【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
基板上に複数のチップを位置合わせした後、樹脂を介して仮圧着したチップを、一括圧着する圧着装置であって、
チップが圧着される基板の裏面を吸着保持する基板ステージと、
前記仮圧着したチップの表面を覆う弾性シートと、
前記基板ステージの外周に位置し、前記弾性シートを保持するシート保持手段と、
前記シート保持手段と前記弾性シートと前記基板ステージとにより形成された密閉空間を減圧する減圧手段と、
弾性シートを介して基板上のチップに所定の加圧力を付与するボンディングヘッドと、を備えている圧着装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記弾性シートを枚葉で供給するシート供給手段を備えた圧着装置である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、
前記シート保持手段と前記弾性シートと前記基板ステージとにより形成された密閉空間に不活性ガスを供給するガス供給手段を備えた圧着装置である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の発明において、
前記ボンディングヘッドと前記基板ステージとに加熱および冷却手段を備えた圧着装置である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の発明において、
前記ボンディングヘッドの加圧面が前記基板ステージに対して平行な状態を維持しながら下降させる機能を有することを特徴とする圧着装置である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、
基板上に複数のチップを位置合わせした後、樹脂を介して仮圧着したチップを、一括圧着する圧着方法であって、
チップが圧着される基板の裏面を吸着保持する基板ステージと、
前記仮圧着したチップの表面を覆う弾性シートと、
前記基板ステージの外周に位置し、前記弾性シートを保持するシート保持手段と、
前記シート保持手段と前記弾性シートと前記基板ステージとにより形成された密閉空間を減圧する減圧手段と、
弾性シートを介して基板上のチップに所定の加圧力を付与するボンディングヘッドと、を備え、
チップが仮圧着された基板を基板ステージに載置する工程と、
弾性シートを仮圧着したチップの表面に覆い、弾性シートを保持する工程と、
前記シート保持手段と前記弾性シートと前記基板ステージとにより形成された密閉空間を減圧下にする工程と、
ボンディングヘッドを所定の高さまで下降させ、弾性シートを介して基板上のチップに所定の加圧力を所定時間付与する工程と、を有する圧着方法である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、
弾性シートを枚葉で供給し、一括圧着の動作毎に弾性シートを交換する工程を有する圧着方法である。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の発明において、
前記弾性シートに、耐熱温度350℃以上、熱収縮率が350℃で0.1%以下、および熱伝導率が1W/m・K以上という特性を備えた材料を用いることを特徴とする圧着方法である。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項6から8のいずれかに記載の発明において、
弾性シートを介して基板上のチップに所定の加圧力を所定時間付与する工程において、ボンディングヘッドと基板ステージに備えられた加熱および冷却手段を動作させる工程を含む圧着方法である。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項6から9のいずれかに記載の発明において、
前記シート保持手段と前記弾性シートと前記基板ステージとにより形成された密閉空間を不活性ガス雰囲気にする工程を含む圧着方法である。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項6から10のいずれかに記載の発明において、前記ボンディングヘッドの加圧面が前記基板ステージに対して平行な状態を維持しながら下降させることを特徴とする圧着方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の圧着装置および圧着方法によれば、ボンディングヘッドが弾性シートを介して所定の加圧力でチップを押しつけているので、接着剤が溶融する際にチップと基板が位置ずれすること無く圧着されるようになる。また、局所的に密閉空間を形成し、減圧下に置換することができるので、大がかりなチャンバ-構造を必要とすること無く、簡易的な構造でバンプの酸化を防止しながら一括圧着することができる。
【0019】
また接着剤が加熱硬化する際に発生するアウトガスによるボイドも減圧下でボンディングすることで、ボイドを抑制しながら一括圧着することが出来る。
【0020】
また、弾性シートを介して圧着しているので、仮圧着されたチップに高さバラツキがあっても、実装ズレを発生させること無く基板に一括圧着することができる。
【0021】
また、弾性シートを局所的に形成したチャンバ-の上蓋と兼用することで、接着剤により仮圧着されたチップを一括圧着する際に、チップの周辺からはみ出した接着剤がボンディングヘッド側に付着することを防止できる。また、ボンディングヘッドと基板ステージからの上下加熱、冷却により接着剤の硬化とバンプ接合を一括で行うことが出来る。さらに、弾性シートを枚葉で供給することで、高速でウェハの交換を容易にし連続的に圧着を行うことが出来る。