【実施例】
【0034】
先ず、
図1と
図2により、円板金網10及び円筒金網20を形成する為の基本構成を説明する。この基本構成は、縦横1に横線2で編み込まれた金網11又は織布22からなる。そして、
図12及び
図13に示す鋼の結晶粒面心構造B0(体心立方構造B1と面心立方構造B2)をモデルに、円板金網10及び円筒金網20を立方格子構造BX(面格子B3、立方格子B4、体心立方格子B1、面心立方格子B2)の何れかにより構成される。
【0035】
先ず、本発明の第1実施の形態となる
図1において、縦横1に横線2で編み込まれた金網11又は織布22は、上記編み込まれた縦線・横線の交点(結節点)3を疎らに鍍金又は接合させて固着結節点4と自由結節点5の割合が調節されている。
図2は、図示では立方格子構造BXを、一層のみの平面(面格子B3)で示すが、円板金網10及び円筒体金網20は、多層とすると立方格子B4、体心立方格子B1、面心立方格子B2の何れかにより構成される。然して、外周部は固着結節点4が集中区域K1とし撓みが少なくなって弾性強度を増強し、中腹部は自由結節点5が多い区域Kは撓み易くなって弾性強度を低下させる。この固着結節点4と自由結節点5の割合により弾性強度が加減調節される。即ち、円板金網10は、上記円板金網の外周面は(固着結節点4を多く)、この周辺部も(固着結節点4を多く)、上記円筒体金網20の先端面も(固着結節点4を多く)、この周辺部も(固着結節点4を多く)設定される。上記金網11には、各種超砥粒Dとなるダイヤ、CBN電着砥粒が電着され、織布22には、WA、GC砥粒が溶着される。その他の撓みが欲しい所は自由結節点5の割合を多く設定される。また、上記円板金網10,円筒体金網20の回転軸芯Oとなる連結部(ボスで図示なし)は、固着結節点4を多く設けて、回転駆動軸(図示なし)との連結を正確に保持する。
然して、上記円板金網(本体環)10は、丸鋸30、円板カッター30A、ダイシングソー40、円盤砥石50を構成し、上記円筒体金網(本体環)20は、カップ砥石60を構成する。
【0036】
図10は、本発明の超砥粒電着法と超砥粒熱溶着法とを説明する関係図である。従来型の台金に超砥粒を付着した砥石車も、細線・中空線に超砥粒を付着したトリノス砥石も、電着法は電解法(EP法)と化学メッキ法(CP法)があり、熱溶着法はガス溶接法,ハンダ付け法,高周波熱法,焼成炉法等がある。尚、接着剤による方法もある。
【0037】
図7を参照しながら、以下の実施態様の作用効果を説明する。
即ち、上記第1実施の形態によると、丸鋸30及び円板カッター30Aは板切断、ダイシングソー40はシリコンウエハーの薄切り、円盤砥石50は平面研削や溝加工、カップ砥石60は薄板から厚板までの孔の貫通加工が円滑に実施される。その主たる理由と効果は、各砥石他の本体環10,20には適度の弾性が得られる。特に、丸鋸30,30Aによる曲げ加工時(
図3で後記する)において繰り返し受ける丸鋸の湾曲負荷に対して金属疲労がなく疲労破壊しない。更に、特に、丸鋸30,30Aの両側をフランジ(図示なし)で保持されていると、金網11の網目を介してクーラント液Cが砥粒や加工点に効率良く無駄なく噴出される。これにより、研削屑の排出効率アップ、研削時間の短縮による研削効率が連鎖的に改善できる。上記クーラント液Cは、金網11の網目の空間hを通過され、この排出効率は、従来の砥石と比較して飛躍的に向上する作用効果、即ちメリットが得られる。
【0038】
本発明の第2実施の形態となる丸鋸30及び円板カッター30Aに採用した本体環31の構成と作用を
図3により説明する。丸鋸は外周面に鋸刃Nを設け、円板カッター30Aの外周面には、超砥粒Dを電着又は溶着させている。
図1と
図2に示す縦横1に横線2で編み込まれた金網11又は織布22が採用される。
上記編み込まれた縦線・横線の交点(結節点)3を疎らに電着又は溶着させて固着結節点4と自由結節点5の割合が調節されている。
図3の拡大図には、本体環31が立方格子構造BX(面格子B3、立方格子B4、体心立方格子B1、面心立方格子B2)の何れかを多層にした構成を示す。即ち、上記本体環31は必要砥石幅Lに応じて複数枚を積層した面格子構造M1又は立方格子構造M2となし、上記円板金網となる本体環(円板本体)31の外周面31Aとこの周辺部31Bに、ダイヤ,CBN電着砥粒叉はWA,GC砥粒等を
固着させるべく砥粒Dを電着又は溶着させて成る。
尚、丸鋸30の本体環31は、鉄系金属,非鉄の他、石油系繊維,植物系繊維,炭素繊維,セルロースナノファイバー,不織布等の何れから成る繊維糸(縦線・横線)を編む又は絡ませた編物11又は不織布22とからなる。該編物又は不織布を円形に切断成形後に縦線・横線の交点(結節点)3を疎らに鍍金又は固着させて固着結節点4と自由結節点5の割合を調節して円板金網10となしている。
【0039】
本体環31の弾性強度は、固着結節点4が集中区域K1では撓みが少なくなって弾性強度が増強し、自由結節点5が多い区域Kは弾性強度を弱めて撓み易くなっている。この固着結節点4と自由結節点5の割合により弾性強度が加減調節される。上記円板金網の外周面は(固着結節点4を多く)、この周辺部も(固着結節点4を多く)、この箇所に、各種超砥粒Dとなるダイヤ、CBN電着砥粒が電着され、又はWA、GC砥粒が溶着される。その他の撓みが欲しい所は自由結節点5の割合を多く設定される。また、上記本体環31の回転軸芯Oとなる連結部32は、固着結節点4を多く設けて、回転駆動軸(図示なし)との連結を正確に保持する。
【0040】
図3の上部において、丸鋸30及び円板カッター30Aの実施例を示す。この実施例は、板材の直線切断や曲線切断を示す。図示の組立図において、外径を少し小さくしたフランジ33と外径の少し大きなフランジ34とを、丸鋸30又は円板カッター30Aの両側から挟んで組み立てる。丸鋸30又は円板カッター30Aに対する押力Fが無い時は、直線切断が行える。又、丸鋸30又は円板カッター30Aに対する押力Fを徐々に強くすると、丸鋸30又は円板カッター30Aの実線で示す如く撓み量が増大するとともに大きな曲線切断が可能となる。図の如く、本体環(円板本体)31を左へ撓ませると、左曲線切り、二点鎖線で示す右への撓み31´時には、右曲線切りとなる。
【0041】
特記すべきは、丸鋸30又は円板カッター30Aは、本体環(円板本体)31の中腹部は、金網又は織布は必要砥石幅Lに応じて複数枚を積層した立方格子構造M2であるから適度の剛性と強度を得ているが、両方からフランジ33,34で把持しているから更に強い剛性が得られている。そして、クーラント液Cを中心側から外周に向けて供給すると、フランジ33,34がクーラント液Cの横漏れを防止し、完全に外周の超砥粒Dに供給される。
従って、後記する他の実施形態となるダイシングソー40、円盤砥石50他においても、本体環(円板本体)の中腹部は、必要砥石幅Lに応じて複数枚を積層した立方格子構造M2で剛性と強度を得ているが、両方から同じ外径寸法のフランジ33,34他で把持するのが望ましい。クーラント液Cの横漏れも防止できるから、以下の他の実施態様は、詳細説明を省略している。
【0042】
本発明の第2実施の形態となる丸鋸30及び円板カッター30Aによると、丸鋸及び円馬カッターの本体環(鋸の円板本体)は、鉄系金属、非鉄、石油系繊維、植物系繊維、炭素繊維、セルロースナノファイバー、不織布等の何れから成る繊維糸(縦線・横線)を編む又は絡ませた編物又は不織布とし、該編物又は不織布を円形に切断成形後に縦線・横線の交点(結節点)を疎らに鍍金又は固着させて固着結節点と自由結節点の割合を調節して円板金網と成し、上記円板金網の外周面31Aとこの周辺部31Bに、ダイヤ、CBN電着砥粒叉はWA、GC砥粒等を固着させるべく超砥粒Dを電着又は溶着させて成るから、従来の丸鋸の本体環(鋸の円板本体)とは異なり、曲線の切断時に立方格子構造M2の本体環(鋸の円板本体)31に加わる左右軸方向への撓み負荷による金属疲労に対して柔軟に撓んで対応するから疲労破壊しない。更に、金網の網目を介してクーラント液Cが砥粒や加工点に効率良く無駄なく噴出される。これにより、板材の切断効率が改善できる。特に、金網の網目クーラント液はクーラントガイド内を通過させて本体環(円板本体)31の金網の網目や隙間を通過して金網体31(10)の隙間やフランジ33,34との隙間からの排出効率が従来の丸鋸と比較して飛躍的に向上する作用効果、即ちメリットが得られる。
【0043】
本発明の第3実施の形態となるダイシングソー40の本体環41は、上記第1実施の形態と同様に、上記編み込まれた縦線・横線の交点(結節点)3を疎らに鍍金又は接合させて固着結節点4と自由結節点5の割合が調節されている。特に、薄い切断が可能となるように、面格子構造M1を一層の構成とし、撓みが起きないように、固着結節点4を集中区域K1として撓みを少なくして弾性強度を増強している。これで、
図4の拡大図に示すように、φ0.025mmの鉄系金属,非鉄,石油系繊維,植物系繊維,炭素繊維,セルロースナノファイバー,不織布等の何れから成る繊維糸(縦線・横線)1´,2´を編む又は絡ませ厚みφ0.05mm以下の編物又は不織布となし、上記編物又は不織布を円形に切断成形後に縦線・横線の交点(結節点)3を鍍金又は固着して固着結節点4を多くして面格子構造M1の円板金網41と成している。上記円板金網の外周面41Aとこの周辺部41Bに、各種超砥粒Dとなるダイヤ,CBN電着砥粒叉はWA、GC砥粒等を溶着,固着させて成る。上記ダイシングソー40の外周部41Aは、一対のフランジ43,44で両側から把持すべく、回転軸45にナットNで固着されている。上記回転軸45は孔45Aが開けられているから、クーラント液Cが圧入され、ダイシングソー40の外周部41Aから排出される。その他の構成は、本発明の第1実施の形態と同一につき、説明を省略する。
【0044】
上記第3実施の形態となるダイシングソー40の本体環41によれば、シリコンウエハーを厚みφ0.05mmの切断幅で無駄の無いカットが可能である。更に、従来のダイシングソーとは異なり、切断加工時に面格子構造M1とした本体環に加わる回転負荷による金属疲労に対して柔軟に撓んで対応するから疲労破壊しない。更に、金網の網目を介してクーラント液が砥粒や加工点に効率良く無駄なく噴出される。これにより、研削屑の排出効率アップと研削効率が改善できる。特に、金網の網目クーラント液はクーラントガイド内を通過させて本体環の金網の網目や隙間を通過して金網体の隙間やワークとの隙間からの排出効率が従来のダイシングソーと比較して飛躍的に向上する。
【0045】
本発明の第4実施の形態となる円盤砥石50の本体環51は、縦横1に横線2で編み込まれた金網11又は織布22となる。上記編み込まれた縦線・横線の交点(結節点)3を疎らに鍍金又は接合させて固着結節点4と自由結節点5の割合が調節されている。そして、面心構造(立方構造B1又は立方構造B2)を例えば3層の構成を示す。即ち、上記金網又は織布は必要砥石幅Lに応じて複数枚を積層した面心構造B1,B2となし、上記円板金網となる本体環51の外周面51Aとこの周辺部51Bに、ダイヤ,CBN電着砥粒叉はWA,GC砥粒等を固着させるべく超砥粒を電着又は溶着させて成る。尚、
図4と同様に、回転軸との取付には、図示しないが一対のフランジで円盤砥石50の両側から気密に保持されクーラント液も供給される。その他の構成は、上記第1〜4実施の形態と同一に付き、説明を省略する。
【0046】
本発明の第4実施の形態となる円盤砥石50の本体環51の作用は、従来の円盤砥石の本体環とは異なり、研削時に本体環に加わる外周及び軸方向への撓み負荷による金属疲労に対して柔軟に撓んで対応するから疲労破壊しない。特に、
図7に見るように、網の網目を介するクーラント液は、砥石外周の砥粒から研削ワークの加工点に効率良く無駄なく噴出される。
【0047】
本発明の第5実施の形態となるカップ砥石60の本体環61は、
図6に示すように、縦横1に横線2で編み込まれた金網11又は織布22となる。上記編み込まれた縦線・横線の交点(結節点)3を疎らに鍍金又は接合させて固着結節点4と自由結節点5の割合が調節されている。そして、立方格子構造M2を例えば2層以上の構成で示す。即ち、上記金網又は織布は必要砥石幅Lに応じて複数枚を積層した立方格子構造M2となし、上記円筒金網となる本体環61の外周面61Aとこの周辺部61Bに、ダイヤ,CBN電着砥粒又はWA,GC砥粒等を固着させるべく超砥粒を電着又は溶着させて成る。その他の構成は、上記第1〜4実施の形態と同一に付き、説明を省略する。尚、
図6において、カップ砥石60の本体環61を工具ホルダー14に取り付ける構成を示している。h〜h3は通孔、14aはカップ砥石60を把持するフランジ、9bはボルト頭、9cはボルト、14bはナットを示す。
【0048】
本発明の第5実施の形態となるカップ砥石60の本体環61の作用は、
図7に示すように、従来のカップ砥石の本体環とは異なり、研削時に立方格子構造M2の本体環に加わる外周及び軸方向への撓み負荷による金属疲労に対して柔軟に撓んで対応するから疲労破壊しない。特に、金網の網目を介するクーラント液Cは、砥石外周の砥粒から研削ワークの加工点に効率良く無駄なく噴出される。
【0049】
上記各砥石における第6実施形態の本体環の生産方法は、鉄、非鉄系においては、
図8に示すように、丸鋸やダイシングソー及び研削砥石やカップ砥石等の本体を成す本体環において、第1工程(イ)で鉄系金属,非鉄を繊維糸(縦線・横線)とし、この後に繊維糸(縦線・横線)を編む又は絡ませた編物又は織布とし、第2工程(ロ)で上記編物又は上記織布を面格子構造M1又は立方格子構造M2に多層化して円形に切断成形し、第3工程(ハ〜二)で上記編物又は上記織布の縦線・横線の交点(結節点)をマスキングし、第4工程(ホ〜ヘ)で疎らに電着法(電解法又は科学メッキ法)により固着結節点と自由結節点とし、この割合を調節して円板金網と成し、上記円板金網の外周面とこの周辺部に、ダイヤ,CBN等を電着して電着超砥粒Dを形成する。
【0050】
上記第6実施形態の本体環の生産方法の作用は、鉄系金属,非鉄を繊維糸(縦線・横線)とし、これから繊維糸(縦線・横線)を編む又は絡ませた編物又は織布とし、織布を面格子構造M1又は立方格子構造M2に多層化するとともに円形に切断成形とし、縦線・横線の交点(結節点)を疎らに鍍金又は固着させて固着結節点と自由結節点の割合を調節し、上記円板金網の外周面とこの周辺部に、ダイヤ,CBN等の超砥粒を電着する電着手段EMにより、各種の砥石や丸鋸、ダイシングソーが容易に生産できる。
【0051】
上記7実施形態の本体環の生産方法は、
図9に示すように、丸鋸やダイシングソー及び研削砥石やカップ砥石20等の本体環において、第1工程(ヘ)で石油系繊維,植物系繊維,炭素繊維,セルロースナノファイバー等の繊維糸(縦線・横線)を編む又は絡ませた編物又は不織布とし、第2工程(ト)で上記編物又は上記織布を面格子構造M1又は立方格子構造M2に多層化して円形又はカップ状に切断成形し、第3工程(チ)で上記円形又はカップ状の縦線・横線の交点(結節点)を疎らに熱溶着(熱溶着法)又は接着剤により固着させて固着結節点と自由結節点の割合を調節し、第4工程(リ)で上記円形又はカップ状の金網体の外周面又は先端面とこの周辺部に、WA,GC砥粒等を溶着・固着して超砥粒Dを溶着させて成る。
【0052】
また、上記第7実施形態の本体環の生産方法の作用は、石油系繊維,植物系繊維,炭素繊維,セルロースナノファイバー等の繊維糸(縦線・横線)を編む又は絡ませた編物又は不織布とし、これから繊維糸(縦線・横線)を編む又は絡ませた編物又は織布とし、織布を面心構造に多層化・円形に切断成形とし、縦線・横線の交点(結節点)を疎らに鍍金又は固着させて固着結節点と自由結節点の割合を調節し、上記円板金網の外周面とこの周辺部に、WA,GC砥粒等の超砥粒を焼成機SOで溶着・固着する手段により、各種の砥石や丸鋸、ダイシングソー他が容易に生産できる。
【0053】
上記丸鋸,ダイシングソー,円盤砥石,カップ砥石の本体環とこの生産方法によると、
図11に示す実測値が得られる。即ち、(1)撓み負荷について、従来型は変形割れするが、本発明の本体環は、繰返し変形に優れている。(2)金属疲労について、従来型は繰返し負荷に弱い。本発明の本体環は、繰返し負荷に耐えられ、優れている。(3)クーラント液の流通性について、従来型は多孔質の砥石でも流通性に劣る。本発明の本体環は、面心構造に模倣させた金網構成で流通性良好となり、優れている。(4)目詰まりについて、従来型は砥石内の空孔が不規則で詰る。本発明の本体環は、網目状の連続空孔で目詰まらず優れている。(5)研削性能について、従来型は、目詰まりで性能低下し易い。本発明の本体環は、目詰まりせず性能低下し難く優れている。