特許第6029229号(P6029229)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029229
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】人体検知センサ及び自動水栓
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/05 20060101AFI20161114BHJP
   G01V 8/10 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   E03C1/05
   G01V9/04 S
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-215812(P2012-215812)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-70380(P2014-70380A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】白井 雄喜
(72)【発明者】
【氏名】橋本 衛
(72)【発明者】
【氏名】田中 健太
(72)【発明者】
【氏名】板頭 伸明
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 安住
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/043663(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00−1/10
G01V 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次元あるいは2次元的に画素が配列された撮像素子を含む撮像部と、この撮像部に対してオフセットして配置された発光部と、を備え、この発光部が投射した光によって生じた反射光を前記撮像部が受光して検知対象を検知する人体検知センサであって、
前記発光部による発光及び前記撮像部による受光が行われる撮像動作を制御する撮像制御手段と、
前記撮像素子を構成する画素の受光量を読み出す読出手段と、
少なくともいずれかの画素の受光量を利用して検知対象の有無を判定する手段であって、判定精度が異なる第1及び第2の判定手段と、
これら第1及び第2の判定手段がいずれも検知対象が有ると判定したときに、検知と判断する検知判断手段と、を備え、
前記第1の判定手段よりも判定精度が高い前記第2の判定手段は、前記第1の判定手段よって検知対象が有ると判定されたことを条件として検知対象の有無の判定を実行し
前記撮像制御手段による第1の撮像動作に応じて読み出された少なくともいずれかの画素の受光量を利用して前記第1の判定手段が検知対象が有ると判定したとき、前記撮像制御手段により第2の撮像動作が実行されると共に、この第2の撮像動作に応じて読み出された少なくともいずれかの画素の受光量を利用して前記第2の判定手段が検知対象の有無の判定を実行する場合が設けられ、
前記第1の撮像動作と前記第2の撮像動作とでは、前記発光部による発光時間及び/又は発光強度が相違しており、前記第1の撮像動作の方が発光量が小さい人体検知センサ。
【請求項2】
請求項において、前記撮像制御手段は、前記第1の撮像動作に応じて読み出された画素の受光量がいずれも所定の閾値未満のとき、前記第1の撮像動作よりも前記発光部による発光量が大きい前記第2の撮像動作を実行する一方、いずれかの画素の受光量が所定の閾値以上であるときには、前記第2の撮像動作を実行しないように構成され、
前記第2の判定手段は、前記第2の撮像動作が実行された場合には、この第2の撮像動作に応じて読み出された少なくともいずれかの画素の受光量を利用して検知対象の有無を判定し、前記第1の撮像動作に応じて読み出されたいずれかの画素の受光量が所定の閾値以上であったために前記第2の撮像動作が実行されなかった場合には、前記第1の撮像動作に応じて読み出された少なくともいずれかの画素の受光量を利用して検知対象の有無を判定する人体検知センサ。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記撮像部と前記発光部とのオフセット方向に、前記撮像素子を構成する画素が配列された領域である受光エリア内の前記反射光の入射位置を特定することにより、三角測量の原理に基づいて検知対象までの距離あるいは距離の度合いを表す計測距離を求める測距手段を備え、
前記第1の判定手段は、画素の受光量に関する閾値判断によって検知対象の有無を判定し、
前記第2の判定手段は、前記計測距離に関する閾値判断を含む判定処理を実行して検知対象の有無を判定し、これにより、判定精度が前記第1の判定手段よりも高くなっている人体検知センサ。
【請求項4】
請求項1又は2において、前記撮像部と前記発光部とのオフセット方向に、前記撮像素子を構成する画素が配列された領域である受光エリア内の前記反射光の入射位置を特定することにより、三角測量の原理に基づいて検知対象までの距離あるいは距離の度合いを表す計測距離を求める測距手段を備え、
前記第1及び第2の判定手段は、いずれも、前記計測距離に関する閾値判断を含む判定処理を実行して検知対象の有無を判定する一方、
前記第2の判定手段に適用される前記計測距離の精度は、前記第1の判定手段に適用される前記計測距離の精度よりも高くなっており、これにより前記第2の判定手段の方が前記第1の判定手段よりも判定精度が高くなっている人体検知センサ。
【請求項5】
底部に排水口を設けた鉢に吐水する水栓と、
請求項1〜のいずれか1項に記載された人体検知センサと、
この人体検知センサの検知信号に応じて、前記水栓の吐水・止水の切替、あるいは吐水量の調整を実行する給水制御手段と、を備えた自動水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動水栓や小便器用の自動洗浄装置などに適用される人体検知センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、使用者の手かざし操作を検知して自動的に吐水する自動水栓や、近づいて来た使用者を検知して自動的に洗浄水を供給する小便器用の自動洗浄装置などが知られている。これら自動水栓や自動洗浄装置などには、接近した人体を検知するための人体検知センサが組み込まれている。このような人体検知センサとしては、LED等の発光素子と、PSD(Position Sensitive Detector:光位置センサ)等の受光素子と、がオフセットして配置されたセンサが知られている。
【0003】
この人体検知センサは、検知対象からの反射光がPSDに入射した位置を特定し、いわゆる三角測量の原理により検知対象までの距離を計測している。PSDは、入射光の重心位置に応じた信号を出力する非常にシンプルな受光素子であり、低消費電力であるという利点がある。一方、PSDで取得できる情報は位置情報のみであり、外乱光の入射時に採り得る対処方法が少ないという実情がある。それ故、例えば、PSDを含む人体検知センサを利用した洗面台の自動水栓では、洗面鉢からの鏡面反射光など外乱光の影響で誤検知が生じ、誰もいないのに吐水が開始されるといった誤作動が起こり得る。
【0004】
検知性能の向上を目的として、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を利用した人体検知センサが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。撮像素子を利用した人体検知センサであれば、例えば、画素毎の受光量の分布情報等を活用して外乱光の影響を排除し、検知性能を向上できる可能性がある。
【0005】
しかしながら、前記従来の撮像素子を利用した人体検知センサでは、次のような問題がある。すなわち、撮像素子を利用すれば誤検知を抑制できる可能性がある一方、PSD等のシンプルな受光素子に比べて消費電力が大きい撮像素子を採用した人体検知センサでは、消費電力が大きくなり良好な省エネルギー性能が得られないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−207012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、CCDやCMOSなどの撮像素子を採用することで検知性能の向上を実現すると共に、消費電力の上昇を抑えて良好な省エネルギー性能を実現した人体検知センサ、及び自動水栓を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、1次元あるいは2次元的に画素が配列された撮像素子を含む撮像部と、この撮像部に対してオフセットして配置された発光部と、を備え、この発光部が投射した光によって生じた反射光を前記撮像部が受光して検知対象を検知する人体検知センサであって、
前記発光部による発光及び前記撮像部による受光が行われる撮像動作を制御する撮像制御手段と、
前記撮像素子を構成する画素の受光量を読み出す読出手段と、
少なくともいずれかの画素の受光量を利用して検知対象の有無を判定する手段であって、判定精度が異なる第1及び第2の判定手段と、
これら第1及び第2の判定手段がいずれも検知対象が有ると判定したときに、検知と判断する検知判断手段と、を備え、
前記第1の判定手段よりも判定精度が高い前記第2の判定手段は、前記第1の判定手段よって検知対象が有ると判定されたことを条件として検知対象の有無の判定を実行し
前記撮像制御手段による第1の撮像動作に応じて読み出された少なくともいずれかの画素の受光量を利用して前記第1の判定手段が検知対象が有ると判定したとき、前記撮像制御手段により第2の撮像動作が実行されると共に、この第2の撮像動作に応じて読み出された少なくともいずれかの画素の受光量を利用して前記第2の判定手段が検知対象の有無の判定を実行する場合が設けられ、
前記第1の撮像動作と前記第2の撮像動作とでは、前記発光部による発光時間及び/又は発光強度が相違しており、前記第1の撮像動作の方が発光量が小さい人体検知センサにある(請求項1)。
【0009】
本発明の第2の態様は、底部に排水口を設けた鉢に吐水する水栓と、
前記第1の態様をなす人体検知センサと、
この人体検知センサの検知信号に応じて、前記水栓の吐水・止水の切替、あるいは吐水量の調整を実行する給水制御手段と、を備えた自動水栓にある(請求項)。
【0010】
本発明に係る人体検知センサは、検知対象の有無を判定するための2種類の判定手段を備えている。この人体検知センサでは、前記第1の判定手段により検知対象が有ると判定されたとき前記第2の判定手段による判定が実行される。第1の判定手段と第2の判定手段とでは、検知対象の有無の判定精度が異なっており、第1の判定手段の方が判定精度が低く、第2の判定手段の方が判定精度が高くなっている。
【0011】
一般に、要求される判定精度が高ければ、判定処理の内容が緻密あるいは複雑となる。処理内容が緻密だったり複雑であれば、当然に処理中の計算負荷等が増えることになるので消費電力等が大きくなる。また、前記発光部による発光量を大きくすれば、検知対象からの反射光の強度が大きくなるので、前記撮像素子の熱雑音等の暗電流ノイズが低減されてS/N比が向上し、判定精度が向上する。一方、発光量を大きくすれば、当然ながら消費電力が大きくなる。
【0012】
本発明に係る人体検知センサでは、判定精度が高い方の前記第2の判定手段による判定の実行条件として、前記第1の判定手段により検知対象が有ると判定されたという条件が設定されている。この人体検知センサでは、検知を実行する都度、前記第2の判定手段による判定を実行する必要がないのでその実行回数を抑制でき、消費電力を抑制できる。特に、例えば、洗面台やキッチン等の自動水栓に前記人体検知センサが適用された場合には、1日のうちの大半を占める止水期間において前記第2の判定手段による判定の実行回数を少なくでき、消費電力を効果的に削減できる。
【0013】
以上のように、本発明の人体検知センサ、及びこの人体検知センサを備えた自動水栓は、検知性能を損なうことなく消費電力が抑制された省エネ効果の高い優れた製品である。
【0014】
本発明において、検知対象の有無の判定精度を左右する要因としては、検知対象に向けて前記発光部から投射する光量や、判定処理を実行する際に取り扱う画素の数や、判定処理において実行される処理の種類数や、判定処理の計算において取り扱うデータの有効桁数等がある。
例えば、前記撮像素子の全ての画素を取り扱うことなく取り扱う画素の数を端折れば、計算回数等を低減でき消費電力を少なくできる。一方、判定処理に利用される画素の数が少なくなれば、画像的な情報量が少なくなるので、検知対象の有無の判定精度が低くなる傾向にある。
例えば、反射光の受光量の閾値判断による判定に加えて、その検知対象までの距離を判断する処理を実行すれば、計算負荷が大きくなって消費電力が増えるものの判定精度を効果的に向上できる。例えば、洗面鉢用の自動水栓への適用では、距離を判断することで鉢面等の誤検知を低減でき、検知精度を向上できる。
【0015】
本発明に係る人体検知センサに適用する撮像素子としては、CCDやCMOSを利用した撮像素子を利用できる。
本発明の第2の態様をなす自動水栓における吐水量の調整としては、吐水開始や、吐水停止や、吐水量の増減等の調整がある。
【0016】
本発明に係る人体検知センサにおける撮像制御手段による第1の撮像動作に応じて読み出された少なくともいずれかの画素の受光量を利用して前記第1の判定手段が検知対象が有ると判定したとき、前記撮像制御手段により第2の撮像動作が実行されると共に、この第2の撮像動作に応じて読み出された少なくともいずれかの画素の受光量を利用して前記第2の判定手段が検知対象の有無の判定を実行する場合が設けられ、
前記第1の撮像動作と前記第2の撮像動作とでは、前記発光部による発光時間及び/又は発光強度が相違しており、前記第1の撮像動作の方が発光量が小さくなっている
【0017】
前記第2の判定手段による判定では、前記発光部の発光量が大きい前記第2の撮像動作が実行される場合がある。この第2の判定手段による判定の実行回数を減らせば、前記発光部による消費電力の大きい前記第2の撮像動作の実行回数を低減でき、消費電力を確実性高く低減できる。
【0018】
本発明の好適な一態様の人体検知センサにおける撮像制御手段は、前記第1の撮像動作に応じて読み出された画素の受光量がいずれも所定の閾値未満のとき、前記第1の撮像動作よりも前記発光部による発光量が大きい前記第2の撮像動作を実行する一方、いずれかの画素の受光量が所定の閾値以上であるときには、前記第2の撮像動作を実行しないように構成され、
前記第2の判定手段は、前記第2の撮像動作が実行された場合には、この第2の撮像動作に応じて読み出された少なくともいずれかの画素の受光量を利用して検知対象の有無を判定し、前記第1の撮像動作に応じて読み出されたいずれかの画素の受光量が所定の閾値以上であったために前記第2の撮像動作が実行されなかった場合には、前記第1の撮像動作に応じて読み出された少なくともいずれかの画素の受光量を利用して検知対象の有無を判定する(請求項)。
【0019】
前記第1の判定手段による判定の際に実行される前記第1の撮像動作では、前記発光部の発光量が小さくなっている。このような第1の撮像動作であっても、検知対象が近接していたり、反射面の反射率が高いような場合であれば、前記第2の判定手段にとっても十分な受光量が得られる場合がある。このような場合、前記第2の撮像動作を実行せず、前記第1の撮像動作による受光量を利用すれば、消費電力が大きい前記第2の撮像動作の実行回数を一層低減でき、消費電力をさらに低減できる。
【0020】
本発明の好適な一態様の人体検知センサは、前記撮像部と前記発光部とのオフセット方向に、前記撮像素子を構成する画素が配列された領域である受光エリア内の前記反射光の入射位置を特定することにより、三角測量の原理に基づいて検知対象までの距離あるいは距離の度合いを表す計測距離を求める測距手段を備え、
前記第1の判定手段は、画素の受光量に関する閾値判断によって検知対象の有無を判定し、
前記第2の判定手段は、前記計測距離に関する閾値判断を含む判定処理を実行して検知対象の有無を判定し、これにより、判定精度が前記第1の判定手段よりも高くなっている(請求項)。
【0021】
距離的な判断を行えば検知対象の有無の判定精度を確実性高く向上できる一方、計算処理が複雑となって消費電力が増える傾向にある。上記のように構成すれば、前記第1の判定手段により肯定的な判定がなされたときのみ、測距のための計算処理を実行すれば良くなる。前記計測距離に関する閾値判断により高い判定精度を実現しつつ、測距の実行回数を抑制することで、平均的な計算負荷を低減して消費電力を抑制できる。
なお、前記計測距離としては、検知対象までの距離の絶対値であっても良いが、この距離に比例する指標であっても良い。この指標としては、例えば、前記受光エリア内の反射光の入射位置等を利用可能である。さらに、この入射位置としては、反射光の受光波形のピーク(最大受光量)の位置や、受光波形の重心位置等を利用できる。
【0022】
本発明の好適な一態様の人体検知センサは、前記撮像部と前記発光部とのオフセット方向に、前記撮像素子を構成する画素が配列された領域である受光エリア内の前記反射光の入射位置を特定することにより、三角測量の原理に基づいて検知対象までの距離あるいは距離の度合いを表す計測距離を求める測距手段を備え、
前記第1及び第2の判定手段は、いずれも、前記計測距離に関する閾値判断を含む判定処理を実行して検知対象の有無を判定する一方、
前記第2の判定手段に適用される前記計測距離の精度は、前記第1の判定手段に適用される前記計測距離の精度よりも高くなっており、これにより前記第2の判定手段の方が前記第1の判定手段よりも判定精度が高くなっている(請求項)。
【0023】
前記計測距離の精度は、前記反射光の入射位置を特定する精度や、各画素の受光量のS/N比等に依存している。例えば、光量が最大となる画素の位置を前記入射位置として特定する簡易的な方法では、入射位置の特定精度を十分に確保できないので、前記計測距離の精度は低くなる傾向にある。一方、受光量の分布波形である受光波形の重心位置等を算出し、その重心位置を前記入射位置として特定すれば、入射位置の特定精度を確保でき前記計測距離の精度が向上する。また、熱雑音等、ある程度の暗電流ノイズが不可避である撮像素子では、適度に大きい受光量が得られるように前記発光部による発光量を大きくすればS/N比を向上できる。前記撮像素子についてS/N比が向上すれば、入射位置の特定精度が高くなり前記計測距離の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施例1における、自動水栓を備えた洗面台を示す斜視断面図。
図2】実施例1における、センサユニットの断面構造を示す断面図(図1中のA−A線矢視断面図)。
図3】実施例1における、ラインセンサを示す斜視図。
図4】実施例1における、人体検知センサのシステム構成を示すブロック図。
図5】実施例1における、止水(非検知状態)中の検知処理の流れを示すフロー図。
図6】実施例1における、発光パターンを示すタイムチャート図。
図7】実施例1における、第1の撮像動作に応じた受光波形を例示する図。
図8】実施例1における、第2の撮像動作に応じた受光波形を例示する図。
図9】実施例1における、重心位置の計算方法を説明する説明図。
図10】実施例1における、距離を利用した検知原理を説明する説明図。
図11】実施例1における、第1の撮像動作に応じた受光波形に適用する閾値の説明図。
図12】実施例1における、その他の発光パターンを示すタイムチャート図。
図13】実施例2における、第1の判定処理及び第2の判定処理の内容を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、洗面台15の水栓(自動水栓)16に人体検知センサ1を適用した例である。この内容について、図1図12を参照して説明する。
本例の洗面台15は、図1のごとく、凹状に窪む鉢151が設けられたカウンタ155と、吐水口168を有する水栓16と、を備えている。水栓16は、カウンタ155の上面をなすカウンタトップ156に立設されている。鉢151の最深部には、水を排水するための排水口152が配置されている。
【0026】
水栓16は、カウンタトップ156に立設された略円柱状の胴部160と、この胴部160の台座をなす基部161と、を有している。胴部160は、鉢151側に傾けた状態で基部161に支持されている。鉢151側に面する胴部160の側面には、略円筒形の吐水部162が取り付けられ、その先端には、吐水口168が開口している。この吐水部162の上側に当たる胴部160の側面には、人体検知センサ1の検知面を形成するフィルタ板165が配設されている。フィルタ板165は、赤外領域の光を選択的に透過する樹脂製フィルタである。
【0027】
本例の人体検知センサ1は、図1及び図2のごとく、水栓16に組み込まれたセンサユニット2と、センサユニット2を制御する制御ユニット3と、により構成されている。洗面台15では、この人体検知センサ1と、給水配管12に設けられた吐水弁(電磁弁)であるソレノイド(給水制御手段)11と、の組合せにより自動給水装置が形成されている。
【0028】
センサユニット2は、図1及び図2のごとく、LED素子251及びラインセンサ(撮像素子)261を筐体21に収容したユニットであり、制御ユニット3からの電力供給を受けて動作する。センサユニット2では、水栓16のフィルタ板165に面して発光部25及び撮像部26が並列して配置されている。赤外光を発光する発光部25は、LED素子251と投光レンズ255とにより構成されている。撮像部26は、ラインセンサ261と集光レンズ265とにより構成されている。発光部25と撮像部26とは、遮光性を備えた隔壁211を挟んで水平方向にオフセットして配置されている。
【0029】
LED素子251は、図2のごとく、パッケージ基板のキャビティに実装されたLEDチップ250が透明樹脂254により封止された発光素子である。発光部25では、縦方向(鉛直方向)のスリット孔253を設けた遮光性の素子ケース252によってLED素子251が覆われている。この発光部25によれば、水平方向の拡がり角が抑制されたシャープなスリット光を検知対象に向けて投射可能である。
【0030】
ラインセンサ261は、図1図3のごとく、受光量を電気的な物理量に変換する画素260が直線的に配列された1次元の撮像センサである。ラインセンサ261は、有効画素として64個の画素260を含んでいる。ラインセンサ261では、これら64個の画素260により受光エリア263が形成されている。ラインセンサ261は、図示しない電子シャッターを備えており、この電子シャッターを用いて各画素260の受光(露光)時間を調整可能である。ラインセンサ261は、受光動作を実行する毎に撮像データを出力する。本例の撮像データは、受光量を表す256階調の画素値が各画素260の並び順に配列された1次元のデジタルデータである。
【0031】
本例のセンサユニット2では、受光エリア263の長手方向が、発光部25と撮像部26とのオフセット方向に一致するようにラインセンサ261が組み込まれている。このセンサユニット2は、ラインセンサ261の受光エリア263によって鉢151の内周面である鉢面150が見込まれるよう、水栓16に組み込まれている。ラインセンサ261の撮像方向に手などの遮蔽物がない状態であれば、その撮像範囲に鉢面150が包含されることになる。
【0032】
制御ユニット3は、図1及び図4のごとく、センサユニット2及びソレノイド11を制御するユニットであり、商用電源から供給される電力により動作する。この制御ユニット3は、センサユニット2及びソレノイド11を制御する制御基板30を備えている。制御基板30には、ラインセンサ261及びLED素子251を制御する撮像制御部31と、検知処理を実行する検知処理部32と、ソレノイド11を制御する給水制御部33と、が設けられている。
【0033】
撮像制御部31は、LED素子251及びラインセンサ261を制御する撮像制御手段311、ラインセンサ261から撮像データ(各画素260の受光量の分布を表す受光波形)を読み出す読出手段312としての機能を備えている。
撮像制御手段311は、LED素子251の発光及びラインセンサ261の受光が行われる撮像動作を制御する手段である。特に、本例の撮像制御手段311は、動作期間と非動作期間が交互に現れる間欠動作が行われるようにラインセンサ261を制御する。撮像制御手段311は、前回の動作期間が終了してから所定のインターバル時間(本例では、500m秒。)が経過するまでラインセンサ261への電源供給を停止して非動作期間を設定し、インターバル時間が経過したときに電源供給を再開して動作期間を設定する。なお、本例の撮像制御手段311による撮像動作としては、LED素子251の発光時間が40μ秒の第1の撮像動作と、160μ秒の第2の撮像動作と、がある。発光強度は同様であるため、発光時間の長い第2の撮像動作の方がLED素子251の発光量が大きくなっている。
【0034】
検知処理部32は、検知対象の有無を判定する第1及び第2の判定手段321・322、反射光の入射位置を特定して距離を計測する測距手段323、検知か非検知かを判断する検知判断手段324、検知と判断されたときに検知信号を出力する検知出力手段325としての機能を備えている。以下、この検知処理部32による非検知状態下の検知処理の流れについて、図5の処理フローチャート、図6のLED素子251の発光タイミングのタイムチャート、及び図7図8のラインセンサ261の受光波形(各画素260の受光量の分布波形)を参照して説明する。
【0035】
非検知状態、すなわち止水中の検知処理では、図5のごとく、発光時間及び露光時間が40μ秒の第1の撮像動作(S101)、及び第1の判定手段321による第1の判定処理(S102)が、検知対象が有ると判定されるまで(S103:NO)、500m秒周期(S121)で実行される。500m秒周期の間欠動作で制御ユニット3が作動するこの間欠動作期間においては、図6中の同期間のLED素子251の発光パターンに同期してステップS101の第1の撮像動作が実行される。
【0036】
なお、本例では、1回の撮像動作の中で、LED素子251の発光と同期したラインセンサ261の露光(受光)と、無発光下のラインセンサ261の露光と、が連続的に実行され、2度の受光時の差分の受光量が画素毎に求められる。画素毎の差分の受光量が分布する受光波形では、周囲光の影響が抑圧され、LED光に起因した反射光の成分が抽出されている。このような撮像動作は、他の撮像動作についても同様であり、判定手段321、322による判定処理は、いずれも差分の受光波形を利用して実行される。
【0037】
第1の判定手段321によるステップS102の第1の判定処理は、ステップS101の第1の撮像動作により取得される図7の受光波形を利用して実行される。同図の横軸xは、画素番号(画素位置)を示し、縦軸D(x)は、画素番号xの画素の受光量(画素値)を示している。第1の判定処理では、この受光波形をなす各画素260の受光量と、所定の受光量閾値と、の比較が行われる。いずれかの画素260の受光量が受光量閾値(所定の閾値)を超えていれば、検知対象が有る旨の判定がなされる。
【0038】
ステップS102の第1の判定処理で検知対象が有ると判定されたときには(S103:YES)、上記のS101及びS102と同じ仕様の第1の撮像動作(S104)及び第1の判定処理(S105)が連続的に繰り返し実行される。ここでは、検知対象が無いと判定されない限り(S106:YES)、繰り返し回数が6回に達するまで(S107:NO)、2.50m秒周期(S122)で第1の撮像動作(S104)及び第1の判定処理(S105)が反復して実行される。この第1の反復動作期間においては、図6中の第1の反復動作期間におけるLED素子251の発光パターンに同期してステップS104の第1の撮像動作が繰り返し実行される。ステップS105の第1の判定処理等が6回繰り返される途中で、検知対象が無いと判定された場合(S106:NO)、500m秒周期(S121)でステップS101、S102の第1の撮像動作、第1の判定処理が実行される間欠動作期間に戻る。
【0039】
ステップS105の第1の判定処理で6回連続して検知対象有りと判定された場合(S107:YES)、発光時間及び受光時間が160μ秒の第2の撮像動作(S108)、及びこの第2の撮像動作により取得される図8の受光波形を利用した後述の第2の判定処理(S109)が実行される。第2の撮像動作(S108)及び第2の判定処理(S109)は、検知対象が無いと判定されるまで(S110:NO)、2.51m秒周期(S123)で6回反復して実行される。この第2の反復動作期間において、ステップS109の第2の判定処理で6回連続して検知対象有りと判定された場合(S111:YES)、検知と判断されて検知信号が出力され(S112)、検知状態へ移行する(S113)。
【0040】
一方、ステップS109の第2の判定処理等が6回繰り返される途中で、検知対象無しと判定された場合(S110:NO)、500m秒周期(S121)でステップS101の第1の撮像動作が実行される間欠動作期間に戻る。なお、これに代えて、ステップS110で検知対象無しと判定された場合の移行先を、ステップS104の第1の撮像動作としても良い。この場合には、ステップS104、105の第1の撮像動作及び判定処理が再度、繰り返し実行され、これにより、検知対象の有無を再度、確認できる。
【0041】
なお、本例では、ステップS104、105の第1の撮像動作及び判定処理が繰り返し実行される前記第1の反復動作期間と、ステップS108、109の第2の撮像動作及び判定処理が繰り返し実行される前記第2の反復動作期間とで、その繰り返し周期が相違している。第1の反復動作期間の周期が2.50m秒に設定されている一方、第2の反復動作期間の周期が2.51m秒に設定されている。このため、50Hzあるいは60Hz周期で点灯消灯を繰り返す蛍光灯の下でも精度の高い検知が可能になる。
【0042】
次に、第2の撮像動作(図5中のS108)により取得される図8の受光波形を利用した前記第2の判定手段322による第2の判定処理(同S109)の内容について説明する。この第2の判定処理は、前記測距手段323が図8の受光波形について特定する重心位置(入射位置)を利用して実行される。第2の判定処理では、重心位置に当たる画素260の受光量に関する閾値判断が実行されると共に、検知対象の検知距離に対応する検知エリア内にその重心位置が属しているか否かの判断が実行される。
【0043】
本例では、受光波形の重心位置を特定するため、図9のごとく、まず、受光波形を構成する画素毎の受光量データD(x)が積算され、64画素の画素値の総和SDが求められる。この総和SDは、図9中の右下がりの斜線ハッチングで示す領域の面積に相当している。この受光波形の重心位置は、受光エリア263の左端の画素番号x=ゼロの画素から順番に各画素260の画素値を積算した積算値がSD/2に達したときの画素番号Nの画素260(黒丸で図示)の位置として求められる。ここで、積算値SD/2は、右上がりの斜線ハッチングで示す領域の面積に相当している。この領域は、前記総和SDの領域に包含されており、同図において、クロスハッチの領域として把握される。なお、図9の画素毎の受光量の分布は、図8の受光波形を模式的に表したものである。
【0044】
図5中のステップS109の第2の判定処理では、まず、この重心位置に当たる画素260の受光量が所定の受光量閾値(図8参照。)を超えているか否かの判断がなされる。この閾値判断で否の判断がなされたときには、検知対象無しの判定がなされ、第2の判定処理がそのまま終了される。一方、重心位置に当たる画素260の受光量が受光量閾値を超えている場合には、反射光の入射位置を表す受光波形の重心位置が図8及び図9の検知エリア内に属しているか否かの判断がなされる。
【0045】
図8及び図9の検知エリアは、センサユニット2を利用した三角測量の原理を根拠として、次に説明するように設定されている。
本例の洗面台15におけるセンサユニット2、鉢面150、使用者の手の位置関係は、図10のごとく模式的に表現できる。LED光のうち検知対象である手による反射光の成分がラインセンサ261に入射する際、検知対象までの距離Hに応じてその入射位置が異なってくる。距離Hが短いほど、ラインセンサ261に入射する反射光の入射位置が同図中、上側となり、距離Hが長くなるほど下側に位置することになる。このように、ラインセンサ261に対する反射光の入射位置は、検知対象までの距離に比例しており、この距離の度合いを表す指標となり得る。上記の第2の判定処理に適用される図8及び図9の検知エリアは、検知の対象となる検知距離(図10)に対応するように受光エリア263内に設定されたエリアである。上記のように計算された重心位置を入射位置として取り扱い、その重心位置が検知エリア内であるか否かの判定は、反射光を生じた検知対象の距離が図10の検知距離の範囲に属しているか否かの判定と全く同義となっている。
【0046】
以上のように、本例の人体検知センサ1では、画素260の受光量に関する閾値判断のみの第1の判定処理と、検知対象までの距離的な判断を含み判定精度が高い第2の判定処理と、が2段階で実行される。判定精度が高い第2の判定処理は、LED素子251の発光量が大きい第2の撮像動作を伴って実行される一方、第1の判定処理によって検知対象が有ると判定されたときにしか実行されないので、その実行回数は少なくなっている。
【0047】
さらに、その第1の判定処理についても、繰り返し実行される際のインターバル時間が長い間欠動作期間と、連続的に6回繰り返し実行される(第1の)反復動作期間と、が設定されている。間欠動作期間の第1において検知対象が有ると判定されたとき、第1の判定処理が6回繰り返し実行される第1の反復動作期間に移行する。非検知状態の大部分は、間欠動作期間が設定され、消費電力が効果的に抑制されている。
【0048】
このように、本例の人体検知センサ1は、検知性能と省エネルギー性能とが両立された優れた特性を備えたセンサである。そして、この人体検知センサ1を備えた自動水栓16は、動作信頼性が高く省エネルギー性能が高い優れた製品となっている。
【0049】
なお、本例では、間欠動作期間において検知対象が有ると判定されたとき、第1の反復動作期間に移行して第1の判定処理を6回繰り返し実行している。さらに、この第1の反復動作期間において検知対象が有ると判定されたとき、第2の反復動作期間に移行して第2の判定処理を6回繰り返し実行している。本例に代えて、第1の反復動作期間を省略し、間欠動作期間から直ちに第2の反復動作期間に移行しても良い。第1の反復動作期間における繰り返し回数、及び第2の反復動作期間における繰り返し回数は、本例には限定されない。これらの回数は異なる回数であっても良く、繰り返しせず、実行回数を1回のみに設定しても良い。但し、処理を繰り返し実行すれば、検知の確実性を向上でき動作信頼性を向上できる。
【0050】
本例の第1の判定処理では、受光量が所定の受光量閾値(図7参照。)を超えている画素260が有るか否かの判断を行い、検知対象の有無を判定している。検知対象の有無を判定するための受光量閾値に加えて、第2の判定処理を実行する際の第2の撮像動作の要否を判断するための受光量閾値を追加設定することも良い。例えば、図11のごとく、第1の撮像動作による受光波形の中に受光量閾値(High)を超えている画素260が有れば、第2の判定処理を実行するに当たってLED素子251の発光量の増量は不要であり、第1の撮像動作の発光量で十分と判断できる。このような場合、図12のごとく、第2の判定処理が実行される第2の反復動作期間では、発光周期を除いて第1の反復動作期間と同様の発光パターンでLED素子251を発光させると良い。
【0051】
本例は、ラインセンサ261の受光(露光)時間の長さを制御するために電子シャッターを採用している。電子シャッターは必須ではなく省略することもできるが、電子シャッターに代えて、ラインセンサ261への光の入射を物理的に遮断する機械式シャッターを採用するのが良い。なお、ラインセンサ261の各画素260に感度のばらつきがある場合には、各画素260の画素値を補正してから検知処理を実行することも良い。
【0052】
本例では、反射光の入射位置を特定するに当たって、受光波形の重心位置を求めている。重心位置に代えて、受光波形のピークの位置を入射位置として特定しても良い。さらに、本例では、簡易的な計算により重心位置を算出しているが、計算処理能力に余裕があれば数学的に厳密に受光波形の重心位置を計算することも良い。
【0053】
なお、本例は、洗面台15に人体検知センサ1を適用した例であるが、キッチン用の水栓であっても良い。さらに、自動洗浄機能付きの小用便器の自動給水装置のセンサとして、本例の人体検知センサ1を適用することも可能である。さらには、手かざし操作や人体に反応して自動点灯する照明や自動扉等、各種の自動装置に対して、本例の人体検知センサ1を適用することもできる。
【0054】
なお、本例では、センサユニット2と制御ユニット3とを別体で構成している。これに代えて、センサユニット2と制御ユニット3とを一体的に構成し、水栓16に収容することも良い。
また、本例の人体検知センサ1は、給水制御部33を含んでいるが、給水制御部33を別体で構成することもできる。
【0055】
(実施例2)
本例は、実施例1の人体検知センサ1を基にして、第1の判定処理の内容を変更した例である。この内容について、図13を参照して説明する。
本例の第1の判定処理では、実施例1で説明した第2の判定処理と同様、重心位置に当たる画素260の受光量に関する閾値判断、及び重心位置が検知エリア内であるか否かの距離的な判断が実行される。本例の第1の判定処理が、第2の判定処理と相違する点は、受光量に関する閾値、及び検知エリアの設定である。
【0056】
図13(a)のごとく、第1の判定処理では、発光量の小さい第1の撮像動作に対応して、受光量閾値が小さく設定されている。この点については、実施例1と同様である。反射光の受光量が低めの受光波形を対象とする第1の判定処理では、重心位置(入射位置)の特定精度が低くなり、測距精度を十分に確保できない可能性が高い。このことから、第1の判定処理における検知エリアは、第2の判定処理を表す図13(b)の検知エリアよりも広く設定されている。本例の第1の判定処理では、このような広めの検知エリアの設定により、鉢面150等の誤検知を敢えて増やすことで、本来検知するべき対象が排除されるおそれが抑制されている。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
【0057】
以上、実施例1及び2のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0058】
1…人体検知センサ、15…洗面台、16…水栓(自動水栓)、11…ソレノイド(給水制御手段)、12…給水配管、2…センサユニット、25…発光部、251…LED素子、26…撮像部、260…画素、261…ラインセンサ(撮像素子)、263…受光エリア、3…制御ユニット、30…制御基板、31…撮像制御部、311…撮像制御手段、312…読出手段、32…検知処理部、321…第1の判定手段、322…第2の判定手段、323…測距手段、324…検知判断手段、325…検知出力手段、33…給水制御部
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10
図11
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図13