(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記噴射流体の噴射後に、前記ピンチロールよりも上流側の試験板本体表面に重りを取り付けた試験板を、鋼板製造ラインの上流方向に逆走させて、前記鋼板製造ラインから前記試験板を取り出すか、
又は前記ピンチロールよりも下流側の試験板本体表面に重りを取り付けた試験板を、鋼板製造ラインの下流方向に走行させて、前記鋼板製造ラインから前記試験板を取り出すことを特徴とする請求項7に記載の試験板の使用方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記デスケーリング装置のデスケーリング能力(鋼板面に対する噴射流体の衝突圧力等)が低下すると、鋼板の表面性状に悪影響を与える。即ち、上記デスケーリング能力の低下は、鋼板の品質不良に直結する。
【0005】
上記デスケーリング能力を低下させる不具合として、例えば、水等の噴射流体の噴射異常が挙げられる。噴射異常が生じると、スケールを除去できない箇所が生じ、鋼板表面の状態が不均一になる。
【0006】
上記のような不具合が生じると鋼板の生産性が低下することから、上記のような不具合はなるべく早期に発見できることが好ましい。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、デスケーリング装置がノズルから噴射する噴射流体の噴射状態を評価するための試験板及びその使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、鋼板製造ラインを走行可能な板状の試験板本体と、試験板本体の表側及び/又は裏側に固定され、表面に衝突した噴射流体の噴射状態を評価する評価部と、を備える試験板を用いれば、デスケーリング装置から噴射される噴射流体の噴射状態を確認できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には本発明は以下のものを提供する。
【0009】
(1)ノズルから噴射流体を鋼板表面に噴射して前記鋼板表面のスケールを除去するデスケーリング装置における前記噴射流体の噴射状態を評価するための試験板であって、鋼板製造ラインを走行可能な板状の試験板本体と、前記試験板本体の表側及び/又は裏側に固定され、表面に衝突した前記噴射流体の噴射状態を評価するための評価部と、を備えることを特徴とする試験板。
【0010】
(2)前記試験板の走行方向に延び、前記試験板本体の前記表側及び/又は裏側の両端に平行に配置されるロールガイド部をさらに備え、前記試験板表面における前記走行方向と直交する方向から前記ロールガイド部を見たときに、前記評価部全体が前記ロールガイド部と重なることを特徴とする(1)に記載の試験板。
【0011】
(3)前記ロールガイド部は、走行方向両端に、前記板厚方向の厚みが減少する板厚減少部を有することを特徴とする(2)に記載の試験板。
【0012】
(4)前記評価部は板状であり、前記試験板本体の表面に、前記評価部がスライドするガイド溝をさらに備え、前記評価部が前記ガイド溝に沿って前記試験板本体上を移動して前記試験板本体に固定されたことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の試験板。
【0013】
(5)前記試験板本体の走行方向側端部の一対の角部が角落しされていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の試験板。
【0014】
(6)前記試験板の前記走行方向の長さは、前記鋼板製造ラインの搬送ロールのロール間距離の2倍以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の試験板。
【0015】
(7)前記評価部は、アルミニウム板であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の試験板。
【0016】
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の試験板を、ピンチロールで挟持した状態で、前記噴射流体を前記評価部に噴射して、前記噴射流体の噴射状態を評価することを特徴とする試験板の使用方法。
【0017】
(9)前記噴射流体の噴射後に、前記ピンチロールよりも上流側の試験板本体表面に重りを取り付けた試験板を、鋼板製造ラインの上流方向に逆走させて、前記鋼板製造ラインから前記試験板を取り出すか、又は前記ピンチロールよりも下流側の試験板本体表面に重りを取り付けた試験板を、鋼板製造ラインの下流方向に走行させて、前記鋼板製造ラインから前記試験板を取り出すことを特徴とする(8)に記載の試験板の使用方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、鋼板製造ラインに配置されたデスケーリング装置から噴射される噴射流体の噴射状態を容易に評価できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0021】
先ず、本発明の試験板が適用される鋼板製造ラインについて説明する。
図1は、鋼板製造ラインにおけるデスケーリング装置近傍の一例を模式的に示す側面図である。
【0022】
図1に示す通り、本発明の試験板が適用される鋼板製造ライン1は、ピンチロール10と、デスケーリング装置11と、搬送ロール12とを有する。
図1に示す鋼板製造ライン1では、ストリップSを矢印方向に搬送して鋼板を製造する。
【0023】
ピンチロール10は、
図1に示す鋼板製造ライン1では、デスケーリング装置11を挟んで、2箇所に配置されるロールである。ピンチロール10は、ストリップS等の搬送される物を挟持することができる。
【0024】
デスケーリング装置11は、ストリップSの表面のスケールを除去するために用いられる。デスケーリング装置11はノズル110を有し、ノズル110から噴射流体111を噴射する。噴射された噴射流体111は、ストリップSの表面のスケールに衝突する。スケールに噴射流体111が衝突することで、スケールは剥離し、ストリップSの表面からスケールが取り除かれる。なお、噴射流体111は一般的には水であり、通常、デスケーリング装置11は、高圧水をノズル110から噴射する。
【0025】
搬送ロール12は、ストリップS等の鋼板製造ライン1を搬送される物を搬送するために用いられる。
【0026】
従来、上記デスケーリング装置11に異常が発生し、噴射流体111の噴射状態が不適切な状態になっても、噴射流体111の噴射状態を容易に確認することができなかった。容易に上記確認ができないと、不良品が発生する状況で鋼板を製造し続けることになり、不良品が大量に発生して、鋼板の生産性がする。
【0027】
本発明の試験板を用いれば、容易に噴射流体111の噴射状態を確認できるため、上記噴射状態の評価を頻繁に行うことができる。その結果、不良品が大量に発生する前に、デスケーリング装置11の不具合を改善することができ、不良品発生による鋼板の生産性低下を防ぐことができる。
【0028】
次いで、本発明の試験板について説明する。本発明の試験板は、ストリップSの代わりに鋼板製造ライン1に入り、鋼板製造ライン1内で、噴射流体111の噴射状態を確認するために用いられる。
図2は、本発明の試験板の一例を模式的に示す斜視図である。
図3は、X−X断面を模式的に示す断面図である。
【0029】
図2、3に示す通り、本発明の試験板2は、試験板本体20と、ロールガイド部21と、ガイド溝22と、評価部23とを有する。
【0030】
試験板本体20は、鋼板製造ライン1を走行可能な板状の部材である。また、
図2に示す通り、試験板本体20の四隅の角部200は角落しされている。
【0031】
試験板本体20の長手方向(走行方向)の長さ(L1)は特に限定されないが、本発明においては、上記長さ(L1)は、鋼板製造ライン1の搬送ロール12のロール間距離(L2)の2倍以上であることが好ましい。また、試験板本体20の短手方向の長さは、鋼板製造ライン1で製造される鋼板の幅等に基づいて適宜設定すればよい。
【0032】
また、
図2に示す試験板2では、試験板本体20の長手方向が鋼板製造ライン1における走行方向になるように、試験板本体20が鋼板製造ライン1を走行する。
【0033】
ロールガイド部21は、試験板本体20の走行方向に延び、試験板本体20の表側及び裏側の短手方向の両端に平行に配置される。
【0034】
図3に示す通り、試験板本体20の板厚方向において、ロールガイド部21の厚み(T1)は、評価部23の厚み(T2)よりも厚い。その結果、試験板2の板厚方向におけるロールガイド部21の端面210が評価部23よりも高い位置にある。ここで、「高い」とは、試験板本体20の表面からの距離が長いことを意味する。より具体的には、試験板本体20の表側においては表面から上方向の距離が長いこと、裏側においては表面から下方向の距離が長いことを指す。また、
図2及び3に示す試験板2では、
図3に示す通り、試験板2表面における上記走行方向と直交する方向からロールガイド部21を見たときに、評価部23全体がロールガイド部21と重なる。以上により、鋼板製造ライン1におけるピンチロール10等のロールを、試験板2が通過する際に、評価部23が存在する位置において、ロールと端面210が接触することになる。
【0035】
図2及び3に示す通り、ロールガイド部21は、走行方向両端に、上記板厚方向(試験板本体20の板厚方向)の厚みが減少する板厚減少部211を有する。
【0036】
ロールガイド部21は着脱可能である。着脱方法は特に限定されないが、例えば、ネジでロールガイド部21を試験板本体20に取り付けたり、取り外したりできるようにする等の方法が挙げられる。
【0037】
ガイド溝22は、評価部23を試験板本体20に固定するためのものである。ガイド溝22に沿って後述する評価部23がスライド移動して、評価部23は試験板本体20に固定される。
【0038】
ガイド溝22の形状は特に限定されないが、
図2及び3に示す試験板2では、試験板本体20の表面から上記板厚方向に延出してから上記表面に対向するように折れ曲がり、先端同士が対向するように配置される一対の折れ曲がり部によって、評価部23の上記両端を掛止するガイド溝22が形成される。
【0039】
試験板本体20の表側に固定される評価部23は、その自重で試験板本体20上に固定される。試験板本体20の裏側に固定される評価部23は、評価部23の板長さ方向の両端をガイド溝22の折れ曲がり部が掛止して、評価部23は試験板本体20に固定される。
【0040】
ガイド溝22の長さ、個数は特に限定されず、ガイド溝22に評価部23をスライドさせやすく、かつ、試験板本体20の裏側においてはガイド溝22により評価部23を試験板本体20に固定できるように、ガイド溝22の長さや個数を適宜設定すればよい。例えば、
図2及び3には、一対の折れ曲がり部によって形成されるガイド溝22を両端に設けているが、試験板本体20の短手方向の一端から他端まで延びる長い一つのガイド溝22でもよい。
【0041】
また、ガイド溝22もロールガイド部21と同様に着脱可能である。このため、評価部23の幅やデスケーリング装置11の位置に応じて適宜、ガイド溝22の位置を設定可能である。
【0042】
図2及び3に示す通り、評価部23は板状である。評価部23の形状は特に限定されないが、板状であることが好ましい。
図2及び3に示す試験板2では、評価部23は試験板本体20の表側及び裏側の両方に固定される。
【0043】
評価部23の短手方向の長さ及び長手方向の長さは、特に限定されず、デスケーリング装置11から噴射された噴射流体111全体が評価部23に衝突するように適宜設定すればよい。なお、
図2及び3に示す試験板2では、
図2及び3に示す通り、評価部23の長手方向の長さは、試験板本体20の短手方向の長さと略一致する。
【0044】
また、
図2及び3に示す試験板2においては、上記の通り、ロールガイド部21が着脱可能である。このため、評価部23を試験板本体20に固定する際には、ロールガイド部21を取り外した状態で、ガイド溝22に評価部23をスライドさせて、評価部23を試験板本体20に固定させることができる。
【0045】
評価部23の材質は特に限定されず、例えば、アルミニウム、アクリル、黒皮(酸化皮膜)付の鋼板等を好ましく用いることができる。アルミニウムは軽量で取り扱いやすく、噴射流体111が衝突することで表面に生じる噴射跡が明瞭にその表面に形成されるため、評価を容易にする観点からは、評価部23はアルミニウムから構成されることが好ましい。
【0046】
続いて、本発明の試験板2の使用方法について、
図1の鋼板製造ライン1において
図2及び3に示す試験板2を使用する場合を例に、
図4を用いて説明する。
【0047】
図4(a)には、試験板2が鋼板製造ライン1のデスケーリング装置11近傍に侵入する直前を示す。試験板2は白抜き矢印方向に走行する。
【0048】
図4(b)には、
図4(a)に示す状態から試験板2がさらに鋼板製造ライン1を白抜き矢印方向に走行し、試験板2がピンチロール10を通過する様子を示す。ロールガイド部21の端面210をピンチロール10に接触させながら、試験板2は、ピンチロール10を通過する。なお、試験板2がさらに走行して、試験板2が搬送ロール12上を走行する際にも、同様にロールガイド部21の端面210を搬送ロール12に接触させながら、試験板2は搬送ロール12上を走行する。
【0049】
図4(c)には、
図4(b)の状態から試験板2がさらに走行し、評価部23に噴射流体111が衝突する位置に、試験板2を固定した様子を示す。試験板2はその走行方向両端が2つのピンチロール10で挟まれることで固定される。
図4(c)に示す通り、この状態で、所定時間、噴射流体111を評価部23に衝突させる。
【0050】
図4(d)には、噴射流体111噴射後の試験板2を、鋼板製造ライン1から取り出すために、試験板2を逆走方向(鋼板製造ライン1の上流側に向かう方向である白抜き矢印方向)に走行させる様子を示す。
図4に示す使用方法では、
図4(d)に示す通り、重りWを、上流側のピンチロール10よりも上流側の試験板本体20表面に取り付けた状態で、試験板2を逆走方向に走行させる。なお、
図4(d)には試験板2を逆走方向に走行させて、試験板2を鋼板製造ライン1から取り出す方法を示したが、試験板2を鋼板製造ライン1の下流側に走行させて、試験板2を鋼板製造ライン1から取り出してもよい。この場合、重りWは、下流側のピンチロール10よりも下流側の試験板本体20表面に取り付けられる。
【0051】
続いて、本発明の効果について説明する、
本発明の試験板2では、鋼板製造ライン1を走行可能な試験板本体20に評価部23を取り付ける。したがって、試験板2の移動を、鋼板製造ライン1を用いて行うことができる。このため、容易かつ短時間で、デスケーリング装置11のノズル110から噴射される噴射流体111の噴射状態の評価を行うことができる。
【0052】
また、本発明の試験板2では、試験板本体20の裏側に、評価部23を固定すれば、裏側から噴射される噴射流体111の噴射状態も容易かつ短時間で評価することができる。特に、試験板本体20の表側及び裏側に評価部23を固定することで、表側と裏側の上記噴射状態を同時に評価できるため、噴射流体111の噴射状態をさらに効率的に評価することができる。
【0053】
図2及び3に示す試験板2は、鋼板製造ライン1の側方からロールガイド部21を見たときに評価部23全体がロールガイド部21と重なるロールガイド部21を有するため、
図4に示すように、試験板2がピンチロール10のロールを通過する際に、ロールガイド部21の端面210がピンチロール10と接触する。その結果、評価部23がピンチロール10と接触しない。評価部23の表面がピンチロール10と接触すると、試験後に試験板2を鋼板製造ライン1から取り出す際に、評価部23の表面がピンチロール10により圧延されるため、評価部23の表面に形成された噴射跡が不明瞭になる。したがって、評価部23の表面とピンチロール10の接触を防止するために、本発明の試験板2は
図2及び3に示すように、ロールガイド部21を有することが好ましい。なお、搬送ロール12上を試験板2が走行する際も同様であり、裏側のロールガイド部21の端面210が搬送ロール12と接触するため、搬送ロール12上を試験板2が走行する際も、裏側の評価部23が搬送ロール12と接触することを防げる。このように、ロールガイド部21は、ロールと評価部23との接触を防ぐ働きを有する。
【0054】
また、ロールガイド部21は
図2及び3に示すように、走行方向両端に、板厚方向の厚みが減少する板厚減少部211を有することが好ましい。板厚減少部211を有することで、試験板2がピンチロール10等のロールを通過する際に通過しやすくなる。
【0055】
また、
図2及び3に示す試験板2では、評価部23が板状であり、試験板2が有するガイド溝22に評価部23をスライド移動させて、評価部23を試験板本体20上に固定する。板状の評価部23を、試験板2の側方から出し入れ可能とすることで、評価部23の取り付けが容易となり、評価に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0056】
また、
図2及び3に示すように、ガイド溝22に折れ曲がり部があることで、折れ曲がり部に評価部23の板長さ方向両端を掛止させることができ、試験板本体20の裏側にも容易に評価部23を固定することができる。
【0057】
図2及び3に示す試験板2では、
図2に示すように、試験板本体20の走行方向側の端部にある角部200が角落しされている。試験板2が鋼板製造ライン1を走行する際に蛇行して、鋼板製造ライン1の部品に角部200が接触しても、角部200が角落しされていれば、試験板2は鋼板製造ライン1をよりスムーズに走行することができる。したがって、試験板本体20の走行方向側の端部の角部200は角落しされていることが好ましい。なお、
図2及び3に示す試験板2は
図4に示す方法で使用されることを想定したものであり、噴射流体111の噴射後には試験板2を逆走方向に走行する。このため、4隅の角部200が角落しされている。
【0058】
図2及び3に示す試験板2の走行方向の長さ(L1)は、鋼板製造ライン1の搬送ロール12のロール間距離(L2)の2倍以上である。走行方向の長さ(L1)がこの範囲にあれば、試験板2が鋼板製造ライン1で、搬送ロール12間に落ちる等の問題がほとんど生じず、試験板2は安定して鋼板製造ライン1を走行することができる。
【0059】
図2及び3に示す試験板2において、評価部23はアルミニウムから構成されることが好ましい。アルミニウムから構成される評価部23であれば、噴射流体111が衝突しても破損しにくく、また、噴射流体111が衝突することで表面に生じる噴射跡も確認しやすい。したがって、アルミニウムから構成される評価部23を用いれば噴射状態の評価が容易になる。また、噴射跡に基づく噴射状態の確認は、評価部23の表面が平面である方が行いやすい。したがって、評価部23はアルミニウム板であることが特に好ましい。
【0060】
図4に示す通り、ピンチロール10で挟持した状態で、噴射流体111を評価部23に噴射する方法を採用すれば、噴射流体111が評価部23に衝突している最中に、試験板2が動くことを抑えられる。その結果、より正確な評価が可能となる。なお、1個のピンチロール10で一端のみを固定する方法でもよいが、
図4に示すように両端を固定する方が好ましい。
【0061】
また、
図4に示すように、試験板2に噴射流体111を噴射後、鋼板製造ライン1から試験板2を取り出す際に、重りWを使用すれば、濡れた試験板2とピンチロール10や搬送ロール12との間で滑りが生じ試験板2が走行しにくくなる状況であっても、試験板2からこれらのロールにかかる力を大きくでき、スムーズに試験板2を走行させることができる。
【0062】
本発明の試験板及びその使用方法は以上の通りであるが、上記は一例であり、各構成の形状等が異なるものであってもよい。例えば、
図5(a)、(b)には、ガイド溝22の変形例を示す。
【0063】
図5(a)に示すように、ガイド溝22は試験板本体20表面の凹部に形成されていてもよい。
図5(a)に示すガイド溝22も折れ曲がり部を有するため、試験板本体20の裏側にも、評価部23を容易に固定できる。しかし、
図5(a)に示す例では、試験板本体20表面におけるガイド溝22の位置を容易に変更できないため、この点においては、
図2及び3に示す試験板2のガイド溝22の方が好ましい。
【0064】
図5(b)に示すように、試験板本体20の表側に形成されるガイド溝22の形状と、裏側に形成されるガイド溝22の形状が異なっていてもよい。上述の通り、試験板本体20の表側においては、評価部23の自重で評価部23は試験板本体20上に固定できるのに対して、裏側においては折れ曲がり部等の掛止部等がなければ、試験板本体20上に評価部23を固定できないからである。