(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1織物基材、第1水溶性アクリル層、ホットメルトウェブ接着剤、多孔性基材、ホットメルトパウダー接着剤またはホットメルトウェブ接着剤、第2水溶性アクリル層、第2織物基材の順に積層、
すなわち、第1織物基材の下に、第1水溶性アクリル層を、第1水溶性アクリル層の下に、ホットメルトウェブ接着剤を、ホットメルトウェブ接着剤の下に多孔性基材を、多孔性基材の下にホットメルトパウダー接着剤またはホットメルトウェブ接着剤を、ホットメルトパウダー接着剤またはホットメルトウェブ接着剤の下に第2水溶性アクリル層を、第2水溶性アクリル層の下に第2織物基材を積層し、
前記多孔性基材はナノ繊維が蓄積して形成された多数の気孔を有するナノ繊維ウェブ、不織布およびこれらの積層構造のうちいずれか一つであることを特徴とする透湿防水生地。
前記ホットメルトパウダー接着剤はウレタン(urethane)系、ポリアミド(Polyamide)系、ポリエチレン(polyethylene)系、EVA系、ポリエステル(polyester)系、およびPVC系のうちいずれか一つの素材からなることを特徴とする請求項1または2に記載の透湿防水生地。
前記ホットメルトウェブ接着剤はポリアミド(Polyamide)系、ポリエステル(Polyester)系、ポリウレタン(Polyurethane)系、ポリオレフィン(Polyolefine)系およびEVA(Ethylene Vinyl Acetate)系のうちいずれか一つの素材からなることを特徴とする請求項1または2に記載の透湿防水生地。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の実施のための具体的な内容について説明する。
【0025】
本発明では空気が流れる通路を有する固体状態(以下、‘固形状’という)のホットメルト(Hot melt)接着剤で織物基材と多孔性基材とを接着して透湿防水生地を実現することによって、織物基材と多孔性基材の接着面積を減らし、相対的に透湿機能を遂行する面積を増加させて、透湿効率を向上させることができる。
【0026】
ここで、固形状のホットメルト接着剤は後述する第1ないし第3実施例の生地に適用されたホットメルトパウダーまたは熱接着が可能な繊維が蓄積して形成された多数の気孔を有するホットメルトウェブを使用することができる。
【0027】
そして、多孔性基材はナノ繊維が蓄積して形成された多数の気孔を有するナノ繊維ウェブ、不織布およびこれらの積層構造のうちいずれか一つを適用することができる。
織物基材はファブリック(fabric)のような生地でカジュアル服、スポーツウェアなどを製造するための全ての素材を含む。
【0028】
図1aおよび
図1bを参考にすれば、本発明の第1実施例による透湿防水生地の製造方法はファブリック(fabric)のような織物基材100に固形状のホットメルト(Hot melt)接着剤パターン110を形成する(
図1a)。その後、高分子物質からなるナノ繊維によって蓄積して形成された微細多気孔構造を備えたナノ繊維ウェブ200を固形状のホットメルト接着剤パターン110を利用して、織物基材100に熱接着する(
図1b)。
【0029】
ここで、固形状のホットメルト接着剤パターン110は
図2および
図3に示されているように、織物基材100に相互離隔されている固形状のホットメルトパウダー接着剤からなるドット型パターンで実現することが望ましい。このとき、固形状のホットメルト接着剤を織物基材100にパターン形状にコーティングした後、冷却させれば、固形状のホットメルト接着剤パターン110が形成される。
【0030】
このように、本発明では固形状のホットメルト接着剤パターンで織物基材にナノ繊維ウェブを熱接着することによって、織物基材とナノ繊維ウェブの局部的な領域にだけ接着用固形状のホットメルト接着剤パターンが位置して織物基材とナノ繊維ウェブの接着面積を減らして透湿機能を遂行する面積を増加させることによって、透湿効率を向上させることができる。
【0031】
一方、従来技術では織物基材に液状接着剤をスプレーした後、ナノ繊維ウェブを熱ロールで加熱およびプレスして接着する場合、スプレーされた液状接着剤の分布が均一でなく、局部的な領域に集中的に液状接着剤が塗布されて、生地の特定領域の透湿効率が相対的に低下するなど透湿効率が均一ではないし、スプレーされた液状接着剤が織物基材の大部分の領域に入り込んで透湿を妨害する問題点があったが、本発明はこの問題点を解決することに技術的特徴がある。
【0032】
固形状のホットメルト接着剤パターン110は熱可塑性でウレタン(urethane)系、ポリアミド(Polyamide)系、ポリエチレン(polyethylene)系、EVA系、ポリエステル(polyester)系、PVC系のうちいずれか一つを使用することができる。
【0033】
そして、ナノ繊維ウェブ200は高分子物質と溶媒とを混合した紡糸溶液を電気紡糸してナノ繊維を作って、このナノ繊維を積層させて形成する。
【0034】
ここで、本発明に適用される電気紡糸方法は一般電気紡糸(electrospinning)、空気電気紡糸(AES:Air−Electrospinning)、遠心電気紡糸(centrifugal electrospinning)、およびフラッシュ電気紡糸(flash electrospinning)のうちいずれか一つを使用することができる。
【0035】
本発明で使用される高分子物質としては電気紡糸が可能なもので、例えば、親水性高分子と疎水性高分子などが挙げられ、このような高分子を1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0036】
本発明で使用可能な高分子物質としては、電気紡糸のために有機溶媒に溶解でき、電気紡糸によってナノ繊維を形成することができる樹脂であれば特に制限されない。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ(ビニリデンフルオライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)、パーフルオロポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンまたはこれらの共重合体、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルおよびポリエチレングリコールジアルキルエステルを含むポリエチレングリコール誘導体、ポリ(オキシメチレン−オリゴ−オキシエチレン)、ポリエチレンオキサイドおよびポリプロピレンオキシドを含むポリオキシド、ポリビニルアセテート、ポリ(ビニルピロリドン−ビニルアセテート)、ポリスチレンおよびポリスチレンアクリロニトリル共重合体、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアクリロニトリルメチルメタクリレート共重合体を含むポリアクリロニトリル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート共重合体またはこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
また、使用可能な高分子物質としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのような芳香族ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジフェノキシホスファゼン、ポリ{ビス[2−(2−メトキシエトキシ)ホスファゼン]}のようなポリホスファゼン類、ポリウレタンおよびポリエーテルウレタンを含むポリウレタン共重合体、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオン酸塩などが挙げられる。
【0038】
前記高分子物質の中でPAN、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエステルスルホン(PES:Polyester Sulfone)、ポリスチレン(PS)を単独で使ったり、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とポリアクリロニトリル(PAN)を混合したり、PVdFとPES、PVdFと熱可塑性ポリウレタン(TPU:Thermoplastic Polyurethane)を混合して使用することができる。
【0039】
したがって、本発明で使用可能な高分子は電気紡糸が可能な熱可塑性および熱硬化性高分子で、特に制限されない。
【0040】
紡糸溶液の製造時に高分子物質は5〜22.5重量%が望ましい。
【0041】
ここで、高分子物質の含有量が5重量%未満の場合、繊維状の形成が困難であり、紡糸(spinning)せずに噴射(Spray)されて繊維ではないパーティクル(particle)が形成されたり紡糸されてもビード(bead)が多く形成され、溶媒がよく揮発しなくてウェブのカレンダー工程時にナノ繊維ウェブが溶けて気孔が詰まる現象が発生することになる。また、高分子物質の含有量が22.5重量%を超過する場合、粘度が上昇して溶液表面に固化が起きて長時間紡糸することが困難であり、繊維直径が増加してマイクロメーター以下の繊維状を作ることができない。
【0042】
紡糸溶液を用意するために高分子物質と混合する溶媒としては単成分系溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF:dimethylformamide)を使用することが可能であり、2成分系溶媒を使用する場合には沸騰点(BP:boiling point)が高いものと低いものとを混合した2成分系溶媒を使用することが好ましい。
【0043】
本発明による2成分系混合溶媒は高沸騰点溶媒と低沸騰点溶媒を重量比で7:3ないし9:1範囲で混合して使用することが好ましい。高沸騰点溶媒が7未満になると高分子が完全溶解できない問題があり、9を超えると低沸騰点溶媒が少なすぎて紡糸された繊維から溶媒がよく揮発しなくてウェブ(web)の形成が円滑でない問題が発生する。
【0044】
もし、沸騰点の高い溶媒(solvent)のみ使用する場合、紡糸(spinning)せずに噴射(Spray)されて繊維ではないパーティクル(particle)が形成されたり紡糸されてもビード(bead)が多く形成され、溶媒がよく揮発しなくてウェブのラミネーション工程時に部分的に溶融が起きて、気孔が詰まる現象が発生することになる。
【0045】
また、沸騰点が低い溶媒だけを使用すると溶媒の揮発が非常に急速に起きるため、紡糸ノズルのニードル(needle)に小繊維(fiber)が多く生成されて紡糸トラブルの原因に作用することになる。
【0046】
本発明では高分子物質がそれぞれPESとPVdFである場合、2成分系混合溶媒は、例えば、高沸騰点溶媒としてDMAc(N、N−Dimethylacetoamide:BP−165℃)と低沸騰点溶媒としてアセトン(acetone:BP−56℃)を重量比で9:1に混合して使用することができ、また、高分子物質がそれぞれPEIとPVdFである場合、NMP(N−methylpyrrolidone:BP−202〜204℃)とTHF(Terahydrofuran:BP−67℃)を重量比で9:1に混合して使用することができる。
【0047】
この場合、2成分系混合溶媒と全体高分子物質との混合比率は重量比で約8:2に設定することが望ましい。
【0048】
前記高分子物質と溶媒とを混合した紡糸溶液をマルチ−ホール紡糸パックを利用して電気紡糸した後、多層に形成されたナノ繊維ウェブを得て熱圧着工程、例えば、カレンダリングを行う。
【0049】
ここで、カレンダリングは高温高圧でほぼ70〜190℃で行いナノ繊維ウェブの気孔サイズが0.8μm以下となるようにする。
【0050】
本発明ではナノ繊維ウェブを形成するとき、ナノ繊維の蓄積量を5gsm乃至10gsm、特に2.5レイヤーでは5gsm未満、好ましくは2gsm乃至3gsm範囲に設定して低重量のナノ繊維が蓄積されて軽量化されたナノ繊維ウェブを形成し、軽量化されたナノ繊維ウェブを固形状のホットメルト接着剤パターンで織物基材に接着することによって、透湿防水生地の重量および製造費用を減少することができる。
【0051】
図4を参考にすれば、ホットメルト接着剤パターンが織物基材100にコーティングされた後、後述するヒーティングトンネル(heating tunnel)を通過しながら印加された熱によって織物基材100に接したホットメルト接着剤パターン領域110aが融解して織物基材100に入り込むことになる。その後、ヒーティングトンネルを通過した後、ホットメルト接着剤を冷却させれば、ホットメルト接着剤パターンは固体状態となり、織物基材100に接したホットメルト接着剤パターン領域110aは織物基材100の内側に浸透しており、固形状のホットメルト接着剤パターン110と織物基材100の接着強度が優れることになる。
【0052】
前述したように、本発明では固体状態のホットメルト接着剤がマイクロドット形態に織物基材に塗布されており、ナノ繊維ウェブとの接着力を向上させることができる。
【0053】
また、本発明では無色、無味、無臭の熱可塑性のホットメルト接着剤を適用して、人体に無害で通気性に優れ、無公害、無毒性、ソルベント成分がない親環境的な工程を行うことができる。
【0054】
さらに、本発明ではパターン形状の固形状のホットメルト接着剤で織物基材とナノ繊維ウェブを接着することによって、黄変、汚染、漂白や歪みなどの現象が発生しないという長所がある。
【0055】
図5は本発明の第1実施例により織物基材に固形状のホットメルト接着剤パターンを形成するための装置の概略的な構成図である。
【0056】
図5を参考にすれば、織物基材に固形状のホットメルト接着剤パターンを形成するための装置はヒーティングロール310、311、コーティングロール320、供給ノズル330、ヒーティングトンネル350、冷却ロール361、362、ガイドロール371、372、373、374、および巻取ロール380を含んで構成される。
【0057】
ヒーティングロール310、311はコーティングロール320でホットメルトパウダー接着剤のコーティングが円滑に行われるように、ホットメルト接着剤がコーティングされる前に織物基材100の温度を高める。
【0058】
コーティングロール320にはロール面に相互離隔されているグラビアコーティング用ホール(図示せず)が多数形成されており、このグラビアコーティング用ホールには供給ノズル330から噴射されたホットメルトパウダー接着剤が挿入安着される。このとき、コーティングロール320に織物基材100がローリングされると、グラビアコーティング用ホールに安着されたホットメルトパウダー接着剤は織物基材100に転写してコーティングされる。コーティングロール320を所定温度で加熱した状態でホットメルトパウダー接着剤のコーティングを行うこともできる。ここで、ホットメルトパウダー接着剤の大きさは1μm−100μmが好ましく、さらに好ましくは20μm−30μmである。そして、ホットメルトパウダー接着剤がグラビアコーティング用ホールによく安着できるように、グラビアコーティング用ホールの大きさはホットメルトパウダー接着剤の大きさより大きく設計する。また、ホットメルトパウダー接着剤はグラビアコーティング用ホールと一対一に対応してグラビアコーティング用ホールに安着できるように設計される。
【0059】
ヒーティングトンネル350はホットメルトパウダー接着剤と織物基材100の接着強度を向上させるために、ホットメルトパウダー接着剤がコーティングされた織物基材100を通過させる。
【0060】
冷却ロール361、362は中心に貫通ホールが形成されており、この貫通ホールに冷却水を流れるようにすることによって、冷却ロール361、362に織物基材100がローリングされるとき、織物基材100にコーティングされたホットメルトパウダー接着剤が冷却されて固体状態となる。
【0061】
ガイドロール371、372、373、374は織物基材100が平坦化されるようにガイドし、巻取ロール380で織物基材100は巻き取られる。
【0062】
したがって、織物基材に固形状のホットメルト接着剤パターンを形成するための装置の動作を説明すれば、まず、織物基材100がヒーティングロール310、311に供給されて加熱した後、コーティングロール320でホットメルトパウダー接着剤がパターン形状に織物基材100にコーティングされる。このとき、コーティングロール320にはグラビアコーティング用ホールが多数形成されており、このグラビアコーティング用ホールには供給ノズル330から噴射されたホットメルトパウダー接着剤が挿入される。
【0063】
このとき、コーティングロール320に織物基材100が供給され、グラビアコーティングホールに挿入されているホットメルトパウダー接着剤はコーティングロール320がローリングしながら織物基材100に転写してコーティングされる。次に、ホットメルトパウダー接着剤がコーティングされた織物基材100をヒーティングトンネル350に通過させて、織物基材100に接着されたホットメルトパウダー接着剤の接着強度を増加させる。その後、ヒーティングトンネル350を通過した織物基材100を冷却ロール361、362にローリングさせて、前記ヒーティングトンネル350を通過したホットメルトパウダー接着剤を冷却させることによって、固体状態に変化する。つまり、冷却ロール361、362でホットメルトパウダー接着剤は冷却されて固体状態となり、織物基材100には固形状のホットメルト接着剤パターンが形成される。以降、織物基材100はガイドロール371、372、373、374を経て巻取ロール380で巻き取られる。
【0064】
図6は本発明の第1実施例によりナノ繊維ウェブを製造するための電気紡糸装置の概略的な構成図である。
【0065】
本発明の電気紡糸装置は、高分子物質と溶媒とを混合した紡糸溶液が貯蔵されるミキシングタンク(Mixing Tank)10と、高電圧発生器が連結されミキシングタンク10と連結されてナノ繊維ウェブ70を形成する多数の紡糸ノズル21、22、23と、多数の紡糸ノズル21、22、23の下側に配置されてナノ繊維ウェブ70が順次に積層されるコレクタ50とを含む。
【0066】
ミキシングタンク10には紡糸溶液を均一に混合し紡糸溶液が一定の粘度を維持させる空圧を利用したミキシングモータ12を駆動源として使用する撹拌機11が内蔵される。
【0067】
本発明では多数の紡糸ノズル21、22、23ごとにエアー噴射させてナノ繊維をエアーが捕集し蓄積することによって、剛性の高いナノ繊維ウェブを製造でき、ナノ繊維が飛ばされて発生できる紡糸トラブルが減少できる。
【0068】
コレクタ50と多数の紡糸ノズル21、22、23の間には90〜120Kvの高電圧静電気力が印加されることによって、ナノ繊維30が紡糸されてコレクタにナノ繊維30が捕集されてナノ繊維ウェブ70を形成する。コレクタ50はトランスファシート(図示せず)上部にナノ繊維ウェブ70が形成されるようにトランスファシートを自動的に移送させるコンベヤーが用いられ、コレクタ50の前方には紙トランスファシートが巻かれたトランスファシートロール(図示せず)が配置されてコレクタ50の上面にトランスファシートが供給される。そして、コレクタ50の後方にはナノ繊維ウェブ70を加圧(カレンダリング)して表面を平坦化することができる加圧ロール(図示せず)が備えられる。
【0069】
したがって、本発明ではトランスファシートを使ってナノ繊維を紡糸することによって、多孔性ナノ繊維ウェブに含まれている残留溶剤(solvent)を吸収することになり、よって、ナノ繊維が残留溶剤によって再び溶ける現象を防止し、また、残留溶剤の量を適切に調節できることになる。
【0070】
前記トランスファシートは例えば、紙、または混合紡糸溶液の紡糸の際にこれに含まれている溶媒によって溶解が行われない高分子材料からなる不織布、PE、PPなどのポリオレフィン系フィルムを使用することができる。多孔性ナノ繊維ウェブ自体だけからなる場合、引張強度が低くて高い移送速度をもって移送されながら乾燥工程、カレンダリング工程および捲線工程が行われるのが難しい。
【0071】
さらに、多孔性ナノ繊維ウェブを製造した後、織物基材との熱接着工程を高い移送速度をもって連続的に実行しにくいが、前記トランスファシートを利用する場合、十分な引張強度を提供することによって工程処理速度を大きく高めることができる。そして、多孔性ナノ繊維ウェブと織物基材を熱接着する前にトランスファシートを除去する。
【0072】
また、多孔性ナノ繊維ウェブだけを使用する場合、静電気によって他物体にくっつく現象が発生して作業性が低下することになるが、トランスファシートを利用する場合にはこのような問題を解決することができる。前記トランスファシートは織物基材との熱接着工程を経た後、剥離して除去される。
【0073】
また、本発明では低重量の多孔性ナノ繊維ウェブを織物基材と熱接着することによって、生地の透湿防水効果を向上させることができるだけでなく、軽量化された生地を実現することができる。
【0074】
図7a乃至
図7cは本発明の第1実施例による透湿防水生地を製造する方法の第1変形例を説明するための概念的な断面図であり、
図8は本発明の第1実施例による透湿防水生地を製造する方法の第2変形例を説明するための概念的な断面図である。
【0075】
図7a乃至
図7cを参考にすれば、本発明の第1実施例による透湿防水生地を製造する方法の第1変形例は、織物基材100に水溶性アクリル層105を形成し(
図7a)、その水溶性アクリル層105に固形状のホットメルト接着剤パターン110を形成する(
図7b)。次に、高分子物質からなるナノ繊維によって蓄積されて微細多気孔構造を備えたナノ繊維ウェブ200を織物基材100に熱接着する(
図7c)。
【0076】
このような水溶性アクリル層105は織物基材100の一面全体または一部に形成することができ、織物基材100の一面一部に水溶性アクリル層105を形成する場合、固形状のホットメルト接着剤パターン110と同一パターン形状に形成することができる。このとき、水溶性アクリル層105のパターンのサイズは固形状のホットメルト接着剤パターン110より大きく形成して固形状のホットメルト接着剤パターン110が織物基材100に接着せず、水溶性アクリル層105のパターンに接着するように設計することができる。
【0077】
本発明の第1変形例によって製造された透湿防水生地は固形状のホットメルト接着剤パターン110と織物基材100の間に水溶性アクリル層105が介在しており、水溶性アクリル層105は固形状のホットメルト接着剤パターン110と織物基材100との接着強度が高いため、外力による固形状のホットメルト接着剤パターン110が剥離されることを防止することができる。
【0078】
図8を参考にすれば、本発明の第1実施例による透湿防水生地を製造する方法の第2変形例は、ナノ繊維ウェブ200にナノ繊維状接着剤を電気紡糸したり、またはナノビード型接着剤を電気噴射して、ナノ繊維ウェブ200と織物基材100との間に固形状のホットメルト接着剤パターン110とナノ繊維状接着剤またはナノビード型接着剤120を介在して熱接着することである。ここで、ナノ繊維状接着剤、またはナノビード型接着剤120は固形状のホットメルト接着剤パターン110の間、つまり、固形状のホットメルト接着剤パターン110が存在しないナノ繊維ウェブ200と織物基材100との間の領域に位置することが望ましい。織物基材100に固形状のホットメルト接着剤パターン110を形成する工程とナノ繊維ウェブ200にナノ繊維状接着剤またはナノビード型接着剤120を形成する工程が個別に行われることによって、このような個別工程によってナノ繊維状接着剤またはナノビード型接着剤120は固形状のホットメルト接着剤パターン110と重なることもできる。
【0079】
また、本発明では接着剤および溶媒を混合した紡糸溶液または噴射溶液を製造し、前述した
図6の電気紡糸装置を利用して、
図9aのような噴射ノズル25から噴射溶液を噴射してナノビード型接着剤121をナノ繊維ウェブ200に接着し、
図9bに示されたような紡糸ノズル26から紡糸溶液を噴射してナノ繊維状接着剤122をナノ繊維ウェブ200に接着する。
【0080】
ここで、接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂とラバー(rubber)系接着剤のうちいずれか一つを使用することができる。
【0081】
ナノ繊維ウェブ200と織物基材100とを固形状のホットメルト接着剤パターン110によって接着するとき、ナノ繊維状接着剤またはナノビード型接着剤はナノ繊維ウェブ200と織物基材100との間に介在して接着されることによって、ナノ繊維ウェブ200と織物基材100との接着強度は向上する。
【0082】
図10は本発明の第1実施例による透湿防水生地を製造する方法の第3変形例を説明するための概念的な断面図である。
【0083】
図10を参考にすれば、本発明の第3変形例の製造方法は、織物基材100、固形状のホットメルト接着剤パターン110、ナノ繊維ウェブ200、トップコーティング層250および印刷パターン層270が順次に積層されている2.5レイヤー生地を製造することである。
【0084】
つまり、本発明の第1実施例による透湿防水生地を製造する方法の第3変形例は、まず、第1実施例で製造された
図1bの透湿防水生地のナノ繊維ウェブ200にトップコーティング層250を形成する。トップコーティング層250は親水性PUをフィルム形態に付着したり薄膜コーティングをして形成することであり、厚さは5μm−10μmであり、このトップコーティング層を形成する理由は、後続工程で最上層の印刷パターンがよく印刷されるように(よく上がるように)するためである。このとき、ナノ繊維ウェブを5gsm、好ましくは2gsm−3gsm重量で形成することによって、製造費用を節減することができる。その後、トップコーティング層250にグラビア印刷などの方法で印刷パターン層270を形成する。
【0085】
図11は本発明の第2実施例による透湿防水生地の概念的な断面図であり、
図12は本発明の第2実施例による透湿防水生地に適用されたホットメルトウェブ接着剤を説明するために一部を模式的に示す図である。
【0086】
図11を参考にすれば、本発明の第2実施例による透湿防水生地は、織物基材1100、前記織物基材1100に接着しており、多数の気孔を有するホットメルトウェブ接着剤1110、および前記ホットメルトウェブ接着剤1110に接着しており、多数の気孔を備えた多孔性基材1120を含む。
【0087】
ここで、ホットメルトウェブ接着剤1110は
図12に示されているように、ホットメルト物質からなる繊維1111が蓄積された多数の気孔1112を有するウェブ形態であり、固体状態のシート形状を有する。
【0088】
ホットメルトウェブ接着剤1110はポリアミド(Polyamide)系、ポリエステル(Polyester)系、ポリウレタン(Polyurethane)系、ポリオレフィン(Polyolefine)系およびEVA(Ethylene Vinyl Acetate)系のうちいずれか一つの素材からなることができる。
【0089】
そして、ホットメルトウェブ接着剤1110の融点(melting point)は150℃以下であることが好ましく、溶融指数(melt index)は5〜500cm
3/10minであることが好ましい。
【0090】
つまり、溶融指数が5cm
3/10min以下である場合、ホットメルトウェブ接着剤1110と織物基材1100と多孔性基材1120との接着力が低下し、500cm
3/10min以上である場合は溶融したホットメルトウェブ接着剤1110が織物基材1100および多孔性基材1120に浸透して耐水圧が低下する。
【0091】
このように、本発明ではホットメルトウェブ接着剤1110を織物基材1100と多孔性基材1120との間に介在した後、織物基材1100と多孔性基材1120とをホットメルトウェブ接着剤1110で熱接着して透湿防水生地を実現することである。
【0092】
したがって、本発明による透湿防水生地は、ホットメルトウェブ接着剤1110の気孔および多孔性基材1120の気孔を備えているので、通気性に優れており、透湿効率および防水効率を向上させることができる。
【0093】
ここで、多孔性基材1120の気孔は透湿および防水機能を実質的に遂行することで、透湿および防水機能を遂行するための適切な大きさを持たなければならないし、ホットメルトウェブ接着剤1110の気孔は多孔性基材1120の気孔を通して抜け出した湿気が円滑に通過できるほどの大きさを持たなければならない。
【0094】
このとき、ホットメルトウェブ接着剤1110の気孔は多孔性基材1120の気孔より大きいことが好ましい。ここで、ホットメルトウェブ接着剤1110の気孔の大きさは100〜10000μmであり、多孔性基材1120の気孔の大きさは0.8μm以下であることが好ましい。
【0095】
つまり、ホットメルトウェブ接着剤1110は融解して接着に参加することになるが、融解したホットメルト物質が気孔を閉鎖すれば透湿機能が低下できるので、ホットメルトウェブ接着剤1110の気孔の大きさは融解したホットメルト物質が気孔を閉鎖しないほどの大きさを持たなければならないので、多孔性基材1120の気孔より大きく設定した方が良い。
【0096】
そして、ホットメルトウェブ接着剤1110の繊維直径は10〜100μmであり、多孔性基材1120のナノ繊維の直径は0.5〜1.5μmであることが好ましく、ホットメルトウェブ接着剤1110の繊維の蓄積量は10〜20gsmであり、多孔性基材1120の蓄積量は5gsm未満であることが好ましい。
【0097】
このように、本発明ではシート化されたホットメルトウェブ接着剤を織物基材および多孔性基材に接着して、接着面積を増加させて織物基材と多孔性基材との接着強度を向上させることによって、織物基材から多孔性基材が剥離される現象を防止することができる。
【0098】
図13を参考にすれば、本発明の第2実施例による透湿防水生地の製造方法は、まず、ホットメルトウェブ接着剤を織物基材と多孔性基材との間に介在して積層構造を実現する(S100)。その後、前記積層構造をカレンダリングして熱接着させる(S110)。
つまり、前記(S110)段階はホットメルトウェブ接着剤を融解して織物基材と多孔性基材とを熱接着することである。
【0099】
ここで、多孔性基材はナノ繊維によって集積されて多数の気孔を有するナノ繊維ウェブ、不織布およびこれらの積層構造のうちいずれか一つを使用することができる。
そして、前記(S110)段階は、
図14に示されているように、熱が印加されるローラ1251、1252の間を積層構造1200が通過しながらカレンダリング工程が行われる。
【0100】
ここで、ローラ1251、1252で印加された熱は積層構造をなす織物基材と多孔性基材との間に介在したホットメルトウェブ接着剤を融解し、ホットメルトウェブ接着剤で融解したホットメルト物質は織物基材と多孔性基材にそれぞれ接着される。
【0101】
このとき、積層構造1200がローラ1251、1252を通過するとき、積層構造1200にローラ1251、1252から瞬間的に熱が印加されるため、積層構造1200の織物基材および多孔性基材それぞれに接しているホットメルトウェブ接着剤領域が溶けるようになり、積層構造1200がローラ1251、1252を通過した後、冷却されながら溶けたホットメルトウェブ接着剤領域は織物基材と多孔性基材それぞれに接着される。
【0102】
ここで、織物基材と多孔性基材それぞれと境界面に位置したホットメルトウェブ接着剤領域は溶けて接着工程に参加し、ホットメルトウェブ接着剤の内側領域は溶けていないので接着工程に参加しないことになる。
【0103】
このように、融解したホットメルトは織物基材の表面の所定領域に浸透して、ホットメルトウェブ接着剤と織物基材、およびホットメルトウェブ接着剤と多孔性基材との接着強度をさらに増加させて、本発明の透湿防水生地が剥離されることを防止することができて信頼性が向上する。
【0104】
前述した通り、本発明ではホットメルトウェブ接着剤で織物基材と多孔性基材とを接着して接着面積を増加させることによって、織物基材と多孔性基材との接着力を向上させることができる。
【0105】
図15は本発明により織物基材と多孔性基材とを固形状のホットメルトウェブ接着剤で接着するためのカレンダーロールタイプの装置構成図であり、
図16は本発明により織物基材と多孔性基材とを固形状のホットメルトウェブ接着剤で接着するための平板ラミネーティングタイプの装置構成図である。
【0106】
本発明では、織物基材と多孔性基材との間に介在したホットメルトウェブ接着剤が融解して織物基材と多孔性基材とを接着する工程を
図15のようなカレンダーロールタイプの装置または
図16のような平板ラミネーティングタイプの装置で行うことができる。
【0107】
つまり、カレンダーロールタイプの装置を利用した工程は、第1ないし第3供給ロール1201、1202、1203に巻き取られた織物基材1201a、固形状のホットメルトウェブ接着剤1202aおよび多孔性基材1203aをガイドバー1211、1222、1223および駆動ロール1231、1232によって積層して熱が印加されるカレンダーロール1253a、1253bにフィーディング(feeding)する。
【0108】
その後、カレンダーロール1253a、1253bで印加された熱によって固形状のホットメルトウェブ接着剤1202aを融解した後、駆動ロール1261、1262、1263にローリングされながら冷却ファン1270に印加された冷風によって融解した固形状のホットメルトウェブ接着剤1202aを冷却して織物基材1201aと多孔性基材1203aに接着した後、巻取ロール1280で巻き取る工程を行う。
【0109】
ここで、固形状のホットメルトウェブ接着剤1202aが融解すれば織物基材1201aと多孔性基材1203aの表面に接触および浸透し、冷風が印加された固形状のホットメルトウェブ接着剤1202aは融解した状態に冷却されて織物基材1201aと多孔性基材1203aの表面に固着することで、織物基材1201aと多孔性基材1203aとの間に介在した固形状のホットメルトウェブ接着剤1202aは融解および冷却で織物基材1201aと多孔性基材1203aとを接着させることができる。
【0110】
そして、平板ラミネーティングタイプの装置での工程は、平板形状のヒーティングおよびクーリング装置1295を利用することで、まず、第4ないし第6供給ロール1291、1292、1293に巻き取られた織物基材1291a、固形状のホットメルトウェブ接着剤1292aおよび多孔性基材1293aをヒーティングおよびクーリング装置1295のヒーティングおよびクーリングトンネル1295aにフィーディングする。このとき、織物基材1291a、固形状のホットメルトウェブ接着剤1292aおよび多孔性基材1293aは積層された状態でヒーティングおよびクーリングトンネル1295aにフィーディングされる。
【0111】
一方、ヒーティングおよびクーリングトンネル1295aには入口から出口までヒーター1295b、圧着ロール1295cおよびクーラー1295dが順次的に配置されている。
【0112】
したがって、織物基材1291a、固形状のホットメルトウェブ接着剤1292aおよび多孔性基材1293aの積層構造がヒーティングおよびクーリングトンネル1295aを通過すれば、溶融、圧着および冷却工程が遂行されて織物基材1291aおよび多孔性基材1293aは固形状のホットメルトウェブ接着剤1292aによって接着される。
【0113】
つまり、ヒーティングおよびクーリングトンネル1295aの入口に、積層された織物基材1291a、固形状のホットメルトウェブ接着剤1292aおよび多孔性基材1293aをフィーディングすれば、コンベヤーベルト1294によって積層された織物基材1291a、固形状のホットメルトウェブ接着剤1292aおよび多孔性基材1293aはヒーティングおよびクーリングトンネル1295aを通過することになる。このとき、まず、ヒーティングおよびクーリングトンネル1295aの入口領域に位置したヒーター1295bの熱は固形状のホットメルトウェブ接着剤1292aを溶融させ、その後、ヒーティングおよびクーリングトンネル1295aの中心領域に配置された圧着ロール1295cで積層構造をラミネーティングし、ヒーティングおよびクーリングトンネル1295aの出口領域に設けられたクーラー1295dで積層構造を冷却することによって、固形状のホットメルトウェブ接着剤1292aを織物基材1291aと多孔性基材1293aに接着する。
【0114】
次に、ヒーティングおよびクーリングトンネル1295aで織物基材1291aおよび多孔性基材1293aは固形状のホットメルトウェブ接着剤1292aで接着された本発明の透湿防水生地1296が巻き取られる。
【0115】
また、
図15のカレンダーロールタイプの装置では左側方向から右側方向に工程が進行し、
図16の平板ラミネーティングタイプの装置では右側方向から左側方向に工程が進行する。
【0116】
図17a乃至
図17cを参考にすれば、本発明の第2実施例による透湿防水生地の製造方法の変形例では、紡糸ノズル1020から紡糸溶液をキャリア部材1300に電気紡糸してナノ繊維1121aからなるナノ繊維ウェブ1120を形成する(
図17a)。
【0117】
ここで、キャリア部材1300としては離型紙、不織布、生地などが用いられ、キャリア部材1300はナノ繊維ウェブ1120の取り扱い性のためのベース基材への機能または外部の物理的な力によってナノ繊維ウェブ1120を保護する機能など他の付加的な機能を遂行するために使用される。
【0118】
その後、ナノ繊維ウェブ1120にホットメルトウェブ接着剤1110および織物基材1100を積層し、カレンダリングしてホットメルトウェブ接着剤1110でナノ繊維ウェブ1120と織物基材1100とを熱接着する(
図17b)。カレンダリングはキャリア部材1300、ナノ繊維ウェブ1120、ホットメルトウェブ接着剤1110および織物基材1100が積層された構造をローラ1251、1252に通過させることによって行われる。
【0119】
このとき、キャリア部材1300に電気紡糸して形成されたナノ繊維ウェブ1120、ホットメルトウェブ接着剤1110および織物基材1100それぞれはローラ1251、1252の間にフィーディング(feeding)しローラ1251、1252の間に積層されてカレンダリング工程を行うこともできる。
【0120】
次に、
図17cに示されているように、キャリア部材1300をナノ繊維ウェブ1120から離脱させて、ナノ繊維ウェブ1120、ホットメルトウェブ接着剤1110および織物基材1100からなる透湿防水生地の製造を完了する。
【0121】
このとき、キャリア部材1300が離型紙である場合、ナノ繊維ウェブ1120から離脱させることが望ましく、キャリア部材1300が不織布または生地である場合、ナノ繊維ウェブ1120から離脱させる工程を行わないこともある。
【0122】
図18を参照すれば、本発明の第3実施例による透湿防水生地は第1織物基材100、前記第1織物基材100に接着されており、多数の気孔を有するホットメルト(Hot melt)ウェブ110、前記ホットメルトウェブ接着剤110に一面が接着されており、多数の気孔を備えた多孔性基材120、前記多孔性基材120の他面に接着された固形状のホットメルト接着剤パウダー131、および前記固形状のホットメルト接着剤パウダー131が形成された第2織物基材130を含む。ここで、固形状のホットメルト接着剤パウダー131の代わりにホットメルトウェブ接着剤を使用することができる。
【0123】
第2織物基材130の製織密度は第1織物基材100の製織密度より相対的に低いことが望ましい。つまり、透湿防水生地を衣服に製品化した場合、第1織物基材100は外部に露出して衣服の外形状態に直接的な影響を与えるため、相対的に高い密度の製織状態を持たなければならないし、第2織物基材130は人体に近接して多孔性基材120を保護するための制限された機能だけを持っていれば良いので、製造コストを減らすために相対的に低い密度の製織状態を持った方が良い。このような理由で、第2織物基材130はバック(back)紙とも言える。
【0124】
したがって、本発明の第3実施例による透湿防水生地はホットメルトウェブ接着剤110および多孔性基材120が気孔を備えており、固形状のホットメルト(Hot melt)接着剤パウダー131が介在しているので、通気性に優れており、透湿効率および防水効率を向上させることができる。
【0125】
したがって、本発明の第3実施例では固形状のホットメルト接着剤パウダーで第2織物基材に多孔性基材を熱接着することによって、織物基材と多孔性基材の局部的な領域にだけ接着用固形状のホットメルト接着剤パウダーが位置して第2織物基材と多孔性基材の接着面積を減らして透湿機能を遂行する面積が増加することによって、透湿効率を向上させることができる。
【0126】
図19a乃至
図19cは本発明の第3実施例による透湿防水生地を製造する方法を説明するための概念的な断面図である。
【0127】
図19a乃至
図19cを参照すれば、本発明の第3実施例による透湿防水生地の製造方法では、まず、ホットメルトウェブ接着剤110を第1織物基材100と多孔性基材120との間に介在し、ホットメルトウェブ接着剤110が融解して第1織物基材100と多孔性基材120とを熱接着する(
図19a)。次に、第2織物基材130に固形状のホットメルト接着剤パウダー131を形成する(
図19b)。その後、固形状のホットメルト接着剤パウダー131が融解して、多孔性基材120を第2織物基材130に熱接着する(
図19c)。
【0128】
このように、本発明の第3実施例による透湿防水生地の製造方法ではホットメルトウェブ接着剤110と固形状のホットメルト接着剤パウダー131の融点が異なるように設定されることで、ホットメルトウェブ接着剤110が融解して第1織物基材100と多孔性基材120とを熱接着した後、固形状のホットメルト接着剤パウダー131を融解させて多孔性基材120を第2織物基材130に熱接着する。
【0129】
このとき、多孔性基材120を第2織物基材130に熱接着する工程で、第1織物基材100と多孔性基材120とを熱接着させたホットメルトウェブ接着剤110が融解しないように、ホットメルトウェブ接着剤110の融点は固形状のホットメルト接着剤パウダー131の融点より高いことが望ましい。
【0130】
つまり、第1織物基材100と多孔性基材120とを熱接着する工程は多孔性基材120を第2織物基材130に熱接着する工程より高い温度で行われる。
【0131】
図20a乃至
図20cは本発明の第3実施例による透湿防水生地を製造する方法の変形例を説明するための概念的な断面図である。
【0132】
図20a乃至
図20cを参照すれば、本発明の第3実施例による接着強度が向上した透湿防水生地の製造方法の変形例では第2織物基材130に固形状のホットメルト接着剤パウダー131を形成する(
図20a)。次に、固形状のホットメルト接着剤パウダー131が形成された第2織物基材130に多孔性基材120、ホットメルトウェブ接着剤110および第1織物基材100を順次に積層する(
図20b)。その後、ホットメルトウェブ接着剤110と固形状のホットメルト接着剤パウダー131を融解して第1織物基材100と多孔性基材120、および多孔性基材120と第2織物基材130を熱接着させる工程を行う(
図20c)。
【0133】
ここで、ホットメルトウェブ接着剤110と固形状のホットメルト接着剤パウダー131は同時に融解させることが望ましく、ホットメルトウェブ接着剤110と固形状のホットメルト接着剤パウダー131の融点は同じであることが望ましい。
【0134】
ここで、熱接着工程は、
図20cに示されているように、第1織物基材100、ホットメルトウェブ接着剤110、多孔性基材120、固形状のホットメルト接着剤パウダー131および第2織物基材130が積層された構造150をローラ251、252の間にフィーディング(feeding)し、ローラ251、252から印加された熱でホットメルトウェブ接着剤110と固形状のホットメルト接着剤パウダー131を融解させて第1織物基材100と多孔性基材120、および多孔性基材120と第2織物基材130を熱接着することが望ましい。
【0135】
図21および
図22は本発明の第3実施例による透湿防水生地の耐水圧と透湿度の評価結果を示す試験成績書である。
【0136】
まず、耐水圧と透湿度評価を遂行する本発明の第3実施例による第1透湿防水生地サンプル(試験成績書における#1)は電気紡糸で5gsmのPVDFナノ繊維ウェブを製造し、このナノ繊維ウェブを50denier dewspo生地(第1織物基材)に10gsmのポリアミド(polyamide)ホットメルトウェブ接着剤を熱カレンダーロールを使って120℃を印加して接着した後、20デニールトリコット(denier tricot)生地(第2織物基材)をこのナノ繊維ウェブに10gsmのポリアミド(polyamide)ホットメルトウェブ接着剤を使って120℃を印加して接着製造した。
【0137】
そして、本発明の第3実施例による第2透湿防水生地サンプル(試験成績における#2)は上述した第1透湿防水生地サンプル(試験成績書における#1)と同様な方法で製造し、接着温度を130℃に変更して製造した。
【0138】
このとき、使用されたポリアミドホットメルトウェブ接着剤は溶融温度110℃、溶融指数30cm
3/10minである製品を使った。
【0139】
このように製造された第1透湿防水生地サンプル(試験成績書における#1)および第2透湿防水生地サンプル(試験成績書における#2)は防水度と透湿度をチェックするために耐水圧はISO811:1981、低水圧法で実施し、水圧は60cmH
2O/分に増加させた。
【0140】
また、透湿度はJIS L 1099:2012、A−1法で測定し、このとき、透湿カップの面積は0.00283m
2、透湿カップの高さは25mm、吸湿剤はCALCIUM CHLORIDE(CaCl
2)、温度は40±2℃、相対湿度は90±5%で実施した。
【0141】
FITI(Friend of Industry Technology Information)試験研究院での試験成績書の評価結果、第1透湿防水生地サンプル(試験成績書における#1)および第2透湿防水生地サンプル(試験成績書における#2)はいずれも優れた耐水圧と透湿度を示し、これは本発明の透湿防水生地が既存の生地よりも優秀な特性を持っていることが証明されたことが分かる。
【0142】
以上、本発明を特定の望ましい実施例を例にあげて説明したが、本発明は前記実施例に限定されず本発明の精神を逸脱しない範囲内で当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変更と修正が可能であろう。