(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
リードの長手方向の一端部を半導体チップに電気接続した上で、前記リードの一端部及び前記半導体チップをモールド樹脂により封止し、前記リードの他端部を前記モールド樹脂から延出させてなる半導体装置の製造に用いるリードフレームであって、
前記長手方向に延びて形成されると共に、前記長手方向に直交する幅方向に間隔をあけて配列されて前記リードを構成する複数のリード本体部と、前記リード本体部の長手方向の中途部に接続されて複数の前記リード本体部を一体に連結する枠体部と、互いに隣り合う二つの前記リード本体部の長手方向の他端部に一体に形成されるリード拡幅部と、を備え、
前記リード拡幅部と前記リード本体部の他端部との接続部分に、前記枠体部から前記長手方向に延びる前記リード本体部の他端部の延出方向先端側から基端側に窪む凹所が形成されていることを特徴とするリードフレーム。
前記モールド樹脂から延出する前記リードの他端部のうち前記リードの幅方向に向く側面に、前記リードの他端部の延出方向先端側から基端側に向けてめっきを施しためっき領域と、めっきが施されていない非めっき領域とが順番に配列されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第一実施形態〕
以下、
図1〜12を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1〜3に示すように、この実施形態に係るリードフレーム1は、後述する樹脂封止型の半導体装置30(
図4〜12参照)の製造に使用するものであり、銅板等のように導電性を有する板材にプレス加工等を施すことで得られる。
このリードフレーム1は、ダイパッド11、リード本体部12、枠体部13、支持用リード14、リード拡幅部15を備えている。
【0017】
ダイパッド11は略板状に形成され、厚さ方向に直交するダイパッド11の一方の主面が、半導体チップ31を搭載する搭載面11aとなっている。
また、本実施形態のダイパッド11は、板厚の大きい厚板部21と、厚板部21よりも厚さ寸法の小さい薄板部22を有している。前述した搭載面11aは厚板部21に形成されている。厚板部21の厚さ寸法は、リード本体部12、枠体部13、支持用リード14、リード拡幅部15よりも大きく設定されている。
薄板部22は、リード本体部12が隣り合せて配されるダイパッド11の一端と反対側に位置するダイパッド11の他端をなしている。この薄板部22は、搭載面11aよりも高さ位置を低く設定した段差面11cを有する。
【0018】
リード本体部12は、後述する半導体装置30においてリード34を構成するものであり(
図5等参照)、平面視したダイパッド11の一端側に間隔をあけて配されている。リード本体部12は、ダイパッド11の搭載面11aに沿ってダイパッド11の一端から離れる方向に延びて形成されている。なお、以下の説明では、リード本体部12の長手方向の両端部のうち、ダイパッド11に隣り合う端部を「一端部23」と呼び、ダイパッド11から離れて位置する端部を「他端部24」と呼ぶ。
【0019】
本実施形態では、リード本体部12が、同一のダイパッド11に対して二つ設けられている。二つのリード本体部12は、ダイパッド11の搭載面11aに沿ってリード本体部12の長手方向に直交する幅方向に間隔をあけて配列されている。また、これら二つのリード本体部12の長手方向は互いに平行している。
なお、図示例では、各リード本体部12の一端部23が他端部24よりも幅広に設定されているが、これに限ることはない。例えばリード本体部12の一端部23及び他端部24が同一の幅寸法に設定されてもよい。
【0020】
また、本実施形態のリード本体部12の一端部23には、ダイパッド11に搭載された半導体チップ31と電気接続するためのワイヤー32(
図4等参照)を接合する接合部が形成されている。なお、図示例では、接合部がリード本体部12の一端部23の他の部分よりも幅広に形成されているが、これに限ることはない。
【0021】
枠体部13は、リード本体部12の長手方向の中途部25に接続され、二つのリード本体部12を一体に連結する連結部分13Aを有する。連結部分13Aは、二つのリード本体部12の間においてこれらの配列方向に延びる帯状に形成されている。これにより、各リード本体部12の一端部23は、連結部分13Aからダイパッド11に近づく方向に延出している。また、各リード本体部12の他端部24は、連結部分13Aからダイパッド11に対して離れる方向に延出している。
【0022】
支持用リード14は、ダイパッド11を枠体部13の連結部分13Aに連結して支持するものである。なお、図示例の支持用リード14は、同一のダイパッド11に対応づけて配された二つのリード本体部12の間に配されると共に、ダイパッド11の一端から連結部分13Aまで延びているが、これに限ることはない。また、図示例の支持用リード14は、ダイパッド11をなす厚板部21の厚さ方向のうち搭載面11a側の端部に接続されているが、これに限ることはない。
【0023】
リード拡幅部15は、互いに隣り合う二つのリード本体部12の他端部24の間に配され、これら二つのリード本体部12の他端部24に一体に形成されている。本実施形態では、リード本体部12の幅方向に対応するリード拡幅部15の幅寸法が、リード本体部12の幅寸法よりも大きく設定されている。
なお、図示例のリード拡幅部15は、枠体部13の連結部分13Aにも一体に連結されているが、例えば連結されずに枠体部13との間に間隔をあけて配されてもよい。
【0024】
そして、各リード本体部12の他端部24とリード拡幅部15との接続部分には、枠体部13から延びるリード本体部12の他端部24の延出方向先端側から基端側に窪む凹所26が形成されている。この凹所26により、各リード本体部12の他端部24の延出方向先端部が、リード拡幅部15に対して間隔をあけて配される。
さらに、各リード本体部12の他端部24とリード拡幅部15との接続部分には、リードフレーム1の厚さ方向に貫通する切欠孔27が形成されている。この切欠孔27は、前述の凹所26に対してリード本体部12の他端部24の延出方向基端側に間隔をあけて配されている。この切欠孔27により、各リード本体部12の他端部24の延出方向基端部が、リード拡幅部15に対して間隔をあけて配される。
すなわち、本実施形態のリードフレーム1では、リード拡幅部15が、各リード本体部12の他端部24の延出方向中途部のみに接続されている。
【0025】
上述したリードフレーム1の構成は、一つの半導体装置を製造するための構成であるが、本実施形態では、同一のリードフレーム1を用いて複数の半導体装置を製造できるように、一つの半導体装置を製造するためのユニット(ダイパッド11、二つのリード本体部12、支持用リード14、リード拡幅部15を含むユニット)を複数接続して構成されている。具体的には、複数のユニットを同じ向きに配すると共に、枠体部13の連結部分13Aの延在方向に互いに間隔をあけて並べられた状態で、これら複数のユニットが枠体部13の接続部分13Bによって接続されている。
【0026】
なお、枠体部13の接続部分13Bは、各連結部分13Aの両端に接続され、連結部分13Aの延在方向に延びている。すなわち、枠体部13は、複数のリード本体部12の配列方向に延びる帯状に形成されている。
また、本実施形態のリードフレーム1には、互いに隣り合うダイパッド11の他端同士を連結する連結部16が形成されている。これにより、各ダイパッド11の両端が枠体部13及び連結部16によって支持され、リードフレーム1の剛性が高められている。
【0027】
以上のように構成される本実施形態のリードフレーム1を用いれば、
図5等に例示するように、リード34の長手方向の一端部35を半導体チップ31に電気接続した上で、リード34の一端部35及び半導体チップ31をモールド樹脂33により封止し、リード34の他端部36をモールド樹脂33から延出させてなる複数種類の半導体装置30を製造することが可能である。以下、本実施形態のリードフレーム1を用いて製造される四種類の半導体装置30及びその製造方法について、
図3〜12を参照して具体的に説明する。
【0028】
(第一の半導体装置)
まず、
図3〜6を参照して第一の半導体装置30Aを製造する方法について説明する。
第一の半導体装置30Aを製造する際には、はじめに、上記構成のリードフレーム1を用意する(フレーム準備工程)。また、フレーム準備工程では、支持用リード14を折り曲げることで、ダイパッド11の搭載面11aがリード本体部12よりも下方に位置するようにダイパッド11をその厚さ方向にずらすダウンセット加工を実施する(
図3参照)。
【0029】
次いで、
図4に示すように、ダイパッド11の搭載面11aに半導体チップ31を搭載する(搭載工程)。半導体チップ31は、ダイオードのように両面に電極を有するものである。したがって、この搭載工程では、半導体チップ31の一方の電極をはんだ等によりダイパッド11の搭載面11aに接合することで、半導体チップ31がダイパッド11に電気接続される。
【0030】
その後、半導体チップ31とリード本体部12の一端部23とをワイヤー(接続子)32により電気接続する(接続工程)。この工程では、二つのリード本体部12のうち一方のリード本体部12(第一リード本体部12A)のみにワイヤー32が接合され、他方のリード本体部12(第二リード本体部12B)にはワイヤー32が接合されない。すなわち、半導体チップ31と第一リード本体部12Aとが電気接続され、第二リード本体部12Bは半導体チップ31に電気接続されない。
【0031】
さらに、半導体チップ31、ダイパッド11、二つのリード本体部12の一端部23、支持用リード14及びワイヤー32をモールド樹脂33により封止する(モールド工程)。モールド工程では、ダイパッド11の他方の主面(下面11b)が露出するように、また、薄板部22の一部が外部に突出するようにモールド樹脂33が形成される(
図6参照)。また、各リード本体部12の他端部24、枠体部13、リード拡幅部15、連結部16がモールド樹脂33の外側に配される。なお、図示例のようにモールド樹脂33が枠体部13(特に連結部分13A)との間に隙間をあけるように形成されている場合には、リード本体部12の一端部23及び支持用リード14のうち、枠体部13側に位置する部分もモールド樹脂33の外側に位置する。
【0032】
その後、モールド樹脂33の外側に位置するリードフレーム1の表面全体にめっきを施す(めっき工程)。この工程は、特に、製造後の第一の半導体装置30Aにおいてリード34の他端部36やダイパッド11の下面11bに対するはんだの濡れ性を向上させるために行われる(
図6参照)。
そして、このめっき工程後に、リードフレーム1の各部を適宜切断する(切断工程)。
【0033】
切断工程では、枠体部13の接続部分13B及び連結部16を切り落とす。
また、切断工程では、各リード本体部12とリード拡幅部15とを凹所26及び切欠孔27において切り離すようにリードフレーム1を切断する。さらに、枠体部13のうち二つのリード本体部12を連結する連結部分13Aを二つのリード本体部12及び支持用リード14から切り離すようにリードフレーム1を切断する。これにより、ダイパッド11と二つのリード本体部12とが分離する。また、リード拡幅部15が切り落とされ、二つのリード本体部12が互いに電気的に独立する。
【0034】
切断工程後の状態において、二つのリード本体部12の内側に向く各リード本体部12の他端部24の側面には、
図4,6に示すように、リード本体部12の他端部24の延出方向先端側から基端側に向けてめっきを施した領域(めっき領域41a,41c)と、リード拡幅部15から切り離した領域(非めっき領域41b,41d)とが順番に配列される。具体的には、二つのめっき領域41a,41cと非めっき領域41b,41dとがリード本体部12の他端部24の延出方向先端側から基端側に向けて交互に配列されている。
【0035】
リード本体部12の他端部24のうち最も延出方向先端側に位置する第一めっき領域41aは、リードフレーム1における凹所26の内面に対応している。また、第一めっき領域41aよりもリード本体部12の他端部24の基端側に位置する第二めっき領域41cは、リードフレーム1における切欠孔27の内面に対応している。
さらに、これら二つのめっき領域41a,41cの間に位置する第一非めっき領域41bは、リードフレーム1における各リード本体部12とリード拡幅部15との接続部分に対応している。また、第二めっき領域41cよりもリード本体部12の一端部23側に位置する第二非めっき領域41dは、リードフレーム1において各リード本体部12の中途部25と枠体部13の連結部分13Aとが接続されていた部分に対応している。
【0036】
最後に、各リード本体部12のうちモールド樹脂33から延出する部分に折り曲げ加工を施す(折り曲げ工程)ことで、
図5,6に示す第一の半導体装置30Aが得られる。
折り曲げ工程では、
図5,6に示すように、リード本体部12の他端部24の延出方向先端部(第一めっき領域41aを含む部分)と延出方向中途部(第一非めっき領域41bを含む部分)との境界部分、及び、リード本体部12の中途部25(第二非めっき領域41dを含む部分)の二か所において折り曲げる。
これにより、リード本体部12の他端部24の延出方向先端部(先端部37)が、リード本体部12の一端部23よりも低く位置してダイパッド11の下面11bと共に同一平面をなすように配される。また、リード本体部12の他端部24の延出方向中途部及び延出方向基端部(立ち上がり部38)が、延出方向先端部に対して上方に立ち上がる。
【0037】
以上のように製造される第一の半導体装置30Aは、
図5,6に示すように、半導体チップ31、ダイパッド11、二つのリード34、ワイヤー(接続子)32、モールド樹脂33を備えている。
半導体チップ31は、ダイオードのように両面に電極を有するものであり、半導体チップ31の一方の電極がはんだ等により搭載面11aに接合されることで、ダイパッド11に電気接続されている。
【0038】
各リード34は、リードフレーム1のリード本体部12のみによって構成されている。具体的には、モールド樹脂33により封止されたリード34の長手方向の一端部35が、リード本体部12の一端部23によって構成されている。一方、モールド樹脂33から延出するリード34の他端部36は、リード本体部12の他端部24によって構成されている。なお、図示例では、リード本体部12の一端部23の一部がモールド樹脂33の外側に位置するため、リード34の他端部36はリード本体部12の一端部23の一部も含んで構成されている。
【0039】
また、各リード34の他端部36の延出方向の先端部37が、リード本体部12の他端部24の延出方向先端部に対応している。さらに、各リード34の他端部36には、その先端部37に対して上方に立ち上がる立ち上がり部38が形成されているが、この立ち上がり部38は、リード本体部12の他端部24の延出方向中途部及び延出方向基端部に対応している。
【0040】
そして、各リード34の他端部36のうち二つのリード34の配列方向に向く側面には、リード34の他端部36の延出方向先端側から基端側に向けてめっきを施しためっき領域41a,41cと、めっきが施されていない非めっき領域41b,41dとが順番に配列されている。具体的には、二つのめっき領域41a,41cと非めっき領域41b,41dとが、リード34の他端部36の延出方向先端側から基端側に向けて交互に配列されている。
リード34の他端部36のうち最も延出方向先端側に位置する第一めっき領域41aは、リード34の先端部37に形成されている。また、第一めっき領域41aに隣り合うように順番に配列される第一非めっき領域41b及び第二めっき領域41cは、リード34の立ち上がり部38に形成されている。
【0041】
ワイヤー32は、その両端が半導体チップ31の他方の電極及び第一リード34Aの一端部35に接合され、半導体チップ31と第一リード34Aとを電気接続している。
モールド樹脂33は、半導体チップ31、ダイパッド11、各リード34の一端部35及びワイヤー32を封止している。本実施形態のモールド樹脂33は、ダイパッド11の下面11bが露出するように、また、ダイパッド11の薄板部22の一部が外部に突出するように形成されている。さらに、モールド樹脂33は、各リード34の他端部36が外部に配されるように形成されている。
【0042】
以上のように構成される第一の半導体装置30Aでは、ダイパッド11が第一の半導体装置30Aにおける一方の電極(例えばカソード電極)をなし、第一リード34Aが第一の半導体装置30Aにおける他方の電極(例えばアノード電極)をなしている。なお、第二リード34Bは、半導体チップ31に電気接続されておらず、所謂ダミーリードとなっている。
【0043】
以上のように構成される第一の半導体装置30Aによれば、実装基板(不図示)への実装に際して、各リード34の先端部37やダイパッド11の下面11bをはんだによって実装基板のランド(不図示)に接合する場合に、はんだがリード34の先端部37よりも基端側に無駄に濡れ広がることを抑制することができる。
具体的に説明すれば、リード34の先端部37の側面には第一めっき領域41aが形成され、リード34の先端部37に隣り合う立ち上がり部38の側面には第一非めっき領域41bが形成されるため、前述したはんだが立ち上がり部38に濡れ広がることを抑制できる。したがって、必要最小限のはんだ量によってリード34の先端部37を実装基板のランドに対して強固に固定できる。
【0044】
(第二の半導体装置)
まず、
図7,8を参照して第二の半導体装置30Bを製造する方法について説明する。
第二の半導体装置30Bを製造する際には、はじめに、前述した第一の半導体装置30Aの場合と同様のフレーム準備工程、搭載工程、接続工程を順番に実施する。ただし、接続工程では、
図7に示すように、第一の半導体装置30Aと比較して半導体チップ31に大電流を流すことができるように、二つのリード本体部12の両方にワイヤー32が接合される。また、各リード本体部12と半導体チップ31との間にワイヤー32が二本ずつ配される。
その後、第一の半導体装置30Aの場合と同様のモールド工程、めっき工程を順番に実施する。
さらに、めっき工程後に、リードフレーム1の各部を適宜切断する(切断工程)。
【0045】
切断工程では、前述した第一の半導体装置30Aの場合と同様に、枠体部13の接続部分13B及び連結部16を切り落とす。
さらに、切断工程では、枠体部13の連結部分13Aを支持用リード14から切り離すようにリードフレーム1を切断する。これにより、ダイパッド11と二つのリード本体部12とが分離される。切断工程後の状態では、二つのリード本体部12がこれらの間の枠体部13の連結部分13A及びリード拡幅部15によって一体に形成されている。なお、枠体部13の連結部分13Aは、例えば切断工程において切り落とされてもよい。
【0046】
最後に、第一の半導体装置30Aの場合と同様の折り曲げ工程を実施することで、
図8に示す第二の半導体装置30Bが得られる。折り曲げ工程では、
図8に示すように、モールド樹脂33から延出する二つのリード本体部12の他端部24、リード拡幅部15及び枠体部13の連結部分13Aに折り曲げ加工を施す。具体的には、各リード本体部12の他端部24の延出方向先端部(凹所26に隣り合う部分)と延出方向中途部(リード拡幅部15との接続部分)との境界部分、及び、各リード本体部12の中途部25(連結部分13Aとの接続部分)の二か所において折り曲げる。また、各リード本体部12の折り曲げ箇所に対応するリード拡幅部15及び連結部分13Aの各部も折り曲げる。
【0047】
これにより、リード本体部12の他端部24の延出方向先端部、及び、これに対応するリード拡幅部15の部分(先端部37)が、第一の半導体装置30Aの場合と同様に、リード本体部12の一端部23よりも低く位置してダイパッド11の下面11bと共に同一平面をなすように配される。また、リード本体部12の他端部24の延出方向中途部及び延出方向基端部、並びにこれに対応するリード拡幅部15の部分(立ち上がり部38)が、リード本体部12の他端部24の延出方向先端部に対して上方に立ち上がる(
図6参照)。
【0048】
以上のように製造される第二の半導体装置30Bは、
図8に示すように、第一の半導体装置30Aと同様の半導体チップ31、ダイパッド11、リード34、ワイヤー32、モールド樹脂33を備えている。ただし、第二の半導体装置30Bはリード34を一つだけ備え、リード34の形状が第一の半導体装置30Aと異なっている。
リード34は、リードフレーム1のうち二つのリード本体部12及びリード拡幅部15によって構成されている。なお、図示例のリード34は、枠体部13の連結部分13Aも含んで構成されている。
【0049】
具体的には、モールド樹脂33により封止されたリード34の長手方向の一端部35が、二つのリード本体部12の一端部23によって構成されている。一方、モールド樹脂33から延出するリード34の他端部36は、二つのリード本体部12の他端部24及びリード拡幅部15によって構成されている。なお、図示例では、二つのリード本体部12の一端部23の一部がモールド樹脂33の外側に位置するため、リード34の他端部36はこれら二つのリード本体部12の一端部23の一部も含んで構成されている。また、図示例のリード34の他端部36には、枠体部13の連結部分13Aも含まれている。
さらに、リード34の他端部36には、その延出方向先端から基端側に窪む凹所26が二つ形成されている。これら二つの凹所26は、リード34の幅方向に間隔をあけて配列されている。さらに、リード34の他端部36には、各凹所26よりもリード34の他端部36の延出方向基端側に間隔をあけた位置に切欠孔27が形成されている。
【0050】
そして、リード34の他端部36の延出方向の先端部37は、凹所26を介して相互に隣り合う二つのリード本体部12の他端部24の延出方向先端部、及び、リード拡幅部15の先端部に対応している。また、リード34の他端部36には、リード34の先端部37に対して上方に立ち上がる立ち上がり部38が形成されているが、この立ち上がり部38は、二つのリード本体部12の他端部24の延出方向中途部及び延出方向基端部、並びに、これらの間に配されるリード拡幅部15の基端部に対応している。
【0051】
以上のように構成される第二の半導体装置30Bでは、ダイパッド11が第二の半導体装置30Bにおける一方の電極(例えばカソード電極)をなし、リード34が第二の半導体装置30Bにおける他方の電極(例えばアノード電極)をなしている。
【0052】
以上のように構成される第二の半導体装置30Bによれば、実装基板(不図示)への実装に際して、リード34の先端部37をはんだによって実装基板のランド(不図示)に接合する場合に、リード34の先端部37を実装基板のランドに対して強固に固定できる。具体的に説明すれば、リード34の先端部37には二つの凹所26が形成されていることで、リード34の先端部37の表面に対するはんだの濡れ面積が拡大されるため、リード34の先端部37を実装基板のランドに対して強固に固定できる。
【0053】
また、第二の半導体装置30Bによれば、リード34の他端部36が第一の半導体装置30Aと比較して大きいため、半導体チップ31等モールド樹脂33内において生じた熱を効率よく外部(例えば実装基板)に放散できる。すなわち、放熱性の向上を図ることができる。
さらに、第二の半導体装置30Bでは、リード34の通電面積が第一の半導体装置30Aよりも大きいため、リード34に大電流を流すことができる。また、通電によってワイヤー32に生じる熱を、効率よくリード34の他端部36に逃がして、ワイヤー32の温度上昇を抑えることができるため、ワイヤー32にも大電流を流すことが可能となる。以上のことから、第二の半導体装置30Bには、大電流を流すことができる。
【0054】
(第三の半導体装置)
まず、
図9,10を参照して第三の半導体装置30Cを製造する方法について説明する。第三の半導体装置30Cを製造する際には、はじめに、前述した第二の半導体装置30Bの場合と同様のフレーム準備工程、搭載工程、接続工程、モールド工程、めっき工程を順番に実施する。そして、このめっき工程後に、リードフレーム1の各部を適宜切断する(切断工程)。
【0055】
切断工程では、第二の半導体装置30Bの場合と同様に、枠体部13の接続部分13B及び連結部16を切り落とし、さらに、枠体部13の連結部分13Aを支持用リード14から切り離す。
また、切断工程では、各リード本体部12とリード拡幅部15とを凹所26及び切欠孔27において切り離すように、また、各リード本体部12の他端部24を一端部23から切り離すように、リードフレーム1を切断する。これにより、各リード本体部12の他端部24が切り落とされる。切断工程後の状態においては、二つのリード本体部12の他端部24が枠体部13の連結部分13Aを介してリード拡幅部15と一体に形成されている。また、リード拡幅部15が枠体部13の連結部分13Aからダイパッド11に対して離れる方向に延出している。
【0056】
さらに、切断工程後の状態において、各リード本体部12の他端部24に対向していたリード拡幅部15の側面には、第一の半導体装置30Aの場合と同様に、枠体部13から延びるリード拡幅部15の延出方向先端側から基端側に向けて、めっき領域41a,41cと、非めっき領域41bとが順番に配列される。具体的には、二つのめっき領域41a,41cと一つの非めっき領域41bとが、リード拡幅部15の延出方向先端側から基端側に向けて交互に配列されている。
【0057】
最後に、第二の半導体装置30Bの場合と同様の折り曲げ工程を実施することで、
図10に示す第三の半導体装置30Cが得られる。ただし、この折り曲げ工程では、モールド樹脂33から延出するリード拡幅部15及び枠体部13の連結部分13Aに折り曲げ加工を施す。具体的には、
図10に示すように、リード拡幅部15の先端部(第一めっき領域41aを含む部分)と基端部(第一非めっき領域41bを含む部分)との境界部分、及び、枠体部13の連結部分13Aの二か所において折り曲げる。
これにより、リード拡幅部15の先端部(先端部37)が、第一の半導体装置30Aの場合と同様に、リード本体部12の一端部23よりも低く位置してダイパッド11の下面11bと共に同一平面をなすように配される。また、リード拡幅部15の基端部(立ち上がり部38)が、リード拡幅部15の先端部に対して上方に立ち上がる(
図6参照)。
【0058】
以上のように製造される第三の半導体装置30Cは、第二の半導体装置30Bと同様に、半導体チップ31、ダイパッド11、一つのリード34、ワイヤー32、モールド樹脂33を備えている。ただし、第三の半導体装置30Cでは、リード34が、リードフレーム1のうち二つのリード本体部12の一端部23及びリード拡幅部15によって構成されている。なお、図示例のリード34は、枠体部13の連結部分13Aも含んで構成されている。
【0059】
具体的には、リード34の長手方向の一端部35が、第二の半導体装置30Bと同様に、二つのリード本体部12の一端部23によって構成されている。一方、モールド樹脂33から延出するリード34の他端部36は、リード拡幅部15によって構成されている。なお、図示例では、二つのリード本体部12の一端部23の一部がモールド樹脂33の外側に位置するため、リード34の他端部36はこれら二つのリード本体部12の一端部23の一部も含んで構成されている。また、図示例のリード34の他端部36には、枠体部13の連結部分13Aも含まれている。
【0060】
さらに、リード34の他端部36の延出方向の先端部37は、リード拡幅部15の先端部に対応している。また、リード34の他端部36には、その先端部37に対して上方に立ち上がる立ち上がり部38が形成されているが、この立ち上がり部38は、リード拡幅部15の基端部に対応している。
【0061】
そして、リード34の他端部36がリード本体部12の他端部24から切り離したリード拡幅部15(
図9参照)によって構成されるため、リード34の他端部36のうち二つのリード本体部12の一端部23の配列方向に向く側面には、第一の半導体装置30Aの場合と同様に、リード34の他端部36の延出方向先端側から基端側に向けてめっきを施しためっき領域41a,41cと、めっきが施されていない非めっき領域41bとが順番に配列されている(
図6参照)。第一めっき領域41aはリード34の先端部37に形成され、第一非めっき領域41bはリード34の立ち上がり部38に形成されている。
【0062】
以上のように構成される第三の半導体装置30Cでは、ダイパッド11が第三の半導体装置30Cにおける一方の電極(例えばカソード電極)をなし、リード34が第三の半導体装置30Cにおける他方の電極(例えばアノード電極)をなしている。
【0063】
以上のように構成される第三の半導体装置30Cによれば、第一の半導体装置30Aと同様に、リード34の先端部37の側面に第一めっき領域41aが形成され、リード34の立ち上がり部38の側面に第一非めっき領域41bが形成されるため、はんだがリード34の先端部37よりも基端側に無駄に濡れ広がることを抑制することができる。したがって、必要最小限のはんだ量によってリード34の先端部37を実装基板のランドに対して強固に固定できる。
【0064】
また、第三の半導体装置30Cによれば、第二の半導体装置30Bの場合と同様に、リード34の他端部36が第一の半導体装置30Aと比較して大きいため、放熱性の向上を図ることができる。さらに、第三の半導体装置30Cでは、リード34の通電面積が第一の半導体装置30Aよりも大きいため、第二の半導体装置30Bの場合と同様に、大電流を流すことができる。
【0065】
(第四の半導体装置)
まず、
図11,12を参照して第四の半導体装置30Dを製造する方法について説明する。
第四の半導体装置30Dを製造する際には、はじめに、第一〜第三の半導体装置30A〜30Cの場合と同様のフレーム準備工程、搭載工程を順番に実施する。ただし、搭載工程において搭載される半導体チップ31は、上面にゲート電極及びソース電極を有し、下面にドレイン電極を有するMOSFETである。搭載工程では、半導体チップ31の下面をはんだ等によりダイパッド11の搭載面11aに接合することで、半導体チップ31のドレイン電極がダイパッド11に電気接続される。
【0066】
次いで、半導体チップ31と各リード本体部12の一端部23とをワイヤー32により電気接続する(接続工程)。この工程では、第一リード本体部12Aと半導体チップ31のゲート電極とを細いワイヤー32により接続する。また、第二リード本体部12Bと半導体チップ31のソース電極とを太いワイヤー32により接続する。なお、第二リード本体部12Bと半導体チップ31との間には、大電流を流すことができるように、太いワイヤー32が二本配される。
その後、第一〜第三の半導体装置30A〜30Cの場合と同様のモールド工程、めっき工程を順番に実施する。
そして、このめっき工程後に、リードフレーム1の各部を適宜切断する(切断工程)。
【0067】
切断工程では、第二の半導体装置30Bの場合と同様に、枠体部13の接続部分13B及び連結部16を切り落とし、さらに、枠体部13の連結部分13Aを支持用リード14から切り離す。
また、切断工程では、第一リード本体部12Aとリード拡幅部15とを凹所26及び切欠孔27において切り離すように、リードフレーム1を切断する。これにより、第一リード本体部12Aとリード拡幅部15とが分離される。切断工程後の状態においては、第二リード本体部12Bが枠体部13の連結部分13A及びリード拡幅部15と一体に形成されている。なお、枠体部13の連結部分13Aは、例えば切断工程において切り落とされてもよい。
【0068】
さらに、切断工程後の状態において、互いに対向する第一リード本体部12A及びリード拡幅部15の各側面には、第一、第三の半導体装置30A,30Cの場合と同様に、枠体部13から延びる第一リード本体部12A及びリード拡幅部15の延出方向先端側から基端側に向けて、めっき領域41a,41cと、非めっき領域41b,41dとが順番に配列される。具体的には、二つのめっき領域41a,41cと非めっき領域41b,41dとが、第一リード本体部12A及びリード拡幅部15の延出方向先端側から基端側に向けて交互に配列されている。
【0069】
最後に、第一、第二の半導体装置30A,30Bの場合と同様の折り曲げ工程を実施することで、
図12に示す第四の半導体装置30Dが得られる。すなわち、折り曲げ工程では、モールド樹脂33から延出する二つのリード本体部12の他端部24、リード拡幅部15及び枠体部13の連結部分13Aに折り曲げ加工を施す。
【0070】
具体的には、
図12に示すように、第一の半導体装置30Aの場合と同様に、第一リード本体部12Aの他端部24の延出方向先端部(第一めっき領域41aを含む部分)と、延出方向中途部(第一非めっき領域41bを含む部分)との境界部分、及び、第一リード本体部12Aの中途部25(第二非めっき領域41dを含む部分)の二か所において折り曲げる。
これにより、第一リード本体部12Aの他端部24の延出方向先端部(先端部37)が、第一リード本体部12Aの一端部23よりも低く位置してダイパッド11の下面11bと共に同一平面をなすように配される。また、第一リード本体部12Aの他端部24の延出方向中途部及び延出方向基端部(立ち上がり部38)が、延出方向先端部に対して上方に立ち上がる(
図6参照)。
【0071】
また、第二の半導体装置30Bの場合と同様に、第二リード本体部12Bの他端部24の延出方向先端部(凹所26に隣り合う部分)と延出方向中途部(リード拡幅部15との接続部分)との境界部分、及び、第二リード本体部12Bの中途部25(連結部分13Aとの接続部分)の二か所において折り曲げる。また、この折り曲げの際には、リード拡幅部15の先端部(第一めっき領域41aを含む部分)と基端部(第一非めっき領域41bを含む部分)との境界部分、及び、枠体部13の連結部分13Aの二か所も同時に折り曲げられる。
これにより、第二リード本体部12Bの他端部24の延出方向先端部、及び、これに対応するリード拡幅部15の先端部(先端部37)が、第一リード本体部12Aと同様に、ダイパッド11の下面11bと共に同一平面をなすように配される。また、第二リード本体部12Bの他端部24の延出方向中途部及び延出方向基端部、並びにこれに対応するリード拡幅部15の基端部(立ち上がり部38)が、第二リード本体部12Bの他端部24の延出方向先端部に対して上方に立ち上がる(
図6参照)。
【0072】
以上のように製造される第四の半導体装置30Dは、第一の半導体装置30Aと同様に、半導体チップ31、ダイパッド11、二つのリード34、ワイヤー32、モールド樹脂33を備えている。
半導体チップ31は、上面にゲート電極及びソース電極を有し、下面にドレイン電極を有するMOSFETである。そして、半導体チップ31の下面がはんだ等により搭載面11aに接合されることで、半導体チップ31のドレイン電極がダイパッド11に電気接続されている。
【0073】
また、第一リード34Aは、第一の半導体装置30Aと同様に、第一リード本体部12Aのみによって構成されている。一方、第二リード34Bは、第二リード本体部12B及びリード拡幅部15によって構成されている。具体的には、第二リード34Bの他端部36が、第二リード本体部12B及びリード拡幅部15によって構成されている。なお、図示例のリード34の他端部36には、枠体部13の連結部分13Aも含まれている。
【0074】
そして、第一リード34Aの他端部36の延出方向の先端部37は、第一の半導体装置30Aと同様に、第一リード本体部12Aの延出方向先端部に対応している。また、第一リード34Aの他端部36に形成されて先端部37に対して上方に立ち上がる立ち上がり部38は、第一リード本体部12Aの他端部24の延出方向中途部及び延出方向基端部に対応している。
一方、第二リード34Bの他端部36の先端部37は、第二リード本体部12Bの延出方向先端部及びこれに隣り合うリード拡幅部15の先端部に対応している。また、第二リード34Bの他端部36に形成されて先端部37に対して上方に立ち上がる立ち上がり部38は、第二リード本体部12Bの他端部24の延出方向中途部及び延出方向基端部、及び、これに隣り合うリード拡幅部15の基端部に対応している。
【0075】
そして、これら二つのリード34の他端部36のうち互いに対向する各側面には、第一の半導体装置30Aの場合と同様に、リード34の他端部36の延出方向先端側から基端側に向けてめっきを施しためっき領域41a,41cと、めっきが施されていない非めっき領域41b,41dとが順番に配列されている(
図6参照)。第一めっき領域41aは各リード34の先端部37に形成され、第一非めっき領域41bは各リード34の立ち上がり部38に形成されている。
【0076】
以上のように構成される第四の半導体装置30Dでは、ダイパッド11が第四の半導体装置におけるドレイン電極をなし、第一リード34Aが第四の半導体装置30Dにおけるゲート電極をなしている。また、第二リード34Aが第四の半導体装置30Dにおけるソース電極をなしている。
【0077】
以上のように構成される第四の半導体装置30Dによれば、第一の半導体装置30Aの場合と同様に、リード34の先端部37の側面に第一めっき領域41aが形成され、リード34の先端部37に連ねて形成される立ち上がり部38の側面には第一非めっき領域41bが形成されるため、はんだがリード34の先端部37よりも基端側に無駄に濡れ広がることを抑制することができる。したがって、必要最小限のはんだ量によってリード34の先端部37を実装基板のランドに対して強固に固定できる。
【0078】
また、第四の半導体装置30Dによれば、第二の半導体装置30Bの場合と同様に、第二リード34Bの他端部36が第一の半導体装置30Aと比較して大きいため、放熱性の向上を図ることができる。
さらに、第四の半導体装置30Dでは、第二リード34Bの通電面積が第一の半導体装置30Aよりも大きいため、第二の半導体装置30Bの場合と同様に、大電流を流すことができる。
【0079】
以上説明したように本実施形態のリードフレーム1によれば、二つのリード本体部12、及び、二つのリード本体部12の他端部24に一体に形成されるリード拡幅部15を備えるため、
図5,6に示すようにリード34がリード本体部12のみによって構成される第一の半導体装置30A、
図8に示すようにリード34がリード本体部12及びリード拡幅部15によって構成される第二の半導体装置30B、
図10に示すようにリード34がリード本体部12の一部及びリード拡幅部15によって構成される第三の半導体装置30C、
図12に示すように大きさの異なる二つのリード34を備える第四の半導体装置30Dを製造することができる。すなわち、様々な形状、大きさ、数のリード34を備える様々な仕様の半導体装置30を製造できるため、リードフレーム1の汎用性向上を図ることができる。
【0080】
なお、上記第一実施形態のダイパッド11は、板厚が異なる厚板部21及び薄板部22によって構成されているが、例えば板厚が均一の板状に形成されてもよい。
【0081】
〔第二実施形態〕
次に、
図13〜23を参照して本発明の第二実施形態について説明する。
この実施形態では、第一実施形態のリードフレーム1と比較して、同一のダイパッド11に対するリード本体部12や枠体部13、リード拡幅部15の数や配置のみが異なっており、その他の構成については、第一実施形態と同様である。本実施形態では、第一実施形態と同様の構成については同一符号を付す等して、その説明を省略する。
【0082】
図13に示すように、この実施形態に係るリードフレーム2は、第一実施形態のリードフレーム1と同様に、後述する半導体装置30(
図14〜23参照)の製造に使用するものであり、銅板等のように導電性を有する板材にプレス加工等を施すことで得られる。
このリードフレーム2は、ダイパッド11、リード本体部12、枠体部13、支持用リード14、リード拡幅部15を備えている。
本実施形態のダイパッド11は、厚さが均一の板状に形成されているが、第一実施形態と同様の搭載面11aを有している。なお、ダイパッド11の厚さ寸法は、リード本体部12、枠体部13、支持用リード14、リード拡幅部15よりも大きく設定されてもよいが、例えば同等であってもよい。
【0083】
リード本体部12は、平面視したダイパッド11の一端側及び他端側にそれぞれ間隔をあけて二つずつ配されている。すなわち、本実施形態では、同一のダイパッド11に対して四つのリード本体部12が配されている。各リード本体部12は、ダイパッド11の搭載面11aに沿ってダイパッド11から離れる方向に延びている。また、ダイパッド11の同一端に配された二つのリード本体部12は、リード本体部12の幅方向に間隔をあけて配列されている。また、これら二つのリード本体部12の長手方向は互いに平行している。
【0084】
枠体部13は、ダイパッド11の同一端に配列された二つのリード本体部12の長手方向の中途部25に接続され、これら二つのリード本体部12を一体に連結する連結部分13Aを有している。連結部分13Aは、上記二つのリード本体部12の配列方向に延びる帯状に形成されている。
さらに、枠体部13は、ダイパッド11の両端に配されたリード本体部12同士を接続する接続部分13Bを有している。この接続部分13Bは、ダイパッド11の側部を回り込むようにリード本体部12の長手方向に延びて形成され、その長手方向の両端がリード本体部12の長手方向の中途部25に接続されている。また、接続部分13Bはダイパッド11の両側部に配される。
そして、本実施形態の枠体部13は、ダイパッド11及び四つのリード本体部12の一端部23を囲む平面視矩形環状に形成されている。
【0085】
支持用リード14は、ダイパッド11を枠体部13に連結して支持するものである。なお、図示例の支持用リード14は、枠体部13の接続部分13Bに接続されているが、これに限ることはない。
リード拡幅部15は、第一実施形態と同様であり、ダイパッド11の同一端において互いに隣り合う二つのリード本体部12の他端部24の間に配され、これら二つのリード本体部12の他端部24に一体に形成されている。
また、ダイパッド11の同一端に配された二つのリード本体部12の他端部24とリード拡幅部15との各接続部分には、第一実施形態と同様の凹所26及び切欠孔27が形成されている。
【0086】
また、本実施形態では、同一のリードフレーム2を用いて複数の半導体装置を製造できるように、一つの半導体装置を製造するためのユニット(前述したダイパッド11、四つのリード本体部12、枠体部13、支持用リード14、リード拡幅部15を含むユニット)を複数接続して構成されている。具体的には、複数のユニットを同じ向きに配した状態で、互いに隣り合う枠体部13の接続部分13B同士を一体に形成している。
【0087】
以上のように構成される本実施形態のリードフレーム2を用いれば、第一実施形態と同様に、
図15等に例示する複数種類の半導体装置30を製造することが可能である。以下、本実施形態のリードフレーム2を用いて製造される五種類の半導体装置30及びその製造方法について、
図14〜23を参照して具体的に説明する。
【0088】
(第五の半導体装置)
まず、
図14,15を参照して第五の半導体装置30Eを製造する方法について説明する。
第五の半導体装置30Eを製造する際には、はじめに、上記構成のリードフレーム2を用意する(フレーム準備工程)。次いで、
図14に示すように、ダイパッド11の搭載面11aに半導体チップ31を搭載する(搭載工程)。半導体チップ31は、ダイオードのように両面に電極を有するものである。この搭載工程では、半導体チップ31の一方の電極をはんだ等によりダイパッド11の搭載面11aに接合することで、半導体チップ31がダイパッド11に電気接続される。
【0089】
その後、半導体チップ31とリード本体部12の一端部23とをワイヤー32により電気接続する(接続工程)。この工程では、四つのリード本体部12のうちダイパッド11の一端側に配された二つのリード本体部12(第一リード本体部12A及び第二リード本体部12B)のみにワイヤー32が接合され、残りの二つのリード本体部12(第三リード本体部12C及び第四リード本体部12D)には接合されない。すなわち、半導体チップ31と第一、第二リード本体部12A,12Bとが電気接続され、第三、第四リード本体部12C,12Dは半導体チップ31に電気接続されない。
また、この工程では、半導体チップ31に大電流を流すことができるように、第一リード本体部12A及び第二リード本体部12Bと半導体チップ31との各間にワイヤー32が二本ずつ配される。
【0090】
さらに、半導体チップ31、ダイパッド11、四つのリード本体部12の一端部23、支持用リード14及びワイヤー32をモールド樹脂33により封止する(モールド工程)。モールド工程では、ダイパッド11の下面11b(
図3等参照)が露出するようにモールド樹脂33が形成される。また、各リード本体部12の他端部24、枠体部13、リード拡幅部15がモールド樹脂33の外側に配される。さらに、図示例では、第一実施形態と同様に、リード本体部12の一端部23及び支持用リード14のうち、枠体部13側に位置する端部もモールド樹脂33の外側に位置する。
【0091】
その後、モールド樹脂33の外側に位置するリードフレーム2の表面全体にめっきを施す(めっき工程)。
そして、このめっき工程後に、リードフレーム2の各部を適宜切断する(切断工程)することで、第五の半導体装置30Eの製造が完了する。切断工程では、枠体部13の接続部分13Bを切り落とす。また、切断工程では、ダイパッド11の他端側に配された第三、第四リード本体部12C,12Dの他端部24、枠体部13の連結部分13A、リード拡幅部15を切り落とす。切断工程後の状態は、前述した第二の半導体装置20Bの場合(
図7参照)と同様である。
なお、切断工程後には、前述した第二の半導体装置20Bの場合と同様に、モールド樹脂33から延出する二つのリード本体部12の他端部24、リード拡幅部15及び枠体部13の連結部分13Aに折り曲げ加工を施してもよい(
図8参照)。
【0092】
以上のように製造される第五の半導体装置30Eは、
図15に示すように、半導体チップ31、ダイパッド11、一つのリード34、ワイヤー32、モールド樹脂33を備え、第二の半導体装置30Bと同様に構成されている。
すなわち、リード34は、リードフレーム2のうちダイパッド11の一端側に配された二つのリード本体部12及びリード拡幅部15によって構成されている。なお、図示例のリード34は、枠体部13の連結部分13Aも含んで構成されている。また、リード34の他端部36には、凹所26及び切欠孔27が二つずつ形成されている。
【0093】
以上のように構成される第五の半導体装置30Eでは、前述した第二の半導体装置20Bと同様に、ダイパッド11が第五の半導体装置30Eにおける一方の電極(例えばカソード電極)をなし、リード34が第五の半導体装置30Eにおける他方の電極(例えばアノード電極)をなしている。
第五の半導体装置30Eによれば、第二の半導体装置20Bと同様の効果を奏する。
【0094】
(第六の半導体装置)
まず、
図16,17を参照して第六の半導体装置30Fを製造する方法について説明する。
第六の半導体装置30Fを製造する際には、はじめに、第五の半導体装置30Eの場合と同様のフレーム準備工程、搭載工程、接続工程を順番に実施する。ただし、接続工程では、
図16に示すように、四つのリード本体部12全てにワイヤー32が接合される。また、この工程では、半導体チップ31に大電流を流すことができるように、各リード本体部12と半導体チップ31との間にワイヤー32が二本ずつ配される。
その後、第五の半導体装置30Eの場合と同様のモールド工程、めっき工程を順番に実施する。
【0095】
そして、このめっき工程後に、リードフレーム2の各部を適宜切断する(切断工程)することで、第六の半導体装置30Fの製造が完了する。切断工程では、枠体部13の接続部分13Bを切り落とす。切断工程後の状態では、ダイパッド11の一端側及び他端側に配される構成が、それぞれ第五の半導体装置20Fにおいてダイパッド11の一端側に配される構成(
図14参照)と同様である。
なお、切断工程後には、前述した第二の半導体装置30Bの場合と同様に、ダイパッド11の同一端側に配されてモールド樹脂33から延出する二つのリード本体部12の他端部24、リード拡幅部15及び枠体部13の連結部分13Aに折り曲げ加工を施してもよい(
図8参照)。
【0096】
以上のように製造される第六の半導体装置30Fは、
図17に示すように、第五の半導体装置30Eと同様の半導体チップ31、ダイパッド11、リード34、ワイヤー32、モールド樹脂33を備えている。ただし、第六の半導体装置30Fは、二つリード34(第一リード34A及び第二リード34B)を備えている。
各リード34の形状及び構成要素は、前述した第五の半導体装置30Eと同様である。そして、二つのリード34の他端部36は、モールド樹脂33から互いに逆向きに延びている。
【0097】
第六の半導体装置30Fでは、ダイパッド11が第六の半導体装置30Fにおける一方の電極(例えばカソード電極)をなし、二つのリード34が第六の半導体装置30Fにおける他方の電極(例えばアノード電極)をなしている。
この第六の半導体装置30Fによれば、第五の半導体装置30Eと同様の効果を奏する。さらに、第六の半導体装置30Fによれば、半導体チップ31に接続されるリード34の数が、第五の半導体装置30Eと比較して多いため、より大きな電流を流すことができる。
【0098】
(第七の半導体装置)
まず、
図18,19を参照して第七の半導体装置30Gを製造する方法について説明する。
第七の半導体装置30Gを製造する際には、はじめに、第五の半導体装置30Eの場合と同様のフレーム準備工程、搭載工程を順番に実施する。ただし、搭載工程において搭載される半導体チップ31は、上面にゲート電極及びソース電極を有し、下面にドレイン電極を有するMOSFETである。搭載工程では、半導体チップ31をはんだ等によりダイパッド11の搭載面11aに接合することで、半導体チップ31のドレイン電極がダイパッド11に電気接続される。
【0099】
次いで、半導体チップ31と各リード本体部12の一端部23とをワイヤー32により電気接続する(接続工程)。この工程では、第四の半導体装置30Dの場合(
図11参照)と同様に、ダイパッド11の一端側に配された第一リード本体部12Aと、半導体チップ31のゲート電極とを細いワイヤー32により接続する。また、第二リード本体部12Bと半導体チップ31のソース電極とを太いワイヤー32により接続する。第二リード本体部12Bと半導体チップ31との間には、大電流を流すことができるように、太いワイヤー32が二本配される。なお、ダイパッド11の他端側に配された第三、第四リード本体部12C,12Dは半導体チップ31に接続されない。
その後、第五の半導体装置30Eの場合と同様のモールド工程、めっき工程を順番に実施する。
【0100】
そして、このめっき工程後に、リードフレーム2の各部を適宜切断する(切断工程)することで、第七の半導体装置30Gの製造が完了する。切断工程では、第五の半導体装置30Eの場合と同様に、枠体部13の接続部分13Bを切り落とす。また、ダイパッド11の他端側に配された第三、第四リード本体部12C,12Dの他端部24、枠体部13の連結部分13A、リード拡幅部15を切り落とす。
さらに、この切断工程では、第四の半導体装置20Dの場合と同様に、第一リード本体部12Aとリード拡幅部15とを凹所26及び切欠孔27において切り離すように、リードフレーム2を切断する。これにより、第一リード本体部12Aとリード拡幅部15とが分離される。
【0101】
切断工程後の状態は、前述した第四の半導体装置20Dの場合(
図11参照)と同様である。すなわち、互いに対向する第一リード本体部12A及びリード拡幅部15の各側面には、枠体部13から延びる第一リード本体部12A及びリード拡幅部15の延出方向先端側から基端側に向けて、めっき領域41a,41cと、非めっき領域41b,41dとが順番に配列される。
なお、切断工程後には、第四の半導体装置30Dの場合と同様に、ダイパッド11の同一端側に配されてモールド樹脂33から延出する二つのリード本体部12、リード拡幅部15及び枠体部13の連結部分13Aに折り曲げ加工を施してもよい(
図12参照)。
【0102】
以上のように製造される第七の半導体装置30Gは、
図19に示すように、半導体チップ31、ダイパッド11、二つのリード34、ワイヤー32、モールド樹脂33を備え、第四の半導体装置30Dと同様に構成されている。
すなわち、第一リード34Aが第一リード本体部12Aのみによって構成され、第二リード34Bが第二リード本体部12B及びリード拡幅部15によって構成されている。
また、二つのリード34の他端部36のうち互いに対向する各側面には、リード34の他端部36の延出方向先端側から基端側に向けてめっきを施しためっき領域41a,41cと、めっきが施されていない非めっき領域41b,41dとが順番に配列されている。
【0103】
以上のように構成される第七の半導体装置30Gでは、ダイパッド11が第七の半導体装置30Gにおけるドレイン電極をなし、第一リード34Aが第七の半導体装置30Gにおけるゲート電極をなしている。また、第二リード34Bが第七の半導体装置30Gにおけるソース電極をなしている。
第七の半導体装置30Gによれば、第四の半導体装置30Dと同様の効果を奏する。
【0104】
(第八の半導体装置)
まず、
図20,21を参照して第八の半導体装置30Hを製造する方法について説明する。
第八の半導体装置30Hを製造する際には、はじめに、第七の半導体装置30Gの場合と同様のフレーム準備工程、搭載工程、接続工程を順番に実施する。接続工程では、第七の半導体装置30Gの場合と同様に、ダイパッド11の一端側に配された第一リード本体部12Aと、半導体チップ31のゲート電極とを細いワイヤー32により接続する。また、第二リード本体部12Bと半導体チップ31のソース電極とを太いワイヤー32により接続する。さらに、接続工程では、ダイパッド11の他端側に配された第三、第四リード本体部12C,12Dと、半導体チップ31のソース電極とを太いワイヤー32により接続する。なお、第二〜第四リード本体部12B〜12Dと半導体チップ31との各間には、大電流を流すことができるように、太いワイヤー32が二本ずつ配される。
その後、第五の半導体装置30Eの場合と同様のモールド工程、めっき工程を順番に実施する。
【0105】
そして、このめっき工程後に、リードフレーム2の各部を適宜切断する(切断工程)ことで、第八の半導体装置30Hの製造が完了する。切断工程では、第七の半導体装置30Gの場合と同様に、枠体部13の接続部分13Bを切り落とす。また、第一リード本体部12Aとリード拡幅部15とを凹所26及び切欠孔27において切り離すように、リードフレーム2を切断する。これにより、第一リード本体部12Aとリード拡幅部15とが分離される。
【0106】
切断後の状態においては、ダイパッド11の一端側の構成が、第七の半導体装置30Gの場合(
図18参照)と同様である。すなわち、互いに対向する第一リード本体部12A及びリード拡幅部15の各側面には、枠体部13から延びる第一リード本体部12A及びリード拡幅部15の延出方向先端側から基端側に向けて、めっき領域41a,41cと、非めっき領域41b,41dとが順番に配列される。
また、切断後の状態においては、ダイパッド11の他端側の構成が、第六の半導体装置30Fの場合(
図16参照)と同様である。すなわち、ダイパッド11の他端側には、第三、第四リード本体部12C,12D、枠体部13の連結部分13A、リード拡幅部15が一体に形成された状態で残っている。
なお、上記切断工程後には、第二の半導体装置30Bや第四の半導体装置30Dの場合と同様の折り曲げ加工を施してもよい(
図8,12参照)。
【0107】
以上のように製造される第八の半導体装置30Hは、
図21に示すように、半導体チップ31、ダイパッド11、三つのリード34、ワイヤー32、モールド樹脂33を備えている。この第八の半導体装置30Hでは、ダイパッド11の一端側に配される第一リード34A及び第二リード34Bの形状及び構成要素が、第七の半導体装置30Gと同様である。また、ダイパッド11の他端側に配される第三リード34Cの形状及び構成要素は、第六の半導体装置30Fの第二リード34Bと同様である。
【0108】
第八の半導体装置30Hでは、ダイパッド11が第八の半導体装置30Hにおけるドレイン電極をなし、第一リード34Aが第八の半導体装置30Hにおけるゲート電極をなしている。また、第二リード34B及び第二リード34Cが第八の半導体装置30Hにおけるソース電極をなしている。
この第八の半導体装置30Hによれば、第七の半導体装置30Gと同様の効果を奏する。また、第八の半導体装置30Hによれば、第二リード12Bに加えて通電面積が大きい第三リード12Cもソース電極として機能するため、第七の半導体装置30Gと比較して、大電流を流すことができる。
【0109】
(第九の半導体装置)
まず、
図22,23を参照して第九の半導体装置30Iを製造する方法について説明する。
第九の半導体装置30Iを製造する際には、はじめに、第七の半導体装置30Gの場合と同様のフレーム準備工程、搭載工程、接続工程を順番に実施する。接続工程では、第七の半導体装置30Gの場合と同様に、ダイパッド11の一端側に配された第一リード本体部12Aと、半導体チップ31のゲート電極とを細いワイヤー32により接続する。また、接続工程では、ダイパッド11の他端側に配された第四リード本体部12Dと、半導体チップ31のソース電極とを太いワイヤー32により接続する。第四リード本体部12Dと半導体チップ31との間には、大電流を流すことができるように、太いワイヤー32が二本配される。なお、ダイパッド11の一端側に配された第二リード本体部12B、及び、ダイパッド11の他端側に配された第三リード本体部12Cは、半導体チップ31に接続されない。
その後、第五の半導体装置30Eの場合と同様のモールド工程、めっき工程を順番に実施する。
【0110】
そして、このめっき工程後に、リードフレーム2の各部を適宜切断する(切断工程)ことで、第九の半導体装置30Iの製造が完了する。切断工程では、第七の半導体装置30Gの場合と同様に、枠体部13の接続部分13Bを切り落とす。
また、第一リード本体部12Aとリード拡幅部15とを凹所26及び切欠孔27において切り離すように、リードフレーム2を切断する。その上で、第二リード本体部12Bの他端部24、リード拡幅部15及び枠体部13の連結部分13Aを切り落とす。これにより、ダイパッド11の一端側には、第一リード本体部12Aの全体と、第二リード本体部12Bの一端部23のみが残る。
【0111】
さらに、切断工程では、第三リード本体部12Cとリード拡幅部15とを凹所26及び切欠孔27において切り離すように、リードフレーム2を切断する。その上で、第三リード本体部12Cを切り落とす。これにより、ダイパッド11の他端側には、第三リード本体部12Cの一端部23、第四リード本体部12D及びリード拡幅部15が残る。また、第四リード本体部12Dはリード拡幅部15と一体に形成されている。
【0112】
切断工程後の状態においては、第七の半導体装置30Gの場合と同様に、ダイパッド11の一端側に位置する第一リード本体部12、及び、ダイパッド11の他端側に位置するリード拡幅部15の各側面には、枠体部13から延びる上記第一リード本体部12A及び上記リード拡幅部15の延出方向先端側から基端側に向けて、めっき領域41a,41cと、非めっき領域41b,41dとが順番に配列される。
【0113】
以上のように製造される第九の半導体装置30Iは、
図23に示すように、半導体チップ31、ダイパッド11、二つのリード34、ワイヤー32、モールド樹脂33を備えている。この第九の半導体装置30Iでは、第一リード34Aの形状及び構成要素が、第七の半導体装置30Gと同様である。また、第二リード34Bの形状及び構成要素は、第七の半導体装置30Gと同様であるが、第四リード本体部12B及びリード拡幅部15によって構成されている。すなわち、第九の半導体装置30Iは、第一リード34Aがダイパッド11の一端側に配され、第二リード34Bがダイパッド11の他端側に配されていることを除き、第七の半導体装置30Gと同様に構成されている。
【0114】
すなわち、モールド樹脂33から延出する第一リード34A及び第二リード34Bの他端部36の各側面には、各リード34の他端部36の延出方向先端側から基端側に向けてめっきを施しためっき領域41a,41cと、めっきが施されていない非めっき領域41b,41dとが順番に配列されている。
【0115】
また、第九の半導体装置30Iでは、ダイパッド11が第九の半導体装置30Iにおけるドレイン電極をなし、第一リード34Aが第九の半導体装置30Iにおけるゲート電極をなしている。また、第二リード34Bが第九の半導体装置30Iにおけるソース電極をなしている。
この第九の半導体装置30Iによれば、第七の半導体装置30Gと同様の効果を奏する。また、第九の半導体装置30Iによれば、二つのリード34がダイパッド11を挟み込むように位置するため、すなわち、二つのリード34が互いに離れて位置するため、二つのリード同士の絶縁距離を十分に確保できる。さらに、二つのリード34をはんだによって実装基板のランドに接合する際に、二つのリード34が接続されてしまうことを容易に防止できる。
【0116】
以上説明したように本実施形態のリードフレーム2によれば、四つのリード本体部12、及び、ダイパッド11の同一端側において二つのリード本体部12の他端部24に一体に形成されるリード拡幅部15を備えるため、
図15,17に示すようにリード34がリード本体部12及びリード拡幅部15によって構成される第五、第六の半導体装置30E,30F、
図19,21,23に示すように大きさの異なる複数のリード34を備える第七〜第九の半導体装置30G〜30Iを製造することができる。すなわち、様々な形状、大きさ、数のリード34を備える様々な仕様の半導体装置30を製造できるため、リードフレーム2の汎用性向上を図ることが可能である。
【0117】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、リードフレーム1,2を構成するリード本体部12の本数は、上記実施形態に記載したものに限らず、任意の本数であってよい。
【0118】
また、上記実施形態のリードフレーム1,2では、枠体部13の連結部分13Aから延びるリード本体部12の他端部24及びリード拡幅部15の長さ寸法が、互いに等しいが、例えば異なっていてもよい。
さらに、上記実施形態のリードフレーム1,2では、リード本体部12の他端部24とリード拡幅部15との接続部分に、凹所26や切欠孔27が形成されなくてもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、半導体チップ31とリード34(リード本体部12)とがワイヤー32によって電気接続されるが、少なくとも導電性を有する接続子によって電気接続されればよく、例えば導電性の板材によって接続されてもよい。
さらに、上記実施形態のリードフレーム1,2は、ダイパッド11を備えているが、例えば備えなくてもよい。このようなリードフレームを用いて半導体装置を製造する場合には、例えばダイパッドをリードフレームと別個に用意すればよい。
【0120】
また、上記実施形態のリードフレーム1,2は、リード34を実装基板のランドに接合するタイプ(表面実装型)の半導体装置の製造に適用されることに限らず、例えば、リード34を実装基板のスルーホールに差し込むタイプ(スルーホール実装型)の半導体装置の製造に適用することも可能である。この場合、モールド樹脂33から突出するリード34の他端部36には、上記実施形態で示したものと異なる適切な折り曲げ加工を施してもよいし、あるいは、折り曲げ加工を施さなくてもよい。
例えば、
図5に示す第一半導体装置30Aをスルーホール実装型とする場合には、リード34に折り曲げ加工を施さず、さらに、リード拡幅部15を支持リード14に連結させた状態で残し、これら支持リード14及びリード拡幅部15をダイパッド11に接続されたリードとして活用してもよい。