(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のフレームレートを有する第1の画像信号を構成する実フレームより動き補償補間した補間フレームが生成され、前記実フレーム間に前記補間フレームを内挿することにより、前記第1のフレームレートよりもフレームレートの高い第2のフレームレートを有する第2の画像信号に変換され、前記第2の画像信号を構成する前記実フレームのみがIピクチャのフレーム、または、他のPピクチャもしくはBピクチャより参照されるPピクチャもしくはBピクチャの参照フレームとして動画像符号化された符号化ストリームを記録する記録部と、
前記記録部より再生された符号化ストリームより、前記実フレームに基づいて生成されたフレームのみを抽出して実フレーム抽出ストリームを出力する実フレーム抽出部と、
前記実フレーム抽出ストリームを復号して復号データを出力する動画像復号部と、
前記復号データのそれぞれのフレームを繰り返し出力して前記第2のフレームレートに変換して出力するフレームレート変換部と、
を備えることを特徴とする画像再生装置。
第1のフレームレートを有する第1の画像信号を構成する実フレームより動き補償補間した補間フレームが生成され、前記実フレーム間に前記補間フレームを内挿することにより、前記第1のフレームレートよりもフレームレートの高い第2のフレームレートを有する第2の画像信号に変換され、前記第2の画像信号を構成する前記実フレームのみがIピクチャのフレーム、または、他のPピクチャもしくはBピクチャより参照されるPピクチャもしくはBピクチャの参照フレームとして動画像符号化された符号化ストリームが記録された記録部より、前記符号化ストリームを再生し、
再生された符号化ストリームより、前記実フレームに基づいて生成されたフレームのみを抽出して実フレーム抽出ストリームを生成し、
前記実フレーム抽出ストリームを復号して復号データを生成し、
前記復号データのそれぞれのフレームを繰り返し出力して前記第2のフレームレートに変換して出力する
ことを特徴とする画像再生方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
動きの比較的速い被写体を例えば30fpsで撮影し、30fpsの画像信号を繰り返し出力して60fpsに変換した動画像を鑑賞すると、モーションジャダと称されるカクカクした動きが視認されてしまう。モーションジャダを低減させる解決策の1つは、動き補償型フレームレート変換を用いることである。具体的には、動き補償型フレームレート変換装置は、30fpsの画像信号に基づいて被写体の動きベクトルを検出し、予測補間した補間フレームを生成する。動き補償型フレームレート変換装置は、30fpsの画像信号の隣接する実フレーム間に補間フレームを内挿して60fpsにフレームレート変換する。
【0007】
動き補償型フレームレート変換によって60fpsに変換した動画像では、モーションジャダが低減され、あたかも60fpsで撮像したような滑らかな動きとなる。動き補償型フレームレート変換によって60fpsに変換した画像信号を動画像符号化した符号化ストリームを記録媒体に記録しておけば、モーションジャダの少ない滑らかな再生画像を鑑賞することができる。
【0008】
ところが、60fpsに変換した画像信号を動画像符号化した符号化データを記録媒体に記録すると、モーションジャダを低減させる前の30fpsの画像信号を再生することができない。動き補償型フレームレート変換装置によって生成した補間フレームは30fpsの画像信号の実フレームと比較すると画像が劣化している場合がある。そこで、動き補償型フレームレート変換によってフレームレート変換する前の画像信号を再生できることが望まれる。
【0009】
本発明はこのような要望に対応するため、第1のフレームレートを有する第1の画像信号に対して動き補償型フレームレート変換を施して、第1のフレームレートよりもフレームレートの高い第2のフレームレートを有する第2の画像信号に変換し、第2の画像信号を動画像符号化した符号化データを記録した記録部より、フレームレート変換する前の画像信号を再生することができる画像再生装置、画像再生方法、画像再生プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、第1のフレームレートを有する第1の画像信号を構成する実フレームより動き補償補間した補間フレームが生成され、前記実フレーム間に前記補間フレームを内挿することにより、前記第1のフレームレートよりもフレームレートの高い第2のフレームレートを有する第2の画像信号に変換され、前記第2の画像信号を構成する前記実フレームのみがIピクチャのフレーム、または、他のPピクチャもしくはBピクチャより参照されるPピクチャもしくはBピクチャの参照フレームとして動画像符号化された符号化ストリームを記録する記録部(40)と、前記記録部より再生された符号化ストリームより、前記実フレームに基づいて生成されたフレームのみを抽出して実フレーム抽出ストリームを出力する実フレーム抽出部(50)と、前記実フレーム抽出ストリームを復号して復号データを出力する動画像復号部(70)と
、前記復号データのそれぞれのフレームを繰り返し出力して前記第2のフレームレートに変換して出力するフレームレート変換部(80)とを備えることを特徴とする画像再生装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、第1のフレームレートを有する第1の画像信号を構成する実フレームより動き補償補間した補間フレームが生成され、前記実フレーム間に前記補間フレームを内挿することにより、前記第1のフレームレートよりもフレームレートの高い第2のフレームレートを有する第2の画像信号に変換され、前記第2の画像信号を構成する前記実フレームのみがIピクチャのフレーム、または、他のPピクチャもしくはBピクチャより参照されるPピクチャもしくはBピクチャの参照フレームとして動画像符号化された符号化ストリームが記録された記録部(40)より、前記符号化ストリームを再生し、再生された符号化ストリームより、前記実フレームに基づいて生成されたフレームのみを抽出して実フレーム抽出ストリームを生成し、前記実フレーム抽出ストリームを復号して復号データを生成
し、前記復号データのそれぞれのフレームを繰り返し出力して前記第2のフレームレートに変換して出力することを特徴とする画像再生方法を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、コンピュータに、第1のフレームレートを有する第1の画像信号を構成する実フレームより動き補償補間した補間フレームが生成され、前記実フレーム間に前記補間フレームを内挿することにより、前記第1のフレームレートよりもフレームレートの高い第2のフレームレートを有する第2の画像信号に変換され、前記第2の画像信号を構成する前記実フレームのみがIピクチャのフレーム、または、他のPピクチャもしくはBピクチャより参照されるPピクチャもしくはBピクチャの参照フレームとして動画像符号化された符号化ストリームが記録された記録部(40)より、前記符号化ストリームを再生させる機能と、再生された符号化ストリームより、前記実フレームに基づいて生成されたフレームのみを抽出して実フレーム抽出ストリームを生成させる機能と、前記実フレーム抽出ストリームを復号して復号データを生成させる機能と、
前記復号データのそれぞれのフレームを繰り返し出力して前記第2のフレームレートに変換して出力する機能とを実現させることを特徴とする画像再生プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像再生装置、画像再生方法、画像再生プログラムによれば、第1のフレームレートを有する第1の画像信号に対して動き補償型フレームレート変換を施して、第1のフレームレートよりもフレームレートの高い第2のフレームレートを有する第2の画像信号に変換し、第2の画像信号を動画像符号化した符号化データを記録した記録部より、フレームレート変換する前の画像信号を再生することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、一実施形態の画像再生装置、画像再生方法、画像再生プログラムについて、添付図面を参照して説明する。まず、イメージセンサより出力された画像信号をフレームレート変換して動画像符号化し、記録部に記録する撮像記録装置の構成及び動作について説明する。
【0016】
<撮像記録装置の第1構成例>
図1において、イメージセンサ10は、被写体を30fpsのフレームレートで撮像した画像信号S10を出力する。画像信号S10は、動き補償型フレームレート変換装置であるフレームレート変換部20に入力される。第1構成例におけるフレームレート変換部20はいわゆる倍速変換回路である。
【0017】
フレームレート変換部20は、画像信号S10におけるフレーム間の動きベクトルを検出し、動きベクトルに基づいて予測補間(動き補償補間)した補間フレームを生成する。フレームレート変換部20は、画像信号S10における隣接するフレーム間に補間フレームを内挿して60fpsにフレームレート変換した画像信号S20を出力する。
【0018】
フレームレート変換部20は、画像信号S20におけるそれぞれのフレームが、画像信号S10のフレームである実フレームであるか、補間フレームであるかを示すフラグ信号Sfgを生成して出力する。
【0019】
図2を用いて、フレームレート変換部20の第1の具体的構成例及びその動作について説明する。第1の具体的構成例におけるフレームレート変換部20をフレームレート変換部20
1とする。
図2において、画像信号S10を構成するそれぞれの画素データは、メモリ201,動きベクトル検出部202,補間部203,メモリ204に順次入力される。メモリ201は、入力された画素データを1フレーム期間遅延させる。1フレーム遅延の画素データは、動きベクトル検出部202及び補間部203に入力される。
【0020】
動きベクトル検出部202は、公知の手法によって、それぞれの画素単位または複数の画素よりなるブロック単位で、フレーム間の動きベクトルMVを検出する。補間部203は、動きベクトルMVを参照し、画像信号S10の画素データとメモリ201より出力された1フレーム遅延の画素データとに基づいて、画像信号S10における隣接するフレーム間に内挿する補間フレームを構成する補間画素データを生成する。補間部203によって生成された補間画素データは、メモリ204に入力される。
【0021】
メモリ204は、タイミング制御部25による制御に基づいて、画像信号S10の画素データと、補間部203からの補間画素データとを、1/60秒毎に交互に読み出して、60fpsのフレームレートを有する画像信号S20を出力する。タイミング制御部25は、メモリ204より出力される画像信号S20のフレームが実フレームであるタイミングでは例えば“0”(ロー)、補間フレームであるタイミングでは例えば“1”(ハイ)のフラグ信号Sfgを生成して出力する。
【0022】
タイミング制御部25は、実フレームを出力するタイミングと補間フレームを出力するタイミングとを識別するためのフラグ信号Sfgを発生するフラグ発生部として動作している。
【0023】
図1に戻り、フレームレート変換部20(20
1)より出力された画像信号S20とフラグ信号Sfgは、動画像符号化部30に入力される。動画像符号化部30は、入力された画像信号S20を符号化する。この際、動画像符号化部30は、フラグ信号Sfgを参照して、画像信号S20を符号化する方法を決定する。
【0024】
動画像符号化部30には、画像信号S20及びフラグ信号Sfgが入力される。動画像符号化部30は、画像信号S20を符号化する。動画像符号化部30は、画像信号S20を符号化する際の画像フレームのタイプとして、Iピクチャ(Intra Coded Picture)、Pピクチャ(Predictive Coded Picture)、Bピクチャ(Bidirectional Predictive Coded Picture)のいずれかのタイプを用いる。
【0025】
Iピクチャは、フレーム内予測符号化のみを用いたフレームである。Pピクチャは、フレーム内予測符号化だけでなく、過去のフレームを参照する前方向フレーム間予測符号化を用いることができるフレームである。Bピクチャは、フレーム内予測符号化だけでなく、過去と未来のそれぞれのフレームを参照する双方向フレーム間予測符号化を用いることができるフレームである。
【0026】
Iピクチャは、GOP(Group of Picture)と称されるピクチャの集合体の先頭フレームとして割り当てられる。Iピクチャは、GOP内の参照フレームの基本となる。Iピクチャは他のフレームを参照しないため、サーチ等の特殊再生の際に用いるのに好適である。Pピクチャ及びBピクチャを用いると、自身のフレームと参照フレームとの差分だけを符号化するため圧縮効率のよい符号化を行うことができる。
【0027】
図3を用いて、フレームレート変換部20
1及び動画像符号化部30を備える第1構成例の撮像記録装置がピクチャタイプをどのように決定して画像信号S20を符号化するかについて説明する。
図3の(a)は、イメージセンサ10から出力される画像信号S10のフレームf0,f2,f4,…を示している。ここでは、画像信号S10のフレームレートは30fpsである。
【0028】
図3の(b)は、フレームレート変換部20(20
1)より出力される画像信号S20のフレームf0,f1,f2,f3,f4,…を示している。
図3の(a),(b)を比較すれば分かるように、フレームf0,f2,f4,f6,…は実フレームであり、フレームf1,f3,f5,f7,…は補間フレームである。
【0029】
図3の(b)における例えばフレームf1は、
図3の(a)におけるフレームf2が入力された後に得られる。従って、実際には、
図3の(b)に示す画像信号S20は、
図3の(b)のフレームf1の位置が
図3の(a)のフレームf2よりも後ろ側へとタイミングがずれることになる。
図3では、理解を容易にするため、フレームレート変換部20における遅延時間を無視して、画像信号S10のフレームと画像信号S20のフレームとのタイミングを合わせるように図示している。
【0030】
タイミング制御部205は、
図3の(c)に示すように、フレームレート変換部20が、画像信号S20のフレームとして実フレームf0,f2,f4,f6,…を出力する場合にはハイ、補間フレームf1,f3,f5,f7,…を出力する場合にはローのフラグ信号Sfgを出力する。
【0031】
動画像符号化部30は、一例として、
図3の(d)に示すように、フレームf0,f4,…をIピクチャI0,I4,…のフレームとして符号化し、フレームf1〜f3,f5〜f7,…を、PピクチャP1〜P3,P5〜P7,…のフレームとして符号化した符号化ストリームS30を生成する。ここでは簡略化のためBピクチャを用いていないが、Bピクチャのフレームを含むように符号化ストリームS30を生成してもよい。
【0032】
動画像符号化部30は、
図3の(c),(d)より分かるように、フラグ信号Sfgがローである実フレームのみにIピクチャを割り当てる。また、動画像符号化部30は、PピクチャまたはBピクチャが参照する参照フレームを、フラグ信号Sfgがローである実フレームに基づいて生成したIピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャのフレームのみとして符号化する。さらに、動画像符号化部30は、フラグ信号Sfgがハイである補間フレームに対しては、参照フレームとはならないPピクチャ,Bピクチャのフレームのみとして符号化する。
【0033】
図3の(d)の場合には、フレームf2(PピクチャP2)がフレームf3(PピクチャP3)の参照フレーム、フレームf6(PピクチャP6)がフレームf7(PピクチャP7)の参照フレームとなっている。フレームf1,f2(PピクチャP1,P2)はフレームf0(IピクチャI0)を参照し、フレームf5,f6はフレームf4(IピクチャI4)を参照している。
【0034】
通常の撮像記録装置においては、画像信号の性質等に基づいてIピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャのピクチャタイプを割り当て、Iピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャを一定のシーケンスで順に割り当てていくのが一般的である。本実施形態においては、フラグ信号Sfgを参照して、符号化しようとするフレームが実フレームであるか補間フレームであるかによって、ピクチャタイプを決定し、参照フレームとするか否かを決定して、符号化ストリームS30を生成する。
【0035】
補間フレームはフレームレート変換部20(20
1)において動きベクトル推定して生成したフレームであるため、変換誤差を含む場合がある。補間フレームを、符号化ストリームS30を生成する際の参照フレームとして用いると、複数のフレームに変換誤差が蓄積していき、画像劣化を招いてしまう。第1構成例において、動画像符号化部30は、補間フレームをIピクチャのフレーム及び他のフレームから参照される参照フレームとして用いないように符号化して符号化ストリームS30を生成する。従って、第1構成例の撮像記録装置によれば、フレームレート変換部20における変換誤差の影響による画像劣化を極力少なくすることができる。
【0036】
動画像符号化部30より出力された符号化ストリームS30は、記録部40に入力されて記録される。記録部40は、記録媒体と、記録媒体に符号化ストリームS30を記録させ、記録媒体に記録した符号化ストリームS30を再生させる記録再生駆動部とを含む。記録媒体は、光ディスク,半導体メモリ,ハードディスク・ドライブ等のいずれでもよく、任意の記録媒体である。
【0037】
<撮像記録装置の第2構成例>
第2構成例においては、
図1におけるイメージセンサ10は、被写体を15fpsのフレームレートで撮像した画像信号S10を出力する。第2構成例におけるフレームレート変換部20は15fpsを60fpsに変換するいわゆる4倍速変換回路である。
【0038】
図4を用いて、第2構成例におけるフレームレート変換部20の具体的構成及び動作について説明する。第2構成例におけるフレームレート変換部20をフレームレート変換部20
2とする。
図2に示す第1構成例のフレームレート変換部20
1と実質的に同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図4において、動きベクトル検出部202は、補間部2031,2032,2033にそれぞれ動きベクトルMV1,MV2,MV3を供給する。15fpsを60fpsに変換するには、フレームレート変換部20
2は、画像信号S10における隣接するフレーム間に3フレーム分の補間フレームを内挿する必要がある。従って、3つの補間部2031,2032,2033が必要となる。
【0040】
図5を用いて、フレームレート変換部20
2及び動画像符号化部30を備える第2構成例の撮像記録装置がピクチャタイプをどのように決定して画像信号S20を符号化するかについて説明する。
図5の(a)は、イメージセンサ10から出力される画像信号S10のフレームf0,f4,f8,…を示している。ここでは、画像信号S10のフレームレートは15fpsである。
【0041】
図5の(b)は、フレームレート変換部20より出力される画像信号S20のフレームf0,f1,f2,f3,f4,…を示している。
図5の(a),(b)を比較すれば分かるように、フレームf0,f4,f8,f12,…は実フレームであり、フレームf1〜f3,f5〜f7,f9〜f11,f13〜f15,…は補間フレームである。ここでも、フレームレート変換部20における遅延時間を無視して、画像信号S10のフレームと画像信号S20のフレームとを合わせるように図示している。
【0042】
フラグ発生部であるタイミング制御部205は、
図5の(c)に示すように、フレームレート変換部20が、画像信号S20のフレームとして実フレームf0,f4,f8,f12,…を出力するタイミングではロー、補間フレームf1〜f3,f5〜f7,f9〜f11,f13〜f15,…を出力するタイミングではハイのフラグ信号Sfgを出力する。
【0043】
動画像符号化部30は、一例として、
図5の(d)に示すように、フレームf0,f8,…をIピクチャI0,I8,…のフレームとして符号化し、フレームf1〜f7,f9〜f15,…を、PピクチャP1〜P7,P9〜P15,…のフレームとして符号化した符号化ストリームS30を生成する。ここでも、Bピクチャのフレームを含むように符号化ストリームS30を生成してもよい。
【0044】
第2構成例においても、動画像符号化部30は、フラグ信号Sfgがローである実フレームのみにIピクチャを割り当てる。また、動画像符号化部30は、Pピクチャ及びBピクチャが参照する参照フレームを、フラグ信号Sfgがローである実フレームに基づいて生成したIピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャのフレームのみとして符号化する。さらに、動画像符号化部30は、フラグ信号Sfgがハイである補間フレームに対しては、参照フレームとはならないPピクチャ,Bピクチャのフレームのみとして符号化する。
【0045】
図5の(d)の場合には、フレームf4(PピクチャP4)がフレームf5〜f7(PピクチャP5〜P7)の参照フレーム、フレームf12(PピクチャP12)がフレームf13〜f15(PピクチャP13〜P15)の参照フレームとなっている。フレームf1〜f4(PピクチャP1〜P4)はフレームf0(IピクチャI0)を参照し、フレームf9〜f12(PピクチャP9〜P12)はフレームf8(IピクチャI8)を参照している。
【0046】
動画像符号化部30より出力された符号化ストリームS30は、記録部40に入力されて記録される。
【0047】
<一実施形態の画像再生装置>
図6及び
図7を用いて、第1または第2構成例の撮像記録装置によって記録部40に記録された符号化ストリームS30を再生する一実施形態の画像再生装置の具体的構成及び動作について説明する。
図7は、第1構成例の撮像記録装置によって生成された符号化ストリームS30が記録部40に記録されている場合のタイミングチャートを示している。
【0048】
図6に示すように、一実施形態の画像再生装置は、記録部40,実フレーム抽出部50,モード選択部60,動画像復号部70,フレームレート変換部80,モード選択部90を備える。一実施形態の画像再生装置は、記録部40に記録された符号化ストリームS30を再生するモードとして、通常再生モードと原画再生モードとの2つのモードを有する。
【0049】
まず、通常再生モードにおける動作について説明する。
図6において、記録部40より再生された符号化ストリームS40は、実フレーム抽出部50及びモード選択部60に入力される。通常再生モードでは、モード選択部60は、記録部40より再生された符号化ストリームS40を選択して、動画像復号部70に供給する。
【0050】
動画像復号部70は入力された符号化ストリームS40を復号し、復号データS70をフレームレート変換部80及びモード選択部90に供給する。モード選択部90は、動画像復号部70より出力された復号データS70を選択して出力する。
【0051】
通常再生モードによれば、記録部40に記録された符号化ストリームS30を再生して復号するという通常の動作を行うことにより、モーションジャダが少なくて滑らかで、変換誤差の影響による画像劣化の少ない高画質な再生画像を鑑賞することができる。
【0052】
次に、原画再生モードにおける動作について説明する。
図7の(a)は、記録部40より再生された符号化ストリームS40を示している。
図7の(a)に示す符号化ストリームS40は、
図3の(d)に示す符号化ストリームS30と同じである。
図3で説明したように、IピクチャI0,I4,…及びPピクチャP2,P6,…が実フレームに基づいて生成したフレームである。
【0053】
実フレーム抽出部50は、
図7の(b)に示すように、符号化ストリームS40から、実フレームに基づいて生成したIピクチャI0,PピクチャP2,IピクチャI4,PピクチャP6,…のみを抽出して、実フレーム抽出ストリームS50を出力する。原画再生モードでは、モード選択部60は、実フレーム抽出部50より出力された実フレーム抽出ストリームS50を選択して、動画像復号部70に供給する。
【0054】
動画像復号部70は入力された実フレーム抽出ストリームS50を復号する。動画像復号部70は、
図7の(c)に示すように、フレームf0,f2,f4,f6,…よりなる復号データS70をフレームレート変換部80及びモード選択部90に供給する。復号データS70のフレームレートは30fpsである。原画再生モードにおける復号データS70は、通常再生モードにおける復号データS70とは異なるが、便宜上、同じ符号で示している。
【0055】
実フレーム抽出部50で抽出したPピクチャP2,P6,…は、補間フレームのピクチャを参照しない。従って、符号化ストリームS40から補間フレームに基づいて生成したPピクチャ(またはBピクチャ)を取り除いても、動画像復号部70は実フレーム抽出ストリームS50を復号することができる。
【0056】
フレームレート変換部80は、入力された復号データS70を単純に2倍して、60fpsになるように変換する。
図6におけるフレームレート変換部80は、
図1における動き補償補間した補間フレームを生成するフレームレート変換部20とは異なり、復号データS70を単純に倍速変換する単純倍速変換部である。具体的には、フレームレート変換部80は、
図7の(d)に示すように、フレームf0,f2,f4,f6,…をそれぞれ2回ずつ繰り返して出力することにより、60fpsのフレームレートを有する倍速復号データS80を生成する。
【0057】
原画再生モードでは、モード選択部90は、フレームレート変換部80より出力された倍速復号データS80を選択して出力する。
【0058】
原画再生モードにおいてモード選択部90より出力される倍速復号データS80は、記録部40に記録された符号化ストリームS30を生成する過程で、フレームレート変換部20において実フレーム間に内挿した動き補償補間による補間フレームの影響は全くない。
【0059】
倍速復号データS80は、フレームレートは異なるものの、イメージセンサ10より出力された画像信号S10と同等の画質である。本実施形態によれば、動き補償型フレームレート変換によってフレームレート変換する前の画像信号を再生することができる。なお、厳密には、倍速復号データS80は符号化によるロスを含むが、無視してよい。
【0060】
第2構成例の撮像記録装置によって生成された符号化ストリームS30が記録部40に記録されている場合には、フレームレート変換部80は、入力された復号データS70を単純に4倍して、60fpsになるように変換すればよい。
【0061】
なお、フレームレート変換部80を省略した構成としてもよい。
【0062】
図1において、フレームレート変換部20及び動画像符号化部30の部分をマイクロコンピュータによって構成してもよい。
図6において、記録部40より符号化ストリームS40を再生させる部分、実フレーム抽出部50,モード選択部60,動画像復号部70,フレームレート変換部80,モード選択部90の部分をマイクロコンピュータによって構成してもよい。マイクロコンピュータに本実施形態のように動作させる画像再生プログラムを搭載して、マイクロコンピュータによって本実施形態の画像再生装置と同等の機能を実現させてもよい。
【0063】
本発明は以上説明した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。