(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
直列に接続された第1の発光ダイオード(LED)セグメントと少なくとも1つの他のLEDセグメントとを含むLED列を用いて空間の少なくとも一部分を照らす方法において、各LEDセグメントは少なくとも1つのLEDを含み、前記LED列は整流された調光可能なAC電圧によって給電される、方法であって、
前記第1のLEDセグメントは、前記整流された調光可能なAC電圧が第1の電圧レベルを上回ると給電され、前記第1のLEDセグメント及び前記少なくとも1つの他のLEDセグメントは、前記整流されたAC電圧が前記第1の電圧レベルより高い第2の電圧レベルを上回ると給電され、
前記第1のLEDセグメントは、第1の方向を有するビームで前記空間の第1のボリュームに向けて光を放射し、前記少なくとも1つの他のLEDセグメントは、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向を有するビームで前記空間の第2のボリュームに向けて光を放射し、前記第1のボリュームは、前記第2のボリュームと少なくとも部分的に異なり、
前記第1のLEDセグメントによって生成される光の特性と前記少なくとも1つの他のLEDセグメントによって生成される光の特性との比は、前記整流された調光可能なAC電圧の調光レベルで変化する、方法。
空間の少なくとも一部分を照らすLEDモジュールであって、直列に接続された第1のLEDセグメントと少なくとも1つの他のLEDセグメントとを含み、各LEDセグメントは少なくとも1つのLEDを含む、該LEDモジュールであって、
前記LED列は、整流された調光可能なAC電圧によって給電され、
前記第1のLEDセグメントは、前記整流されたAC電圧が第1の電圧レベルを上回ると給電され、前記第1のLEDセグメント及び前記少なくとも1つの他のLEDセグメントは、前記整流されたAC電圧が前記第1の電圧レベルより高い第2の電圧レベルを上回ると給電され、
前記第1のLEDセグメントは、第1の方向を有するビームで前記空間の第1のボリュームに向けて光を放射し、前記少なくとも1つの他のLEDセグメントは、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向を有するビームで前記空間の第2のボリュームに向けて光を放射し、前記第1のボリュームは、前記第2のボリュームと少なくとも部分的に異なり、
前記第1のLEDセグメントによって生成される光の特性と前記少なくとも1つの他のLEDセグメントによって生成される光の特性との比は、前記整流された調光可能なAC電圧の調光レベルで変化する、LEDモジュール。
前記電流制御デバイスのうち少なくとも1つは、前記電流制御デバイスのうち少なくとも1つを流れる電流をパルス幅変調する、請求項8乃至10の何れか一項に記載のLED照明モジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
LED照明の分野では、照明機能性を更に高め、特定の空間分布照明を生成する必要がある。
【0004】
空間分布された照明で空間を照らす方法及びデバイスを提供することが望ましい。単純かつ安価に空間分布照明を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この検討事項をより良好に対処するために、本発明の第1の態様では、直列に接続された第1の発光ダイオード(LED)セグメントと少なくとも1つの他のLEDセグメントとを含むLED列を用いて空間の少なくとも一部分を照らす方法が提供される。各LEDセグメントは少なくとも1つのLEDを含み、LED列は整流されたAC電圧によって給電される。第1のLEDセグメントは、整流されたAC電圧が第1の電圧レベルを上回ると給電され、第1のLEDセグメント及び他のLEDセグメントは、整流されたAC電圧が第1の電圧レベルより高い第2の電圧レベルを上回ると給電される。第1のLEDセグメントは、空間の第1のボリュームに向けて光を放射し、他のLEDセグメントは、空間の第2のボリュームに向けて光を放射し、第1のボリュームは、第2のボリュームと少なくとも部分的に異なる。第1のLEDセグメントは、第1の光特性を有する光を放射し、他のLEDセグメントは、第1のLEDセグメントの光特性と同じか又は異なる第2の光特性を有する光を放射する。光特性は光の強度及び色を含む。
【0006】
以下においてLEDモジュールとも呼ばれるLED列は、直列に接続された複数のLEDセグメントを含む。各LEDセグメントは、好きなように相互に接続された1つ以上のLEDを含む。各LEDセグメントの電圧は、残りのセグメントと同じでも異なってもよい。LED列におけるLEDセグメントの数は様々に選択されてよいが少なくとも2つである。
【0007】
LED列は、全部が同じ色の光を放射するLEDセグメントを含んでもよい。
【0008】
他の実施形態では、1つ以上の第1のLEDセグメントが、第1の色温度を有する光を放射し、1つ以上の他のLEDセグメントが、第2の色温度を有する光を放射する。1つの第1のLEDセグメントによって放射された光の第1の色温度は、別の第1のLEDセグメントによって放射された光の第1の色温度と異なってよく、また、1つの他のLEDセグメントによって放射された光の第2の色温度は、別の他のLEDセグメントによって放射された光の第2の色温度と異なってよい。第1のLEDセグメントは、赤色、橙色、黄色又は琥珀色の光(それらの任意の組み合わせを含み、また、飽和した又はあまり飽和していない色を含む)を放射する。
【0009】
AC電圧が調節(dim)されない場合、第1のLEDセグメント及び他のLEDセグメントの両方は、主電源電圧の半周期の間、給電される。主電源電圧は、第1の電圧レベル及び第2の電圧レベルの両方を超える。
【0010】
上述したように、調節されていない整流されたAC電圧で一連のLEDセグメントを駆動する場合、LEDセグメントは、印加された電圧レベルに応じて動作する。主電源電圧の半周期において、瞬時電圧が上昇すると、最初に、光を放射するように第1のLEDセグメントに第1の電圧レベルを上回って給電され、更に、瞬時電圧が更に上昇すると、光を放射するように他のLEDセグメントに第2の電圧レベルを上回って給電される。その一方で、他のLEDセグメント及び第1のLEDセグメントは、次に、瞬時電圧が第2の電圧レベル及び第1の電圧レベル以下に降下すると、それぞれ、光を放射することをやめる。第1のLEDセグメント及び他のLEDセグメントが、それぞれ、互いに少なくとも部分的に異なる第1のボリューム及び第2のボリュームを照らす場合、一連のLEDセグメントによって生成された光のある割合が当該第1のボリュームを照らし、別のある割合が当該第2のボリュームを照らす。
【0011】
AC電圧が調節される場合、主電源電圧の半周期の間の第1のLEDセグメントの給電継続時間及び他のLEDセグメントの給電継続時間の両方が減少される。主電源電圧の半周期の間、第1の電圧レベルは超えるが第2の電圧レベルは超えないようにAC電圧が調節される場合、当該半周期の間は第1のLEDセグメントだけに給電される。したがって、調節量が多いほど、より多くの第1のLEDセグメントが、LED列全体として放射される光の強度及び/又は色温度において優位になる。
【0012】
一連のLEDセグメントが、AC電圧の位相角カットによって、電圧振幅を減少することによって、又は、それらの組み合わせによって調光される場合、第1及び第2のボリュームのそれぞれを照らす一連のLEDセグメントによって生成される光の割合比は、自動的に、つまり、LEDセグメントの固有特性(例えば順作動電圧)及び各自の駆動回路動作に応じて、変化する。この洞察によって、変化する比を用いて調光しつつ特定の目的に適した特定の空間光分布をデザインする本発明が導かれた。このデザインでは、LEDセグメントによって生成される光の強度及び色が考慮される。
【0013】
LEDモジュールは、当該LEDモジュールのための公称電圧より低い平均電圧において動作する場合に調光される。電圧が減少されるにつれて、LEDモジュールの電力及び光出力もそれに応じて減少する。LEDモジュールを調光するための可変電圧は、AC電圧とLEDモジュールとの間に結合された調光デバイスによって生成される。調光器は電圧振幅を変化させるデバイスであるが、通常は、主電源電圧周波数においてAC電圧をオンとオフに切り替え、これにより、LEDモジュールに電力パルスを供給する固体スイッチングデバイスである。
【0014】
調光器は、位相カット調光によって、即ち、電圧の半周期の第1の部分の間は電圧をオフに切替え、電圧の半周期の最後の部分の間は電圧をオンに切替えること(正相カット調光(forward phase-cut dimming)とも呼ばれる)によって、又は、電圧の半周期の第1の部分の間は電圧をオンに切替え、電圧の半周期の最後の部分の間は電圧をオフに切替えること(逆相カット調光(reverse phase-cut dimming)とも呼ばれる)によって動作する。正相カット調光は安価であり、ロバストな電子機器を使用する。逆相カット調光はより高価で、より複雑な電子機器を必要とするが、電子トランスといった一部の負荷はより良く動作し、このタイプの調光が用いられた場合にあまりノイズがない。
【0015】
ユーザが調光器で調光レベルを設定する(入力)と、ある光レベルがもたらされる(出力)。多くの調光器では、調光器の出力は、入力に直接比例するわけではない。様々な調光器が、調光レベルと光レベルとの関係を定義する様々な調光器曲線を生成する。
【0016】
本発明の方法の一実施形態において、第1のボリュームは、第2のボリュームと少なくとも部分的に重なる。重なる部分では、光強度は、第1のLEDセグメントと他のLEDセグメントとの両方が光を放射するように動作している場合に最も高く、その一方で重なる部分の外側では、光強度は低い。これにより、重なる部分から離れると光強度は徐々に減少する。これに加えて又はこれに代えて、重なる部分では、光の色は、第1のLEDセグメントと他のLEDセグメントとの両方が光を放射するように動作している場合、重なる部分の外側の光の色とは異なる(第1のLEDセグメントによって放射された光の色が、他のLEDセグメントによって放射された光の色と異なる場合)。
【0017】
本発明の第2の態様では、空間の少なくとも一部分を照らすLEDモジュールが提供される。当該LEDモジュールは、直列に接続された第1のLEDセグメントと少なくとも1つの他のLEDセグメントとを含み、各LEDセグメントは少なくとも1つのLEDを含む。第1のLEDセグメントは、整流されたAC電圧が第1の電圧レベルを上回ると給電され、第1のLEDセグメント及び他のLEDセグメントは、整流されたAC電圧が第1の電圧レベルより高い第2の電圧レベルを上回ると給電される。第1のLEDセグメントは、空間の第1のボリュームに向けて光を放射し、他のLEDセグメントは、空間の第2のボリュームに向けて光を放射し、第1のボリュームは、第2のボリュームとは少なくとも部分的に異なる。
【0018】
LEDモジュールの一実施形態では、第1のLEDセグメントは、第1の方向を有するビームで光を放射し、他のLEDセグメントは、第1の方向とは異なる第2の方向を有するビームで光を放射する。ここでは、光のビームの方向は、関連のLEDセグメントの中心から出発し、当該中心から離れるように向き、光のビームの中心に配置されたベクトルによって表されると理解する。
【0019】
一実施形態では、第1の方向は、第2の方向とは反対である。LEDモジュールの特定の用途では、第1の方向は下方向で、第2の方向は上方向である。このような配置は、LEDモジュールを調光することによって、LEDモジュールによって下方向に放射される光の割合に対するLEDモジュールによって上方向に放射される光の割合が減少するテーブルランプに用いられてよく、これにより、調光量を増加すると同時によりくつろいだ照明雰囲気が作られる。
【0020】
LEDモジュールの一実施形態では、第1のLEDセグメント及び他のLEDセグメントは、同じ放射方向を有するビームで光を放射する。このような実施形態では、各ビームは異なるボリュームを照らす一方で、全部のビームは重なる。
【0021】
本発明の更なる態様では、LED照明モジュールが提供される。当該LED照明モジュールは、本発明のLEDモジュールを含む。LED照明モジュールはLED駆動回路を更に含み、当該LED駆動回路は、整流されたAC電圧に接続されるLED駆動入力端子と、各他のLEDセグメントに並列に接続されたスイッチングデバイスと、LED駆動入力端子間に接続された電流制御デバイスと、各スイッチングデバイスの開放状態又は閉鎖状態を制御する制御回路とを含む。当該制御回路は、整流されたAC電圧が所定の電圧レベルを下回ると、閉鎖状態になるように各スイッチングデバイスを制御し、整流されたAC電圧が所定の電圧レベルを上回ると、開放状態になるように他のLEDセグメントに接続されたスイッチングデバイスを制御する。
【0022】
本発明の更なる態様では、LED照明モジュールが提供される。当該LED照明モジュールは、本発明のLEDモジュールを含む。LED照明モジュールはLED駆動回路を更に含み、当該LED駆動回路は、整流されたAC電圧に接続されるLED駆動入力端子と、第1のLEDセグメントに並列に接続されたスイッチングデバイスと、各他のLEDセグメントに並列に接続されたスイッチングデバイスと、LED駆動入力端子間に接続された電流制御デバイスと、各スイッチングデバイスの開放状態又は閉鎖状態を制御する制御回路とを含む。当該制御回路は、整流されたAC電圧が第1の電圧レベルを上回り、第1の電圧レベルより高い第2の電圧レベルを下回ると、開放状態となるように第1のLEDセグメントに並列に接続されたスイッチングデバイスを、閉鎖状態となるように他のLEDセグメントに並列に接続されたスイッチングデバイスをそれぞれ制御し、また、整流されたAC電圧が第2の電圧レベルを上回ると、開放状態となるように他のLEDセグメントに接続されたスイッチングデバイスを制御する。
【0023】
本発明の更なる態様では、LED照明モジュールが提供される。当該LED照明モジュールは、本発明のLEDモジュールを含む。LED照明モジュールはLED駆動回路を更に含み、当該LED駆動回路は、整流されたAC電圧に接続するLED駆動入力端子と、各LEDセグメントについて、LEDセグメントの1つの端子とLED駆動入力端子との間に接続された電流制御デバイスと、各電流制御デバイスにおける電流を制御する制御回路とを含む。当該制御回路は、整流されたAC電圧が第1の電圧レベルを上回ると電流が流れ、整流されたAC電圧が第1の電圧レベルより高い第2の電圧レベルを上回ると電流が流れないように第1のLEDセグメントの電流制御デバイスを制御する。
【0024】
LED照明モジュールのうち1つの一実施形態では、電流制御デバイスのうち少なくとも1つは、当該電流制御デバイスのうち少なくとも1つを流れる電流をパルス幅変調して、追加のLEDセグメント光出力制御を提供する。
【0025】
本発明の更なる態様では、本発明のLED照明モジュールと、整流器と、調光デバイスとを含む、調光可能なLED照明モジュールが提供される。
【0026】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下の詳細な説明を参照することによってより理解されかつ同様の参照符号が同様の部分を示す添付図面と共に検討されることで、より容易に理解できよう。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1aは、LEDモジュール2を駆動するLED駆動回路1の一実施形態を示す。LED駆動回路1は、整流器及び調光デバイス5に結合されたAC電圧源4を含む電源3に結合される。
【0029】
電源3は、その地域で使用されている電圧振幅及び周波数に応じて整流されたAC電圧を供給する出力端子6、7を有する。電源3によって供給される電圧は、自動的に又はユーザによって設定された整流器及び調光デバイス5におけるカット角に依存して出力端子における平均電圧を変化させることによって調光機能を提供するための正相カット電圧又は逆相カット電圧である。
【0030】
LEDモジュール2は、直列に接続された複数のLEDセグメント11、12、13、14を含む。各LEDセグメント11、12、13、14は、所望されるように相互に接続された1つ以上のLEDを含む。各LEDセグメント11、12、13、14の電圧は、残りのセグメントと同じでも異なってもよく、例えば約30V、約36V又は約70Vである。LEDモジュールにおけるLEDセグメントの数は様々に選択されてよいが少なくとも2つである。LEDモジュール2は、端子21、22、23、24及び25を含み、これにより各LEDセグメントは2つの端子によってアクセス可能である。LEDセグメント11は端子21及び22を有し、セグメント12は端子22及び23を有し、LEDセグメント13は端子23及び24を有し、LEDセグメント14は端子24及び25を有する。端子21、22、23、24及び25のそれぞれは、LED駆動回路1に結合するために利用可能である。
【0031】
LED駆動回路1は、複数の端子30、31、32、33、34、35及び39を含む。端子30及び39は、電源3の出力端子6、7に結合される。端子31、32、33、34及び35は、それぞれ、LEDモジュール2の端子21、22、23、24及び25に結合される。LED駆動回路1は、端子32と33との間、端子33と34との間及び端子34と35との間にそれぞれ接続されるスイッチングデバイス41、42及び43を含む。LED駆動回路1における使用に適したスイッチングデバイスの例としては電界効果トランジスタ又はバイポーラトランジスタといったスイッチ可能なトランジスタが挙げられる。LED駆動回路1の端子35及び39間に電流制御デバイス45が接続される。LED駆動回路1は更に、使用時、所望のタイミングで、スイッチングデバイス41、42及び43を開放状態(非導通状態)又は閉鎖状態(導通状態)にするために、スイッチングデバイス41、42及び43に動作可能に接続された制御回路46を含む。そのような時限動作の一例が以下に与えられる。制御回路46は更に、任意選択的に、使用時、所望のタイミング(パルス幅変調であってもよい)で電流制御デバイス45を流れる電流を制御するために電流制御デバイス45に動作可能に接続されてもよい。
【0032】
なお、代替実施形態では、整流器及び調光デバイス5は、LED駆動回路1の一部であることに留意されたい。
【0033】
LED駆動回路1及びLEDモジュール2の組み合わせを、以下、LED照明モジュールと呼ぶ。
【0034】
図1bは、電源3からLEDモジュール2を駆動するLED駆動回路8の一実施形態を示す。LEDモジュール2及び電源3の構成は、
図1aを参照しながら説明した構成と同様又は同一であり、同じ参照符号を用いてそれらの構成要素を特定している。
【0035】
LED駆動回路8は、複数の端子50、51、52、53、54、55及び59を有する。端子50及び59は、電源3の出力端子6、7に結合される。端子51、52、53、54及び55は、それぞれ、LEDモジュール2の端子21、22、23、24及び25に結合される。LED駆動回路8は、端子52と59との間、端子53と59との間、端子54と59との間、端子55と59との間にそれぞれ接続される複数の電流制御デバイス61、62、63及び64を含む。LED駆動回路8は更に、任意選択的に、使用時、電流制御デバイス61、62、63、64のそれぞれを流れる電流を制御するように電流制御デバイス61、62、63及び64に動作可能に接続された制御回路66を含む。このような動作の一例を以下に与える。
【0036】
LEDセグメント11、12、13、14は、使用時、はっきりと異なる色の光を放射する。以下の色の光が区別される。
‐例えば約5000Kの高い色温度を有する冷白色(CW)光
‐例えば約4000Kの冷白色より低い色温度を有する昼白色又は通常白色(NW)光
‐例えばNWより低い色温度を有する黄色又は橙色光といった暖白色(WW)光
‐WWより低い色温度を有する琥珀色(AM)光
‐AMより低い色温度を有する赤色(RD)光。
【0037】
LEDモジュール2では、すべてのLEDセグメントが同じ色の光を放射する。他の実施形態では、LEDセグメントのうち少なくとも1つがNW光、WW光、AM光及び/又はRD光を放射し、また、(LEDセグメントのうち少なくとも1つがNW光を放射しない場合)他のLEDセグメントのうち少なくとも別の1つがCW光、NW光を、及び/又は、(LEDセグメントのうち少なくとも1つがNW又はWW光を放射しない場合)WW光を放射してもよい。したがって、以下の表Iに従い、様々なLEDセグメント11、12、13及び14によって放射される光の組み合わせには以下のものがある。ここでXは同じ列と行における光の組み合わせを示す。
【表1】
【0038】
図2は、
図1aの回路の一実施形態の動作を説明する。ここではLEDセグメント11は、WW、RD、AM、又はRD/AM光を放射し、残りのLEDセグメント12、13及び14のうち少なくとも1つは、LEDセグメント11よりも高い色温度を有する光を放射する。他の実施形態では、LEDセグメント11、12、13及び14によって放射される光の色温度は同じである。動作モードは、電源3によって供給される一定電流である。この動作モードでは、LEDセグメントを通る電流は、オンにされたLEDセグメントの数に応じては調節されない。
【0039】
図2では、曲線Vは、整流された主電源電圧Vを示す。曲線Vによって示されるように、整流された主電源電圧の半周期(0から180度にわたる位相角)において、電圧Vの振幅は、0度におけるゼロ値から90度における最高値に増加し、再び180度におけるゼロ値に減少する。
【0040】
すべてのLEDセグメント11、12、13、14は略同じオン電圧を有すると想定される。更に、0度では、すべてのスイッチングデバイス41、42及び43は閉鎖状態にある、又は、スイッチングデバイス41、42及び43のうち少なくとも1つは開放状態にあると想定される。
【0041】
電圧Vが0度から増加すると、約11度において、電圧Vは、電流I(電流制御デバイス45によって振幅制御される)がLEDセグメント11内を流れるために十分な第1のレベルにある。この場合、すべてのスイッチングデバイス41、42及び43は、閉鎖状態にあるか、又は、閉鎖状態にされるべきであり、電流Iは、LEDセグメント11、閉鎖されたスイッチ41、42並びに43及び電流制御デバイス45を流れる。LEDセグメント11を流れる電流Iの値はI11と示される。
【0042】
約23度において、電圧Vは、LEDセグメント11及び12が導通状態となり、電流I(依然として電流制御デバイス45によって振幅が制御される)が直列に接続されたLEDセグメント11及び12内を流れるために十分な第2のレベルにある。この場合、LEDセグメント11を既に流れている電流IがLEDセグメント12内も流れるように、スイッチングデバイス41は開放状態にされる一方でスイッチングデバイス42及び43は閉鎖状態のままにされるべきである。LEDセグメント12を流れる電流はI12と示される。
【0043】
約36度において、電圧Vは、LEDセグメント11、12及び13が導通状態となり、電流I(依然として電流制御デバイス45によって振幅が制御される)が直列に接続されたLEDセグメント11、12及び13内を流れるために十分な第3のレベルにある。この場合、LEDセグメント11及び12を既に流れている電流IがLEDセグメント13内も流れるように、スイッチングデバイス41は開放状態のままである一方でスイッチングデバイス42は開放状態にされ、スイッチングデバイス43は閉鎖状態のままにされるべきである。LEDセグメント13を流れる電流はI13と示される。
【0044】
約52度において、電圧Vは、LEDセグメント11、12、13及び14が導通状態となり、電流I(依然として電流制御デバイス45によって振幅が制御される)が直列に接続されたLEDセグメント11、12、13及び14内を流れるために十分な第4のレベルにある。この場合、LEDセグメント11、12及び13を既に流れている電流IがLEDセグメント14内も流れるように、スイッチングデバイス41及び42は開放状態のままで、スイッチングデバイス43は開放状態にされるべきである。LEDセグメント14を流れる電流はI14と示される。
【0045】
約52度と約128度との間では、電圧Vは、LEDセグメント11、12、13及び14が導通状態となり、電流I(依然として電流制御デバイス45によって振幅が制御される)が直列に接続されたLEDセグメント11、12、13及び14内を流れるために十分な第4のレベルより上に留まる。すべてのスイッチングデバイス41、42及び43は開放されたままである。
【0046】
約128度において、電圧Vは第4のレベル以下に減少し、LEDセグメント14が導通状態となるには不十分となる。しかし、電圧Vは、LEDセグメント11、12及び13が導通状態となり、電流I(依然として電流制御デバイス45によって振幅が制御される)が直列に接続されたLEDセグメント11、12及び13内を流れるためには依然として十分である。この場合、電流Iが引き続きLEDセグメント11、12及び13内を流れるように、スイッチングデバイス43は閉鎖状態にされる一方で、スイッチングデバイス41及び42は開放状態のままにされるべきである。電流I14はゼロになる。
【0047】
約144度において、電圧Vは第3のレベル以下に減少し、LEDセグメント13が導通状態となるには不十分となる。しかし、電圧Vは、LEDセグメント11及び12が導通状態となり、電流I(依然として電流制御デバイス45によって振幅が制御される)が直列に接続されたLEDセグメント11及び12内を流れるためには依然として十分である。この場合、電流Iが引き続きLEDセグメント11及び12内を流れるように、スイッチングデバイス42は閉鎖状態にされる一方で、スイッチングデバイス41は開放状態のままであり、スイッチングデバイス43は閉鎖状態のままにされるべきである。電流I13はゼロになる。
【0048】
約157度において、電圧Vは第2のレベル以下に減少し、LEDセグメント12が導通状態となるには不十分となる。しかし、電圧Vは、LEDセグメント11が導通状態となり、電流I(依然として電流制御デバイス45によって振幅が制御される)がLEDセグメント11内を流れるためには依然として十分である。この場合、電流Iが引き続きLEDセグメント11内を流れるように、スイッチングデバイス41は閉鎖状態にされる一方でスイッチングデバイス42及び43は閉鎖状態のままにされるべきである。電流I12はゼロになる。
【0049】
約169度において、電圧Vは第1のレベル以下に減少し、LEDセグメント11が導通状態となるには不十分となる。電流I11はゼロになる。
【0050】
約169度以降、各スイッチングデバイスは、開放又は閉鎖状態にある。電圧Vは、電流IがどのLEDセグメント11、12、13又は14内で流れるにも不十分となる。
【0051】
図3は、各LEDセグメント11、12、13、14について、整流器及び調光デバイス5におけるAC電圧の位相カット角(phase-cutting angle)αの変動(水平軸)におけるLEDモジュール2の全光出力と比較されたLEDセグメント11の光出力の比R(比R11)、LEDセグメント12の光出力の比R(比R12)、LEDセグメント13の光出力の比R(比R13)、LEDセグメント14の光出力の比R(比R14)(垂直軸)を説明する。各位相カット角αにおいて、次の式が成立する:R11+R12+R13+R14=100%。
【0052】
位相カット角αが0度である場合(位相カットなし)、LEDモジュール2の全光出力に対するLEDセグメント11の光出力の比R11は、AC電圧の半周期について見た場合、約33%である。LEDセグメント12、13及び14については、比R12、R13及びR14は、それぞれ、約28%、23%及び16%である。
【0053】
図2から分かり且つ
図3において見られるように、比R11、R12、R13及びR14は、位相カット角αが0度と11度との間である場合は、位相カット角はどのLEDセグメントの導通時間にも影響を与えないので、同じ状態のままである。
図2から更に分かり且つ
図3において見られるように、位相カット角αが128度を上回る場合、LEDセグメント14は当該位相カット角αでは導通できないため、比R14はゼロになる。位相カット角αが144度を上回る場合、LEDセグメント13は当該位相カット角αでは導通できないため、比R13はゼロになる。位相カット角αが157度を上回る場合、LEDセグメント12は当該位相カット角αでは導通できないため、比R12はゼロになる。位相カット角αが157度と169度との間である場合、LEDセグメント11は電圧Vの半周期の間に導通状態となる唯一のセグメントであるため、比R11は100%となる。位相カット角αが169度を上回る場合、LEDセグメント11は当該位相カット角αでは導通できないため、比R11はゼロになる。実際には、位相カット角αが169度を上回る場合、どのLEDセグメント11、12、13又は14も導通できない。
【0054】
図3では、曲線Iavは、様々な位相カット角αにおけるLEDセグメント11、12、13、14を流れる平均電流を示す。
【0055】
図4は、
図3の詳細、即ち、整流器及び調光デバイス5の代表的な作動範囲である30度と150度との間の位相カット角についての曲線R11を示す。
図3によって示されるように、LEDセグメント12、13及び14については、それぞれの比R12、R13及びR14は、位相カット角αが
図4の作動範囲内で増加しても実質的に同じ状態のままか又は減少する。しかし、比R11は、位相カット角αが
図4の作動範囲内で増加すると顕著に増加する。
【0056】
LEDセグメント11によって放射された光の色温度が、残りのLEDセグメント12、13、14のうち少なくとも1つの色温度よりも低い場合、LEDモジュール2のLED列を調光することの効果は、位相カット角αが増加すると、LEDモジュール2のLEDセグメント11及び少なくともLEDセグメント12によって放射された光の色温度は減少することであり、これは、LEDセグメント11が残りのLEDセグメント12、13、14のうち1つ以上より優位となること、つまり、比R11がどの比R12、R13、R14よりも多く増加することに起因する。結果として、LEDモジュール2を調光する場合、LEDセグメント11と、LEDセグメント12、13及び14のうち1つ以上とによって放射された光の(全体の)色温度は、白熱灯の減少に似た減少を示す。LEDモジュールのユーザは、BBL(黒体線)挙動と似た色挙動を知覚する。
【0057】
一例として、少なくとも、LEDセグメント11は、RD光又はRD/AM光を放射するのに対して、残りのLEDセグメント12、13及び14のうち少なくとも1つは、WW、NW及び/又はCW光を放射する。
【0058】
代替実施形態では、すべてのLEDセグメントは同じ色温度を有する光を放射する。
【0059】
図5は、
図1bの回路の一実施形態の動作を説明する。ここではLEDセグメント11は、WW、RD、AM又はRD/AM光を放射し、LEDセグメント12、13及び14のうち少なくとも1つは、LEDセグメント11より高い色温度を有する光を放射する。他の実施形態では、LEDセグメント11、12、13及び14によって放射される光の色温度は同じである。動作モードは、電源3によって供給される一定電力である。この動作モードでは、LEDセグメントを流れる電流は、オンにされたLEDセグメントの数に応じて調節される。
【0060】
図5では、曲線Vは、整流された主電源電圧Vの半周期(0から180度にわたる位相角)を表す。
【0061】
すべてのLEDセグメント11、12、13、14が略同じオン電圧を有すると想定される。
【0062】
電圧Vが0度から増加すると、約11度において、電圧Vは、値I1を有する電流I(電流制御デバイス61によって振幅制御される)がLEDセグメント11内を流れるために十分な第1のレベルにある。残りのLEDセグメント12、13、14内には電流は流れない。
【0063】
約23度において、電圧Vは、LEDセグメント11及び12が導通状態となるために十分な第2のレベルにある。電流Iは、直列に接続されたLEDセグメント11及び12内を流れるように、値I2を有するように調節され、電流制御デバイス62によって振幅制御される。電流制御デバイス61は、電流を導通しないように制御回路66によって制御される。残りのLEDセグメント13及び14内には電流は流れない。
【0064】
約36度において、電圧Vは、LEDセグメント11、12及び13が導通状態となるために十分な第3のレベルにある。電流Iは、直列に接続されたLEDセグメント11、12及び13内を流れるように、値I3を有するように調節され、電流制御デバイス63によって振幅制御される。電流制御デバイス61及び62は、電流を導通しないように制御回路66によって制御される。LEDセグメント14内には電流は流れない。
【0065】
約52度において、電圧Vは、LEDセグメント11、12、13及び14が導通状態となるために十分な第4のレベルにある。電流は、直列に接続されたLEDセグメント11、12、13及び14内を流れるように、値I4を有するように調節され、電流制御デバイス64によって振幅制御される。電流制御デバイス61、62及び63は、電流を導通しないように制御回路66によって制御される。
【0066】
約52度と約128度との間では、電圧Vは、LEDセグメント11、12、13及び14が導通状態となり、電流I(依然として電流制御デバイス64によって振幅が制御される)が直列に接続されたLEDセグメント11、12、13及び14内を流れるために十分な第4のレベルより上に留まる。すべての電流制御デバイス61、62及び63は開放状態にある、即ち、電流を導通しない。
【0067】
約128度において、電圧Vは第4のレベル以下に減少し、LEDセグメント14が導通状態となるには不十分となる。しかし、電圧Vは、LEDセグメント11、12及び13が導通状態となり、電流Iが直列に接続されたLEDセグメント11、12及び13内を流れるためには依然として十分である。この場合、電流制御デバイス63は、値I3を有するように電流Iの振幅を調節する。電流制御デバイス61及び62は、電流を導通しないように制御回路66によって制御される。
【0068】
約144度において、電圧Vは第3のレベル以下に減少し、LEDセグメント13及び14が導通状態となるには不十分となる。しかし、電圧Vは、LEDセグメント11及び12が導通状態となり、電流Iが直列に接続されたLEDセグメント11及び12内を流れるためには依然として十分である。この場合、電流制御デバイス62は、電流Iの振幅を値I2に調節する。電流制御デバイス61は、電流を導通しないように制御回路66によって制御される。
【0069】
約157度において、電圧Vは第2のレベル以下に減少し、LEDセグメント12、13及び14が導通状態となるには不十分となる。しかし、電圧Vは、LEDセグメント11が導通状態となり、電流IがLEDセグメント11内を流れるためには依然として十分である。この場合、電流制御デバイス61は、電流Iの振幅を値I1に調節する。
【0070】
約169度において、電圧Vは第1のレベル以下に減少し、LEDセグメント11が導通状態となるには不十分となる。電流Iはゼロになる。
【0071】
約169度を超えると、電圧Vは、電流IがどのLEDセグメント11、12、13又は14内で流れるにも不十分となる。
【0072】
図6は、各LEDセグメント11、12、13、14について、整流器及び調光デバイス5におけるAC電圧の位相カット角αの変動(水平軸)におけるLEDモジュール2の全光出力と比較されたLEDセグメント11の光出力の比R(比R11)、LEDセグメント12の光出力の比R(比R12)、LEDセグメント13の光出力の比R(比R13)、LEDセグメント14の光出力の比R(比R14)(垂直軸)を示す。各位相カット角αにおいて、次の式が成立する:R11+R12+R13+R14=100%。
【0073】
位相カット角αが0度である場合(位相カットなし)、LEDモジュール2の全光出力に対するLEDセグメント11の光出力の比R11は、AC電圧の半周期について見た場合、約42%である。LEDセグメント12、13及び14については、比R12、R13及びR14は、それぞれ、約27%、19%及び12%である。
【0074】
図5から分かり且つ
図6において見られるように、比R11、R12、R13及びR14は、位相カット角αが0度と11度との間である場合、これらの値において位相カット角はどのLEDセグメントの導通時間にも影響を与えないので、同じ状態のままである。
図5から更に分かり且つ
図6において見られるように、位相カット角αが128度を上回る場合、LEDセグメント14は当該位相カット角αでは導通できないため、比R14はゼロになる。位相カット角αが144度を上回る場合、LEDセグメント13は当該位相カット角αでは導通できないため、比R13はゼロになる。位相カット角αが157度を上回る場合、LEDセグメント12は当該位相カット角αでは導通できないため、比R12はゼロになる。位相カット角αが157度と169度との間である場合、LEDセグメント11は電圧Vの半周期の間に導通状態となる唯一のセグメントであるため、比R11は100%となる。位相カット角αが169度を上回る場合、LEDセグメント11は当該位相カット角αでは導通できないため、比R11はゼロになる。実際には、位相カット角αが169度を上回る場合、どのLEDセグメント11、12、13又は14も導通できない。
【0075】
図6では、曲線Iavは、様々な位相カット角αにおけるLEDセグメント11、12、13、14を流れる平均電流を示す。
【0076】
図6から判断すると、LEDモジュール2のLED列を調光することの効果は、位相カット角αが増加すると、LEDモジュール2によって放射された光の色温度は減少することであり、これは、LEDセグメント11が残りのLEDセグメント12、13、14より優位となること、つまり、比R11がどの比R12、R13、R14よりも多く増加することに起因する。結果として、LEDモジュール2を調光する場合、LEDセグメント11と、LEDセグメント12、13及び14のうち1つ以上とによって放射された光の(全体の)色温度は、白熱灯と似た方法で減少する。
【0077】
図7は、
図1aの回路の一実施形態の動作を説明する。ここではLEDセグメント11は、WW、RD、AM又はRD/AM光を放射し、LEDセグメント12、13及び14のうち少なくとも1つは、LEDセグメント11より高い色温度を有する光を放射する。他の実施形態では、LEDセグメント11、12、13及び14によって放射される光の色温度は同じである。動作モードは、電源3によって50%変調されたLEDセグメント電流を供給する。この動作モードでは、LEDセグメントを流れる電流は、電圧Vの半周期にわたって変動する。
【0078】
図7では、曲線Vは、整流された主電源電圧Vの半周期(0〜180度)を表す。
【0079】
すべてのLEDセグメント11、12、13、14が略同じオン電圧を有すると想定される。
【0080】
図7に示される動作モードにおける
図1aの回路の説明のために、上記
図3の説明を参照するが、電流IがLEDセグメント内を流れると、当該電流は50%がパルス幅変調されている点だけが異なる。
【0081】
図8は、各LEDセグメント11、12、13、14について、整流器及び調光デバイス5におけるAC電圧の位相カット角αの変動(水平軸)におけるLEDモジュール2の全光出力と比較されたLEDセグメント11の光出力の比R(比R11)、LEDセグメント12の光出力の比R(比R12)、LEDセグメント13の光出力の比R(比R13)、LEDセグメント14の光出力の比R(比R14)(垂直軸)を示す。各位相カット角αにおいて、次の式が成立する:R11+R12+R13+R14=100%。
【0082】
位相カット角αが0度である場合(位相カットなし)、LEDモジュール2の全光出力におけるLEDセグメント11の光出力の比R11は、AC電圧の半周期について見た場合、約33%である。LEDセグメント12、13及び14については、比R12、R13及びR14は、それぞれ、約28%、23%及び16%である。
【0083】
図7から分かり且つ
図8において見られるように、比R11、R12、R13及びR14は、位相カット角αが0度と11度との間である場合は、これらの値において位相カット角はどのLEDセグメントの導通時間にも影響を与えないので、同じ状態のままである。
図7から更に分かり且つ
図8において見られるように、位相カット角αが128度を上回る場合、LEDセグメント14は当該位相カット角αでは導通できないため、比R14はゼロになる。位相カット角αが144度を上回る場合、LEDセグメント13は当該位相カット角αでは導通できないため、比R13はゼロになる。位相カット角αが157度を上回る場合、LEDセグメント12は当該位相カット角αでは導通できないため、比R12はゼロになる。位相カット角αが157度と169度との間である場合、LEDセグメント11は電圧Vの半周期の間に導通状態となる唯一のセグメントであるため、比R11は100%となる。位相カット角αが169度を上回る場合、LEDセグメント11は当該位相カット角αでは導通できないため、比R11はゼロになる。実際には、位相カット角αが169度を上回る場合、どのLEDセグメント11、12、13又は14も導通できない。
【0084】
図8では、曲線Iavは、様々な位相カット角αにおけるLEDセグメント11、12、13、14を流れる平均電流を示す。
【0085】
図8から判断すると、LEDモジュール2のLED列を調光することの効果は、位相カット角αが増加すると、LEDモジュール2によって放射された光の色温度は減少することであり、これは、LEDセグメント11が残りのLEDセグメント12、13、14より優位となること、つまり、比R11がどの比R12、R13、R14よりも多く増加することに起因する。結果として、LEDモジュール2を調光する場合、LEDセグメント11と、LEDセグメント12、13及び14のうち1つ以上とによって放射された光の(全体の)色温度は、白熱灯と似た方法で減少する。
【0086】
(
図4と併せて)
図3、
図6及び
図8を比較すると、この3つのシナリオすべてにおいて、LEDセグメント12、13及び14について、それぞれの比R12、R13及びR14は、
図4に示される作動範囲といった位相カット角αの代表的な作動範囲において実質的に同じ状態のままか又は減少するように見える。しかし、比R11は、その作動範囲において位相カット角αが増加すると顕著に増加する。比R11は、電流制御デバイス45(
図1a、2、3、4、7及び8)、又は、電流制御デバイス62、63及び/若しくは64(
図1b、5及び6)の所定制御によって場合により補完される電流制御デバイス61(
図1b、5及び6)の所定制御によってLEDセグメント11を流れる電流を調節することによって更に調節されてもよい。
【0087】
なお、
図1aにおけるLED駆動回路1は、それぞれのLEDセグメント12、13及び14に並列に接続されるスイッチングデバイス41、42及び43を有する。LEDセグメント11については個別のスイッチングデバイスがない。しかし、LED駆動回路1の代替実施形態では、スイッチングデバイスがLEDセグメント11に並列に接続され、制御された方法でスイッチングデバイスを開閉する制御回路46に動作可能に接続される。このような状況において、電圧Vが第1のレベルにある場合、いずれかのLEDセグメント11、12、13、14が、その個別のスイッチングデバイスを開放状態にすることによって電流Iを導通するように選択される。このことは、この場合、LEDセグメント11が必ずしも導通状態となる最初のLEDセグメントである必要がなく、また、残りのLEDセグメントのうち少なくとも1つのセグメントの色温度よりも低い色温度を有する光を放射する必要がないことを意味する。LED駆動回路がLEDセグメントのそれぞれに並列に接続されたスイッチングデバイスを有する場合、導通状態となり、残りのLEDセグメントのうち少なくとも1つのセグメントの色温度よりも低い色温度を有する光を放射する最初のLEDセグメントに、どのLEDセグメント11、12、13又は14が選択されてもよい。他の実施形態では、すべてのLEDセグメントの色温度は同じである。
【0088】
図1a及び
図1bにそれぞれ示されるLED駆動回路1及び8の動作の上記説明では、すべてのLEDセグメントが略同じオン電圧、即ち、LEDセグメントが電流を導通し始める電圧を有すると想定されている。しかし、様々なLEDセグメントが様々なオン電圧を有してよく、このことは、関心のLEDセグメントが導通又は光の放射を開始又は停止する位相角に影響を及ぼす。
【0089】
図9は、調光範囲に亘ってLEDモジュールの光強度LI(%)に対してプロットされた、それぞれ50VのLEDセグメントを6つ含むLEDモジュールの一実施形態の色温度T(K)の測定結果の第1のグラフ(EMBと示す)を示し、ここで、第1のLEDセグメントは琥珀色光を放射し、残りの5つのLEDセグメントは白色光を放射する。同図において、比較のために、一般的なGLS(白熱灯)の色温度がその光強度に対してプロットされる。図から分かるように、LEDモジュールとGLSとの両方について、放射光の色温度は、全体的に、同様に減少し、このことは、LEDモジュールが全体として、GLSと同様の放射光の色温度の挙動を示すことが明らかにする。
【0090】
図10は、4つのLEDセグメント11、12、13及び14がその上に取付けられた支持体70を有するLEDモジュールを示す。LEDセグメント11、12、13及び14は、
図1a又は
図1bに示されたようにLEDモジュール2の一部であってよい。LEDセグメント11、12、13及び14は、直列に接続され、それぞれ、好きなように相互に接続された(直列、並列、又は直列並列)1つ以上のLEDを含む。各LEDセグメント11、12、13、14の作動電圧は、残りのセグメントと同じでも異なってもよく、例えば約30V、約36V又は約70Vである。LEDモジュールにおけるLEDセグメントの数は様々に選択されてよいが少なくとも2つである。
図10の配置では、通常の作動電圧においてLEDセグメント11、12、13及び14のそれぞれによって放射される光の色及び/又は強度は、上で説明したとおり、残りのLEDセグメントのうち1つ以上と同じでも、それらとは異なってもよい。
【0091】
以下の説明では、
図10のLEDモジュールの支持体70上のLEDセグメント11及び12が下方向に光を放射する一方で、
図10のLEDモジュールのLEDセグメント13及び14が上方向に光を放射すると想定される。
【0092】
LEDセグメント11、12、13及び14が、
図1a又は
図1bに示されるようにLED照明回路に含まれ、例えば
図3又は
図6を参照して説明されたように調光動作において位相カット電圧によってそれぞれ動作される場合、(LEDセグメント11、12によって)上方向に放射された光の強度に対する(LEDセグメント13、14によって)下方向に放射された光の強度の比Rduは、導通角β(ただしβ=180°−α、αは(立ち上がり)正相カット調光又は(立ち下がり)逆相カット調光における位相カット角)の関数として測定される。このような測定の結果は、
図11のグラフに示される。ここではFDと示される曲線は、正相カット調光について得られたものであり、RDと示される曲線は、逆相カット調光について得られたものである。両曲線は、比較的少量の調光、即ち、大きい(例えば70°より大きい)導通角β(例えば110°より小さい位相カット角に対応する)では、上方向に放射された光の割合と比較された下方向に放射された光の割合は比較的一定であることを示す。しかし、導通角βが減少する(位相カット角αの増加に対応する)と、上方向に放射された光に対する下方向に放射された光の比は、大部分の光は下方向に放射されるため、増加する。
【0093】
図12に示されるように、
図10のLEDモジュールが、
図11に示されるように動作される場合、LEDセグメント11、12、13、14を担持する支持体70を含むランプシェード75を有するテーブルランプ71は、下方向に光ビーム72と上方向に光ビーム73とを放射する。大きい導通角βでは、光はビーム72で下方向に、ビーム73で上方向に放射される。導通角βが減少するにつれて、ビーム73で上方向に放射される光は減少する一方で、ビーム72で下方向に放射される光も減少するがその度合はより少ない。導通角βが更に減少すると、もはや上方向に光は放射されない一方で、光は下方向には依然として放射される点に到達される。したがって、上で説明したように一連のLEDセグメント11、12、13及び14を動作させることにより、ランプにおけるLEDモジュールを調光するとテーブルランプ71から上方向に放射される光と下方向に放射される光との両方が影響を受ける従来の調光に比べて、照明雰囲気の制御が向上される。様々なLEDセグメント11、12、13及び14が同じ色の光を放射する場合、ビーム73内で放射される光に対するビーム72内で放射される光の強度比は、ランプ内のLEDモジュールを調光することによって影響される。様々なLEDセグメント11、12、13及び14が様々な色の光を放射する場合、ビーム73で放射される光に対するビーム72で放射される光の強度比だけでなく、各ビーム72、73における光の色も、ランプのLEDモジュールを調光することによって影響される。
【0094】
図13は、LEDモジュールの支持体80上のLEDセグメント11、12、13及び14の別の構成を示す。すべてのLEDセグメント11、12、13及び14が同じ方向に光を放射する。一例として、LEDセグメント11はビームB11で光を放射し、LEDセグメント12はビームB11より広いビームB12で光を放射し、LEDセグメント13はビームB11及びB12より広いビームB13で光を放射し、LEDセグメント14はビームB11、B12及びB13より広いビームB14で光を放射する。すべてのビームB11、B12、B13及びB14は重なりを示す。
【0095】
図14は、ビームB11、B12、B13及びB14によってそれぞれ照射される例示的な領域A11、A12、A13及びA14を示す。したがって、領域A11、A12、A13及びA14はそれぞれビームB11、B12、B13及びB14の断面として見ることができ、各ビームは少なくとも部分的にボリュームを画定する。領域A11、A12、A13及びA14は、1つの方向において同じ寸法を有し、当該方向に直角な方向では、領域A14は領域A13より広く、領域13は領域A12より広く、領域A12は領域A11より広いことが見て取れる。
【0096】
一連のLEDセグメント11、12、13及び14が調光されない場合、領域A14は、領域A11における光の強度及び/又は光の色は領域A11の外側の領域A12における光の強度及び/又は光の色とは異なるように、照射される。これは、すべてのLEDセグメント11、12、13及び14が(同じ又は異なる強度及び/又は色を有する)光を提供するからである。領域A12の外側の領域A13及び領域A13の外側の領域A14についても同様である。一連のLEDセグメント11、12、13及び14を、例えば位相カット調光及び/又は電圧振幅調光によって調光する場合、領域A11だけに光が提供される点が到達されるまで、領域A13の外側の領域A14、領域A12の外側の領域A13及び領域A11の外側の領域A12に提供される光が徐々に少なくされる。したがって、調光が増加されると照射される領域は狭くなる。
【0097】
それぞれLEDセグメント11、12、13及び14を含む複数のLEDモジュールからなるチェーンが、例えばある長さと幅を有する廊下を照射するように線に沿って離間された構成で配置され、当該線は、廊下の長さ方向において廊下の上部において延在し、光は廊下の床に向けられる場合、廊下は、
図15a、15b、15c及び15dに示されるように照射される。すべて(非限定的な例では4つ)のLEDモジュールが同様に調光される場合、非調光状態では、一連の領域A14−1、A14−2、A14−3及びA14−4が照射され、その結果、領域A11−1、A11−2、A11−3及びA11−4における光の強度及び/又は光の色は、領域A11−1、A11−2、A11−3及びA11−4の外側の領域A12−1、A12−2、A12−3及びA12−4における光の強度及び/又は光の色とは異なる。これは、すべてのLEDモジュールのすべてのLEDセグメント11、12、13及び14が(同じ又は異なる強度及び/若しくは色を有する)光を提供するからである。領域A12−1、A12−2、A12−3及びA12−4の外側の領域A13−1、A13−2、A13−3及びA13−4、及び、領域A13−1、A13−2、A13−3及びA13−4の外側の領域A14−1、A14−2、A14−3及びA14−4についても同様である。このことは
図15dに示される。LEDモジュールの一連のLEDセグメント11、12、13及び14を、例えば位相カット調光及び/又は電圧振幅調光によって調光する場合、(
図15cに示されるように)領域A13−1、A13−2、A13−3及びA13−4の外側の領域A14−1、A14−2、A14−3及びA14−4がもはや照射されなくなるまで領域A13−1、A13−2、A13−3及びA13−4の外側の領域A14−1、A14−2、A14−3及びA14−4に提供される光が徐々に少なくされ、(
図15bに示されるように)領域A12−1、A12−2、A12−3及びA12−4の外側の領域A13−1、A13−2、A13−3及びA13−4がもはや照射されなくなるまで領域A12−1、A12−2、A12−3及びA12−4の外側の領域A13−1、A13−2、A13−3及びA13−4に提供される光が徐々に少なくされ、さらに、(
図15aに示されるように)領域A11−1、A11−2、A11−3及びA11−4だけに光が提供される点が到達されるまで、領域A11−1、A11−2、A11−3及びA11−4の外側の領域A12−1、A12−2、A12−3及びA12−4に提供される光が徐々に少なくされる。したがって、調光が増加されると照射される細長い領域は狭くなる。このようなLEDの調光は、廊下を照らすには、照明の幅を廊下の使用条件に適応させるのに有用であり、例えば、通常使用時には調光なしで、したがって全幅であり、利用が少なくなる時間には適応された調光をする一方で、廊下の中心領域では安全照明レベルを維持し、同時にLEDモジュールの消費電力を下げる。
【0098】
上で例示しかつ説明した発明は、一般に、様々な主電源電圧及び主電源周波数(例えば欧州では230V及び50Hz、又は、米国では110V及び60Hz)において適用可能である。50Hzでは、主電源電圧の半周期(0〜180度)は10ミリ秒かかる。60Hzでは、主電源電圧の半周期は0.83ミリ秒かかる。
【0099】
上で説明したように、空間の少なくとも一部分を照らす方法において、発光ダイオード(LED)列が用いられる。LED列は、第1のLEDセグメントと、直列に接続された少なくとも1つの他のLEDセグメントとを含み、各LEDセグメントは、少なくとも1つのLEDを含む。LED列は、整流されたAC電圧によって給電される。第1のLEDセグメントは、整流されたAC電圧が第1の電圧レベルを上回る場合に給電され、第1のLEDセグメント及び他のLEDセグメントは、整流されたAC電圧が第1の電圧レベルより高い第2の電圧レベルを上回ると給電される。第1のLEDセグメントは、空間の第1のボリュームに向けて光を放射し、他のLEDセグメントは、空間の第2のボリュームに向けて光を放射し、第1のボリュームは、第2のボリュームと少なくとも部分的に異なる。第1のボリュームは、第2のボリュームに少なくとも部分的に重なる。
【0100】
本発明は、図面及び上記説明において詳細に例示かつ説明されたが、このような例示及び説明は、例示であって限定と考えられるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態への他の変更は、図面、開示内容及び添付の特許請求の範囲の検討からクレームされた発明を実施する際に、当業者によって理解かつ実現される。請求項において、「含む」との用語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、また、不定冠詞「a」又は「an」は複数形を排除するものではない。特定の手段が相互に異なる従属項に記載されるからと言って、それらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。請求項における任意の参照符号は、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。