(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の一般的なソフトウェア・キーボードは選択肢が多すぎて使いにくいという問題点
があった。また、画面上に表示される選択肢が少ないシステムであるT−Cube(非特
許文献1)においてはパイメニューの表示でフィードバックを返すものの、パイメニュー
の中心の領域が有効に利用されておらず、全ての選択肢が同列に扱われてしまっていると
いう問題点があった。非特許文献2のシステムにおいてはストローク操作以外にタップ操
作が利用されているものの、ストローク操作による入力とタップ操作による入力という別
の入力方法を組み合わせたものであるため、入力文字の確定操作がオペレータにとっては
直感的ではないという問題点があった。またこのようなストローク操作の軌跡によって入
力文字を確定するようなシステムでは、ストロークを開始した後のキャンセル操作が困難
であるという問題点もあった。
【0007】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、領域を選択することによる直感的な操作
でありながら、画面上に表示される選択肢を階層構造によって管理し、表示される領域の
数を少なくすることによってオペレータが文字入力を行なうことを容易にするための文字
入力装置、文字入力方法、及び文字入力プログラムを提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の一つの目的は、階層構造におけるそれぞれの階層を代表する選択肢を明確
にすることによってオペレータの理解を助けることが可能となる文字入力装置、文字入力
方法、及び文字入力プログラムを提供することにある。
【0009】
本発明の他の一つの目的は、オペレータが、文字ではなく階層に関連付けられた選択肢
を選択した際に、新たに表示された選択肢の階層を代表する選択肢が直ちに選択可能な状
態となっていることによって、階層を代表する選択肢が特別に扱われながらもその他の選
択肢と同列に扱われ、オペレータが直感的に入力操作を行なうことが可能となる文字入力
装置、文字入力方法、及び文字入力プログラムを提供することにある。
【0010】
本発明の他の一つの目的は、オペレータが選択操作の途中で文字入力操作をキャンセル
することのできる文字入力装置、文字入力方法、及び文字入力プログラムを提供すること
にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によって、ポインティングデバイスを含む入力装置とディスプレイ装置とを備え
る文字入力装置において、前記文字入力装置は、前記ディスプレイ装置の画面上に領域を
設定する領域設定手段と、前記入力装置から得られる座標と確定操作とを検出する検出手
段と、座標が領域に含まれるかどうかを判定する領域判定手段と、前記領域と文字の関連
付けられた選択要素を生成する選択要素生成手段と、前記選択要素を階層構造によって管
理する選択要素管理手段と、前記領域の描画と前記文字の描画を前記ディスプレイ装置に
実行させる描画手段とを備え、前記選択要素生成手段は、前記階層構造における階層に含
まれる前記選択要素の関連付けられた選択要素を生成して階層要素とし、前記選択要素生
成手段は、前記階層要素に関連付けられた階層を構成する前記選択要素において、少なく
とも一つの選択要素に、他の選択要素に関連付けられた領域である、前記階層要素に関連付けられた領域の周囲を取り囲みかつそれぞれが同程度の広さを備えた二つ以上の領域のうちの一つ、よりも広い領域である、前記階層要素に関連付けられた領域の周囲を取り囲みかつそれぞれが同程度の広さを備えた二つ以上の領域のうちの一つにさらに前記階層要素に関連付けられた領域を追加した領域、を関連付け、前記選択要素管理手段は、一つ以上の選択要素を描画手段によって描画させ、前記選択要素管理手段は、前記検出手段が確定操作を検出した際に、前記検出手段の検出した座標と前記選択要素に関連付けられた前記領域について、前記領域判定手段によって判定を行なった結果が真であり、当該選択要素が前記階層要素であった場合に、当該階層要素に関連付けられた階層を構成する前記選択要素を前記描画手段によって描画させ、前記選択要素管理手段は、前記検出手段が確定操作を検出した際に、前記検出手段の検出した座標と前記選択要素に関連付けられた前記領域について、前記領域判定手段によって判定を行なった結果が真であり、当該選択要素が前記階層要素でなかった場合は、当該選択要素に関連付けられた前記文字を入力文字として確定することを特徴とする文字入力装置が提供される。
【0012】
上記のような文字入力装置では、ポインティングデバイスから得られる座標情報に基づ
いて画面の表示が変化してオペレータにフィードバックを返すが、その際に画面に表示さ
れる選択肢である選択要素が階層構造によって管理されているため、画面に同時に表示さ
れる選択肢の数を少なく抑えることが可能となる。検出手段に検出される確定操作はポイ
ンティングデバイスのボタンが押された時や離された時、またクリック操作された時など
であり、それらの操作のうちのいずれを確定操作として利用するのかは選択要素管理手段
によって管理されている。ペンデバイスの場合は、ペンの触れた時や離れた時、またタッ
プ操作された時などが該当する。タッチパネルの場合は、指の触れた時や離れた時、また
タップ操作された時などが該当する。この場合、一回のクリック操作におけるボタンが押
される操作とボタンが離される操作のそれぞれを確定操作として検出し、オペレータが一
回のクリック操作を行なった場合に二回の確定操作を検出するように設定することも可能
であるし、一回のクリック操作を一回の確定操作として検出するように設定することも可
能である。タップ操作に関しても同様に、ペンや指の触れた時と離れた時のそれぞれを別
の確定操作として検出するのか、あるいは触れることと離れることの組み合わせを確定操
作として検出するのか、それらのうちのどちらにも設定可能である。また、ドラッグ操作
やスライド操作における開始点と終了点のそれぞれで確定操作が行なわれたと検出するよ
うに設定することによって、一回のドラッグ操作やスライド操作を二回の確定操作として
検出するようにも設定可能である。
【0013】
また、上記選択要素生成手段は、前記階層要素を生成する際に、関連付けられる階層を
構成する前記選択要素において、他の選択要素に関連付けられた領域よりも広い領域の関
連付けられた選択要素を、当該階層の代表となる代表選択要素として当該階層要素にさら
に関連付けるものであってもよい。
【0014】
この場合、階層要素が表示される際にその階層要素の選択によって表示されることにな
る新たな選択肢の代表となる文字を階層要素の選択前にオペレータに提示することが可能
となり、階層要素を選択した場合に次に表示される選択肢についてオペレータの理解を助
けることが可能となる。
【0015】
また、上記選択要素管理手段は、前記階層要素に関連付けられた階層を構成する選択要
素を描画手段によって描画させる際に、当該階層の前記代表選択要素に関連付けられた前
記領域と前記検出手段の検出した座標についての前記領域判定手段による判定が真となる
ように、当該代表選択要素の前記領域を調整するものであってもよい。
【0016】
この場合、階層要素の選択によって表示されることになる新たな選択肢のうちの代表選
択要素の領域は、表示された時には既に領域判定手段による判定が真となる位置や形状に
調整されているため、オペレータは直ちに確定操作を行なうことが可能であり、オペレー
タに対して選択肢の代表となる文字の入力が容易である環境の提供が可能となる。また、
代表選択要素の形状を選択要素管理手段が調整することは、選択要素生成手段が代表選択
要素を生成する際に、他の選択要素と同程度の大きさの領域にさらに、画面上に表示され
た後に直ちに選択された状態となるための領域を追加したような領域の関連付けられた選
択要素として生成することによっても代替可能である。
【0017】
また、上記選択要素管理手段は、前記検出手段が確定操作を検出した際に、前記検出手
段の検出した座標と前記選択要素に関連付けられた前記領域について、前記領域判定手段
によって判定を行なった結果が真であるような前記選択要素がなかった場合は、キャンセ
ル処理を実行するものであってもよい。
【0018】
この場合、オペレータは、ポインティングデバイスがどの選択要素の領域内の座標も指
さないような画面上の位置で、確定操作を行なうことによって操作中のどの段階であって
も入力操作をキャンセルすることが可能となる。
【0019】
また、本発明によって、ポインティングデバイスを含む入力装置とディスプレイ装置と
を備える文字入力装置における文字入力方法において、前記文字入力方法は、前記ディス
プレイ装置の画面上に領域を設定する領域設定ステップと、前記入力装置から得られる座
標と確定操作とを検出する検出ステップと、座標が領域に含まれるかどうかを判定する領
域判定ステップと、前記領域と文字の関連付けられた選択要素を生成する選択要素生成ス
テップと、前記選択要素を階層構造によって管理する選択要素管理ステップと、前記領域
の描画と前記文字の描画を前記ディスプレイ装置に実行させる描画ステップとを含み、前
記選択要素生成ステップは、前記階層構造における階層に含まれる前記選択要素の関連付
けられた選択要素を生成して階層要素とするステップを含み、前記選択要素生成ステップ
は、前記階層要素に関連付けられた階層を構成する前記選択要素において、少なくとも一
つの選択要素に、他の選択要素に関連付けられた領域である、前記階層要素に関連付けられた領域の周囲を取り囲みかつそれぞれが同程度の広さを備えた二つ以上の領域のうちの一つ、よりも広い領域である、前記階層要素に関連付けられた領域の周囲を取り囲みかつそれぞれが同程度の広さを備えた二つ以上の領域のうちの一つにさらに前記階層要素に関連付けられた領域を追加した領域、を関連付けるステップを含み、前記選択要素管理ステップは、一つ以上の選択要素を描画ステップによって描画させるステップを含み、前記選択要素管理ステップは、前記検出ステップが確定操作を検出した際に、前記検出ステップの検出した座標と前記選択要素に関連付けられた前記領域について、前記領域判定ステップによって判定を行なった結果が真であり、当該選択要素が前記階層要素であった場合に、当該階層要素に関連付けられた階層を構成する前記選択要素を前記描画ステップによって描画させるステップを含み、前記選択要素管理ステップは、前記検出ステップが確定操作を検出した際に、前記検出ステップの検出した座標と前記選択要素に関連付けられた前記領域について、前記領域判定ステップによって判定を行なった結果が真であり、当該選択要素が前記階層要素でなかった場合は、当該選択要素に関連付けられた前記文字を入力文字として確定するステップを含むことを特徴とする文字入力方法が提供される。
【0020】
また、上記選択要素生成ステップは、前記階層要素を生成する際に、関連付けられる階
層を構成する前記選択要素において、他の選択要素に関連付けられた領域よりも広い領域
の関連付けられた選択要素を、当該階層の代表となる代表選択要素として当該階層要素に
さらに関連付けるステップを含むものであってもよい。
【0021】
また、上記選択要素管理ステップは、前記階層要素に関連付けられた階層を構成する選
択要素を描画ステップによって描画させる際に、当該階層の前記代表選択要素に関連付け
られた前記領域と前記検出ステップの検出した座標についての前記領域判定ステップによ
る判定が真となるように、当該代表選択要素の前記領域を調整するステップを含むもので
あってもよい。
【0022】
また、上記選択要素管理ステップは、前記検出ステップが確定操作を検出した際に、前
記検出ステップの検出した座標と前記選択要素に関連付けられた前記領域について、前記
領域判定ステップによって判定を行なった結果が真であるような前記選択要素がなかった
場合は、キャンセル処理を実行するステップを含むものであってもよい。
【0023】
また、本発明によって、コンピュータを請求項1から4のいずれか一項記載の文字入力
装置として機能させる文字入力プログラムが提供される。
【0024】
また、本発明によって、請求項5から8のいずれか一項記載の文字入力方法をコンピュ
ータに実行させる文字入力プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0025】
請求項1又は5に記載の発明によれば、領域を選択することによる直感的な操作であり
ながら、画面上に表示される選択肢を階層構造によって管理し、表示される領域の数を少
なくすることによってオペレータが文字入力を行なうことを容易にするための文字入力装
置又は文字入力方法が提供される。
【0026】
請求項2又は6に記載の発明によれば、階層構造におけるそれぞれの階層を代表する選
択肢を明確にすることによってオペレータの理解を助けることが可能となる文字入力装置
又は文字入力方法が提供される。
【0027】
請求項3又は7に記載の発明によれば、オペレータが、文字ではなく階層に関連付けら
れた選択肢を選択した際に、新たに表示された選択肢の階層を代表する選択肢が直ちに選
択可能な状態となっていることによって、階層を代表する選択肢が特別に扱われながらも
その他の選択肢と同列に扱われ、オペレータが直感的に入力操作を行なうことが可能とな
る文字入力装置又は文字入力方法が提供される。
【0028】
請求項4又は8に記載の発明によれば、オペレータが選択操作の途中で文字入力操作を
キャンセルすることのできる文字入力装置又は文字入力方法が提供される。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、コンピュータが上記に記載された文字入力装置として
機能する。
【0030】
請求項10に記載の発明によれば、上記に記載された文字入力方法がコンピュータによ
り実行される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明における文
字入力装置400の構成を示すブロック図である。当該装置は、パソコン等のコンピュー
タ100、入力装置200及びディスプレイ装置300によって構成されている。コンピ
ュータ100は、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ハン
ドヘルドコンピュータ、ポケットコンピュータ、及び電子手帳など、様々な形をとり得る
。
図1では一例としてコンピュータ100と入力装置200及びディスプレイ装置300
が分かれているが、当業者には明白であるように、これらの全てあるいは一部が一体とな
っている場合がある。例えば、画面301とポインティングデバイス201とは、一体と
なっていることもある。
【0033】
入力装置200に含まれるポインティングデバイス201は、例えば、マウス、トラッ
クボール、トラックパッド、タッチパネル、及びタブレット装置など、様々な形をとり得
る。当業者には明白であるように、ポインティングデバイス201は他の装置、例えばキ
ーボードやダイアルなどによって代替可能である。
【0034】
ディスプレイ装置300に含まれる画面301は、CRT、LCD、及びプラズマディ
スプレイなど、様々な形をとり得る。当業者には明白であるように、画面301はヘッド
マウントディスプレイのような形態もとり得る。
【0035】
また、コンピュータ100は、入力装置200からの操作入力に応じて、内蔵するCP
U、メモリ、補助記憶装置等のハードウェアを、各種の手段として機能させる文字入力プ
ログラムを搭載したり実行したりすることができる。また、コンピュータ100は、入力
装置200からの操作入力に応じて、内蔵するCPU、メモリ、補助記憶装置等のハード
ウェアを利用して、各種のステップを実行させる文字入力プログラムを搭載したり実行し
たりすることができる。図には省略されているが、一般的なコンピュータにおける記憶手
段としてメモリや補助記憶装置等のハードウェア以外にも、ネットワーク回線によって接
続された別のコンピュータの制御する記憶手段等様々な外部記憶装置や、コンピュータ可
読媒体などが利用可能である場合がある。また、各種データは複数の記憶手段に分散して
記憶されていることもある。
【0036】
検出手段101は、入力装置200からデータを受け取る。例えばマウス等のポインテ
ィングデバイス201によって得られるx軸とy軸に対する移動量のデータを受け取り画
面301上に表示されるポインタの座標を変化させる際や、タッチパネル等のポインティ
ングデバイス201によって得られるx軸とy軸における値のデータを受け取り画面30
1上に表示されるポインタの座標に反映させる際などに利用され、画面301上のポイン
タの座標を他の手段に提供可能である。また例えばポインティングデバイス201のボタ
ンやペンや指の状態とその状態の変化に関する情報を受け取り、確定操作がなされたかど
うかの検出にも利用される。どの操作を確定操作とするかの設定の変更により、クリック
&クリックに二回の確定操作を割り当てるモードと、ドラッグ操作に二回の確定操作を割
り当てるモードのどちらかを設定することが可能である。例えばドラッグ操作に二回の確
定操作を割り当てるモードの場合は、ドラッグ操作が開始された際のポインタ座標におい
て一回目の確定操作が行なわれ、リリース操作された際のポインタ座標において二回目の
確定操作が行なわれたと判定されるように設定可能である。他には、ボタンを押した状態
やペンや指などを触れた状態でポインタ座標の変化がほとんどないような状態が一定時間
以上続いた場合に確定操作とするようなモードとして設定することも可能である。また、
階層要素に関連付けられた選択要素が別の階層要素だった場合などのように、三回以上の
確定操作を必要とするような入力操作の場合は、これらのモードを組み合わせることによ
って得られる多くのバリエーションの中から選択して設定することが可能である。
【0037】
領域設定手段103は、画面301上に領域を設定する。例えば矩形の左上の座標と右
下の座標、あるいは矩形の左上の座標と幅と高さの指定によって矩形領域を設定する。ま
た例えば、中心座標と半径の指定によって円の領域を設定したり、座標値の集合の指定に
よってポリゴン領域を設定したり、座標の関係式の指定によって領域を設定したり、また
それらの組み合わせによって領域を設定することもある。パイメニューに利用可能な領域
の場合は、大きさの異なる円を同心円として配置してできるドーナツ型の領域を、円の中
心から外側へひかれる直線によって区切ることによって生成される。
【0038】
領域判定手段102は、検出手段101から得られた座標の値と領域設定手段103に
よって設定された領域の性質から、当該座標が当該領域に含まれるか否かを判定する。例
えば、当該領域が矩形の領域の場合は当該座標のx座標とy座標のそれぞれを矩形の左上
の座標と右下の座標のx座標とy座標それぞれと比較することにより判定することができ
る。また例えば、当該領域がパイメニューとして利用可能な形状である場合は当該領域の
中心の座標から判定対象となる座標への距離と、パイメニューの領域を構成する円の半径
との比較によってパイメニューに含まれるかどうかを判定することができ、当該領域の中
心の座標から判定対象となる座標への角度によって、パイメニュー内のどの領域に含まれ
るのかを判定することができる。一般的なパイメニューにおいては利用されていない、円
の中心を含む円形の領域の場合は、中心の座標から判定対象となる座標への距離と円の半
径との比較によって含まれるかどうかを判定することができる。また、ポリゴン領域や関
係式の指定による領域の場合も同様に、ある座標が領域に含まれるかどうかを判定するこ
とは可能である。
【0039】
選択要素生成手段104は、領域設定手段103によって設定される領域が関連付けら
れた選択要素を生成する。選択要素には文字も関連付けられる。また、選択要素の階層が
関連付けられた場合にはその選択要素を階層要素として特別に扱う。階層要素には、関連
付けられた階層を代表する代表選択要素に関連付けられた文字が関連付けられる。オペレ
ータの理解を助けるために、代表選択要素以外の選択要素の文字を追加して関連付けるこ
とも可能である。これらの選択要素を構成するための情報は、コンピュータ100が通常
持つ記憶手段に記憶され、必要に応じて読み出される。
【0040】
選択要素管理手段105は、選択要素を階層構造で管理し、画面301上に同時に表示
される選択要素の数の削減を可能としている。選択要素管理手段105は、検出手段10
1が確定操作を検出した際には、検出手段101によって検出される座標の情報と、選択
要素生成手段104の生成した選択要素のうち画面301に表示されており有効であるも
の全てについて、領域判定手段102による判定が真となるような選択要素があるかどう
かを検査する。そのような選択要素があった場合には、その選択要素が階層要素であるか
どうかを検査し、階層要素であった場合は当該階層要素に関連付けられた階層の選択要素
の表示を描画手段106によって行ない、階層要素でなかった場合は当該選択要素に関連
付けられた文字を入力文字をして確定する。ここで、階層要素に関連付けられた階層の選
択要素の表示を描画手段106によって行なう場合には、階層要素に関連付けられた階層
が表示される前に画面301に表示されていた選択要素の表示は一度消去しても良いし、
一つ前の階層表示をオペレータが認識可能であるように残しておいて、その上に新たな階
層の選択要素を重ね書きするということでも良い。
【0041】
また、選択要素管理手段105は、検出手段101が確定操作を検出した際に領域判定
手段102による判定の結果、階層要素が選択されていた場合には当該階層要素の代表選
択要素を直ちに選択可能となるように、当該代表要素に関連付けられた領域の位置または
形状を調整する。具体的には、選択要素管理手段105は、検出手段101が確定操作を
検出した際に検出手段101から得られる座標を含むような位置に領域を移動させたり、
その座標を含むような形状となるように領域を変形させたりする。(領域の変形は選択要
素生成手段104によってあらかじめ行なわれている場合もある。)このことによって、
非特許文献1のシステムでは有効に利用されていなかったパイメニューの中心を含む円形
の領域を有効に利用することが可能になると共に、非特許文献2のシステムでは二つの別
の操作の組み合わせが必要とされていたような入力操作を、あらかじめ代表選択要素が選
択された状態の選択肢からの選択という一つの操作によって実現するため、オペレータに
とって直感的な文字入力環境の提供が可能となる。
【0042】
描画手段106は、選択要素管理手段105によって利用され選択要素に関連付けられ
た文字と領域の描画を画面301に対して行なうようにディスプレイ装置300にデータ
又は信号を送る。描画手段106による選択要素の描画において、選択要素に関連付けら
れた文字の描画は必要なものであるが、当該選択要素に関連付けられた領域の描画は必要
だとは限らない。領域は領域判定手段102での判定のために利用されることが主な目的
であるため画面301上に表示されている必要はないが、オペレータへの目安としての表
示や、操作のフィードバックのためのハイライト表示などに利用される。また、表示され
るのは単なる領域と文字のみではなく、アイコンなどのグラフィックス表示による装飾や
アニメーション効果などが追加されていても良い。
【0043】
図2は、選択要素管理手段105の管理する階層構造500を示す図である。データは
実際には配列やリスト構造によってコンピュータ100が通常備える記憶手段に格納され
ているが、説明のためにその関係を表わした図である。この図では選択要素に関連付けら
れた領域についての情報は省略されており、どの文字が関連付けられているのかというこ
とだけが示されている。選択要素511には文字「あ」が関連付けられており、以下同様
に、選択要素512に文字「い」、選択要素513に文字「う」、というように関連付け
られている。選択要素510は、それが階層要素であることを二重丸で表現している。図
2においては、階層要素510に関連付けられた階層の代表選択要素は選択要素511で
あり、その選択要素511に関連付けられた文字「あ」が階層要素510にも関連付けら
れている。階層要素520と階層要素530にも同様に階層が関連付けられているが
図2
においては点線によってその存在を示すのみとして省略されている。階層要素「さ」以降
についての階層要素も同様に省略されている。また、この階層構造500における第一の
階層590は初期表示される選択要素を表わしており、階層要素510、520と530
を含むものであることが示されている。
【0045】
図3は、画面301に表示される際の選択要素の一例を示す図である。選択要素701
は矩形の領域R701が関連付けられており、「あ」である文字C701が関連付けられ
ている。選択要素701の情報は例えば表1のような情報として選択要素生成手段104
によって生成され、選択要素管理手段105によって管理されている。選択要素701は
階層要素ではないため、表1においては、階層要素フラグがfalseになっており、階
層要素に関連する情報を持たないことが「−」によって表現されている。
図3においては
矩形が領域として利用される例が示されているが、このことは選択要素の領域は矩形に限
るということを意味するわけではなく、さまざまな形状の領域がありうる(以下の他の図
における領域の形状についても同様)。選択要素の他の例としては、例えばアルファベッ
トの入力のために「th」のようによく利用される組み合わせの文字を割り当てておき、
二文字を一度に続けて入力可能であるというように、複数の文字が関連付けられた選択要
素もありうる。また、「RETURN」や「TAB」などの表示を割り当てて機能キーの
代替として利用することも可能であることは当業者には明白である。
【0047】
図4は、画面301に表示される際の階層要素の一例を示す図である。階層要素601
は矩形の領域R601が関連付けられており、「あ」である文字C601が関連付けられ
ている。階層要素601の情報は例えば表2のような情報として選択要素生成手段104
によって生成され、選択要素管理手段105によって管理されている。C601には代表
選択要素である選択要素701の文字C701と同じものが用いられるが、内容を複製し
ても良いしポインタによる参照であっても良い。
図4において点線で囲われた文字「い」
と「う」と「え」と「お」は、階層要素に関連付けられた選択要素のうち代表選択要素で
ない選択要素702〜705の文字が表示された、補助文字S601である。階層要素に補助文字が表示されているとオペレータの理解を助ける役割を果たす。また補助文字S601は、階層要素601に関連付けられた選択要素が表示される際の選択要素の並びを表わすように各文字が配置されているため、よりオペレータの理解を助ける情報となる。
【0049】
表3は、初期表示される選択要素を選択要素生成手段104が生成し、選択要素管理手
段105が管理するための情報の一例である。それぞれの選択要素はそれぞれのx座標(
X01〜X12)とy座標(Y01〜Y12)によって、画面301上の表示位置が決定
され、表1や表2のような情報として管理される領域と文字の情報を用いて、描画手段1
06によって画面301上に描画される。
【0050】
図5は、画面301に選択要素が並べられて表示される際の一例を示す図である。
図5
においてはテンキー配列に対応するような配置で選択要素が並べられた例が示されている
が、このことは初期表示される選択要素の配置はこのような配置に限るということを意味
するわけではなく、さまざまな配置がありうる。また
図5では選択要素601〜612の
領域は接しているが、領域は接していなくても良いし重なっていても良い。重なっている
場合には生成された順などの一定の順で領域判定手段102によって判定することによっ
て重なりを持つ領域についての判定が可能となる(以下の他の図における例についても同
様)。また、以下の説明ではこの図において表示されている選択要素のうち、601〜6
09と611は階層要素であるものとする。選択要素610と612には文字が関連付け
られていないため、空白の入力や入力のキャンセル等に利用可能である。また、
図5のよ
うな領域の配置に対して携帯電話に一般に用いられているテンキー配列を対応させて、テ
ンキーが押されたかどうかの状態の変化を検出手段101が検出し、押されたキーによっ
て領域判定手段102が選択要素601〜612についての判定を行なうということで代
替可能である。ダイアル操作の前後操作と押し込まれる操作を検出手段101が検出し、
領域判定手段102が例えば選択要素601〜612に601から612へという順番を
つけ、ダイアル操作の前後操作に応じて判定結果を前後に移動させるということと、ダイ
アルが押し込まれる操作を検出手段101が検出した際に確定操作として検出するという
ように割り当てて代替可能でもある。
【0051】
図6は、
図5の状態において、階層要素である選択要素601内にポインタ座標がある
時に検出手段101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によっ
て描画手段106が描画を行なった後の画面301上の表示の一例である。選択要素70
1に関連付けらた文字は「あ」であり、
図5の選択要素601に関連付けらた文字は「あ
」と同じではあるが、選択要素701と選択要素601の関係は
図2における511と5
10の関係と同じであり、別の階層の選択要素である。ここで、選択要素701に関連付
けられた領域が、選択要素601に関連付けられた領域を含むような領域であるため、図
5の状態で行なった確定操作の後、直ちに代表選択要素の選択が可能となっている。
図6
では、選択可能であることをオペレータにフィードバックするためのハイライト表示を行
なっている様子が、選択要素701に着色されることで示されている。この状態からポイ
ンティングデバイス操作によってポインタ座標が選択要素702に含まれる位置に移動し
た際には選択要素702がハイライト表示されることになる。選択要素701のハイライ
ト表示は、ポインタ座標が選択要素701の領域に含まれなくなった時点で解除される。
代表選択要素は直ちに入力が可能ではあるが、他の選択要素と同列な選択可能な選択肢と
しての側面もあわせ持っている。また、
図6では階層要素601に関連付けられた選択要
素とそれ以外の選択要素を区別するために、選択要素603〜609と選択要素611の
文字が薄くなっているが、これらの文字の薄くなった選択要素は有効ではないことを表わ
している(以下の他の図における例についても同様)。選択要素701〜705のいずれ
かの領域上にポインタ座標がある時に検出手段101によって確定操作が検出された場合
は入力文字の確定が行なわれ、選択要素701〜705のいずれの領域上にもポインタ座
標がない時に検出手段101によって確定操作が検出された場合は、入力のキャンセルが
行なわれる(以下の他の図における例についても同様)。
【0052】
図2、
図5、
図6、表1、表2、そして表3は選択要素の関係をそれぞれ別の切り口で
表現したものである。初期表示される選択要素590のうちの階層要素510は階層要素
601と同一であって、画面301上の座標(X01,Y01)に表示される。また、階
層要素510に関連付けられた階層の代表選択要素511は選択要素701と同一である
。同様に、階層要素520と階層要素602、階層要素530と階層要素603はそれぞ
れ同一であり、それぞれ座標(X02,Y02)と座標(X03,Y03)に表示される
。また、選択要素512〜515は選択要素702〜705とそれぞれ同一である。
【0053】
図7は、
図5の状態において、選択要素602内にポインタ座標がある時に検出手段1
01によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段10
6が描画を行なった後の画面301上の表示の一例である。選択要素716〜720のよ
うな濁音の文字を持つ選択要素を同じ階層に含むように設定することも可能であるが、必
ずしも含む必要はなく、選択要素610や選択要素612に濁音に変換する機能を持つ選
択要素が用意されていても良い(半濁音を持つ文字に関する半濁音についても同様)。
【0054】
図8は、
図5の状態において、選択要素608内にポインタ座標がある時に検出手段1
01によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段10
6が描画を行なった後の画面301上の表示の一例である。
【0055】
図9は、
図5の状態において、選択要素609内にポインタ座標がある時に検出手段1
01によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段10
6が描画を行なった後の画面301上の表示の一例である。階層要素に関連付けられた選
択要素が3つの場合は、
図8のような配置と
図9のような配置のどちらでも可能である。
【0056】
図10は、
図5の状態において、選択要素601内にポインタ座標がある時に検出手段
101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段1
06が描画を行なった後の画面301上の表示の一例である。検出手段101によって検
出されたポインタ座標を中心としてパイメニューが表示されているが、従来のパイメニュ
ーと異なるのは代表選択要素の領域が中心を含む領域に拡張されていることである。中心
を含む領域が代表選択要素741に割り当てられているため、パイメニューが表示されて
すぐに代表選択要素「あ」が選択されていることがハイライト表示で示されている。この
状態のままオペレータが確定操作を行なえば「あ」が入力文字として確定されるが、オペ
レータがポインタ座標を選択要素742に移動させてから確定操作を行なった場合には「
い」が入力文字として確定される。
図10においては選択要素746〜748に文字が割
り当てられていないため、これらは空白の入力や入力キャンセルに利用可能である。また
、パイメニューの外側にポインタ座標が移動した後に検出手段101によって確定操作が
検出された場合は、入力のキャンセルが行なわれる。このように検出手段101によって
確定操作が検出される際のポインタ座標が重要であるため、確定操作の検出前にポインタ
座標がどのように移動しても、それによってハイライト表示等が変化するだけで、最終的
に確定される入力文字には影響しない。そのため、入力文字が確定する前にオペレータが
確認可能であり、ストローク操作の軌跡によって入力文字を確定するシステムの操作と比
較すると、オペレータにとっては直感的な操作となる。
【0057】
図11は、
図5の状態において、選択要素601内にポインタ座標がある時に検出手段
101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段1
06が描画を行なった後の画面301上の表示の一例からパイメニューだけを抜き出した
ものである。
図10では表示されていた選択要素746〜748に該当する選択要素のな
いものを生成することも可能であることを示している。
【0058】
図12は、
図5の状態において、選択要素601内にポインタ座標がある時に検出手段
101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段1
06が描画を行なった後の画面301上の表示の一例からパイメニューだけを抜き出した
ものである。代表選択要素761の位置が
図10における代表選択要素741の位置とは
異なっており、代表選択要素の位置は他の位置でも良いということを示している。右利き
のオペレータが右手でペンデバイスを操作する場合は、
図10のパイメニューよりも
図1
2のパイメニューのほうが、手で隠れる選択要素が少なくなり使いやすいものとなる。
【0059】
図13は、一般的なキーボード配列のうちの主なキーの選択を、テンキー形式に並べら
れた領域の範囲内で実現するための階層要素の配置の一例である。階層要素613が選択
された後の状態が
図14であり、階層要素616が選択された後の状態が
図15であり、
階層要素617が選択された後の状態が
図16であり、階層要素618が選択された後の
状態が
図17であり、階層要素623が選択された後の状態が
図18である。
図14〜図
18においては、代表選択要素に関連付けられた領域が他の選択要素に関連付けられた領
域よりも広くないため、これらの図(
図13〜
図18)についての説明は本発明を説明す
るものではなく、参考例を説明するものとなる。
【0060】
図14は、
図13の状態において、選択要素613内にポインタ座標がある時に検出手
段101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段
106が描画を行なった後の画面301上の表示の一例である。代表選択要素801がハ
イライト表示されていることを示している。
【0061】
図15は、
図13の状態において、選択要素616内にポインタ座標がある時に検出手
段101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段
106が描画を行なった後の画面301上の表示の一例である。代表選択要素816がハ
イライト表示されていることを示している。
【0062】
図16は、
図13の状態において、選択要素617内にポインタ座標がある時に検出手
段101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段
106が描画を行なった後の画面301上の表示の一例である。代表選択要素829がハ
イライト表示されていることを示している。
【0063】
図17は、
図13の状態において、選択要素618内にポインタ座標がある時に検出手
段101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段
106が描画を行なった後の画面301上の表示の一例である。代表選択要素842がハ
イライト表示されていることを示している。
【0064】
図18は、
図13の状態において、選択要素623内にポインタ座標がある時に検出手
段101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段
106が描画を行なった後の画面301上の表示の一例である。代表選択要素859がハ
イライト表示されていることを示している。
図18は、選択要素に割り当てられた文字を
入力するための選択肢ではなく、機能を意味する文字が表示された選択要素のグループで
ある。それぞれ、選択要素852はタブキー、選択要素855はコントロールキー、選択
要素856はALTキー、選択要素857はデリートキー、選択要素858はシフトキー
、選択要素859はスペースキー、選択要素860はリターンキーのように、割り当てら
れている。849〜851などの空白の選択要素には他の機能を意味する文字を割り当て
る余地が残っている。
【0065】
図13における階層要素619〜621が選択された後の状態は、それぞれ
図15〜図
17と同様の配置にアルファベット小文字を並べたものであって、それぞれの選択要素は
図15〜
図17と比べると一行下の領域に表示されたような状態となる。
図13の状態で
は、階層要素を配置する余裕がまだ4箇所あることから、さらに48文字以上を追加可能
な状態でありながら、ドラッグ操作というストローク操作に二回の確定操作を割り当てた
場合には、
図14〜
図17の全ての文字とアルファベット小文字を1ストローク、1クリ
ック、又は1タップで入力可能となり、かつ
図18の機能キーも1ストローク、1クリッ
ク、又は1タップで利用可能となる。ただし、この場合の1クリック又は1タップとは長
さがほぼゼロであるようなストローク操作をオペレータが素早く操作した場合の操作のこ
とである。
【0066】
図19は、英数字と四則演算記号と機能を意味する文字を入力するための階層要素の配
置の一例である。階層要素625が選択された後の状態が
図20であり、階層要素627
が選択された後の状態が
図21であり、階層要素628が選択された後の状態が
図22で
あり、階層要素633が選択された後の状態が
図23である。階層要素635が選択され
た後の状態は
図18と同じである。
【0067】
図20は、
図19の状態において、選択要素625内にポインタ座標がある時に検出手
段101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段
106が描画を行なった後の画面301上の表示の一例から階層要素に関連付けられた選
択要素だけを抜き出したものである。代表選択要素901がハイライト表示されているこ
とを示している。これらの選択要素は選択要素管理手段105によって、選択要素901
の領域のうち選択要素903の下側にあたる部分が階層要素625に重なるような位置に
調整されて、描画手段106によって画面301上に描画される。
【0068】
図21は、
図19の状態において、選択要素627内にポインタ座標がある時に検出手
段101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段
106が描画を行なった後の画面301上の表示の一例から階層要素に関連付けられた選
択要素だけを抜き出したものである。代表選択要素911がハイライト表示されているこ
とを示している。これらの選択要素は選択要素管理手段105によって、選択要素911
の領域のうち選択要素913の下側にあたる部分が階層要素627に重なるような位置に
調整されて、描画手段106によって画面301上に描画される。
【0069】
図22は、
図19の状態において、選択要素628内にポインタ座標がある時に検出手
段101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段
106が描画を行なった後の画面301上の表示の一例から階層要素に関連付けられた選
択要素だけを抜き出したものである。代表選択要素921がハイライト表示されているこ
とを示している。これらの選択要素は選択要素管理手段105によって、選択要素921
の領域のうち選択要素923の下側にあたる部分が階層要素628に重なるような位置に
調整されて、描画手段106によって画面301上に描画される。
【0070】
図23は、
図19の状態において、選択要素633内にポインタ座標がある時に検出手
段101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段
106が描画を行なった後の画面301上の表示の一例から階層要素に関連付けられた選
択要素だけを抜き出したものである。代表選択要素931がハイライト表示されているこ
とを示している。これらの選択要素は選択要素管理手段105によって、選択要素931
の領域のうち選択要素933の下側にあたる部分が階層要素633に重なるような位置に
調整されて、描画手段106によって画面301上に描画される。
【0071】
図24は、
図19の状態において、選択要素627内にポインタ座標がある時に検出手
段101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段
106が描画を行なった後の画面301上の表示の一例から階層要素に関連付けられた選
択要素だけを抜き出したものである。代表選択要素943がハイライト表示されているこ
とを示している。これらの選択要素は選択要素管理手段105によって、選択要素943
の領域のうち選択要素941の右側にあたる部分が階層要素627に重なるような位置に
調整されて、描画手段106によって画面301上に描画される。
図24と
図21は同じ
階層要素に関連付けられた選択要素を異なる配置で並べた表示例であり、代表選択要素に
関連付けられた領域は横長の形状の領域には限らないことを示している。
【0072】
図25は、
図19の状態において、選択要素627内にポインタ座標がある時に検出手
段101によって確定操作が検出された際に、選択要素管理手段105によって描画手段
106が描画を行なった後の画面301上の表示の一例から階層要素に関連付けられた選
択要素だけを抜き出したものである。代表選択要素952がハイライト表示されているこ
とを示している。これらの選択要素は選択要素管理手段105によって、選択要素956
が階層要素627に重なるような位置に調整されて、描画手段106によって画面301
上に描画される。選択要素956が着色されているのはハイライト表示を表わしており、
選択要素956が選択された場合は選択領域952も同時に選択されることを示している
。
図25と
図24、
図21は同じ階層要素に関連付けられた選択要素を異なる配置で並べ
た表示例であり、代表選択要素を表示後直ちに選択するための領域が別の選択要素によっ
て用意されることもありうることを示している。あるいは、選択要素の領域は矩形に限ら
ないため、領域952と領域956をあわせたような領域が代表選択要素に関連付けられ
るように設定可能でもあることを示している。
【0073】
図26は、確定操作が検出された後の処理の一例を示すフローチャートである。このプ
ログラムは検出手段101によって確定操作が検出された時にステップF01で開始され
るものとする。まずステップF02では、確定操作が有効な選択要素に関連付けられた領
域内のものであるかを判定し、有効な選択要素内の確定操作ではないと判定された場合は
図29のキャンセル処理が実行される。ステップF02で、確定操作が有効な選択要素に
関連付けられた領域内のものであると判定された場合はステップF03で選択要素が記憶
されているかどうかの判定を行なう。選択要素が記憶されている場合は、すでに一回以上
は有効な選択要素内で確定操作が検出されておりまだキャンセル処理が実行されていない
状態であるため、
図27の処理が実行される。
【0074】
ステップF03で選択要素が記憶されているかどうかの判定を行なった結果、選択要素
が記憶されていなかった場合は、有効な選択要素内における確定操作がまだ検出されてい
ないかキャンセル処理が実行された状態であるため、ステップF04で確定操作が検出さ
れた際のポインタ座標が含まれるとステップF02で判定された選択領域をコンピュータ
100が通常備える記憶手段に格納して記憶する。次にステップF05で、ステップF0
2での判定が真であり選択された選択領域が階層要素であるかどうかの判定を行なう。そ
の判定が真であった場合には、選択された階層要素に関連付けられている階層に含まれる
選択要素を画面301上に描画して表示させる。この際、新たに描画される選択要素以外
の選択要素(新たに描画される前に描画されていた選択要素)は有効ではなくなるように
設定される。
【0075】
図27は、
図26のフローチャートから分岐して続く処理の一例を示すフローチャート
である。ステップF07が実行されるのは、ステップF03で選択要素が記憶されている
かどうかの判定を行なった結果、選択要素が記憶されていた場合である。ステップF07
では記憶されている選択要素が階層要素かどうかについての判定を行ない、判定結果が真
であった場合には
図28の処理が実行される。ステップF07の判定結果が偽であった場
合はステップF08で、記憶されている選択要素に関連付けられた領域内における確定操
作かどうかの判定を行なう。ステップF08の判定結果が真であった場合は、記憶されて
いる選択要素に関連付けられた文字を入力文字としてステップF10で確定し、
図29の
キャンセル処理が実行される。また、ステップF08の判定結果が偽であった場合であっ
ても、ステップF09によって階層要素ではない選択要素内の確定操作であるかどうかが
判定され、判定結果が真であった場合は、記憶されている選択要素とは別の選択要素では
あるが、確定操作が検出された座標を含むとステップF02で判定された選択要素に関連
付けられた文字が入力文字としてステップF10で確定され、
図29のキャンセル処理が
実行される。
図27では、ステップF09の判定結果が偽であった場合は
図29のキャン
セル処理が実行されるように示されているが、その代わりに
図28のステップF14へ実
行を移すというように変更することも可能である。
【0076】
図28は、
図27のフローチャートから分岐して続く処理の一例を示すフローチャート
である。ステップF11が実行されるのは、ステップF07で記憶されている選択要素が
階層要素かどうかについての判定を行なった結果、記憶されている選択要素が階層要素で
あると判定された場合である。ステップF11は、確定操作が記憶された階層要素に関連
付けられた選択要素内の確定操作であるかどうかの判定を行ない、判定結果が偽である場
合は
図29のキャンセル処理が実行される。ステップF11の判定結果が真である場合は
、ステップF02の判定により選択された選択要素が階層要素がどうかの判定をステップ
F12で行なう。判定結果が偽であった場合は、当該選択要素に関連付けられた文字を入
力文字としてステップF13で確定し、
図29のキャンセル処理が実行される。ステップ
F12の判定結果が真であった場合は、階層要素にさらに階層要素が関連付けられていた
場合であり、ステップF14で選択要素をコンピュータ100が通常備える記憶手段に格
納して記憶する。この時、複数の階層を記憶さるためにスタック構造などを利用して記憶
させておけば、キャンセル処理の際に階層を一つずつ戻っていくことが可能になる。スタ
ック構想などを利用しない場合は、複数の階層を同時に記憶しないため、選択された階層
要素に関連付けられた選択要素を新たに描画する前に、すでに別の階層要素に関連付けら
れた選択要素が描画されていないかどうか調べ、描画されていた場合はその階層の消去を
行なっておく必要がある。ステップF14の次はステップF15が実行され、選択された
階層要素に関連付けられている階層に含まれる選択要素が画面301上に描画され表示さ
れる。この際、新たに描画される選択要素以外の選択要素(新たに描画される前に描画さ
れていた選択要素)は有効ではなくなるように設定される。
【0077】
図29は、
図26〜
図28のフローチャートから分岐して続くキャンセル処理の一例を
示すフローチャートである。ステップF16によって選択要素が記憶されているかどうか
について判定され、その判定結果が真であった場合は、ステップF17で、記憶されてい
る選択要素は階層要素かどうかについて判定され、その判定結果が真であった場合は、ス
テップF18で、階層要素に関連付けられた選択要素の表示を消した結果の表示が描画手
段106によって画面301上に描画される。この時、ステップF14でスタック構造な
どを利用して複数の階層を記憶している場合は、最新のものから順に消していくことが可
能になる。スタック構造などを利用して複数の階層を記憶していない場合は、一つの階層
要素に関連付けられた選択要素だけが描画されているはずなので、その選択要素を消去す
れば、初期表示される選択要素だけが画面301上に描画された状態になる。スタック構
造などを利用して複数の階層を記憶している場合でも、それらの全てを一度に消去させる
ことは可能である。続いて、ステップF19によって選択要素の記憶を消去して解除する
。ステップF19における消去についても、スタック構造などを利用した場合は、最新の
ものから順に消していくことが可能になる。スタック構造などを利用して複数の選択要素
を記憶している場合でも、それらの全てを一度に消去させることは可能である。
【0078】
本発明を、その具体的な実施例を参照して具体的に示し、説明してきたが、当業者には
明白であるように、特許請求の範囲に含まれる本発明の精神および範囲から離れることな
く、形および詳細にさまざまな変更、修飾、変形、あるいは応用を行なうことが可能であ
り、それらは請求の範囲によってのみ制限される本発明に含まれるとみなされる。