特許第6029188号(P6029188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029188
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】LEDパッケージ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20161114BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20161114BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20161114BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20161114BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20161114BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20161114BHJP
【FI】
   H01L33/48
   H01L33/64
   H01L33/62
   H01L33/60
   H01L33/54
   H01L33/50
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-507043(P2014-507043)
(86)(22)【出願日】2012年3月26日
(86)【国際出願番号】JP2012057702
(87)【国際公開番号】WO2013145071
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2015年3月17日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】橋本 良崇
(72)【発明者】
【氏名】藤田 政利
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅登
(72)【発明者】
【氏名】川尻 明宏
(72)【発明者】
【氏名】杉山 和裕
(72)【発明者】
【氏名】塚田 謙磁
【審査官】 吉野 三寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−151794(JP,A)
【文献】 特開2009−194108(JP,A)
【文献】 特開2011−243666(JP,A)
【文献】 特開2005−159045(JP,A)
【文献】 特開平08−116094(JP,A)
【文献】 国際公開第01/009963(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に電極が形成されたLEDチップと、該LEDチップの光を外方に取り出す光透過型ケースとを備え、回路基板に表面実装するLEDパッケージにおいて、
前記光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側の面には、水平に延びる電極を有するリードフレームが設けられていると共に、前記LEDチップを実装するためのチップ実装凹部が前記LEDチップの高さ相当の深さの凹部となるように形成され、
前記LEDチップは、前記電極が形成された面と反対側の面を発光面とするフリップチップ型のLEDチップであり、前記電極が形成された面を前記光透過型ケースの光取り出し側とは反対側に向けて該光透過型ケースの前記チップ実装凹部内に実装されて、該LEDチップの電極が前記リードフレームの電極と同一高さとなり、
前記チップ実装凹部内のうちの前記LEDチップの周囲には、絶縁材が充填されて該LEDチップの電極と前記リードフレームの電極との間の配線経路が水平に延びるように形成されて平坦化され、
前記LEDチップの電極と前記リードフレームの電極との間を接続する配線のパターンが前記配線経路上に導電性インクで水平に延びる線状又は帯状又は面状に形成され
前記光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側に、放熱性部材が設けられ、
前記放熱性部材は、高熱伝導性絶縁材料で形成されて前記LEDチップの電極側の面及び前記配線に密着して、前記LEDチップ及び前記配線で発生した熱を前記回路基板へ伝達して放熱させると共に、前記LEDチップ及び前記配線を封止する封止材としても機能することを特徴とするLEDパッケージ。
【請求項2】
前記光透過型ケースは、レンズとして機能するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のLEDパッケージ。
【請求項3】
前記光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側に、前記LEDチップの光を反射する光反射面が前記LEDチップの周囲を取り巻くように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のLEDパッケージ。
【請求項4】
前記配線は、光反射面を兼ねるように面状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のLEDパッケージ。
【請求項5】
前記光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側の面に、光反射防止処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のLEDパッケージ。
【請求項6】
前記光透過型ケースは、放出する光の特性を変化させる蛍光体が混入された材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のLEDパッケージ。
【請求項7】
前記光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側の面に、放出する光の特性を変化させる蛍光体層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のLEDパッケージ。
【請求項8】
請求項1に記載のLEDパッケージを製造するLEDパッケージの製造方法において、 前記LEDチップの電極が形成された面を前記光透過型ケースとは反対側に向けて該LEDチップを該光透過型ケースのチップ実装凹部内に実装する実装工程と、
前記チップ実装凹部内のうちの前記LEDチップの周囲に絶縁材を充填して前記LEDチップの電極と前記リードフレームの電極との間の配線経路を水平に延びるように形成して平坦化する絶縁材充填工程と、
前記LEDチップの電極と前記リードフレームの電極とを接続する配線のパターンを前記配線経路上に導電性インクで水平に延びる線状又は帯状又は面状に形成する配線工程と
前記光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側に、前記LEDチップ及び前記配線で発生した熱を前記回路基板へ伝達して放熱させる放熱性部材として、高熱伝導性絶縁材料を前記LEDチップの電極側の面及び前記配線に密着させて前記LEDチップ及び前記配線を封止する封止材としても機能するように設ける工程と
を含むことを特徴とするLEDパッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方の面に電極が形成されたLEDチップと、該LEDチップの光を外方に取り出す光透過型ケースとを備えたLEDパッケージ及びその製造方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年、需要が急増しているLEDチップは、特許文献1(特開2011−77491号公報)に記載されているように、フェイスアップ型のLEDチップとフリップチップ型のLEDチップに大別される。フェイスアップ型のLEDチップは、チップの電極を上向きにした状態で基板に実装してチップの電極と基板の電極とをボンディングワイヤで接続する構造であり、一方、フリップチップ型のLEDチップは、チップの電極を下向きにしたフェースダウン状態で基板に実装してチップの電極と基板の電極とをバンプや半田ボール等で接続する構造である。
【0003】
フェイスアップ型のLEDチップを実装したLEDパッケージは、光取り出し側に電極や配線が存在するため、これらがLEDチップの光の放出を妨げてしまい、その分、光取り出し効率が低下する欠点がある。
【0004】
これに対し、フリップチップ型のLEDチップを実装したLEDパッケージは、光取り出し側に電極や配線が存在しないため、フェイスアップ型のLEDパッケージよりも光取り出し効率が高い利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−77491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、フェイスアップ型、フリップチップ型のいずれのLEDパッケージでも、光の取り出し側を透明な封止材で封止してパッケージを形成した構造となっている。このような構造では、LEDチップの実装後に光の取り出し側を封止材で封止してパッケージを形成することになるため、使用するパッケージ材(封止材)としては、LEDチップやLEDチップを実装するケースの接続信頼性や耐熱性等に悪影響を与えないような材料(例えば充填時の温度が比較的低い樹脂等)を使用しなければならない。このため、充填時の温度が比較的高い材料(例えばガラス等)は、たとえ光学的特性(透明性等)や耐候性等に優れていても、LEDチップやLEDチップを実装するケースの接続信頼性や耐熱性等に悪影響を与える懸念があるため、パッケージ材(封止材)としては使用できない。このため、パッケージ材(封止材)の選択の幅が狭くなり、光学的特性(透明性等)、耐候性、耐熱性等の要求を全て満たすLEDパッケージを製造することは困難であった。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、光学的特性(透明性等)、耐候性、耐熱性等を向上できるLEDパッケージ及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、一方の面に電極が形成されたLEDチップと、該LEDチップの光を外方に取り出す光透過型ケースとを備え、回路基板に表面実装するLEDパッケージにおいて、前記光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側の面には、水平に延びる電極を有するリードフレームが設けられていると共に、前記LEDチップを実装するためのチップ実装凹部が前記LEDチップの高さ相当の深さの凹部となるように形成され、前記LEDチップは、前記電極が形成された面と反対側の面を発光面とするフリップチップ型のLEDチップであり、前記電極が形成された面を前記光透過型ケースの光取り出し側とは反対側に向けて該光透過型ケースのチップ実装凹部内に実装されて、該LEDチップの電極が前記リードフレームの電極と同一高さとなり、前記チップ実装凹部内のうちの前記LEDチップの周囲には、絶縁材が充填されて該LEDチップの電極と前記リードフレームの電極との間の配線経路が水平に延びるように形成されて平坦化され、前記LEDチップの電極と前記リードフレームの電極との間を接続する配線のパターンが前記配線経路上に導電性インクで水平に延びる線状又は帯状又は面状に形成され、前記光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側に、放熱性部材が設けられ、前記放熱性部材は、高熱伝導性絶縁材料で形成されて前記LEDチップの電極側の面及び前記配線に密着して、前記LEDチップ及び前記配線で発生した熱を前記回路基板へ伝達して放熱させると共に、前記LEDチップ及び前記配線を封止する封止材としても機能することを特徴とするものである。
【0009】
この構成では、光透過型ケースのチップ実装凹部内にLEDチップを実装する構造であるため、LEDチップの実装前に、光透過型ケースを作製することができる。これにより、光透過型ケースの作製時に、LEDチップやLEDチップを実装するケースの接続信頼性や耐熱性等に配慮する必要がなくなり、光透過型ケースを光学的特性(透明性等)、耐候性、耐熱性等に優れた材料(例えばガラス等)で形成することができ、LEDパッケージの光学的特性(透明性等)、耐候性、耐熱性等を向上させることができる。しかも、LEDチップの電極とリードフレームの電極との間を接続する配線のパターンを導電性インクで形成するようにしているため、ワイヤボンディングを使用せずに配線でき、ワイヤボンディング時の熱的な影響を受けずに済む利点もある。
更に、光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側に、LEDチップ及び配線で発生した熱を回路基板へ伝達して放熱させる放熱性部材として、高熱伝導性絶縁材料をLEDチップの電極側の面及び配線に密着してLEDチップ及び配線を封止する封止材としても機能するように設けたので、LEDチップ及び配線で発生した熱を放熱性部材を介して回路基板に効率良く放熱することができ、LEDチップの温度上昇を抑制して発光量を増やすことができると共に、放熱性部材が封止材としても機能することで、これらを別々に設ける必要がない。
【0010】
本発明は、光透過型ケースに実装するLEDチップとして、電極が形成された面と反対側の面を発光面とするフリップチップ型のLEDチップを用いると共に、光透過型ケースのチップ実装凹部がLEDチップの高さ相当の深さの凹部となるように形成され、このフリップチップ型のLEDチップを、電極が形成された面を光透過型ケースの光取り出し側とは反対側に向けて該光透過型ケースのチップ実装凹部内に実装して該LEDチップの電極がリードフレームの電極と同一高さとなるようにしている。
【0011】
このように、フリップチップ型のLEDチップは、電極が形成された面と反対側の面が発光面となるため、発光面を光透過型ケース側に向けた状態で実装でき、光取り出し効率が高いという利点がある。しかも、本発明のLEDパッケージは、光透過型ケースのチップ実装凹部がLEDチップの高さ相当の深さの凹部となるように形成され、該チップ実装凹部内に実装したLEDチップの電極がリードフレームの電極と同一高さとなるように構成されているため、図13図14に示すように、LEDパッケージを半田ボール等で回路基板に表面実装することが可能となると共に、LEDパッケージと回路基板との間に、LEDチップ及び配線で発生した熱を回路基板へ伝達して放熱させる放熱性部材を、LEDチップ及び配線を封止する封止材としても機能するように設けることが可能となる。
【0012】
本発明は、請求項のように、光透過型ケースをレンズとして機能させるように形成しても良い。この場合、光透過型ケースの外面側をレンズ形状に形成しても良いし、光透過型ケースの内面側にフレネルレンズ、レンチキュラー、レンズアレイ等を形成しても良い。光透過型ケースをレンズとして機能させるように形成すれば、光透過型ケースとレンズとを1つの部品で構成でき、部品点数削減の効果が得られるが、本発明は、光透過型ケースとは別に形成したレンズを光透過型ケースに装着するようにしても良いことは言うまでもない。
【0013】
また、請求項のように、光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側(内面側)に、LEDチップの光を反射する光反射面を該LEDチップの周囲を取り巻くように形成しても良い。このようにすれば、光透過型ケースに実装したLEDチップの周囲から光取り出し側とは反対側に放出された光を光反射面で反射して光透過型ケースから外方に放出させることができ、光取り出し効率を高めることができる。
【0017】
この場合、請求項のように、配線は、光反射面を兼ねるように面状に形成しても良い。このようにすれば、配線と光反射面とを同時に形成でき、生産性を向上できる。
【0018】
また、請求項のように、光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側の面(内面)に、光反射防止処理を施すようにしても良い。このようにすれば、LEDチップから放出された光が光透過型ケースの内面で反射される量を低減できるため、LEDチップから放出された光が光透過型ケースの内面から外面へ効率的に透過できるようになり、光取り出し効率を高めることができる。
【0019】
また、請求項のように、光透過型ケースは、放出する光の特性(波長、色合い等)を変化させる蛍光体が混入された材料で形成しても良い。このようにすれば、光透過型ケースの形成時に、混入する蛍光体を変更することで、LEDパッケージの発光特性を容易に変化させることができる。
【0020】
或は、請求項のように、光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側の面(内面)に、放出する光の特性を変化させる蛍光体層を形成しても良い。このようにすれば、蛍光体層を形成する蛍光体を変更することで、LEDパッケージの発光特性を容易に変化させることができる。
【0022】
本発明のLEDパッケージの製造方法は、請求項のように、LEDチップの電極が形成された面を光透過型ケースとは反対側に向けて該LEDチップを該光透過型ケースのチップ実装凹部内に実装する工程と、前記チップ実装凹部内のうちの前記LEDチップの周囲に絶縁材を充填して前記LEDチップの電極と前記リードフレームの電極との間の配線経路を水平に延びるように形成して平坦化する絶縁材充填工程と、前記LEDチップの電極と前記光透過型ケースの電極とを接続する配線のパターンを前記配線経路上に導電性インクで水平に延びる線状又は帯状又は面状に形成する配線工程と、前記光透過型ケースのうちの光取り出し側とは反対側に、前記LEDチップ及び前記配線で発生した熱を前記回路基板へ伝達して放熱させる放熱性部材として、高熱伝導性絶縁材料を前記LEDチップの電極側の面及び前記配線に密着させて前記LEDチップ及び前記配線を封止する封止材としても機能するように設ける工程とを含むようにすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1(a)〜(c)は本発明の実施例1のLEDパッケージの製造方法を説明する工程図である。
図2図2(a)〜(c)は本発明の実施例2のLEDパッケージの製造方法を説明する工程図である。
図3図3(a)〜(d)は本発明の実施例3のLEDパッケージの製造方法を説明する工程図である。
図4図4(a)〜(d)は本発明の実施例4のLEDパッケージの製造方法を説明する工程図である。
図5図5は本発明の実施例5のLEDパッケージを回路基板に実装した構造を示す断面図である。
図6図6は本発明の実施例6のLEDパッケージの構造を示す断面図である。
図7図7は本発明の実施例7のLEDパッケージの構造を示す断面図である。
図8図8は本発明の実施例8のLEDパッケージの構造を示す断面図である。
図9図9は本発明の実施例9のLEDパッケージの構造を示す断面図である。
図10図10(a)は本発明の実施例10のLEDパッケージの平面図、同図(b)は、(a)のA−A断面図である。
図11図11(a)は本発明の実施例11のLEDパッケージの平面図、同図(b)は、(a)のB−B断面図である。
図12図12は本発明の実施例12のLEDパッケージの構造を示す断面図である。
図13図13は本発明の実施例13のLEDパッケージを回路基板に実装した構造を示す断面図である。
図14図14は本発明の実施例14のLEDパッケージを回路基板に実装した構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
【実施例1】
【0026】
図1を用いて本発明の実施例1のLEDパッケージ10の製造方法を説明する。
本実施例1のLEDパッケージ10は、光透過型ケース作製工程、実装工程、配線工程等を経て製造する。以下、これら各工程を説明する。
【0027】
[光透過型ケース作製工程]
図1(a)に示すように、光透過型ケース作製工程では、LEDチップ12を実装する実装部材としても機能する光透過型ケース11を作製する。光透過型ケース11の作製方法は、成形、切削、エッチング等、どのような方法を用いても良い。光透過型ケース作製工程は、LEDチップ12を実装する前であるため、LEDチップ12やLEDチップ12を実装する光透過型ケース11の接続信頼性や耐熱性等に配慮する必要がなく、LEDチップ12の光を透過させる光透過型ケース11として要求される光学的特性(透明性等)、耐候性、耐熱性等に優れた材料(例えばガラス等)を用いて光透過型ケース11を作製すれば良い。
【0028】
光透過型ケース11の形状は、LEDチップ12を実装可能で、且つ、LEDチップ12の光を透過可能な形状であれば、どの様な形状であっても良く、例えば、平盤状に形成しても良い。本実施例1では、光透過型ケース11をレンズとして機能させるために、光透過型ケース11の外面側(光取り出し側)をレンズ形状に形成している。
【0029】
更に、本実施例1では、光透過型ケース11のうちの光取り出し側とは反対側(内面側)に、リードフレーム13を取り付ける。リードフレーム13の取付方法は、光透過型ケース11を成形する際に、リードフレーム13をインサート成形するようにしても良いし、成形、切削、エッチング等で作製した光透過型ケース11にリードフレーム13を接合等により後付けするようにしても良い。
【0030】
[実装工程]
図1(b)に示すように、光透過型ケース11のうちの光取り出し側とは反対側の面(内面)にLEDチップ12を実装する。この際、LEDチップ12は、電極14が形成された面とは反対側の面を光透過型ケース11の内面に接着剤等で接合する。LEDチップ12は、フェイスアップ型のLEDチップ、フリップチップ型のLEDチップのいずれを用いても良いが、フリップチップ型のLEDチップを用いる場合は、バンプや半田ボール等の電極接続材は不要であり、電極のみが存在すれば良い。
【0031】
フリップチップ型のLEDチップは、電極が形成された面と反対側の面を発光面とするため、発光面を光透過型ケース11側に向けた状態で実装でき、光取り出し効率が高いという利点がある。
【0032】
一方、フェイスアップ型のLEDチップは、電極側の面が発光面となる構造のものが一般的であるため、電極側の面が発光面となるLEDチップを使用する場合は、後述する配線工程終了後に、LEDチップの電極側の面から光透過型ケース11とは反対側に放出された光を光透過型ケース11側に反射する光反射部材を設けるようにしても良い。
【0033】
[配線工程]
図1(c)に示すように、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間をボンディングワイヤ15で接続する。
【0034】
以上のようにして製造したLEDパッケージ10は、光透過型ケース11を照明対象物側に向けて使用される。この構造では、光透過型ケース11が外部からの衝撃を防護する防護壁としての役割を果たすため、光透過型ケース11の内側に実装したLEDチップ12やその配線部分を封止する封止材を省略した構成としても良い。
【0035】
勿論、LEDパッケージ10の光取り出し側とは反対側に、LEDチップ12及びその配線部分を封止する封止材を充填しても良いことは言うまでもない。この場合、封止材は、LEDパッケージ10の光取り出し側とは反対側に充填するため、透明性は必要とせず、光が透過しない封止材を用いることが可能となる。これにより、封止材の選択の幅が広がり、LEDチップ12やLEDチップ12を実装する光透過型ケース11の接続信頼性や耐熱性等に悪影響を与えない封止材を容易に選択できる利点がある。
【0036】
以上説明した本実施例1では、光透過型ケース11にLEDチップ12を実装する構造であるため、LEDチップ12の実装前に、光透過型ケース11を作製することができる。これにより、光透過型ケース11の作製時に、LEDチップ12やLEDチップ12を実装する光透過型ケース11の接続信頼性や耐熱性等に配慮する必要がなくなり、光透過型ケース11を光学的特性(透明性等)、耐候性、耐熱性等に優れた材料(例えばガラス等)で形成することができ、LEDパッケージ10の光学的特性(透明性等)、耐候性、
耐熱性等を向上させることができる。
【0037】
また、本実施例1では、ボンディングワイヤ15がLEDパッケージ10の光取り出し側とは反対側に位置し、LEDチップ12から放出された光がボンディングワイヤ15で遮られないため、ボンディングワイヤ15を細くする必要がなくなり、ボンディングワイヤ15の断線や接続部分の剥がれを防止できると共に、ボンディングワイヤ15の断面積を増加させて導電性を向上できる利点がある。
【0038】
また、本実施例1では、光透過型ケース11をレンズとして機能させるように形成しているため、光透過型ケース11とレンズとを1つの部品で構成でき、部品点数を削減できる利点もある。但し、本発明は、光透過型ケース11とは別に形成したレンズを光透過型ケース11に装着するようにしても良いことは言うまでもない。
【0039】
また、複数の光透過型ケース11が一体につながった状態で複数のLEDパッケージ10を一括して作製した後、それを個々のLEDパッケージ10に切断するようにしても良い。
【実施例2】
【0040】
次に、図2を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として異なる部分について説明する。
【0041】
前記実施例1では、光透過型ケース11のうちの光取り出し側とは反対側(内面側)の実装面を平坦に形成して、平坦な実装面上にLEDチップ12を実装するようにしたが、本発明の実施例2では、リードフレーム13付きの光透過型ケース11を作製する際に、図2(a)に示すように、光透過型ケース11のうちの光取り出し側とは反対側(内面側)にチップ実装凹部17を成形、切削、エッチング等により形成する。
【0042】
この後、実装工程に進み、図2(b)に示すように、光透過型ケース11のチップ実装凹部17内にLEDチップ12を実装する。この際、LEDチップ12のうちの電極14が形成された面とは反対側の面をチップ実装凹部17の底面に接着剤等で接合する。チップ実装凹部17内に実装したLEDチップ12の電極14側の面の高さは、該チップ実装凹部17の外周囲の高さ(リードフレーム13の電極の高さ)とほぼ同じ高さであっても良いし、これよりも高くても低くても良い。
【0043】
この後、配線工程に進み、図2(c)に示すように、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間をボンディングワイヤ15で接続する。
【0044】
以上説明した本実施例2でも、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0045】
次に、図3を用いて本発明の実施例3を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として異なる部分について説明する。
【0046】
前記実施例1では、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間をボンディングワイヤ15で接続するようにしたが、本実施例3では、図3(d)に示すように、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間をインクジェット(液滴吐出法)等の印刷法で配線22を形成するようにしている。
【0047】
本実施例3のLEDパッケージ10も、前記実施例1と同様の方法で、図3(a)に示すように、リードフレーム13付きの光透過型ケース11を作製した後、図3(b)に示すように、光透過型ケース11のうちの光取り出し側とは反対側の面(内面)にLEDチップ12を実装し、該LEDチップ12のうちの電極14が形成された面とは反対側の面を光透過型ケース11の内面に接着剤等で接合する。
【0048】
この後、絶縁材充填工程に進み、図3(c)に示すように、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間の配線経路に存在する段差部に、該配線経路が平滑になるように絶縁材21を充填し、LEDチップ12の側面上端から光透過型ケース11の内面に向けて傾斜するスロープ状の配線経路(配線下地層)を形成する。この際、絶縁材21は、絶縁性樹脂(例えばエポキシ系樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド系樹脂等)を用いても良いし、或は、無機材料(例えばガラス、窒化アルミニウム等)を用いても良い。絶縁材21は、充填時の温度がLEDチップ12や光透過型ケース11の耐熱温度を越えない絶縁材であれば良く、更には、LEDチップ12や光透過型ケース11に対する密着性に優れ、且つ、これらとの間の熱膨張率の差が小さい絶縁材が望ましい。また、絶縁材21は、LEDチップ12の側面から放出される光が光透過型ケース11側へ透過できるように、透明な絶縁材が望ましい。
【0049】
この後、配線工程に進み、図3(d)に示すように、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間の配線経路に、インクジェット、ディスペンサ等の液滴吐出法(印刷法)により導電性インクを吐出して配線22のパターンを形成し、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間を配線22のパターンで接続する。尚、配線22の形成方法は、液滴吐出の印刷法に限定されず、スプレーやバーコート等の導電性インクの塗布や印刷又は導電材料の実装(貼付)、めっき、CVD、PVD等の気相蒸着等の方法により形成するようにしても良い。また、パターニングのために、レジストやメタルマスクを使用しても良いし、導電材形成後に切削又はエッチングしても良い。
【0050】
以上説明した本実施例3では、前記実施例1と同様の効果が得られると共に、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間をワイヤボンディングを使用せずに配線でき、ワイヤボンディング時の熱的な影響を受けずに済む利点もある。
【実施例4】
【0051】
次に、図4を用いて本発明の実施例4を説明する。但し、前記実施例2と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として異なる部分について説明する。
【0052】
前記実施例2では、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間をボンディングワイヤ15で接続するようにしたが、本実施例4では、図4(d)に示すように、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間をインクジェット(液滴吐出法)等の印刷法で配線21を形成するようにしている。
【0053】
本実施例4でも、前記実施例2と同様の方法で、図4(a)に示すように、チップ実装凹部17を有するリードフレーム13付きの光透過型ケース11を作製した後、図4(b)に示すように、光透過型ケース11のチップ実装凹部17内にLEDチップ12を実装する。
【0054】
この後、絶縁材充填工程に進み、図4(c)に示すように、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の水平に延びる電極との間の配線経路を平滑にするために、該配線経路に存在する凹部(チップ実装凹部17内のLEDチップ12周囲の隙間)に、前記実施例3と同様の絶縁材21を充填して該配線経路を水平に延びるように形成して平坦化する。
【0055】
この後、配線工程に進み、図4(d)に示すように、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間の配線経路に、インクジェット、ディスペンサ等の液滴吐出法(印刷法)により導電性インクを吐出して配線22のパターンを水平に延びるように形成し、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間を配線22のパターンで接続する。本実施例4では、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間の配線経路が絶縁材21により水平に延びるように形成されて平坦化されているため、配線22のパターンをスクリーンやオフセット等の印刷により形成しても良い。或は、前記実施例3の配線形成方法で説明した方法で形成しても良い。
【0056】
以上説明した本実施例4でも、前記実施例3と同様の効果が得られる。
【実施例5】
【0057】
図5に示す本発明の実施例5では、1個又は複数個のLEDパッケージ10を回路基板24に実装している。LEDパッケージ10は、光透過型ケース11を外側(回路基板24とは反対側)に向け、LEDチップ12を回路基板24側に向けて実装する。LEDパッケージ10は、前記実施例1〜4のいずれの方法で製造したLEDパッケージ10を用いても良い。
【0058】
LEDチップ12を回路基板24に実装する際に、LEDパッケージ10のリードフレーム13の端子部と回路基板24のパッド部との間を半田ボール25等で接続する。LEDチップ12を回路基板24に実装した後、LEDパッケージ10と回路基板24との間の隙間に、絶縁性樹脂等の封止材26を充填する。この場合、封止材26は、LEDパッケージ10の光取り出し側とは反対側に充填するため、透明性は必要とされず、光が透過しない封止材を用いることが可能となる。これにより、封止材26の選択の幅が広がり、LEDチップ12やLEDチップ12を実装する光透過型ケース11の接続信頼性や耐熱性等に悪影響を与えない封止材26を容易に選択できる利点がある。
【0059】
以上説明した本実施例5では、LEDパッケージ10と回路基板24との間に封止材26を充填するようにしたので、LEDパッケージ10のLEDチップ12やその配線部分を封止できると共に、LEDパッケージ10と回路基板24とを封止材26で結合でき、機械的強度を向上できる。
【実施例6】
【0060】
前記実施例1〜5のLEDパッケージ10は、光透過型ケース11をレンズとして機能させるために、光透過型ケース11の外面側(光取り出し側)をレンズ形状に形成したが、図6に示す本発明の実施例6では、光透過型ケース11をレンズとして機能させるために、光透過型ケース11の内面側(光取り出し側とは反対側)に、フレネルレンズ、レンチキュラー、レンズアレイ等のレンズ機能部28を形成している。レンズ機能部28は、LEDパッケージ10の用途に応じて、広角、集光等の光学特性を変更すれば良い。その他の構成は、前記実施例1〜5のいずれかと同じであり、同様の効果が得られる。
【実施例7】
【0061】
図7に示す本発明の実施例7では、光透過型ケース11のうちの光取り出し側とは反対側の面(内面)に、光反射防止処理31を施すようにしている。光反射防止処理31は、例えば、表面加工により光透過型ケース11の内面に反射防止用の細かい凹凸(モスアイ構造)を形成しても良いし、コーティング等により光透過型ケース11の内面に光反射防止処理層を形成しても良い。その他の構成は、前記実施例1〜5のいずれかと同じである。
【0062】
本実施例7では、LEDチップ12から放出された光が光透過型ケース11の内面で反射される量を光反射防止処理31により低減できるため、LEDチップ12から放出された光が光透過型ケース11の内面から外面へ効率的に透過できるようになり、光取り出し効率を高めることができる。
【実施例8】
【0063】
図8に示す本発明の実施例8では、光透過型ケース11は、放出する光の特性(波長、色合い等)を変化させる蛍光体32が混入された材料で形成している。その他の構成は、前記実施例1〜7のいずれかと同じである。
【0064】
本実施例8では、光透過型ケース11の形成時に、混入する蛍光体32を変更することで、LEDパッケージ10の発光特性を容易に変化させることができる。
【実施例9】
【0065】
図9に示す本発明の実施例9では、光透過型ケース11のうちの光取り出し側とは反対側の面(内面)に、放出する光の特性(波長、色合い等)を変化させる蛍光体層33を、蛍光塗料の塗布等により形成している。蛍光体層33は、1層のみであっても良いし、複数種の蛍光体層を積層しても良い。複数種の蛍光体層を積層する場合は、多段励起を回避するために、積層順序を最適化すると良い。ここで、多段励起とは、1つ目の蛍光体で波長が変換された光が他の蛍光体で再変換されることである。尚、蛍光体で光の波長を変換する度に変換損失が発生するため、基本的には変換回数が少ない方が良い。その他の構成は、前記実施例1〜7のいずれかと同じである。
【0066】
以上説明した本実施例9では、蛍光体層33を形成する蛍光体を変更することで、LEDパッケージ10の発光特性を容易に変化させることができる。
【0067】
また、蛍光体層33を形成した光透過型ケース11にLEDチップ12を実装する前に、検査光源を蛍光体層33に照射して、蛍光体の状態(量や斑等)を検査するようにしても良い。このようにすれば、光透過型ケース11にLEDチップ12を実装する前に、光透過型ケース11内面の蛍光体層33の良/不良を検査して、不良の蛍光体層33を持つ光透過型ケース11を排除することができ、LEDパッケージ10の歩留まりや品質を向上できる。
【実施例10】
【0068】
図10に示す本発明の実施例10では、前記実施例4(図4)と同様の方法で、光透過型ケース11の作製から絶縁材21の充填までの工程を実行した後、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間を接続する配線22を印刷又は塗布で形成する際に、配線22を銀ナノインク等により水平に延びる面状に形成して、光透過型ケース11の内面側を面状の配線22で覆って、これを光反射面としても機能させる。その他の構成は、前記実施例4と同じである。
【0069】
本実施例10の構成では、LEDチップ12から光透過型ケース11とは反対側に放出された光を面状の配線22(光反射面)で光透過型ケース11側に反射することができ、光取り出し効率を高めることができる。しかも、配線22と光反射面とを同時に形成でき、生産性を向上できる。更に、配線22の幅を広くできるため、高精細な印刷方法を使用せずに容易に形成できると共に、配線22の断線や接続部分の剥がれを防止でき、更には、配線22の断面積を増加させて導電性を向上できる利点がある。
【0070】
尚、本実施例10の技術思想を前記実施例3に適用しても良く、図3に示す構造のLEDパッケージ10において、LEDチップ12の周囲に透明な絶縁材21を充填して該L
EDチップ12の側面上端から光透過型ケース11の内面に向けて傾斜するスロープ状の配線経路(配線下地層)を形成し、このスロープ状の配線経路上に配線22を印刷又は塗布で形成する際に、配線22が光反射面を兼ねるように銀ナノインク等により面状に形成しても良い。この場合、LEDチップ12の側面からスロープ状の絶縁材21側に向けて放出された光が面状の配線22(光反射面)で光透過型ケース11側に反射されるようになるため、光取り出し効率を向上できる。
【実施例11】
【0071】
前記実施例10では、面状の配線22のみで光反射面で形成したが、図11に示す本発明の実施例11では、リードフレーム13が光反射面を兼ねるように該リードフレーム13を面状に形成すると共に、LEDチップ12の電極14とリードフレーム13の電極との間を接続する配線22も光反射面を兼ねるように銀ナノインク等により水平に延びる面状に形成し、面状のリードフレーム13と面状の配線22との組み合わせによって光透過型ケース11の内面側に光反射面を形成する。その他の構成は、前記実施例4と同じである。
【0072】
本実施例11でも、前記実施例10と同様の効果を得ることができる。
尚、配線22は面状に形成せず、リードフレーム13のみを面状に形成して、面状のリードフレーム13のみで光反射面を形成するようにしても良い。
【0073】
また、本実施例11の技術思想を前記実施例3に適用しても良く、図3に示す構造のLEDパッケージ10において、リードフレーム13と配線22の両方を光反射面を兼ねるように面状に形成しても良い。
【実施例12】
【0074】
図12に示す本発明の実施例12では、前記実施例10(図10)と同様の構造のLEDパッケージ10において、光反射面となる面状の配線22の内側(光透過型ケース11側)に、フレネルレンズ、レンチキュラー、レンズアレイ等のレンズ機能部28を形成して、光の反射性を向上させるようにしている。レンズ機能部28は、LEDパッケージ10の用途に応じて、広角、集光等の光学特性を変更すれば良い。その他の構成は、前記実施例10と同じである。
【0075】
尚、前記実施例11(図11)と同様の構造のLEDパッケージ10において、光反射面となる面状のリードフレーム13及び面状の配線22の内側(光透過型ケース11側)に、フレネルレンズ、レンチキュラー、レンズアレイ等のレンズ機能部を形成して、光の反射性を向上させるようにしても良い。
【実施例13】
【0076】
図13に示す本発明の実施例13では、1個又は複数個のLEDパッケージ10を回路基板24に表面実装している。図13の構成例では、LEDパッケージ10は、前記実施例3,4,10〜12と同様に、印刷又は塗布により配線22を形成したLEDパッケージ10を用いている。更に、本実施例13では、光透過型ケース11のチップ実装凹部17がLEDチップ12の高さ相当の深さの凹部となるように形成され、チップ実装凹部17内に実装したLEDチップ12の電極14がリードフレーム13の電極と同一高さとなるように構成されている。
【0077】
LEDパッケージ10は、光透過型ケース11を外側(回路基板24とは反対側)に向け、LEDチップ12を回路基板24側に向けて実装する。実装時に、LEDパッケージ10のリードフレーム13の端子部と回路基板24のパッド部との間を半田ボール25等で接続する。
【0078】
LEDパッケージ10を回路基板24に実装した後、LEDパッケージ10と回路基板24との間の隙間に、高熱伝導性絶縁材料36を充填する。この高熱伝導性絶縁材料36
は、LEDチップ12の電極14側の面や配線22等に密着して、LEDチップ12や配線22で発生した熱を回路基板24へ効率良く伝達する放熱性部材として機能すると共に、LEDパッケージ10のLEDチップ12やその配線22等を封止する封止材としても機能する。
【0079】
高熱伝導性絶縁材料36は、光透過型ケース11よりも熱伝導率が高い絶縁材料で形成され、例えば、高熱伝導性フィラーを混入した高熱伝導性絶縁樹脂、高熱伝導性ペースト材、シリコーングリース等の放熱グリース等を用いれば良い。更に、高熱伝導性絶縁材料36は、LEDチップ12や配線22に対する密着性や耐熱性に優れた材料が望ましく、更に、LEDチップ12や配線22との間の熱膨張率の差が小さい材料が望ましい。この場合、高熱伝導性絶縁材料36は、LEDパッケージ10の光取り出し側とは反対側に充填するため、透明性は必要とせず、不透明な材料を用いても良い。
【0080】
以上説明した本実施例13では、LEDパッケージ10と回路基板24との間の隙間に高熱伝導性絶縁材料36を充填するようにしたので、LEDチップ12や配線22で発生した熱を高熱伝導性絶縁材料36を介して回路基板24へ効率良く伝達して放熱させることができ、LEDチップ12や配線22の温度上昇を抑制して発光量を増やすことができる。
【0081】
尚、本実施例13では、LEDパッケージ10を回路基板24に実装した後、両者間の隙間に高熱伝導性絶縁材料36を充填するようにしたが、高熱伝導性絶縁材料36として放熱シートを用いて、LEDパッケージ10を回路基板24に実装する前に、LEDパッケージ10又は回路基板24に放熱シートを貼り付けた後、LEDパッケージ10を回路基板24に実装して、LEDパッケージ10と回路基板24との間に放熱シートを挟み込むようにしても良い。
【実施例14】
【0082】
図14に示す本発明の実施例14では、光透過型ケース11を成形する際に、放熱性部材である放熱リード37をリードフレーム13と共にインサート成形して、光透過型ケース11に放熱リード37をその一部が外方に突出するように埋設し、この放熱リード37のうちの外方に突出する部分に放熱板38を取り付けている。
【0083】
放熱リード37は、光透過型ケース11の内部のうちのLEDチップ12の光をできるだけ遮断しない位置で、且つ、熱の発生源であるLEDチップ12や配線22に対する絶縁性を確保できる範囲内で、これらにできるだけ近い位置に埋設されている。放熱リード37は、LEDパッケージ10と回路基板24との組立体を被取付部位に取り付ける取付部材としても利用できるように構成されている。放熱リード37は、どのような形状であっても良く、例えば、帯板状、プレート状であっても良く、表面積(伝熱面積)が広い方が放熱効果は高い。その他の構成は、前記実施例13と同じである。
【0084】
本実施例14では、LEDチップ12に電流を流す電気経路をリードフレーム13と配線22とから構成し、LEDチップ12や配線22で発生した熱を外部に放散する放熱経路を放熱リード37と放熱板38とから構成しているため、電気経路と放熱経路とを分離することができ、効率良く放熱することができる。
【0085】
更に、放熱リード37に取り付けた放熱板38を、LEDパッケージ10と回路基板24との組立体を被取付部位に取り付ける取付部材として使用すれば、該組立体の荷重を放熱板38で支えることができ、配線22の接続部に生じる応力を小さくすることができて、接続部の断線問題を回避することができる。
【0086】
[その他の実施例]
前記各実施例1〜14では、いずれも1つの光透過型ケース11に1つのLEDチップ12を実装したが、1つの光透過型ケース11に複数のLEDチップ12を実装するようにしても良い。
【符号の説明】
【0087】
10…LEDパッケージ、11…光透過型ケース、12…LEDチップ、13…リードフレーム、14…電極、15…ボンディングワイヤ、17…チップ実装凹部、21…絶縁材、22…配線、24…回路基板、25…半田ボール、26…封止材、28…レンズ機能部、31…光反射防止処理、32…蛍光体、33…蛍光体層、36…高熱伝導性絶縁材料(放熱性部材)、37…放熱リード(放熱性部材)、38…放熱板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14