特許第6028938号(P6028938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6028938
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】板金を曲げる方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/01 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
   B21D5/01 Z
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-553466(P2013-553466)
(86)(22)【出願日】2012年2月1日
(65)【公表番号】特表2014-506534(P2014-506534A)
(43)【公表日】2014年3月17日
(86)【国際出願番号】US2012023489
(87)【国際公開番号】WO2012112306
(87)【国際公開日】20120823
【審査請求日】2015年2月2日
(31)【優先権主張番号】13/027,012
(32)【優先日】2011年2月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513203163
【氏名又は名称】サカイ,サトシ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】サカイ,サトシ
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−022432(JP,A)
【文献】 特開2002−307108(JP,A)
【文献】 特開2001−216009(JP,A)
【文献】 米国特許第05689435(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0106463(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0043543(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/00
B21D 7/00
B21D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鈍角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前の板金ワークの開始寸法を求める方法であって:
前記試験ワークを準備するステップであって、該試験ワークは前記板金ワークと同じ材料から形成され、該板金ワークと同じ厚さTの±25%を有する、準備するステップ;
前記試験ワークの長さL及び前記厚さTを測定するとともに記録するステップ;
前記試験ワークを角度の付いた形状に曲げるステップであって、該角度の付いた形状は内角oを有する、曲げるステップ;
前記角度の付いた形状の第1の脚部及び第2の脚部を特定するステップ;
前記第1の脚部の長さH及び前記第2の脚部の長さHを測定するとともに記録するステップであって、該長さはそれぞれ、前記脚部の一方の外縁から隣接する他方の脚部の外面までの距離全体を含む、測定するとともに記録するステップ;
前記内角oから下る第1の線Hの長さを測定するとともに記録するステップであって、前記第1の線Hは、前記角度の付いた形状の頂点から第2の線cに下ろした垂線であり、該第2の線cは前記角度の付いた形状の内縁を接続する、測定するとともに記録するステップ;
前記内角oを求めるとともに記録するステップ;
第1の内側フランジ長、a=(H−T)/cos(o−90)を計算するステップ;
第2の内側フランジ長、b=(H−T)/cos(o−90)を計算するステップ;
第1の外側フランジ長、A=(H−T×sin(o−90))/cos(o−90)を計算するステップ;
第2の外側フランジ長、B=(H−T×sin(o−90))/cos(o−90)を計算するステップ;
ベンド展開長補正、BD=A+B−Lを計算するステップ;
内側半径rを計算するステップであって:
前記線の長さ、c=√a+b−2ab×cosoを計算するステップ、
前記第1の内側フランジ長aに対向する角度、α=sin−1((a×sino)/c)を計算するステップ;
前記第2の内側フランジ長bに対向する角度、β=sin−1((b×sino)/c)を計算するステップ;
三角形abcの高さ、H=a×sinβ=(a×b/c)×sinoを計算するステップ;
オフセット角度、δ=90−(β+o/2)を計算するステップ
側半径rを計算するステップであって、ここで、cosδ=(r+H−(H−T))×sin(o/2))/rであり、r=((H−(H−T))×sin(o/2))/(cosδ−sin(o/2))である、計算するステップ
を含む、内側半径rを計算するステップ;
前記試験ワークの内面からの中立線の距離、t=((2×tan((90−o)/2)×(T+r)−BD)/((π/180)×(180−o)))−rを計算するステップ;
仕上がった内角oを有する実際のワークのベンド展開長補正、BD=2×tan((90−o)/2)(T+r)−(t+r)(π/180)×(180−o)を計算するステップ;
所望の外側フランジ長A及びBを有するワークの開始長、L=A+B−BDを計算するステップ;並びに
前記鈍角の内角oを有する板金構造に曲げる前に前記開始長Lを前記板金ワークに適用するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記内角oを求める前記ステップは:
前記第1の脚部の前記外縁から前記第2の脚部の前記外縁まで延在する線Cの長さを測定するステップ;及び
=A+B−2AB×cos(o)になるまで、oの値を繰り返し置換するステップであって、ここで、前記第1の外側フランジ長、A=(H−T×sin(o−90))/cos(o−90)であり、前記第2の外側フランジ長、B=(H−T×sin(o−90))/cos(o−90)である、繰り返し置換するステップ
を更に含む、請求項1に記載の、鈍角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前の板金ワークの開始寸法を求める方法。
【請求項3】
前記第1の脚部の前記長さH、前記第2の脚部の前記長さH及び前記第1の線Hの長さを測定するとともに記録する前記ステップは、ノギスを用いて前記長さH、H及びHを測定することを更に含む、請求項1に記載の、鈍角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前の板金ワークの開始寸法を求める方法。
【請求項4】
前記第1の脚部の前記長さH、前記第2の脚部の前記長さH及び前記第1の線Hを測定するとともに記録する前記ステップは、光走査及び画像処理技術を用いて前記長さH、H及びHを測定することを更に含む、請求項1に記載の、鈍角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前の板金ワークの開始寸法を求める方法。
【請求項5】
前記第1の脚部の前記長さH、前記第2の脚部の前記長さH及び前記第1の線Hを測定するとともに記録する前記ステップは、ハイトゲージを用いて前記長さH、H及びHを測定することを更に含む、請求項1に記載の、鈍角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前の板金ワークの開始寸法を求める方法。
【請求項6】
鋭角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前の板金ワークの開始寸法を求める方法であって:
前記試験ワークを準備するステップであって、該試験ワークは前記板金ワークと同じ材料から形成され、該板金ワークと同じ厚さTの±25%を有する、準備するステップ;
前記試験ワークの長さL及び前記厚さTを測定するとともに記録するステップ;
前記試験ワークを角度の付いた形状に曲げるステップであって、該角度の付いた形状は内角oを有する、曲げるステップ;
前記角度の付いた形状の第1の脚部及び第2の脚部を特定するステップ;
前記第1の脚部の長さH及び前記第2の脚部の長さHを測定するとともに記録するステップであって、該長さはそれぞれ、前記脚部の一方の外縁から隣接する他方の脚部の外面までの距離全体を含む、測定するとともに記録するステップ;
前記内角oから下る第1の線Hの長さを測定するとともに記録するステップであって、前記第1の線Hは、前記角度の付いた形状の頂点から第2の線cに下ろした垂線であり、該第2の線cは前記角度の付いた形状の内縁を接続する、測定するとともに記録するステップ;
前記内角oを測定するとともに記録するステップ;
第1の内側フランジ長、a=(H−T−T×sin(90−o))/cos(90−o)を計算するステップ;
第2の内側フランジ長、b=(H−T−T×sin(90−o))/cos(90−o)を計算するステップ;
第1の外側フランジ長、A=H/cos(90−o)を計算するステップ;
第2の外側フランジ長、B=H/cos(90−o)を計算するステップ;
ベンド展開長補正、BD=A+B−Lを計算するステップ;
内側半径rを計算するステップであって:
前記線の長さ、c=√a+b−2ab×cosoを計算するステップ;
前記第1の内側フランジ長aに対向する角度、α=sin−1((a×sino/c))を計算するステップ;
前記第2の内側フランジ長bに対向する角度、β=sin−1((b×sino)/c)を計算するステップ;
三角形abcの高さ、H=a×sinβ=(a×b/c)×sinoを計算するステップ;
オフセット角度、δ=90−(β+o/2)を計算するステップ
側半径rを計算するステップであって、ここで、cosδ=(r+H−(H−T))×sin(o/2))/rであり、r=((H−(H−T))×sin(o/2))/(cosδ−sin(o/2))である、計算するステップ
を含む、内側半径rを計算するステップ;
前記試験ワークの内面からの中立線の距離、t=((2×tan((90−o)/2)×(T+r)−BD)/((π/180)×(180−o)))−rを計算するステップ;
仕上がった内角oを有する実際のワークのベンド展開長補正、BD=2×tan((90−o)/2)(T+r)−(t+r)(π/180)×(180−o)を計算するステップ;
所望の外側フランジ長A及びBを有するワークの開始長、L=A+B−BDを計算するステップ;並びに
前記鈍角の内角oを有する板金構造に曲げる前に前記開始長Lを前記板金ワークに適用するステップ
を含む、方法。
【請求項7】
前記内角oを求める前記ステップは:
前記第1の脚部の前記外縁から前記第2の脚部の前記外縁まで延在する線Cの長さを測定するステップ;及び
前記内角、o=180−sin−1(H/C)−sin−1(H/C)を計算するステップ
を更に含む、請求項6に記載の、鋭角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前の板金ワークの開始寸法を求める方法。
【請求項8】
前記第1の脚部の前記長さH、前記第2の脚部の前記長さH及び前記第1の線Hを測定するとともに記録する前記ステップは、ノギスを用いて前記長さH、H及びHを測定することを更に含む、請求項6に記載の、鋭角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前の板金ワークの開始寸法を求める方法。
【請求項9】
前記第1の脚部の前記長さH、前記第2の脚部の前記長さH及び前記第1の線Hを測定するとともに記録する前記ステップは、光走査及び画像処理技術を用いて前記長さH、H及びHを測定することを更に含む、請求項6に記載の、鋭角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前の板金ワークの開始寸法を求める方法。
【請求項10】
前記第1の脚部の前記長さH、前記第2の脚部の前記長さH及び前記第1の線Hを測定するとともに記録する前記ステップは、ハイトゲージを用いて前記長さH、H及びHを測定することを更に含む、請求項6に記載の、鋭角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前の板金ワークの開始寸法を求める方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属成形の分野に関し、より詳細には、任意の角度だけ曲げられる最終製品を形成するために必要な平坦なワークの正確なサイズを求める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
板金を曲げる上で主に困難な点のうちの1つが、片が曲げられた後で所望の外面寸法を有するように、片の適切な平坦長さを求めることである。このことは、曲げプロセスによって金属の内面が圧縮され、外面が伸張されるため困難である。生じる伸張の量は予測が困難である。従来から、この問題は、種々のタイプ及び厚さの材料に関して、この材料を用いて行った試験的な曲げに基づいて作成された表を用いることによって対処されてきた。この伸張を考慮し、そして適切な平坦長さを計算するために用いられている現行の方法は、ベンド展開長補正と呼ばれる。ベンド展開長補正値とは、正しい平坦長さを得るために減らさなければならない2つの所望のフランジ寸法の和の量である。この方法の主な利点は、この方法が、ノギスを用いてフランジ長A及びB並びにパーツの平坦長さを測定することしか必要でない安価かつ簡単な方法であることである。しかし、その方法にも多くの不都合点がある。最も重大な問題は、曲げ角度が90度ではない場合、フランジ長A及びBを正確に測定することができないことである。また、ベンド展開長補正値は、所望の曲げ角度に応じて変わるため、90度の曲げに関して正確なベンド展開長補正値が計算されても、異なる曲げ角度に関するベンド展開長補正値については予測することができない。
【0003】
パーツの適切な平坦長さを計算する別の方法は、中立線の位置を求めることによるものである。材料は、曲げられるときに、内面が圧縮されて外面が伸張される。したがって、内面と外面との間に、伸張も圧縮もされない一部の場所が存在するはずである。材料の分子が伸張も圧縮もされないこの線が中立線と呼ばれる。中立線は、ワークの内面から或る距離tに位置する。内面は、曲げた後の内角を含む。
【0004】
中立線の最も重要な側面は、その長さが片の平坦長さに等しいことである。したがって、中立線がどこに位置するかが分かっていれば、正しい曲げ寸法を得るために平坦な片の長さをどれほどにするべきかを正確に求めることができる。中立線の別の重要な特徴は、その位置が曲げ角度に応じて変わらないことである。これは、一旦曲げが開始されると、既に圧縮されている材料は伸張し始めず、既に伸張している材料は圧縮され始めず、したがって曲げ角度の増加が中立線の位置に影響しないことに起因する。
【0005】
距離tが分かっている場合、距離tを用いて任意の所望の曲げ角度に関する正しい平坦長さを計算することができる。しかし、中立線は材料内に位置するため、明らかに、距離tはノギス等の従来の方法を用いて測定することができない。このように測定が困難であることが、中立線法の代わりにベンド展開長補正法が用いられる理由である。作業現場で曲げるために中立線の位置を求める簡単な方法は断じて存在しない。本発明はこれらの制約に対処する。
【0006】
特定のサイズの曲げ金属構成の開始ワークサイズを求めるという課題に対処するために種々の発明がなされている。
【0007】
非特許文献1は、板金の曲げに関する章を含む。この章は、曲げ計算に関するセクションを含む。このセクションでは、ブランク長を求める上でのよく見られる誤りは、必要時に板金厚さの加算又は減算ができないことであると記載されている。このセクションには、原則として、ブランクの展開は、パーツを直線セクション及び曲げ部又は弧状部に分割することであるとも記載されている。この場合、各セクションの長さが分かる。多くの場合に、既知の寸法と未知の寸法とを接続するには直角三角形を描く必要がある。この場合、未知の辺又は角度の値を求めるために三角法が用いられる。図2G図11には、ベベル角度(B)を含む多くの曲げ用語が示されている。
【0008】
非特許文献2は、2つの式:
K=((R/T)/16)+0.25
としてのK−係数の実験式:及び
ベンド許容差式:
B.A.=A×π×(R+K×T)/180(測定値(度))
を開示している。
【0009】
これらの方程式はともにこの参考文献で得られる。K−係数の方程式は実験データから得られたものである。ベンド許容差は、曲げ角度A及び内側半径としての調整される半径R+中立軸までの距離t(t=K×Tによって与えられ、ここで、Tは材料の厚さである)とすると、曲げ部を通る中立軸の弧長の方程式である。
【0010】
非特許文献3は、ベンド許容差、ベンド展開長補正及びK−係数に関する方程式を開示している。この参考文献は、試験サンプルを用いて、総平坦長さ、曲げセクションの外側長さ、曲げ半径、曲げ角度及び材料の厚さを測定することによってK−係数をリバースエンジニアリングすることを説明している。
【0011】
公開されているHindman他の特許文献1は、板金を展開するためのカスタム方程式に関するものである。このシステムによって、板金を展開するためのカスタム方程式を用いること、及び板金をどれだけ曲げるかを求めることが可能である。カスタム方程式の解によって、ユーザーは、展開式を、この式がどれだけ幾何学に基づくかの基準を提供する方程式のタイプに基づいて規定することが可能となる。その方程式のタイプは、ユーザーが選択することができ、ベンド許容差、曲げ補正、ベンド展開長補正及びK−係数を含む利用可能なタイプのリストからのものであり得る。これに関して、方程式のタイプは4つのタイプから選択することができ、適切な方程式は、カスタマイズすることができる変数とともに提示される。
【0012】
Umney他に発行された特許文献2は、自動ブラケット設計システム及び方法に関するものである。この参考文献は、ベンド許容差及びベンド展開長補正の方程式を開示している。
【0013】
Hans Klingel他に発行された特許文献3は、ワークを曲げるプロセスの一部として、ワークを上側ダイ及び/又は下側ダイから取り出すときに、曲げ角度の実際のサイズを継続的に求め、分かった曲げ角度の実際のサイズから、サイズの変化を求め、曲げ角度の実際のサイズの変化が所定の値をとるとすぐに、次に既存の曲げ角度の実際のサイズを所望のサイズと比較することを開示している。記載の方法を行う加工機には、曲げ角度の実際のサイズの変化を求める装置の一部である、スキャン要素、及び曲げ角度の実際のサイズを求める装置がある。曲げ角度の実際のサイズを求める装置は、曲げ角度の実際のサイズと所望のサイズとを比較する比較装置に接続される。
【0014】
Max W. Durney他に発行された特許文献4は、シート材に折り目を設計する方法であって、作図システムの親面に所望の折り目を画定する段階、及び折り目に対して構成されかつ位置決めされた一連の接続領域を画定する一連の切取り領域を含んでいる折り形状を折り目に実装して折り目に沿って材料を折ることにより切取り領域の両側で材料のエッジ−フェース間嵌合を生成する段階を含む、方法を開示している。代替的には、この方法は、異なる大きさ及び/又は形状を有している複数の切取り領域構成及び接続領域構成を記憶する段階、作図システムの親面に所望の折り目を画定する段階、所望の形状及びスケールを有する好適な切取り領域及び/又は好適な接続領域を選択する段階、折り目に沿って選択した切取り領域及び選択した接続領域を含んでいる好適な折り形状を位置決めする段階、並びに、接続領域の少なくとも1つを移動、追加及び/又は削除するために好適な折り形状をリロケーティングし、リスケーリングし及び/又はリシェーピングする段階を含むことができ、それにより折り目に沿って材料を折ることにより、切取り領域の両側で材料のエッジ−フェース間嵌合を生成する。シート材に折り目を設計する方法を実施するように構成されるコンピュータープログラム製品及びシステムも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0106463号
【特許文献2】米国特許第5,689,435号
【特許文献3】米国特許第5,842,36号
【特許文献4】米国特許第7,643,967号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Lascoe, O.D., Handbook of Fabrication Processes", ASM International, 1988, pp. 187 and 189
【非特許文献2】Leigh, R. W., "Bend Allowance Formulas", http://ronleigh.com/ivytech/_ref-ba.htm, copyright 1994, 2006; revision December 5, 2008
【非特許文献3】Diegel, O., "BendWorks The fine-art of Sheet Metal Bending", Complete Design Services, July 2002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、特定のサイズの曲げ構成に曲げられる板金の片の開始サイズを正確に求める方法を提供することである。更なる目的は、種々の厚さ及び材料の板金に繰り返し用いることができるそのような方法を提供することである。本発明のまた更なる目的は、あらゆる角度の板金の曲げに正確に適用することができる方法を提供することである。また更なる目的は、使用が容易であり、最低限の機器しか必要としないそのような方法を提供することである。最後に、本発明の目的は、任意の材料の任意のワークの任意の厚さに関して中立線の位置を容易に求める方法を提供することである。
【0018】
本発明の目的の幾つかは従来技術において開示されているが、見出されているそれらの発明はいずれも、明記される要件の全てを含むものではない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、板金を曲げる発明の従来技術の方法の欠点の全てに対処し、上述した目的の全てを満たすものである。
【0020】
1)鈍角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前の板金ワークの開始寸法を求める方法が:
1)試験ワークを準備するステップであって、試験ワークは板金ワークと同じ材料から形成され、板金ワークと同じ厚さTの±25%を有する、準備するステップ;
2)試験ワークの長さL及び厚さTを測定するとともに記録するステップ;
3)試験ワークを角度の付いた形状に曲げるステップであって、角度の付いた形状は内角oを有する、曲げるステップ;
4)角度の付いた形状の第1の脚部及び第2の脚部を特定するステップ;
5)第1の脚部の長さH及び第2の脚部の長さHを測定するとともに記録するステップであって、これらの長さはそれぞれ、脚部の一方の外縁から隣接する他方の脚部の外面までの距離全体を含む、測定するとともに記録するステップ;
6)内角oから下る第1の線Hの長さを測定するとともに記録するステップであって、第1の線Hは、角度の付いた形状の頂点から第2の線cまで延在し、第2の線cは角度の付いた形状の内縁を接続する、測定するとともに記録するステップ;
7)内角oを求めるとともに記録するステップ;
8)第1の内側フランジ長、a=(H−T)/cos(o−90)を計算するステップ;
9)第2の内側フランジ長、b=(H−T)/cos(o−90)を計算するステップ;
10)第1の外側フランジ長、A=(H−T×sin(o−90))/cos(o−90)を計算するステップ;
11)第2の外側フランジ長、B=(H−T×sin(o−90))/cos(o−90)を計算するステップ;
12)ベンド展開長補正、BD=A+B−Lを計算するステップ;
13)内側半径rを計算するステップであって:
a)線の長さ、c=√a+b−2ab×cosoを計算するステップ、
b)第1の内側フランジ長aに対向する角度、α=sin−1((a×sino)/c)を計算するステップ;
c)第2の内側フランジ長bに対向する角度、β=sin−1((b×sino)/c)を計算するステップ;
d)三角形abcの高さ、H=a×sinβ=(a×b/c)×sinoを計算するステップ;
e)オフセット角度、δ=90−(β+o/2)を計算するステップ;
f)rに関して、斜辺の長さ、x=r/sin(o/2)を計算するステップ;
g)内側半径rを計算するステップであって、ここで、cosδ=(r+H−(H−T))/xであり、r=((H−(H−T))×sin(o/2))/(cosα−sin(o/2))である、計算するステップ;
を含む、内側半径rを計算するステップ;
14)試験ワークの内面からの中立線の距離、t=((2×tan(o/2)×(T+r)−BD)/((π/180)×o))−rを計算するステップ;
15)仕上がった内角oを有する実際のワークのベンド展開長補正、BD=2×tan(o/2)(T+r)−(t+r)(π/180)×oを計算するステップ;
16)所望の外側フランジ長A及びBを有するワークの開始長、L=A+B−BDを計算するステップ;並びに
17)鈍角の内角oを有する板金構造に曲げる前に開始長Lを板金ワークに適用するステップ
を含む。
【0021】
2)本発明の変形形態では、内角oを求めるステップは:
1)第1の脚部の外縁から第2の脚部の外縁まで延在する線Cの長さを測定するステップ;及び
2)C=A+B−2AB×cos(o)になるまで、oの値を繰り返し置換するステップであって、ここで、第1の外側フランジ長、A=(H−T×sin(o−90))/cos(o−90)であり、第2の外側フランジ長、B=(H−T×sin(o−90))/cos(o−90)である、繰り返し置換するステップ
を更に含む。
【0022】
3)別の変形形態では、第1の脚部の長さH、上記第2の脚部の長さH及び第1の線Hを測定するとともに記録するステップは、ノギスを用いて長さH、H及びHを測定することを更に含む。
【0023】
4)また別の変形形態では、第1の脚部の長さH、第2の脚部の長さH及び第1の線Hを測定するとともに記録するステップは、光走査及び画像処理技術を用いて長さH及びHを測定することを更に含む。
【0024】
5)また別の変形形態では、第1の脚部の長さH、第2の脚部の長さH及び第1の線Hを測定するとともに記録するステップは、ハイトゲージを用いて長さH、H及びHを測定することを更に含む。
【0025】
6)本発明のまた更なる変形形態では、鋭角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前の板金ワークの開始寸法を求める方法が:
1)試験ワークを準備するステップであって、試験ワークは板金ワークと同じ材料から形成され、板金ワークと同じ厚さTの±25%を有する、準備するステップ;
2)試験ワークの長さL及び厚さTを測定するとともに記録するステップ;
3)試験ワークを角度の付いた形状に曲げるステップであって、角度の付いた形状は内角oを有する、曲げるステップ;
4)角度の付いた形状の第1の脚部及び第2の脚部を特定するステップ;
5)第1の脚部の長さH及び第2の脚部の長さHを測定するとともに記録するステップであって、これらの長さはそれぞれ、脚部の一方の外縁から隣接する他方の脚部の外面までの距離全体を含む、測定するとともに記録するステップ;
6)内角oから下る第1の線Hの長さを測定するとともに記録するステップであって、第1の線Hは、角度の付いた形状の頂点から第2の線cまで延在し、第2の線cは角度の付いた形状の内縁を接続する、測定するとともに記録するステップ;
7)内角oを測定するとともに記録するステップ;
8)第1の内側フランジ長、a=(H−T−T×sin(90−o))/cos(90−o)を計算するステップ;
9)第2の内側フランジ長、b=(H−T−T×sin(90−o))/cos(90−o)を計算するステップ;
10)第1の外側フランジ長、A=H/cos(90−o)を計算するステップ;
11)第2の外側フランジ長、B=H/cos(90−o)を計算するステップ;
12)ベンド展開長補正、BD=A+B−Lを計算するステップ;
13)内側半径rを計算するステップであって:
a)線の長さ、c=√a+b−2ab×cosoを計算するステップ;
b)第1の内側フランジ長aに対向する角度、α=sin−1((a×sino/c))を計算するステップ;
c)第2の内側フランジ長bに対向する角度、β=sin−1((b×sino)/c)を計算するステップ;
d)三角形abcの高さ、H=a×sinβ=(a×b/c)×sinoを計算するステップ;
e)オフセット角度、δ=90−(β+o/2)を計算するステップ;
f)rに関して、斜辺の長さ、x=r/sin(o/2)を計算するステップ;
g)内側半径rを計算するステップであって、ここで、cosδ=(r+H−(H−T))/xであり、r=((H−(H−T))×sin(o/2))/(cosα−sin(o/2))である、計算するステップ
を含む、内側半径rを計算するステップ;
14)試験ワークの内面からの中立線の距離、t=((2×tan(o/2)×(T+r)−BD)/((π/180)×o))−rを計算するステップ;
15)仕上がった内角oを有する実際のワークのベンド展開長補正、BD=2×tan(o/2)(T+r)−(t+r)(π/180)×oを計算するステップ;
16)所望の外側フランジ長A及びBを有するワークの開始長、L=A+B−BDを計算するステップ;並びに
17)鈍角の内角oを有する板金構造に曲げる前に開始長Lを板金ワークに適用するステップ
を含む。
【0026】
7)また更なる変形形態では、内角oを求めるステップは:
1)第1の脚部の外縁から第2の脚部の外縁まで延在する線Cの長さを測定するステップ;及び
2)内角、o=180−sin−1(H/C)−sin−1(H/C)を計算するステップ
を更に含む。
【0027】
8)別の変形形態では、第1の脚部の長さH、第2の脚部の長さH及び第1の線Hを測定するとともに記録するステップは、ノギスを用いて長さH、H及びHを測定することを更に含む。
【0028】
9)また別の変形形態では、第1の脚部の長さH、第2の脚部の長さH及び第1の線Hを測定するとともに記録するステップは、光走査及び画像処理技術を用いて長さH、H及びHを測定することを更に含む。
【0029】
10)最終的な変形形態では、第1の脚部の長さH、第2の脚部の長さH及び第1の線Hを測定するとともに記録するステップは、ハイトゲージを用いて長さH、H及びHを測定することを更に含む。
【0030】
本発明の他の意図及び目的の認識並びに本発明の理解は、添付の図面及び好ましい実施形態の詳細な説明を参照することによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】曲げる前の板金ワークの斜視図である。
図2】曲げた後の図1の実施形態の斜視図である。
図3】曲げる前の試験ワークの側面図である。
図4】角度の付いた形状の脚部の高さの測定値を示す、鈍角の内角を有する試験ワークから形成された角度の付いた形状の側面図である。
図5】内側フランジ長及び外側フランジ長の長さの計算を示す、鈍角の内角を有する試験ワークから形成された角度の付いた形状の側面図である。
図6】中立線tの計算を示す、角度の付いた形状の拡大側面図である。
図7】試験ワークから形成される角度の付いた形状の内側半径を計算するのに用いられる三角形の概略図である。
図8】内側半径の計算を更に示す、図7の実施形態の頂点の拡大図である。
図9】内側半径の計算の詳細を示す、図8の実施形態の一部の更なる拡大図である。
図10】角度の付いた形状の脚部の高さの測定値を示す、鋭角の内角を有する試験ワークから形成された角度の付いた形状の側面図である。
図11】内側フランジ長及び外側フランジ長の長さの計算を示す、鋭角の内角を有する試験ワークから形成された角度の付いた形状の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
1)図1図9は、鈍角の内角を有して成形される試験ワーク18を用いて、板金構造14に曲げる前(10)の板金ワークの開始寸法を求める方法を示しており、この方法は:
1)図1図3に示されているように、試験ワーク18を準備するステップであって、試験ワーク18は板金ワーク10と同じ材料から形成され、板金ワーク10と同じ厚さ22(T)の±25%を有する、準備するステップ;
2)試験ワーク18の長さ26(L)及び厚さ22(T)を測定するとともに記録するステップ;
3)試験ワーク18を、図4及び図5に示されているように角度の付いた形状30に曲げるステップであって、角度の付いた形状30は内角34(o)を有する、曲げるステップ;
4)角度の付いた形状30の第1の脚部38及び第2の脚部42を特定するステップ;
5)第1の脚部の長さ46(H)及び第2の脚部の長さ50(H)を測定するとともに記録するステップであって、これらの長さ46、50はそれぞれ、脚部38、42の一方の内縁54、56から隣接する他方の脚部38、42の外面58までの距離全体を含む、測定するとともに記録するステップ;
6)内角34(o)から下る第1の線62(H)の長さを測定するとともに記録するステップであって、第1の線62(H)は、角度の付いた形状30の頂点66から第2の線70(c)まで延在し、第2の線70(c)は角度の付いた形状30の内縁54、56を接続する、測定するとともに記録するステップ;
7)内角34(o)を求めるとともに記録するステップ;
8)第1の内側フランジ長78、a=(H−T)/cos(o−90)を計算するステップ;
9)第2の内側フランジ長82、b=(H−T)/cos(o−90)を計算するステップ;
10)第1の外側フランジ長86、A=(H−T×sin(o−90))/cos(o−90)を計算するステップ;
11)第2の外側フランジ長90、B=(H−T×sin(o−90))/cos(o−90)を計算するステップ;
12)ベンド展開長補正、BD=A+B−Lを計算するステップ;
13)図6図9に示されているような内側半径94(r)を計算するステップであって:
a)線70の長さ、c=√a+b−2ab×cosoを計算するステップ、
b)第1の内側フランジ長78(a)に対向する角度98、α=sin−1((a×sino)/c)を計算するステップ;
c)第2の内側フランジ長82(b)に対向する角度102、β=sin−1((b×sino)/c)を計算するステップ;
d)三角形abcの高さ106、H=a×sinβ=(a×b/c)×sinoを計算するステップ;
e)オフセット角度110、δ=90−(β+o/2)を計算するステップ;
f)94(r)に関して、斜辺の長さ114、x=r/sin(o/2)を計算するステップ;
g)内側半径94(r)を計算するステップであって、cosδ=(r+H−(H−T))/xであり、r=((H−(H−T))×sin(o/2))/(cosα−sin(o/2))である、計算するステップ;
を含む、内側半径rを計算するステップ;
14)試験ワーク118の内面からの中立線の距離、t=((2×tan(o/2)×(T+r)−BD)/((π/180)×o))−rを計算するステップ;
15)図1及び図2に示されているような、仕上がった内角122(o)を有する実際のワークのベンド展開長補正、BD=2×tan(o/2)(T+r)−(t+r)(π/180)×oを計算するステップ;
16)所望の外側フランジ長130(A)及び134(B)を有するワークの開始長126、L=A+B−BDを計算するステップ;並びに
17)板金構造14に曲げる前(10)に開始長126(L)を板金ワークに適用するステップ
を含む。
【0033】
2)図4及び図5に示されているような本発明の変形形態では、内角oを求めるステップは:
1)図4及び図5に示されているような、第1の脚部38の外縁60から第2の脚部42の外縁64まで延在する線128(C)の長さを測定するステップ;及び
2)C=A+B−2AB×cos(o)になるまで、oの値を繰り返し置換するステップであって、ここで、第1の外側フランジ長86、A=(H−T×sin(o−90))/cos(o−90)であり、第2の外側フランジ長90、B=(H−T×sin(o−90))/cos(o−90)である、繰り返し置換するステップ
を更に含む。
【0034】
3)別の変形形態では、第1の脚部の長さ46(H)、第2の脚部の長さ50(H)及び第1の線62(H)を測定するとともに記録するステップは、ノギスを用いて長さ46(H)、50(H)及び62(H)を測定することを更に含む。
【0035】
4)また別の変形形態では、第1の脚部の長さ46(H)、第2の脚部の長さ50(H)及び第1の線62(H)を測定するとともに記録するステップは、光走査及び画像処理技術を用いて長さ46(H)、50(H)及び62(H)を測定することを更に含む。
【0036】
5)また別の変形形態では、第1の脚部の長さ46(H)、第2の脚部の長さ50(H)及び第1の線62(H)を測定するとともに記録するステップは、ハイトゲージを用いて長さ46(H)、50(H)及び62(H)を測定することを更に含む。
【0037】
6)本発明のまた更なる変形形態では、鋭角の内角を有して成形される試験ワーク18を用いて、板金構造14に曲げる前(10)の板金ワークの開始寸法を求める方法が:
1)図1図3に示されているように、試験ワーク18を準備するステップであって、試験ワーク18は板金ワーク10と同じ材料から形成され、板金ワーク10と同じ厚さ22(T)の±25%を有する、準備するステップ;
2)試験ワーク18の長さ26(L)及び厚さ22(T)を測定するとともに記録するステップ;
3)図10及び図11に示されているように試験ワーク18を角度の付いた形状32に曲げるステップであって、角度の付いた形状32は内角34(o)を有する、曲げるステップ;
4)角度の付いた形状32の第1の脚部38及び第2の脚部42を特定するステップ;
5)第1の脚部の長さ46(H)及び第2の脚部の長さ50(H)を測定するとともに記録するステップであって、これらの長さ46、50はそれぞれ、脚部38、42の一方の外縁60、64から隣接する他方の脚部38、42の外面58までの距離全体を含む、測定するとともに記録するステップ;
6)内角34(o)から下る第1の線62(H)の長さを測定するとともに記録するステップであって、第1の線62(H)は、角度の付いた形状32の頂点66から第2の線70(c)まで延在し、第2の線70(c)は角度の付いた形状32の内縁74を接続する、測定するとともに記録するステップ;
7)内角34(o)を求めるとともに記録するステップ;
8)第1の内側フランジ長142、a=(H−T−T×sin(90−o))/cos(90−o)を計算するステップ;
9)第2の内側フランジ長146、b=(H−T−T×sin(90−o))/cos(90−o)を計算するステップ;
10)第1の外側フランジ長150、A=H/cos(90−o)を計算するステップ;
11)第2の外側フランジ長154、B=H/cos(90−o)を計算するステップ;
12)ベンド展開長補正、BD=A+B−Lを計算するステップ;
13)図6図9に示されているような内側半径94(r)を計算するステップであって:
a)線70の長さ、c=√a+b−2ab×cosoを計算するステップ、
b)第1の内側フランジ長78(a)に対向する角度98、α=sin−1((a×sino)/c)を計算するステップ;
c)第2の内側フランジ長82(b)に対向する角度102、β=sin−1((b×sino)/c)を計算するステップ;
d)三角形abcの高さ106、H=a×sinβ=(a×b/c)×sinoを計算するステップ;
e)オフセット角度110、δ=90−(β+o/2)を計算するステップ;
f)94(r)に関して、斜辺の長さ114、x=r/sin(o/2)を計算するステップ;
g)内側半径94(r)を計算するステップであって、ここで、cosδ=(r+H−(H−T))/xであり、r=((H−(H−T))×sin(o/2))/(cosα−sin(o/2))である、計算するステップ;
を含む、内側半径rを計算するステップ;
14)試験ワーク118の内面からの中立線の距離、t=((2×tan(o/2)×(T+r)−BD)/((π/180)×o))−rを計算するステップ;
15)図1及び図2に示されているような、仕上がった内角122(o)を有する実際のワークのベンド展開長補正、BD=2×tan(o/2)(T+r)−(t+r)(π/180)×oを計算するステップ;
16)所望の外側フランジ長130(A)及び134(B)を有するワークの開始長126、L=A+B−BDを計算するステップ;並びに
17)板金構造14に曲げる前(10)に開始長126(L)を板金ワークに適用するステップ
を含む。
【0038】
7)また更なる変形形態では、内角oを求めるステップは:
1)図10及び図11に示されているような、第1の脚部38の外縁60から第2の脚部42の外縁64まで延在する線138(C)の長さを測定するステップ;及び
2)内角34、o=180−sin−1(H/C)−sin−1(H/C)を計算するステップ
を更に含む。
【0039】
8)別の変形形態では、第1の脚部の長さ46(H)、第2の脚部の長さ50(H)及び第1の線62(H)の長さを測定するとともに記録するステップは、ノギスを用いて長さ46(H)、50(H)及び62(H)を測定することを更に含む。
【0040】
9)また別の変形形態では、第1の脚部の長さ46(H)、第2の脚部の長さ50(H)及び第1の線62(H)の長さを測定するとともに記録するステップは、光走査及び画像処理技術を用いて長さ46(H)、50(H)及び62(H)を測定することを更に含む。
【0041】
10)また別の変形形態では、第1の脚部の長さ46(H)、第2の脚部の長さ50(H)及び第1の線62(H)の長さを測定するとともに記録するステップは、ハイトゲージを用いて長さ46(H)、50(H)及び62(H)を測定することを更に含む。
【0042】
鈍角の内角又は鋭角の内角を有して成形される試験ワークを用いて、板金構造に曲げる前(10)の板金ワークの開始寸法を求める方法を、特定の実施形態を参照して説明した。添付の特許請求の範囲の主旨及び範囲から逸脱することなく他の変更及び改良をなすことができる。
図1
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図11