(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029022
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】知覚される光フリッカを低減した線形ドライバ
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
H05B37/02 J
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-543918(P2013-543918)
(86)(22)【出願日】2011年12月1日
(65)【公表番号】特表2014-503953(P2014-503953A)
(43)【公表日】2014年2月13日
(86)【国際出願番号】IB2011055399
(87)【国際公開番号】WO2012080890
(87)【国際公開日】20120621
【審査請求日】2014年11月28日
(31)【優先権主張番号】61/423,144
(32)【優先日】2010年12月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】タオ,ハイミン
【審査官】
三島木 英宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−079377(JP,A)
【文献】
特開2010−154656(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/024977(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光源に電力を供給するドライバであって、前記ドライバは:
入力及び出力を有する整流器であって、前記整流器は、自身の入力でAC電源電圧を受け、前記整流器の出力は前記少なくとも1つの光源に結合される、整流器;
前記整流器の出力に渡り結合されるキャパシタ;
を有し、
前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第1の部分の間、前記整流器の出力により駆動され、前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第2の部分の間、前記キャパシタにより駆動され、前記AC電源電圧の周期の前記第1及び第2の部分は、およそ同じ期間を有する、ドライバ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第3の部分の間は駆動されない、請求項1に記載のドライバ。
【請求項3】
前記キャパシタは、(1)第1のブランチであって、前記キャパシタに充電電流路を提供し及び前記キャパシタの放電電流が前記第1のブランチを流れるのを防ぐ、第1のブランチ;及び(2)前記キャパシタに制御された放電電流路を提供するスイッチング装置であって、前記スイッチング装置は、前記スイッチング装置が開のとき第1のインピーダンスを有し、前記スイッチング装置が閉のとき前記第1のインピーダンスより小さい第2のインピーダンスを有する、スイッチング装置;の並列の組合せと直列に、前記整流器の出力に渡り結合される、請求項1に記載のドライバ。
【請求項4】
前記整流器の入力に渡り互いに正反対に結合されたダイオードの対を更に有し、前記ダイオードの対の間のノードにおいて整流された電圧を前記少なくとも1つの光源及び前記キャパシタに供給する、請求項3に記載のドライバ。
【請求項5】
前記スイッチング装置を制御するよう構成される制御部を更に有し、前記制御部は、前記整流された電圧が閾電圧より大きいとき前記スイッチング装置が開になるよう制御し、前記整流された電圧が閾電圧より小さいとき前記スイッチング装置が閉になるよう制御する、請求項4に記載のドライバ。
【請求項6】
前記スイッチング装置は、前記整流された電圧が閾電圧より大きいとき開であり、前記スイッチング装置は、前記整流された電圧が閾電圧より小さいとき閉である、請求項4に記載のドライバ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの光源に直列に結合されるよう構成される線形電流レギュレータ、を更に有する請求項1に記載のドライバ。
【請求項8】
前記AC電源電圧は、約50Hz乃至60Hzの間の1次周波数を有し、前記ドライバは、零でないDC成分及びAC成分を有する電力を前記少なくとも1つの光源に供給し、前記1次周波数の4倍の周波数における前記AC成分の大きさは、前記1次周波数における前記AC成分の大きさよりも大きい、請求項1に記載のドライバ。
【請求項9】
少なくとも1つの光源に電力を供給するドライバであって、前記ドライバは:
前記少なくとも1つの光源に直列に結合された電流レギュレータ;
調整回路であって、約50Hz乃至60Hzの間の1次周波数を有するAC電源電圧を受信するよう構成され、受信した前記AC電源電圧を調整して前記少なくとも1つの光源に電力を供給するよう更に構成され、前記電力は、零でないDC成分及びAC成分を有し、前記1次周波数の4倍の周波数における前記AC成分の大きさは、前記1次周波数における前記AC成分の大きさよりも大きく、且つ前記1次周波数の2次高調波における前記AC成分の大きさよりも大きい、調整回路;
を有するドライバ。
【請求項10】
前記一次周波数の4倍の周波数における前記AC成分の大きさは、前記1次周波数における前記AC成分の大きさの少なくとも10倍である、請求項9に記載のドライバ。
【請求項11】
前記調整回路は:
前記AC電源電圧を受信するよう構成される整流器であって、前記整流器は、前記少なくとも1つの光源も接続されるバスに結合される第1の出力端子を有し、前記整流器は、グランドに結合される第2の出力端子を有する、整流器;
前記バスに結合される第1端及び第2端を有するキャパシタであって、前記第2端は、(1)第1のブランチであって、前記キャパシタに充電電流路を提供し及び前記キャパシタの放電電流が前記第1のブランチを流れるのを防ぐ、第1のブランチ;及び(2)前記キャパシタに制御された放電電流路を提供するスイッチング装置であって、前記スイッチング装置は、前記スイッチング装置が開のとき第1のインピーダンスを有し、前記スイッチング装置が閉のとき前記第1のインピーダンスより小さい第2のインピーダンスを有する、スイッチング装置;の並列の組合せに結合される、キャパシタ;
を有する、請求項9に記載のドライバ。
【請求項12】
前記AC電源電圧は、整流された電圧を生成するために整流され、前記スイッチング装置は、前記整流された電圧が閾電圧より大きいとき開であり、前記スイッチング装置は、前記整流された電圧が閾電圧より小さいとき閉である、請求項11に記載のドライバ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第1の部分の間、前記整流器により駆動され、前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第2の部分の間、前記キャパシタにより駆動され、前記AC電源電圧の周期の前記第1及び第2の部分は、およそ同じ期間を有する、請求項11に記載のドライバ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第3の部分の間は駆動されない、請求項13に記載のドライバ。
【請求項15】
少なくとも1つの光源を駆動する方法であって、前記方法は:
約50Hz乃至60Hzの間の1次周波数を有するAC電源電圧を受信するステップ;
受信した前記AC電源電圧に応答して、調整された電流源に直列に結合される前記少なくとも1つの光源に電力を供給するステップであって、前記電力は、零でないDC成分及びAC成分を有し、前記1次周波数の4倍の周波数における前記AC成分の大きさは、前記1次周波数における前記AC成分の大きさよりも大きく、且つ前記1次周波数の2次高調波における前記AC成分の大きさよりも大きい、ステップ;
を有する方法。
【請求項16】
前記受信したAC電源電圧を調整するステップは:
前記受信したAC電源電圧を整流器の入力に印加するステップであって、前記整流器は、前記少なくとも1つの光源も結合されるバスに結合される第1の出力端子を有し、前記整流器は、グランドに結合される第2の出力端子を有する、ステップ;
キャパシタの第2の端子をグランドに選択的に切り替えるステップであって、前記キャパシタの第1の端子は、前記バスに結合される、ステップ;
を有し、
前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第1の部分の間、前記整流器により駆動され、前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第2の部分の間、前記キャパシタにより駆動され、前記AC電源電圧の周期の前記第1及び第2の部分は、およそ同じ期間を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第3の部分の間は駆動されない、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して点灯装置のドライバ回路に関する。より詳細には、本願明細書に開示される種々の本発明の方法及び装置は、点灯装置のフリッカを低減する線形ドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)のような半導体光源に基づく照明装置は、従来の蛍光灯、HID及び白熱灯の実行可能な代案を提供する。LEDの機能上の利点及び利益は、高いエネルギ変換効率及び光学効率、耐久力、低い運転費、及びその他多数を含む。LED技術における最近の進歩は、多くの用途で種々の照明効果を可能にする効率的且つ堅牢な全スペクトルの照明ユニットを提供している。特定の照明ユニットは、異なる色、例えば赤、緑及び青を生成できる1又は複数のLED、及び種々の色及び色の変化する照明効果を生み出すためにLEDの出力を独立して制御するプロセッサを有する1又は複数の光源を特色とする。
【0003】
単純な線形ドライバ回路は、小型且つ低コストであるため、LEDドライバの分野で有意な興味を生じている。LED照明に関する最大関心事の1つは、人間の目により知覚できる光フリッカである。LEDは、非常に速い動的応答を有するので、フリッカを低減するために、瞬間入力電力(50Hz又は60Hz「本線」電圧)の変動をブリッジするためにエネルギの蓄積が用いられる場合が多い。これは、通常、ドライバの1次及び/又は2次側に大きな電解コンデンサを追加することにより達成される。LEDの動作抵抗は、LEDの効率が向上するにつれて減少するという事実から、フリッカの低減は、空間の制約されたドライバにとって一層困難になる。大部分の既存のLEDドライバは、2倍のLED光/電流において、本線周波数(つまり、100Hz又は120Hz)の主要周波数成分を有する。ここで、人間の目は、変調光に敏感である。
【0004】
他方で、200Hzより高い周波数では、人間の目は、変調光にあまり敏感ではない(10Hzが最も敏感である)。したがって、ドライバは、光出力の主要AC成分を200Hz以上で生成できるならば、光変調が依然として生じても、知覚される光フリッカは実質的に低減されるか除去されるだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、従来技術において、可視フリッカを低減又は除去できる、光源及び特にLED光源のドライバを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、1又は複数の光源、例えばLED光源を駆動するドライバに関する。より詳細には、本開示は、1又は複数の光源に供給される電力の主要なAC成分の周波数を増大させることにより1又は複数の光源により生成される可視フリッカが低減される、光源のドライバに焦点を当てる。
【0007】
概して、一態様では、少なくとも1つの光源に電力を供給するドライバは:入力及び出力を有する整流器であって、前記整流器は、自身の入力でAC電源電圧を受け、前記整流器の出力は前記少なくとも1つの光源に結合される、整流器;前記整流器の出力に渡り結合されるキャパシタ;を有し、前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第1の部分の間、前記整流器の出力により駆動され、前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第2の部分の間、前記キャパシタにより駆動され、前記AC電源電圧の周期の前記第1及び第2の部分は、ほぼ同じ期間を有する。一実施形態では、前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第3の部分の間は駆動されない。
【0008】
また、一実施形態では、前記キャパシタは、(1)第1のブランチであって、前記キャパシタに充電電流路を提供し及び前記キャパシタの放電電流が前記第1のブランチを流れるのを防ぐ、第1のブランチ;及び(2)前記キャパシタに制御された放電電流路を提供するスイッチング装置であって、前記スイッチング装置は、前記スイッチング装置が開のとき第1のインピーダンスを有し、前記スイッチング装置が閉のとき前記第1のインピーダンスより小さい第2のインピーダンスを有する、スイッチング装置;の並列の組合せと直列に、前記整流器の出力に渡り結合される。本実施形態のある任意的な特徴によると、2個のダイオードは、前記整流器の入力に渡り互いに正反対に結合され、前記2個のダイオードの間のノードにおいて整流された電圧を供給する。本実施形態の別の任意的な特徴によると、制御部は、前記スイッチング装置を制御するよう構成され、前記制御部は、前記整流された電圧が閾電圧より大きいとき前記スイッチング装置が開になるよう制御し、前記整流された電圧が閾電圧より小さいとき前記スイッチング装置が閉になるよう制御する。本実施形態の更に別の任意的な特徴によると、前記スイッチング装置は、前記整流された電圧が閾電圧より大きいとき開であり、前記スイッチング装置は、前記整流された電圧が閾電圧より小さいとき閉である。
【0009】
概して、別の態様では、少なくとも1つの光源に電力を供給するドライバは:前記少なくとも1つの光源に直列に結合された電流レギュレータ;調整回路であって、約50Hz乃至60Hzの間の1次周波数を有するAC電源電圧を受信するよう構成され、受信した前記AC電源電圧を調整して前記少なくとも1つの光源に電力を供給するよう更に構成され、前記電力は、零でないDC成分及びAC成分を有し、前記1次周波数の4倍の周波数におけるAC成分の大きさは、前記1次周波数におけるAC成分の大きさよりも大きく、且つ前記1次周波数の2次高調波における前記AC成分の大きさよりも大きい、調整回路;を有する。
【0010】
一実施形態では、前記一次周波数の4倍の周波数における前記AC成分の大きさは、前記一次周波数における前記AC成分の大きさの少なくとも10倍である。
【0011】
一実施形態では、前記調整回路は:前記AC電源電圧を受信するよう構成される整流器であって、前記整流器は、前記少なくとも1つの光源も接続されるバスに結合される第1の出力端子を有し、前記整流器は、グランドに結合される第2の出力端子を有する、整流器;前記バスに結合される第1端及び第2端を有するキャパシタであって、前記第2端は、(1)第1のブランチであって、前記キャパシタに充電電流路を提供し及び前記キャパシタの放電電流が前記第1のブランチを流れるのを防ぐ、第1のブランチ;及び(2)前記キャパシタに制御された放電電流路を提供するスイッチング装置であって、前記スイッチング装置は、前記スイッチング装置が開のとき第1のインピーダンスを有し、前記スイッチング装置が閉のとき前記第1のインピーダンスより小さい第2のインピーダンスを有する、スイッチング装置;の並列の組合せに結合される、キャパシタ;を有する。
【0012】
本実施形態のある任意的な特徴によると、前記AC電源電圧は、整流された電圧を生成するために整流され、前記スイッチング装置は、前記整流された電圧が閾電圧より大きいとき開であり、前記スイッチング装置は、前記整流された電圧が閾電圧より小さいとき閉である。
【0013】
本実施形態の別の任意的な特徴によると、前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第1の部分の間、前記整流器により駆動され、前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第2の部分の間、前記キャパシタにより駆動され、前記AC電源電圧の周期の前記第1及び第2の部分は、ほぼ同じ期間を有する。
【0014】
概して、更に別の態様では、少なくとも1つの光源を駆動するための方法が提供される。前記方法は、:約50Hz乃至60Hzの間の1次周波数を有するAC電源電圧を受信するステップ;受信した前記AC電源電圧に応答して、調整された電流源に直列に結合される前記少なくとも1つの光源に電力を供給するステップであって、前記電力は、零でないDC成分及びAC成分を有し、前記1次周波数の4倍の周波数におけるAC成分の大きさは、前記1次周波数における前記AC成分の大きさよりも大きく、且つ前記1次周波数の2次高調波における前記AC成分の大きさよりも大きい、ステップ;を有する。
【0015】
前記方法の一実施形態では、前記受信したAC電源電圧を調整するステップは:前記受信したAC電源電圧を整流器の入力に印加するステップであって、前記整流器は、前記少なくとも1つの光源も結合されるバスに結合される第1の出力端子を有し、前記整流器は、グランドに結合される第2の出力端子を有する、ステップ;キャパシタの第2の端子をグランドに選択的に切り替えるステップであって、前記キャパシタの第1の端子は、前記バスに結合される、ステップ;を有し、前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第1の部分の間、前記整流器により駆動され、前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第2の部分の間、前記キャパシタにより駆動され、前記AC電源電圧の周期の前記第1及び第2の部分は、ほぼ同じ期間を有する。本実施形態のある任意的な特徴によると、前記少なくとも1つの光源は、前記AC電源電圧の周期の第3の部分の間は駆動されない。
【0016】
本開示の目的のために本願明細書で用いられるように、用語「LED」は如何なるエレクトロルミネセンスダイオード又は電気信号に応答して放射を生成できる他の種類のキャリア注入/接合に基づくシステムも含むと理解されるべきである。したがって、用語LEDは、限定ではなく、電流に応答して光を放射する種々の半導体に基づく構造、発光ポリマー、有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネセンスストリップ等を含む。特に、用語LEDは、赤外線スペクトル、紫外スペクトル及び可視スペクトル(一般的に約400ナノメータから約700ナノメータの放射波長を含む)の種々の成分のうちの1又は複数の放射を生成するよう構成されうる全ての種類の発光ダイオード(半導体及び有機発光ダイオードを含む)を表す。LEDの幾つかの例は、限定ではなく、種々の赤外線LED、紫外線LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、アンバー色LED、橙色LED、及び白色LED(以下に更に議論される)を含む。理解されるべき点は、LEDが所与のスペクトル(例えば、狭帯域、広帯域)の種々の帯域幅(例えば、半値全幅又はFWHM)、及び所与の一般色の分類の中の種々の主波長を有する放射を生成するよう構成及び/又は制御されうることである。
【0017】
例えば、基本的に白色を生成するよう構成されたLED(例えば白色LED)の一つの実施は、一緒に混ざって基本的に白色光を形成するエレクトロルミネセンスの異なるスペクトルを個々に放射する多数のダイを有してもよい。別の実施では、白色LEDは、第1のスペクトルを有するエレクトロルミネセンスを異なる第2のスペクトルに変換する蛍光物質と関連してもよい。この実施の一例では、比較的短い波長及び狭い帯域幅のスペクトルを有するエレクトロルミネセンスは蛍光物質を「往復運動させ(pump)」、いくらか広いスペクトルを有するより長い波長の放射を次々に放射する。
【0018】
また、理解されるべき点は、用語LEDが物理的及び/又は電気的パッケージの種類のLEDに限定されないことである。例えば、上述のようにLEDは、異なるスペクトルの放射(例えば、個々に制御可能であってもなくてもよい)を個々に放射する複数のダイを有する単一の発光装置を表してもよい。また、LEDは、LED(例えば幾つかの種類の白色LED)の一部と考えられるリン光体と関連してもよい。概して、用語LEDは、パッケージ型LED、非パッケージ型LED、表面実装LED、チップオンボードLED、Tパッケージ実装LED、ラジアルパッケージLED、電力パッケージLED、何らかのタイプのケース及び/又は光学素子(例えば拡散レンズ)を含むLED等を表してもよい。
【0019】
用語「光源」は、限定でなく、LED(上述のようなLEDの1又は複数を含む)に基づく線源、白熱光源(例えば、フィラメントランプ、ハロゲンランプ)、蛍光源、リン光源、高輝度放電源(例えば、ナトリウム蒸気、水銀蒸気、メタルハライドランプ)、レーザ、他の種類のエレクトロルミネセンス源、高温ルミネセンス源(例えば、炎)、蝋燭ルミネセンス源(例えば、白熱套、炭素アーク放射源)、光ルミネセンス源(例えば、気体放電源)、電子飽和を用いた陰極ルミネセンス源、直流ルミネセンス源、結晶ルミネセンス源、運動ルミネセンス源、熱ルミネセンス源、摩擦ルミネセンス源、音波ルミネセンス源、電波ルミネセンス源、及び発光ポリマーを含む種々の放射線源のうちの1又は複数を表すと理解されるべきである。
【0020】
所与の光源は、可視スペクトル範囲内、可視スペクトル範囲外又はその両者の組合せで電磁放射を生成するよう構成されてもよい。ここで、用語「光」及び「放射」は本願明細書では同義的に用いられる。また、光源は、不可欠な構成要素として1又は複数のフィルタ(例えば色フィルタ)、レンズ又は他の光学構成要素を有してもよい。また、理解されるべき点は、光源は限定でなく指示、表示及び/又は照明を含む種々の用途のために構成されてもよいことである。「照明源」は特に屋内又は屋外空間を効率的に照らすのに十分な強度を有する放射を生成するよう構成された光源である。この文脈では、「十分な強度」は、空間又は環境内で生成された可視スペクトルの周囲の照明(つまり、間接的に感知されうる又は例えば全体若しくは一部が感知される前に1又は複数の種々の中間面に反射されうる光)を提供するための十分な放射強度(放射出力の観点から、光源からの全方向の総光出力を表すために単位「ルーメン」又は「光束」が屡々用いられる)を表す。
【0021】
用語「照明ユニット」は、本願明細書では同一又は異なる種類の1又は複数の光源を含む装置を表すために用いられる。所与の照明ユニットは、光源の種々の実装構成、囲い/筐体構成、及び形状、及び/又は電気及び機械的結合構成のうちの1つを有してもよい。また、所与の照明ユニットは、任意的に光源の動作に関連する種々の他の構成部品(例えば制御回路)と関連(例えば、含む、結合される、及び/又は一緒にパッケージされる)してもよい。「LEDに基づく照明ユニット」は、上述のような1又は複数のLEDに基づく光源を単独で又は他のLEDに基づかない照明ユニットと組み合わされて含む照明ユニットを表す。「多チャネル」照明ユニットは、それぞれ異なるスペクトルの放射を生成するよう構成された少なくとも2つの光源を含むLEDに基づく又はLEDに基づかない照明ユニットを表す。異なる光源スペクトルのそれぞれは、多チャネル照明ユニットの1つの「チャネル」と称される。
【0022】
理解されるべき点は、前述の概念及び以下で詳細に議論される更なる概念の全ての組合せが(これらの概念が相互に矛盾しないとすると)、本願明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられることである。特に、本開示の最後にある特許請求の範囲に記載された主題の全ての組合せは、本願明細書に開示された本発明の主題の一部であると考えられる。また、理解されるべき点は、本願明細書で明示的に用いられる専門用語は、参照されることにより組み込まれる如何なる開示にも現れ、本願明細書で開示される特定の概念と最も一貫性のある意味を与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図中、同様の参照符号は概して異なる図面を通じて同一の部分を表す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理を説明する際に一様に配置される代わりに強調される。
【
図1】ドライバ及び1又は複数の光源を含む照明ユニットの機能ブロック図を示す。
【
図2】ドライバ及び1又は複数の光源を含む照明ユニットの例示的な一実施形態の回路図を示す。
【
図3】
図2に示したドライバの動作を説明する電圧及び電流波形を示す。
【
図4】ドライバ及び1又は複数の光源を含む照明ユニットの例示的な一実施形態の詳細な配線図を示す。
【
図5】
図4に示したドライバの動作を説明する電圧及び電流波形を示す。
【
図6】ドライバの例示的な一実施形態による光源に加えられる電力の例示的な周波数スペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
概して、出願人は、1又は複数の光源に供給される電力の主要AC成分の周波数を増大できる、LED光源のような1又は複数の光源のためのドライバを提供することが有利であることを認識し理解している。以上に鑑み、本発明の種々の実施形態及び実装は、LEDに基づく照明ユニットのような照明ユニットのドライバを対象とする。
【0025】
図1は、本発明の種々の実施形態による、ドライバ及び1又は複数の光源130を含む照明ユニット100の機能ブロック図を示す。ドライバは、調整回路120及び電流レギュレータ140を有する。幾つかの実施形態では、光源130は、1又は複数のLEDを有する。
【0026】
幾つかの実施形態では、調整回路120は、AC電源電圧110、特に電力供給網から生成され、且つ約50Hz乃至60Hzの間の、例えば欧州諸国のような幾つかの国では50Hz、米国のような他の国々では60Hzである一次周波数を有する所謂「本線」電圧を受ける。調整回路120は、AC電源電圧110を光源130を駆動するのに適した電圧に変換する。特に、調整回路120は、受信したAC電源電圧110を調整して、光源130に電力を供給する。ここで、電力は、零でないDC成分及びAC成分を有し、一次周波数の4倍の周波数(例えば、約200Hz又は約240Hzの周波数)におけるAC成分の大きさは、一次周波数におけるAC成分の大きさよりも大きく、一次周波数の2次高調波におけるAC成分の大きさよりも大きい。有利なことに、AC電源電圧110の一次周波数の4倍の周波数において光源130に供給される電力のAC成分の大きさは、一次周波数及び一次周波数の2次高調波におけるAC成分の大きさよりも少なくとも10倍大きい。
【0027】
図2は、ドライバ205及び1又は複数の光源230を含む照明ユニット200の例示的な一実施形態の回路図を示す。
図2を参照すると、ドライバ205は、整流器222、回路224、電流レギュレータ240及び制御部250を有する。整流器222は、入力と出力を有し、該入力でAC電源電圧110を受けるよう構成され、該出力は光源230に結合される。回路224はキャパシタ226を有し、キャパシタ226は、(1)抵抗器228とダイオード229との直列の組合せを有する第1のブランチ、及び(2)スイッチング装置227の並列の組合せを介して整流器222の出力の両端に結合される。第1のブランチは、キャパシタ226のための充電電流路を提供し、(ダイオード229により)キャパシタ226の放電電流が第1のブランチを通じて流れるのを防ぐ。スイッチング装置227は、キャパシタ226のために制御された放電電流路を提供する。スイッチング装置227は、スイッチング装置227が開のとき第1のインピーダンスを有し、スイッチング装置227が閉のとき第1のインピーダンスより低い第2のインピーダンスを有する。電流レギュレータ240は、有利なことに線形電流レギュレータであっても良く、光源230に直列に結合され、光源230を通る電流を調整する。制御部250は、以下に詳述するように、スイッチング装置227のスイッチング動作を制御する。
【0028】
幾つかの実施形態では、光源230は、高電圧LEDのストリングを有する。有利なことに、このLEDストリングの動作電圧は、AC電源電圧210のRMSの100%乃至140%の範囲内、望ましくは、110%乃至130%の範囲内、最も望ましくは約120%乃至125%である。
【0029】
図3を参照してドライバ205の例示的な動作を以下に説明する。
図3は、説明目的で使用される電圧及び電流波形を示す。波形310は、回路224及び230が存在しない場合に、整流器222の出力電圧がどのようになるかを示す。
図3から分かるように、整流された電圧波形は、AC電源電圧110の周期T
Mの半分である周期T
Rを有する。したがって、整流された波形の主たる周波数は、AC電源電圧110の主たる周波数の2倍であり、又は標準的に約100Hz若しくは120Hzである。波形320は、回路224及び230が存在する場合の整流器222の出力におけるバス電圧V
BUSを示す。波形330は、光源230を通る電流I
LEDを示す。
【0030】
任意的に、整流器222は、AC電源電圧210を受け、出力電圧をキャパシタ226及び光源230に供給する。キャパシタ226は、抵抗器228及びダイオード229を通じて充電され、スイッチング装置227を通じて放電される。より詳細には、キャパシタ226は、スイッチング装置227が開のとき充電され、キャパシタ226は、スイッチング装置227が閉のとき放電される。スイッチング装置227のスイッチング動作の結果として、AC電源電圧110の各周期T
M(実際には、各周期T
R=T
M/2)は、次の少なくとも2つの部分に分けられる。(1)第1の部分又は区間T1。スイッチング装置227が開のときであり、バス電圧V
BUS及び光源230を通る電流I
LEDが整流器222の出力により制御される。(2)第2の部分又は区間T2。スイッチング装置227が閉のときであり、バス電圧V
BUS及び光源230を通る電流I
LEDがキャパシタ226により制御される。
図3の波形330から分かるように、第1及び第2の部分T1及びT2は、AC電源電圧210の各区間T
M内で繰り返される。有利なことに、AC電源電圧210の各区間T
Mは、第3の部分又は区間T3を更に有する。波形330に示されるように、第3の部分又は区間T3では、光源230は駆動されず、光源230を通る電流I
LEDは零又はほぼ零である。
【0031】
図3に示すように、スイッチング装置227は、瞬間整流AC電源電圧の所定の閾レベル(V
SWITCH−IN)でオンに切り替えられ、同じ閾レベルでオフに切り替えられる。有利なことに、所定の閾電圧レベルV
SWITCH−INは、区間T1及び区間T2におけるLED電流のデューティサイクルが等しく、光源の主要成分がAC電源電圧210の1次周波数の4倍(例えば、約200Hz又は240Hz)であり、
図3の波形310で主要な1次周波数の2次高調波(例えば、100Hz又は120Hz)が大幅に抑制されるように選択される。この目的のため、光源230にかかる電圧V
STRINGは、望ましくはAC電源電圧210のRMSの約120%〜125%に選択される。
【0032】
所与の値のV
STRINGに対して、スイッチング装置227が閉にされる電圧V
SWITCH−INは、次式を用いて計算できる。
【0033】
【数1】
ここで、T
aは、LED電流が流れ始める各サイクルT
M内の瞬間であり、V
Mは、RMS AC電源電圧210であり、T
Mは、AC電源電圧210の周期である。
【0034】
【数2】
式(1)〜(4)に従って選択された電圧V
SWITCH−INでは、周期T
R内の(したがって、周期T
M内でも)部分又は区間T
1(光源230が整流器222により駆動されるとき)及びT
2(光源230がキャパシタ226により駆動されるとき)は、互いに等しくなる。このように、光出力に現れるAC電源電圧210の1次周波数(例えば、50Hz又は60Hz)の2次高調波成分(例えば、100Hz又は120Hz)は、4次高調波(例えば、200Hz又は240Hz)の成分に対して最小化できる。
【0035】
特に、ドライバ205は、光源230に電力を供給する。ここで、電力は、零でないDC成分及びAC成分を有し、AC電源電圧210の一次周波数の4倍の周波数(例えば、約200Hz又は約240Hzの周波数)におけるAC成分の大きさは、一次周波数におけるAC成分の大きさよりも大きく、一次周波数の2次高調波におけるAC成分の大きさよりも大きい。有利なことに、AC電源電圧210の一次周波数の4倍の周波数において光源230に供給される電力のAC成分の大きさは、一次周波数及び一次周波数の2次高調波におけるAC成分の大きさよりも少なくとも10倍大きい。幾つかの実施形態では、ドライバ205は、低コストの個別構成要素を用いて構成されても良い。
【0036】
図4は、ドライバ405及び1又は複数の光源430を含む照明ユニット400の例示的な一実施形態の詳細な配線図を示す。ドライバ405は、整流器422、回路424、電流レギュレータ440、制御部250、低電圧電源460及び電流設定回路470を有する。整流器422は、ダイオードD1/D2/D3/D4を有し、自身の入力でAC電源電圧(例えば、所謂「本線」電圧)を受けるよう構成され、自身の出力は光源430に結合される。回路424はキャパシタ426を有し、キャパシタ426は、(1)抵抗器428とダイオード429との直列の組合せを有する第1のブランチ、及び(2)スイッチング装置(例えば、トランジスタ)427の並列の組合せを介して整流器422の出力の両端に結合される。第1のブランチは、キャパシタ426のための充電電流路を提供し、(ダイオード429により)キャパシタ426の放電電流が第1のブランチを通じて流れるのを防ぐ。スイッチング装置427は、キャパシタ426のために制御された放電電流路を提供する。スイッチング装置427は、スイッチング装置427が開のとき第1のインピーダンスを有し、スイッチング装置427が閉のとき第1のインピーダンスより低い第2のインピーダンスを有する。電流レギュレータ440は、有利なことに線形電流レギュレータであっても良く、光源430に直列に結合され、光源430を通る電流を調整する。制御部450は、スイッチング装置227のスイッチング動作を制御する。
【0037】
幾つかの実施形態では、光源430は、高電圧LEDのストリングを有する。有利なことに、このLEDストリングの動作電圧は、AC電源電圧のRMSの100%乃至140%の範囲内、望ましくは、110%乃至130%の範囲内、最も望ましくは約120%乃至125%である。
【0038】
有利なことに、電流レギュレータ440は、線形電流レギュレータであり、ダーリントントランジスタQ1及びQ2を有する。低電圧電源460は、Q3の周りに構築された線形電圧レギュレータを用いてAC電源電圧から引き出される。電流設定回路470は、電流レギュレータ440に(DC)制御電圧を供給するQ9の周りに構築された電圧フォロワを有する。
【0039】
以下にドライバ405の動作の一例を説明する。
図5は、ドライバ405の例示的な電圧及び電流波形を示す。特に、
図5は、DCバス電圧V
BUSの波形510、及びLED電流I
LEDの波形520を示す。スイッチング装置427のスイッチング動作の結果として、AC電源電圧の各周期T
Mは、次の少なくとも2つの部分に分けられる。(1)第1の部分又は区間T
1。スイッチング装置427が開のときであり、バス電圧V
BUS及び光源430を通る電流I
LEDが整流器422の出力により制御される。(2)第2の部分又は区間T
2。スイッチング装置427が閉のときであり、バス電圧V
BUS及び光源430を通る電流I
LEDがキャパシタ426により制御される。
【0040】
動作中、AC電源電圧は、整流器422に供給され、ノード409で互いに正反対に結合される整流器422のダイオードD3とD4及ダイオード407と408により形成される「第2の整流器」にも供給される。ノード409の電圧は、
図3の波形310に似た整流されたAC電圧であっても良く、制御部450内の抵抗器R3に供給される。制御部450は、幾つかのバイポーラトランジスタ及び抵抗器を有する。特に、抵抗器R3、R5、R6及びR13は、抵抗性分圧器を形成する。抵抗性分圧器は、スイッチング装置427を開閉する閾電圧V
SWITCH−INを設定し、
図5に示すような時間期間
T1及びT
2を決定する。キャパシタ426は、ノード409の電圧がV
SWITCH−INより大きいとき抵抗器428及びダイオード429を通じて充電され、ノード409の電圧がV
SWITCH−INより小さいときスイッチング装置427を通じて放電される。
【0041】
図6は、AC電源電圧の1次周波数が50Hzである場合の、
図4のドライバ405により光源430に供給される電力の例示的な周波数スペクトル600を示す。光源430に供給される電力の主要周波数成分は200Hz、又はAC電源電圧の4次高調波であることが分かる。勿論、1次周波数が60Hzの場合には、4次高調波及び光源430に供給される電力の主要周波数成分は、240Hzである。
図6に示すように、2次高調波成分(例えば100Hz)は大幅に抑制されている。
【0042】
概して、AC電源電圧の1次周波数の4倍の周波数においてドライバ405により光源430に供給される電力のAC成分の大きさは、1次周波数におけるAC成分の大きさよりも大きく、及び1次周波数の2次高調波におけるAC成分の大きさよりも大きい。有利なことに、AC電源電圧の一次周波数の4倍の周波数において光源430に供給される電力のAC成分の大きさは、1次周波数及び1次周波数の2次高調波におけるAC成分の大きさよりも少なくとも10倍大きい。したがって、人間の目により知覚されるフリッカは、単に光源が整流器の出力により駆動される照明装置と比べて低減され得る。
【0043】
幾つかの本発明の実施形態が本願明細書に記載され図示されたが、当業者は本願明細書に記載された機能を実行し並びに/又は結果及び/若しくは利点の1又は複数を得るための種々の他の手段及び/又は構造を直ちに想像するだろう。より一般的には、当業者は、本願明細書に記載された全てのパラメータ、寸法、材料及び構成が例であること、及び実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成が本発明の教示が用いられる特定の1又は複数の用途に依存することを直ちに理解するだろう。当業者は、日常的に過ぎない実験を用いて、本願明細書に記載された特定の本発明の実施形態の多数の等価物を認識し又は究明できるだろう。したがって、上述の実施形態は単なる例としてのみ提示されたこと、本願明細書に特に記載された及び主張された以外にも、特許請求の範囲及びその等価の範囲内で本発明の実施形態が実施されうることが理解されるべきである。本開示の本発明の実施形態は、本願明細書に記載されたそれぞれ個々の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法を対象とする。更に、このような特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の2以上の如何なる組合せも、該特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が相互に矛盾しない場合には本開示の本発明の範囲に包含される。
【0044】
全ての定義は、本願明細書で定められ用いられたように、辞書の定義、参照により組み込まれた文書内の定義、及び/又は定められた用語の通常の意味を支配すると理解されるべきである。
【0045】
不定冠詞「1つの(「a」及び「an」)」は、本願明細書及び特許請求の範囲で用いられるように、別に明示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0046】
用語「及び/又は」は、本願明細書及び特許請求の範囲で用いられるように、結合された要素の「一方又は両方」を意味する、つまり幾つかの例では接続されて存在する要素であり、他の例では分離して存在する要素であると理解されるべきである。「及び/又は」を伴い列挙された複数の要素は、同様に、つまり結合された要素の「1又は複数」と考えられるべきである。他の要素は、特に指定された要素に関連するか否かに拘わらず、「及び/又は」の節により特に識別された要素の他に任意的に存在してもよい。従って、非限定的な例として、「A及び/又はB」という言及は、「有する(comprising)」のような非限定的言い回しとともに用いられるときは、一実施形態ではAのみ(任意的にB以外の要素を含む)を、別の実施形態ではBのみ(任意的にA以外の要素を含む)を、更に別の実施形態ではA及びBの両方(任意的に他の要素を含む)を表しうる。
【0047】
本願明細書及び特許請求の範囲で用いられるように、「又は」は上述の「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、列挙される中で「又は」又は「及び/又は」で区切られている項目は包括的である、つまり多数の要素又は一連の要素のうちの少なくとも1つを含むが1より多くを含んでもよく、及び任意的に列挙されていない追加の項目を含んでもよいと理解されるべきである。「のうちの1つのみ」又は「のうちの厳密に1つのみ」のように別に明示された用語又は特許請求の範囲で用いられるとき「からなる」のみは、多数の又は列挙された要素のうちの厳密に1つのみを含むことを表す。通常、用語「又は」は、本が明細書で用いられるように、「何れか1つ」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」又は「のうちの厳密に1つ」のような排他的な語に先行されるとき、排他的な代替(つまり、「1又は他の、しかし両方ではない」)を示すと解釈されるべきである。「基本的に〜からなる(consisting)」は、特許法の分野で用いられるように通常の意味を有する。
【0048】
本願明細書及び特許請求の範囲で用いられるように、1又は複数の要素の列挙を参照する際の用語「少なくとも1つ」は、要素の列挙の中の任意の1又は複数の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも外要素の列挙内に特に列挙された各要素及び全ての要素のうちの少なくとも1つを含むものではなく、要素の列挙内の要素の如何なる組合せも排除しないと理解されるべきである。この定義は、特に指定された要素に関連するか否かに拘わらず、要素に、任意的に用語「少なくとも1つ」が参照する要素の列挙内で特に識別された要素以外のものも表させる。したがって、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は同等に「A又はBの少なくとも1つ」若しくは同等に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、ある実施形態では少なくとも1つのA、任意的に1つより多いAを有し、Bの存在を有さず(及び任意的にB以外の要素を有する)、他の実施形態では少なくとも1つのB、任意的に1つより多いBを有し、Aの存在を有さず(及び任意的にA以外の要素を有し)、更に別の実施形態では少なくとも1つのA、任意的に1つより多いAを有し、及び少なくとも1つのB、任意的に1つより多いBを有する(及び任意的に他の要素を有する)等を表しうる。
【0049】
別に明確に示されない限り、1つより多いステップ又は動作を含む本願で請求されるいかなる方法においても、その方法のステップ又は動作の順序は、その方法のステップ又は動作が記載された順序に必ずしも限定されないことが理解される。
【0050】
本願明細書で用いられるように、用語「およそ」、「約」、「に近い」はそれぞれ、10%以内を意味し、用語「実質的に」は少なくとも75%を意味する。
【0051】
請求項の中に括弧書きで現れる如何なる参照符号又は記号も、単に便宜のために提供されるものであり、請求項を如何様にも限定するものではない。
【0052】
請求項中、明細書中と同様に、「有する、含む、備える、包含する、持つ、から成る(comprising、including、carrying、having、containing、involving、holding、composed of)」等のような全ての中間句は、制約のないものと、つまり有するがそれに限定されないと、考えられるべきである。中間句「で構成される、本質的に〜で構成される(consisting of、consisting、essentially of)」のみは、それぞれ限定的又は準限定的な中間句である。