンル毎の来訪回数をそれぞれ算出し、当該各来訪回数に基づく分散値を用いて当該所属ユーザが来訪した傾向の高い施設のジャンルを決定する決定手段と、
前記決定されたジャンルと一致するジャンルを有する前記施設属性情報に属し、所定の条件を有する施設の情報を推薦情報として生成する生成手段と、
前記生成された推薦情報を該当する通信端末装置に配信する配信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバ装置において、
前記生成手段が、前記決定されたジャンルと一致するジャンルを持つ前記施設属性情報に属した施設と、前記グループに所属する各所属ユーザの履歴情報に基づいて各所属ユーザが既に来訪した施設と、を比較し、比較結果が前記所定の条件となる施設の情報を、推薦情報として生成する、サーバ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のサーバ装置において、
前記推薦情報の取得を所望するユーザの前記通信端末装置から、前記配信要求とともに、前記現実空間の現在位置における位置情報を取得する位置情報取得手段を更に有し、
前記生成手段が、前記取得された位置情報により示される座標から所定の距離範囲内に存在することを前記所定の条件として前記施設の情報を推薦情報として生成する、サーバ装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のサーバ装置において、
前記推薦情報の取得を所望するユーザの前記通信端末装置から、前記配信要求とともに、前記現実空間の現在位置における位置情報を取得する位置情報取得手段を更に有し、
前記決定手段が、前記取得された前記集合場所から所定の距離範囲内に存在する前記施設に対応する施設属性情報を有する施設を推薦情報として生成する、サーバ装置。
【請求項5】
請求項2に記載のサーバ装置において、
前記生成手段が、前記所定の条件として、前記グループに所属する所属ユーザのうち一定数以上の所属ユーザが未だ来訪していない前記施設を、推薦情報として生成する、サーバ装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のサーバ装置において、
前記施設の属性を示す施設属性情報には、前記ユーザからの各施設の評価を示す評価情報が含まれており、
前記生成手段が、前記評価情報が前記所定の条件を具備する施設の情報を、推薦情報として生成する、サーバ装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のサーバ装置において、
前記決定手段が、前記グループに所属する各所属ユーザの履歴情報に基づいて、属性毎の来訪頻度を演算し、当該来訪頻度に基づいて前記グループに所属する所属ユーザが来訪した傾向の高い施設のジャンルを決定する、サーバ装置。
【請求項8】
ネットワークを介して接続された通信端末装置にユーザが所望する情報を推薦情報として提供するサーバ装置として機能するコンピュータシステムを、
現実空間上に存在する施設を識別する施設識別情報と、当該施設のカテゴリ及び当該カテゴリ内の小区分を示すジャンルによって規定された属性を示す施設属性情報と、が対応付けて記録される第1のデータベースを管理する第1管理手段、
前記通信端末装置から、当該通信端末装置のユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザの行動履歴を示し、かつ、当該ユーザが過去に来訪された施設に対応する前記施設識別情報を含む履歴情報と、を取得し、第2のデータベースに対応付けて登録する履歴情報管理手段、
複数の前記ユーザの識別情報を有し、当該複数のユーザによって形成されるグループに関する情報をグループ情報として第3のデータベースに登録するグループ情報登録手段、
所与のユーザの指示に基づいて、前記通信端末装置から送信された、前記施設のカテゴリの指定を含む所定の前記グループに関する推薦情報の配信要求を受信した際に、当該グループに属する所属ユーザに対応するユーザ識別情報を特定するユーザ特定手段、
前記特定された所属ユーザに対応するユーザ識別情報に基づいて前記第2のデータベースを検索し、当該ユーザ識別情報を有する履歴情報を読み出す読み出し手段、
前記読み出された前記所属ユーザに対応する履歴情報に含まれる前記施設識別情報を抽出し、当該抽出した施設識別情報に対応付けられた前記施設属性情報を前記第1のデータベースから抽出する抽出手段、
前記抽出された施設属性情報に基づいて、前記グループに所属する各所属ユーザにおける前記指定されたカテゴリのジャンル毎の来訪回数をそれぞれ算出し、当該各来訪回数に基づく分散値を用いて当該所属ユーザが来訪した傾向の高い施設のジャンルを決定する決定手段、
前記決定されたジャンルと一致するジャンルを持つ前記施設属性情報に属し、所定の条件を有する施設の情報を推薦情報として生成する生成手段、及び
前記生成された推薦情報を該当する通信端末装置に配信する配信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記ネットワークに通信接続された通信端末装置と、
ネットワークを介して前記通信端末装置に対して各所定の情報を提供するサーバ装置と、
を備え、
前記サーバ装置が、
現実空間上に存在する施設を識別する施設識別情報と、当該施設のカテゴリ及び当該カテゴリ内の小区分を示すジャンルによって規定された属性を示す施設属性情報と、が対応付けて記録される第1のデータベースを管理する第1管理手段と、
前記通信端末装置から、当該通信端末装置のユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザの行動履歴を示し、かつ、当該ユーザが過去に来訪された施設に対応する前記施設識別情報を含む履歴情報と、を取得し、第2のデータベースに対応付けて登録する履歴情報管理手段と、
複数の前記ユーザの識別情報を有し、当該複数のユーザによって形成されるグループに関する情報をグループ情報として第3のデータベースに登録するグループ情報登録手段と、
所与のユーザの指示に基づいて、前記通信端末装置から送信された、前記施設のカテゴリの指定を含む所定の前記グループに関する推薦情報の配信要求を受信した際に、当該グループに属する所属ユーザに対応するユーザ識別情報を特定するユーザ特定手段と、
前記特定された所属ユーザに対応するユーザ識別情報に基づいて前記第2のデータベースを検索し、当該ユーザ識別情報を有する履歴情報を読み出す読み出し手段と、
前記読み出された前記所属ユーザに対応する履歴情報に含まれる前記施設識別情報を抽出し、当該抽出した施設識別情報に対応付けられた前記施設属性情報を前記第1のデータベースから抽出する抽出手段と、
前記抽出された施設属性情報に基づいて、前記グループに所属する各所属ユーザにおける前記指定されたカテゴリのジャンル毎の来訪回数をそれぞれ算出し、当該各来訪回数に基づく分散値を用いて当該所属ユーザが来訪した傾向の高い施設のジャンルを決定する決定手段と、
前記決定されたジャンルと一致するジャンルを持つ前記施設属性情報に属し、所定の条件を有する施設の情報を推薦情報として生成する生成手段、
前記生成された推薦情報を該当する通信端末装置に配信する配信手段と、
を具備することを特徴とする通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用電話機等の通信端末装置と連動して情報を提供するサーバ装置、プログラム及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、WWW(World Wide Web)などのネットワーク技術の発展、及び、タブレット型情報端末装置やスマートフォンなどに代表される情報通信端末装置(以下、「通信端末装置」という。)の進歩に伴い、これら通信端末装置のユーザは、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)に代表される、情報共有サービス又は情報提供サービスを通して、自身の現在位置の周辺に存在する店舗又は娯楽施設などの各種施設(以下、単に「施設」という。)に関する情報(例えば、店舗の詳細な場所やクーポンなどの情報)を取得できるようになっている。
【0003】
特に、最近では、複数のユーザが集まり、グループを形成して会合を開くような場合に、当該会合が開催される施設などを推薦する推薦システムが知られている。例えば、このようなシステムとしては、グループに所属する何れかのユーザの嗜好に合致する施設を推薦するもの(例えば、特許文献1)又はグループに所属するユーザが利用したことのない施設のみを選択的に推薦するもの(例えば、特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−33484号公報
【特許文献2】特開2008−83879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び2に開示されたシステムにあっては、個々のユーザの嗜好に基づいて、店舗又は娯楽施設などの各種の施設を推薦することはできるが、推薦する施設にグループ全体としての嗜好を反映させることは難しい。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数のユーザによって構成されるグループ全体の嗜好に基づいて、各種施設に関する情報を提供することにより、ユーザの利便性を高めつつ、グループに対して有用な情報を提供することが可能なサーバ装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述した課題を解決するため、本発明に係るサーバ装置は、ネットワークを介して接続された通信端末装置にユーザが所望する情報を推薦情報として提供するサーバ装置であって、現実空間上に存在する施設を識別する施設識別情報と、当該施設の属性を示す施設属性情報と、が対応付けて記録される第1のデータベースを管理する第1管理手段と、前記通信端末装置から、当該通信端末装置のユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザの行動履歴を示し、かつ、当該ユーザが過去に来訪された施設に対応する前記施設識別情報を含む履歴情報と、を取得し、第2のデータベースに対応付けて登録する履歴情報管理手段と、複数の前記ユーザの識別情報を有し、当該複数のユーザによって形成されるグループに関する情報をグループ情報として第3のデータベースに登録するグループ情報登録手段と、所与のユーザの指示に基づいて、前記通信端末装置から送信された所定の前記グループに関する推薦情報の配信要求を受信した際に、当該グループに属する所属ユーザに対応するユーザ識別情報を特定するユーザ特定手段と、前記特定された所属ユーザに対応するユーザ識別情報に基づいて前記第2のデータベースを検索し、当該ユーザ識別情報を有する履歴情報を読み出す読み出し手段と、前記読み出された前記所属ユーザに対応する履歴情報に含まれる前記施設識別情報を抽出し、当該抽出した施設識別情報に対応付けられた前記施設属性情報を前記第1のデータベースから抽出する抽出手段と、前記抽出された施設属性情報に基づいて、前記グループに所属する所属ユーザが来訪した傾向の高い施設の属性を決定する決定手段と、前記決定された属性と一致する属性を持つ前記施設属性情報に属し、所定の条件を有する施設の情報を推薦情報として生成する生成手段と、前記生成された推薦情報を該当する通信端末装置に配信する配信手段と、を備える構成を有している。
【0008】
この構成より、本発明に係るサーバ装置は、グループに所属する所属ユーザの過去に来訪した施設の情報を利用して所属ユーザにおける来訪する傾向の高い施設の属性を決定し、決定した属性に基づいて推薦情報を生成して配信することができるので、例えば、グループの少なくとも一のユーザが来訪したことのある施設である一方で、グループの他の所属ユーザにとっては新鮮な施設で、かつ、当該他の所属ユーザの嗜好に合致した施設など、所属ユーザの嗜好に合致しつつも信頼性の高い情報を提供することができる。
【0009】
したがって、本発明に係るサーバ装置は、グループによって来訪する施設を決定する際に、推薦情報の配信要求を送信するだけで、信頼性の高い施設の情報を推薦情報として取得することができるので、ユーザの利便性を高めつつ、グループにとって有用な情報を提供することができる。
【0010】
(2)また、本発明にかかるサーバ装置は、前記生成手段が、前記決定された属性と一致する属性を持つ前記施設属性情報に属した施設と、前記グループに所属する各所属ユーザの履歴情報に基づいて各所属ユーザが既に来訪した施設と、を比較し、比較結果が前記所定の条件となる施設の情報を、推薦情報として生成する、構成を有している。
【0011】
通常、決定された属性と一致する属性を持つ施設であって、該当するグループに所属する所属ユーザが1又は2以上の他の所属ユーザ(若しくは全ての他の所属ユーザ)と既に来訪したことのある施設は、既に多くの所属ユーザが知っている情報であって、新鮮味がなく、有用な情報とはなり得ない。
【0012】
この構成により、本発明に係るサーバ装置は、所属ユーザの嗜好に合致した信頼性の高い情報を提供することができるので、ユーザの利便性を高めつつ、グループにとって有用な情報を提供することができる。
【0013】
(3)また、本発明に係るサーバ装置は、前記推薦情報の取得を所望するユーザの前記通信端末装置から、前記配信要求とともに、前記現実空間の現在位置における位置情報を取得する位置情報取得手段を更に有し、前記生成手段が、前記取得された位置情報により示される座標から所定の距離範囲内に存在することを前記所定の条件として前記施設の情報を推薦情報として生成する、構成を有している。
【0014】
この構成により、本発明に係るサーバ装置は、各通信端末装置の現在位置の周辺に存在する施設をユーザに推薦することができるので、利便性及び有用性の高い情報を提供することができる。
【0015】
(4)また、本発明に係るサーバ装置は、前記推薦情報の取得を所望するユーザの前記通信端末装置から、前記配信要求とともに、前記現実空間の現在位置における位置情報を取得する位置情報取得手段を更に有し、前記決定手段が、前記取得された前記集合場所から所定の距離範囲内に存在する前記施設に対応する施設属性情報を有する施設を推薦情報として生成する、構成を有している。
【0016】
この構成により、本発明に係るサーバ装置は、グループの集合場所の周辺に存在する施設をユーザに推薦することができるので、利便性及び有用性の高い情報を提供することができる。
【0017】
(5)また、本発明に係るサーバ装置は、前記生成手段が、前記所定の条件として、前記グループに所属する所属ユーザのうち一定数以上の所属ユーザが未だ来訪していない前記施設を、推薦情報として生成する、構成を有している。
【0018】
この構成により、本発明に係るサーバ装置は、一部の所属ユーザが知っている情報は安心感がある情報であって、既に所属メンバーの多くが知っている新鮮味のない施設を除外することができるので、所属ユーザの嗜好に合致した信頼性の高い情報を提供することができる。
【0019】
(6)また、本発明に係るサーバ装置は、前記施設の属性を示す施設属性情報には、前記ユーザからの各施設の評価を示す評価情報が含まれており、前記生成手段が、前記評価情報が前記所定の条件を具備する施設の情報を、推薦情報として生成する、構成を有している。
【0020】
この構成により、本発明に係るサーバ装置は、評価情報が所定の条件を具備する施設の情報を、推薦情報として生成することができるので、利便性及び有用性の高い情報を提供することができる。
【0021】
(7)また、本発明に係るサーバ装置は、前記決定手段が、前記グループに所属する各所属ユーザの履歴情報に基づいて、属性毎の来訪頻度を演算し、当該来訪頻度に基づいて前記グループに所属する所属ユーザが来訪した傾向の高い施設の属性を決定する、構成を有している。
【0022】
この構成により、本発明に係るサーバ装置は、取得容易な簡易な履歴情報に基づいて施設の属性を決定することができるとともに、例えば、コサイン類似度演算のような単純なベクトル演算によってグループ全体の嗜好を特定することができる。
【0023】
(10)上述した課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、ネットワークを介して接続された通信端末装置にユーザが所望する情報を推薦情報として提供するサーバ装置として機能するコンピュータシステムを、現実空間上に存在する施設を識別する施設識別情報と、当該施設の属性を示す施設属性情報と、が対応付けて記録される第1のデータベースを管理する第1管理手段、前記通信端末装置から、当該通信端末装置のユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザの行動履歴を示し、かつ、当該ユーザが過去に来訪された施設に対応する前記施設識別情報を含む履歴情報と、を取得し、第2のデータベースに対応付けて登録する履歴情報管理手段、複数の前記ユーザの識別情報を有し、当該複数のユーザによって形成されるグループに関する情報をグループ情報として第3のデータベースに登録するグループ情報登録手段、所与のユーザの指示に基づいて、前記通信端末装置から送信された所定の前記グループに関する推薦情報の配信要求を受信した際に、当該グループに属する所属ユーザに対応するユーザ識別情報を特定するユーザ特定手段、前記特定された所属ユーザに対応するユーザ識別情報に基づいて前記第2のデータベースを検索し、当該ユーザ識別情報を有する履歴情報を読み出す読み出し手段、前記読み出された前記所属ユーザに対応する履歴情報に含まれる前記施設識別情報を抽出し、当該抽出した施設識別情報に対応付けられた前記施設属性情報を前記第1のデータベースから抽出する抽出手段、前記抽出された施設属性情報に基づいて、前記グループに所属する所属ユーザが来訪した傾向の高い施設の属性を決定する決定手段、前記決定された属性と一致する属性を持つ前記施設属性情報に属し、所定の条件を有する施設の情報を推薦情報として生成する生成手段、及び、前記生成された推薦情報を該当する通信端末装置に配信する配信手段、として機能させる、構成を有している。
【0024】
この構成により、本発明に係るプログラムは、グループの所属ユーザの過去に来訪した施設の情報を利用して所属ユーザにおける来訪する傾向の高い施設の属性を決定し、決定した属性に基づいて推薦情報を生成して配信することができるので、例えば、グループの少なくとも一のユーザが来訪したことのある施設である一方で、グループの他の所属ユーザにとっては新鮮な施設で、かつ、当該他の所属ユーザの嗜好に合致した施設など、所属ユーザの嗜好に合致しつつも信頼性の高い情報を提供することができる。
【0025】
したがって、本発明に係るプログラムは、グループによって来訪する施設を決定する際に、推薦情報の配信要求を送信するだけで、信頼性の高い施設の情報を推薦情報として取得することができるので、ユーザの利便性を高めつつ、グループにとって有用な情報を提供することができる。
【0026】
(11)上述した課題を解決するため、本発明に係る通信システムは、前記ネットワークに通信接続された通信端末装置と、ネットワークを介して前記通信端末装置に対して各所定の情報を提供するサーバ装置と、を備え、前記サーバ装置が、現実空間上に存在する施設を識別する施設識別情報と、当該施設の属性を示す施設属性情報と、が対応付けて記録される第1のデータベースを管理する第1管理手段と、前記通信端末装置から、当該通信端末装置のユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザの行動履歴を示し、かつ、当該ユーザが過去に来訪された施設に対応する前記施設識別情報を含む履歴情報と、を取得し、第2のデータベースに対応付けて登録する履歴情報管理手段と、複数の前記ユーザの識別情報を有し、当該複数のユーザによって形成されるグループに関する情報をグループ情報として第3のデータベースに登録するグループ情報登録手段と、所与のユーザの指示に基づいて、前記通信端末装置から送信された所定の前記グループに関する推薦情報の配信要求を受信した際に、当該グループに属する所属ユーザに対応するユーザ識別情報を特定するユーザ特定手段と、前記特定された所属ユーザに対応するユーザ識別情報に基づいて前記第2のデータベースを検索し、当該ユーザ識別情報を有する履歴情報を読み出す読み出し手段と、前記読み出された前記所属ユーザに対応する履歴情報に含まれる前記施設識別情報を抽出し、当該抽出した施設識別情報に対応付けられた前記施設属性情報を前記第1のデータベースから抽出する抽出手段と、前記抽出された施設属性情報に基づいて、前記グループに所属する所属ユーザが来訪した傾向の高い施設の属性を決定する決定手段と、前記決定された属性と一致する属性を持つ前記施設属性情報に属し、所定の条件を有する施設の情報を推薦情報として生成する生成手段と、前記生成された推薦情報を該当する通信端末装置に配信する配信手段と、を具備する、構成を有している。
【0027】
この構成により、本発明に係る通信システムは、グループの所属ユーザの過去に来訪した施設の情報を利用して所属ユーザにおける来訪する傾向の高い施設の属性を決定し、決定した属性に基づいて推薦情報を生成して配信することができるので、例えば、グループの少なくとも一のユーザが来訪したことのある施設である一方で、グループの他の所属ユーザにとっては新鮮な施設で、かつ、当該他の所属ユーザの嗜好に合致した施設など、所属ユーザの嗜好に合致しつつも信頼性の高い情報を提供することができる。
【0028】
したがって、本発明に係る通信システムは、グループによって来訪する施設を決定する際に、推薦情報の配信要求を送信するだけで、信頼性の高い施設の情報を推薦情報として取得することができるので、ユーザの利便性を高めつつ、グループにとって有用な情報を提供することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係るサーバ装置、及び、プログラム、通信システムは、グループによって来訪する施設を決定する際に、推薦情報の配信要求を送信するだけで、信頼性の高い施設の情報を推薦情報として取得することができるので、ユーザの利便性を高めつつ、グループにとって有用な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係る一実施形態における通信システムの構成を示すシステム構成図である。
図2】一実施形態の通信システムの動作概要を示す概念図である。
図3】一実施形態の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
図4】一実施形態の通信端末装置内に記録されるサービス利用管理テーブルの一例を示す図である。
図5】一実施形態の情報提供サーバ装置の構成を示すブロック図である。
図6】一実施形態の情報提供サーバ装置内に設けられたSNSユーザ管理データベースに記録されるデータの一例を示す図である。
図7】一実施形態の情報提供サーバ装置内に設けられたグループ管理データベースに記録されるデータの一例を示す図である。
図8】一実施形態の情報提供サーバ装置内に設けられた施設情報データベースに記録されるデータの一例を示す図である。
図9】一実施形態の情報提供サーバ装置内に設けられた履歴情報データベースに記録されるデータの一例を示す図である。
図10】一実施形態の通信システムの通信端末装置及び情報提供サーバ装置において実行されるグループ作成処理を示すフローチャートである。
図11】一実施形態の通信システムの通信端末装置及び情報提供サーバ装置においてに実行されるグループ嗜好特定処理を含む推薦情報提供処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、通信端末装置と、当該通信端末装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を有する通信システムに対し、本発明に係る、サーバ装置、プログラム及び通信システムを適用した場合の実施形態である。
【0032】
[1]通信システム概要
まず、図1及び図2の各図を用いて本実施形態における通信システム1の構成及び概要について説明する。
【0033】
なお、図1は、本実施形態における通信システム1の構成を示すシステム構成図であり、図2は、本実施形態における通信システム1の動作概要を示す概念図である。また、図が煩雑になることを防止するために、図1及び図2においては、一部のユーザのみを示している。すなわち、実際の通信システム1においては、表示するよりも多数のユーザ、グループGR、及び、通信端末装置が存在している。さらに、図1及び図2は、現実空間RSを概念的に示しており、複数のSNSユーザによって形成されたグループGRが、現実空間上に存在している状況を概念的に示している。
【0034】
本実施形態の通信システム1は、現実空間RSにおいて、複数のSNSユーザが集まってグループGRが形成されて懇親会などの会合が開催される場合に、当該グループGRに所属するユーザ全体の嗜好(すなわちグループGRの嗜好)に合致する各種施設に関する情報を推薦情報として、当該推薦情報の取得要求をしたユーザに提供するためのシステムである。
【0035】
本実施形態の通信システム1は、上記機能を実現するため、図1に示すように、SNSの各ユーザによってそれぞれ所持される複数の通信端末装置10と、ネットワーク20と、推薦情報を生成して該当する通信端末装置10に配信する情報提供サーバ装置30と、を有している。
【0036】
なお、各通信端末装置10は、基地局BSを介してネットワーク20に接続される。また、ネットワーク20は、例えば、携帯電話網を含む公衆電話網と、IP(Internet Protocol)ネットワークが相互接続されて構成される。ただし、当該ネットワーク20の構成は、これに限られない。また、各通信端末装置10は、GPS(Global Positioning System)衛星40からの信号に基づいて現在位置を検出する。
【0037】
通信端末装置10は、例えば、携帯型音楽プレーヤー、携帯型ゲーム機、タブレット型情報端末装置、スマートフォン、又は、携帯用電話機等のユーザによって携帯可能な通信端末装置である。
【0038】
特に、この通信端末装置10は、XML(eXtensible Markup Language)等のマークアップ言語によって記述されているWWWシステム用のリソースデータと、当該リソースデータのネットワークアドレスを示す固有のURL(Uniform Resource Locator)とを用いつつ、情報提供サーバ装置30とのデータ通信を行うブラウジング機能を有している。
【0039】
そして、通信端末装置10は、当該ブラウジング機能を用いて、情報提供サーバ装置30からリソースデータを受信し、当該リソースデータによって構成されるコンテンツをユーザが閲覧可能に表示するとともに、基地局BS及びネットワーク20を介して情報提供サーバ装置30と通信接続し、情報提供サーバ装置30からSNSのサービスの提供を受けることができるように構成される。
【0040】
また、通信端末装置10は、例えば、図2に示すように、ユーザの操作に基づいて、基地局BSを介して情報提供サーバ装置30にアクセスしつつ、SNSにログインし、自機の周辺に存在する各種施設にチェックインできるように構成されている。なお、チェックインについては、従来のSNSと何ら変わらないので、その説明を省略する。
【0041】
さらに、通信端末装置10は、SNSへのログイン状態を維持しつつ、情報提供サーバ装置30と連携して、グループGRを作成する処理(以下、「グループ作成処理」という。)を実行することができるように構成されている。そして、通信端末装置10は、当該作成したグループGRにおいて情報提供サーバ装置30によって算出されたグループGRの嗜好に合致する各種施設に関する情報を、推薦情報としてユーザに閲覧可能に表示するようになっている。
【0042】
情報提供サーバ装置30は、各種のデータベースを有し、SNSの各ユーザが所持する通信端末装置10を介して入力されたユーザ指示に基づいて、上記グループ作成処理を実行し、グループ情報をデータベース(グループ情報DB)に登録する構成を有している。そして、情報提供サーバ装置30は、各ユーザのチェックイン状況に基づいて当該ユーザに対応した履歴情報を生成し、生成した履歴情報をデータベース(履歴情報DB)に登録する構成を有している。
【0043】
また、情報提供サーバ装置30は、所定のユーザの通信端末装置10から推薦情報の取得要求を受信した際に、予めデータベース(施設情報DB)に登録された現実空間上に存在する各施設の属性を示す施設属性情報と、グループ情報及び履歴情報と、に基づいて、当該ユーザが特定したグループGRの嗜好を特定する処理(以下、「グループ嗜好特定処理」という。)を実行するとともに、当該特定したグループGRの推薦情報を生成し、生成した推薦情報を該当するユーザの通信端末装置10に配信するように構成されている。
【0044】
このような構成を有することによって、本実施形態の通信システム1は、グループGRに所属するユーザ(すなわち、「所属ユーザ」)の過去に来訪した施設の情報を利用して所属ユーザにおける来訪する傾向の高い施設の属性を決定し、決定した属性に基づいて推薦情報を生成して配信することができるので、例えば、グループGRの少なくとも一のユーザが来訪したことのある施設である一方で、グループGRの他の所属ユーザにとっては新鮮な施設で、かつ、当該他の所属ユーザの嗜好に合致した施設など、所属ユーザの嗜好に合致した信頼性の高い情報を提供することができるようになっている。
【0045】
したがって、本実施形態の通信システム1は、グループGRによって来訪する施設を決定する際に、推薦情報の配信要求を送信するだけで、信頼性の高い施設の情報を推薦情報として取得することができるので、ユーザの利便性を高めつつ、グループGRにとって有用な情報を提供することができるようになっている。
【0046】
[2]通信端末装置
次に、図3及び図4を用いて本実施形態の各通信端末装置10の構成について説明する。なお、図3は、本実施形態の通信端末装置10の構成を示す構成図であり、図4は、サービス利用管理テーブルTのデータ格納例を示す図である。
【0047】
本実施形態の通信端末装置10は、図3に示すように、種々のデータを記録する記録部100と、基地局BSを介してネットワーク20に接続するネットワーク通信部110と、GPS衛星40から発信されたGPS信号に基づいて自機の現在位置を検出する現在位置検出部120と、グループ作成処理等の種々のアプリケーションを実行するアプリケーション実行部130と、を有している。
【0048】
また、通信端末装置10は、所定の画像を表示する表示部140と、表示部140を制御する表示制御部150と、ユーザの操作を受け付ける操作部160と、装置全体を管理制御する端末管理制御部170と、を有している。
【0049】
なお、上記の各部は、バスBによって相互に接続され、各構成要素間におけるデータの転送が実行される。また、アプリケーション実行部130は、実装上、端末管理制御部170を構成するCPU(中央処理装置)が、アプリケーションプログラム(以下、「アプリケーション」という。)を実行した際の機能として実現されるものであってもよい。
【0050】
記録部100は、例えば、ハードディスクドライブ(以下、「HDD」と略す。)や、EEPROM(Electrically Erasable Read only Memorry)のような、NAND型、若しくはNOR型等の不揮発性フラッシュメモリによって構成される。また、記録部100は、アプリケーション実行部130及び端末管理制御部170のワークエリアとしてのRAM(Random Access Memory)も含まれる。
【0051】
特に、記録部100は、アプリケーション記録部101と、SNS利用管理データ記録部102と、を少なくとも有する構成となっている。
【0052】
アプリケーション記録部101には、アプリケーション実行部130及び端末管理制御部170によって実行される様々なアプリケーションが記録されているとともに、上記ブラウジング機能を実現するために必要なアプリケーションとして、ブラウザも記録されている。
【0053】
SNS利用管理データ記録部102には、当該通信端末装置10のユーザがSNSのサービス提供を受ける際に必要となる各種の管理データ(以下、「SNS管理データ」という。)及びサービス利用管理テーブルTが記録される。
【0054】
サービス利用管理テーブルTは、当該通信端末装置10の各ユーザがSNSにおいて提供を受けたサービスの内容を管理するためのテーブルであり、例えば、図4に例示するように、ユーザ(すなわち、ユーザID)毎に
(1)当該ユーザが過去にチェックインした施設を識別する施設IDと、
(2)当該ユーザが過去に所属したグループGRを識別するグループIDと、
(3)当該グループGRへの所属した際に情報提供サーバ装置30によって推薦された施設の施設属性情報と、
が対応付けて格納される。ただし、(3)の施設属性情報は、2以上の施設属性情報が記録されている場合、又は、一つも記録されていない場合もある。
【0055】
SNS管理データには、例えば、SNSのサイト(すなわち、webページ)に対応するURL(Uniform Resource Locator)と、当該ユーザが利用している電子メールのメールアドレスと、当該ユーザのアカウント及びユーザIDと、ログイン用のパスワード(すなわち、ログインパスワード)と、が含まれる。ただし、これらの情報が記録されずに、SNSへのログイン時に、操作部160を介して入力されるようにしてもよい。
【0056】
ネットワーク通信部110は、基地局BSの準拠する通信規格により、当該基地局BSと無線通信チャネルを構築し、ネットワーク20を経由して、サーバ装置30と各種データの授受を行う。
【0057】
なお、基地局BSの準拠する通信規格はネットワーク20の構成により変化する。例えば、ネットワーク20が携帯電話網を含む場合には、3GPP(3rd Generation Pertnership Project)、又は、3GPP2、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に準拠することになる。
【0058】
現在位置検出部120は、所定のタイミングにおいて、通信端末装置10の現在位置を検出しつつ、当該現在位置示す位置情報を生成する。
【0059】
具体的には、現在位置検出部120は、SNSへのログイン状態において、ユーザが操作部160に所定の入力操作を行うと、図1に示すGPS(Global Positioning System)衛星40の位置を認識しつつ、当該GPS衛星40から送信された衛星信号(GPS信号)を受信する。そして、現在位置検出部120は、当該受信したGPS信号に基づいて自機の現在位置の座標値(例えば、緯度及び経度)を算出し、当該座標値を現在位置に対応する位置情報として端末管理制御部170に供給しつつ、情報提供サーバ装置30に提供する。
【0060】
なお、通信端末装置10のネットワーク通信部110が、携帯電話機能を実現するチップセット、又は、IEEE802.11系の各種ワイヤレスLAN(Wireless local area network)の通信プロトコルに従って、無線通信を行う機能を実現するチップセットを用いて構成されている場合には、現在位置検出部120は、これらの無線システム等において用いられる、三点測量法、すなわち、基地局BSから受信した電波信号の方角と電波強度に基づいて自機の現在位置を検出してもよい。
【0061】
アプリケーション実行部130は、アプリケーション記録部101に記憶された各種アプリに基づいて、各処理を実現する。具体的には、アプリケーション実行部130は、ブラウザを実行し、通信端末装置10の各部と連動しつつ、SNSへのログイン、及び、各施設へのチェックインを行うとともに、情報提供サーバ装置30から供給される各種情報に基づいて、サービス利用管理テーブルTの管理及び更新を行う。
【0062】
また、アプリケーション実行部130は、情報提供サーバ装置30と連携することにより、グループ作成処理を実行し、作成するグループGRの集合場所、集合日時及びグループGRメンバーをユーザに指定させるための画面を表示部140に表示させる。そして、アプリケーション実行部130は、ユーザによって指定された集合場所の集合場所位置情報、集合日時、及び、グループGRメンバーのユーザIDをグループ情報として情報提供サーバ装置30に提供する。
【0063】
表示部140は、例えば、液晶素子又は有機EL(Electro Luminescence)素子のパネルによって構成され、表示制御部150において生成された表示データに基づいて所定の画像を表示する。
【0064】
表示制御部150は、表示部140に表示させるために必要な表示データを生成するようになっており、生成された表示データを当該表示部140に出力する。
【0065】
操作部160は、各種の確認ボタン、各操作指令を入力する操作ボタン、テンキーなどの多数のキー及びタッチパネルにより構成され、各操作を行う際に用いられるようになっている。
【0066】
端末管理制御部170は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成されるとともに、キー入力ポート、表示制御ポート等の各種入出力ポートを含み、記録部100に記録された各種のアプリケーションを実行することにより、通信端末装置10の全般的な機能を総括的に制御する。
【0067】
[3]サーバ装置
[3.1]サーバ装置の構成
次に、図5図9の各図を用いて本実施形態のサーバ装置30の構成について説明する。なお、図5は、本実施形態のサーバ装置30の構成を示すブロック図であり、図6は、本実施形態のSNSユーザ管理DB341に記録されるデータの一例を示す図である。また、図7は、本実施形態の施設情報DB342に記録されるデータの一例を示す図であり、図8は、本実施形態のグループ管理DB343に記録されるデータの一例を示す図ある。さらに、図9は、本実施形態の履歴情報DB344に記録されるデータの一例を示す図である。
【0068】
本実施形態のサーバ装置30は、図4に示すように、ネットワーク20に接続される通信制御部310と、各種のメモリとして機能するROM/RAM320と、現在日時を特定するためのタイマ330と、各種のDBを有する記録装置340と、装置全体を制御するサーバ管理制御部350と、グループ作成処理、グループGRの嗜好を特定するグループ嗜好特定処理を実行するとともに、各グループGRの嗜好に合致する推薦情報を生成するデータ処理部360と、を有する。
【0069】
なお、上記の各部は、バスBによって相互に接続され、各構成要素間におけるデータの転送が実行される。
【0070】
通信制御部310は、所定のネットワークインターフェースであり、通信端末装置10と通信チャネルを構築し、各種データの授受を行う。
【0071】
ROM/RAM320には、サーバ装置30の駆動に必要な各種のプログラムが記録されている。また、ROM/RAM320は、各種の処理が実行される際のワークエリアとして用いられる。
【0072】
記録装置340は、HDD、又は、SSD(Solid State Drive)により構成される。そして、記録装置340は、少なくとも、SNSユーザ管理DB341と、施設情報DB342と、グループ管理DB343と、履歴情報DB344と、を有している。
【0073】
SNSユーザ管理DB341は、SNSの利用登録を行っている各ユーザを管理するための各種情報がデータとして格納されるデータベースである。例えば、SNSユーザ管理DB341には、図6に示すように、
(1)各ユーザに対応するユーザIDと、
(2)当該ユーザの属性(例えば、性別年齢及び住所等)を示すユーザ情報と、
(3)当該ユーザのSNS上における友人に対応するユーザIDと、
が対応付けて登録される。
【0074】
施設情報DB342は、現実空間RS上に存在する各施設を管理するため、各施設を識別するための施設IDと、当該施設の属性を示す施設属性情報が対応付けられてデータとして格納されるデータベースである。例えば、施設情報DB342には、図7に例示するように、施設ID毎に、
(1)該当する施設が属する施設のカテゴリ(以下、「施設カテゴリ」という。)と、
(2)当該施設の施設名と、
(3)当該施設が属する施設のジャンル(以下、単に「ジャンル」という。)と、
(4)当該施設に対するユーザの評価を示す評価情報と、
(5)当該施設の現実空間の位置を示す施設位置情報と、
が対応付けられて登録される。
【0075】
なお、施設カテゴリは、例えば、「飲食店」又は「娯楽施設」等の施設を区分する際の大区分を示し、施設ジャンルは、同一施設カテゴリ内における小区分を示す。例えば、施設ジャンルにおいて、「飲食店」」カテゴリの場合には、「イタリアン」、「フレンチ」、「和食」等のジャンル、また、「娯楽施設」カテゴリの場合には、例えば、「カラオケ」、「遊園地」等のジャンルが設定されている。
【0076】
なお、図7に例示する場合においては、評価情報を、星の数で表現しているが、単純に当該施設に対するユーザの評価レベルを示す数字で表現してもよいし、ユーザのコメントが含まれていてもよい。また、評価の付け方に関しては、従来のSNSと同様であるため、説明は省略する。
【0077】
グループ管理DB343は、グループ作成処理によって作成されたグループGRの各種の情報が記録されるデータベースである。例えば、グループ管理DB343には、図8に示すように、
(1)該当するグループGRに対応したグループIDと、
(2)当該グループGRに所属するユーザのユーザIDと、
(3)当該グループGRの集合日時と、
(4)当該グループGRの集合場所に対応する集合場所位置情報と、
が対応付けられて登録される。
【0078】
履歴情報DB344は、各ユーザの嗜好を特定するために用いられる各ユーザの履歴情報が登録されるデータベースである。例えば、履歴情報DB344には、図9に示すように、
(1)該当するユーザIDと、
(2)施設にチェックした際に同行者がある場合には、当該同行者のユーザIDと、
(3)該当するユーザが過去にチェックインした施設に対応する施設IDと、
(3)来訪日時(すなわち、チェックイン日時)と、
対応付けられて登録される。
【0079】
サーバ管理制御部350は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成され、プログラムを実行することによって、情報提供サーバ装置30の各部を統合制御する。
【0080】
データ処理部360は、サーバ管理制御部350の制御の下、記録装置340と連動し、ユーザの指示に基づくログイン要求を通信端末装置10から取得した場合に、当該要求に基づいて各ユーザのSNSへのログイン処理を実行するとともに、所定の施設に対するチェックイン処理を実行し、各ユーザのチェックインした際の情報を履歴情報として履歴情報DB344に登録する。そして、データ処理部360は、各通信端末装置10を介して受信したユーザの指示に基づいて、グループ作成処理を実行する。
【0081】
また、データ処理部360は、通信端末装置10とともに、施設情報DB342、グループ管理DB343及び履歴情報DB344と連動し、推薦情報の取得要求を受信した場合には、既に登録された施設属性情報、グループ情報及び履歴情報に基づいて、当該通信端末装置10を介してユーザが特定したグループGRの嗜好を特定する処理(以下、「グループ嗜好特定処理」という。)を実行する。そして、データ処理部360は、当該特定したグループGRに推薦すべき施設を特定するとともに、特定した施設を推薦情報として該当するユーザの通信端末装置10に配信する。
【0082】
なお、データ処理部360によるグループ嗜好特定処理及び推薦情報の生成の実行タイミングは、任意であり、グループ作成処理の完了後、直ちに実行してもよいし、グループ作成処理後、所定の期間の経過後に実行されてもよい。
【0083】
具体的には、データ処理部360は、上述の各処理を実行するために、アプリケーションを実行することによって、チェックイン処理及びグループ作成処理を実行するDB情報管理部361と、グループ嗜好特定処理を実行するグループ嗜好演算部362と、推薦すべき施設を特定して推薦情報を生成する推薦情報生成部363と、を実現する。
【0084】
なお、例えば、本実施形態のDB情報管理部361は、本発明の第1管理手段、履歴情報管理手段、グループ情報登録手段及び位置情報取得手段を構成し、グループ嗜好演算部362は、本発明のユーザ特定手段、読み出し手段、抽出手段及び決定手段を構成する。また、例えば、本実施形態の推薦情報生成部363は、本発明の生成手段及び配信手段を構成する。
【0085】
DB情報管理部361は、通信端末装置10から送信されたユーザのチェックインの指示に従い、当該通信端末装置10から位置情報を取得しつつ、当該位置情報に対応する地点から所定の距離範囲(例えば、1km)内に存在する施設を施設属性情報に基づいて特定する。そして、DB情報管理部361は、当該特定された施設の一覧に対応したリソースデータ(チェックイン用施設一覧データ)を通信端末装置10に配信する。
【0086】
そして、DB情報管理部361は、チェックイン用施設一覧データに基づいて通信端末装置10を介して受信したユーザの指示に応じて、該当する施設におけるチェックインを受け付けるとともに、ユーザがチェックインした施設の施設ID、同行者ID及び来訪日時を含む履歴情報を生成するとともに、当該履歴情報と、ユーザIDと、を対応付けて履歴情報DB344に登録する。
【0087】
また、DB情報管理部361は、通信端末装置10からの指示に基づいて、グループIDを割り当てつつ、グループGRに所属するユーザ、グループGRの集合日時及びそのときの集合場所位置情報を取得し、取得した各情報をグループ情報としてグループ管理DB343に登録するグループ作成処理を実行する。なお、DB情報管理部361は、グループ作成処理後に、グループGRに参加するユーザについては更新登録することができる構成を有している。
【0088】
グループ嗜好演算部362は、グループ作成処理の完了後に、通信端末装置10を介して入力されたユーザの推薦情報の取得要求を受信すると、グループ嗜好特定処理を実行し、当該通信端末装置10のユーザが所属するグループGR全体の嗜好に合致する施設ジャンルを特定する。なお、本実施形態のグループ嗜好演算部362及びグループ嗜好特定処理の詳細については後述する。
【0089】
推薦情報生成部363は、グループ嗜好演算部362によって特定された施設ジャンル(以下、「特定施設ジャンル」という。)に属する施設を推薦するための推薦情報を生成し、生成した推薦情報を通信制御部310を介して該当する通信端末装置10に配信する。なお、本実施形態のグループ嗜好演算部362及びグループ嗜好特定処理の詳細については後述する。
【0090】
また、推薦情報生成部363は、グループ嗜好演算部362によって特定された施設ジャンルに合致する施設の中から所定の条件に具備する施設を抽出し、抽出した施設を推薦すべき情報として特定する。そして、推薦情報生成部363は、特定した施設の施設属性情報に基づいて推薦情報を生成し、該当する通信端末装置10に配信する。
【0091】
[3.2]グループ嗜好演算部
次に、本実施形態のデータ処理部360におけるグループ嗜好演算部362及びグループ嗜好特定処理について説明する。
【0092】
グループ嗜好演算部362は、DB情報管理部361によって抽出された所属ユーザが過去に来訪した施設属性情報に基づいて、当該所属ユーザが来訪した傾向の高い施設の属性を決定する。すなわち、グループ嗜好演算部362は、グループGRの所属ユーザの過去に来訪した施設の情報を利用して所属ユーザにおける来訪する傾向の高い施設の属性を決定するため、前記グループGRに所属する各所属ユーザの履歴情報に基づいて、属性毎の来訪頻度を演算し、当該来訪頻度に基づいて前記グループGRに所属する所属ユーザが来訪した傾向の高い施設の属性を決定する。
【0093】
特に、グループ嗜好演算部362は、グループGRのいずれかの所属ユーザが来訪したことのある施設である一方で、グループGRの他の所属ユーザにとっては新鮮な施設で、かつ、嗜好に合致した施設など、過去の履歴に基づいて所属ユーザの嗜好に合致した信頼性の高い情報を提供するために、グループ嗜好特定処理を実行する。
【0094】
具体的には、グループ嗜好演算部362は、ユーザが所属するグループGRの作成目的(例えば、食べる、飲む、遊ぶ)に合わせて、ユーザが施設カテゴリを指定しつつ、ユーザが通信端末装置10を介して入力された推薦情報の取得要求を受信した場合に、当該ユーザのユーザIDに基づいて、グループ情報DB343を検索し、各グループGRに所属する全ての所属ユーザに対応したユーザIDをROM/RAM320に一時記録する。
【0095】
そして、グループ嗜好演算部362は、ユーザが指定した施設カテゴリ(すなわち、指定施設カテゴリ)について、所属ユーザ毎に、他の所属ユーザと来訪した施設の来訪回数を履歴情報から演算する。例えば、グループGRに属する所属ユーザが「ユーザA」、「ユーザB」が「ユーザC」の場合には、指定された施設カテゴリ内に属する施設について、「ユーザA」と「ユーザB」、「ユーザA」と「ユーザC」及び「ユーザB」と「ユーザC」の組み合わせで来訪回数を演算する。
【0096】
なお、グループ嗜好演算部362は、所属ユーザの組み合わせに代えて、グループGRに属しない他のユーザと来訪した、又は、単独で来訪した指定された施設カテゴリに属する施設への来訪回数を履歴として演算してもよいし、例えば、初めてグループGRに参加したユーザにおいて最初のグループ嗜好特定処理の際にのみ、グループGRに属しない他のユーザと来訪した、又は、単独で来訪した指定された施設カテゴリに属する施設への来訪回数を履歴として演算してもよい。
【0097】
そして、グループ嗜好演算部362は、グループGRの所属ユーザにおける来訪回数の最も多い割合を有するジャンル又は当該来訪回数に基づいて算出された分散値が所定の条件を具備するジャンルを特定施設ジャンルと決定する。
【0098】
グループGRの所属ユーザにおける来訪回数の最も多い割合を有するジャンルを特定施設ジャンルとする場合には、グループ嗜好演算部362は、グループGRに属する所属ユーザの他の所属ユーザとの来訪回数を示す履歴から、グループGR全体における施設ジャンル毎の来訪回数の合計Zjと、グループGRの全施設ジャンルの来訪回数の合計Yとを算出し、その割合(=Zj/Y)が最も高いジャンルを特定施設ジャンルとして決定する。
【0099】
また、グループGRの所属ユーザにおけるジャンル毎の来訪回数に基づく分散値を用いて特定施設ジャンルを決定する場合には、グループ嗜好演算部362は、グループGRの所属ユーザにおけるジャンル毎の来訪回数を算出するとともに、当該ジャンル毎の分散値を算出し、算出した分散値の中から所定の条件を具備する分散値を有するジャンルを特定施設ジャンルとして決定する。
【0100】
具体的には、グループ嗜好演算部362は、グループGRの所属ユーザの各ジャンルの来訪回数を検出し、ジャンル毎にそのグループGR全体における来訪回数Xの平均値E(x)を算出するとともに、(式1)に基づいて、ジャンル毎の分散値Sxを算出する。なお、(式1)において(n)は、グループの所属ユーザ数を示し、(j)は、各ユーザに付与された番号を示す。
【0101】
【数1】
【0102】
そして、グループ嗜好演算部362は、算出した各ジャンルの分散値の中から所定の条件を具備する分散値を有するジャンルを特定施設ジャンルとして決定する。特に、グループ嗜好演算部362は、最も低い分散値を有するジャンル又は当該最も低い分散値から所定の範囲(例えば、±2.0)の値を有している分散値について最も高い平均値を有するジャンルを、所定の条件を具備する特定施設ジャンルとして、決定する。
【0103】
例えば、グループGRの所属ユーザが、A、B、C、D及びEの場合であって、「イタリアン」のジャンルにおいては、Aが「4回」、Bが「10回」、Cが「2回」、Dが「6回」及びEが「0回」、また、「フレンチ」のジャンルにおいては、Aが「4回」、Bが「5回」、Cが「3回」、Dが「4回」及びEが「6回」来訪していると想定する。この場合には、グループ嗜好演算部362は、各ジャンルにおいてそれぞれの来訪回数を検出するとともに、ジャンル「イタリアン」の分散Sxを「11.84」及びジャンル「フレンチ」の分散Sxを「1.04」と算出し、「フレンチ」を最も低い分散値を有する特定施設ジャンルとして決定する。
【0104】
[3.3]推薦情報生成部
次に、本実施形態のデータ処理部360におけるグループ嗜好演算部362及びグループ嗜好特定処理について説明する。
【0105】
推薦情報生成部363は、決定された特定施設ジャンルと一致する属性(すなわち、施設ジャンル)を持つ施設属性情報に属し、所定の条件を有する施設の情報を推薦情報として生成する。
【0106】
具体的には、推薦情報生成部363は、特定施設ジャンルと合致する施設の中から、施設属性情報に基づいて、
(1)グループGRの集合場所又は推薦情報の配信要求をした位置から所定の距離範囲(例えば、1km)内に存在する施設、
(2)当該グループGRの所属ユーザが他の所属ユーザと未だ来訪していない施設、及び、
(3)施設属性情報に含まれる評価情報における最も評価の高い施設又は評価の高い所定順位の施設(例えば、上位3位)
の少なくともいずれか一の条件を有する施設を推薦すべき施設として特定する。
【0107】
すなわち、推薦すべき施設が、グループGRの集合場所又は推薦情報の配信要求をした位置から遠方の施設は、来訪する可能性が著しく低く、有用な情報となり得ず、ユーザの評価が低い施設についても同様である。
【0108】
また、決定された特定施設ジャンルと一致する施設ジャンルを持つ施設属性情報に属した施設であって、該当するグループGRに所属する所属ユーザが1又は2以上の他の所属ユーザ(若しくは全ての他の所属ユーザ)と既に来訪したことのある施設は、一部の所属ユーザが知っている情報は安心感がある一方で、既に所属メンバーの多くが知っている情報であって、新鮮味がなく、有用な情報とはなり得ない。
【0109】
そこで、推薦情報生成部363は、有用な推薦情報を提供するために、上記の(1)〜(3)の少なくともいずれかの条件を具備する施設を、推薦情報として特定する。
【0110】
特に、推薦情報生成部363は、該当するグループGRの所属ユーザが他の所属ユーザと未だ来訪していない施設を、推薦すべき施設として特定する場合には、決定された特定施設ジャンルと一致する施設ジャンルを持つ施設属性情報に属した施設と、該当するグループGRに所属する各所属ユーザの履歴情報に基づいて各所属ユーザが既に来訪した施設と、を比較し、比較結果が所定の条件となる施設を、具体的には、当該比較により、該当するグループGRに所属する所属ユーザのうち一定数以上の所属ユーザが未だ来訪していない施設を、推薦すべき施設として特定する。
【0111】
なお、推薦情報生成部363は、推薦情報の内容及び形式に関しては任意であり、例えば、特定した施設の一覧を、通信端末装置10において、ユーザが閲覧可能に表示させるような内容にて推薦情報を生成するようにしてもよい。また、推薦情報生成部363は、推薦情報に含まれる施設の一覧には、各施設属性情報として含まれる評価情報及びその他の情報を含ませてもよい。
【0112】
[4]通信システムの動作
次に、図10及び図11を用いて本実施形態の通信システムにおいて実行される具体的な処理について説明する。なお、以下の各動作において、SNSへの利用登録方法は、従来のSNSと同一であるので、その説明を省略する。
【0113】
[4.1]グループ作成処理
まず、図10を用いて、本実施形態の通信システムにおいて通信端末装置10及び情報提供サーバ装置30によって実行されるグループ作成処理について説明する。なお、図10は、本実施形態の通信システムにおいて通信端末装置10及び情報提供サーバ装置30によって実行されるグループ作成処理を示すフローチャートである。
【0114】
この処理に先立って、各ユーザは、SNSの利用登録済みの状態、すなわち、SNSユーザ管理DB341に各種の情報が登録済みの状態になっており、通信端末装置10においては、グループ作成処理用のアプリケーションが実行され、SNSにログイン状態を維持しているものとする。
【0115】
まず、アプリケーション実行部130は、操作部160に対するユーザ操作に基づいて、グループGRの作成要求を検出すると(ステップSa100)、ブラウザの処理に従って、ユーザのユーザIDとともに、情報提供サーバ装置30に対してグループGRの作成要求を送信し、サーバ装置30からのデータ受信を待機する状態に移行する(ステップSa101)。
【0116】
次いで、情報提供サーバ装置30においては、DB情報管理部361は、通信制御部310によってグループ作成要求を受信すると(ステップSa200)、グループ作成要求に含まれるユーザID基づいてSNSユーザ管理DB341を検索し、該当するユーザIDの友人として登録されているユーザの一覧を示す一覧情報を生成する(ステップSa201)。
【0117】
次いで、DB情報管理部361は、生成した一覧情報を、通信制御部310を介して該当する通信端末装置10に送信し、受信待機状態に移行する(ステップSa202)。
【0118】
次いで、通信端末装置10においては、アプリケーション実行部130は、ネットワーク通信部110を介してサーバ装置30から送信された一覧情報を受信すると(ステップSa102)、表示制御部150と連携して、当該一覧情報とともに、グループGRを作成する友人を当該一覧情報から選択させるための表示を表示部140に表示させる(ステップSa103)。
【0119】
次いで、アプリケーション実行部130は、操作部160を介してユーザの友人の選択入力を検出すると(ステップSa104)、表示制御部150と連携して、作成すべきグループGRの集合場所(以下、「グループGR集合場所」ともいう。)及び集合日時(以下、「グループGR集合日時」ともいう。)を指定させるための画面を表示部140に表示させる(ステップSa105)。
【0120】
次いで、アプリケーション実行部130は、画面に従って、ユーザの各情報の入力操作を検出すると(ステップSa106)、集合場所及び集合日時を含むグループ情報を生成する(ステップSa107)。
【0121】
次いで、アプリケーション実行部130は、選択された友人の情報(具体的には選択された友人のユーザID(以下、「友人ユーザ情報」ともいう。)を含むグループ情報を情報提供サーバ装置30に送信し(ステップSa108)、本動作を終了させる。
【0122】
次いで、サーバ装置30においては、DB情報管理部361は、通信制御部310を介してグループ情報を受信すると(ステップSa203)、当該グループGRにグループIDを割り当てるとともに、グループ情報に含まれる友人情報としてのユーザID、集合日時、及び、集合場所位置情報とを対応付けてグループ情報DB343に登録し(ステップSa204)、本動作を終了させる。
【0123】
[4.2]推薦情報提供処理
次に、図11を用いて本実施形態の通信システム1における通信端末装置10及び情報提供サーバ装置30によって実行されるグループ嗜好特定処理を含む推薦情報提供処理について説明する。なお、図11は、本実施形態の通信システム1における通信端末装置10及び情報提供サーバ装置30によって実行されるグループ嗜好特定処理を含む推薦情報提供処理を示すフローチャートである。
【0124】
この処理に先立って、施設情報DB342、グループ情報DB343及び履歴情報DB344には必要な各情報が既に登録されているものとする。また、本動作においては、該当する通信端末装置10によって推薦情報提供処理用のアプリケーションが実行され、SNSにログイン状態を維持しているものとし、推薦情報を取得すべきグループGRのグループ作成処理は既に実行されているものとする。
【0125】
なお、本動作は、上記のグループ作成処理に引き続いて実行されてもよいし、当該グループ作成処理と異なるタイミングにおいて実行されてもよい。
【0126】
まず、通信端末装置10において、アプリケーション実行部130は、操作部160を介して、「食べる、飲む、遊ぶ)などの施設カテゴリ及び推薦情報を取得すべきグループIDを含む推薦情報の取得要求の入力を検出すると(ステップSb100)、自機のユーザに対応したユーザID及び指定された施設カテゴリを付加した推薦情報の取得要求を情報提供サーバ装置30に送信し、受信待機状態に移行する(ステップSb101)。
【0127】
一方、サーバ装置30においては、DB情報管理部361は、通信制御部310を介して推薦情報の取得要求を受信すると(ステップSb200)、当該取得要求に付加されたユーザID及ぶグループIDを抽出する(ステップSb201)。このとき、DB情報管理部361は、抽出したグループIDをROM/RAM320に一時記憶させる。
【0128】
なお、DB情報管理部361は、グループIDが含まれていない場合には、受信したユーザIDが含まれる最も新しく作成されたグループGRなど受信したユーザIDを検索キーとして、グループ情報DB343を検索し、検索の結果ヒットしたグループGRのグループIDをROM/RAM320に一時記憶させてもよい。
【0129】
次いで、DB情報管理部361は、検索キーとしてのグループID、すなわち、グループGRの所属ユーザに対応するユーザIDに基づいて、履歴情報を読み出して当該読み出した履歴情報をROM/RAM320に記録させる(ステップSb202)。すなわち、DB情報管理部361は、グループGRに所属するユーザの履歴情報を読み出す。
【0130】
次いで、グループ嗜好演算部362は、上記のグループ嗜好演算処理を実行し、当該グループGR全体の嗜好に合致する特定施設ジャンルを特定する(ステップSb203)。このとき、グループ嗜好演算部362は、ROM/RAM320に記録されている履歴情報に基づいて特定施設ジャンルを特定する。
【0131】
次いで、推薦情報生成部363は、特定された特定施設ジャンルに合致する施設、すなわち、グループGRの嗜好に基づいて施設を特定する(ステップSb204)。このとき、推薦情報生成部363は、施設属性情報に基づいて、グループGRの集合場所から所定の距離範囲内に存在する施設を検索し、当該施設の中で、グループ嗜好演算部362によって特定された施設ジャンルに合致する施設を特定する。
【0132】
次いで、推薦情報生成部363は、特定した施設の施設属性情報に基づいて所定の条件を具備する施設を推薦情報として生成する(ステップSb206)。
【0133】
次いで、推薦情報生成部363は、生成した推薦情報を、通信制御部310を介して、該当する通信端末装置10に配信し(ステップSb207)、本動作を終了させる。
【0134】
他方、通信端末装置10において、アプリケーション実行部130は、ネットワーク通信部110を介して情報提供サーバ装置30から送信された推薦情報を受信すると(ステップSb102)、表示制御部150と連動し、当該受信した推薦情報を表示部150に表示させる(ステップSb103)。
【0135】
最後に、アプリケーション実行部130は、受信した推薦情報に基づいてサービス利用管理テーブルTを更新し(ステップSb104)、本動作を終了させる。
【0136】
このように、本実施形態の通信システム1においては、グループGRの所属ユーザの過去に来訪した施設の情報を利用して所属ユーザにおける来訪する傾向の高い施設の属性を決定し、決定した属性に基づいて推薦情報を生成して配信することができるので、例えば、グループGRの少なくとも一のユーザが来訪したことのある施設である一方で、グループGRの他の所属ユーザにとっては新鮮な施設で、かつ、当該他の所属ユーザの嗜好に合致した施設など、所属ユーザの嗜好に合致した信頼性の高い情報を提供することができる。
【0137】
したがって、本実施形態の通信システム1においては、グループGRによって来訪する施設を決定する際に、推薦情報の配信要求を送信するだけ、信頼性の高い施設の情報を推薦情報として取得することができるので、ユーザの利便性を高めつつ、グループGRにとって有用な情報を提供することができる。
【0138】
特に、本実施形態の通信システム1においては、本発明に係るサーバ装置は、
(1)各通信端末装置の現在位置の周辺に存在する施設をユーザに推薦すること、
(2)グループGRの集合場所の周辺に存在する施設をユーザに推薦すること、
(3)一部の所属ユーザが知っている情報は安心感がある情報であって、既に所属メンバーの多くが知っている新鮮味のない施設を除外した施設をユーザに推薦すること、又は、
(4)評価情報が所定の条件を具備する施設の情報をユーザに推薦することができるので、所属ユーザの嗜好に合致した信頼性の高い情報を提供することができる。
【0139】
また、本実施形態の通信システム1においては、取得容易な簡易な履歴情報に基づいて施設の属性を決定することができるとともに、例えば、コサイン類似度演算のような単純なベクトル演算によってグループGR全体の嗜好を特定することができる。
【0140】
[5]変形例
[5.1]変形例1
上記実施形態においては、SNSユーザの集団をグループGRとして説明したが、SNS以外の情報提供サービスにおいて推薦情報を提供するようにすることも可能である。
【0141】
[5.2]変形例2
また、上記実施形態においては、サーバ装置30内にSNSユーザ管理DB341と、施設情報DB342と、グループ管理DB343と、履歴情報DB344と、を設け、管理及び制御する構成としたが、各データベースの管理、制御主体となるコンピュータシステムは、各々、別個なコンピュータシステムによって稼働するようにしてもよい。
【0142】
[5.3]変形例3
また、上記実施形態においては施設カテゴリと施設ジャンルを異なるものとして説明したが施設ジャンルのみを用いるようにしてもよい。
【0143】
[5.4]変形例4
また、上記実施形態においては、このとき推薦情報の精度を上げるため、履歴情報に含まれる施設の中から、ユーザによって指定された施設カテゴリに属さない施設を除外する構成としていたが、情報の精度が高くなくてもよい場合、施設カテゴリが異なる施設に関しても除外せずに、(式1)の演算を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1 … 通信システム
10 … 通信端末装置
30 … 情報提供サーバ装置
100 … 記録部
101 … アプリケーション記録部
102 … SNS利用管理データ記録部
110 … ネットワーク通信部
120 … 現在位置検出部
130 … アプリケーション実行部
140 … 表示部
150 … 表示制御部
160 … 操作部
170 … 端末管理制御部
310 … 通信制御部
320 … ROM/RAM
330 … タイマ
340 … 記録装置
341 … SNSユーザ管理DB
342 … 施設情報DB
343 … グループ情報DB
344 … 履歴情報DB
350 … サーバ管理制御部
360 … データ処理部
361 … DB管理部
362 … グループ嗜好演算部
363 … 推薦情報生成部
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11