(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記テストチャートは、調整可能な範囲内において前記プロセス条件を変更した際の調整値の情報と、画像形成システムに含まれるいずれの画像形成装置でプリントされたかの情報とを含む、
ことを特徴とする請求項1−4のいずれか一項に記載の画像形成システム。
調整可能な範囲内において前記プロセス条件を変更した際の調整値の情報と、画像形成システムに含まれるいずれの画像形成装置でプリントされたかの情報とを含むよう、前記テストチャートを生成する、ようにコンピュータを機能させる請求項8−11のいずれか一項に記載の画像形成制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。
〈画像形成システムの全体構成〉
図1−3は本発明の実施の形態として、記録紙の表裏あるいは頁内のいずれかの領域を分担して画像形成することが可能に複数の画像形成装置100,300が直列に接続されたタンデム方式の画像形成システムについて説明する。
【0028】
なお、ここでは、給紙装置50、中処理装置200、後処理装置400を含んで、画像形成装置100と画像形成装置300との2台の画像形成装置が直列接続された状態を具体例として示す。なお、画像形成装置100と画像形成装置300とに限定されず、3台以上の画像形成装置が直列に接続されていても良い。
【0029】
また、画像形成装置100と画像形成装置300とは単独で使用されることが可能な装置であるが、直列接続され、画像形成システムとして構成されている。
ここでは、直列タンデムシステム方式の画像形成システムとしては、
図2及び
図3に示されるように、図面上で右から左に向けた記録紙の流れに沿って、画像形成する記録紙を給送する給紙装置50、記録紙の表裏あるいは頁内のいずれかの領域を分担して画像形成する画像形成装置100、画像形成装置100で画像形成された記録紙に対して反転などの中処理を行ってから後段の画像形成装置300に供給する中処理装置200、中処理装置200からの記録紙の表裏あるいは頁内のいずれかの領域を分担して画像形成する画像形成装置300、画像形成装置100,300で画像形成された記録紙に各種後処理(パンチ処理、ステイプル処理、バインド処理など)を施す後処理装置400、が記録紙の流れに沿って直列接続されている。
【0030】
なお、この実施形態において、「直列接続」とは、複数台の画像形成装置が用紙の流れに沿って接続されることであり、複数台の画像形成装置間に中処理装置等が存在していても良い。
【0031】
なお、
図3において、破線で示す経路がタンデム方式の画像形成システムにおける通紙パスであり、一点鎖線で示す経路が迂回パスであり、二点鎖線で示す経路が単独画像形成装置動作時における両面パスである。
【0032】
このような画像形成システムによれば、
図3破線に示す通紙パスに記録紙を通すことで、途中に配置された中処理装置200で記録紙を反転させることで、2台の画像形成装置100,300で記録紙の表裏それぞれを画像形成することで高速な出力が可能になるという利点がある。
【0033】
なお、以上のような記録紙の表面と裏面との分担以外にも、記録紙の同じ頁内の上下あるいは左右といった別領域を画像形成装置100,300で分担することも可能であるし、記録紙の同じ頁内での通常色と特色のような異なる色の画像形成を画像形成装置100,300で分担することも可能であるし、さらに、記録紙の同じ頁内での文字(モノクロ)とイメージ(階調画像)のような異なる階調の画像形成を画像形成装置100,300で分担することも可能である。
【0034】
以下、直列タンデム方式の画像形成システムについて、
図1または
図2を参照して各装置の詳細構成を順に説明する。なお、ここでは、画像形成システム内において、画像形成装置100がマスター(主)装置であり主導権を有し、画像形成装置300がサブ(副)装置として従属の役割である場合を具体例とする。但し、このマスターとサブとの関係は逆であっても良い。
【0035】
また、画像形成装置100と画像形成装置300とは、接続されることによってマスター/サブの役割を割り当てているが、基本的には同種のスタンドアロンの装置を組み合わせることで、画像形成システムを構成している。
【0036】
また、給紙装置50、画像形成装置100、中処理装置200、画像形成装置300、後処理装置400は、それぞれ通信部55,125,205,325,405を介して、それぞれの制御部51,150,201,350,401が通信することで連携した制御を行うように構成されている。
【0037】
〈画像形成装置の構成〉
図1は、本発明の第1の実施の形態の画像形成システムの主要部を構成する画像形成装置100の構成を示している。画像形成装置100は、大きく分けて、プリンタコントローラ110と、スキャナ部122と、操作表示部123と、画像形成部124と、通信部125と、主制御部150と、を備えて構成される。
【0038】
プリンタコントローラ110は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介してパーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置と接続されており、情報処理装置から送られてくる印刷ジョブをラスタライズ処理してイメージデータを生成する処理(RIP処理)を実行する機能を果たす。なお、イメージデータは画像形成に使用されるビットマップ形式の画像データである。
【0039】
プリンタコントローラ110が情報処理装置から受信する印刷ジョブは、文字や図形をコードデータやベクトルデータで表した印刷データ、たとえば、PDL(Page Description Language:ページ記述言語)で記述された印刷データを含むものであり、ラスタライズ処理(RIP処理)はコードデータやベクトルデータで構成される印刷データをビットマップ形式のイメージデータに展開する処理である。
【0040】
プリンタコントローラ110は、当該プリンタコントローラ110の動作を統括制御するためにCPU(Central Processing Unit)で構成されたコントローラ制御部111と、ネットワークに接続するための通信機能を果たすLAN−IF部112と、RIP処理により生成したイメージデータなどを記憶する画像メモリ113と、ネットワークから受信した印刷データやRIP処理の処理過程で生成される中間データなどを蓄積するハードディスク装置(HDD)114と、画像メモリ113へのデータのリード/ライト機能および画像形成部124との間で各種データの送受信機能を果たすDRAM(Dynamic Random Access Memory)制御部115とを有している。
【0041】
このほか、図示省略してあるが、コントローラ制御部111には、当該コントローラ制御部111が読み出して実行するプログラムや固定データを記憶したROM(Read Only Memory)およびコントローラ制御部111がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するためのワークメモリなどが接続されている。
【0042】
スキャナ部122は、原稿をカラーもしくはモノクロで光学的に読み取って対応する画像データを取得する機能を果たすもので、ラインイメージセンサ122aのほか、当該スキャナ部122の動作全体を制御するスキャナ制御部122bを備えている。
【0043】
操作表示部123は、各種設定画面や操作画面などを表示する機能、オペレータに向けて各種案内情報や通知、警告などを表示する機能、オペレータから各種の設定/選択操作や編集操作、出力指示(画像形成の開始指示)を受け付ける機能を果たす。操作表示部123は、液晶ディスプレイからなる表示部123aと、その画面上に敷設されたタッチスイッチおよびその他のスイッチから成る操作部123bと、表示部123aおよび操作部123bを制御する操作制御部123cとを有して構成される。
【0044】
画像形成部124は画像データに応じてオン/オフされる各レーザーダイオード(LD)124aのほか、プロセスユニットなどの動作を制御するプリンタ制御部124bを有している。ここで、画像形成部124は電子写真方式によりプリントを実行するものである。すなわち、帯電、露光、現像、転写、定着といったプロセスを経て、用紙にトナー像を形成するようにしている。そして、この際に、最高濃度調整として、最高濃度時のトナー付着量の目標値(最高濃度目標トナー付着量)を定め、該最高濃度目標トナー付着量が実現されるように、CPU151,プリンタ制御部124bの指示により、帯電電位(感光体電位)と現像バイアス電圧とを調整するようにしている。なお、この電子写真方式の画像形成部124の内部構成については、既知であるため詳細は省略する。
【0045】
なお、スキャナ制御部122b、操作制御部123c、プリンタ制御部124bはそれぞれCPU(Central Processing Unit)およびROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを主要部とする回路で構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って各種の制御を実行する。
【0046】
主制御部150は、各部の制御部と協調して画像形成装置100全体の動作を統括制御する機能を果たすもので、CPU151と、読み取り処理部152と、選択部153と、DRAM制御部153a(DRAM制御部(1))と、DRAM制御部153b(DRAM制御部(2))と、圧縮伸長部154a(圧縮伸長部(1))と、圧縮伸長部154b(圧縮伸長部(2))と、半導体メモリで構成された画像メモリ155a(画像メモリ(1))と、半導体メモリで構成された画像メモリ155b(画像メモリ(2))と、ハードディスク装置(HDD)156と、書き込み処理部158と、ROM159aと、RAM159bと、不揮発メモリ159cと、を備えて構成される。
【0047】
CPU151は、画像形成に関する動作全体を制御する機能を果たす。ROM159aには、プログラムや各種固定データなどが記憶されており、CPU151はROM159aに格納されたプログラムに従って動作する。RAM159bは、CPU151がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリとして使用される。不揮発メモリ159cは、電源オフ後も記憶しておくべきユーザデータやシステムデータ、各種設定値などが記憶されるメモリである。
【0048】
読み取り処理部152は、スキャナ部122の出力する画像データに対して拡大処理、鏡像処理、誤差拡散処理などを施す機能を果たす。
選択部153は、DRAM制御部153aとDRAM制御部153bとをCPU151の指示に基づいて選択する機能を果たす。
【0049】
DRAM制御部153aは、ダイナミックRAMからなる画像メモリ155aへのリード・ライトおよびリフレッシュのタイミング制御や、画像データを圧縮して画像メモリ155aに格納したり、画像メモリ155aから圧縮画像データを読み出して伸張したりする際のタイミング制御などを行う。
【0050】
DRAM制御部153bは、ダイナミックRAMからなる画像メモリ155bへのリード・ライトおよびリフレッシュのタイミング制御や、画像データを圧縮して画像メモリ155bに格納したり、画像メモリ155bから圧縮画像データを読み出して伸張したりする際のタイミング制御などを行う。
【0051】
また、DRAM制御部153aとDRAM制御部153bには、選択部153を介してPCI(Peripheral Component Interconnect)バスを通じてプリンタコントローラ110のDRAM制御部115と接続され、プリンタコントローラ110との間で各種のデータを授受する機能を果たす。
【0052】
圧縮伸長部154aは、画像メモリ155aを記憶領域として使用しつつ、画像データを圧縮して圧縮画像データを生成し、また、圧縮された画像データ(圧縮画像データ)を元のイメージデータに伸張する、圧縮処理機能と伸長処理機能とを果たす。圧縮伸長部154bは、画像メモリ155bを記憶領域として使用しつつ、画像データを圧縮して圧縮画像データを生成し、また、圧縮された画像データ(圧縮画像データ)を元のイメージデータに伸張する、圧縮処理機能と伸長処理機能とを果たす。
【0053】
画像メモリ155aは、圧縮伸長部154aにより使用され、圧縮して生成された圧縮画像データや伸長された画像データを記憶する機能を果たす。画像メモリ155bは、圧縮伸長部154bにより使用され、圧縮して生成された圧縮画像データや伸長された画像データを記憶する機能を果たす。
【0054】
ハードディスク装置156には、プリンタコントローラ110から受信した印刷ジョブのデータ(ジョブデータ)などが記憶され保存される。
書き込み処理部158は、画像メモリ155aや画像メモリ155bから読み出して伸張された画像データに応じて、画像形成部124での各色のLD124aをオン/オフさせるための信号を、画像形成部124の動作に応じたタイミングで出力する機能を果たす。
【0055】
なお、ここでは、画像形成装置100と画像形成装置300とは、同一構成であり、対応した番号を付されているため、重複する説明を省略する。ここで、サブとしての画像形成装置300では、プリンタコントローラ310と操作表示部323とは、存在していても動作しない状態であっても良い。
【0056】
また、サブとしての画像形成装置300では、画像形成装置100とほぼ同様の構成であるが、プリンタコントローラ310と操作表示部323とが存在していない構成であっても良い。
【0057】
〈画像形成システムの動作、画像形成制御方法〉
ここで、本実施形態の画像形成システムにおける画像形成の動作、画像形成制御方法について、
図4以降のフローチャートにより動作を説明する。
【0058】
〈第1の動作〉
図4を参照して、本実施形態の第1動作として、画像形成100または画像形成装置300の最高濃度を一致させる動作について説明する。
【0059】
操作表示部部123又は外部の情報処理装置から、画像形成システムに含まれる各画像形成装置の濃度を一致させる調整モードが指定される(
図4中のステップS100)。
ここでは、画像形成システム内に画像形成装置100と画像形成装置300とが含まれており、かつ、画像形成装置100と画像形成装置300とで同一用紙の表裏のプリントを分担しているため、表裏濃度調整モードが指定される。
【0060】
操作部表示部123により表裏濃度調整モードが指定される場合には、表示画面から調整モード(
図5中の123g1a)が指定され、
図5の表示画面123g1から表裏濃度調整モード(
図5中の123g1b)が指定され、更に、表裏最高濃度自動調整モード(
図5中の123g1c)が、オペレータにより選択される。
【0061】
ここで、操作表示部123には
図6の表示画面123g2が表示され、テストチャートをプリントする用紙の選択がオペレータに要求される。オペレータは用紙予約設定の項目(
図6中の123g2a)からテストチャートをプリントする用紙を選択する。なお、テストチャートを出力可能ないずれかのトレイを、CPU151が自動的に選択するようにしても良い。
【0062】
ここで、制御部150内のCPU151は、プリンタ124内のプリンタ制御部124bと協同して、プリンタ124の最高濃度(Dmax)を実現する帯電電位(感光体電位)と現像バイアス電圧を指定するDmax調整値として現在有効な値を、RAM159b又は不揮発メモリ159cに保存する(
図4中のステップS101)。
【0063】
なお、このDmax調整値とは、画像形成部124として出荷時に定められた標準的な最高濃度を実現するための値を0として、調整可能な下限と上限との範囲内で所定の複数段階で調整可能な値である。
【0064】
この実施形態では、このDmax調整値は、画像形成部124として出荷時に定められた標準的な最高濃度を実現するための値を0、調整可能な下限の最高濃度を実現するための下限値であるDmax_lowが−5、調整可能な上限の最高濃度を実現するための上限値であるDmax_highが+3などとして、1ステップずつ9段階で調整可能な値を具体例とする。
【0065】
同様に、画像形成装置100内の制御部150内のCPU151は、画像形成装置300内のプリンタ324内のプリンタ制御部324bと協同して、プリンタ324の最高濃度(Dmax)を実現する帯電電位(感光体電位)と現像バイアス電圧を指定するDmax調整値として現在有効な値を、RAM159b又は不揮発メモリ159cに保存する(
図4中のステップS102)。
【0066】
なお、CPU151からの指示を受けたCPU351が、プリンタ324内のプリンタ制御部324bと協同して、プリンタ324の最高濃度(Dmax)を実現する帯電電位(感光体電位)と現像バイアス電圧を指定するDmax調整値として現在有効な値を、RAM359b又は不揮発性メモリ359cに保存しても良い。
【0067】
ここで、CPU151は、テストチャート出力枚数を示す変数iとして、i=0と初期値に設定する(
図4中のステップS103)。
そして、CPU151は、プリンタ124のDmax調整値を調整範囲の下限値(Dmax_low)に設定し、プリンタ制御部124bに通知する(
図4中のステップS104)。また、CPU151は、プリンタ324のDmax調整値を調整範囲の下限値(Dmax_low)に設定し、プリンタ制御部324bに通知する(
図4中のステップS105)。
【0068】
そして、CPU151は、プリンタ制御部124bに最高濃度調整の実行を要求する(
図4中のステップS106)。これにより、CPU151からの調整要求の指示を受けたプリンタ制御部124bは、設定されたDmax調整値に基づいて、最高濃度調整を実行する。すなわち、設定されたDmax調整値に応じて最高濃度目標トナー付着量が実現されるように、プリンタ制御部124bが画像形成部124の帯電電位(感光体電位)と現像バイアス電圧とを調整する。
【0069】
同様に、CPU151は、プリンタ制御部324bに最高濃度調整の実行を要求する(
図4中のステップS107)。これにより、CPU151からの調整要求の指示を受けたプリンタ制御部324bは、設定されたDmax調整値に基づいて、最高濃度調整を実行する。すなわち、設定されたDmax調整値に応じて最高濃度目標トナー付着量が実現されるように、プリンタ制御部324bが画像形成部324の帯電電位(感光体電位)と現像バイアス電圧とを調整する。
【0070】
ここで、CPU151は、プリンタ制御部124bによる最高濃度調整が完了したかを確認し、プリンタ制御部124bによる最高濃度調整が完了すれば、次の処理に進む(
図4中のステップS108)。同様に、CPU151は、プリンタ制御部324bによる最高濃度調整が完了したかを確認し、プリンタ制御部324bによる最高濃度調整が完了すれば、次の処理に進む(
図4中のステップS109)。
【0071】
そして、CPU151は、最高濃度調整が完了した状態のテストチャートを画像形成装置100でプリントするように、プリンタ制御部124bに要求する(
図4中のステップS110)。同様に、CPU151は、最高濃度調整が完了した状態のテストチャートを画像形成装置300でプリントするように、プリンタ制御部324bに要求する(
図4中のステップS111)。
【0072】
以上のテストチャートのプリントを実行した後に、CPU151はテストチャート出力枚数を示す変数iとして、i=i+1と設定する(
図4中のステップS112)。
ここで、iがテストチャート出力枚数の規定値に達しているかをCPU151がチェックする(
図4中のステップS113)。なお、テストチャート出力枚数の既定値としては、予め定められた値である。この実施形態ではi=10として、合計で10枚のテストチャートを自動的に出力する場合を具体例とする。
【0073】
iが規定値以外の奇数であれば(
図4中のステップS113で「規定値以外の奇数」)、CPU151は、ステップS110に戻り、テストチャートを画像形成装置100でプリントするようにプリンタ制御部124bに要求し(
図4中のステップS110)、テストチャートを画像形成装置300でプリントするようにプリンタ制御部324bに要求し(
図4中のステップS111)、テストチャート出力枚数を示す変数iについてi=i+1と設定する(
図4中のステップS112)。
【0074】
すなわち、iが初期値0の状態で、画像形成装置100と画像形成装置300とでテストチャートをプリント(
図4中のステップS110,S111)した後、i=i+1とする(
図4中のステップS112)ことでiが1(既定値以外の奇数)になるため(
図4中のステップS113で「既定値以外の奇数」)、画像形成装置100と画像形成装置300とで再びテストチャートをプリントする(
図4中のステップS110,S111)。
【0075】
ここで、メイン機である画像形成装置100のテストチャートのプリント(
図4中のステップS110)については
図7のサブルーチンのフローチャートを参照し、サブ機である画像形成装置300のテストチャートのプリント(
図4中のステップS111)については
図8のサブルーチンのフローチャートを参照し、詳細に説明する。また、テストチャートの出力状態を、
図9を参照して説明する。
【0076】
ここで、CPU151は、現時点でのテストチャート出力枚数を表す変数iの値を確認する(
図7中のステップS1101、
図8中のステップS1111)。また、CPU151は、現時点での処理中であって出力されていない用紙が何枚目であるかを表す変数(i+1)が、奇数であるか否かを確認する(
図7中のステップS1102、
図8中のステップS1112)。
【0077】
ここで、i+1が奇数であれば(
図7中のステップS1102でYES)、画像形成装置100では、ステップS104で設定されたDmax調整値によりテストチャートのプリントデータを生成し(
図7中のステップS1103)、用紙を給紙してテストチャートをプリントし、画像形成装置300に向けて搬送する(
図7中のステップS1105)。
【0078】
同様にi+1が奇数である場合に(
図8中のステップS1112でYES)、画像形成装置300では白紙のプリントデータを生成し(
図7中のステップS1113)、画像形成装置100からの用紙を受け入れて搬送し、白紙のプリントデータをプリントし、画像形成システム外部に向けて排出搬送する(
図8中のステップS1115)。
【0079】
例えば、
図9の1枚目の用紙を処理するタイミングでは、変数iが初期値0であり、i+1が1、すなわち奇数である。この場合には、Dmax調整値=−5に基づいて調整した後に、用紙1枚目を給紙して、画像形成装置100により用紙裏面にテストチャートをプリントし、同じ用紙の表面に画像形成装置300で白紙をプリントして出力する。
【0080】
また、ここで、i+1が偶数であれば(
図7中のステップS1102でNO)、画像形成装置100では、白紙のプリントデータを生成し(
図7中のステップS1104)、用紙を給紙して白紙のプリントデータをプリントし、画像形成装置300に向けて搬送する(
図7中のステップS1105)。
【0081】
同様にi+1が偶数である場合に(
図8中のステップS1112でNO)、画像形成装置300ではステップS104で設定されたDmax調整値によりプリントデータを生成し(
図7中のステップS1114)、画像形成装置100からの用紙を受け入れて搬送し、テストチャートのプリントデータをプリントし、画像形成システム外部に向けて排出搬送する(
図8中のステップS1115)。
【0082】
例えば、
図9の2枚目の用紙を処理するタイミングでは、変数iが1であり、i+1が2、すなわち偶数である。この場合には、Dmax調整値=−5に基づいて調整された状態で、用紙2枚目を給紙して、画像形成装置100により用紙裏面に白紙をプリントし、同じ用紙の表面に画像形成装置300でテストチャートをプリントして出力する。
【0083】
以上のようにして、iが初期値0の状態から画像形成装置100と画像形成装置300とでテストチャートをプリント(
図4中のステップS110,S111)した後、i=i+1とする(
図4中のステップS112)ことでiが1(奇数)になる(
図4中のステップS113で「既定値以外の奇数」)。そこで、画像形成装置100と画像形成装置300とで再びテストチャートをプリントする(
図4中のステップS110,S111)。ここで、i=i+1とする(
図4中のステップS112)ことでiが1から2(偶数)になる(
図4中のステップS113で「既定値以外の偶数」)。
【0084】
iが2であれば(
図4中のステップS113で「規定値以外の偶数」)、CPU151は、プリンタ124のDmax調整値を、Dmax=Dmax_low+(α×i)に設定し、プリンタ制御部124bに通知する(
図4中のステップS114)。同様に、CPU151は、プリンタ324のDmax調整値を、Dmax=Dmax_low+(α×i)に設定し、プリンタ制御部324bに通知する(
図4中のステップS115)。
【0085】
本実施形態としては、Dmaxの調整可能な下限値であるDmax_lowが−5、Dmaxの調整可能な上限値であるDmax_highが+3であるとする。
この場合に、10枚のテストチャートを出力する場合であれば、ステップS114に入る時点ではiが0,2,4,6,8,10と変化する。このため、調整値間隔係数αについてα=1とする。これにより、i=0(初期値)ではDmax=−5(初期値),i=2ではDmax=−3,i=4ではDmax=−1,i=6ではDmax=+1,i=8ではDmax=+3,i=10ではDmax=+5,となる。
【0086】
なお、iの既定値と調整値間隔係数αとについては、Dmax_lowとDmax_highとから定めることが望ましい。すなわち、Dmax_lowとDmax_highとの間の調整範囲が広い場合には、αを大きくするのではなくiを増やすことが、画像形成装置の表裏の濃度調整の観点からは望ましい。
【0087】
また、iを0,2,4,6,8,10,12,14,16と変化させて、18枚のテストチャートを出力する場合であれば、調整値間隔係数αについてα=0.5とすることで、i=0(初期値)ではDmax=−5(初期値),i=2ではDmax=−4,i=4ではDmax=−3,i=6ではDmax=−2,i=8ではDmax=−1,i=10ではDmax=0,i=12ではDmax=+1,i=14ではDmax=+2,i=16ではDmax=+3,とすることも可能である。
【0088】
図9の具体例に当て嵌めて説明すると、Dmax調整値=−5に調整して(
図9中の(1a))、1枚目の用紙に画像形成装置100でテストチャートをプリント出力(
図9中の(1b))し、2枚目の用紙に画像形成装置300でテストチャートをプリント出力する(
図9中の(1c)、
図4中のステップS110,S111)。この後に、Dmax調整値=−3に設定する(
図4中のステップS114,S115)。ここで、画像形成部124と画像形成部324とで、機械動作を停止させた状態で、設定されたDmax調整値=−3に応じて最高濃度目標トナー付着量が実現されるように、帯電電位(感光体電位)と現像バイアス電圧とを調整する(
図4中のステップS106,S107、
図9中の(2a))。
【0089】
そして、このDmax調整値=−3の条件で、3枚目の用紙に画像形成装置100でテストチャートをプリント出力(
図9中の(2b))し、4枚目の用紙に画像形成装置300でテストチャートをプリント出力する(
図9中の(2c)、
図4中のステップS110,S111)。この後に、Dmax調整値=−1に設定する(
図4中のステップS114,S115)。ここで、画像形成部124と画像形成部324とで、機械動作を停止させた状態で、設定されたDmax調整値=−1に応じて最高濃度目標トナー付着量が実現されるように、帯電電位(感光体電位)と現像バイアス電圧とを調整する(
図4中のステップS106,S107、
図9中の(3a))。
【0090】
そして、このDmax調整値=−1の条件で、5枚目の用紙に画像形成装置100でテストチャートをプリント出力(
図9中の(3b))し、6枚目の用紙に画像形成装置300でテストチャートをプリント出力する(
図9中の(3c)、
図4中のステップS110,S111)。この後に、Dmax調整値=+1に設定する。ここで、画像形成部124と画像形成部324とで、機械動作を停止させた状態で、設定されたDmax調整値=+1に応じて最高濃度目標トナー付着量が実現されるように、帯電電位(感光体電位)と現像バイアス電圧とを調整する(
図4中のステップS106,S107、
図9中の(4a))。
【0091】
そして、このDmax調整値=+1の条件で、7枚目の用紙に画像形成装置100でテストチャートをプリント出力(
図9中の(4b))し、8枚目の用紙に画像形成装置300でテストチャートをプリント出力(
図9中の(4c))した後に、Dmax調整値=+3に設定する。ここで、画像形成部124と画像形成部324とで、機械動作を停止させた状態で、設定されたDmax調整値=+3に応じて最高濃度目標トナー付着量が実現されるように、帯電電位(感光体電位)と現像バイアス電圧とを調整する(
図4中のステップS106,S107、
図9中の(5a))。
【0092】
そして、このDmax調整値=+3の条件で、9枚目の用紙に画像形成装置100でテストチャートをプリント出力(
図9中の(5b))し、10枚目の用紙に画像形成装置300でテストチャートをプリント出力(
図9中の(5c))する(
図4中のステップS110,S111)。
【0093】
ここで、i=i+1とする(
図4中のステップS112)ことで、iが10(
図4中のステップS113で「既定値」)になる。
このため、CPU151は、以上のテストチャートのプリント出力のために変更を繰り返したDmax調整値を、変更前の調整値に戻すか、あるいは、テストチャートのプリント出力に含まれるいずれかの調整値に変更するか、を操作表示部123を介してオペレータに問い合わせる(
図4中のステップS116)。
【0094】
ここで、オペレータは、Dmax調整値を5段階に調整された画像形成装置100でプリントしたテストチャートと、Dmax調整値を5段階に調整された画像形成装置300でプリントしたテストチャートとを見比べ、所望の最高濃度、かつ、2つの画像形成装置100,300で一致する最高濃度を実現するDmax調整値を判断する。
【0095】
Dmax調整値を5段階に調整してプリントしたテストチャートを見たオペレータが、画像形成装置100と画像形成装置300とでプロセス条件を変更する必要があると感じない場合には(
図4中のステップS116でNO)、CPU151は、RAM159b又は不揮発メモリ159cに保存(
図4中のステップS102)しておいた変更前のDmax調整値を読み出して、プリンタ制御部124bとプリンタ制御部324bに通知する(
図4中のステップS117,118)。
【0096】
一方、Dmax調整値を5段階に調整してプリントしたテストチャートを見たオペレータが、画像形成装置100と画像形成装置300とでプロセス条件を変更して最高濃度を一致させる必要があると感じた場合には(
図4中のステップS116でYES)、CPU151は、操作表示部123や外部の情報処理装置を介して、変更すべきDmax調整値を受け付ける(
図4中のステップS119)。例えば、CPU151が操作表示部123に、
図10のような表示画面123g3を表示して、画像形成装置100で変更すべきDmax調整値を受け付け(
図7中の123g3a)、画像形成装置300で変更すべきDmax調整値を受け付ける(
図7中の123g3b)。
【0097】
そして、CPU151は、画像形成装置100用にオペレータから受け付けたDmax調整値をプリンタ制御部124bに通知し(
図4中のステップS120)、画像形成装置300用にオペレータから受け付けたDmax調整値をプリンタ制御部324bに通知する(
図4中のステップS121)。
【0098】
そして、CPU151は、以上のように変更前のDmax調整値かオペレータから指定されたDmax調整値に基づいて、プリンタ制御部124bに最高濃度調整の実行を要求する(
図4中のステップS122)。これにより、CPU151からの調整要求の指示を受けたプリンタ制御部124bは、機械動作を停止させた状態にして、設定されたDmax調整値に基づいて、最高濃度調整を実行する。すなわち、設定されたDmax調整値に応じて最高濃度目標トナー付着量が実現されるように、プリンタ制御部124bが画像形成部124の帯電電位(感光体電位)と現像バイアス電圧とを調整する。
【0099】
同様に、CPU151は、以上のように変更前のDmax調整値かオペレータから指定されたDmax調整値に基づいて、プリンタ制御部324bに最高濃度調整の実行を要求する(
図4中のステップS123)。これにより、CPU151からの調整要求の指示を受けたプリンタ制御部324bは、機械動作を停止させた状態にして、設定されたDmax調整値に基づいて、最高濃度調整を実行する。すなわち、設定されたDmax調整値に応じて最高濃度目標トナー付着量が実現されるように、プリンタ制御部324bが画像形成部324の帯電電位(感光体電位)と現像バイアス電圧とを調整する。
【0100】
ここで、CPU151は、プリンタ制御部124bによる最高濃度調整が完了したかを確認する(
図4中のステップS124)と共に、プリンタ制御部324bによる最高濃度調整が完了したかを確認する(
図4中のステップS125)。プリンタ制御部124bによる最高濃度調整とプリンタ制御部324bによる最高濃度調整とが完了すれば、以上の処理を終了する(
図4中のエンド)。すなわち、CPU151は、通常のプリント動作の制御に戻る。
【0101】
なお、以上の1枚目の用紙における画像形成装置100のテストチャートと2枚目の用紙における画像形成装置300のテストチャートにおいて、それぞれのテストチャートが何れの画像形成装置からプリントされてものであるかと、どのようなDmax調整値でプリントされたテストチャートであるかを、テストチャート中に明示しておくことで、オペレータが所望の最高濃度に設定することが容易にできるようになる。
図9の例では、テストチャートの濃度パッチと共に、画像形成装置名とDmax調整値とが、「Machine#1 Dmax=-5」などと表示された例を示している。これは、メイン機である画像形成装置100に対してDmax調整値=−5で調整されたことを意味している。
【0102】
〈第2の動作〉
以下、本実施形態の第3動作として、画像形成100または画像形成装置300の中間調濃度を一致させる動作について説明する。
【0103】
ここでは、最高濃度調整における
図4のフローチャートに対応させて、中間調濃度調整の
図11のフローチャートを示している。
また、最高濃度調整におけるテストチャートのプリントの
図7〜
図8のフローチャートに対応させて、中間調濃度調整におけるテストチャートのプリントとして
図12〜
図13のフローチャートを示している。
【0104】
また、最高濃度調整におけるテストチャートの出力イメージとしての
図9のタイムチャートに対応させて、中間調濃度調整おけるテストチャートの出力イメージとして
図14のタイムチャートを示している。
【0105】
ここで、
図4,
図7〜8のフローチャートにおけるステップS100〜のステップ番号について、
図11〜
図13のフローチャートではステップ番号S200〜を割り当てている。すなわち、ステップS1XYは、ステップ2XYのように対応した番号になっている。このため、細かな重複した説明については省略する。
【0106】
この第2動作として、操作部表示部123により表裏濃度調整モードが指定される場合には、表示画面から調整モード(
図5中の123g1a)が指定され、
図5の表示画面123g1から表裏濃度調整モード(
図5中の123g1b)が指定され、更に、表裏中間調濃度自動調整モード(
図5中の123g1d)が、オペレータにより選択される。
【0107】
これ以後、CPU151は、第1動作におけるDmax調整値に基づく最高濃度調整(
図4)と同様の手順(
図11)に従って、第2動作におけるDmid調整値に基づく中間調濃度調整を実行する。
【0108】
この第2実施形態では、第1実施形態と同様に、Dmid調整値を、Dmid調整値の初期値はDmid調整値の下限値であるDmid_lowと設定し、テストチャート出力枚数の変数iと調整値間隔係数βとに応じて、Dmid=Dmid_low+(β×i)に設定する。なお、iの既定値と調整値間隔係数βとについては、Dmid_lowとDmid_highとから定めることが望ましい。
【0109】
そして、
図9に対応する
図14のタイムチャートに示されるように、Dmid調整値を変更しつつテストチャートを出力することが可能になる。
また、この中間調濃度調整としては、ある特定の中間付近の濃度をDmid調整値に基づいて濃度調整する場合だけでなく、Dmid調整値に基づく調整とDmax調整値に基づく調整とを組み合わせた濃度調整であっても良い。
【0110】
〈その他の実施形態〉
以上、実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても発明に含まれる。
【0111】
以上の実施形態では、濃度調整に伴うテストチャート出力をCPU151の制御に基づいて実行していたが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成装置300側のCPU351が制御するようにしても良い。更に、例えば、画像形成システムと電気的に通信可能に接続された外部のコンピュータ等が、画像形成システムにおける濃度調整に伴うテストチャート出力を制御するようにしても良い。
【0112】
以上の実施形態では、Dmax調整値やDmid調整値に基づいて、帯電電位(感光体電位)や現像バイアス電圧を調整するとしているが、これに限定されず、他の各部の電圧や電流等を調整しても構わない。
【0113】
以上の第1の動作では、Dmax調整値を、Dmax=Dmax_low+(α×i)に設定し、第2の動作では、Dmid調整値を、Dmid=Dmid_low+(β×i)に設定していたが、これに限定されるものではない。例えば、調整値間隔係数αや調整値間隔係数βを等間隔にせず、0付近では細かく、上限値や下限値付近では粗く、不等間隔にすることも可能である。または、調整値間隔係数αや調整値間隔係数βを等間隔に設定することでDmax調整値=0のテストチャートが存在しない場合に、Dmax調整値=0を含めるようにすることも可能である。このようにする場合、例えば、第1の動作の場合に、Dmax調整値を−5,−3,−1,+1,+3としていたものを、−5,−3,−1,0,+1,+3とすることが可能である。
【0114】
以上の実施形態では、プリンタコントローラ110が画像形成装置100の内部に組み込まれ、プリンタコントローラ310が画像形成装置300の内部に組み込まれている状態を示しているが、プリンタコントローラを画像形成装置100、300の外部に設けることも可能である。
【0115】
以上の実施の形態における画像形成装置100,300は、スキャナ部122,322などを具備せず単体のプリンタとして構成されても良い。また、画像形成装置100,300は、モノクロ画像形成装置でもカラー画像形成装置でも良い。
【0116】
また、給紙装置50,中処理装置200,後処理装置400については、必要に応じて使用すればよく、また、これらのいずれかを画像形成装置100,300に内蔵させることも可能である。
【0117】
更に、画像形成装置100,300の2台の画像形成装置の組合せだけでなく、3台以上の画像形成装置が接続された場合にも本実施形態を適用して、濃度調整を実施することが可能である。