(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一モジュールが前記第二コネクターに取り付けられた場合に、前記第一モジュールのレーン順を反転させるレーンリバース機能を停止させるレーンリバース停止部を備える請求項1に記載のコンピュータ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数のスロットを備えるマイクロサーバーなどのコンピュータにあっては、クライアントの仕様に応じてCPUモジュールや拡張モジュールを搭載可能に設計する。しかし、特許文献1のように、これらモジュールの種類に応じた専用のスロットを設置しようとした場合、クライアントの仕様ごとに設計変更が必要となり、設計が複雑化してコストが上昇してしまう。
この発明は、サーバーの拡張性を向上するとともに、設計が複雑化したり、コストが上昇したりすることを抑制することができるコンピュータ、サーバー、モジュール、コネクターセット、コンピュータの組立方法、コンピュータの制御方法、および、開通制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を採用する。
この発明のコンピュータは、第一モジュールと、前記第一モジュールにより制御される第二モジュールと、少なくとも前記第一モジュールを取り付け可能な第一コネクターと、少なくとも前記第一モジュール、および、前記第二モジュールを択一的に取り付け可能な第二コネクターと、前記第一コネクターと前記第二コネクターとを接続する
とともに、前記第一コネクターに接続された前記第一モジュールと前記第二コネクターに接続された前記第一モジュール又は前記第二コネクターに接続された前記第二モジュールとを電気的に接続するデータ伝送路と、を備え、前記データ伝送路に接続される前記第一モジュールのレーン順と、前記データ伝送路に接続される前記第二モジュールのレーン順とは、互いに反転され、前記第一コネクターのレーン順と、前記第二コネクターのレーン順とは、互いに反転されている。
【0006】
この発明のサーバーは、上記コンピュータを備え、前記第一モジュールが制御ユニットを有し、前記第二モジュールが前記制御ユニットの機能を拡張する拡張ユニットを具備している。
【0007】
この発明のモジュールは、第一コネクターと、前記第一コネクターにデータ伝送路を介して接続される第二コネクターと、に着脱可能に取り付けられ、前記第一コネクターに対して接続された状態で前記第一コネクターに接続された前記データ伝送路に電気的に接続されるとともに、前記第二コネクターに対して接続された状態で前記第二コネクターに接続された前記データ伝送路に電気的に接続されて、前記第一コネクターと前記第二コネクターとの何れか一方のレーン順と一致し、前
記第一コネクターと
前記第二コネクターとの何れか他方のレーン順に対して反転されたレーン順を有する。
【0008】
この発明のコネクターセットは、第一モジュールと、前記第一モジュールにより制御される第二モジュールと、が着脱可能に取り付けられるコネクターセットであって、少なくとも前記第一モジュールを取り付け可能な第一コネクターと、少なくとも前記第一モジュール、および、前記第二モジュールを択一的に取り付け可能な第二コネクターと、前記第一コネクター、および、前記第二コネクターの間を繋ぐ
とともに、前記第一コネクターに接続された前記第一モジュールと前記第二コネクターに接続された前記第一モジュール又は前記第二コネクターに接続された前記第二モジュールとを電気的に接続するデータ伝送路と、を備え、前記第一コネクターのレーン順は、前記第一モジュールのレーン順と一致し、前記第二コネクターのレーン順は、前記第二モジュールのレーン順と一致している。
【0009】
この発明のコンピュータの組立方法は、第一モジュールと、前記第一モジュールにより制御される第二モジュールと、少なくとも前記第一モジュールを取り付け可能な第一コネクターと、少なくとも前記第一モジュール、および、前記第二モジュールを択一的に取り付け可能な第二コネクターと、前記第一コネクターと前記第二コネクターとを接続するデータ伝送路と、を備え、前記データ伝送路に接続される前記第一モジュールのレーン順と、前記データ伝送路に接続される前記第二モジュールのレーン順とが互いに反転され、前記第二コネクターのレーン順が前記第二モジュールのレーン順と合致しているコンピュータの組立方法であって、前記第一モジュールを前記第一コネクターに取り付ける工程と、前記第一モジュールと前記第二モジュールとの一方を第二コネクターに取り付ける工程と、を含む。
【0010】
この発明のコンピュータの制御方法は、第一モジュールと、前記第一モジュールにより制御される第二モジュールと、少なくとも前記第一モジュールを取り付け可能な第一コネクターと、少なくとも前記第一モジュール、および、前記第二モジュールを択一的に取り付け可能な第二コネクターと、前記第一コネクターと前記第二コネクターとを接続するデータ伝送路と、を備え、前記データ伝送路に接続される前記第一モジュールのレーン順と、前記データ伝送路に接続される前記第二モジュールのレーン順とが互いに反転され、前記第二コネクターのレーン順が前記第二モジュールのレーン順と合致しているコンピュータの制御方法であって、前記第一モジュールから前記第二モジュールが認識可能か否かを判定する判定工程と、前記判定工程によって前記第一モジュールから前記第二モジュールが認識されたと判定された場合に、前記第一モジュールによって前記第二モジュールを制御する拡張制御工程と、前記判定工程によって前記第一モジュールから前記第二モジュールが認識されないと判定された場合に前記第一モジュール単独で動作する単独動作工程と、を含む。
【0011】
この発明の開通制御プログラムは、第一モジュールと、前記第一モジュールにより制御される第二モジュールと、少なくとも前記第一モジュールを取り付け可能な第一コネクターと、少なくとも前記第一モジュール、および、前記第二モジュールを択一的に取り付け可能な第二コネクターと、前記第一コネクターと前記第二コネクターとを接続するデータ伝送路と、を備え、前記データ伝送路に接続される前記第一モジュールのレーン順と、前記データ伝送路に接続される前記第二モジュールのレーン順とが互いに反転され、前記第二コネクターのレーン順が前記第二モジュールのレーン順と合致しているコンピュータの前記第一モジュールに実行させる開通制御プログラムであって、前記第一モジュールから前記第二モジュールが認識可能か否かを判定する判定工程と、前記判定工程によって前記第一モジュールから前記第二モジュールが認識されたと判定された場合に、前記第一モジュールによって前記第二モジュールを制御する拡張制御工程と、前記判定工程によって前記第一モジュールから前記第二モジュールが認識されないと判定された場合に前記第一モジュール単独で動作する単独動作工程と、を前記第一モジュールに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
上記コンピュータによれば、サーバーの拡張性を向上するとともに、設計が複雑化したり、コストが上昇したりすることを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、この発明の第一実施形態に係るコンピュータ、モジュール、および、コネクターセットを図面に基づき説明する。
図1は、この発明の第一実施形態におけるコンピュータの斜視図である。
図1に示すように、コンピュータ101は、モジュール2と、コネクター3と、データ伝送路4と、を備えている。このコンピュータ101は、例えば、複数のサーバーユニットを実装可能な複合型の高密度サーバーなどに適用可能である。
【0015】
モジュール2は、様々な機能を実現するためのハードウェアやプログラムなどを具備している。モジュール2としては、機能の異なる第一モジュール2aと、第二モジュール2bと、の少なくとも二種類のモジュールを備えている。第一モジュール2aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を備え、様々な演算処理や制御処理等を行う。第二モジュール2bは、第一モジュール2aによって制御される。この第二モジュール2bは、第一モジュール2aの機能を拡張する、いわゆる拡張モジュールである。第二モジュール2bとしては、例えば、ネットワークインターフェースを有する拡張モジュールが例示できる。これら第一モジュール2aと第二モジュール2bとは、それぞれコネクター3に取り付け可能とされている。この実施形態においては、複数のモジュール2として第一モジュール2aと第二モジュール2bとの少なくとも二種類を含んでモジュールセットが構成されている。
【0016】
コネクター3は、第一コネクター3aと、第二コネクター3bと、を備えている。第一コネクター3aは、第一モジュール2aが取り付けられる。第二コネクター3bは、第一モジュール2aと第二モジュール2bとが択一的に取り付けられる。この第一実施形態における第一コネクター3aは、コンピュータ101の運用上、第二モジュール2bが取り付けられないようになっている。しかし、第一コネクター3aは、第二コネクター3bと同様に、第一モジュール2aと第二モジュール2bとの両方を、それぞれ着脱可能な形状に形成されている。
【0017】
データ伝送路4は、第一コネクター3aと、第二コネクター3bとを繋いでいる。このデータ伝送路4により、第一コネクター3aと第二コネクター3bとの間でデータ伝送が可能となっている。このデータ伝送路4は、例えば、「PCI Express」(Peripheral Components Interconnect Express)の規格で形成されたデータ伝送路を用いることができる。このデータ伝送路4は、複数の伝送路4aから構成されている。これら伝送路4aは、それぞれデータ伝送路4のレーンに対応している。ここで、
図1においては、図示都合上、1つのレーンが1つの伝送路4aで形成されているが、1つのレーンは、双方向通信を行うために複数の伝送路4aから構成される。また、
図1においては、レーン数が4つの場合を示しているが、レーンの数は、4つに限られない。上述した第一コネクター3aと、第二コネクター3bと、データ伝送路4とによって、この発明のコネクターセットが構成される。
【0018】
第一モジュール2aのレーン順と、第二モジュール2bのレーン順とは、互いに反転された状態になっている。例えば、
図1に示すように、第一モジュール2aのレーン番号が左側から「0,1,2,3」の順で並んでいる場合には、第二モジュール2bのレーン番号は、左側から「3,2,1,0」の順で並ぶこととなる。但し、これら第一モジュール2a、および、第二モジュール2bのレーン順が互いに反転された状態は、第一モジュール2aと第二モジュール2bとの各正面が同じ側を向いてコネクター3にそれぞれ取り付けられることが前提条件とされている。
【0019】
同様に、第一コネクター3aのレーン順と、第二コネクター3bのレーン順とは、互いに反転された状態になっている。例えば、第一コネクター3aに第一モジュール2aが取り付けられた場合、第一コネクター3aの4つの伝送路4aに対して割り当てられるレーン番号は、左から順に「0,1,2,3」となる。これに対して、第二コネクター3bは、4つの伝送路4aは、レーン番号が左から順に「3,2,1,0」となるように反転して配列されている。
【0020】
第一モジュール2aと、第二モジュール2bとは、伝送路4aを介して接続される互いのレーン番号が一致した場合にのみ、相手を認識することができる。例えば、第一コネクター3aに取り付けられるモジュール2と、第二コネクター3bに取り付けられるモジュール2の「0」レーン同士、「1」レーン同士、「2」レーン同士、「3」レーン同士がそれぞれデータ伝送路4を介して接続された場合に、相手のモジュール2を認識することができる。
【0021】
図2は、この発明の第一実施形態における第一コネクターに第一モジュールを接続し、第二コネクターに第二モジュールを接続した状態を示す図である。
図3は、この発明の第一実施形態における第一コネクターと第二コネクターとの両方に第一モジュールを接続した状態を示す図である。
【0022】
つまり、上述した第一実施形態によれば、
図2に示すように、第一コネクター3aに第一モジュール2aを接続し、第二コネクター3bに第二モジュール2bを接続した場合、互いのレーン番号が合致するため、データ伝送路4を介して第一モジュール2aと第二モジュール2bとが接続されてデータ伝送が可能となる。つまり、第一モジュール2aによる第二モジュール2bの制御が可能となる。
【0023】
一方で、第一コネクター3aと、第二コネクター3bとの両方に第一モジュール2aを取り付けた場合には(
図3参照)、データ伝送路4により接続される第一モジュール2a同士のレーン番号が一致しない。これにより、第一コネクター3aに取り付けられた第一モジュール2aから第二コネクター3bに取り付けられた第一モジュール2aを認識できない。そのため、第一モジュール2a同士の間で、何らの識別処理を行うことなしに、第一モジュール2aをそれぞれ個別に動作させることができる。
【0024】
その結果、第一モジュール2aの専用コネクターと、第二モジュール2bの専用コネクターとをそれぞれ設ける必要がないため、クライアントの仕様に応じた設計変更などにより設計が複雑化することを抑制できる。さらに、簡易な構成で第一コネクター3aに接続された第一モジュール2aから、第二コネクター3bに接続されたモジュールの種類を判別できるため、コストが上昇することを抑制できる。
【0025】
次に、この発明の第二実施形態を図面に基づき説明する。この第二実施形態は、上述した第一実施形態のコネクターを、基板上に複数配列して設けている点で異なる。そのため、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図4は、この発明の第二実施形態におけるコンピュータの平面図である。
図4に示すように、この第二実施形態のコンピュータ201は、モジュール2(図示せず)と、コネクター3と、データ伝送路4と、基板10と、を備えている。
【0026】
コネクター3は、基板10上に固定されている。コネクター3は、第1の方向D1に複数配列されている。コネクター3は、さらに第1の方向D1と交差する基板10の面に沿う第2の方向D2にも複数配列されている。この第二実施形態においては、第2の方向D2が第1の方向D1と直交する場合を一例に説明するが、第2の方向D2は第1の方向D1と直交する場合に限られない。また、
図4に示す第1の方向D1および第2の方向D2にそれぞれ配列される各コネクター3の個数は一例であり、この個数に限られるものではない。
図4中、この第2実施形態における第1の方向D1および第2の方向D2を矢印で示している。
【0027】
コネクター3は、上述した第一実施形態と同様に、第一コネクター3aと、第二コネクター3bとを備えている。この実施形態における第一コネクター3aは、奇数列11aに配置されている。一方で、第二コネクター3bは、偶数列11bに配置されている。奇数列11aに配置されている第一コネクター3aは、奇数列をN列とした場合、N+1列の偶数列11bに配置されている第二コネクター3bのうち、第1の方向D1で隣り合う第二コネクター3bとデータ伝送路4を介して接続されている。
【0028】
基板10は、例えば、PCB(Printed Circuit Board)などからなる。この基板10は、筐体(図示せず)などに収容されて用いられる。この基板10に、データ伝送路4が形成されている。この基板10としては、例えば、多層プリント基板を用いることができる。
【0029】
したがって、上述した第二実施形態によれば、第一モジュール2aと第二モジュール2bとを連係させて動作させたい場合には、偶数列であるN列の第一コネクター3aに第一モジュール2aを接続して、この第一モジュール2aの接続される第一コネクター3aと第1の方向D1で隣り合う第二コネクター3bに第二モジュール2bを接続するだけでよい。
【0030】
これにより、基板10に形成されるデータ伝送路4を介して第一モジュール2aによって第二モジュール2bを制御することができる。一方で、第一モジュール2aを第二モジュール2bとの接続無しに単独で動作させたい場合には、第一モジュール2aを複数のコネクター3の何れに接続しても動作させることができる。そのため、基板10上にコネクター3が複数配列されている場合であっても、第一モジュールを2aと第二モジュール2bとの接続状態を第1の方向D1に基づいて容易に把握することができる。
【0031】
また、この第二実施形態にあっては、コネクター3の長手方向が第1の方向D1を向くように配置されているため、コネクター3の長手方向に基づき第1の方向D1を容易に把握することができる。
【0032】
ここで、上述した第二実施形態のコンピュータ201では、コネクター3の長手方向が第1の方向D1を向く場合を例示した。しかし、この構成に限られない。例えば、コネクター3の短手方向が第1の方向D1を向くようにしても良い。このようにコネクター3の短手方向が第1の方向D1を向くようにした場合、第一コネクター3aと第二コネクター3bとを最短距離で接続できる。そのため、データ伝送路4の配線インピーダンスを低減できる点で有利となる。
【0033】
次に、この発明の第三実施形態を図面に基づき説明する。この第三実施形態は、上述した各実施形態の構成を、複数のサーバーユニットを搭載可能な高密度サーバーに適用したものである。そのため、この第三実施形態では、上述した各実施形態と同一部分に同一符号を付して説明する。また、重複する説明を省略する。また、この実施形態の説明においては、複数のコネクターセットのうち、一組のコネクターセットを代表例として説明する。
図5は、この発明の第三実施形態における
図2に相当する図である。
図6は、この発明の第三実施形態における
図3に相当する図である。
【0034】
図5に示すように、この第三実施形態におけるコンピュータ301は、第一モジュール2aと、第二モジュール2bと、第一コネクター3aと、第二コネクター3bと、データ伝送路4と、基板10と、筐体14と、を備えている。
第一モジュール2aは、制御ユニット(CPU)12を有している。一方で、第二モジュール2bは、拡張ユニット(LAN)13を有している。この第二モジュール2bは、第一モジュール2aの通信機能を拡張する。
【0035】
データ伝送路4は、複数の伝送路4aを備えている。この実施形態においては、第一実施形態と同様に4つの伝送路4aを有している場合を一例にして説明する。
第一コネクター3aは、その内部に、複数の電極部5aa,5ab,5ac,5adを有している。これら電極部5aa,5ab,5ac,5adは、一列に配列されている。これら電極部5aa,5ab,5ac,5adには、伝送路4aのそれぞれの第一端部6aが一つずつ接続されている。
【0036】
同様に、第二コネクター3bは、その内部に、複数の電極部5ba,5bb,5bc,5bdを有している。これら電極部5ba,5bb,5bc,5bdは、一列に配列されている。第一コネクター3a内における電極部5aa,5ab,5ac,5adの配置と、第二コネクター3b内における電極部5ba,5bb,5bc,5bdの配置とは、互いに対応する同一位置とされている。これら電極部5ba,5bb,5bc,5bdには、伝送路4aのそれぞれの第二端部6bが一つずつ接続されている。
【0037】
電極部5aa,5ab,5ac,5adは、伝送路4aを介して電極部5ba,5bb,5bc,5bdにそれぞれ接続されている。より具体的には、電極部5aaは、電極部5bdに接続され、電極部5abは、電極部5bcに接続されている。さらに、電極部5acは、電極部5bbに接続され、電極部5adは、電極部5baに接続されている。つまり、電極部5ba,5bb,5bc,5bdは、電極部5aa,5ab,5ac,5adに対してレーン順が反転するように配列されている。
【0038】
第一モジュール2aは、第二モジュール2bとの間でデータ伝送を行うための複数の電極部7aa,7ab,7ac,7adをそれぞれ備えている。これら電極部7aa,7ab,7ac,7adは、第一モジュール2aが第一コネクター3aに取り付けられた場合に、電極部5aa,5ab,5ac,5adとそれぞれ接続される。より具体的には、電極部7aaが電極部5aaと接続され、電極部7abが電極部5abと接続される。さらに、電極部7acが電極部5acと接続され、電極部7adが電極部5adと接続される。
【0039】
さらに、第二モジュール2bは、第一モジュール2aとの間でデータ伝送を行うための複数の電極部7ba,7bb,7bc,7bdをそれぞれ備えている。これら電極部7ba,7bb,7bc,7bdは、第二モジュール2bが第二コネクター3bに取り付けられた場合に、電極部5ba,5bb,5bc,5bdとそれぞれ接続される。より具体的には、電極部7baが電極部5baと接続され、電極部7bbが電極部5bbと接続される。さらに、電極部7bcが電極部5bcと接続され、電極部7bdが電極部5bdと接続される。
【0040】
一方で、第一モジュール2aの電極部7aa,7ab,7ac,7adは、第一モジュール2aが第二コネクター3bに取り付けられた場合に、電極部5ba,5bb,5bc,5bdとそれぞれ接続される。より具体的には、電極部7aaが電極部5baと接続され、電極部7abが電極部5bbと接続される。さらに、電極部7acが電極部5bcと接続され、電極部7adが電極部5bdと接続される。
【0041】
ここで、データ伝送路4が、「PCI Express」の規格で形成され、且つ、第一モジュール2aの制御ユニット12が、自動的に第一モジュール2aのレーン順を反転させる、いわゆるレーンリバース機能を有している場合には、このレーンリバース機能を停止させるレーンリバース停止部20(
図5、
図6参照)を第一モジュール2aに設けるようにしても良い。
【0042】
この第三実施形態における第一コネクター3a、および、第二コネクター3bには、それぞれ第三電極部5cが形成されている。この第三電極部5cは、LAN(Local Area Network)等のネットワーク(Net)に接続されている。第一コネクター3a、および、第二コネクター3bに設けられた各第三電極部5cは、第一コネクター3a内における配置と、第二コネクター3b内における配置とが、それぞれ同一配置となっている。
【0043】
一方で、第一モジュール2a、および、第二モジュール2bは、第一コネクター3aに取り付けられた場合、および、第二コネクター3bに取り付けられた場合の、何れの場合においても第三電極部5cに電気的に接続される電極部7cをそれぞれ備えている。つまり、第一モジュール2aは、第一コネクター3aと、第二コネクター3bとの何れに取り付けられた場合であっても、各々独立して動作すること(例えば、外部と通信すること)が可能となっている。
【0044】
次に、上述した第三実施形態におけるコンピュータの組立方法について図面を参照しながら説明する。
図7は、この発明の第三実施形態におけるコンピュータの組立方法のフローである。
図7に示すように、まず、第一コネクター3aに第一モジュール2aを取り付ける(ステップS01)。次いで、第二コネクター3bに第一モジュール2aと第二モジュール2bとの一方を取り付ける(ステップS02)。
【0045】
ここで、
図6に示すように、第一モジュール2aが、上述したN列に配される第一コネクター3aに取り付けられると、その制御ユニット12は、第一コネクター3aの電極部5aa,5ab,5ac,5adに電気的に接続される。
さらに、第一モジュール2aが上述したN+1列に配される第二コネクター3bに取り付けられると、その制御ユニット12は、第二コネクター3bの電極部5ba,5bb,5bc,5bdに電気的に接続される。
【0046】
しかし、第二コネクター3bの電極部5ba,5bb,5bc,5bdは、第一コネクター3aとレーン順が反転されるように配列されているため、第一コネクター3aに取り付けられた第一モジュール2aの制御ユニット12から、第二コネクター3bに取り付けられた第一モジュール2aの制御ユニット12は認識されない状態となる。これにより、これら制御ユニット12同士はデータ伝送路4を介して互いに認識できない状態となる。つまり、それぞれ独立したサーバーとして動作する状態となる。
【0047】
一方で、第二モジュール2bが上記N+1列の第二コネクター3bに取り付けられると、その拡張ユニット13は、第二コネクター3bの電極部5ba,5bb,5bc,5bdに電気的に接続される。第二モジュール2bの電極部7ba,7bb,7bc,7bdのレーン順は、第二コネクター3bの電極部5ba,5bb,5bc,5bdのレーン順と一致する。そのため、第一モジュール2aの制御ユニット12から、第二モジュール2bの拡張ユニット13は認識できる状態となる。そのため、拡張ユニット13と制御ユニット12との間でデータ伝送が可能になる。これにより、拡張ユニット13は、制御ユニット12によってその動作が制御可能な状態となる。つまり、第一モジュール2aの通信機能が拡張されて、第一モジュール2aと第二モジュール2bとの組み合わせが一つのサーバーとして動作する状態となる。
【0048】
ここで、上述した第一コネクター3aに取り付けられた第一モジュール2aにおいては、第二コネクター3bに対する第二モジュール2bの取り付けの有無を判定するために、所定のタイミングで第二モジュール2bの認識動作を行うようにしても良い。また、この実施形態においては、第一モジュール2aと第二モジュール2bとを一組だけ図示したが、
図4に示すように複数のコネクター3を基板10上に配列している場合も同様である。
【0049】
次に、上述した第三実施形態のコンピュータ301の第一モジュール2aの、データ伝送路4を介する通信回線を自動的に開通する開通制御について、
図8の処理フローを参照しながら説明する。
図8は、この発明の第三実施形態における第一モジュールで実行する開通制御の処理フローである。
まず、第一コネクター3aに対して第一モジュール2aを取り付ける。ここで、第一コネクター3aから第一モジュール2aには、電力が供給されるようになっている。すると、第一モジュール2aの制御ユニット12は、データ伝送路4を介して第二モジュール2bが認識されるか否か、より具体的には、第二モジュール2bの拡張ユニット13が認識されるか否かを判定する(ステップS11;判定工程)。
第一モジュール2aの制御ユニット12は、上記の判定の結果、第二モジュール2bの拡張ユニット13が認識される場合には(ステップS11にて「Yes」)、第二モジュール2bとの間の双方向通信の開始制御(図示せず)を行い、第二モジュール2bの拡張ユニット13の制御を開始する(ステップS12;拡張制御工程)。
一方で、第一モジュール2aの制御ユニット12は、上記の判定の結果、第二モジュール2bの拡張ユニット13が認識されない場合には(ステップS11にて「No」)、機能拡張を行わずに、第一モジュール2a単独で独立したサーバーとしての動作を開始する(ステップS13;単独動作工程)。
【0050】
したがって、上述した第三実施形態によれば、第一モジュール2aのサーバー機能を拡張する第二モジュール2bを取り付けるための専用のコネクターを設ける必要がない。また、第一モジュール2aのサーバー機能を拡張したい場合には、機能を拡張したい第一モジュール2aをN列の第一コネクター3aに取り付け、この第一コネクター3aと第1の方向D1で隣り合うN+1列の第二コネクター3bに第二モジュール2bを取り付ければよい。そのため、クライアントの仕様に応じて柔軟且つ容易にサーバー機能の拡張を行うことができる。
【0051】
さらに、N+1列の第二コネクター3bに第一モジュール2aを取り付けることで、N列の第一コネクター3aに取り付けられた第一モジュール2aと、N+1列の第二コネクター3bに取り付けられた第一モジュール2aとを、それぞれ独立したサーバーとして動作させることもできる。
その結果、高密度サーバーなどのサーバーの拡張性を向上するとともに、サーバーの設計が複雑化したり、コストが上昇したりすることを抑制することができる。
【0052】
また、上述したコンピュータ301を組み立てる際には、第二コネクター3bに対して第一モジュール2a、又は、第二モジュール2bを取り付けるだけで、第一コネクター3aに取り付けられた第一モジュール2aの機能を拡張させるか、個別に動作させるか、をデータ伝送路4の切替等の操作を何ら行うことなく選択することができる。その結果、組み立て作業の複雑化を抑制して、作業者の負担を軽減できる。
【0053】
また、第一コネクター3aと第二コネクター3bとの両方に第一モジュール2aが取り付けられた場合には、双方向通信の開始制御(Ack応答等)を行うことなく、各第一モジュール2aを独立したサーバーとして動作開始させることができる。そのため、迅速にサーバーとしての動作を開始させることができる。
【0054】
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
【0055】
さらに、第一コネクター3a、および、第二コネクター3bの形状は、各実施形態で例示した形状に限られない。
【0056】
例えば、上述した第三実施形態においては、電極部5aa,5ab,5ac,5adと、電極部5ba,5bb,5bc,5bdとが、何れも第一コネクター3a、および、第二コネクター3bの各コネクター3の長手方向に配列される場合を例示した。しかし、これら電極部5aa,5ab,5ac,5ad、および、電極部5ba,5bb,5bc,5bdとの配列される方向は、各コネクター3の長手方向に限られない。
【0057】
また、上述した第三実施形態では、第二モジュール2bが拡張ユニットを有し、通信(LAN)機能の拡張を行う場合を例示したが、サーバーの拡張機能としては、通信機能に限られない。
【0058】
上述のコンピュータにおける第一モジュール2aの動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体D(
図5、
図6参照)に記録して、このプログラムを第一モジュール2aの制御ユニット12の制御用のコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行っても良い。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このプログラムを通信回線によってコンピュータシステムに配信し、この配信を受けたコンピュータシステムが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0059】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。