特許第6029110号(P6029110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029110
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】通信ネットワークのリンク適合
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/00 20060101AFI20161114BHJP
   H04J 99/00 20090101ALI20161114BHJP
   H04J 11/00 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   H04L1/00 E
   H04J15/00
   H04J11/00 Z
【請求項の数】18
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-527115(P2013-527115)
(86)(22)【出願日】2011年8月23日
(65)【公表番号】特表2013-541882(P2013-541882A)
(43)【公表日】2013年11月14日
(86)【国際出願番号】US2011048795
(87)【国際公開番号】WO2012030585
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2014年7月28日
(31)【優先権主張番号】61/430,379
(32)【優先日】2011年1月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/411,857
(32)【優先日】2010年11月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/416,154
(32)【優先日】2010年11月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/451,431
(32)【優先日】2011年3月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/379,322
(32)【優先日】2010年9月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502188642
【氏名又は名称】マーベル ワールド トレード リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ホンユエン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】バネージャ、ラジャ
【審査官】 谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−512363(JP,A)
【文献】 特開2003−324407(JP,A)
【文献】 特開2007−295257(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/055662(WO,A2)
【文献】 特表2008−526093(JP,A)
【文献】 特表2009−540662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/00
H04J 11/00
H04J 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークのリンク適合を行う方法であり、
制御フィールドを生成する段階であって、リンク品質情報の要求を示すように前記制御フィールドに第1ビットを設定することを含む、段階と、
第1ヘッダを有する第1通信フレームを生成する段階と、
前記第1通信フレームを送信する段階と、
第1通信デバイスと第2通信デバイスとの間の無線通信リンクに対応するリンク品質メトリックを決定する段階と、
第2ヘッダを有する第2通信フレームを生成する段階と、
前記第2通信フレームを送信する段階と
を備え、
前記第1ヘッダは、前記制御フィールドを含み、
前記第1通信フレームは、i)サウンディングフレームではなく、ii)ヌルデータパケットが前記第1通信フレームに続くことをアナウンスするフレームではなく、
前記制御フィールドを生成する段階は、さらに、前記制御フィールドを第1通信プロトコルに従ってインタープリトし、第2通信プロトコルに従ってインタープリトしないことを示す値前記制御フィールドの第2ビットを設定する段階をさらに有し、
前記第2通信プロトコルは、i)サウンディングフレームでありまたはii)ヌルデータパケットが通信フレームに続くことをアナウンスするフレームである前記通信フレームにおいてのみリンク品質情報の前記要求を示すように前記制御フィールド内に前記第1ビットを設定することを許可
前記第2ヘッダは、
i)前記無線通信リンクを介して用いる変調符号化方式を指定する前記制御フィールドの第3サブフィールドと
ii)前記リンク品質メトリックを含む前記制御フィールドの第4サブフィールドと

前記第2通信プロトコルは、チャネル状態情報またはビーム形成フィードバックの要求を示すための前記第4サブフィールドに対応する複数のビットを指定する、方法。
【請求項2】
前記リンク品質メトリックは、i)信号対雑音比(SNR)、ii)受信信号強度インジケータ(RSSI)、およびiii)リンクマージンメトリックのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変調符号化方式を決定する段階と、
決定された前記変調符号化方式の指標を前記第3サブフィールドに含める段階と
をさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3サブフィールドに変調符号化方式フィードバックが利用可能でないことを示す値を設定する段階をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2ヘッダ内の前記制御フィールドを前記第1通信プロトコルに従ってインタープリトし、前記第2通信プロトコルに従ってインタープリトしないことを示す値を、前記第2ヘッダ内の前記制御フィールドの第5サブフィールドに設定する段階をさらに備え、
前記第2通信プロトコルは、前記リンク品質メトリックを指定する前記制御フィールドの前記第サブフィールドを含まない、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ネットワークインタフェースを備え、
前記ネットワークインタフェースは、
御フィールドを生成し、
第1ヘッダを有する第1通信フレームを生成し、
前記第1通信フレームが送信されるようにし、
前記ネットワークインタフェースと他の通信デバイスとの間の無線通信リンクに対応するリンク品質メトリックを決定し、
第2ヘッダを有する第2通信フレームを生成し、
さらに、前記第2通信フレームが送信されるようにし、
前記制御フィールドを生成することは、リンク品質情報の要求を示す第1ビットを前記制御フィールドに設定することを含み、
前記第1ヘッダは、前記制御フィールドを含み、
前記第1通信フレームは、i)サウンディングフレームではなく、ii)ヌルデータパケットが前記第1通信フレームに続くことをアナウンスするフレームではなく、
前記制御フィールドを生成することは、前記制御フィールドを第1通信プロトコルに従ってインタープリトし、第2通信プロトコルに従ってインタープリトしないことを示す値前記制御フィールドの第2ビットを設定することを含み、
前記第2通信プロトコルは、i)サウンディングフレームでありまたはii)ヌルデータパケットが通信フレームに続くことをアナウンスするフレームである前記通信フレームにおいてのみリンク品質情報の前記要求を示すように前記制御フィールドに前記第1ビットを設定することを許可
前記第2ヘッダは、
i)前記無線通信リンクを介して用いる変調符号化方式を指定する前記制御フィールドの第3サブフィールドと
ii)前記リンク品質メトリックを含む前記制御フィールドの第4サブフィールドと

前記第2通信プロトコルは、チャネル状態情報またはビーム形成フィードバックの要求を示すための前記第4サブフィールドに対応する複数のビットを指定する、装置。
【請求項7】
前記リンク品質メトリックは、i)信号対雑音比(SNR)、ii)受信信号強度インジケータ(RSSI)、およびiii)リンクマージンメトリックのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ネットワークインタフェースはさらに
前記変調符号化方式を決定し、
決定された前記変調符号化方式の指標を前記第3サブフィールドに含める、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
前記ネットワークインタフェースはさらに、前記第3サブフィールドに変調符号化方式フィードバックが利用可能でないことを示す値を設定する、請求項6から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記ネットワークインタフェースはさらに、
前記第2ヘッダ内の前記制御フィールドを前記第1通信プロトコルに従ってインタープリトし、前記第2通信プロトコルに従ってインタープリトしないことを示す値、前記第2ヘッダ内の前記制御フィールドの第5サブフィールドに設定し、
前記第2通信プロトコルは、前記リンク品質メトリックを指定する前記制御フィールドの前記第サブフィールドを含まない、請求項6から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
ネットワークのリンク適合を行う方法であり、
御フィールドを生成する段階と、
ヘッダを有する通信フレームを生成する段階と、
前記通信フレームを送信する段階と
を備え、
前記制御フィールドを生成する段階は、リンク品質情報の要求を示すように前記制御フィールドに第1ビットを設定することを含み、
前記ヘッダは、前記制御フィールドを含み、
前記通信フレームは、i)サウンディングフレームではなく、ii)ヌルデータパケットが前記通信フレームに続くことをアナウンスするフレームではなく、
前記制御フィールドを生成する段階は、前記制御フィールドを第1通信プロトコルに従ってインタープリトし、第2通信プロトコルに従ってインタープリトしないことを示す値前記制御フィールドの第2ビットを設定する段階を有し、
前記第2通信プロトコルは、i)サウンディングフレームでありまたはii)ヌルデータパケットが通信フレームに続くことをアナウンスするフレームである前記通信フレームにおいてのみリンク品質情報の前記要求を示すように前記制御フィールドに前記第1ビットを設定することを許可する、方法。
【請求項12】
前記制御フィールドを生成する段階は、さらに、前記通信フレームがシングルユーザフレームであるかマルチユーザフレームであるかを示すよう第サブフィールドを設定する段階を有し、
前記通信フレームを生成する段階は、i)前記第サブフィールドがシングルユーザフレームを示すよう設定されている場合、前記通信フレームをシングルユーザフレームとして生成し、ii)前記第サブフィールドがマルチユーザフレームを示すよう設定されている場合、前記通信フレームをマルチユーザフレームとして生成する段階を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ヘッダが、メディアアクセス制御プロトコルデータユニットのメディアアクセス制御ヘッダである、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
ネットワークインタフェースを備え、
前記ネットワークインタフェースは、
御フィールドを生成し、
ヘッダを有する通信フレームを生成し、
前記通信フレームが送信されるようにし、
前記制御フィールドを生成することは、リンク品質情報の要求を示すように前記制御フィールドに第1ビットを設定することを含み、
前記ヘッダは、前記制御フィールドを含み、
前記通信フレームは、i)サウンディングフレームではなく、ii)ヌルデータパケットが前記通信フレームに続くことをアナウンスするフレームではなく、
前記制御フィールドを生成することは、前記制御フィールドを第1通信プロトコルに従ってインタープリトし、第2通信プロトコルに従ってインタープリトしないことを示す値前記制御フィールドの第2ビットを設定することを含み、
前記第2通信プロトコルは、i)サウンディングフレームでありまたはii)ヌルデータパケットが通信フレームに続くことをアナウンスするフレームである前記通信フレームにおいてのみリンク品質情報の前記要求を示すように前記制御フィールドに前記第1ビットを設定することを許可する、装置。
【請求項15】
前記ネットワークインタフェースは、前記通信フレームがシングルユーザフレームであるかマルチユーザフレームであるかを示すよう第サブフィールドを設定し、
前記ネットワークインタフェースは、i)前記第サブフィールドがシングルユーザフレームを示すよう設定されている場合、前記通信フレームをシングルユーザフレームとして生成し、ii)前記第サブフィールドがマルチユーザフレームを示すよう設定されている場合、前記通信フレームをマルチユーザフレームとして生成する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ヘッダが、メディアアクセス制御プロトコルデータユニットのメディアアクセス制御ヘッダである、請求項14または15に記載の装置。
【請求項17】
前記ネットワークインタフェースはメディアアクセス制御処理ユニットを含み、
前記メディアアクセス制御処理ユニットは前記制御フィールドを生成し、
前記メディアアクセス制御処理ユニットは前記メディアアクセス制御ヘッダを生成し、
前記メディアアクセス制御処理ユニットは前記メディアアクセス制御プロトコルデータユニットを生成する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ネットワークインタフェースは物理層処理ユニットを含み、
前記物理層処理ユニットは前記メディアアクセス制御プロトコルデータユニットを含む前記通信フレームを生成する、請求項16または17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、一般的に通信ネットワークに関し、より詳細には、例えばチャネルの状況変化に応じて通信リンクを適合させるべく情報をデバイス間で交換する通信ネットワークに関する。
【0002】
[優先権情報]
本開示は、以下の米国仮特許出願の利益を主張する。2010年9月1日に出願された発明の名称が「Link Adaptation in 802.11ac」である米国仮特許出願第61/379,322号、2010年11月9日に出願された発明の名称が「VHT Fast Link Adaptation」の米国仮特許出願第61/411,857号、2010年11月22日に出願された発明の名称が「VHT Fast Link Adaptation」の米国仮特許出願第61/416,154号、2011年1月6日に出願された発明の名称が「VHT Fast Link Adaptation」の米国仮特許出願第61/430,379号、および2011年3月10日に出願された発明の名称が「VHT Fast Link Adaptation」の米国仮特許出願第61/451,431。
【0003】
上記に参照された特許出願の開示内容の全ては、それらの全体が本明細書に参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0004】
本明細書で提供する背景技術の説明は、本開示の背景を一般的に提示することを目的とする。この背景技術の項に説明される本発明者らによる発明および出願時に先行技術として認められない説明の態様は、明示または黙示を問わず本開示の先行技術としては認められない。
【0005】
無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)は、インフラストラクチャモードで動作しているとき、典型的には、アクセスポイント(AP)および1以上のクライアント局を含む。WLANは、過去10年で急速に発展を遂げた。Institute for Electrical and Electronics Engineers(IEEE)802.11a、802.11b、802.11g、802.11n規格などのWLAN規格の開発により、シングルユーザのピークデータスループットが向上した。例えば、IEEE802.11b規格は、シングルユーザのピークスループットを11メガビット/秒(Mbps)とし、IEEE802.11aおよび802.11g規格は、シングルユーザのピークスループットを54Mbpsとし、IEEE802.11n規格は、シングルユーザのピークスループットを600Mbpsとしている。新たな規格であるIEEE802.11acへ向けての研究が始まっており、より大きなスループットが期待される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、ネットワークのリンク適合を行う方法は、第1通信デバイスと第2通信デバイスとの間の無線通信リンクに対応するリンク品質メトリックを決定する段階と、ヘッダを有する通信フレームを生成する段階と、通信フレームを送信する段階とを含み、ヘッダは、i)無線通信リンクを介して用いる変調符号化方式を指定する制御フィールドの第1サブフィールドとii)リンク品質メトリックを含む制御フィールドの第2サブフィールドと含む。
【0007】
他の実施形態において、装置はネットワークインタフェースを含み、ネットワークインタフェースは、当該ネットワークインタフェースと他の通信デバイスとの間の無線通信リンクに対応するリンク品質メトリックを決定し、ヘッダを有する通信フレームを生成し、通信フレームが送信されるようにし、ヘッダは、i)無線通信リンクを介して用いる変調符号化方式を指定する制御フィールドの第1サブフィールドとii)リンク品質メトリックを含む制御フィールドの第2サブフィールドと含む。
【0008】
さらに他の実施形態において、ネットワークのリンク適合を行う方法は、リンク品質情報の要求を示す第1サブフィールドを含むよう制御フィールドを生成する段階と、ヘッダを有する通信フレームを生成する段階と、通信フレームを送信する段階とを含み、1)ヘッダは、第1サブフィールドを含み、2)通信フレームは、i)サウンディングフレームではなく、ii)ヌルデータパケットが通信フレームに続くことをアナウンスするフレームではない。
【0009】
またさらに他の実施形態において、装置はネットワークインタフェースを含み、ネットワークインタフェースは、リンク品質情報の要求を示す第1サブフィールドを含むよう制御フィールドを生成し、ヘッダを有する通信フレームを生成し、通信フレームが送信されるようにし、ヘッダは、第1サブフィールドを含み、通信フレームは、i)サウンディングフレームではなく、ii)ヌルデータパケットが通信フレームに続くことをアナウンスするフレームではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る例示的なワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)10のブロック図である。
図2A図2Aは、従来技術の制御フレームフォーマットを示す図である。
図2B図2Bは、従来技術の制御フレームフォーマットを示す図である。
図2C図2Cは、従来技術の制御フレームフォーマットを示す図である。
図3A図3Aは、一実施形態に係る例示的な制御フレームフォーマットを示す図である。
図3B図3Bは、一実施形態に係る例示的な制御フレームフォーマットを示す図である。
図4A図4Aは、他の実施形態に係る他の例示的な制御フレームフォーマットを示す図である。
図4B図4Bは、他の実施形態に係る他の例示的な制御フレームフォーマットを示す図である。
図5図5は、他の実施形態に係る他の例示的な制御フレームフォーマットを示す図である。
図6図6は、一実施形態に係る、制御フレームを含む例示的な通信フレームを示す図である。
図7図7は、一実施形態に係る、リンク適合を行うべく情報を要求する例示的な方法のフロー図である。
図8図8は、一実施形態に係る、リンク適合を行うべく情報を生成し提供する例示的な方法のフロー図である。
図9図9は、一実施形態において、リンク適合を行うべく要求外情報を生成し提供する例示的な方法のフロー図である。
図10図10は、一実施形態において、リンク品質情報を用いてビーム形成ベクトルを決定する例示的な方法のフロー図である。
図11図11は、一実施形態において、リンク品質情報を用いてキャリブレーション行列を決定する例示的な方法のフロー図である。
図12図12は、一実施形態において、変調符号化方式(MCS)および/またはリンク品質フィードバックがアクセスポイントにより要求されるダウンリンクのマルチユーザ多入力多出力(MIMO)における例示的な送信シーケンスのタイミングチャートである。
図13図13は、他の実施形態において、MCSおよび/またはリンク品質フィードバックがアクセスポイントにより要求されるダウンリンクのマルチユーザMIMOにおける他の例示的な送信シーケンスのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施形態において、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)におけるクライアントデバイスである第1ネットワークデバイスは、WLANのアクセスポイント(AP)などである第2ネットワークデバイスへリンク品質情報を送信する。いくつかの実施形態および/またはシナリオにおいて、リンク品質情報は、第2ネットワークデバイスからのリンク品質情報の要求に応答して、第1ネットワークデバイスにより送信される。いくつかの実施形態および/またはシナリオにおいて、第1ネットワークデバイスにより送信されるリンク品質情報は、要求外のものである。つまり、第1ネットワークデバイスの主導により送信されるものであり、第2ネットワークデバイスからの要求に応答してのものではない。様々な実施形態において、リンク品質情報は、変調符号化方式の指標、信号対雑音比(SNR)情報、受信信号強度インジケータ(RSSI)、リンクマージンなどの1以上の形態である。
【0012】
図1は、一実施形態に係る例示的なワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)10のブロック図である。AP14は、ネットワークインタフェース16に結合されたホストプロセッサ15を含む。ネットワークインタフェース16は、媒体アクセス制御(MAC)処理ユニット18および物理層(PHY)処理ユニット20を含む。PHY処理ユニット20は、複数のトランシーバ21を含み、トランシーバ21は、複数のアンテナ24に結合される。図1では3つのトランシーバ21および3つのアンテナ24が図示されているが、他の実施形態において、AP14は、(例えば1、2、4、5など)異なる数のトランシーバ21およびアンテナ24を含む。一実施形態において、MAC処理ユニット18およびPHY処理ユニット20は、(例えば現在規格化が進むIEEE802.11ac規格など)第1通信プロトコルに従って動作する。他の実施形態において、MAC処理ユニット18およびPHY処理ユニット20は、(例えばIEEE802.11n規格など)第2通信プロトコルに従って動作する。
【0013】
WLAN10は、複数のクライアント局25を含む。図1では4つのクライアント局25が図示されているが、様々なシナリオおよび実施形態において、WLAN10は、(例えば1、2、3、5、6など)異なる数のクライアント局25を含む。(例えばクライアント局25−1など)クライアント局25のうちの少なくとも1つは、少なくとも第1通信プロトコルに従って動作する。いくつかの実施形態において、クライアント局25のうちの少なくとも1つは、第1通信プロトコルに従って動作せず、第2通信プロトコルに従って動作する(以下「レガシークライアント局」と呼ぶことがある)。
【0014】
クライアント局25−1は、ネットワークインタフェース27に結合されたホストプロセッサ26を含む。ネットワークインタフェース27は、MAC処理ユニット28およびPHY処理ユニット29を含む。PHY処理ユニット29は、複数のトランシーバ30を含み、トランシーバ30は複数のアンテナ34に結合される。図1では3つのトランシーバ30および3つのアンテナ34が図示されているが、他の実施形態では、クライアント局25−1は、(例えば1、2、4、5など)異なる数のトランシーバ30およびアンテナ34を含む。
【0015】
一実施形態において、クライアント局25−2、25−3のうちの一方または両方は、クライアント局25−1と同じか同様の構造を有する。一実施形態において、クライアント局25−4は、クライアント局25−1と同様の構造を有するが、第1通信プロトコルに従って動作しない。むしろ一実施形態において、クライアント局25−4は、第2通信プロトコルに従って動作する。様々な実施形態において、クライアント局25−1と同じか同様の構造を有するクライアント局25は、同じかまたは異なる数のトランシーバまたはアンテナを有する。例えば、一実施形態において、クライアント局25−2は、2つのトランシーバおよび2つのアンテナのみを有する。
【0016】
一実施形態において、クライアント局25−4は、レガシークライアント局である。つまり、クライアント局25−4は、AP14または他のクライアント局25により第1通信プロトコルに従って送信される通信フレームを受信できず、完全に復号化出来ない。同様に、一実施形態において、レガシークライアント局25−4は、第1通信プロトコルに従って通信フレームを送信できない。一方、レガシークライアント局25−4は、第2通信プロトコルに従って、通信フレームを受信し、完全に復号化し、かつ送信できる。
【0017】
様々な実施形態において、AP14のMAC処理ユニット18およびPHY処理ユニット20は、第1通信プロトコルに従って通信フレームを生成する。トランシーバ21は、生成された通信フレームをアンテナ24を介して送信する。同様に、トランシーバ21は、アンテナ24を介して通信フレームを受信する。様々な実施形態において、AP14のMAC処理ユニット18およびPHY処理ユニット20は、受信した通信フレームを第1通信プロトコルに従って処理する。
【0018】
様々な実施形態において、クライアントデバイス25−1のMAC処理ユニット28およびPHY処理ユニット29は、第1通信プロトコルに従って通信フレームを生成する。トランシーバ30は、生成された通信フレームをアンテナ34を介して送信する。同様にトランシーバ30は、通信フレームをアンテナ34を介して受信する。様々な実施形態において、クライアントデバイス25−1のMAC処理ユニット28およびPHY処理ユニット29は、受信した通信フレームを第1通信プロトコルに従って処理する。
【0019】
図2Aは、リンク適合を目的として、AP14および/またはクライアント局25−1、25−2、25−3がレガシークライアント局25−4へ送信し、また、レガシークライアント局25−4がAP14および/またはクライアント局25−1、25−2、25−3へ送信する従来技術の制御フィールド60を示す図である。制御フィールド60は、IEEE802.11n規格で定義されている。制御フィールド60は、通信フレームのMACヘッダに含まれる。制御フィールド60は、復調符号化方式(MCS)を要求しMCSを送信するのに用いられるリンク適合制御サブフィールド64を含む。キャリブレーション位置サブフィールド66は、キャリブレーションサウンディング交換シーケンスにおける位置を示すのに用いられ、キャリブレーションシーケンスサブフィールド68は、キャリブレーション手順のインスタンスを示すのに用いられる。サブフィールド70は予約済みである。チャネル状態情報(CSI)/ステアリングサブフィールド72は、CSIまたはビーム形成フィードバックの要求を示すのに用いられる。ヌルデータパケット(NDP)アナウンスサブフィールド74は、NDPサウンディングパケットが制御フィールド60を含むフレームに続くことをアナウンスするのに用いられる。サウンディングパケットは、多入力多出力(MIMO)通信チャネルのチャネル推定値の判断を可能にするトレーニングフィールド、つまり利用可能なMIMOチャネルの次元をサウンディングするトレーニングフィールドを有する通信フレームである。
【0020】
制御フレーム60は、予約済みサブフィールド76も含む。制御フレーム60は、TXOPの間、他の局がデータを送信することを許可する送信機会(TXOP)ホルダに関するアクセスカテゴリ(AC)制約サブフィールド78および逆方向許可(RDG)/追加PPDUサブフィールド80も含む。
【0021】
図2Bは、図2Aのリンク適合制御サブフィールド64を示す図である。リンク適合制御サブフィールド64は、予約済みサブフィールド84およびトレーニング要求(TRQ)サブフィールド86を含む。TRQサブフィールド86は、制御フィールド60への応答者がサウンディングフレームの送信を要求されているかどうか示す。MCS要求またはアンテナ選択(ASEL)指標(MAI)サブフィールド88は、制御サブフィールド64がMCSフィードバックに関連するものとしてインタープリトされるべきか、ASELに関連するものとしてインタープリトされるべきかを示す。MAIサブフィールド88に14の値が設定されているとき、このことは、制御サブフィールド64がASELに関連するものとしてインタープリトされることを示す。MAIサブフィールド88に14以外の値が設定されているとき、このことは、制御サブフィールド64が、図2Cに図示されるようにインタープリトされることを示す。図2Cを参照すると、MAIサブフィールド88に14以外の値が設定されているとき、MAIサブフィールド88は、MCS要求(MRQ)サブフィールド90およびMRQシーケンス識別子(MSI)サブフィールド92を含むものとしてインタープリトされる。MRQサブフィールド90に1が設定されると、応答者に対し、制御フィールド60を受信したことに応答して、MCSフィードバック(MFB)を送信するよう要求する。MRQサブフィールド90に0が設定されると、MFBは要求されない。MRQサブフィールド90に1が設定されると、MSIサブフィールド92に、特定のMRQを指定する0〜6の範囲のシーケンス番号が設定される。MRQサブフィールド90に0が設定されると、MSIサブフィールド92は、予約済みとなる。
【0022】
図2Bを再び参照すると、リンク適合制御サブフィールド64は、リンク適合サブフィールド64のMFBが対応するMSIを示すMCSフィードバックシーケンス識別子(MFSI)サブフィールド94を含む。例えば、要求者は、制御フレーム60(図2A〜2C)を用い、MSIサブフィールド92のMSI値を設定し、応答者に対しMCSの要求を送信する。当該要求への応答者は、制御フレーム60を用いてMCSフィードバック(MFB)を送信し、MFSIサブフィールド94に要求者が設定したMSI値を設定する。
【0023】
リンク適合制御サブフィールド64は、MCSフィードバックおよびアンテナ選択コマンド/データ(MFB/ASELC)サブフィールド96も含む。MAIサブフィールド88に14の値が設定されているとき、MFB/ASELCサブフィールド96は、ASELデータを含むものとしてインタープリトされる。一方、MAIサブフィールド88に14以外の値が設定されているとき、MFB/ASELCサブフィールド96は推奨されるMCSを示すものとしてインタープリトされる。127の値は、MCSフィードバック(MFB)が提供されないことを示す。
【0024】
IEEE802.11n規格によると、1を設定されたMRQサブフィールド90を有するフレームをネットワークデバイスが送信するのは、i)フレームがサウンディングPHYプロトコルデータユニット(PPDU)であるときのみであり、或いは、ii)NDPが続くことをアナウンスし(つまり、NDPアナウンスサブフィールド74に1を設定され)、NDPサウンディングパケットが後に続くフレームにおいてのみである。
【0025】
一実施形態において、AP14および/またはクライアント局25−1、25−2、25−3は、レガシークライアント局25−4とリンク適合を行う際に、制御フィールド60を用い、レガシークライアント局25−4は、AP14および/またはクライアント局25−1、25−2、25−3とリンク適合を行う際に、制御フィールド60を用いる。
【0026】
図3Aは、一実施形態に係る、リンク適合を目的として、AP14がクライアント局25−1、25−2、25−3のうちの1つへ送信し、かつクライアント局25−1、25−2、25−3のうちの1つがAP14へ送信する例示的な制御フィールド120を示す図である。制御フィールド120は、制御フィールド120が図3Aに図示されるフォーマットに従ってインタープリトされるべきか、図2Aに図示されるフォーマットに従ってインタープリトされるべきかを示すサブフィールド121を含む。例えば、サブフィールド121に(例えば0などの)第1の値が設定されている場合、制御フィールドは、図2Aに図示されるフォーマットに従ってインタープリトされる。一方、サブフィールド121に(例えば1などの)第2の値が設定されている場合、制御フィールドは、図3Aに図示されるフォーマットに従ってインタープリトされる。
【0027】
サブフィールド122は、制御フィールド120が要求外である、つまりMRQに応答して送信されるものではないリンク適合フィードバックを含むかどうかを示すのに用いられる。MRQサブフィールド124に1が設定されると、応答者に対し、制御フィールド120を受信したことに応答して、MCSフィードバック(MFB)を送信するよう要求する。MRQサブフィールド120に0が設定されると、MFBは要求されない。MRQサブフィールド124に1が設定されると、MSIサブフィールド126に、特定のMRQを指定する0〜6の範囲のシーケンス番号が設定される。MRQサブフィールド124に0が設定されると、MSIサブフィールド126は、予約済みとなる。
【0028】
MCSフィードバックシーケンス識別子(MFSI)/GID−Lサブフィールド128は、制御フィールド120のMFBが対応するMSIを示す。例えば、要求者は、制御フレーム120を用い、MSIサブフィールド126のMSI値を設定し、応答者に対しMCSの要求を送信する。当該要求への応答者は、制御フレーム120を用いてMCSフィードバック(MFB)を送信し、MFSI/GID−Lフィールド128に要求者が設定したMSI値を設定する。一実施形態において、制御フィールド120が要求外リンク適合フィードバックを含むことを示すようサブフィールド122が設定されている場合、MFSI/GID−Lフィールドは、要求外MFBが基づいて計算される参照されるフレームのグループIDの下位3ビットを表す。
【0029】
MFBサブフィールド130は、MFB情報および/またはリンク品質に関連する他の情報を送信するのに用いられる。図3Bは、一実施形態に係る、MFBサブフィールド130を示す図である。MFBサブフィールド130は、MFB情報および/またはリンク品質に関する他の情報が対応する時間−空間ストリームの数を示すサブフィールド132を含む。MCSサブフィールド134は、リンクを介して送信するのに用いられる提案された変調符号化方式(MCS)の指標を提供するのに用いられる。一実施形態において、(例えば15、または他の適切な値などの)所定の値は、MCSフィードバックが利用可能でないことを示す。サブフィールド136は、提案されるMCSおよび提案された時間−空間ストリームの数以外のリンク品質に関する情報を提供するのに用いられる。一実施形態において、サブフィールド136は、リンクに関する信号対雑音比(SNR)情報を提供するのに用いられる。一実施形態において、SNR情報は、応答者により測定される、(例えば全てのトーン、全てのデータトーンなど)複数の直交周波数分割多重(OFDM)トーンまたはサブチャネルに亘り、全ての空間ストリーム間で平均化された、(例えばデシベルの単位で示される)平均SNRを示す値を含む。一実施形態において、SNR情報は、
【数1】
(数式1)および
【数2】
(数式2)に従って決定される。ここでNSTSは、空間ストリームの数であり、
【数3】
はデータトーンの数であり、kはトーンインデックスであり、NSRは最大トーンインデックス値であり、NSRは最小トーンインデックス値であり、iSTSは、空間ストリームインデックスであり、
【数4】
は、iSTS番目の空間ストリームのk番目のトーンのSNR値である。数式2において、角括弧内の値は、8ビット(または他の適切なビット数)の2の補数(または他の適切なフォーマット)に量子化された値である。
【0030】
他の実施形態において、SNR情報は、全ての空間ストリームのうち最も小さな、複数のトーンに亘り平均化されたSNR値である単一のSNR値を含む。他の実施形態において、SNR情報は、i)応答者が測定する、(例えば全てのトーン、または全てのデータトーンなど)複数のOFDMトーンに亘り、全ての空間ストリーム間で平均化された平均SNRを示す値、およびii)全ての空間ストリームのうち最も小さな、複数のトーンに亘り平均化されたSNR値である単一のSNR値を含む。他の実施形態において、SNR情報は、測定されたSNRとMCSサブフィールド134が示すMCSの感度点との差であるリンクマージン値を含む。
【0031】
他の実施形態において、サブフィールド136は、受信信号強度インジケータ(RSSI)を含む。
【0032】
一実施形態において、GID−Hサブフィールド138は、制御フィールド120が要求外リンク適合フィードバックを含むことを示すようサブフィールド122が設定されている場合に有効であり、GID−Hサブフィールド138は、要求外MFBが基づいて計算される参照されるフレーム内のグループIDの上位3ビットを表す。符号化タイプサブフィールド140は、制御フィールド120が要求外リンク適合フィードバックを含むことを示すようサブフィールド122が設定されている場合に有効であり、符号化タイプサブフィールド140は、要求外MFBが基づいて計算される参照されるフレームにおける誤り制御符号化タイプ(BCCまたはLDPC)を表す。フィードバックTxタイプサブフィールド142は、制御フィールド120が要求外リンク適合フィードバックを含むことを示すようサブフィールド122が設定されている場合に有効であり、フィードバックTxタイプサブフィールド142は、送信ビーム形成が、要求外MFBが基づいて計算される参照されるフレームにおいて適用されるかどうかを表す。
【0033】
制御フィールド120は予約済みサブフィールド144を含む。制御フレーム120は、TXOPの間、他の局へのデータ送信を許可する送信機会(TXOP)ホルダに関するアクセスカテゴリ(AC)制約サブフィールド146、および逆方向許可(RDG)/追加PPDUサブフィールド148も含む。
【0034】
他の実施形態においては、図3Aおよび3Bで示した例とは異なるサブフィールドの適切なビットの順番および数が用いられる。例えば、図4A、4B、5は、ビットの順番および数の他の例を示す。
【0035】
図4Aは、一実施形態に係る、リンク適合を目的として、AP14がクライアント局25−1、25−2、25−3のうちいずれか1つへ送信し、またはクライアント局25−1、25−2、25−3のうちいずれか1つがAP14へと送信する他の例示的な制御フィールド200を示す図である。図3Aの例示的な制御フィールド120と同様に、制御フィールド200は、制御フィールド200が図4Aに図示されるフォーマットに従ってインタープリトされるべきか、図2Aに図示されるフォーマットでインタープリトされるべきかを示すサブフィールド121を含む。例えば、サブフィールド121に(例えば0など)第1の値が設定されている場合、制御フィールドは、図2Aに図示されるフォーマットに従ってインタープリトされる。一方、サブフィールド121に(例えば1など)第2の値が設定されている場合、制御フィールドは図4Aに図示されるフォーマットに従ってインタープリトされる。
【0036】
制御フィールド200は、図3Aの制御フィールド120と同様であり、同様の番号が付された要素については説明を繰り返さない。図3Aの制御フィールド120と比べて、予約済みサブフィールド204および要求外FBサブフィールド208は、制御フィールド内の異なる場所にある。さらに、MFBサブフィールド212は、図3BのMFBサブフィールド130と比べて異なるフォーマットを有する。
【0037】
サブフィールド216は図3Bのサブフィールド136と同様であるが、ビット数が2だけ少ない。サブフィールド212は帯域幅(BW)サブフィールド220も含む。帯域幅(BW)サブフィールド220は、MCS選択および/またはリンク品質決定に用いられフィールド134および/または216の値に対応する受信された通信フレームの帯域幅を示す。BWサブフィールド220は、制御フィールド200の受信者にとって、MCS選択および/またはリンク品質決定に用いられフィールド134および/または216の値に対応する通信フレームの帯域幅が明らかでなかった場合、要求外フィードバックに関して用いられる(つまり、要求外フィードバックサブフィールド208が要求外フィードバックを示すよう設定されている場合に)。一実施形態において、BWサブフィールド220は、要求外フィードバックサブフィールド208が要求外フィードバックを示すよう設定されていない場合、予約済みである。
【0038】
図5は、一実施形態に係る、リンク適合を目的として、AP14がクライアント局25−1、25−2、25−3のうちいずれか1つへ送信し、またはクライアント局25−1、25−2、25−3のうちいずれか1つがAP14へと送信する他の例示的な制御フィールド250を示す図である。図3Aの例示的な制御フィールド120および図4Aの例示的な制御フィールド200と同様に、制御フィールド200は、制御フィールド200が図5に図示されるフォーマットに従ってインタープリトされるべきか、図2Aに図示されるフォーマットに従ってインタープリトされるべきかを示すサブフィールド121を含む。例えば、サブフィールド121に(例えば0など)第1の値が設定されている場合、制御フィールドは、図2Aに図示されるフォーマットに従ってインタープリトされる。一方、サブフィールド121に(たとえば1など)第2の値が設定されている場合、制御フィールドは、図5に図示されるフォーマットに従ってインタープリトされる。
【0039】
制御フィールド250は、図4Aの制御フィールド200(および図3Aの制御フィールド120)と同様であり、同様の番号が付された要素については説明を繰り返さない。図4Aの制御フィールド200のように、予約済みサブフィールド204および要求外FBサブフィールド208は、図3Aの制御フィールド120と比べて制御フィールド内の異なる場所にある。一実施形態において、MFBサブフィールド130は、図3BのMFBサブフィールド130と同じフォーマットを有する。
【0040】
要求外FBサブフィールド208に要求外フィードバックを示さない値が設定されている場合、およびMRQサブフィールド124に1が設定されている場合、MSIマルチユーザ(MU)インジケータサブフィールド254に、一例として0〜6の範囲から選択される、特定のMRQを識別するシーケンス番号を設定する。一実施形態において、要求外FBサブフィールド208に要求外フィードバックを示す値が設定されている場合、サブフィールド130のフィードバックがシングルユーザ送信に関連付けられているかマルチユーザ送信に関連付けられているかを示すべく、サブフィールド254のビットを再度インタープリトする。他の実施形態において、要求外FBサブフィールド208に要求外フィードバックを示す値が設定されている場合、フィードバックがシングルユーザ送信に関連付けられているかマルチユーザ送信に関連付けられているかを示すよう設定されるビットを含めるべく、MRQサブフィールド124を再度インタープリトする。
【0041】
一実施形態において、要求外FBサブフィールド208に要求外フィードバックを示す値が設定され、サブフィールド254がサブフィールド130内のフィードバックがシングルユーザ送信に関連付けられていることを示す場合、MCS選択および/またはリンク品質決定に用いられ、サブフィールド130の値に対応する通信フレームの帯域福を示すべく、サブフィールド258の2ビットが再度インタープリトされ、サブフィールド258の3番目のビットが、予約済みとして再度インタープリトされる。要求外FBサブフィールド208に要求外フィードバックを示す値が設定されているが、サブフィールド130内のフィードバックがマルチユーザ送信に関連付けられていることをサブフィールド254が示す場合、制御フィールド250の受信者は、MCS選択および/またはリンク品質決定に用いられ、サブフィールド130内の値に対応する通信フレームの帯域福を、通信フレームが送信された局のグループを示すサブフィールド258内のグループ識別子に基づいて決定することが出来る。他の実施形態において、要求外FBサブフィールド208に要求外フィードバックを示す値が設定されているが、サブフィールド130内のフィードバックがマルチユーザ送信に関連付けられていることをサブフィールド254が示す場合、MCS選択および/またはリンク品質決定に用いられ、サブフィールド130内の値に対応する通信フレームの帯域福を示すべくサブフィールド258の2ビットが再度インタープリトされ、サブフィールド258の3番目のビットが、予約済みとして再度インタープリトされる。他の実施形態において、要求外FBサブフィールド208に要求外フィードバックを示す値が設定され、サブフィールド130内のフィードバックがシングルユーザ送信に関連付けられていることをサブフィールド124が示す場合、MCS選択および/またはリンク品質決定に用いられ、サブフィールド130内の値に対応する通信フレームの帯域福を示すべく、サブフィールド258の2ビットを再度インタープリトする。
【0042】
図6は、いくつかの実施形態において、図3A、3B、4A、4B、5を参照し説明したように制御フレームを伝送するのに用いられる例示的な通信フレーム280を示す図である。フレーム280は、MACプロトコルデータユニット(MPDU)284およびPHYヘッダ286を含む。MPDU284は、MACヘッダ288、MACサービスデータユニット(MSDU)290、および周期的冗長検査(CRC)フィールド292を含む。制御フィールド294がMACヘッダ288に含まれる他の実施形態において、制御フィールド294はPHYヘッダ286に含まれる。一実施形態において、制御フレーム294は図3Aに示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、制御フレーム294は図3Bに示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、制御フレーム294は図5に示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、制御フレーム294は他の適切なフォーマットを有する。PHYヘッダ286およびMACヘッダ288は、通信フレームのヘッダ部分296に含まれる。よって、制御フィールド294はヘッダ部分296に含まれる。
【0043】
図7は、一実施形態において、リンク適合を行うべく情報を要求する例示的な方法300を示すフロー図である。一実施形態において、方法300は、(例えば、MAC処理ユニット18および/またはPHY処理ユニット20などの)ネットワークインタフェース16(図1)によって実装される。他の実施形態において、方法300は、(例えば、MAC処理ユニット28および/またはPHY処理ユニット29などの)ネットワークインタフェース27(図1)によって実装される。他の実施形態において、方法300は、他の適切なネットワークインタフェースによって実装される。
【0044】
ブロック304において、通信フレームに含められる制御フィールドが生成される。一実施形態において、制御フィールドはMACヘッダのフィールドであり、通信フレームのMACヘッダに含められる。一実施形態において、制御フレームは、図3Aに示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、制御フレームは、図4Aに示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、制御フレームは、図5に示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、制御フレームは、他の適切なフォーマットを有する。
【0045】
一実施形態において、ブロック304は、制御フィールドのサブフィールドがリンク品質情報の要求を示すよう設定されるブロック308を含む。一実施形態において、サブフィールドは、MCS、SNR情報、RSSI、リンクマージン情報などのうち1以上の要求を示す。いくつかの実施形態において、ブロック308は、MRQサブフィールド124(図3A、4Aまたは5)内の値を要求を示すよう設定することを含む。いくつかの実施形態において、ブロック304は、MSIサブフィールド126(図3Aまたは4A)、またはMSI/MUサブフィールド254(図5)に特定の要求を識別する(例えば0〜6の範囲または他の適切な範囲などの)シーケンス番号を設定することを含む。
【0046】
一実施形態において、ブロック304は、制御フィールに第1通信プロトコルに従ってインタープリトし、第2通信プロトコルに従ってインタープリトしないことを示す値をサブフィールドに設定するブロック312を含む。いくつかの実施形態において、ブロック312は、制御フィールドを第1通信プロトコルに従ってインタープリトし、第2通信プロトコルに従ってインタープリトしないことを示す値をサブフィールド121に設定することを含む。
【0047】
一実施形態において、ブロック304は、ブロック308およびブロック312の両方を含む。一実施形態において、ブロック304は、ブロック308を含むが、ブロック304および方法300はブロック312を省略する。
【0048】
ブロック316において、ブロック304で生成された制御フィールドを含む通信フレームが生成される。一実施形態において、ブロック316は、ブロック304で生成された制御フィールドを含む通信フレームのMACヘッダを生成することを含む。
【0049】
ブロック320において、ブロック316で生成された通信フレームは、通信システム内の他のデバイスへ送信されるか、またはその送信が開始される。
【0050】
一実施形態およびいくつかのシナリオにおいて、ブロック316で生成されブロック320で送信された通信フレームは、サウンディングパケットではなく、(例えばヌルデータパケット(NDP)アナウンスフレームなどのような)後に続くフレームにおいてヌルデータパケットが送信されることを示す指標を含む通信フレームでなはい。他の実施形態および/またはシナリオにおいて、ブロック316で生成されブロック320で送信された通信フレームは、サウンディングパケットであるか、またはNDPアナウンスフレームである。
【0051】
図8は、一実施形態において、リンク適合を行うべく情報を生成し提供する例示的な方法400を示すフロー図である。一実施形態において、方法400は、(例えば、MAC処理ユニット18および/またはPHY処理ユニット20などの)ネットワークインタフェース16(図1)によって実装される。他の実施形態において、方法400は、(例えば、MAC処理ユニット28および/またはPHY処理ユニット29などの)ネットワークインタフェース27(図1)によって実装される。他の実施形態において、方法400は、他の適切なネットワークインタフェースによって実装される。
【0052】
ブロック404において、第1制御フィールドを有する第1通信フレームが受信される。一実施形態において、第1制御フィールドは、第1通信フレームのMACヘッダのフィールドに含まれる。第1制御フィールドは、リンク品質情報の要求を示す指標を含むサブフィールドを含む。一実施形態において、第1制御フレームは、図3Aに示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、第1制御フレームは、図4Aに示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、第1制御フレームは、図5に示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、第1制御フレームは、他の適切なフォーマットを有する。いくつかの実施形態において、サブフィールドは、リンク品質情報の要求を示すよう設定されたMRQサブフィールド124(図3A、4Aまたは5)である。いくつかの実施形態において、MSIサブフィールド126(図3Aまたは4A)またはMSI/MUサブフィールド254(図5)に、特定のMRQ要求を識別する(例えば0〜6の範囲、または他の適切な範囲の)シーケンス番号を設定する。
【0053】
ブロック408において、提案されるMCSが、ブロック404で受信した第1通信フレームに基づいて決定される。当業者に公知のものなど、提案されるMCSを決定するのに適切な技術が用いられる。
【0054】
ブロック412において、リンク品質メトリックが、ブロック404で受信した第1通信フレームに基づいて決定される。当業者に公知のものなど、リンク品質メトリックを決定するのに適切な技術が用いられる。一実施形態において、リンク品質メトリックは、ブロック404で受信した第1通信フレームに関する信号対雑音比(SNR)メトリックである。一実施形態において、SNRメトリックは、ブロック404で受信した第1通信フレームに関し、方法400を実施するネットワークインタフェースによって測定される、(例えば全てのトーン、全てのデータトーンなど)複数のOFDMトーンに亘り、全ての空間ストリーム間で平均化された、(例えばデシベルの単位で示される)平均SNRを示す値に対応する。一実施形態において、SNRメトリックは、数式1に従って決定される。他の実施形態において、メトリックは、ブロック404で受信した第1通信フレームに関する全ての空間ストリームのうち最も小さな、複数のトーンに亘り平均化されたSNR値である単一のSNR値である。他の実施形態において、SNRメトリックは、i)ブロック404で受信した第1通信フレームに関する、(例えば全てのトーン、または全てのデータトーンなど)複数のOFDMトーンに亘り、全ての空間ストリーム間で平均化された平均SNRを示す値、およびii)ブロック404で受信した第1通信フレームに関する全ての空間ストリームのうち最も小さな、複数のトーンに亘り平均化されたSNR値である単一のSNR値を含む。他の実施形態において、リンク品質メトリックは、ブロック404で受信した第1通信フレームに関する、測定されたSNRとMCSサブフィールド134が示すMCSの感度点との差であるリンクマージン値を含む。他の実施形態において、リンク品質インジケータは、ブロック404で受信した第1通信フレームに関する、受信信号強度インジケータ(RSSI)を含む。
【0055】
ブロック416において、第2通信フレームに含める第2制御フィールドは、ブロック408で決定されるMCSの指標、およびブロック412で決定されるリンク品質メトリックの指標を含むようにして生成される。一実施形態において、第2制御フィールドは、MACヘッダのフィールドであり、第2通信フレームのMACヘッダに含められる。一実施形態において、第2制御フレームは、図3Aに示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、第2制御フレームは、図3Bに示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、第2制御フレームは、図5に示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、第2制御フレームは、他の適切なフォーマットを有する。一実施形態において、MCSの指標はサブフィールド134に含まれる。一実施形態において、リンク品質メトリックの指標は、サブフィールド136(図3A)に含まれる。他の実施形態において、リンク品質メトリックの指標は、サブフィールド216(図4A)に含まれる。一実施形態において、リンク品質メトリックの指標は、数式2に従って決定される。
【0056】
一実施形態において、ブロック416は、MFSIサブフィールド128(図3A、4Aまたは5)に第1制御フィールドのMSIまたはMSI/MUサブフィールドに含まれるシーケンス番号を設定することを含む(ブロック404)。一実施形態において、ブロック416は、サブフィールド122(図3A)またはサブフィールド208(図4Aまたは5)に、第2制御フィールドに含まれるリンク品質情報が、(例えば第1通信フレームの第1制御フィールドに応答してなど)リンク品質情報の要求に応答してのものであることを示す値を設定することを含む(ブロック404)。
【0057】
一実施形態において、ブロック416は、第2制御フィールドを第1通信プロトコルに従ってインタープリトし、第2通信プロトコルに従ってインタープリトしないことを示す値を第2制御フィールドのサブフィールドに設定することを含むブロック420を含む。いくつかの実施形態において、ブロック420は、第2制御フィールドを第1通信プロトコルに従ってインタープリトし、第2通信プロトコルに従ってインタープリトしないことを示すようサブフィールド121を設定することを含む。一実施形態において、ブロック416および方法400は、ブロック420を省略する。
【0058】
ブロック424において、第2通信フレームは、ブロック416で生成される第2制御フィールドを含めるように生成される。一実施形態において、ブロック424は、ブロック416で生成される第2制御フィールドを含む第2通信フレームのMACヘッダを生成することを含む。
【0059】
ブロック428において、ブロック424で生成される第2通信フレームは、第1通信フレームを生成したデバイスへ送信されるか、またはその送信が開始される(ブロック404)。
【0060】
一実施形態およびいくつかのシナリオにおいて、ブロック404で受信される通信フレームは、サウンディングパケットではなく、ヌルデータパケットが後に続くフレームにおいて送信されることを示す指標を含む通信フレームではない。他の実施形態および/またはシナリオにおいて、ブロック404で受信される通信フレームは、サウンディングパケットである。
【0061】
いくつかの実施形態において、ブロック408は省略される。ブロック408が省略されるいくつかの実施形態において、ブロック416は、第2制御フィールドのサブフィールドに、MCSフィードバックが利用可能でないことを示す値を設定することを含む。一実施形態において、サブフィールド134に、MCSフィードバックが利用可能でないことを示す値を設定する。ブロック408が省略されるいくつかの実施形態において、ブロック416は、第2制御フィールドのサブフィールドを提案されるMCSを示すよう設定することを省略する。
【0062】
図9は、一実施形態において、リンク適合を行うべく要求外情報を生成し提供する例示的な方法450を示すフロー図である。一実施形態において、方法450は、(例えば、MAC処理ユニット18および/またはPHY処理ユニット20などの)ネットワークインタフェース16(図1)によって実装される。他の実施形態において、方法450は、(例えば、MAC処理ユニット28および/またはPHY処理ユニット29などの)ネットワークインタフェース27(図1)によって実装される。他の実施形態において、方法450は、他の適切なネットワークインタフェースによって実装される。
【0063】
ブロック454において、要求外リンク品質情報を他の通信デバイスへ送信することを決定する。要求外リンク品質情報を他の通信デバイスへ送信するかどうかの決定は、当業者に公知の技術を用いることを含む、適切な方法で行われる。例えば、一実施形態において、要求外リンク品質情報を他の通信デバイスへ送信することの決定は、(例えばSNR、RSSI、PERの増加または減少など)リンク品質の変化を検出することに基づく。
【0064】
ブロック458において、提案されるMCSは、他の通信デバイスから直近に受信した通信フレームに基づいて決定される。当業者に公知のものなど、提案されるMCSを決定するのに適切な技術が用いられる。
【0065】
ブロック462において、リンク品質メトリックは、他の通信デバイスから直近に受信した通信フレームに基づいて決定される。一実施形態において、ブロック462で用いる直近に受信した通信フレームは、ブロック458で用いる通信フレームと同じである。他の実施形態において、ブロック462で用いる直近に受信した通信フレームは、ブロック458で用いる通信フレームと異なる。
【0066】
当業者に公知のものなど、リンク品質メトリックを決定するのに適切な技術が用いられる。一実施形態において、リンク品質メトリックは、直近に受信した通信フレームに関する信号対雑音比(SNR)メトリックである。一実施形態において、SNRメトリックは、直近に受信した通信フレームに関し、方法450を実施するネットワークインタフェースによって測定される、直近に受信した通信フレームに関する、(例えば全てのトーン、全てのデータトーンなど)複数のOFDMトーンに亘り、全ての空間ストリーム間で平均した、(例えばデシベルの単位で示される)平均SNRを示す値に対応する。一実施形態において、SNRメトリックは、数式1に従って決定される。他の実施形態において、メトリックは、直近に受信した通信フレームに関する全ての空間ストリームのうち最も小さな、複数のトーンに亘り平均化されたSNR値である単一のSNR値である。他の実施形態において、SNRメトリックは、i)直近に受信した通信フレームに関する、(例えば全てのトーン、または全てのデータトーンなど)複数のOFDMトーンに亘り、全ての空間ストリーム間で平均化された平均SNRを示す値、およびii)直近に受信した通信フレームに関する全ての空間ストリームのうち最も小さな、複数のトーンに亘り平均化されたSNR値である単一のSNR値を含む。他の実施形態において、リンク品質メトリックは、直近に受信した通信フレームに関する、測定されたSNRとMCSサブフィールド134が示すMCSの感度点との差であるリンクマージン値を含む。他の実施形態において、リンク品質インジケータは、直近に受信した通信フレームに関する受信信号強度インジケータ(RSSI)を含む。
【0067】
ブロック466において、通信フレームに含める制御フィールドは、ブロック458で決定されるMCSの指標、およびブロック462で決定されるリンク品質メトリックの指標を含むようにして生成される。一実施形態において、制御フィールドは、MACヘッダのフィールドであり、通信フレームのMACヘッダに含められる。一実施形態において、制御フレームは、図3Aに示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、制御フレームは、図3Bに示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、制御フレームは、図5に示すようなフォーマットを有する。他の実施形態において、制御フレームは、他の適切なフォーマットを有する。一実施形態において、MCSの指標はサブフィールド134に含まれる。一実施形態において、リンク品質メトリックの指標は、サブフィールド136(図3A)に含まれる。他の実施形態において、リンク品質メトリックの指標は、サブフィールド216(図4A)に含まれる。一実施形態において、リンク品質メトリックの指標は、数式2に従って決定される。
【0068】
一実施形態において、ブロック466は、サブフィールド122(図3A)またはサブフィールド208(図4Aまたは5)に、制御フィールドに含まれるリンク品質情報が要求外であることを示す値を設定することを含む。一実施形態において、ブロック458で決定されるMCSおよび/またはブロック462で決定されるリンク品質メトリックが受信したシングルユーザフレームに基づく場合、ブロック466は、制御フィールド内の(例えば図4Bのサブフィールド220または図5のサブフィールド258などの)サブフィールドを、ブロック458で決定するMCSおよび/またはブロック462で決定されるリンク品質メトリックが基づく受信したシングルユーザフレームの帯域幅を示すよう設定することを含む。一実施形態において、ブロック458で決定されるMCSおよび/またはブロック462で決定されるリンク品質メトリックが受信されたマルチユーザフレームに基づく場合、ブロック466は、制御フィールド内の(例えばサブフィールド128、138、258などの)サブフィールドを、ブロック458で決定するMCSおよび/またはブロック462で決定されるリンク品質メトリックが基づく受信されたマルチユーザフレームのグループIDを示すよう設定することを含む。
【0069】
一実施形態において、ブロック466は、制御フィールドを第1通信プロトコルに従ってインタープリトし、第2通信プロトコルに従ってインタープリトしないことを示す値を制御フィールドのサブフィールドに設定するブロック470を含む。いくつかの実施形態において、ブロック470は、制御フィールドを第1通信プロトコルに従ってインタープリトし、第2通信プロトコルに従ってインタープリトしないことを示すようサブフィールド121を設定することを含む。一実施形態において、ブロック466および方法450は、ブロック470を省略する。
【0070】
ブロック474において、通信フレームは、ブロック466で生成される制御フィールドを含めるように生成される。一実施形態において、ブロック474は、ブロック466で生成される制御フィールドを含む通信フレームのMACヘッダを生成することを含む。
【0071】
ブロック478において、ブロック474で生成される通信フレームは、MCSおよび/またはリンク品質情報の生成に用いられる通信フレームを生成したデバイスへ送信されるか、またはその送信が開始される。
【0072】
いくつかの実施形態において、ブロック462は省略される。ブロック462が省略されるいくつかの実施形態において、ブロック466は、制御フィールド内のサブフィールドをリンク品質メトリックを示すよう設定することを省略する。
【0073】
図8および9を参照すると、いくつかの実施形態および/またはシナリオにおいて、ブロック428またはブロック479で送信された通信フレームを受信する通信デバイスのネットワークインタフェースは、(含まれている場合)制御フィールドに示されるMCSを用いる。いくつかの実施形態および/またはシナリオにおいて、ブロック428またはブロック479で送信された通信フレームを受信する通信デバイスのネットワークインタフェースは、(含まれている場合)制御フィールドに示されるリンク品質メトリックを用いて方法400/450を実施する通信デバイスへの送信の際に用いられるMCSを決定する。
【0074】
図10は、一実施形態において、リンク品質情報を用いてビーム形成ベクトルを決定する例示的な方法500を示すフロー図である。一実施形態において、方法500は、(例えば、MAC処理ユニット18および/またはPHY処理ユニット20などの)ネットワークインタフェース16(図1)によって実装される。他の実施形態において、方法500は、(例えば、MAC処理ユニット28および/またはPHY処理ユニット29などの)ネットワークインタフェース27(図1)によって実装される。他の実施形態において、方法500は、他の適切なネットワークインタフェースによって実装される。
【0075】
ブロック504において、それぞれがリンク品質情報を要求する複数の通信フレームが生成され、他の通信デバイスへ送信される。一実施形態において、通信フレームのそれぞれは、異なるビーム形成ベクトルを用いて送信される。一実施形態において、通信フレームのそれぞれは、図7を参照し説明した方法などを用いて生成される。一実施形態において、ブロック504で送信される複数の通信フレームは、同じMCSを用いて送信される。
【0076】
ブロック508において、それぞれがリンク品質情報を含む複数の通信フレームは、ブロック504で複数の通信フレームが送信されたことに応答して、他の通信デバイスから受信される。一実施形態において、ブロック508で受信される他の通信フレームのそれぞれは、図8を参照して説明した方法などを用いて、他の通信デバイスによって生成される。
【0077】
ブロック512において、他の通信デバイスへの後に続く送信に用いるビーム形成ベクトルが、ブロック508で受信されるリンク品質情報に基づいて決定される。例えば、一実施形態において、最も高いSNR値が得られるビーム形成ベクトルが選択される。他の例として、一実施形態において、最も高いリンクマージンが得られるビーム形成ベクトルが選択される。他の例として、一実施形態において、最も高いRSSIが得られるビーム形成ベクトルが選択される。他の例として、一実施形態において、最も高いSNR値、リンクマージン、RSSIなどが得られるビーム形成ベクトルの組を用いてビーム形成ベクトルを生成する。ブロック512で決定されるビーム形成ベクトルを用いて、他の通信デバイスへ後に続く通信フレームを送信する。
【0078】
図11は、一実施形態において、リンク品質情報を用いてインプリシットビーム形成に用いるキャリブレーション行列を決定する例示的な方法600を示すフロー図である。一実施形態において、方法600は、(例えば、MAC処理ユニット18および/またはPHY処理ユニット20などの)ネットワークインタフェース16(図1)によって実装される。他の実施形態において、方法600は、(例えば、MAC処理ユニット28および/またはPHY処理ユニット29などの)ネットワークインタフェース27(図1)によって実装される。他の実施形態において、方法600は、他の適切なネットワークインタフェースによって実装される。
【0079】
ブロック604において、第2通信デバイスからの通信フレームが、第1通信デバイスによって受信される。ブロック604で受信される通信フレームは、逆方向MIMOチャネルをサウンディングするトレーニング信号を有する通信フレームである。ブロック608において、第2通信デバイスから第1通信デバイスへのチャネルの推定値、つまり逆方向チャネル推定値を、ブロック604で受信する通信フレームに基づいて決定する。
【0080】
ブロック612において、順方向チャネル推定値、つまり第1通信デバイスから第2通信デバイスへのチャネルの推定値を、ブロック604で決定される逆方向チャネル推定値に基づいて決定する。
【0081】
ブロック616において、送信ビーム形成ベクトル、つまり順方向チャネルを介した送信のビーム形成ベクトルを、ブロック612で決定した順方向チャネル推定値に基づいて決定する。
【0082】
ブロック620において、それぞれがリンク品質情報を要求する複数の通信フレームが生成され、第2通信デバイスに送信される。一実施形態において、通信フレームのそれぞれは、ブロック616で決定したビーム形成ベクトルを用いて送信される。一実施形態において、通信フレームのそれぞれは、(例えば、順方向チャネルと逆方向チャネルとの間の送信チェーン/受信チェーンミスマッチを正すキャリブレーション行列など)異なるキャリブレーション行列を用いて送信される。一実施形態において、通信フレームのそれぞれは、図7を参照して説明した方法などを用いて生成される。一実施形態において、ブロック620で送信される複数の通信フレームは、同じMCSを用いて送信される。
【0083】
ブロック624において、それぞれがリンク品質情報を含む複数の通信フレームは、ブロック620で複数の通信フレームが送信されたことに応答して、第2通信デバイスから受信される。一実施形態において、ブロック620で受信される通信フレームのそれぞれは、図8を参照して説明した方法などを用いて、第2通信デバイスによって生成される。
【0084】
ブロック628において、他の通信デバイスへの後に続く送信に用いるキャリブレーション行列は、ブロック624で受信するリンク品質情報に基づいて決定される。例えば、一実施形態において、最も高いSNR値が得られるキャリブレーション行列が選択される。他の例として、一実施形態において、最も高いリンクマージンが得られるキャリブレーション行列が選択される。他の例として、一実施形態において、最も高いRSSIが得られるキャリブレーション行列が選択される。他の例として、一実施形態において、最も高いSNR値、リンクマージン、RSSIなどが得られるビーム形成ベクトルの組を用いてキャリブレーション行列を生成する。ブロック628で決定されるキャリブレーション行列を用いて、第2通信デバイスへ後に続く通信フレームを送信する。
【0085】
図7および8を再び参照すると、一実施形態において、リンク品質情報の要求を含む通信フレームが、マルチユーザ通信フレームに含まれる。例えば、マルチユーザダウンリンク送信において、リンク品質情報の要求を含む、対応する制御フィールドが、複数のクライアントデバイスに対応する各サブフレームに含まれる。クライアントデバイスのそれぞれは、対応するアップリンク送信においてリンク品質情報を用いて応答する。例えば、一実施形態において、複数のクライアントデバイスからのリンク品質情報が、各確認通知フレームに含まれる。他の例として、マルチユーザダウンリンク送信において、リンク品質情報の要求を含む制御フィールドが、複数のクライアントデバイスへ送信されるNDPアナウンスフレームに含まれる。クライアントデバイスのそれぞれは、対応するアップリンク送信においてリンク品質情報を用いて応答する。例えば、一実施形態において、複数のクライアントデバイスからのリンク品質情報が各確認通知フレームに含まれる。
【0086】
図12は、ダウンリンクのマルチユーザMIMOにおける例示的な送信シーケンスを示すタイミングチャート700である。マルチユーザーサウンディング/フィードバックプロセスの後、APは、少なくとも第1クライアント(クライアント1)および第2クライアント(クライアント2)を含む複数のクライアント局に向けた独立したデータを含むマルチユーザパケット704を送信する。複数のクライアント局に向けた独立したデータは、異なる空間ストリームで、チャネルの異なる周波数部分で、など適した方法で同時に送信される。一実施形態において、パケット704は、MCSおよび/またはリンク適合フィードバックの要求の指標を含む。パケット704は、どのクライアント局がフィードバックを提供すべきかの指標も含む。図12に図示する実施形態において、パケット704は、クライアント1がMCSおよび/またはリンク適合フィードバック(例えばSNR)を提供すべきであることを示す指標を含む。クライアント1は、パケット708でMFB/リンク適合フィードバック(例えばSNR)を送信する。一実施形態において、MFB/リンク適合フィードバック(例えばSNR)は、パケット708の制御フィールドに含まれる。一実施形態において、MFB/リンク適合フィードバック(例えばSNR)は、パケット708のMAC部分(例えば高スループット制御(HTC)フィールド)に含まれる。他の実施形態において、MFBは、パケット708のPHYヘッダ部分の制御フィールドに含まれる。
【0087】
一実施形態において、パケット708は確認通知パケットである。他の実施形態において、パケット708は、MFB/リンク適合フィードバック(例えばSNR)をAPへ送信するのに適した他のパケットである。例えば、一実施形態において、パケット708は制御ラッパーフレームである。他の実施形態において、パケット708は、管理フレームである。
【0088】
図13は、ダウンリンクのマルチユーザMIMOにおける、他の例示的な送信シーケンスを示すタイミングチャート750である。マルチユーザーサウンディング/フィードバックプロセスの間、APは、ヌルデータパケットアナウンス(NDPA)パケット754を送信する。一実施形態において、NDPAパケット754は、MCSおよび/またはリンク適合フィードバック(例えばSNR)の要求の指標を含む。
【0089】
一実施形態において、NDPAパケット754は、ベーシックサービスセット(BSS)内の全ての局がフィードバックを提供すべきであることを示す。他の実施形態において、パケット754は、どのクライアント局がフィードバックを提供すべきかを示す指標も含む。図13に図示する実施形態において、パケット754は、クライアント1およびクライアント2がMFBを提供すべきであること示す指標を含む。例えば、クライアント1およびクライアント2がMFBを提供すべきであることを示す指標は、クライアント1およびクライアント2がメンバーとして属するグループのグループIDである。
【0090】
パケット754は、サウンディング/フィードバック処理の後、後に続くマルチユーザのダウンリンクパケット758が送信されたことに応答してクライアント局がフィードバックを提供すべきであることを示す。パケット758は、少なくとも第1クライアント(クライアント1)および第2クライアント(クライアント2)を含む複数のクライアント局に向けた独立したデータを含む。複数のクライアント局に向けた独立したデータは、異なる空間ストリームで、チャネルの異なる周波数部分で、など適した方法で同時に送信される。
【0091】
クライアント1は、パケット762でMFB/リンク適合フィードバック(例えばSNR)を送信する。一実施形態において、MFB/リンク適合フィードバック(例えばSNR)は、パケット762の制御フィールドに含まれる。一実施形態において、MFB/リンク適合フィードバック(例えばSNR)は、パケット762のMAC部分(例えば高スループット制御(HTC)フィールド)に含まれる。他の実施形態において、MFBは、パケット762のPHYヘッダ部分の制御フィールドに含まれる。
【0092】
クライアント2は、パケット766でMFB/リンク適合フィードバック(例えばSNR)を送信する。一実施形態において、MFB/リンク適合フィードバック(例えばSNR)は、パケット766の制御フィールドに含まれる。一実施形態において、MFB/リンク適合フィードバック(例えばSNR)は、パケット766のMAC部分(例えば高スループット制御(HTC)フィールド)に含まれる。他の実施形態において、MFBは、パケット766のPHYヘッダ部分の制御フィールドに含まれる。
【0093】
一実施形態において、パケット762、766は確認通知パケットである。他の実施形態において、パケット762、766は、MFB/リンク適合フィードバック(例えばSNR)をAPへ送信するのに適した他のパケットである。例えば、一実施形態において、パケット762、766は制御ラッパーフレームである。他の実施形態において、パケット762、766は、管理フレームである。
【0094】
上述した様々なブロック、処理および技術の少なくともいくつかは、ハードウェア、ファームウェア命令を実行するプロセッサ、ソフトウェア命令を実行するプロセッサ、またはこれらの任意の組み合わせを用いて実装することが出来る。ソフトウェア命令またはファームウェア命令を実行するプロセッサを用いて実装する場合、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、任意のコンピュータ可読メモリに格納される。そのようなコンピュータ可読メモリには、磁気ディスク、光学ディスク、他の記憶媒体、RAM、ROM、フラッシュメモリ、プロセッサ、ハードディスクドライブ、光学ディスクドライブ、テープドライブなどが含まれる。同様にソフトウェア命令またはファームウェア命令は、例えば、コンピュータ可読ディスクまたは他の可搬型のコンピュータ記憶機構上にて、または通信媒体を介して、などを含む公知のまたは所望される配信方法を介し、ユーザまたはシステムへと配信されてよい。典型的には、通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ命令、プログラムモジュール、または搬送波または他の搬送機構など他の変調されたデータ信号で表されるデータを具現化する。「変調されたデータ信号」という用語は、情報を信号内で符号化するよう設定または変更された1以上の特徴を有する信号を意味する。あくまで例として示すのであり限定するわけではないが、通信媒体には、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、並びに、音響、無線周波数、赤外線および他の無線媒体を含む無線媒体が含まれる。よって、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、(可搬型の記憶媒体を介してソフトウェアを提供することと同じか同等であるものと見なされるように)電話線、DSLライン、ケーブルテレビライン、光学繊維ケーブル、無線通信チャネル、インターネットなどの通信チャネルを介し、ユーザまたはシステムへ配信されてよい。ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに様々な動作を行わせる機械可読命令を含んでよい。
【0095】
ハードウェアで実装される場合、当該ハードウェアは、独立したコンポーネント、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理デバイス(PLD)などのうち1以上を含んでよい。
【0096】
本願発明について特定的な例を用いて説明してきたが、それら特定的な例は、例示のみを目的としており、本願発明を限定することを意図されてはいない。開示された実施形態に対する変更、追加および/または削除が本願発明の態様から逸脱することなく可能である。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13