(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記予測位置算出部は、実時刻が予測プレー時刻となったホール位置を予測位置情報として前記ゴルフカート位置情報処理部に出力することを特徴とする請求項1に記載のゴルフカート位置管理装置。
前記ホール位置特定部は、各ホールの規定打数に応じた所定の位置の所定の範囲の実位置情報を得た場合に、前記所定の位置を前記ホール位置として特定することを特徴とする請求項1に記載のゴルフカート位置管理装置。
前記ホール位置特定部は、各ホールにおいて定められたゴルフカートの停止位置の所定の範囲の実位置情報を得た場合に、前記所定の位置を前記ホール位置として特定することを特徴とする請求項1に記載のゴルフカート位置管理装置。
前記ホール位置を特定するステップは、各ホールの規定打数に応じた所定の位置の所定の範囲の実位置情報を得た場合に、前記所定の位置を前記ホール位置として特定することを特徴とする請求項5に記載のゴルフカート位置管理方法。
前記ホール位置を特定するステップは、各ホールにおいて定められたゴルフカートの停止位置の所定の範囲の実位置情報を得た場合に、前記所定の位置を前記ホール位置として特定することを特徴とする請求項5に記載のゴルフカート位置管理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、GPS衛星からの電波の受信が困難な場合であっても、カート道に設置された位置補正手段により位置を検出し、これらの位置補正手段のうちGPS衛星からの電波が受信不能になる自カートの直前表示位置に最も近いものを自カート位置とする技術が提案されている。
また、特許文献2には、携帯端末と基地局との間のカートに無線中継機能を設けることにより、携帯端末の軽量小型化を行い、プレーヤに対するサービスの向上を計る技術が提案されている。
特許文献1の発明では、ゴルフカートと基地局との通信が途絶えていないことを前提としている。ゴルフコースによってはゴルフカートから基地局のあるキャディーマスター室まで山等の障害物により電波が届かないホールが存在し、これらのホールからはゴルフカートの位置情報を得られない場合がある。
また、山等の障害物があってもゴルフカートと基地局との通信を確保するため、中継局を設置することは特許文献2から容易に考えられるが、電源や設備の敷設が必要となる。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、ゴルフカートと基地局との通信が困難な場所においても、ゴルフカートの位置を予測することができるゴルフカート位置管理装置、ゴルフカート位置管理方法及びゴルフカート位置管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、
ゴルフコースにおけるゴルフカートの位置を管理するゴルフカート位置管理装置であって、
前記ゴルフカートに搭載された位置検出手段により検出され、該ゴルフカートに搭載された送信手段により送信された実位置情報の信号を受信する受信手段と、
受信した前記実位置情報に基づいて、前記ゴルフカートが位置するホールにおける所定の位置であるホール位置を特定するホール位置特定部と、
前記ホール位置と実時刻とより決定されるホール位置毎の実プレー時刻を記録する実プレー時刻記録部と、
前記ゴルフコースの標準プレー時間と前記実プレー時刻とから、未プレーのホール位置毎のプレー時刻を予測した予測プレー時刻を算出する予測プレー時刻算出部と、
実時刻と、前記予測プレー時刻と該予測プレー時刻に該当するホール位置とから、プレー中の前記ゴルフカートの予測位置情報を算出する予測位置算出部と、
前記実位置情報もしくは前記予測位置情報のいずれか最後に入力された情報をゴルフカート位置情報として出力するゴルフカート位置情報処理部と、
を備えることを特徴とするゴルフカート位置管理装置を提供するものである。
【0006】
ゴルフコースにおけるゴルフカートの位置を管理するゴルフカート位置管理方法であって、
ゴルフカートの実位置情報を得るステップと、
前記実位置情報から前記ゴルフカートが位置するホールにおける所定の位置であるホール位置を特定するステップと、
特定されたホール位置と共に前記ホール位置を特定した際の時刻である実プレー時刻を記録するステップと、
前記ゴルフコースの標準プレー時間と、前記実プレー時刻とから、未プレーのホール位置毎のプレー時刻を予測した予測プレー時刻を算出するステップと、
実時刻と、前記予測プレー時刻と、該予測プレー時刻が該当するホール位置とから、プレー中の予測位置である予測位置情報を算出するステップと、
前記実位置情報もしくは予測位置情報のいずれか最後に得た位置情報を表示するステップと、
を含むゴルフカート位置管理方法を提供するものである。
【0007】
ゴルフコースにおけるゴルフカートの位置を管理するゴルフカート位置管理プログラムであって、
前記ゴルフカートの実位置情報から前記ゴルフカートが位置するホールにおける所定の位置であるホール位置を特定する処理と、
特定されたホール位置と共に前記ホール位置を特定した際の時刻である実プレー時刻を記録する処理と、
前記ゴルフコースの標準プレー時間と、前記実プレー時刻とから、未プレーのホール位置毎のプレー時刻を予測した予測プレー時刻を算出する処理と、
実時刻と、前記予測プレー時刻と、該予測プレー時刻が該当するホール位置とから、プレー中の予測位置である予測位置情報を算出する処理と、
前記実位置情報もしくは予測位置情報のいずれか最後に得た位置情報を表示する処理と、
をコンピュータに実行させることを特長とするゴルフカート位置管理プログラムを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の先方状況判定装置によれば、ゴルフカートと基地局との通信が困難な場所においても、ゴルフカートの位置を予測する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフカート位置管理装置を用いたゴルフカート位置管理システムのブロック図である。
ゴルフカート位置管理システムは、位置情報を送信する通信手段を搭載した複数台数のゴルフカートM(M1,M2,・・・Mn)と、それぞれのゴルフカートMに搭載された通信手段から送られてくる位置情報を処理する基地局Bとからなる。
ゴルフカートMは、複数台数であって、それぞれに位置検出部101と、通信装置102とを搭載している。
基地局Bは、それぞれのゴルフカートMの通信装置102と通信を行う基地局通信装置202と、それぞれのゴルフカートMから送信された位置情報を処理するゴルフカート位置管理装置201と、それぞれのゴルフカートMの位置の表示を行う表示部203と、より構成される。
【0012】
ゴルフカートMの位置検出部101は、衛星からの信号を受信するもの、たとえばGPS(Global Positioning System)や、カート道に埋め込まれたビーコン送信機からの位置情報信号を受信するものであってもよい。
ゴルフカートMの通信装置102は、位置情報をデータで送信できるものであれば、通信方式は問わない。また、送信専用の通信装置であってもよい。
【0013】
基地局Bの基地局通信装置202は、ゴルフカートの通信装置102と通信を行う通信装置であり、ゴルフカートMからの送信される位置情報を受信する。受信専用の通信装置であってもよい。
【0014】
基地局Bのゴルフカート位置管理装置201は、ゴルフカートMより位置情報が得られる場合にはその位置情報を処理し、位置情報が得られない場合には、位置を推測する処理を行う。
またゴルフカート位置管理装置201は、位置情報を処理した結果または位置を推測した結果を表示部203に出力する。
【0015】
ゴルフカート位置管理装置201は、管理手段の一具体例であり、例えば、演算処理等と行うCPU(Central Processing Unit)と、CPUによって実行される演算プログラムやデータ等が記録されたROM(Read Only Memory)と、処理データ等を一時的に記録するRAM(Random Access Memory)と、を有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。これらCPU、ROM、及びRAMは、データバス等によって相互に接続されている。
【0016】
表示部203は、液晶ディスプレー装置や有機或いは無機EL装置等であって、それぞれのゴルフカートの位置を表示する。たとえばコース全体のホールレイアウト図に重ねて各々のゴルフカートの位置を表示する。
図3はコース全体のホールレイアウトの概略図であるが、楕円で示しているのが各ホールであり、Tはティーグラウンド、Gはグリーンのそれぞれの位置を示す。ゴルフカートM(M1、M2,M3、・・・Mn)は位置情報を元にコース上に表示され、どのゴルフカートが現在何番ホールのどのあたりにいるかを把握することが出来る。
【0017】
表示は、ホールレイアウト図に重ねて表示する以外にも、
図4に示すようにホール毎に表形式として左側をティーグラウンドの位置、右側をグリーンの位置として何番ホールのどのあたりにカートがあるかを表示したりしてもよい。
図4では、各ホールの距離を表の各ホールの長さに対応させて、ティーグラウンドから何ヤード地点といった1次元の位置として表示しても良い。
【0018】
また厳密な位置までは必要ない場合には、たとえば
図3のゴルフカートM5は、6番パー5のロングホールの中央付近よりはややグリーンよりに位置している。規定打数が5のパー5であることから、ある程度の技量がある人であれば3打目となる位置である。そのため
図4のゴルフカートM5の位置に示すように、ホールを規定打数より1を引いた数に分割して、3番目の枠内にM5を表示することで6番ホールの3打目の地点付近にゴルフカートM5があることが認識できる。
表示方法は様々であるが、表示方法に関しては問わない。後で説明するゴルフカート毎の時間表示でも同様の表示形式として利用することもできる。
以降ホールと記載するのは、例えば1番から18番ホールまであるとした場合の各ティーグラウンドからそのティーグラウンドに対応するグリーンまでを含めたエリアを示す。
【0019】
基地局Bは、例えば、クラブハウスのキャディーマスター室等に設置される。基地局Bを操作するゴルフコース運営管理者は、各カートの進行状況を把握し、遅延の無いスムーズなプレーとなるように管理する。
【0020】
プレーは長時間となるため、多くのゴルフコースは、前半9ホールと、後半9ホールとを別け、1番ホールからスタートして9番ホールでクラブハウスに戻る、10番ホールからスタートして18番ホールでクラブハウスに戻る、といったレイアウトとなっている。
【0021】
そのため、1番と10番のティーグラウンドと、9番と18番のグリーンとは、クラブハウスに比較的近いところにある。また、前半の9ホール及び後半の9ホールにおいて、それぞれ中盤となる4番ホール、5番ホール、6番ホール、13番ホール、14番ホール、15番ホールといったホールはクラブハウスから比較的離れた位置となることが多い。
【0022】
そのため、ゴルフカートMが、スタートしてから、前記した中盤のホールにかけてクラブハウスからの距離が遠くなり、前記した中盤のホールを終え最終ホール(9番もしくは18番)にかけてクラブハウスまでの距離が徐々に近くなってくる。そのため中盤のホールにおける通信では電界強度が下がる。
【0023】
ゴルフ場は、必ずしも平坦な場所に作られているわけではなく、山や丘といったところにも作られる。コースのホールレイアウトにもよるが、ゴルフカートMの通信装置102と基地局Bの基地局通信装置202との通信が、山により遮断され通信できないエリアが存在する場合もある。その場合、ゴルフカートMの位置検出部101が位置を検出できても、位置情報を基地局Bに伝送できないため、基地局Bは、ゴルフカートMの位置を推測する機能を備える。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態に係るゴルフカート位置管理装置201のブロックダイヤグラムである。
図2を用いて、本発明の一実施形態に係るゴルフカート位置管理装置の動作を説明する。
ゴルフカートMが、基地局Bと通信可能なエリアの場合、ゴルフカートMの通信装置102は、位置情報を送信し、基地局通信装置202は、位置情報を受信し位置情報をゴルフカート位置管理装置201に出力する。
ゴルフカートMから得られた位置情報を、以降で説明する予測の位置情報と区別するため実位置情報と記載する。
【0025】
実位置情報は、ゴルフカート位置情報処理部201bに入力される。ゴルフカート位置情報処理部201bは、所定のホールレイアウト情報と実位置情報とを比較し、その結果である表示位置情報を表示部203に出力する。
【0026】
また、実位置情報は、ホール位置特定部201cに入力される。
ホール位置特定部201cは、どのホールのどの位置にカートがあるかを特定する。
例えば、どのホールの何打目地点なのかといった特定を行う。
送られてきた実位置情報が、ホールの規定打数であるパー数に係わらずティーグラウンドの所定の範囲の実位置情報であれば1打目地点、パー4のティーグラウンドとグリーンとの間の所定の範囲であれば2打目地点、パー5の場合は2打目地点とグリーンとの間の所定の範囲であれば3打目地点、グリーン周辺の所定の範囲の実位置情報であれば、パー3のホールは2打目地点、パー4であれば3打目地点、パー5であれば4打目地点となる。
2番ホールのティーグラウンドの実位置情報であれば2番ホールの1打目地点、8番ホール(パー4とすると)のグリーン周囲の実位置情報であれば、8番ホールの3打目地点となる。各打目地点は、ホール上の位置を示すことから以降はその総称をホール位置とする。このホール内での位置情報をホール位置情報とする。
実位置情報は、一点であるためコース内の所定の範囲を閾値としてホール位置を特定してもよい。以降ホールと記載するのは、例えば1番から18番ホールまであるとした場合の各ティーグラウンドからそのティーグラウンドに対応するグリーンまでを含めたエリアを示す。
【0027】
ホール位置特定部201cにより特定されたゴルフカートのホール位置情報を、実プレー時間記録部201eに出力し、ホール位置情報とともにそのホール位置情報を受けた時刻を記録する。
図5は、実プレー時間記録部201eが記録している内容を示す一例である。ホール毎にパー数から1を引いた数だけ時間を記録するエリアを用意し、実位置情報が得られた時点の時刻を記録する。
図5の例では、ゴルフカートM1の組は、8時に1番ホールからスタートし、8時10分に2打目地点の所定の範囲に到着、8時15分にグリーン周辺の所定の範囲に到着し、8時20分に2番ホールに到着したことが記録される。
よって、実位置情報が得られる場合は、随時実プレー時間記録部201eにゴルフカートの進行状況が刻々と記録されていく。
【0028】
前記したように、基地局Bが設置されたクラブハウスと、ゴルフカートMとの距離は、中盤のホールほど距離が遠くなることが多くゴルフカートMの通信装置102から送信された実位置情報の信号の電界強度が下がり基地局Bで受信できない場合がある。また山等により遮蔽され実位置情報を基地局Bが受信できない場合がある。その場合、実プレー時間記録部201eには時刻が記録されない。
【0029】
ゴルフコースの運営管理者は、効率的に運営するため、標準的なプレー時間(標準プレー時間)を定めて、その時間内にコースを回るようにプレーヤに依頼している場合が多い。一般的に1ホール平均15分として、9ホールを2時間15分とするところが多い。その一例を
図6に示す。
しかしながら技量は様々であり、パー4のホールをスタートしてから終了するまで20分以上かかる場合も少なくは無い。
一般的にはゴルフの技量が低い人程時間がかかるものであると考えられる。そういったことを前提として、たとえ実位置情報が得られなくなっても、実位置情報が得られた最後の時刻と標準プレー時間とからそのゴルフカートの組の今後の進行を予測することが可能となる。
【0030】
標準プレー時間テーブル201dは、前記した標準プレー時間を記憶してある。スタートを0時間0分として相対時間としてもよい。どういった単位で記憶するかは問わない。
予測プレー時間算出部201fは、実プレー時間記録部201eから実プレー時刻を読み出し、標準プレー時間テーブル201dに記録されている標準時間テーブルとから、今後のプレー時間を算出する。
【0031】
図7に示すゴルフカートM1の組の実プレー時間を例に説明する。
なお1番ホールや10番ホールの1打目地点の時刻(スタート時間)は、ゴルフコースの運営管理者により予め決められていることが多いので、そのスタート時刻を用いてもよいが、スタートホールの1打目地点の実位置情報を得た時刻でもよい。
ゴルフカートM1の組は、8時00分に1番ホールをスタートし、下線で示す時刻が最新の実位置情報が得られた時刻とすると8時20分に2番ホールに到着したことになり、これらより1番ホールに要した時間、つまり1番ホールの実プレー時間は20分となる。
また
図6に示す標準プレー時間では15分であるから、プラス5分多く時間を要したということになる。
【0032】
予測時刻を算出する1例としては、実プレー時間(実プレー時刻からスタート時間を引いたもの)と標準プレー時間との比を係数として、以降の時刻を標準プレー時間に係数をかけた時間から時刻を算出する。標準プレー時間が15分なのに対して、20分の時間を要したことから、20を15で割ると、1.333・・・となり、標準プレー時間にこの係数1.333・・・を乗算した時間を、このゴルフカートM1の組の今後の予測プレー時間として予測時刻を算出する。1ホール終了時点で係数を算出してもよく、各打目地点の実位置情報を得た時刻から随時係数を算出してもよい。
予測プレー時間算出部201fで算出した結果である予測プレー時刻とそのホール位置とを、予測位置算出部201gに出力する。
【0033】
予測位置算出部201gは、予測プレー時間201fで算出された時間を元に、最後に検出された実位置情報の時刻以降の、コース位置の時刻(予測プレー時刻)を算出する。その結果は
図7の斜体文字で示した時刻となる。
予測位置算出部201gは、図示しない時刻情報を得て、予測プレー時刻と一致する時刻となった際に、何番ホールの何打目地点であるかといったコース位置にゴルフカートMが位置しているものとする予測位置情報をゴルフカート位置情報処理部201bに送る。
【0034】
ゴルフカート位置情報処理部201bは、実位置情報が得られる間は実位置情報を元に表示位置情報を表示部203に出力する。しかし実位置情報が得られず予測プレー時刻となった場合に予測位置算出部201gから出力される予測位置情報を元に、表示位置情報を生成して表示部203に出力する。
【0035】
ゴルフカート位置情報処理部201bは、実位置情報もしくは予測位置情報のいずれかのうち最後に得た方を表示位置情報として、次の実位置情報もしくは予測位置情報のいずれかを得るまで表示情報を維持する。
【0036】
ゴルフカート位置情報処理部201bに対し入力される2つの位置情報が同時の場合は実位置情報が優先すればよい。また、実位置情報が検出された時刻で再度予測プレー時間を算出し、必ず実位置情報が検出された時刻以降の各打目地点の時刻を算出することから、仮に中盤のホールの途中で、ゴルフカートM通信が可能なエリアがあった場合には、その位置情報が表示位置情報となり、また以降の予測される時刻は再計算される。よって予測プレー時刻は、実位置情報を多く得るにつれて、つまりプレーが進行するにつれて精度は高くなる。
【0037】
図8は、本発明の一実施形態に係る、ゴルフカート位置管理方法のフローチャートである。
プレーを予約する時点で、予めスタート時刻が指定されているが、当日の混雑状況によって多少スタート時刻が前後する場合もあり、実位置情報を得て適時設定される。
プレーを開始して、コースを進んでいく。ゴルフカートMは適時実位置情報を発信している。
その実位置情報を得られている場合は(ステップ302のYes)、得られた実位置情報を元に実位置を表示する(ステップ303)。
【0038】
得られた実位置情報を元に、ホールNo.とそのホール位置とを特定する(ステップ304)。
ホール位置は、前記した各ホールのパー数により定まる各打目地点や所定のカートの停止位置といった、ゴルフコースの管理運営者が定めた、プレーの際にプレーヤがゴルフカートを停止させることが多い位置としている。
【0039】
また位置を特定すると共に、実位置情報が得られた時刻を記録する(ステップ305)。
【0040】
前記したようにゴルフコースの運営管理者は、
図6に示すような標準のプレー時間(標準プレー時間)を予め設定している。
ある程度の技量を備えるプレーヤがプレーした際に、スタートからどのホールの何れの位置までどれくらいの時間がかかるか、を示すものである。
ゴルフカートMの実際のスタート時刻は記録されているため為、実際に実位置情報が得られた時刻によりその地点まで要した時間は差分として求まる。さらに前記した標準プレー時間と前記差分とから、そのゴルフカートの進行状況が、早いのか遅いのかは比により求まる。
その比を係数として標準プレー時間にかけた時間が、そのゴルフカートMの組がプレーに要すると予測される時間であることから、その予測される時間より以降のホール位置に到着する時刻(予測プレー時刻)を算出する(ステップ306)。
【0041】
実位置情報を得ている場合には、ステップ302から306を繰り返す。例えば表示をゴルフコースマップ上に表示する場合には、実位置情報が得られているので、実位置を常に表示すればよい。
【0042】
実位置情報は、複数のゴルフカートM1、M2・・・Mnのそれぞれの通信装置102から、たとえば所定のタイミングで時差を設けて送信されている。常に同じゴルフカートMの位置情報を得られるわけではない。実位置情報を得ていない場合(ステップ302のNo)、ステップ306で算出した予測プレー時刻を実時刻が過ぎたか、の判定を行う(ステップ307)。
ステップ307において、予測プレー時刻を実時刻が過ぎていない場合(ステップ307のNo)には、現在表示している表示位置情報を維持するとし、そのため現在の表示位置が維持される(ステップ308)。
【0043】
ステップ307において、実時刻が予測プレー時刻に達し、または過ぎた場合(ステップ307のYes)、実時刻となった予測プレー時刻のホール位置をゴルフカートMが位置すると予測される位置とし(ステップ309)、その予測位置を表示する(ステップ310)。
【0044】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0045】
例えば、ステップ302で実位置情報が得られない場合(ステップ302のNo)であって、さらにステップ307で予測プレー時刻が実時刻を過ぎていない場合に、そのつどステップ308の現在の位置情報を維持する処理を行わせる必要は無い。ステップ302で実位置情報が得られない場合(ステップ302のNo)には、所定の時間を経過するまで、ステップ302の処理を繰り返すタイマを備えてもよい。
【0046】
近年のゴルフ場は、プレーヤの負担軽減や、プレーの進行を円滑に行わせる目的で、乗用のゴルフカートを導入している。またゴルフカートは各ホールに沿って施設されたカート道のみを走行化としているゴルフ場が多い。
各プレーヤは、カート道を走行して目的の場所まで移動して、プレーを行う。
グリーン周りでは、次のホールへのアクセスを考慮して、予めカート停止位置が定められている場合もある。
また、キャディーを付けないセルフプレーも多くなってきたことから、カート道に誘導設備を施設して、リモコンにより走行と停止とをプレーヤが操作するといったゴルフカートも多くなっている。そのため、リモコンの操作忘れによりゴルフカートが行き過ぎないように、予め自動停止位置が設けられている。
【0047】
自動停止位置は、ティーグラウンドであればその近辺に設けられ、ホール途中であれば2打目や3打目といった際に停止することが多い位置が予め設けられ、グリーン周りであれば次のホールへのアクセスを考慮した位置となっていることが多い。
よってゴルフカート位置管理装置202は、停止位置情報テーブル201iを備えてもよく、予測位置算出部201gは、停止位置情報テーブル201iから停止位置情報を読み出し、ゴルフカートの自動停止位置を、該当するコース位置として、予測位置情報を出力してもよい。
【0048】
なにかしら緊急事態が生じた際は、ゴルフカートの付近にプレーヤは居るので、ゴルフカートの位置を目標として向かえばよい。
【0049】
仮にプレーヤに急病人が出て、「6番ホールで急病人」との連絡で救急車が向かわなければならないといった場合、6番ホールとの情報だけではティーグラウンドなのか、ホールの途中なのか、グリーンなのか、は不明であり、パー5のロングホールであればティーグラウンドとグリーンとでは500ヤード程度の距離の違いがあり、緊急を要する場合には、ホール情報だけでは不足である。
コースを救急車が走れるだけの道が備わっていればよいが、途中に谷があり、迂回しなければ救急車はティーグラウンドからグリーンまで行くことができないといった場合には急病人の生死にかかわることになりかねない。
ゴルフコースの運営管理者は、各カートの進行状況を把握し、遅延の無いスムーズなプレーとなるように管理するだけでなく、上記のような緊急時に際して、急行できるよう、該当するゴルフカートが、ホールのどのあたりにいるか、といった情報を得ることは安全な運営管理の点からも重要である。
【0050】
また、上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、例えば、上記管理装置5が実行する処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。
【0051】
また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。