(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029221
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】半導体装置用パッケージの集合体、半導体装置の集合体、半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/08 20060101AFI20161114BHJP
H01L 23/02 20060101ALI20161114BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20161114BHJP
H01L 23/31 20060101ALI20161114BHJP
H01L 21/56 20060101ALI20161114BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20161114BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20161114BHJP
【FI】
H01L23/08 A
H01L23/02 F
H01L23/30 B
H01L21/56 J
H01L33/48
H01L33/62
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-220468(P2015-220468)
(22)【出願日】2015年11月10日
(62)【分割の表示】特願2011-234085(P2011-234085)の分割
【原出願日】2011年10月25日
(65)【公開番号】特開2016-28456(P2016-28456A)
(43)【公開日】2016年2月25日
【審査請求日】2015年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091557
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 修
(72)【発明者】
【氏名】工藤 高明
(72)【発明者】
【氏名】池永 尚史
(72)【発明者】
【氏名】浦野 哲
【審査官】
小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−206039(JP,A)
【文献】
特開2011−138849(JP,A)
【文献】
特開2005−150603(JP,A)
【文献】
特表2008−512867(JP,A)
【文献】
特開2008−108836(JP,A)
【文献】
特開2010−153666(JP,A)
【文献】
特開2008−300553(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0235187(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/08
H01L 21/56
H01L 23/02
H01L 23/29
H01L 23/31
H01L 33/48
H01L 33/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形状に折り曲げられた複数のコンタクトと、明色の樹脂で成形され、前記複数のコンタクトを保持する第1ハウジングと、暗色の樹脂で成形され、前記第1ハウジングの所定の領域を覆う第2ハウジングと、複数の前記第2ハウジングを高密度に支持するキャリアとを備え、
前記コンタクトは、半導体素子が接続される第1接続部と、基板に接続される第2接続部と、前記第1、第2接続部を連結する連結部とを有し、
前記第1接続部は、前記第1ハウジングの上面部に形成された前記半導体素子を収容する収容空間へ露出し、
前記第2接続部は、前記第1、第2ハウジングの下部から外部へ露出し、
前記連結部と少なくとも前記第1ハウジングとがインサートモールド成形により一体化されており、
前記キャリアは、
前記第1ハウジングの成形時に前記複数のコンタクトを支持するために用いられ、前記第2ハウジングの成形前に前記複数のコンタクトから分離される一次成形用キャリアと別のキャリアである
ことを特徴とする半導体装置用パッケージの集合体。
【請求項2】
前記コンタクトの厚さ寸法は前記キャリアの厚さ寸法より小さい
ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置用パッケージの集合体。
【請求項3】
前記連結部は前記第1ハウジングの高さ方向へ延び、
前記第1、第2接続部は前記第1ハウジングの高さ方向と直交する方向へ延びる
ことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置用パッケージの集合体。
【請求項4】
前記所定の領域が、前記第1ハウジングの外周面と前記第1ハウジングの内部壁面とである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の半導体装置用パッケージの集合体。
【請求項5】
前記連結部が前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとで挟みつけられている
ことを特徴とする請求項4記載の半導体装置用パッケージの集合体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の前記第1接続部に接続された前記半導体素子が、前記収容空間に充填された透明な樹脂によって前記収容空間に封止されている
ことを特徴とする半導体装置の集合体。
【請求項7】
前記半導体素子が発光ダイオードであることを特徴とする請求項6記載の半導体装置の集合体。
【請求項8】
所定の形状に折り曲げられた複数のコンタクトと、明色の樹脂で成形され、前記複数のコンタクトを保持する第1ハウジングと、暗色の樹脂で成形され、前記第1ハウジングの所定の領域を覆う第2ハウジングとを備え、
前記コンタクトは、半導体素子が接続される第1接続部と、基板に接続される第2接続部と、前記第1、第2接続部を連結する連結部とを有し、
前記第1接続部は、前記第1ハウジングの上面部に形成された前記半導体素子を収容する収容空間に露出し、
前記第2接続部は、前記第1、第2ハウジングの下部から外部へ露出し、
前記連結部と少なくも前記第1ハウジングとがインサートモールド成形により一体化されている
半導体装置の製造方法であって、
前記コンタクトの前記連結部を前記明色の樹脂でインサートモールド成形して前記第1ハウジングに保持させる一次成形工程と、
前記一次成形工程の後、前記複数のコンタクトを支持している一次成形用キャリアを取り外す一次成形用キャリア取外し工程と、
前記一次成形用キャリア取外し工程の後、二次成形用キャリアに形成された複数のハウジング収容孔に前記第1ハウジングを収容し、前記第1ハウジングと前記ハウジング収容孔内の前記第1ハウジングへ向かって突出する前記二次成形用キャリアの突起部とを前記暗色の樹脂でインサートモールド成形して、前記第1ハウジングの所定の領域を覆うとともに、前記第1ハウジングと前記突起部とを連結させる前記第2ハウジングを成形する二次成形工程と、
前記二次成形工程の後、前記半導体素子を前記第1ハウジングの収容空間に収容して前記第1接続部に接続し、その収容空間に透明な樹脂を充填する半導体素子搭載工程と、
前記半導体素子搭載工程の後、前記第2ハウジングから前記二次成形用キャリアを取り外す二次成形用キャリア取外し工程と
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は半導体装置用パッケージの集合体、半導体装置の集合体、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のパッケージを一括で製造する発光装置の製造方法が知られている(下記特許文献1参照)。この製造方法を
図28〜
図32に基づいて説明する。なお、
図28〜
図32はそれぞれ下記特許文献1の
図1、
図7〜
図10に対応する。但し、図中の符号は変更され、一部の符号は削除されている。
【0003】
まず、
図32(a)、(b)に示すように、上金型931aと下金型931bとで形成される空間に白色の第2樹脂材料を充填し、第2成形樹脂906と導体部904とを一体に成型する(一次成型)。その結果、1つの基板911(
図29参照)に複数の第2成形樹脂906が等間隔に並ぶ。第2成形樹脂906は基板911の導体部904a〜904hに保持される(
図30(a)、
図31(a)参照)。なお、基板911は1枚の金属薄板を打抜き加工した平板状のものであり、発光装置901のリードとなる複数組の導体部904a〜904fと、複数組の導体部904a〜904fを支持するキャリア915とで構成されている。また、導体部904a〜904fは水平に延びている。
【0004】
次に、
図32(c)、(d)に示すように、上金型941aと下金型941bとで形成される空間に黒色の第1樹脂材料を充填し、第1成形樹脂905と第2成形樹脂906と導体部904(904a〜904h)とを一体に成型する(二次成型)。その結果、パッケージ902が形成される。
【0005】
その後、パッケージ902の凹部902aの底面902cに発光素子903を配置し、凹部902aの底面902cに露出している導体部904a〜904fの一部分と発光素子903の電極端子とをワイヤ907で電気的に接続する。
【0006】
次に、パッケージ902の凹部902aに封止材料を注入、硬化させて封止部材(図示せず)を形成する。
【0007】
その後、パッケージ902が並んだ基板911からパッケージ902を切り出す。
【0008】
最後に、パッケージ902の側面902eから水平に露出した導体部904a〜904fを、パッケージ902の側面902eから裏面(底面)902fに沿うように屈曲させて、外部接続用の端子部を形成する。
【0009】
この製造方法により製造された発光装置901は例えば表示装置(図示せず)の部品として用いられる。この場合、複数の発光装置901は図示しない基板上にマトリクス状に配置され、半田付けされる。また、基板上に配置された発光装置901の周囲に黒色の樹脂を流し込み、黒色の樹脂層(図示せず)を形成し、その樹脂層で、発光装置901の側面902eに露出した導体部904a〜904fを覆い、高いコントラストを確保する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011−138849号公報(段落0067、0072〜0078、
図1、
図7〜
図10等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の発光装置901の高さ寸法(パッケージ902の上面902dから導体部904a〜904fの外部接続用の端子部までの長さ)が大きくない場合、表示装置の製造において、発光装置901の周囲に黒色の樹脂を流し込んだとき、その樹脂が発光装置901の封止部材の表面に付着するおそれがある。
【0012】
これを避けるには、導体部904a〜904fを長くして発光装置901の高さ寸法を大きくすればよい。しかし、そのようにすると、基板911上のパッケージ902の配置ピッチが大きくなり、基板911に保持されるパッケージ902の密度が低くなり、発光装置901の製造効率が悪くなる。
【0013】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は、キャリアに保持される半導体装置用パッケージの数を多くすることができるようにして半導体装置の製造効率を高くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の課題を解決するため請求項1記載の発明の半導体装置用パッケージの集合体は、所定の形状に折り曲げられた複数のコンタクトと、明色の樹脂で成形され、前記複数のコンタクトを保持する第1ハウジングと、暗色の樹脂で成形され、前記第1ハウジングの所定の領域を覆う第2ハウジングと、複数の前記第2ハウジングを高密度に支持するキャリアとを備え、前記コンタクトは、半導体素子が接続される第1接続部と、基板に接続される第2接続部と、前記第1、第2接続部を連結する連結部とを有し、前記第1接続部は、前記第1ハウジングの上面部に形成された前記半導体素子を収容する収容空間へ露出し、前記第2接続部は、前記第1、第2ハウジングの下部から外部へ露出し、前記連結部と少なくとも前記第1ハウジングとがインサートモールド成形により一体化されており、前記キャリアは、前記第1ハウジングの成形時に前記複数のコンタクトを支持するために用いられ、前記第2ハウジングの成形前に前記複数のコンタクトから分離される一次成形用キャリアと別のキャリアであることを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体装置用パッケージの集合体において、前記コンタクトの厚さ寸法は前記キャリアの厚さ寸法より小さいことを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の半導体装置用パッケージの集合体において、前記連結部は前記第1ハウジングの高さ方向へ延び、前記第1、第2接続部は前記第1ハウジングの高さ方向と直交する方向へ延びることを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の半導体装置用パッケージの集合体において、前記所定の領域が、前記第1ハウジングの外周面と前記第1ハウジングの内部壁面とであることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の半導体装置用パッケージの集合体において、前記連結部が前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとで挟みつけられていることを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明の半導体装置の集合体は、請求項1〜5のいずれか1項記載の前記第1接続部に接続された前記半導体素子が、前記収容空間に充填された透明な樹脂によって前記収容空間に封止されていることを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の半導体装置の集合体において、前記半導体素子が発光ダイオードであることを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明の半導体装置の製造方法は、所定の形状に折り曲げられた複数のコンタクトと、明色の樹脂で成形され、前記複数のコンタクトを保持する第1ハウジングと、暗色の樹脂で成形され、前記第1ハウジングの所定の領域を覆う第2ハウジングとを備え、前記コンタクトは、半導体素子が接続される第1接続部と、基板に接続される第2接続部と、前記第1、第2接続部を連結する連結部とを有し、前記第1接続部は、前記第1ハウジングの上面部に形成された前記半導体素子を収容する収容空間に露出し、前記第2接続部は、前記第1、第2ハウジングの下部から外部へ露出し、前記連結部と少なくも前記第1ハウジングとがインサートモールド成形により一体化されている半導体装置の製造方法であって、前記コンタクトの前記連結部を前記明色の樹脂でインサートモールド成形して前記第1ハウジングに保持させる一次成形工程と、前記一次成形工程の後、前記複数のコンタクトを支持している一次成形用キャリアを取り外す一次成形用キャリア取外し工程と、前記一次成形用キャリア取外し工程の後、二次成形用キャリアに形成された複数のハウジング収容孔に前記第1ハウジングを収容し、前記第1ハウジングと前記ハウジング収容孔内の前記第1ハウジングへ向かって突出する前記二次成形用キャリアの突起部とを前記暗色の樹脂でインサートモールド成形して、前記第1ハウジングの所定の領域を覆うとともに、前記第1ハウジングと前記突起部とを連結させる前記第2ハウジングを成形する二次成形工程と、前記二次成形工程の後、前記半導体素子を前記第1ハウジングの収容空間に収容して前記第1接続部に接続し、その収容空間に透明な樹脂を充填する半導体素子搭載工程と、前記半導体素子搭載工程の後、前記第2ハウジングから前記二次成形用キャリアを取り外す二次成形用キャリア取外し工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、キャリアに保持される半導体装置用パッケージの数を多くすることができるようにして半導体装置の製造効率を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1はこの発明の一実施形態の半導体装置用パッケージの集合体の平面図である。
【
図2】
図2は
図1に示す半導体装置用パッケージの集合体の側面図である。
【
図3】
図3は
図1に示す半導体装置用パッケージのA部の拡大斜視図である。
【
図7】
図7は一次成形用キャリアに支持されたコンタクトの斜視図である。
【
図8】
図8は一次成形用キャリアに支持されたコンタクトであって、
図7に示すコンタクトに組み合わされるコンタクトの斜視図である。
【
図9】
図9は
図7に示すコンタクトと
図8に示すコンタクトとが互いに向き合っている状態を示す斜視図である。
【
図10】
図10はインサートモールド成形により、コンタクトと第1ハウジングとを一体化して構成されたパッケージ中間体の斜視図である。
【
図13】
図13は
図10に示す一次成形用キャリアから切り離されたパッケージ中間体の斜視図である。
【
図18】
図18は
図14のXVIII-XVIIII線に沿うパッケージ中間体の断面図である。
【
図19】
図19はパッケージ中間体を二次成形用キャリアのハウジング収容孔に収容する前の状態を示す斜視図である。
【
図20】
図20はパッケージ中間体を二次成形用キャリアのハウジング収容孔に収容した状態を示す斜視図である。
【
図21】
図21はパッケージ中間体を二次成形用キャリアのハウジング収容孔に収容した状態を示す平面図である。
【
図24】
図24は
図3に示す半導体装置用パッケージに発光ダイオードを搭載した後、半導体装置用パッケージの収容空間に透明な樹脂を充填した状態を示す斜視図である。
【
図26】
図26は複数の発光装置をプリント基板に実装した状態を示す斜視図である。
【
図27】
図27は
図26に示す複数の発光装置の周囲に黒色の樹脂を充填した状態を示す斜視図である。
【
図29】従来の発光装置の製造過程のパッケージアッセンブリの一例を示す平面図である。
【
図30】従来の発光装置の製造過程のパッケージ下部側の形状を示す斜視図であって、(a)は一次成型完了時の形状、(b)は二次成型完了時の形状をそれぞれ示している。
【
図31】従来の発光装置の製造過程のパッケージ上部側の形状を示す斜視図であって、(a)は一次成型完了時の形状、(b)は二次成型完了時の形状をそれぞれ示している。
【
図32】従来の発光装置の製造工程を模式的に示す断面図であって、(a)は一次成型用金型の一例、(b)は一次成型工程、(c)は二次成型用金型の一例、(d)は二次成型工程をそれぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1〜
図6に示すように、この発明の一実施形態の半導体装置用パッケージ70の集合体80は複数の半導体装置用パッケージ70と二次成形用キャリア60とで構成されている。
【0026】
半導体装置用パッケージ70は複数のコンタクト10と第1ハウジング20と第2ハウジング30とで構成されている。
【0027】
図6に示すように、各コンタクト10は第1接続部11と第2接続部12と連結部13とを有する。コンタクト10には例えば銀メッキが施される。コンタクト10の厚さ寸法(例えば0.15mm)は後述の二次成形用キャリア60の厚さ寸法(例えば0.2mm)よりも小さい。複数のコンタクト10には6種類のコンタクト10が含まれるが(
図7、
図8参照)、これらの主な違いは第1接続部11の形状だけであるので、種類ごとにコンタクト10を説明しない。
【0028】
第1接続部11には発光ダイオード(半導体素子)100(
図25参照)が搭載される。発光ダイオード100は第1接続部11にボンディングワイヤ(図示せず)により電気的に接続される。発光ダイオード100は赤色、緑色、青色発光ダイオードの3種類の発光ダイオードである。第1接続部11は後述する収容空間21に露出する。第2接続部12はプリント基板(基板)200(
図26参照)に半田付けにより電気的に接続される。第2接続部12は第1、第2ハウジング20,30の下部から外部へ露出している。連結部13は第1接続部11と第2接続部12とを連結する。
【0029】
連結部13は第1ハウジング20の高さ方向Hへ延び、第1、第2接続部11,12は高さ方向Hと直交する方向Cへ延びている。
【0030】
連結部13は第1ハウジング20と第2ハウジング30とで挟みつけられている。
【0031】
図3、
図4、
図5、
図6に示すように、第1ハウジング20は筐体状であり、内部に空間が形成されている(
図18参照)。また、第1ハウジング20の上面部には、発光ダイオード100を収容するための収容空間21が形成されている。第1ハウジング20は明色、例えば白色の樹脂によって成形されている。第2ハウジング30は第1ハウジング20の外周面(所定の領域)と第1ハウジング20の内部壁面(所定の領域)とを覆っている。第1ハウジング20の外周面は第1ハウジング20の正面20a、背面20b、両側面20cを含む(
図15参照)。第1ハウジング20の内部壁面は第1ハウジング20の内周面20d、天井面20eを含む(
図18参照)。第2ハウジング30は暗色、例えば黒色の樹脂によって形成されている。コンタクト10はインサートモールド成形により、第1ハウジング20と第2ハウジング30とに一体化されている。
【0032】
二次成形用キャリア60はハウジング収容孔61と突起部62とを有する。ハウジング収容孔61は第1ハウジング20及び第2ハウジング30を収容する。突起部62は第2ハウジング30を支持する。
【0033】
二次成形用キャリア60は金属板に打抜き加工を施すことによって形成されている。二次成形用キャリア60にはメッキが施されていない。
【0034】
次に、発光装置(半導体装置)120の製造方法を説明する。
【0035】
まず、金属板(図示せず)に打抜き加工及び曲げ加工を施すことによって
図7、
図8に示す複数のコンタクト10を形成する。このとき複数のコンタクト10と一次成形用キャリア40とは一体につながっている。一次成形用キャリア40はコンタクト10の第2接続部12に連なる。
【0036】
次に、
図9に示すように、一次成形用キャリア40に支持された複数のコンタクト10を一次成形用の金型(図示せず)の下金型に配置し、その下金型に上金型を組み合わせ、下金型と上金型とで形成される空間に白色の流動状態の樹脂を充填し、硬化させて
図10、
図11、
図12に示す第1ハウジング20を形成する(一次成形工程)。6つのコンタクト10と1つの第1ハウジング20とで1つのパッケージ中間体50が形成される。
【0037】
その後、パッケージ中間体50のコンタクト10を支持している一次成形用キャリア40を切り離す(一次成形用キャリア取外し工程)。その結果、
図13〜
図18に示す単体の状態のパッケージ中間体50が得られる。
【0038】
次に、二次成形工程に移り、複数のパッケージ中間体50を二次成形用の金型(図示せず)の下金型内に整列させる(
図19参照)。
【0039】
その後、
図19に示すように、整列されたパッケージ中間体50にその上方から二次成形用キャリア60を被せて、
図20、
図21、
図22、
図23に示すように、二次成形用キャリア60の複数のハウジング収容孔61にそれぞれパッケージ中間体50を収容する。
【0040】
次に、二次成形用の金型の下金型に上金型を組み合わせ、下金型と上金型とで形成される空間に流動状態の黒色の樹脂を充填し、硬化させて
図4に示す第2ハウジング30を成形する。このとき黒色の樹脂によって第1ハウジング20の外周面及び内部壁面がそれぞれ覆われる。このようにして二次成形用キャリア60に高密度に支持された複数の半導体装置用パッケージ70(
図3参照)が形成され、二次成形工程が終了する。
【0041】
以上の工程により、二次成形用キャリア60と複数の半導体装置用パッケージ70とで構成される半導体装置用パッケージ70の集合体80が完成する(
図1〜
図4参照)。
【0042】
次に、図示しないマウンタを用いて発光ダイオード100(
図24、
図25参照)を収容空間21に露出する第1接続部11に接続し、収容空間21に流動状態の透明な樹脂110を充填し、硬化させて、
図24に示すように、収容空間21に発光ダイオード100を封止する(半導体素子搭載工程)。その結果、
図24に示すように、二次成形用キャリア60に支持された発光装置120の集合体が完成する。
【0043】
最後に、二次成形用キャリア60の突起部62から発光装置120を取り外す(二次成形用キャリア取外し工程)。以上の工程により、
図25に示す単体の状態の発光装置120が得られる。
【0044】
次に、発光装置120を用いる表示装置300の製造方法を説明する。
【0045】
まず、
図26に示すように、プリント基板200上に複数の発光装置120をマトリクス状に配置するとともに、半田付け実装する。
【0046】
その後、
図27に示すように、プリント基板200上の発光装置120の周囲に暗色、例えば黒色の流動状態の樹脂を充填し、硬化させて黒色の樹脂層210を形成する。発光装置120の高さ寸法が大きいので、黒色の樹脂が発光装置120の上面に誤って付着する作業ミスは生じにくい。黒色の樹脂層210を形成することにより、画像を表示したときに高いコントラストが得られる。
【0047】
以上の工程により表示装置300が完成する。
【0048】
この実施形態の作用効果は次の通りである。
【0049】
上述のように所定の形状に折り曲げられた複数のコンタクト10が第1ハウジング20で保持され(
図12参照)、第1ハウジング20を覆う第2ハウジング30が、高密度に配置可能な二次成形用キャリア60に支持されるので(
図21、
図24参照)、高さ寸法の大きな半導体装置用パッケージ70、ひいては高さ寸法の大きな発光装置120を製造することができ、表示装置300を製造するときの作業ミス(黒色の樹脂が発光装置120の上面に誤って付着すること)を減らすことができるとともに、高密度に整列された半導体装置用パッケージ70に対して発光ダイオード100を搭載できる。したがって、導体部904a〜904fが水平に延びた状態でキャリア915に支持され、パッケージ902がキャリア915に低密度に支持されることになる従来技術(
図29、
図31(b)参照)に較べ、効率良く発光装置120を製造することができる。
【0050】
また、半導体装置用パッケージ70を支持するために専用のキャリア(二次成形用キャリア60)を採用したので、コンタクト10の厚さ寸法を二次成形用キャリア60の厚さ寸法より小さくすることができる。したがって、コンタクトの形状の複雑化に対応することができるとともに、発光ダイオード100の搭載作業や二次成形作業に影響を与える二次成形用キャリア60の強度を確保することができる。
【0051】
更に、折り曲げられた状態のコンタクト10の連結部13と第1ハウジング20とがインサートモールド成形により一体化されているので、コンタクト10の連結部13が第1ハウジング20から剥がれにくく、第2接続部12の位置精度が確保される。したがって、表示装置300の製造時、プリント基板200に発光装置120を実装したとき、発光装置120がプリント基板200の実装面に対してほとんど傾かないので、表示装置300の画面にムラができにくい。この実施形態では、コンタクト10の連結部13は第1ハウジング20と第2ハウジング30とで挟みつけられているので、コンタクト10の連結部13は第1ハウジング20からより一層剥がれにくいということができる。
【0052】
なお、上述の実施形態では、コンタクト10の厚さ寸法を二次成形用キャリア60の厚さ寸法より小さくしたが、コンタクト10の厚さ寸法を二次成形用キャリア60の厚さ寸法と同等にしてもよいし、二次成形用キャリア60の厚さ寸法よりも大きくしてもよい。
【0053】
また、上述の実施形態では、第2ハウジング30は第1ハウジング20の外周面と第1ハウジング20の内部壁面を覆っているが、第2ハウジング30によって覆われる第1ハウジング20の所定の領域はこれに限られない。
【0054】
なお、上述の実施形態では、コンタクト10の連結部13が第1ハウジング20と第2ハウジング30とで挟みつけられているが、必ずしも連結部13を第1ハウジング20と第2ハウジング30とで挟みつけなくてもよい。
【0055】
また、この実施形態では、第1ハウジング20を白色の樹脂で成形し、第2ハウジング30を黒色の樹脂で成形したが、第1ハウジング20は白色に限られず、明色の樹脂で成形すればよく、第2ハウジング30は黒色に限られず、暗色の樹脂で成形すればよい。
【0056】
なお、半導体素子は発光ダイオード100に限られない。
【符号の説明】
【0057】
10:コンタクト、11:第1接続部、12:第2接続部、13:連結部
20:第1ハウジング、20a:第1ハウジングの正面、20b:第1ハウジングの背面、20c:第1ハウジングの側面、20d:第1ハウジングの内周面、20e:第1ハウジングの天井面、21:収容空間
30:第2ハウジング
40:一次成形用キャリア
50:パッケージ中間体
60:二次成形用キャリア、61:ハウジング収容孔、62:突起部
70:半導体装置用パッケージ
80:半導体装置用パッケージの集合体
100:発光ダイオード(半導体素子)
110:透明な樹脂
120:発光装置(半導体装置)
200:プリント基板(基板)
210:黒色の樹脂層
300:表示装置
H:高さ方向
C:高さ方向Hと直交する方向