(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の太陽電池モジュールは、長尺状の支持部材を架台の横桟等に取付具を用いて固定することで、架台に取付けられている。しかしながら、支持部材の幅方向の荷重については充分に対策されておらず、強風や地震等により太陽電池モジュールが支持部材の幅方向に移動してしまう可能性があった。
【0007】
そのため、小型・軽量化を図ると共に架台に対してより強固に固定可能な太陽電池モジュールが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、架台に取付けられる太陽電池モジュールにおいて、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの背面に固定された長尺状のバックフレームと、前記バックフレームの端部と嵌合し、前記バックフレームを前記架台に固定するアタッチメントと、を備え、
前記バックフレームは、前記太陽電池パネルに接触する長尺状の基部と、前記基部に対して離間して設けられる底部と、前記バックフレームの少なくとも端部において前記底部から前記太陽電池パネルに向かって突出する突出部と、を備え、前記アタッチメントは、前記バックフレームの端部に嵌合したときに、前記バックフレームの端部の少なくとも一部分に、
前記突出部の側部を挟み込むように前記バックフレームの幅方向から前記突出部に当接して前記バックフレームの幅方向の移動を規制する係止部を有
し、前記太陽電池モジュールは、前記アタッチメントが締結具により前記突出部を介して前記架台に締結されることで、前記架台に取付けられることを特徴とする、太陽電池モジュールを提供する。
【0010】
請求項
2に記載の発明は、請求項
1に記載の太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池モジュールが、連続して隣接配置される太陽電池モジュールであり、前記バックフレームが、互いに隣接配置される前記太陽電池モジュールの前記バックフレームのそれぞれの端部が互いに対向するように前記太陽電池パネルに固定されていて、前記アタッチメントが、前記互いに隣接配置された前記バックフレームの端部の両方を固定し、前記アタッチメントは、それぞれの前記バックフレームの端部に当接する係止片をさらに備える、太陽電池モジュールを提供する。
【0011】
請求項
3に記載の発明は、請求項
1又は
2に記載の太陽電池モジュールにおいて、前記アタッチメントが、前記バックフレームの前記底部に接触する爪部を備える、太陽電池モジュールを提供する。
【0012】
請求項
4に記載の発明は、請求項1に記載の太陽電池モジュールにおいて、前記バックフレームが、前記バックフレームの端部が前記太陽電池パネルの端部から突出するように、固定されていて、前記アタッチメントは、長尺状のアタッチメント本体と、前記アタッチメント本体の側部に前記バックフレームの端部が嵌合する嵌入口と、を備え、前記アタッチメントの前記係止部は前記嵌入口の周囲に位置されており、前記太陽電池モジュールは、前記バックフレームの端部が前記アタッチメントの前記嵌入口に嵌入されることにより、前記架台に取付けられる、太陽電池モジュールを提供する。
【0013】
請求項
5に記載の発明は、請求項
4に記載の太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池モジュールが、連続して隣接配置される太陽電池モジュールであり、前記アタッチメントは、前記アタッチメント本体の両側部に前記嵌入口を備える、太陽電池モジュールを提供する。
【0014】
請求項
6に記載の発明は、請求項
4又は
5に記載の太陽電池モジュールにおいて、前記嵌入口が、前記アタッチメント本体の上部から延びる第一フランジ部と、前記アタッチメント本体の側部から延びる第二フランジ部と、前記第一フランジ部に前記バックフレームの上面に対応して形成された第一切欠部、又は、前記第二フランジ部に前記バックフレームの下面に対応して形成された第二切欠部と、から構成される、太陽電池モジュールを提供する。
【0015】
請求項
7に記載の発明は、請求項
4から
6の何れか一項に記載の太陽電池モジュールにおいて、前記アタッチメントが、前記アタッチメント本体の底部から延びる第三フランジ部を備え、前記第三フランジ部が固定具により前記架台に固定されている太陽電池モジュールを提供する。
【発明の効果】
【0016】
各請求項に記載の発明の太陽電池モジュールは、太陽電池パネルの背面に固定された長尺状のバックフレームを備え、太陽電池パネルを補強している。そのため、太陽電池パネルの周囲にフレームを有する太陽電池モジュールと比較して、小型・軽量化を図ることができると共に、太陽光発電装置全体の部品点数を減らし、総重量を減少させることができる。また、太陽電池モジュールは太陽電池パネルの周囲を囲むフレームを有さないので、太陽電池パネルの設置間隔を最小限にすることができ、設置効率が向上するという共通の効果を奏する。
【0017】
そして、アタッチメントがバックフレームの端部に嵌合したときに、バックフレームの幅方向から当接してバックフレームの幅方向の移動を規制する係止部を有し、バックフレームの幅方向の移動が係止部によって規制されるため、地震や強風により、太陽電池モジュールに対して上下又は左右に荷重がかかった場合でも、太陽電池モジュールの移動が防止され、太陽電池モジュール及びそれを用いた太陽光発電装置の破損を防ぐことができる。
【0018】
請求項2に記載の太陽電池モジュールは、バックフレームの少なくとも端部において、底部から太陽電池パネルに向かって突出する突出部を備え、アタッチメントの係止部が突出部の側部にバックフレームの幅方向から当接するように配置される。このような構成により、上記共通の効果に加えて、突出部やアタッチメントを太陽電池モジュールの背面側に隠すことができ、例えば太陽光発電装置の美観を損なうことがない。
【0019】
請求項3に記載の太陽電池モジュールは、アタッチメントが、互いに隣接配置されたバックフレームの端部の両方を固定する。そのため、上記共通の効果に加えて、設置作業の効率が向上するとともに、太陽光発電装置全体の部品点数を減らすことができる。また、アタッチメントがバックフレームの端部のそれぞれに当接する係止片をさらに備えるので、互いに対向するバックフレームの端部が直接的に接触することがなく隙間が発生する。この隙間により、バックフレームが熱膨張により伸びた場合でも、その伸び吸収することができ、バックフレームの破損を防止することができる。
【0020】
請求項4に記載の太陽電池モジュールは、アタッチメントが、バックフレームの底部に接触する爪部を備えている。そのため、上記共通の効果に加えて、バックフレームが架台に固定されたとき、アタッチメントの爪部が底部に接触しバックフレームがずれにくくなり、より強固にバックフレームを固定することができる。
【0021】
請求項5に記載の太陽電池モジュールは、バックフレームの端部が嵌合する嵌入口を、アタッチメント本体の側部に備えている。そのため、上記共通の効果に加えて、バックフレームの端部をアタッチメントの嵌入口に嵌入することにより、太陽電池モジュールを架台に取付けることができるので、設置作業の効率が向上する。
【0022】
請求項6に記載の太陽電池モジュールは、アタッチメントがアタッチメント本体の両側部に嵌入口を備えている。そのため、上記共通の効果に加えて、隣接する太陽電池モジュールの端部の両方を一つの部材で固定することができ、設置作業の効率が向上すると共に、太陽光発電装置全体の部品点数を減らすことができる。
【0023】
請求項7に記載の太陽電池モジュールは、嵌入口が、アタッチメント本体から延びる第一フランジ部と、第二フランジ部と、それらに形成された第一切欠部又は第二切欠部とから構成されている。そのため、上記共通の効果に加えて、アタッチメントの軽量化を図ることができるとともに、嵌入口の形成が容易になる。
【0024】
請求項8に記載の太陽電池モジュールは、アタッチメントがアタッチメント本体の底部から延びる第三フランジ部を備えている。第三フランジ部を用いることで、上記共通の効果に加えて、アタッチメントの架台への取付が容易になる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。また、以下の実施形態において同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付して示している。そして、理解を容易にするために、図面は縮尺を適宜変更している。なお、本願発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した発明とその均等物におよぶ点に留意されたい。
【0027】
(第一実施形態)
図1は、本発明による第一実施形態の太陽電池モジュール10、及びその太陽電池モジュール10を用いた太陽光発電装置1を示す図であり、
図1(a)は、二つの太陽電池モジュール10を並列して架台2に取付けた太陽光発電装置1を示す斜視図、
図1(b)は、太陽電池モジュール10の一部(部分A)を拡大して示す一部拡大斜視図である。また、
図2は、
図1のII−II線に沿った断面図であり、
図3は、
図1のIII−III線に沿った断面図である。
【0028】
本実施形態の太陽電池モジュール10は、架台2に取付けられる太陽電池モジュールであって、太陽電池パネル100と、太陽電池パネル100の背面に固定された長尺状のバックフレーム110と、バックフレーム110の端部110aと嵌合し、バックフレーム110を架台2に固定するアタッチメント120とを備えている。
【0029】
本実施形態で用いる太陽電池パネル100は、二枚のガラス板と、その二枚のガラス板間に封止された光電変換素子とから構成されている。しかしながら、太陽電池パネル100の構成は、これに限定されず、二枚のガラス板のうちの一方の片面に形成した薄膜光電変換素子を他方のガラス板により封止したものでもよい。また、太陽電池パネル100は、一枚のガラス板の片面に形成した薄膜光電変換素子をカバーガラスとバックシートによって封止したものであってもよい。太陽電池パネルはガラス板により構成されるため、そのままでは強度が不足している場合が多く、従来は太陽電池パネルの外縁を囲むようにフレームが取付けられていた。本実施形態では、それぞれの太陽電池パネル100の背面に、二本の長尺状のバックフレーム110を、太陽電池パネル100の中心線Mに対して対称位置となるよう、互いに平行に配置している。各バックフレーム110は、太陽電池パネル100の背面に接着剤や両面テープ等を用いて固着されている。バックフレーム110を背面に設けることにより、太陽電池パネル100の強度を高め、太陽電池パネル100の運搬や設置を容易にしている。
【0030】
なお、太陽電池パネル100が太陽光を直接的に受ける面を前面100aと称し、前面に対して反対側の面を背面100bと称する。
【0031】
従来の太陽電池パネルでは、その周囲を囲うように各辺の長さに合わせた4つの部材を用いてフレーム作製していたが、本実施形態の太陽電池パネル100では、二本のバックフレーム110を、太陽電池パネル100の背面に設けることで補強している。そのため、太陽電池モジュールとして部材点数を削減することが可能になると共に、部材点数を削減することで太陽電池モジュール10を軽量化している。なお、図示実施形態では二本のバックフレーム110が、各太陽電池パネル100に設けられているが、バックフレーム110は二本に限らず、三本以上設けてもよい。
【0032】
また、太陽電池パネル100の周囲にフレームを設けないので、図示するように太陽電池パネル100を隣接して連続的に配置する場合、太陽電池パネル100の配置間隔を狭くすることができ、太陽電池パネル100の設置効率を向上させることができる。
【0033】
本実施形態の太陽電池モジュール10は、
図1の矢印B方向に傾斜して下がっている屋根面(図示しない)に設けられた架台2に設けられている。架台2は、互いに平行に、太陽電池モジュール10の幅方向の距離D1と略同じ間隔で配置された複数の縦桟3により構成されている。太陽電池モジュール10は、バックフレーム110の両方の端部110a、110bが、アタッチメント120により架台2の各縦桟3に固定され、隣り合う縦桟3に架け渡して設置されている。図示実施形態では、屋根面の傾斜方向に対して平行に設けられた縦桟3であるが、架台2は屋根の軒先に対して平行に設けられた横桟によって構成されてよく、横桟に太陽電池モジュール10が固定されてよい。
【0034】
バックフレーム110は長尺状の部材であり、
図2に示すように、その断面形状がW字状に形成されている。バックフレーム110は、太陽電池パネル100の背面100bに接着する基部111と、基部111に対して離間して設けられ、架台2の縦桟3の上面に接触する底部112と、基部111を支持し、基部111と底部112とを連結する支持部113と、底部112から太陽電池パネル100及び基部111の方に向けて突出する突出部114とを有する。本実施形態の突出部114は、バックフレーム110の長さ方向の全体にわたって形成されているが、バックフレーム110の両端部にのみ突出部114が形成されていてもよい。なお、突出部114の端部上面には、後述する締結具130のボルト131のねじ部を通すための切欠部115(
図3参照)が形成されている。また、バックフレーム110が太陽電池パネルの背面に固定される位置は所定の位置に定められており、太陽電池パネル100を連続して隣接配置した場合、各バックフレーム110の端部110a、110bが対向して配置されるようになっている。
【0035】
本実施形態では、バックフレーム110の端部110a、110bが、太陽電池パネル100の端部より突出するように構成されている。突出した部分により、隣接する太陽電池パネル100の間には隙間116(
図1、
図3参照)ができる。この隙間116により、太陽電池パネルの熱膨張による破損を防止することができると共に、この隙間116を利用して後述するアタッチメント120を太陽電池パネル側から固定することができる。
【0036】
本実施形態のバックフレーム110はアルミ製で、アルミの押出成型により作製されている。バックフレーム110は、金板を折り曲げて形成されてよい。バックフレーム110の材質について、特に限定はせず、木製、樹脂製であってもよいが、耐久性や強度の面から金属製、特に軽量で取扱いやすいアルミ製であるのが望ましい。
【0037】
アタッチメント120は、バックフレーム110の端部110a、110bに嵌合したとき、バックフレーム110の端部110a、110bの少なくとも一部分に、バックフレーム110の幅方向(バックフレーム110の長手方向に対して直交する方向、
図2の矢印C方向又は矢印E方向)から当接してバックフレーム110の幅方向の移動を規制する係止部121a、121b(以下まとめて係止部121と称する場合がある)を備えている。
図2に示すようにアタッチメント120は、断面が逆U字形の部材であり、係止部121aと係止部121bとが、バックフレーム110の突出部114を挟み込むように形成されていて、アタッチメント120は、係止部121a、121bが突出部114の両側部に、バックフレーム110の幅方向から当接するように配置される。
【0038】
アタッチメント120は、締結具130により突出部114を介して、架台2の縦桟3に固定されている。図示実施形態の締結具130は、ボルト131、第一ナット132、及び第二ナット133とから構成されている。縦桟3の内側よりボルト131のねじ部が太陽電池パネル100に向けて挿入され、第一ナット132によりボルト131を縦桟3に固定した後、ボルト131のねじ部をバックフレーム110の突出部114の切欠部115を通るように突出部114を配置し、さらにアタッチメント120に形成された貫通孔124(
図4参照)にボルト131のねじ部を通し、第二ナット133によりアタッチメント120が固定される。図に示すように、アタッチメント120や突出部114は太陽電池パネル100の背面側に位置して、太陽電池パネル100に隠れている。そのため、太陽光発電装置の美観を損なうことがない。また、アタッチメント120を太陽電池パネル100の前面側から固定することができるので、作業効率が向上する。なお、締結具130は、縦桟3の内側よりボルト131のねじ部が太陽電池パネル100に向けて、すなわち図中下方から、挿入していたが、締結具130の挿入方法はそれに限定されず、
太陽電池パネルの前面側から、すなわち図中上方からボルト131のねじ部をアタッチメント120に形成された貫通孔124を通って縦桟3の内側に向けて挿入し、縦桟3の内側から図示しない別のナットを用いて締結してもよい。この場合、縦桟3の内側に設けられるナットは、縦桟3にあらかじめ固定されていてもよい。また、ナットの代わりに縦桟自身に雌ねじを設けて、図中上方から挿入したボルト131を縦桟3に締結してもよい。
【0039】
図4は、アタッチメント120の三面図であり、
図4(a)は正面図、
図4(b)は側面図、
図4(c)は底面図である。
【0040】
本実施形態のアタッチメント120は、
図3に示すように連続して隣接配置される太陽電池モジュール10のバックフレーム110のそれぞれの端部110a、110bの両方をまとめて固定するように形成されている。アタッチメント120の中央部分には、対向するバックフレーム110の端部110a、110bが直接接触しないよう、バックフレーム110の端部に当接する係止片122a、122bが形成されている。バックフレーム110の端部同士が直接当接することを防止することにより、例えばバックフレーム110が熱膨張により伸びた場合でも、その伸びを吸収することができ、バックフレーム110の破損を防止することができる。
【0041】
アタッチメント120の係止部121a、121bの先端部分、即ちアタッチメント120の底部には、爪部123が形成されている。締結具130によりバックフレーム110を固定した場合、爪部123がバックフレーム110の底部に接触して引っ掛かり、より強固にバックフレーム110を縦桟3に固定することができる。また、本実施形態のアタッチメント120は金属製であるが、特に限定はせず、木製、樹脂製であってもよい。耐久性や強度の面から金属製であるのが望ましい。
【0042】
次に、本実施形態による太陽電池モジュールの別例について説明する。
図5は、本実施形態による太陽電池モジュール11及びそれを用いた太陽光発電装置1aを示す図であり、
図5(a)は全体を示す斜視図、
図5(b)は
図5(a)の部分Fを拡大した部分拡大斜視図である。
図6は
図5のVI−VI線に沿った断面図、
図7はバックフレーム140の端部を示す部分拡大斜視図である。
【0043】
太陽電池モジュール11は、架台2の縦桟3に取付けられる太陽電池モジュールであって、太陽電池パネル100と、太陽電池パネル100の背面に固定された長尺状のバックフレーム140と、バックフレーム140の端部と嵌合し、バックフレーム140を架台2に固定するアタッチメント120とを備えている。
図1に記載の太陽電池モジュール10とは、バックフレームの断面形状が異なっている。太陽電池パネル100及びアタッチメント120の構造は同様であるので、それらの詳細な説明は省略する。
【0044】
図示実施形態の太陽電池モジュール11のバックフレーム140は、長尺状の部材であり、
図6に示すように、太陽電池パネル100の背面100bに接着する基部141と、基部141に対して離間して設けられ架台2の縦桟3と接触する底部142と、基部141を支持し、基部141と底部142とを連結する支持部143と、底部142から太陽電池パネル100及び基部141に向けて突出する突出部144とを有する。図示実施形態では基部141が一枚の平板で形成されていて、バックフレーム140は筒状になっている。
図1のバックフレーム110と比較して太陽電池パネル100の背面100bと接着する面積が広くなり、バックフレーム140を太陽電池パネル100の背面100bにより広い面積でもって固定することができる。また、バックフレーム140の強度も向上する。
【0045】
図6に示すように、アタッチメント120を、バックフレーム140の突出部144に嵌合させ、アタッチメント120の係止部121a、121bが突出部144の両側部に、バックフレーム140の幅方向(図のC方向及びE方向)から当接するように配置する。そして、アタッチメント120が締結具130により、突出部144を介して架台2の縦桟3に締結されることで、太陽電池モジュール11が、架台2に取付けられる。バックフレーム140の突出部144の両側部と、アタッチメント120の係止部121a、121bとが当接することで、バックフレーム140の幅方向の移動が規制されるため、太陽電池モジュール11がバックフレーム140の幅方向に移動することを防止することができる。
【0046】
図1に示すバックフレーム110では、突出部114の上部が開放されていて、太陽電池パネル100の前面100a側から締結具130の第二ナット133を締結することができた。バックフレーム140においても、締結具130の第二ナット133を締めることができるよう、
図7に示すように、バックフレーム140の端部において基部141に基部の切欠部145が形成されている。また、締結具130のボルト131のねじ部を通すために、バックフレーム140の端部において、突出部144の上部に突出部の切欠部146が形成されている。なお、
図6では、締結具130のボルト131は、縦桟3側から(図中下方から)挿入され、第一ナット132及び第二ナット133により締結されているが、締結具130のボルト131を、太陽電池パネル100の前面100a側から挿入して、縦桟3側から第二ナット133を締結してもよい。また縦桟3に雌ねじを設けてボルト131を締結してもよい。
【0047】
図示実施形態のバックフレーム140は、アルミ製でありアルミの押出により作製されている。平板の基部141に、W字形に形成した底部142と支持部143とを溶接等により接合して作製してもよい。
【0048】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による太陽電池モジュール20について図を用いて説明する。第一実施形態の太陽電池モジュール10との違いは、アタッチメントの形状が異なっていることである。以下では、アタッチメントの形状、及びアタッチメントによる太陽電池モジュール20の取付方法について主に説明する。
【0049】
図8は、本発明の第二実施形態による太陽電池モジュール20a、20b(以下まとめて太陽電池モジュール20と称する場合がある)及び、二つの太陽電池モジュール20を並列して設置した太陽光発電装置4を示す斜視図である。
図9は、太陽電池モジュール20及び太陽光発電装置4の平面図である。
図10は、
図8のX−X線に沿った断面図である。
【0050】
本実施形態の太陽電池モジュール20は、架台5に取付けられる太陽電池モジュールであって、太陽電池パネル200と、太陽電池パネル200の背面200bに固定された長尺上の二本のバックフレーム210と、バックフレーム210の端部210a、210bと嵌合し、バックフレーム210を架台5に固定するアタッチメント220を備えている。
【0051】
本実施形態の太陽電池モジュール20が取付けられる架台5は、複数の長尺状の縦桟6から構成されていて、互いに平行になるよう屋根面(図示しない)に取付けられている。本実施形態では、矢印G方向に傾斜して下がる屋根面に取付けられているが、傾斜角度を変更する場合、例えば屋根面から立設する支持部材を縦桟6の後端部に取付け、縦桟6がさらに傾斜するよう構成してもよい。また縦桟6の間隔を維持するために横桟を設けてもよい。第一実施形態の架台2では、縦桟6を太陽電池モジュール10の横方向の寸法に合わせた間隔でもって互いに平行に設置していたが、本実施形態の縦桟6は、太陽電池モジュール20の幅方向の寸法W1よりも短い間隔W2で設置している(
図9参照)。二本のバックフレーム210はさらに短い間隔W3で固定されている。なお、本実施形態の縦桟6は太陽電池モジュール20の短辺方向(
図8の矢印G方向)の寸法より長く、複数の太陽電池モジュール20が架け渡され、複数のアタッチメント220が固定されている。しかしながら、縦桟6の構成は、これに限らず、一つのアタッチメント220を固定する、太陽電池モジュール20の短辺方向(矢印G方向)の寸法より短い縦桟を、一直線上に複数並べて配置した構成でもよい。
【0052】
太陽電池パネル200の構成は、第一実施形態の太陽電池パネル100と同様、二枚のガラス板と、その二枚のガラス板間に封止された光電変換素子とからなる。その詳細な説明は省略するが、他の構成であってもよい。
【0053】
バックフレーム210は、
図10に示すように太陽電池パネル200の背面200bに固定される長尺状の部材であり、太陽電池パネル200に接触する長尺状の基部211と基部211と離間して設けられる底部212と、基部211を支持して基部211と底部212を連結する支持部213と、底部212から太陽電池パネル200や基部211に向かって突出する突出部214とを備えている。バックフレーム210は、実質的に、第一実施形態の
図5に示すバックフレーム140と同じ断面形状を有している。しかしながら、バックフレーム210の断面形状はこれに限らず、
図2に示すバックフレーム110と同じ断面、すなわちW字状の断面を有してもよい。また、図示実施形態では二本のバックフレーム210が、各太陽電池パネル200に設けられているが、バックフレーム210は二本に限らず、三本以上設けてもよい。
【0054】
バックフレーム210は、バックフレーム210の端部210a及び210bが、太陽電池パネル200の端部から突出するように固定されている。突出したバックフレーム210の端部210a、210bは、後述するアタッチメント220に形成された嵌入口222に嵌合する。
【0055】
図11及び
図12を用いて、本実施形態のアタッチメント220について説明する。
図11はアタッチメント220を示す斜視図、
図12はアタッチメント220の別例であるスタートカバー220aを示す斜視図である。
【0056】
アタッチメント220は、長尺状のアタッチメント本体221と、アタッチメント本体221の側部に、バックフレーム210の端部210a又は端部210bが嵌合する嵌入口222とを備えている。
【0057】
図11に示すように、アタッチメント220は、アタッチメント本体221と、アタッチメント本体221の上部から、アタッチメント220の幅方向(左右両方向、
図11のJ方向及びK方向)に延びる第一フランジ部230と、アタッチメント本体221の側部から幅方向に延びる第二フランジ部232とを有する。また、アタッチメント220が立つことができるよう、アタッチメント220は、アタッチメント本体221の底部から幅方向に延びる第三フランジ部234を有する。
【0058】
本実施形態の嵌入口222は、
図11に示すように、第一フランジ部230と第二フランジ部232と、第一フランジ部230に、バックフレーム210の端部の上面に対応して形成された第一切欠部231と、バックフレーム210の端部の下面に対応して形成された第二切欠部233と、から構成されている。そして、第一切欠部231の側部及び、第二切欠部233の側部が、バックフレーム210の端部210a、210bが嵌入口222に嵌合したときに、バックフレーム210の幅方向(
図10、
図11のH方向及びJ方向)から当接してバックフレーム210の幅方向の移動を規制する係止部223a、223b(以下まとめて係止部223と称する場合がある)となっている。そして、嵌入口222に、バックフレーム210の端部210a又は端部210bを挿入するだけで、バックフレーム210がアタッチメント220に固定される。このように構成することで、アタッチメント自体の軽量化を図ることができ、また、切り欠くことで嵌入口の形成できるので、容易に作製できる。
【0059】
図11に示すアタッチメント220は、連続して隣接配置される太陽電池モジュール20のそれぞれのバックフレーム210の端部210a、210bを嵌合することができるよう、アタッチメント本体221の両側部に嵌入口222を備えている。隣接する太陽電池モジュール20の端部の両方を一つの部材で固定することができ、設置の作業効率が向上すると共に、太陽光発電装置全体の部品点数を減らすことができる。
【0060】
一方、太陽光発電装置4の端部に位置する太陽電池モジュール20を固定するアタッチメント220は、その両側部に嵌入口222を形成する必要はなく、一方の側部にのみ嵌入口222が形成されていればよい。
図12は、太陽光発電装置4の端部に位置するアタッチメント220の別例であるスタートカバー220aを示す斜視図である。スタートカバー220aは、アタッチメント本体221の一方の側部に第一切欠部231及び第二切欠部233とから構成された嵌入口222を備えている。そして、アタッチメント本体221の他方の側部には、装飾部236を備えている。装飾部236は軒先側に配置され、建物の下方から見た場合の太陽光発電装置4の見栄えを良くする。屋根の尾根側であって太陽光発電装置4の端部に位置するアタッチメント220は、建物の下方から見えないため装飾部236を設けなくてもよい。
【0061】
図示実施形態の嵌入口222は、第一フランジ部230に形成された第一切欠部231と第二切欠部233とを含むよう構成されているが、嵌入口222は、第一切欠部231と第二切欠部233とのうちの何れか一方のみを備えていればよい。すなわち、第一フランジ部230に形成された第一切欠部231にバックフレーム210の端部210a、210bの基部211が嵌入し、第二切欠部233が形成されていない第二フランジ部232によりバックフレーム210の端部210a、210bの底部212の底面が支持されるか、又は、第二フランジ部232に形成された第二切欠部233にバックフレーム210の端部210a、210bの底部212が嵌入され、第一切欠部231が形成されていない第一フランジ部230によってバックフレーム210の端部210a、210bの基部211の上面が支持されてもよい。なお、この嵌入口の構成は、
図12に示すスタートカバー220aにも適用可能である。
【0062】
本実施形態のアタッチメント220は、アルミの押出成型により作製されている。アタッチメント220の材質について、特に限定はせず、木製、樹脂製であってもよいが、耐久性や強度の面から金属製、特に軽量で取扱いやすいアルミニウム製であるのが望ましい。
【0063】
図示実施形態において、アタッチメント本体221の長さLは、太陽電池パネル200の幅方向の長さW1に合わせてあるが、長さLは太陽電池パネルの長さW1に合わせる必要はなく、太陽電池パネル200の背面に固定されたバックフレーム210の本数分の嵌入口222を形成することが可能な大きさであればよい。
【0064】
図13を用いて、本実施形態の太陽電池モジュール20の架台5(縦桟6)への取付方法について説明する。
【0065】
図13(a)に示すように、縦桟6の端部に、スタートカバー220aを固定する。そして、バックフレーム210の一方の端部210aを、スタートカバー220aの嵌入口222に挿入して嵌合する。バックフレーム210の他方の端部210bには、アタッチメント220の嵌入口222を挿入して嵌合する。縦桟6の上面には、アタッチメント220を縦桟6に固定する締結具240のナット243を予め配置しておく。アタッチメント220を縦桟6上に配置したのち、締結具240の引掛部241を第三フランジ部234に引掛けて、ボルト242を締めることで引掛部241を縦桟6に固定する。締結具240により、アタッチメント220が固定され、太陽電池モジュール20aが架台5に固定されるようになる。
【0066】
引き続き、隣接する太陽電池モジュール20bのバックフレーム210の端部210aを、アタッチメント220の他方の、嵌入口222に挿入して嵌合する。他方の端部210bに、さらにアタッチメント220の嵌入口222を挿入、嵌合して締結具240によりアタッチメント220を縦桟6に固定して、太陽電池モジュール20bを固定する。以下、この方法繰り返し、太陽電池モジュール20c以降を設置する。アタッチメント220を締結具240により架台5に取付ける必要があるが、アタッチメント220と、バックフレーム210を有する太陽電池パネル200とを、バックフレーム210の端部210a、210bを嵌入口222に挿入するだけで固定することができ、太陽光発電装置4を設置する際の作業性が向上する。また、太陽電池モジュール20は、バックフレーム210の端部210a、210bが、嵌入口222の係止部223により、バックフレーム210の幅方向の移動が規制されるため、例えば地震や強風による太陽電池モジュール20の横方向の移動を防止することができ、太陽光発電装置4の破損を防ぐことが可能になる。
【0067】
以上、本発明による本実施形態について添付図を用いて説明した。本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、太陽電池パネルの背面に固定された長尺状のバックフレームと、バックフレームの端部と嵌合し、バックフレームを架台に固定するアタッチメントとを備えている。従来の周囲にフレームを有する太陽電池パネルを用いた場合と比較して、小型・軽量化を図ることができると共に、太陽光発電装置全体の部品点数を減らし、総重量も減少させるができる。また、太陽電池パネルの設置間隔を最小限にすることができ、設置効率を向上させる。また、本発明の太陽電池モジュールは、アタッチメントがバックフレームの端部に嵌合したときに、バックフレームの幅方向から当接してバックフレームの幅方向の移動を規制する係止部を有する。バックフレームの幅方向の移動が係止部によって規制されるため、地震や強風により、太陽電池モジュールに対して上下又は左右に荷重がかかった場合でも、太陽電池モジュールの移動が防止され、太陽電池モジュール及びそれを用いた太陽光発電装置の破損を防ぐことができる。