(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記字幕表示制御部は、上記番組形態判定部により番組形態が上記収録番組であると判定された場合、上記切り替えが行われる前に受信していた上記ワンセグ放送からの字幕情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載の車載用デジタル放送受信装置。
上記字幕表示制御部は、上記番組形態判定部により番組形態が上記収録番組であると判定され、かつ、上記字幕設定判定部により上記字幕表示機能がオンに設定されていると判定された場合、上記切り替えの後に受信した上記フルセグ放送からの字幕情報を上記所定位置に表示させるとともに、上記切り替えが行われる前に受信していた上記ワンセグ放送からの字幕情報を上記所定位置と異なる位置に表示させることを特徴とする請求項4に記載の車載用デジタル放送受信装置。
上記字幕表示制御部は、上記番組形態判定部により番組形態が上記ライブ放送であると判定された場合、上記切り替えの後に受信した上記フルセグ放送からの字幕情報を表示させることを特徴とする請求項1に記載の車載用デジタル放送受信装置。
【背景技術】
【0002】
日本の地上デジタル放送は、1つのチャンネルの周波数帯域幅が13のセグメントに分かれた構造となっており、そのうち、ハイビジョン放送には12セグメント、標準画質放送には4セグメントが割り当てられている。また、画面の小さい携帯電話や車載機などのモバイル端末用の放送には、画質より移動性を重視する観点から1セグメントだけが割り当てられている。
【0003】
モバイル端末用の放送は、1セグメントを略して「ワンセグ放送」と呼ばれている。これに対し、12セグメントの全てを利用して1番組を放送するハイビジョン放送や、12セグメントを利用して最大3番組を放送する標準画質放送は「フルセグ放送」と呼ばれている。車両の現在位置に応じたチャンネルのデジタル放送を受信する際に、ワンセグ放送よりも画質の良いフルセグ放送をできるだけ受信できるようにすることが望まれている。
【0004】
車載用デジタル放送受信装置では、ワンセグ放送とフルセグ放送とを電波の受信状況によって自動的に切り替える機能を搭載しているものが一般的である。すなわち、車載用デジタル放送受信装置では、電波の受信状況が良い場合には、ノイズに弱いが高品質であるフルセグ放送に切り替えられる。一方、電波の受信状況が悪い場合には、低品質であるがノイズに強いワンセグ放送に切り替えられる。
【0005】
なお、ワンセグ放送とフルセグ放送との圧縮形式の違いから、ワンセグ放送はフルセグ放送に対して放送タイミングが数秒ほど遅延している。したがって、電波の受信状況に応じて、ワンセグ放送とフルセグ放送との切り替えが行われた場合には、数秒間にわたって同じ内容が繰り返し出力されたり、あるいは、数秒間分の内容が欠落したりする状態が生じ、ユーザに視聴上の違和感を生じさせてしまうという問題がある。
【0006】
従来、このような問題を解決することを目的とした発明が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1に記載の発明では、同一内容の映像を示す高解像度映像フレーム(フルセグ放送に相当)と低解像度映像フレーム(ワンセグ放送に相当)との表示タイミングの時間差を示すオフセット値に基づいて、表示タイミングの早い方のフレームを、当該オフセット値に対応する時間だけ遅延させて表示するようにしている。
【0007】
また、特許文献2に記載の発明では、第1放送信号(ワンセグ放送に相当)が第2放送信号(フルセグ放送に相当)に対して遅延している遅延量を検出する。そして、第2放送信号から第1放送信号に切り替える際に、遅延量検出信号に基づいて、視聴上の違和感を与えない状態にて第2放送信号を遅延させることができるシーンを検出し、遅延シーン検出信号に基づき指示されたシーンにおいて、第2放送信号を遅延させた状態にて、第2放送信号から第1放送信号に切り替えるようにしている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態による車載用デジタル放送受信装置の構成例を示す図である。
図1において、アンテナ1は、デジタル放送の電波を受信する。チューナ2は、アンテナ1によって受信したデジタル放送の電波から所望のチャンネルに合致した受信周波数の放送波信号を選択的に抽出して出力する。
【0016】
OFDM復調部3は、チューナ2で受信した放送波信号をOFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)復調してトランスポートストリーム(Transport Stream:以下、TSと記す)を得る。誤り訂正部4は、OFDM復調部3により復調されたTSに対して、伝送路で発生した誤りの訂正を実行する。
【0017】
デマルチプレクサ部5は、多重化されているTSを分離して映像ストリーム、音声ストリームおよびデータストリームを得る。そして、デマルチプレクサ部5は、音声ストリームをオーディオデコーダ部6に出力し、映像ストリームをビデオデコーダ部7に出力し、データストリームをデータデコーダ部8に出力する。
【0018】
ここで、データストリームには、音声ストリームに含まれる音声情報に対応して生成された字幕情報、受信チャンネルに関する情報、放送番組に関する情報、受信した信号の誤り率を表すBER(Bit Error Rate)などが含まれている。受信チャンネルに関する情報には、受信中の放送がワンセグ放送かフルセグ放送かを示す階層情報が含まれている。また、放送番組に関する情報には、受信中の放送番組が収録番組かライブ番組かを示す番組形態情報が含まれている。
【0019】
オーディオデコーダ部6は、入力した音声ストリームをデコードして音声信号としてスピーカ21から出力する。ビデオデコーダ部7は、入力した映像ストリームをデコードして映像信号としてディスプレイ22に出力する。データデコーダ部8は、入力したデータストリームをデコードして、受信チャンネルに関する情報、放送番組に関する情報、BERなどを制御データとして制御部10に出力するとともに、字幕情報をディスプレイ22に出力する。
【0020】
制御部10は、車載用デジタル放送受信装置の全体の動作を制御する。すなわち、制御部10は、チューナ2、OFDM復調部3、誤り訂正部4、デマルチプレクサ部5、オーディオデコーダ部6、ビデオデコーダ部7およびデータデコーダ部8の動作を制御する。
【0021】
制御部10は、その機能構成として、受信感度検出部10a、チャンネル切替部10b、字幕設定判定部10c、字幕表示制御部10d、切り替え判定部10eおよび番組形態判定部10fを備えている。受信感度検出部10aは、例えばデータデコーダ部8から供給されるBERに基づいて、受信中の放送に関する受信感度を検出する。
【0022】
チャンネル切替部10bは、チューナ2における受信チャンネルや受信階層の切り替えを行う。例えば、チャンネル切替部10bは、受信感度検出部10aにより検出される受信感度に応じて、フルセグ放送とワンセグ放送とを適宜切り替えて受信するようにチューナ2を制御する。具体的には、BERの値が所定値より小さく受信感度が良好なときはフルセグ放送を受信し、BERの値が所定値以上で受信感度が悪化したときはワンセグ放送を受信するように制御する。
【0023】
字幕設定判定部10cは、システムメモリ20に格納されている設定情報に基づいて、字幕表示機能がオンに設定されているかオフに設定されているかを判定する。なお、字幕表示機能をオンにするかオフにするかは、ユーザが図示しない操作部を操作することによって任意に設定することが可能であり、設定された情報がシステムメモリ20に格納されるようになっている。
【0024】
字幕表示制御部10dは、データストリームに含まれる字幕情報のディスプレイ22への表示を制御する。原則として、字幕表示制御部10dは、字幕設定判定部10cにより字幕表示機能がオンに設定されていると判定された場合、字幕情報をディスプレイ22に表示させるようにデータデコーダ部8を制御する。一方、字幕設定判定部10cにより字幕表示機能がオフに設定されていると判定された場合、字幕表示制御部10dは字幕情報をディスプレイ22に表示させないようにデータデコーダ部8を制御する。
【0025】
切り替え判定部10eは、チャンネル切替部10bによってワンセグ放送からフルセグ放送への切り替えが行われたか否かを判定する。この判定は、例えば、ワンセグ放送からフルセグ放送へ切り替えたことを示す切り替え通知をチャンネル切替部10bから受けることによって行うことが可能である。または、データデコーダ部8から制御データとして供給される階層情報に基づいて、ワンセグ放送からフルセグ放送への切り替えが行われたか否かを判定するようにすることも可能である。または、データデコーダ部8から供給されるBERもしくは当該BERに基づき受信感度検出部10aにより検出される受信感度に基づいて、ワンセグ放送からフルセグ放送への切り替えが行われるか否かを判定するようにすることも可能である。
【0026】
上述の字幕表示制御部10dは、切り替え判定部10eによりワンセグ放送からフルセグ放送への切り替えが行われたと判定された場合は例外的に、字幕表示機能がオンに設定されているかオフに設定されているかによらず、字幕情報をディスプレイ22に表示させるようにデータデコーダ部8を制御する。
【0027】
番組形態判定部10fは、データデコーダ部8から制御データとして供給される番組形態情報に基づいて、放送中の番組が収録番組かライブ番組かの番組形態を判定する。上述の字幕表示制御部10dは、ワンセグ放送からフルセグ放送への切り替え時に字幕情報をディスプレイ22に表示させるようにデータデコーダ部8を制御する際に、番組形態判定部10fにより判定された番組形態に応じて、表示させる字幕情報を決定する。
【0028】
収録番組の場合、スピーカ21に出力される音声情報と同じタイミングで、当該音声情報に対応する字幕情報がディスプレイ22に表示される。これに対して、ライブ放送の場合、スピーカ21に出力される音声情報に対応する字幕情報は、当該音声情報から数秒遅れてディスプレイ22に表示される。このように、収録番組かライブ番組かによって、音声情報に対応する字幕情報の表示されるタイミングが異なるので、表示させる字幕情報を番組形態に応じて決定するようにするのが好ましい。
【0029】
具体的には、字幕表示制御部10dは、番組形態判定部10fにより番組形態が収録番組であると判定された場合、切り替えが行われる前に受信していたワンセグ放送からの字幕情報をディスプレイ22に表示させるようにデータデコーダ部8を制御する。このとき字幕表示制御部10dは、ワンセグ放送からの字幕情報を所定時間表示させるように制御する。この動作のために、データデコーダ部8は、ワンセグ放送からフルセグ放送に切り替えられた後も、切り替え直前に取得したワンセグ放送の字幕情報を少なくとも所定時間分は記憶して保存しておく必要がある。
【0030】
また、字幕表示制御部10dは、番組形態判定部10fにより番組形態がライブ放送であると判定された場合、切り替えの後に受信したフルセグ放送からの字幕情報をディスプレイ22に表示させるようにデータデコーダ部8を制御する。このとき字幕表示制御部10dは、フルセグ放送からの字幕情報を所定時間表示させるように制御する。なお、フルセグ放送の字幕情報を表示させる所定時間は、ワンセグ放送の字幕情報を表示させる所定時間と同じでなくてもよい。
【0031】
図2〜
図4は、ワンセグ放送からフルセグ放送への切り替えが行われる際における字幕表示の動作例を模式的に示す図である。なお、ここでは説明の便宜上、出力される放送内容を1秒単位で区切って示している。また、字幕表示機能はオフに設定されているものとする。また、ワンセグ放送がフルセグ放送に対して1秒遅延しているものとする。
【0032】
図2(a)は、フルセグ放送とワンセグ放送との切り替え状況を示している。この
図2(a)に示す例では、フルセグ放送を2秒間受信したところで受信状況が悪化し、ワンセグ放送に切り替えられている。このとき、ワンセグ放送がフルセグ放送に対して1秒遅延しているために、フルセグ放送の2秒目の映像および音声と同じ内容がワンセグ放送でも繰り返し出力されている。ただし、映像および音声の欠落が生じているわけではないので、このタイミングで字幕情報の強制表示は行わない。
【0033】
その後、ワンセグ放送を3秒間受信したところで受信状況が回復し、フルセグ放送に切り替えられている。このとき、フルセグ放送がワンセグ放送よりも1秒進んでいるために、フルセグ放送の5秒目の映像および音声が欠落して出力されないこととなる。この欠落を補完するために、本実施形態ではこのタイミングで字幕情報を強制表示させるようにしている。
【0034】
図2(b)は、放送中の番組が収録番組である場合における字幕表示の例を示す図である。
図2(b)に示すように、番組形態が収録番組である場合、字幕表示制御部10dは、切り替えが行われる前に受信していたワンセグ放送からの字幕情報をディスプレイ22に所定時間(ここでは2秒)表示させる。字幕情報を所定時間表示させた後は、当該字幕情報を消去し、通常のフルセグ放送の出力に切り替える。
【0035】
図3は、放送中の番組が収録番組である場合における字幕表示の具体例を示す図である。ここで、
図3(a)が本実施形態の動作例を示している。また、
図3(b)はワンセグ放送の放送状態、
図3(c)はフルセグ放送の放送状態を示している。
図3(a)の例では、クイズ番組を視聴中にワンセグ放送からフルセグ放送への切り替えが行われたときに、「答えは」・・・「次の問題です。」といったように途中が欠落した音声情報「東京スカイツリーです」を、字幕情報の強制表示によって補完している。
【0036】
図3(b)に示すように、収録番組の場合、音声情報に対応する字幕情報が音声情報と同じタイミングで受信できている。したがって、
図3(a)に示すように、フルセグ放送に切り替えられる前に受信していたワンセグ放送の字幕情報をフルセグ放送への切り替え後に所定時間表示させることにより、欠落した音声情報を字幕情報の強制表示によって補完することができる。
【0037】
図2(c)は、放送中の番組がライブ番組である場合における字幕表示の例を示す図である。
図2(c)に示すように、番組形態がライブ番組である場合、字幕表示制御部10dは、切り替えの後に受信したフルセグ放送からの字幕情報を所定時間(ここでは2秒)ディスプレイ22に表示させる。字幕情報を所定時間表示させた後は、当該字幕情報を消去し、通常のフルセグ放送の出力に切り替える。
【0038】
図4は、放送中の番組がライブ番組である場合における字幕表示の具体例を示す図である。ここで、
図4(a)が本実施形態の動作例を示している。また、
図4(b)はワンセグ放送の放送状態、
図4(c)はフルセグ放送の放送状態を示している。
図4(a)の例では、ニュース番組を視聴中にワンセグ放送からフルセグ放送への切り替えが行われたときに、「東京ドームで行われた」・・・「次のニュースです。」といったように途中が欠落した音声情報「巨人対阪神は3対2で阪神が勝利しました。」を、字幕情報の強制表示によって補完している。
【0039】
図4(c)に示すように、ライブ番組の場合、音声情報に対応する字幕情報は音声情報から数秒遅れたタイミングで受信される。したがって、
図4(a)に示すように、切り替えの後に受信したフルセグ放送からの字幕情報を所定時間表示させておけば、欠落した音声情報を字幕情報の強制表示によって補完することができる。
【0040】
また、字幕表示制御部10dは、番組形態判定部10fにより番組形態が収録番組であると判定された場合、字幕表示機能がオンに設定されているかオフに設定されているかに応じて、字幕情報の表示位置を決定するのが好ましい。もともと字幕表示機能がオンに設定されている場合に、ワンセグ放送からフルセグ放送への切り替え時に字幕情報を強制表示させると、字幕情報の表示に衝突が起きてしまうからである。
【0041】
図5は、字幕情報の表示位置を説明するための図である。字幕表示制御部10dは、番組形態判定部10fにより番組形態が収録番組であると判定され、かつ、字幕設定判定部10cにより字幕表示機能がオフに設定されていると判定された場合、
図5(a)に示すように、切り替えが行われる前に受信していたワンセグ放送からの字幕情報を、字幕表示機能がオンのときに字幕情報が表示される所定位置(画面下部)に表示させる。
【0042】
また、字幕表示制御部10dは、番組形態判定部10fにより番組形態が収録番組であると判定され、かつ、字幕設定判定部10cにより字幕表示機能がオンに設定されていると判定された場合、
図5(b)に示すように、切り替えの後に受信したフルセグ放送からの字幕情報を所定位置(画面下部)に表示させるとともに、切り替えが行われる前に受信していたワンセグ放送からの字幕情報を、所定位置と異なる位置(例えば、画面上部)に表示させる。
【0043】
図6は、上記のように構成した本実施形態による車載用デジタル放送受信装置の動作例を示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートは、車載用デジタル放送受信装置の電源がオンとされたときに開始する。まず、切り替え判定部10eは、チャンネル切替部10bによってワンセグ放送からフルセグ放送への切り替えが行われたか否かを判定する(ステップS1)。
【0044】
ここで、ワンセグ放送からフルセグ放送への切り替えが行われたと判定した場合、番組形態判定部10fは、データデコーダ部8から制御データとして供給される番組形態情報に基づいて、放送中の番組が収録番組かライブ番組かの番組形態を判定する(ステップS2)。放送中の番組が収録番組であった場合、字幕設定判定部10cは、システムメモリ20に格納されている設定情報に基づいて、字幕表示機能がオフに設定されているか否かを判定する(ステップS3)。
【0045】
字幕表示制御部10dは、ステップS2で番組形態判定部10fにより番組形態が収録番組であると判定され、かつ、ステップS3で字幕設定判定部10cにより字幕表示機能がオフに設定されていると判定された場合、切り替えが行われる前に受信していたワンセグ放送からの字幕情報をディスプレイ22の画面下部に表示させる(ステップS4)。
【0046】
一方、字幕表示制御部10dは、ステップS2で番組形態判定部10fにより番組形態が収録番組であると判定され、かつ、ステップS3で字幕設定判定部10cにより字幕表示機能がオンに設定されていると判定された場合、切り替えの後に受信したフルセグ放送からの字幕情報をディスプレイ22の画面下部に表示させるとともに、切り替えが行われる前に受信していたワンセグ放送からの字幕情報を画面上部に表示させる(ステップS5)。
【0047】
次に、字幕表示制御部10dは、ステップS4またはステップS5でワンセグ放送からの字幕情報の強制表示を開始した後、所定時間が経過したか否かを判定し(ステップS6)、所定時間が経過した時点でワンセグ放送からの字幕情報の強制表示を終了させる(ステップS7)。これにより、
図6に示すフローチャートの処理を終了する。
【0048】
また、ステップS2において、番組形態判定部10fにより放送中の番組がライブ番組であると判定された場合、字幕設定判定部10cは、システムメモリ20に格納されている設定情報に基づいて、字幕表示機能がオフに設定されているか否かを判定する(ステップS8)。
【0049】
字幕表示制御部10dは、ステップS2で番組形態判定部10fにより番組形態がライブ番組であると判定され、かつ、ステップS8で字幕設定判定部10cにより字幕表示機能がオフに設定されていると判定された場合、切り替えの後に受信したフルセグ放送からの字幕情報をディスプレイ22の画面下部に表示させる(ステップS9)。
【0050】
一方、字幕表示制御部10dは、ステップS2で番組形態判定部10fにより番組形態がライブ番組であると判定され、かつ、ステップS8で字幕設定判定部10cにより字幕表示機能がオンに設定されていると判定された場合は、何もせず
図6に示すフローチャートの処理を終了する。この場合、特別な処理をしなくても、切り替えの後に受信したフルセグ放送からの字幕情報がディスプレイ22の画面下部に表示されるので、音声情報の欠落が字幕情報の表示によって補完されることとなる。
【0051】
字幕表示制御部10dは、ステップS9においてフルセグ放送からの字幕情報の強制表示を開始した後、所定時間が経過したか否かを判定し(ステップS10)、所定時間が経過した時点でフルセグ放送からの字幕情報の強制表示を終了する(ステップS11)。これにより、
図6に示すフローチャートの処理を終了させる。
【0052】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、ワンセグ放送からフルセグ放送への切り替え時に音声情報に欠落が生じても、その音声情報に対応する字幕情報が表示されるので、音声情報の欠落を字幕情報の表示によって補完することができる。しかも、字幕情報の表示はもともと車載用デジタル放送受信装置に備えられた機能であるから、複雑な処理を追加して行う必要もない。つまり、本実施形態によれば、ワンセグ放送からフルセグ放送への切り替えが行われるときに、複雑な処理を行うことなく、フルセグ放送に対して遅延しているワンセグ放送の音声情報の欠落を字幕情報の表示によって補完することができる。
【0053】
なお、上記実施形態では、ワンセグ放送からフルセグ放送へ切り替えが行われた直後に、字幕情報を所定時間表示させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、強制表示すべき所定時間分の字幕情報をメモリに保存しておき、後の任意のタイミングでメモリから字幕情報を読み出して表示できるようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、放送中の番組がライブ番組である場合においてワンセグ放送からフルセグ放送への切り替えが行われたとき、切り替えの後に受信したフルセグ放送からの字幕情報を所定時間ディスプレイ22に表示させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
図4に示したように、切り替え直前のワンセグ放送で出力されていた音声情報「東京ドームで行われた」と、その後に続く音声情報に対応する字幕情報「巨人対阪神は3対2で阪神が勝利しました。」との間に、余計な字幕情報が表示されている。
【0055】
そこで、ワンセグ放送からフルセグ放送への切り替えが行われたときに、ワンセグ放送のフルセグ放送に対する遅延時間の間はフルセグ放送からの字幕情報を表示させず、当該遅延時間の経過後にフルセグ放送からの字幕情報を表示させるようにしてもよい。このようにすれば、
図4の例において、字幕情報「巨人対阪神は3対2で阪神が勝利しました。」が表示されるタイミングは変わらないものの、その前に余計な字幕情報「東京ドームで行われた」が表示されなくなる。
【0056】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。