(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通信に利用可能な周波数帯域を決定する段階は、テレビ(TV)信号送信に割り当てられたスペクトルにおいて、テレビ信号が送信されていない1以上のTVチャネルスロットを決定する段階を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
前記ネットワークインターフェースは、テレビ(TV)信号送信に割り当てられたスペクトルにおいて、テレビ信号が送信されていない1以上のTVチャネルスロットを決定することによって、前記通信に利用可能な周波数帯域を決定する請求項9から14のいずれか一項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下で説明する実施形態では、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)のアクセスポイント(AP)等のワイヤレスネットワークデバイスがデータストリームを1以上のクライアントステーションに送信する。APは、少なくとも第1の通信プロトコルにしたがって、クライアントステーションと共に動作する。第1の通信プロトコルは、1GHz未満の周波数帯域での動作を定めており、比較的低いデータレートでの長距離無線通信を必要とする場合に通常用いられる。第1の通信プロトコル(例えば、IEEE802.11afまたはIEEE802.11ah)は、本明細書において「長距離」通信プロトコルと呼ぶ。一部の実施形態では、APはさらに、概してこれより高い周波数範囲での動作を定義していると共に、より近距離での概してより高いデータレートでの通信に通常利用される1以上の他の通信プロトコルにしたがってクライアントステーションと共に動作する。より近距離での通信プロトコルは、本明細書において「短距離」通信プロトコルとまとめて呼ぶ。
【0032】
一部の実施形態において、長距離通信プロトコルは、短距離通信プロトコルのうち1以上が定義している物理層データユニット形式と同一または同様の1以上の物理層データユニット形式を定義している。一実施形態によると、長距離通信プロトコルは、長距離の通信をサポートすると共に、周波数が低くなれば(1GHz未満)利用可能な帯域幅チャネルは小さくなるのが普通であるが、このような小さい帯域幅チャネルを含めるべく、長距離通信プロトコルが定義している物理層データユニット形式と略同一であるがより低いクロックレートを利用して生成している形式のデータユニットを定義する。ある実施形態によると、APは、短距離(および高スループット)動作に適切なクロックレートで動作し、1GHz未満の動作で利用される新しいクロック信号を生成するためには、ダウンクロック処理を利用する。この結果、本実施形態では、長距離通信プロトコルに準拠しているデータユニット(「長距離データユニット」)は、短距離通信プロトコルに通常準拠しているデータユニット(「短距離データユニット」)の物理層形式を維持しているが、より長時間にわたって送信される。一方、一部の実施形態では、長距離通信プロトコルは、長距離通信プロトコルでもサポートしている少なくとも1つのチャネル帯域幅をサポートしている。この場合、このようなチャネルの短距離データユニットは、長距離データユニットを生成するために用いられるクロックレートと同じクロックレートを用いて生成される。したがって、一部の実施形態によると、長距離通信プロトコルは、さまざまなチャネル帯域幅で送信されるデータユニットを生成するために利用されるべく複数の異なるクロックレートを定義している(例えば、サポートされている1以上のチャネル帯域幅についての短距離通信プロトコルに対応するクロックレート、および、サポートされている他の1以上のチャネル帯域幅についてのダウンクロックされたクロックレート)。
【0033】
さまざまな実施形態によると、APは、長距離データユニットを、テレビ(TV)送信用に割り当てられている周波数スペクトル内の未使用の周波数帯域で送信する。したがって、長距離通信プロトコルは、サポートされているさまざまなWLANチャネル帯域幅を含めるべく、未使用のTVスペースについてチャネル形成を行う必要がある。しかし、ある実施形態によると、WLAN送信に利用可能な特定のTVチャネル(「TVチャネルスロット」)は、時間毎および地理上の場所毎に異なる。一部の実施形態によると、チャネル形成は、例えば、WLAN通信に利用可能な特定の周波数帯域に基づいて動的に定義される。
図1は、ある実施形態に係る、AP14を備えるワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)10の一例を示すブロック図である。AP14は、ネットワークインターフェース16に結合されているホストプロセッサ15を有する。ネットワークインターフェース16は、媒体アクセス制御(MAC)ユニット18および物理層(PHY)ユニット20を有する。PHYユニット20は、複数の送受信機21を有しており、送受信機21は複数のアンテナ24に結合されている。
図1に図示されている送受信機21およびアンテナ24は3つであるが、他の実施形態ではAP14が備える送受信機21およびアンテナ24の数を変更するとしてよい(例えば、1つ、2つ、4つ、5つ等)。
【0034】
WLAN10はさらに、複数のクライアントステーション25を備える。
図1には4つのクライアントステーション25が図示されているが、WLAN10が備えるクライアントステーション25の数は、さまざまなシナリオおよび実施形態において、変更するとしてよい(例えば、1つ、2つ、3つ、5つ、6つ等)。クライアントステーション25のうち少なくとも1つ(例えば、クライアントステーション25−1)は、少なくとも長距離通信プロトコルにしたがって動作する。一部の実施形態によると、クライアントステーション25(例えば、クライアントステーション25−4)のうち少なくとも1つは、短距離通信プロトコルのうち1以上にしたがって動作する短距離クライアントステーションである。
【0035】
クライアントステーション25−1は、ネットワークインターフェース27に結合されているホストプロセッサ26を含む。ネットワークインターフェース27は、MACユニット28およびPHYユニット29を含む。PHYユニット29は複数の送受信機30を含み、送受信機30は複数のアンテナ34に結合されている。
図1に図示されている送受信機30およびアンテナ34は3つであるが、クライアントステーション25−1が含む送受信機30およびアンテナ34の数は、他の実施形態では、変更することができる(例えば、1つ、2つ、4つ、5つ等)。
【0036】
ある実施形態によると、クライアントステーション25−2および25−3のうち一方または両方は、クライアントステーション25−1と同一または同様の構造を持つ。ある実施形態によると、クライアントステーション25−4は、クライアントステーション25−1と同様の構造を持つ。これらの実施形態では、クライアントステーション25−1と同一または同様の構造を持つクライアントステーション25は、送受信機およびアンテナの数も同一であるか、または異なる数である。例えば、クライアントステーション25−2は、ある実施形態によると、送受信機およびアンテナの数がそれぞれ2つのみである。
【0037】
さまざまな実施形態によると、AP14のPHYユニット20は、長距離通信プロトコルに準拠していると共に以下で説明する形式を持つデータユニットを生成する。送受信機21は、アンテナ24を介して、生成したデータユニットを送信する。同様に、送受信機24は、アンテナ24を介してデータユニットを受信する。AP14のPHYユニット20は、さまざまな実施形態によると、長距離通信プロトコルに準拠していると共に以下で説明する形式を持つ受信データユニットを処理する。
【0038】
さまざまな実施形態によると、クライアントデバイス25−1のPHYユニット29は、長距離通信プロトコルに準拠すると共に以下で説明する形式を持つデータユニットを生成する。送受信機30は、アンテナ34を介して、生成したデータユニットを送信する。同様に、送受信機30は、アンテナ34を介してデータユニットを受信する。クライアントデバイス25−1のPHYユニット29は、さまざまな実施形態によると、長距離通信プロトコルに準拠していると共に以下で説明する形式を持つ受信データユニットを処理する。
【0039】
ある実施形態によると、AP14は、ライセンスが取得されているTV周波数帯域の利用可能部分において、長距離データユニットを送信する。
【0040】
さまざまな実施形態において、AP(例えば、AP14)は、TV放送スペクトルの未使用部分、「TVホワイトスペース」または「TVWS」と本明細書で呼ぶ部分で動作する。上述したように、WLAN通信に利用可能なTVWSの特定の帯域幅および周波数位置は通常、APが動作しているのが何時か、および/または、地理上のどの位置かに応じて決まる。このように、例えば、APの地理上の位置が変化すると(例えば、APが場所を移動することによって)、および/または、時間が変わると、APを動作させるために利用可能なGHz未満の帯域は、一部の場合において、同様に変化する。通常、TVチャネルは所定の帯域幅(例えば、米国では6MHz、欧州では8MHz等)を占有しているので、TV放送帯域内におけるライセンスが取得されていないWLAN通信デバイス用に利用可能な連続した周波数帯域は、所定の帯域幅の倍数である(例えば、6MHz、12MHz、18MHz等)。一方、さまざまな実施形態および/またはシナリオにおいて、長距離通信プロトコルが仕様を定めている長距離データユニットは、5MHz、10MHz、20MHzまたは40MHzの帯域幅チャネルを占有する。このため、TVWS周波数帯域内のWLAN通信用に定義されているチャネル形成方式は概して、大きいTVWS周波数帯域に小さい通信チャネルを配置させることを定義している必要がある。ある実施形態によると、チャネル形成は、小さいWLANチャネルを大きいTVホワイトスペースで複数の重複しないチャネル群を利用して送信するように定義されている。各チャネル群は、1以上の大きいチャネルおよび1以上の小さいチャネルを含み、大きいチャネルはそれぞれ、小さい帯域幅に対応する2つ以上の連続したチャネルから構成されている。ある実施形態によると、特定のWLANチャネルの中央周波数は、WLAN送信に利用可能なTVWSの量に応じて決まる。一例を挙げると、ある実施形態において、5MHzの通信チャネルの中央周波数は、利用可能な帯域の帯域幅に基づいて、利用可能な周波数帯域に対して異なるように定義される。別の実施形態によると、チャネル形成方式は、さまざまな利用可能なTVチャネル範囲におけるさまざまなWLANチャネルのさまざまな適切な配置に対応する複数の適切なチャネルマップを定義しており、一のチャネルマップが、WLAN送信に利用可能なTVスペクトルの量に基づいて選択される。
【0041】
ある実施形態によると、長距離通信プロトコルは、複数の「動作クラス」によってTVスペクトル内に5MHz、10MHz、20MHz、40MHzのWLANチャネルを定義している。ある実施形態によると、動作クラスは、開始周波数によって定義される複数の通信チャネル(例えば、156MHz、450MHz、455MHz、650MHzまたはGHz未満の周波数範囲内の他の適切な開始周波数)、チャネル乗算数、チャネル間隔、および、動作クラス内のチャネル番号を含む。便宜上、開始周波数が156MHzの動作クラスに対応するTVスペクトルは、「156MHzTVチャネルスペクトル」と本明細書で呼ぶこともある。同様に、開始周波数が450MHzまたは455MHzの動作クラスに対応するTVスペクトルは、本明細書において「450MHzTVチャネルスペクトル」と呼ばれることもある。
【0042】
このため、ある実施形態によると、APは、WLAN送信に利用可能な特定のTVチャネルに関する情報を(例えば、キャリアセンシングを利用して、中央データベースとの通信によって等)取得して、利用可能なTV帯域の1以上の通信チャネルがWLAN送信に利用されることを定義している特定のチャネル形成方式を決定または選択する。一部の実施形態によると、長距離通信プロトコルは、利用可能な帯域幅に基づいて複数の異なるチャネル中央周波数を定義する(例えば、連続した未使用のTVチャネルの数によって決まる)。したがって、このような一実施形態によると、APは、利用可能なTVチャネルの数を決定すると、チャネル中央周波数を決定する。
【0043】
ライセンスを取得したTVスペクトル内の利用可能な周波数帯域を決定するべく、一実施形態によると、AP14は、キャリアセンシング技術を利用して、WLAN送信に利用可能でアイドル状態にあるTVチャネルを決定する。言い換えると、本実施形態において、AP14は、TV周波数スペクトルまたはその一部を走査して、走査結果に基づいてクライアントステーション25のうち1以上と通信するためにAP14が利用可能な周波数帯域を決定する。
【0044】
他の実施形態によると、AP14は、中央データベース、中央サーバ、または、TV周波数スペクトルに関する情報を提供可能な別の通信デバイスとの間で通信を行って、スペクトルに関する情報を取得し、受信した情報に基づいて、1以上のクライアントステーション25と通信するためにAP14が利用可能な周波数帯域を決定する。
図2は、ある実施形態に係る、TVホワイトスペースに関する情報を提供可能な通信デバイス202(例えば、中央サーバ)を含むワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)200の一例を示すブロック図である。ある実施形態によると、通信デバイス202は、中央データベース、または、TVスペクトルに関する情報を維持する別の通信デバイスである。
図2の実施形態では、AP14は、無線リンク208を介して、通信デバイス202との間で通信を行う。別の実施形態によると、AP14は、有線接続によって、通信デバイス202との間で通信を行う。ある実施形態によると、AP14は、例えば、インターネットを介して通信デバイス202との間で通信を行う。
【0045】
ある実施形態によると、通信デバイス202は、AP14から地理上の位置を受信して、クライアントステーション25との間で通信を行うためにAP14が利用可能なTVチャネルのリストをAP14に供給する。このため、ある実施形態によると、通信デバイス202は、地理上のさまざまな位置における未使用TVチャネルのリストを維持し、APから位置情報を受信すると、その位置で利用可能なチャネルのリストをAPに供給する。より詳細に以下で説明するが、一部の実施形態によると、利用可能なチャネルのリストに加えて、通信デバイス202は、AP14がクライアントステーション25との通信に利用すべきチャネル形成方式を選択し易くなるようなさまざまな追加情報を供給する。一部の実施形態によると、通信デバイス202は、ライセンスを取得したデバイス(例えば、TV放送用)が利用していないTVチャネルに関する情報を維持することに加えて、TVWSにおいて動作するWLANデバイスに関する情報を維持して、このような情報を利用してさまざまなWLANデバイスを調整する。例えば、ある実施形態によると、通信デバイス202は、TVWS内の整列した、および/または、重複していない(または少なくとも一部が重複していない)WLANチャネルを複数の隣接するベーシックサービスセット(BSS)に割り当てる。ある実施形態によると、AP14は、受信した情報に基づいて、適切なチャネル形成方式(例えば、利用可能なTVホワイトスペース帯域内のWLAN送信に利用可能な通信チャネルのチャネルマップ)を決定または選択し、選択された通信方式で定義されている通信チャネルを利用してクライアントステーション25と通信を行う。
図3は、ある実施形態に係る、利用可能な2つの連続したTVチャネルスロットにおける5MHzおよび10MHzのWLANチャネルの送信について長距離通信プロトコルが定義しているチャネル形成方式300の一例を示す図である。ある実施形態によると、APは、WLAN通信に利用可能な2つの連続したTVチャネルがあると判断すると、チャネル形成方式300を利用する。一部の実施形態では、APは、4つ以上の連続したTVチャネルが利用可能な場合であっても、156MHzのTVホワイトスペースで動作するためのチャネル形成方式300を利用する。言い換えると、このような実施形態では、APは、利用可能なTVWS帯域幅によるとAPはより大きいチャネルを利用することが可能な場合であっても、156MHzのTVホワイトスペースにおける20MHzまたは40MHzチャネルを利用しない。
【0046】
チャネル形成方式300は、複数の重複しないチャネル群301を含み、それぞれのチャネル群301は、2つの5MHzのチャネルおよび1つの10MHzのチャネルを含む。図示されているように、チャネル群301−1は、2つの5MHzチャネル302および1つの10MHzチャネル304を含む。ある実施形態によると、10MHzチャネル404は、キャリア周波数f
cを用いて送信される。ある実施形態によると、キャリア周波数f
cは、利用可能な2つのTVチャネル周波数帯域の中央周波数、または、利用可能帯域内の別の周波数に設定される。チャネル形成方式30によると、2つの5MHzチャネル302は、10MHzチャネル304内の複数の連続した5MHz帯域で送信される。したがって、ある実施形態によると、10MHzチャネル304の中央周波数がf
c_10である場合には、5MHzチャネル302−1は中央周波数がf
c_10−2.5MHzであり、5MHzチャネル302−2の中央周波数は、f
c_10+2.5MHzである。
【0047】
ある実施形態によると、チャネル形成方式300は、2つの連続した10MHzチャネルが2つのTVチャネル帯域(例えば、図示した実施形態では12MHz)を挟んで並ぶように構成されている。チャネル形成方式300が定義した通信チャネルのいずれの間においても部分的に重複していないので、チャネル形成方式300に応じて動作するWLANデバイスは、送信前に通信チャネルについて正確なキャリアセンシングを行うことができ、例えば、2つの隣接するBSSが部分的に重複するチャネルで動作する場合に発生することがあるパケット衝突を最小限に抑えるか、または、無くすことができる。さらに、各チャネル群は中央が利用可能な周波数帯域内にあるので、ある実施形態によると、チャネル形成方式300は、隣接するチャネル群同士の間に適切な大きさのガードインターバルを設けるようにしてTVスペクトルを利用する。
【0048】
さらに、チャネル形成方式300は、定義されている10MHzの通信チャネル内に5MHz通信チャネルの送信を定義しているので、チャネル形成方式300に応じて動作するAPは、キャリア周波数f
cを切り替えることなく、したがって、ベースバンド信号をキャリア周波数f
cにアップコンバートするために、および/または、キャリア周波数f
cの無線周波数(RF)信号をベースバンドにダウンコンバートするために用いられるローカルオシレータの周波数(f
LO)を切り替えることなく、10MHzチャネルまたは5MHzチャネルを送信することが可能である。このように、さまざまな実施形態および/またはシナリオによると、チャネル形成方式300によると、APは、APが動作する周波数帯域内のさまざまな通信チャネルを迅速かつ簡潔に切り替えることができる。例えば、APは、第1のクライアントステーションと5MHzチャネル302−1を利用して通信し、第2のクライアントステーションと5MHzチャネル302−2を用いて(または、10MHzチャネル304全体を利用して)通信すると、キャリア周波数を切り替えることなく両方のクライアントステーションと通信することが可能となるので、所望のキャリア周波数f
cでの送信について信号をアップコンバートするために、および/または、キャリア周波数f
cのRF信号をベースバンドまでダウンコンバートするために用いられるローカルオシレータの周波数を変更する必要がなくなる。別の実施形態または状況下では、APは、単一のクライアントステーションと通信を行う場合には、キャリア周波数およびローカルオシレータ周波数を切り替えることなく、10MHzチャネル304から5MHzチャネル302のうち一方に切り替える。
【0049】
さまざまな実施形態および/またはシナリオでは、APは、チャネルのうち半分の所望の5MHzのみを送信することによって、10MHzチャネルに対応するキャリア周波数を用いて5MHzチャネルを送信する。このため、ある実施形態によると、APは、10MHzチャネルに対応する高速フーリエ変換(FFT)のサイズを利用するが、FFTのうち所望の5MHz部分に対応する部分のみを変調または「エネルギー化」することによって、5MHz通信チャネルにおける送信用のデータユニットを生成する。10MHzチャネルはこの後、10MHzチャネルに対応するキャリア周波数f
cにアップコンバートされる。この結果、所望の5MHz帯域は、10MHzチャネルに対応するキャリア周波数を利用して、10MHzチャネルで送信される。
【0050】
図4は、ある実施形態によると、4つの連続した利用可能なTVチャネルにおいて5MHz、10MHzおよび20MHzのWLANチャネルの送信用に長距離通信プロトコルが定めているチャネル形成方式400の一例を示す図である。ある実施形態によると、APは、4つの連続したTVチャネルがWLAN通信に利用可能であると判断した場合に、チャネル形成方式400を利用する。ある実施形態によると、APは、450MHzのTVホワイトスペースにおいて、または、TVスペクトルの別の適切な部分において動作するためにチャネル形成方式400を利用する。
【0051】
チャネル形成方式400は、4つの5MHzチャネル402、2つの10MHzチャネル404および1つの20MHzチャネル406を含むチャネル群401を持つ。ある実施形態によると、20MHzチャネル406は、キャリア周波数f
cを用いて送信される。ある実施形態によると、キャリア周波数f
cは、利用可能な4つのTVチャネル周波数帯域の中央に、または、利用可能な帯域内の別の周波数に設定されている。チャネル形成方式400によると、2つの10MHzチャネル404は、20MHzチャネル404内の複数の連続した10MHz帯域で送信される。同様に、4つの5MHzチャネル402は、20MHzチャネル406内の4つの連続した周波数帯域で送信される。したがって、ある実施形態によると、20MHzチャネル406の中央周波数がf
c_20の場合、10MHzチャネル404−1は中央周波数がf
c_20−5MHzであり、10MHzチャネル404−2は中央周波数がf
c_20+5MHzである。さらに、5MHzチャネル402−1は中央周波数がf
c_20−7.5MHzであり、5MHzチャネル402−2は中央周波数がf
c_20−2.5MHzであり、5MHzチャネル402−3は中央周波数がf
c_20+2.5MHzであり、5MHzチャネル402−4は中央周波数がf
c_20+7.5MHzである。
図3に示したチャネル形成方式300と同様に、ある実施形態によると、APは、信号をキャリア周波数にアップコンバートするために(および/または、キャリア周波数のRF信号をベースバンドにダウンコンバートするために)用いるローカルオシレータ周波数f
LOを、20MHz通信チャネル406に対応する中央周波数に基づいて、設定する。APはこの後、同じキャリア周波数で、ローカルオシレータ周波数f
LOを変更することなく、10MHzチャネル404または5MHzチャネル402を送信することが可能である。例えば、ある実施形態によると、APは、20MHzチャネルを生成するために用いられる20MHzFFTのうち対応する5MHzの部分のみをエネルギー化することによって、チャネル形成方式400に応じて5MHzチャネルを生成する。同様に、APは、20MHzチャネル406を生成するために用いられる20MHzFFTのうち対応する10MHzの部分のみをエネルギー化することによって、チャネル形成方式400に応じて10MHzチャネルを生成する。
【0052】
また、チャネル形成方式300と同様に、チャネル形成方式400は、2つの連続した20MHzチャネルの間に、4つのTVチャネルスロット(例えば、24MHz)を挟んで並べられており、重複することなくBSS動作を可能とし、例えば、さまざまな実施形態および/またはシナリオにおいて、適切なガードインターバルを、さまざまなキャリア周波数に対応するチャネル群同士の間に設けている。
【0053】
ある実施形態によると、上述したように、APは、WLAN送信に利用可能なTVホワイトスペースの量に基づいて、1以上のクライアントステーションとの通信に利用するチャネル形成方式を選択する。一例を挙げると、このような一実施形態では、AP14は、2つの連続したTVチャネルスロットに対応する周波数帯域がWLAN通信に利用可能であると判断する場合に、
図3のチャネル形成方式300を選択し、4つの連続したTVチャネルスロットに対応する周波数帯域がWLAN通信に利用可能であると判断する場合に、
図4のチャネル形成方式400を選択する。したがって、本実施形態では、AP14は、WLAN送信に利用可能なTVチャネルに応じて、動作時のキャリア周波数およびLOが異なる。
【0054】
図5は、ある実施形態に係る、2つの連続したTVチャネルで5MHzおよび10MHzの帯域幅チャネルの送信を行うべく長距離通信プロトコルで定められているチャネル形成方式500を示す図である。チャネル形成方式500は、定められているチャネル群の間に設定されているのは1つのTVチャネルの幅(例えば、6MHz)のみである点を除き、
図3のチャネル形成方式300と同様である。したがって、図示されているように、チャネル形成方式500は、重複する10MHzチャネルを含む。この結果、ある実施形態では、チャネル形成方式500にしたがって隣接するチャネルで動作している2つのBSSが部分的に重複することになる。このため、このような実施形態では、場合によっては、APおよび/またはクライアントステーションは、10MHz通信チャネルの重複部分においてWLAN送信が存在することを検知して、重複していない5MHzチャネルでの送信に切り替える。ある実施形態によると、チャネル形成方式500に応じて動作するAPは、キャリア周波数f
cを変更することなく(そして、このため、ローカルオシレータ周波数f
LOを変更することなく)、重複していない5MHzチャネルに切り替えることが可能である。
【0055】
図6は、AP14がさまざまな実施形態および/またはシナリオでクライアントステーション25と通信するために用いるさまざまな動作クラスに対応するさまざまなチャネル形成方式を示す表600である。具体的には、表600は、450MHz−650MHzの周波数範囲において複数の長距離WLANチャネルを定義している。表600の各行は、特定の動作クラスに対応する。さまざまな実施形態および/またはシナリオでは、WLAN通信チャネルのチャネル中央周波数F
cは、F
startが動作クラス開始周波数を表す場合に、F
c=F
start+チャネル番号乗数×チャネル番号という式に基づき、表600にしたがって決まる。
【0056】
一部の実施形態によると、長距離通信プロトコルは、TV送信に割り当てられている周波数スペクトル内の利用可能な周波数帯域においてさまざまなWLANチャネルを定義している複数のチャネルマップを特定しており、周波数帯域毎に一の一意的なチャネルマップが定められている。上述したように、TVチャネルスロットは通常、さまざまな実施形態および/またはシナリオにおいて、長距離通信プロトコルで定められている最も小さい帯域幅のWLANチャネルよりも大きい。例えば、ある実施形態によると、各TVチャネルは幅が6MHzである。したがって、この実施形態によると、WLAN送信に利用可能な周波数範囲は通常、6MHzの倍数であり、利用可能な帯域幅は、連続した利用可能なTVチャネルの数に応じて決まる。一方、長距離通信プロトコルに応じたデータユニットは、ある実施形態によると、異なるチャネル幅(例えば、2MHz、3MHz、4MHz、5MHz)の倍数である帯域幅を持つチャネルで送信される。したがって、このような実施形態では、長距離通信プロトコルで定めているWLAN通信チャネルを、より大きい利用可能なTV周波数帯域内に配置する方法は複数ある。例えば、5MHzのWLANチャネルを1つの利用可能な6MHzのTVチャネルスロットに対応する周波数帯域に配置するチャネルマップは、ある実施形態によると、例えば、5MHzのチャネルを6MHzの周波数帯域の中央にセンタリングすることや、または、5MHzチャネルのエッジを6MHzの周波数帯域のエッジにそろえて配置することを含む。
【0057】
したがって、さまざまな実施形態によると、長距離通信プロトコルでは、WLAN通信チャネルを利用可能なTV周波数帯域に効率的に「詰めている」複数のチャネルマップが定義されている。例えば、ある実施形態によると、長距離通信プロトコルは、各チャネルマップでは、対応する周波数帯域の中央に来るチャネルパターン(例えば、1つの利用可能なTVチャネルスロットについては6MHzの周波数帯域、2つの利用可能な連続したTVチャネルスロットについては12MHz周波数帯域等)を特定しているチャネルマップ群を定めている。同様に、ある実施形態によると、長距離通信プロトコルは、各チャネルマップが対応する周波数帯域のエッジとそろっているチャネルパターンを特定しているチャネルマップ群を定めている。別の例を挙げると、別の実施形態では、長距離通信プロトコルでは、奇数の利用可能な連続したTVチャネルスロットに対応するチャネルマップが対応する周波数帯域で中央に位置するチャネルパターンを特定しており、偶数の利用可能な連続したTVチャネルスロットに対応するチャネルマップが、対応する周波数帯域のエッジに位置合わせされているチャネルパターンを特定しているチャネルマップ群を定めている。概して、長距離通信プロトコルが定めているチャネルマップは、さまざまな実施形態および/またはシナリオにおいて、対応する周波数帯域について任意の適切なチャネルパターンを特定している。
【0058】
ある実施形態によると、通信デバイス(例えば、AP14)は、WLAN通信用の利用可能な周波数帯域を決定し(例えば、連続した未使用のTVチャネルスロットの数)、利用可能な周波数帯域について予め定められているチャネルマップを選択する。ある実施形態によると、通信デバイスは、選択されたチャネルマップから通信チャネルを選択して、ネットワーク内の他のデバイス(例えば、クライアントステーション25)との通信について選択された通信チャネルを利用する。
【0059】
図7は、ある実施形態に係る、1−9の複数の連続した利用可能なTV帯域についての所定のチャネルマップ702−aから702−iを示す図である。図示されているように、本実施形態では、さまざまなチャネルマップが、定義されているWLAN通信チャネルの中央周波数に対して並べられている。このような実施形態では、例えば、
図7に図示したチャネルマップ群、
図7に図示したチャネルマップからチャネルマップを選択するWLANデバイスは、送信前に通信チャネルについて正確にキャリアセンシングを行うことが出来るので、2つの重複するBSSが部分的に重複する通信チャネルを利用して動作する場合に発生することもあるパケット衝突を最小限に抑えることができるか、または、無くすことができる。
【0060】
図8は、ある実施形態に係る、定義されているチャネルの周波数がそろっているチャネルマップ群800を示す図である。ある実施形態によると、第1の通信デバイスは、チャネルマップ802を利用し、第2の通信デバイスはチャネルマップ804を利用し、第3の通信デバイスはチャネルマップ806を利用する。
図8に図示されているように、本実施形態では、チャネルマップ800は、定義されている通信チャネルの周波数がそろうように(つまり、チャネルが部分的に重複することがないように)構成されている。この結果、本実施形態では、隣接する(または、重複する)BSSで動作する通信デバイスは、通信チャネルのキャリアセンシングを実行することが出来、チャネルが隣接するデバイスによって利用されているか否かを正確に検出することができる。したがって、一部の実施形態によると、このようなチャネルマップは、複数の通信デバイスのチャネル形成を調整するために用いられるので、例えば、2つの隣接する(または重複する)BSSが部分的に重複するチャネルで動作する場合に発生することがあるパケット衝突が最小限に抑えられるか、または、無くなる。
【0061】
ある実施形態によると、WLANデバイス(例えば、AP14、
図1)は、TV周波数帯域を走査することによって複数の連続した利用可能なTVチャネルを決定し、走査結果に基づいて(つまり、利用可能なスペクトルに基づいて)所定のチャネルマップ(例えば、
図7のチャネルマップ702のうち1つ)を選択する。別の実施形態によると、WLANデバイス(例えば、
図1のAP14)は、デバイスの地理上の位置を中央データベース(または、特定のTVチャネルスペクトル情報を維持している別の通信デバイス)に供給し、中央データベースから利用可能なチャネルの位置および数の情報を受信し、受信した情報に基づいて所定のチャネルマップを選択する。さらに別の実施形態によると、中央データベースは、WLANデバイスに追加情報を供給して、WLANデバイスは、この追加情報にも部分的に基づいてチャネルマップを決定する。例えば、ある実施形態によると、中央データベースは、利用可能な周波数範囲に加えてチャネル中央周波数を供給し、APは、受信した中央周波数に応じてWLANチャネルを構築する。他の実施形態および/またはシナリオによると、中央データベースは、利用可能な周波数範囲においてWLAN送信に利用されるさまざまなチャネルまたはチャネルマップについて他の情報を供給する。
【0062】
図9Aは、ある実施形態に係る、5MHz、10MHz、20MHzおよび40MHzの通信チャネルに対応するPHYパラメータの一例を説明するための表900である。本実施形態例では、長距離データユニットは、少なくとも実質的に、IEEE802.11n規格で仕様が定められているPHY形式(グリーンフィールド(Greenfield)モードまたはミックス(Mixed)モード)にしたがって生成される。他の実施形態によると、長距離データユニットは、少なくとも実質的に、短距離通信プロトコルで仕様が定められている異なるPHY形式(例えば、IEEE802.11a規格、IEEE802.11ac規格等)にしたがって生成される。いずれにしても、表900のシンボル期間の行に示すように、40MHzおよび20MHzの通信チャネルの長距離データユニットは、対応する短距離通信プロトコル(「通常短距離クロックレート」)で仕様が定められているクロックレートを利用して生成される。一方、10MHzおよび5MHzの通信チャネル用の長距離データユニットは、ダウンクロック係数4で通常短距離クロックレートからダウンクロックされたクロックレートを利用して生成される。この結果、本実施形態によると、5MHzまたは10MHzのデータユニットの各OFDMシンボルのシンボル期間(例えば、16μs)は、20MHzまたは40MHzのデータユニットの各OFDMシンボルのシンボル期間(例えば、4μs)に比べると、4倍長い。
【0063】
このような一実施形態によると、ダウンクロックされたクロックレートを用いて生成された5MHzおよび10MHzの長距離データユニットは、GHz未満の周波数スペクトルの一領域において利用される(例えば、156MHzのTVチャネルスペクトル)。一方、短距離通信プロトコルのクロックレートを用いて生成された20MHzおよび40MHzのデータユニットは異なる周波数領域で用いられる(例えば、450MHzのTVチャネルスペクトル)。他の実施形態によると、複数の異なるクロックレートを用いて生成された長距離データユニットが同じ周波数範囲で共存している。一部のこのような実施形態によると、一部について以下で説明しているが、さまざまな自動検出技術を受信側デバイスが用いて、データユニットを生成するために用いられたクロックレートを決定する。
【0064】
図9Bは、別の実施形態に係る、5MHz、10MHz、20MHzおよび40MHzの通信チャネルの長距離通信プロトコルによって定義されているPHYパラメータの例を説明するための表950である。本実施形態では、長距離データユニットは、通信チャネル帯域幅に関係なく、同じクロックレートを用いて生成される。本実施形態によると、5MHz/10MHzの長距離データユニットは、少なくとも実質的に、IEEE802.11n規格で仕様が定められているPHY形式(グリーンフィールド(Greenfield)モードまたはミックス(Mixed)モード)、および、IEEE802.11ac規格で仕様が定められているPHY形式と少なくとも実質的に同じである20MHzおよび40MHzの通信チャネルのPHY形式にしたがって生成される。より具体的に説明すると、図示した実施形態では、5MHzのPHY形式は、ダウンクロックされた20MHzのIEEE802.11n規格のPHY形式に対応し、10MHzのPHY形式は、40MHzのIEEE802.11n規格のPHY形式に対応し、20MHzの通信チャネルデータユニットは、80MHzのIEEE802.11ac規格のデータユニットをダウンクロックしたものに相当し、40MHzのデータユニットは、20MHzのIEEE802.11ac規格のデータユニットをダウンクロックしたものに相当する。
図9Aの表900に図示しているPHY形式とは対照的に、本実施形態では、長距離通信プロトコルは、4つのチャネル帯域幅での送信用の長距離データユニットを生成するために一のクロックレートを用いることを定めている。具体的には、表950に図示されている実施形態では、5MHz、10MHz、20MHzおよび40MHzの通信チャネルで送信する長距離データユニットは、対応する短距離データユニットを生成するために用いられるクロックレートから、ダウンクロック係数「4」でダウンクロックされたクロックレートを用いて生成される。この結果、この場合には、4つのチャネル帯域幅のそれぞれでの送信用の長距離データユニットは、シンボル期間が対応する短距離データユニットのシンボル期間よりも4倍長い。
【0065】
ダウンクロック処理によって生成する長距離データユニットのさまざまな例は、長距離データユニットのPHY形式の例と同様に、米国特許出願第13/359,336号(出願日:2012年1月26日)に記載されている。当該出願の内容は全て、参照により本願に組み込まれる。また、米国特許出願第13/359,336号に記載されているように、一部の実施形態によると、長距離通信プロトコルに準拠しているデータユニットは、短距離通信プロトコルで仕様を定めているプリアンブルとは異なるプリアンブルを含む(例えば、長距離データユニットに含まれているプリアンブルの方が長い、長距離データユニットのプリアンブルの特定のフィールドに挿入されているパイロットトーンの数がより多い、等)。この結果、長距離データユニットは、長距離送信により適したデータユニットとなっている。
【0066】
帯域幅チャネル毎に異なるクロックレートを利用する一部の実施形態(例えば、
図9Aに図示するように)によると、さまざまな媒体アクセスパラメータ(例えば、デバイスがチャネルでデータを送信可能な時間に対応するスロット期間、デバイスがチャネルへのアクセスを持っていない期間であるフレーム間スペース(IFS)間隔、クリアチャネルアセスメント期間(CCA期間)等)は、許可されたチャネルすべてについて同じであり、異なるクロックレートを用いての動作であっても、設定された(つまり、動的でない)媒体アクセスパラメータを利用することができる。例えば、このような一実施形態によると、長距離通信プロトコルで定義しているさまざまな媒体アクセスパラメータは、短距離通信プロトコルで定義している対応する媒体アクセスパラメータと同じである(例えば、IEEE802.11a規格、IEEE802.11n規格、IEEE802.11ac規格等で定義されているパラメータと同じ媒体アクセスパラメータ)。別の実施形態によると、長距離通信プロトコルは、ダウンクロックされたクロックレート、例えば、短距離通信プロトコルで定義されている期間および間隔に比べて期間および間隔が長い(例えば、ダウンクロック係数と同じ係数だけ、例えば、4倍)クロックレートに基づいて媒体アクセスパラメータを定義する。同様に、IEEE802.11acのPHY形式のダウンクロックされたものを利用する実施形態では、さまざまな媒体アクセスパラメータ(例えば、デバイスがチャネルでデータを送信可能な時間に対応するスロット期間、デバイスがチャネルへのアクセスを持っていない期間であるフレーム間スペース(IFS)間隔、クリアチャネルアセスメント期間(CCA期間)等)は、ダウンクロック係数(例えば、4)に応じて長くする。
【0067】
レガシーデバイスは通常GHz未満の周波数範囲で動作しないので、ある実施形態によると、長距離通信プロトコルは、IEEE802.11n規格のグリーンフィールド(Greenfield)モードおよび/またはIEEE802.11a規格のPHY形式に基づいてPHY形式の仕様を定めているが、IEEE802.11n規格のミックス(Mixed)モードのPHY形式に基づいたPHY形式は定めていない。さらに、一部の実施形態によると、長距離通信プロトコルは、IEEE802.11ac規格で定義されているPHY形式と同様のPHY形式の仕様を定めているが、ミックス(Mixed)モードのプリアンブルの仕様を定めている(例えば、IEEE802.11ac規格で仕様を定めているプリアンブルのレガシー部分を省略している)。
【0068】
ある実施形態によると、一部またはすべての帯域幅チャネルについてIEEE802.11ac規格のPHY形式をダウンクロックしたものを利用する長距離通信プロトコルは、IEEE802.11ac規格に含まれているさまざまなトーンマッピング、エンコーディング、インターリービング、変調符号化形式(MCS)等が除外されている場合がある。さらに、一部の実施形態によると、IEEE802.11n規格で最低データレートMCSとして定義されている、通信チャネルの下側部分および上側部分においてデータが繰り返されるMCS32は、長距離通信プロトコルのより大きい帯域幅モードにまで拡張されている。したがって、本実施形態では、長距離通信プロトコルは、IEEE802.11n規格で定めているMCS32と同様のMCSを定義している。MCS32によると、10MHzチャネルのために生成されるデータユニットは、送信されるデータが2回繰り返されていて、20MHzチャネルのために生成されるデータユニットは、送信されるデータが4回繰り返されており、40MHzチャネルのために生成されるデータユニットは、送信されるデータが8回繰り返されている。
【0069】
一部の実施形態によると、長距離通信プロトコルは、例えば、通信範囲の拡大または動作の高感度化を必要とする用途で用いられるべく、OFDMモードに加えて、シングルキャリア短距離通信プロトコルのPHY形式(例えば、IEEE802.11b規格)に基づいて、1以上のより高感度のシングルキャリア(SC)モードを定義している。このような一実施形態によると、シングルキャリアPHY形式に準拠する長距離データユニットは、(例えば、4というダウンクロック係数で)ダウンクロックされたものであり、5MHzの通信チャネルで送信され(長距離通信プロトコルで定められている最小帯域幅および最長通信範囲チャネル)、IEEE802.11b規格で定められているPHY形式(例えば、IEEE802.11bの直接シーケンススペクトラム拡散(DSSS)PHY形式)と少なくとも実質的に同一のSC PHY形式を持つ。一部の実施形態で用いられる長距離シングルキャリアモードの例は、米国特許出願第13/359,336号に記載されている。
【0070】
一部の実施形態によると、長距離データユニットの一部(例えば、プリアンブルまたはプリアンブルの一部)は、受信側デバイスが、データユニットを生成するために用いられた特定のクロックレートおよび/または特定の変調方式を自動検出または決定して、受信側デバイスが適切にデータを復号できるように、フォーマッティングされている。例えば、ある実施形態によると、受信側デバイスは、データユニットのプリアンブルに含まれている開始フレームデリミタ(SFD)シーケンスの値に基づき、クロックレート(例えば、5MHz/10MHzのクロックレートまたは20MHz/40MHzのクロックレート)および/または変調方式(例えば、SCまたはOFDM)を決定する。言い換えると、本実施形態では、データユニットのプリアンブルに含まれているSFD値は、受信側デバイスに対して、データユニットの後続フィールドが5MHz/10MHzチャネルクロックレートを用いてOFDMモードで生成されたか、20MHz/40MHzチャネルクロックレートを用いてOFDMモードで生成されたか、5MHzクロックレートでSCキャリアモードで生成されたかを伝達する。PHY形式自動検出に用いられるSFDフィールドを持つシングルキャリアプリアンブル部分を含む長距離データユニットの例は、同様に米国特許出願第13/359,336号に記載されている。
【0071】
長距離通信プロトコルで定められている帯域幅チャネル毎に異なるクロックレートが用いられる別の実施形態によると、受信側デバイスは、データユニットのプリアンブルに含まれているショートトレーニングフィールド(STF)に対して複数の自己相関処理を並列に実行して、データユニットを生成するために用いられたクロックレートを決定する。具体的には、2つのクロックレートが利用可能な実施形態例では、受信側デバイスは、2つの自己相関処理を実行する。各自己相関処理は、一のクロックレートに対応する。2つのクロックレートのうちどちらを用いて、データユニットを生成したか、どの自己相関処理で立ち上がりキャリア検知信号が生成されたかを判断する。ある実施形態によると、どちらの自己相関処理でも立ち上がりキャリア検知信号が生成されると、キャリア検知信号の立ち上がりと、キャリア検知信号の立ち下がりとの間の期間(例えば、ショートトレーニングフィールドと後続のロングトレーニングフィールドとの間の境界を伝達している)に基づいて自動検出処理が実行される。より具体的には、一例を挙げると、ある実施形態によると、4分の1にダウンクロックされた短距離クロックレートを用いて生成されたデータユニットは、通常短距離クロックレートを用いて生成されたデータユニットと同数のショートトレーニングシーケンスが繰り返し含まれている。したがって、この場合には、低いクロックレートで生成されたデータユニットのショートトレーニングフィールドは、高いクロックレートを用いて生成されるデータユニットのショートトレーニングフィールドに比べて4倍長い。一部の実施形態で用いられるクロックレート自動検出技術についてのより詳細な説明については、米国特許出願第13/365,950号(出願日:2012年2月3日)を参照されたい。当該出願は、参照によりすべて本願に組み込まれる。
【0072】
一部の実施形態によると、受信側デバイスは、PHY形式にしたがって生成されたが同じクロックレートを用いて生成されたデータユニットを自動検出することができる。
図10Aおよび
図10Bはそれぞれ、ある実施形態に係る、ダウンクロックされたクロックレートを用いて生成されたデータユニットと、通常短距離クロックレートを用いて生成されたデータユニットとを示す図である。ある実施形態によると、データユニット1000は、通常短距離クロック信号から(例えば、「4」というダウンクロック率または別の適切なダウンクロック率にしたがって)ダウンクロックされたクロック信号を用いて生成されている。図示した実施形態では、データユニット1010は、IEEE802.11bのDSSSのPHY形式にしたがって生成されており、データユニット1020は、IEEE802.11a規格のPHY形式にしたがって生成されており、データユニット1030は、IEEE802.11nのPHY形式にしたがって生成されている。各データユニット1000は、ある実施形態によると、ダウンクロックされたクロック信号を用いて生成されており、5MHzまたは10MHzチャネルで送信される。5MHzまたは10MHzのチャネルに合わせられた受信側デバイスは、ある実施形態によると、データユニットに含まれているプリアンブルの開始がDSSS変調方式またはOFDM変調方式のいずれにしたがって変調されているかに基づいて、データユニットがデータユニット1010等のシングルキャリアデータユニットであるか、または、データユニット1020および1030のうち一方等のOFDMデータユニットであるかを自動検出する。さらに、ある実施形態によると、データユニットがOFDMデータユニットであると判断される場合、受信側デバイスは、ロングトレーニングフィールド(LTF)に続く信号フィールドの変調方式に基づき、当該データユニットがデータユニット1020であるかデータユニット1030であるかを判断する。
【0073】
図10Bを参照すると、データユニット1050は、ある実施形態によると、通常短距離クロックレートを用いて生成され、20MHzまたは40MHzの通信チャネルで送信される。データユニット1060は、IEEE802.11a規格のPHY形式に応じて生成される一方、データユニット1070は、IEEE802.11nのPHY形式に応じて生成される。ある実施形態によると、受信側デバイスは、受信しているデータユニットが、データユニット1060またはデータユニット1070のいずれであるかを、当該データユニットに含まれているプリアンブルのLTFフィールドに続く信号フィールドの変調方式に基づいて判断する。
【0074】
図11は、ある実施形態に係る、方法1100の一例を説明するためのフローチャートである。
図1を参照すると、方法1100は、一部の実施形態によると、ネットワークインターフェース16によって実施される。例えば、このような一実施形態によると、PHY処理ユニット20は、方法1100を実施する。別の実施形態によると、MAC処理ユニット18もまた、方法1100の少なくとも一部を実施する。
図1を再度参照すると、さらに別の実施形態では、方法1100は、ネットワークインターフェース27(例えば、PHY処理ユニット29および/またはMAC処理ユニット28)によって実施される。他の実施形態によると、方法1100は、他の適切なネットワークインターフェースによって実施される。
【0075】
ブロック1104において、第1の通信デバイス(例えば、
図1のAP14)が、通信に利用可能な周波数帯域を決定する。ある実施形態によると、利用可能な周波数帯域は、ライセンスが取得されているTV周波数帯域内の利用可能な周波数範囲に対応する。一実施形態によると、第1の通信デバイスは、1以上の通信チャネルを走査するべくキャリアセンシング技術を利用することによって、利用可能な周波数帯域を決定する。別の実施形態によると、第1の通信デバイスは、中央データベース(例えば、
図2の中央サーバ202)または別の通信デバイスから利用可能なスペクトルについての情報を受信して、当該情報に基づいて利用可能な周波数帯域を決定する。
【0076】
ブロック1108において、第1の通信デバイスは、ブロック1104で決定された利用可能な周波数帯域に基づいて、キャリア周波数を決定する。
【0077】
ブロック1112において、第1の通信デバイスは、第1の通信チャネルを用いて1以上の通信デバイスと通信を行う。ある実施形態および/またはシナリオにおいて、第1の通信チャネルは、例えば、キャリア周波数を中央とする10MHzのチャネルである。別の実施形態および/またはシナリオにおいて、第1の通信チャネルは、中央周波数がf
c−2.5MHzの5MHzの通信チャネルであるか、または、中央周波数がf
c+2.5MHzである5MHzの通信チャネルである。他の実施形態および/またはシナリオでは、第1の通信チャネルは、利用可能な周波数帯域において別の適切な通信チャネルである。
【0078】
ブロック1116において、第1の通信デバイスは、第2の通信チャネルおよび同じキャリア周波数f
cを用いて1以上の通信デバイスと通信を行う。ある実施形態によると、第2の通信チャネルの中央周波数は、第1の通信チャネルの中央周波数とは異なる。例えば、ある実施形態および/またはシナリオにおいて、第1の通信チャネルは、中央周波数f
cを中央とする10MHzの通信チャネルであり、第2の通信チャネルは、中央周波数がf
c−2.5MHzである5MHzの通信チャネルである。言い換えると、本実施形態において、第2の通信チャネルは、第1の通信チャネルの帯域の下側半分に対応する。ある実施形態によると、第1の通信デバイスは、第1の通信チャネルの一部(例えば、帯域の半分、帯域の4分の1等)のみを変調することによって第2の通信チャネルを生成する。
【0079】
図12は、ある実施形態に係る、方法1200の一例を説明するためのフローチャートである。
図1を参照すると、方法1200は、一部の実施形態によると、ネットワークインターフェース16によって実施される。例えば、このような一実施形態において、PHY処理ユニット20は、方法1200を実施する。別の実施形態によると、MAC処理ユニット18もまた、方法1200の少なくとも一部分を実施する。
図1を再度参照すると、さらに別の実施形態では、方法1200は、ネットワークインターフェース27(例えば、PHY処理ユニット29および/またはMAC処理ユニット28)によって実施される。他の実施形態によると、方法1200は、他の適切なネットワークインターフェースによって実施される。
【0080】
ブロック1204において、第1の通信デバイス(例えば、
図1のAP14)が、通信に利用可能な周波数帯域を決定する。ある実施形態によると、利用可能な周波数帯域は、ライセンスが取得されているTV周波数帯域内の利用可能な周波数範囲に対応する。一実施形態によると、第1の通信デバイスは、1以上の通信チャネルを走査するべくキャリアセンシング技術を利用することによって、利用可能な周波数帯域を決定する。別の実施形態によると、第1の通信デバイスは、中央データベース(例えば、
図2の中央サーバ202)または別の通信デバイスから利用可能なスペクトルについての情報を受信して、当該情報に基づいて利用可能な周波数帯域を決定する。
【0081】
ブロック1208において、第1の通信デバイスは、ブロック1204で決定された利用可能な周波数帯域に基づいてローカルオシレータ周波数f
LOを決定する。
【0082】
ブロック1212において、第1の通信デバイスは、第1の通信チャネルを用いて1以上の通信デバイスと通信を行う。ある実施形態および/またはシナリオにおいて、第1の通信チャネルは、例えば、ブロック1208で決定されたローカルオシレータ周波数に対応するキャリア周波数f
cを中央とする10MHzのチャネルである。別の実施形態および/またはシナリオにおいて、第1の通信チャネルは、中央周波数がf
c−2.5MHzの5MHzの通信チャネルであるか、または、中央周波数がf
c+2.5MHzである5MHzの通信チャネルである。他の実施形態および/またはシナリオでは、第1の通信チャネルは、利用可能な周波数帯域において別の適切な通信チャネルである。
【0083】
ブロック1216において、第1の通信デバイスは、第2の通信チャネルおよびブロック1208で決定したローカルオシレータ周波数f
LOを用いて1以上の通信デバイスと通信を行う。ある実施形態によると、第2の通信チャネルの中央周波数は、第1の通信チャネルの中央周波数とは異なる。例えば、ある実施形態および/またはシナリオにおいて、第1の通信チャネルは、中央周波数f
cを中央とする10MHzの通信チャネルであり、第2の通信チャネルは、中央周波数がf
c−2.5MHzである5MHzの通信チャネルである。言い換えると、本実施形態において、第2の通信チャネルは、第1の通信チャネルの帯域の下側半分に対応する。ある実施形態によると、第1の通信デバイスは、第1の通信チャネルの一部(例えば、帯域の半分、帯域の4分の1等)のみを変調することによって第2の通信チャネルを生成する。
【0084】
図13は、ある実施形態に係る、方法1300の一例を説明するためのフローチャートである。
図1を参照すると、方法1300は、一部の実施形態によると、ネットワークインターフェース16によって実施される。例えば、このような一実施形態によると、PHY処理ユニット20は、方法1300を実施する。別の実施形態によると、MAC処理ユニット18もまた、方法1300の少なくとも一部を実施する。
図1を再度参照すると、さらに別の実施形態では、方法1300は、ネットワークインターフェース27(例えば、PHY処理ユニット29および/またはMAC処理ユニット28)によって実施される。他の実施形態によると、方法1300は、他の適切なネットワークインターフェースによって実施される。
【0085】
ブロック1304において、第1の通信デバイス(例えば、
図1のAP14)が、通信に利用可能な周波数帯域を決定する。ある実施形態によると、利用可能な周波数帯域は、ライセンスが取得されているTV周波数帯域内の利用可能な周波数範囲に対応する。一実施形態によると、第1の通信デバイスは、1以上の通信チャネルを走査するべくキャリアセンシング技術を利用することによって、利用可能な周波数帯域を決定する。別の実施形態によると、第1の通信デバイスは、中央データベース(例えば、
図2の中央サーバ202)または別の通信デバイスから利用可能なスペクトルについての情報を受信して、当該情報に基づいて利用可能な周波数帯域を決定する。
【0086】
ブロック1308において、第1の通信デバイスは、利用可能な周波数帯域内の通信チャネルのうち、通信チャネルサブセットを決定する。例えば、ある実施形態によると、第1の通信デバイスは、利用可能な周波数帯域に応じて、
図7のチャネルサブセット702から1つのチャネルを選択する(例えば、利用可能なTVスロットが1つである場合には、702−a、利用可能なTVスロットが2つの場合には、702−b、利用可能なスロットが3つである場合には、702−c)。
【0087】
ブロック1312において、第1の通信デバイスは、ブロック1308で選択された通信チャネルサブセットのうち、一の通信チャネルを選択する。ブロック1316において、第1の通信デバイスは、選択された通信チャネルを用いて1以上の通信デバイスと通信を行う。
【0088】
図14は、ある実施形態に係る、方法1400の一例を説明するためのフローチャートである。
図1を参照すると、方法1400は、一部の実施形態によると、ネットワークインターフェース16によって実施される。例えば、このような一実施形態において、PHY処理ユニット20は、方法1400を実施する。別の実施形態によると、MAC処理ユニット18もまた、方法1400の少なくとも一部分を実施する。
図1を再度参照すると、さらに別の実施形態では、方法1400は、ネットワークインターフェース27(例えば、PHY処理ユニット29および/またはMAC処理ユニット28)によって実施される。他の実施形態によると、方法1400は、他の適切なネットワークインターフェースによって実施される。
【0089】
ブロック1404において、第1の通信デバイス(例えば、
図2のAP2)は、第1の通信デバイスの地理上の位置の情報を、第2の通信デバイス(例えば、
図2の中央データベース202)に送信する。
【0090】
ブロック1408において、第1の通信デバイスは、第1の通信デバイスによる通信に利用可能な通信チャネル群の情報を受信する。一実施形態によると、チャネル群に関する情報は、利用可能な周波数範囲の情報である。ある実施形態によると、第1の通信デバイスは、利用可能な周波数範囲について定義されている所定のチャネル群を選択する。別の実施形態によると、チャネル群に関する情報は、第1の通信デバイスが利用可能なチャネル(例えば、チャネル中央周波数および/またはチャネル帯域幅)を含む。別の実施形態によると、この情報は、利用可能な周波数範囲内で他の通信デバイスとの通信に利用可能な通信チャネル群を第1の通信デバイスが決定する際に参照し得る他の適切な情報に対応する。
【0091】
ブロック1412において、第1の通信デバイスは、ブロック1408において決定した通信チャネル群から、通信チャネルを選択する。ブロック1316において、第1の通信デバイスは、選択された通信チャネルを利用して、1以上の通信デバイスと通信を行う。
【0092】
図15は、ある実施形態に係る、方法1500の一例を説明するためのフローチャートである。
図1を参照すると、方法1500は、一部の実施形態によると、ネットワークインターフェース16によって実施される。例えば、このような一実施形態によると、PHY処理ユニット20は、方法1500を実施する。別の実施形態によると、MAC処理ユニット18もまた、方法1500の少なくとも一部を実施する。
図1を再度参照すると、さらに別の実施形態では、方法1500は、ネットワークインターフェース27(例えば、PHY処理ユニット29および/またはMAC処理ユニット28)によって実施される。他の実施形態によると、方法1500は、他の適切なネットワークインターフェースによって実施される。
【0093】
ブロック1504において、第1の帯域幅の通信チャネルを介してデータユニットを送信する場合、当該データユニットは、第1の帯域幅の第1のクロック信号を用いて生成される。ある実施形態によると、ブロック1504では、IEEE802.11n規格で特定しているPHY形式(グリーンフィールド(Greenfield)モードまたはミックス(Mixed)モード)に少なくとも実質的に応じて、長距離データユニットを生成する。他の実施形態によると、ブロック1504は、短距離通信プロトコル(例えば、IEEE802.11a規格、IEEE802.11ac規格等)が仕様を定めている別のPHY形式に少なくとも実質的に応じて長距離データユニットを生成する。ある実施形態によると、ブロック1504は、対応する短距離通信プロトコル(「通常短距離クロックレート」)で仕様が定められているクロックレートを用いて40MHzおよび/または20MHzの通信チャネルの長距離データユニットを生成する。
【0094】
ブロック1508において、第2の帯域幅の通信チャネルを介してデータユニットを送信する場合、当該データユニットは第2の帯域幅の第2のクロック信号を用いて生成される。ある実施形態によると、第2の帯域幅は、第1の帯域幅の何分の一かの帯域幅であり、第2のクロックレートは第1のクロックレートの何分の一かのクロックレートである。ある実施形態によると、第2のクロック信号は、第1のクロック信号をダウンクロックしたものに対応する。ある実施形態によると、第2のクロック信号を生成する段階は、第1のクロック信号をダウンクロックする段階を含む。
【0095】
ある実施形態によると、ブロック1508では、IEEE802.11n規格で定められているPHY形式(グリーンフィールド(Greenfield)モードまたはミックス(Mixed)モード)に少なくとも実質的に応じて、長距離データユニットを生成する。他の実施形態によると、ブロック1508では、短距離通信プロトコル(例えば、IEEE802.11a規格、IEEE802.11ac規格等)で仕様が定められている別のPHY形式に少なくとも実質的に応じて、長距離データユニットを生成する。ある実施形態によると、ブロック1508は、ダウンクロック係数「4」またはその他の適切な係数で通常短距離クロックレートからダウンクロックされたクロックレートを用いて、10MHzおよび/または5MHzの通信チャネルについて長距離データユニットを生成する。ダウンクロック係数が4のある実施形態によると、5MHzおよび/または10MHzのデータユニットの各OFDMシンボルのシンボル期間(例えば、16μs)は、20MHzおよび/または40MHzのデータユニットの各OFDMシンボルのシンボル期間(例えば、4μs)に比べて4倍長い。
【0096】
このような一実施形態によると、ダウンクロックされたクロックレートを用いて生成された5MHzおよび10MHzの長距離データユニットは、GHz未満の周波数スペクトルの一領域(例えば、156MHzのTVチャネルスペクトル)で利用され、短距離通信プロトコルのクロックレートを用いて生成された20MHzおよび40MHzのデータユニットは、別の周波数領域(例えば、450MHzのTVチャネルスペクトル)で利用される。他の実施形態によると、複数の異なるクロックレートを利用して生成された長距離データユニットが一の同じ周波数範囲で共存している。一部のこのような実施形態において、一部については先述しているが、さまざまな自動検出技術が、データユニットを生成するために利用されたクロックレートを決定する際に受信側デバイスによって用いられる。
【0097】
ブロック1512において、データユニットを送信する。
【0098】
ある実施形態によると、通信デバイスは、送信機能を持つネットワークインターフェースを備える。ネットワークインターフェースは、データユニットが第1の帯域幅の通信チャネルを介して送信される場合、第1の帯域幅の第1のクロック信号を用いてデータユニットを生成する。ネットワークインターフェースはさらに、第2の帯域幅の通信チャネルを介してデータユニットを送信する場合、第2の帯域幅の第2のクロック信号を用いてデータユニットを生成する。ネットワークインターフェースは、データユニットを送信する機能を持つか、または、データユニットを送信させる。第2の帯域幅は、第1の帯域幅の何分の一かの帯域幅であり、第2のクロックレートは、第1のクロックレートの何分の一かの帯域幅である。ある実施形態によると、ネットワークインターフェースは、第1のクロック信号をダウンクロックすることによって、第2のクロック信号を生成する。
【0099】
上述したさまざまなブロック、処理および技術のうち少なくとも一部は、ハードウェア、ファームウェア命令を実行するプロセッサ、ソフトウェア命令を実行するプロセッサ、または、これらの任意の組み合わせを用いて実施されるとしてよい。また、さまざまなブロック、処理および技術のうち一部は、異なる順序で(および/または同時に)実行されるとしてよく、その場合でも所望の結果が得られるとしてよい。ソフトウェア命令またはファームウェア命令を実行するプロセッサを用いて実施される場合、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、任意のコンピュータ可読メモリに、例えば、磁気ディスク、光ディスクまたはその他の格納媒体、RAMまたはROMまたはフラッシュメモリ、プロセッサ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、テープドライブ等に格納されるとしてよい。同様に、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、任意の公知または所望の配信方法でユーザまたはシステムに配信されるとしてもよい。当該配信方法としては、例えば、コンピュータ可読ディスクあるいはその他の輸送可能なコンピュータ格納メカニズムでの格納、または、通信媒体を介した配信が挙げられる。通信媒体は通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または、搬送波等の変調データ信号またはその他の輸送メカニズムに含まれるその他のデータを具現化したものである。「変調データ信号」という表現は、特性のうち1以上が信号に情報を符号化するように設定または変更されている信号を意味する。一例を挙げると、これに限定されることはないが、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体、ならびに、音響、無線周波数、赤外線およびその他の無線媒体等を含む。このように、ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、電話線、DSLライン、ケーブルテレビライン、光ファイバーライン、無線通信チャネル、インターネット等の通信チャネルを介してユーザまたはシステムに配信されるとしてよい(これらは、ソフトウェアを輸送可能格納媒体を介して提供することと同義または類義であるとみなされる)。ソフトウェア命令またはファームウェア命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサにさまざまな動作を実行させる機械可読命令を含むとしてよい。
【0100】
ハードウェアで実施される場合、ハードウェアは、ディスクリート素子、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1以上を含むとしてよい。
【0101】
本発明は具体例を挙げて説明してきたが、具体例は例示を目的としたものに過ぎず本発明を限定するものではない。開示した実施形態の変更、追加および/または削除は、特許請求の範囲から逸脱することなく、行うことができる。