(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
記録媒体を積載し、該積載された記録媒体を印刷装置本体に給紙する給紙装置と、印刷ジョブを受け付けて前記給紙装置により給紙された記録媒体に印刷を実行する前記印刷装置本体とを備えた印刷システムであって、
前記印刷装置本体が、
前記印刷が中断された場合に、該印刷の中断が該印刷装置本体における予め定められた状態の発生によるものであるか否かを判定する判定部と、
該判定部により前記印刷の中断が前記予め定められた状態の発生によるものであると判定されたことを受けて、記録媒体を補充可能である旨を出力する出力部とを備え、
前記給紙装置が、
記録媒体を積載する給紙台と、
前記給紙台を複数の停止位置が設定された昇降経路に沿って昇降させる駆動手段と、
前記複数の停止位置のうちいずれかの停止位置を選択する入力を受け付ける受付手段と、
該受付手段により受け付けた入力で選択された停止位置に前記給紙台を昇降させるように前記駆動手段の動作を制御する制御手段と、
前記中断された印刷の遂行に必要な記録媒体の枚数以上の用紙を補充可能な前記給紙台の停止位置のうち、前記給紙台の昇降範囲上限の位置からの前記給紙台の移動量が最短となる位置を表示する表示部とを備えたことを特徴とする印刷システム。
前記出力部が、前記判定部により前記印刷の中断が前記予め定められた状態の発生によるものであるとの判定されたことを受けて、前記中断された印刷の遂行に必要な記録媒体の枚数と前記給紙装置に積載されている記録媒体の枚数をそれぞれ取得し、積載されている記録媒体の枚数が必要な記録媒体の枚数より少ない場合にのみ、前記出力を行うものであることを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
前記判定部が、記録媒体詰まり、インク切れ及びメインテナンスのうち少なくとも1つの状態を前記予め定められた状態とするものであることを特徴とする請求項1または2記載の印刷システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の印刷装置では、印刷中に用紙切れが検出され、あるいは印刷開始前に用紙不足が検出される度に、ユーザが印刷装置のところまで行って用紙を補充する作業を行うことになるが、その都度ユーザによる用紙の補充が完了するまで印刷が停止されるので、その分印刷装置の稼働率が低下してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、用紙の補充をより効率的に行えるようにし、稼働率を向上させることができる印刷システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷システムは、記録媒体を積載し、積載された記録媒体を印刷装置本体に給紙する給紙装置と、印刷ジョブを受け付けて給紙装置により給紙された記録媒体に印刷を実行する印刷装置本体とを備えた印刷システムであって、印刷装置本体が、印刷が中断された場合に、印刷の中断が印刷装置本体における予め定められた状態の発生によるものであるか否かを判定する判定部と、判定部により印刷の中断が予め定められた状態の発生によるものであると判定されたことを受けて、記録媒体を補充可能である旨を出力する出力部とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
ここで、「印刷装置本体における予め定められた状態」の具体例としては、印刷装置本体内における記録媒体詰まり、インク切れ、印刷装置本体のメインテナンス等が挙げられ、給紙装置における用紙切れのような印刷装置本体以外の部分における状態や、印刷開始前の用紙不足のような印刷を中断(途中で停止)させるものではない状態は含まれない。
【0008】
上記本発明の印刷システムにおいて、判定部は、記録媒体詰まり、インク切れ及びメインテナンスのうち少なくとも1つの状態を前記予め定められた状態とするものであってもよい。
【0009】
上記本発明の印刷システムにおいて、出力部は、判定部により印刷の中断が前記予め定められた状態の発生によるものであると判定されたことを受けて、中断された印刷の遂行に必要な記録媒体の枚数と給紙装置に積載されている記録媒体の枚数をそれぞれ取得し、積載されている記録媒体の枚数が必要な記録媒体の枚数より少ない場合にのみ、前記出力を行うものであってもよい。
【0010】
上記本発明の印刷システムにおいて、給紙装置は、記録媒体を積載する給紙台と、給紙台を複数の停止位置が設定された昇降経路に沿って昇降させる駆動手段と、複数の停止位置のうちいずれかの停止位置を選択する入力を受け付ける受付手段と、受付手段により受け付けた入力で選択された停止位置に給紙台を昇降させるように駆動手段の動作を制御する制御手段とを備えたものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の印刷システムによれば、記録媒体を積載し、積載された記録媒体を印刷装置本体に給紙する給紙装置と、印刷ジョブを受け付けて給紙装置により給紙された記録媒体に印刷を実行する印刷装置本体とを備えた印刷システムであって、印刷装置本体が、印刷が中断された場合に、印刷の中断が印刷装置本体における予め定められた状態の発生によるものであるか否かを判定する判定部と、判定部により印刷の中断が予め定められた状態の発生によるものであると判定されたことを受けて、記録媒体を補充可能である旨を出力する出力部とを備えているので、ユーザがその出力を受け、記録媒体詰まり、インク切れ、メインテナンスなどにより印刷が中断されている間に用紙を補充しておくことで、用紙切れ、印刷開始前の用紙不足などの要因によって印刷が停止する回数を減らし、印刷システムの稼働率を向上させることができる。
【0012】
上記本発明の印刷システムにおいて、出力部が、判定部により印刷の中断が予め定められた状態の発生によるものであると判定されたことを受けて、中断された印刷の遂行に必要な記録媒体の枚数と給紙装置に積載されている記録媒体の枚数をそれぞれ取得し、積載されている記録媒体の枚数が必要な記録媒体の枚数より少ない場合にのみ、前記出力を行うものである場合には、ユーザに対して用紙の補充を促す前記出力が必要以上に頻繁に行われないようにすることができ、ユーザの利便性を確保しつつ、印刷システムの稼働率を向上させることができる。
【0013】
上記本発明の印刷システムにおいて、給紙装置が、記録媒体を積載する給紙台と、給紙台を複数の停止位置が設定された昇降経路に沿って昇降させる駆動手段と、複数の停止位置のうちいずれかの停止位置を選択する入力を受け付ける受付手段と、受付手段により受け付けた入力で選択された停止位置に給紙台を昇降させるように駆動手段の動作を制御する制御手段とを備えたものである場合には、ユーザは自分の作業スタイルに合った給紙台の停止位置を選択し、その停止位置に応じた量ずつ用紙を補充することができる。これにより、用紙を補充する作業がやりやすくなり、作業効率が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の印刷システムの一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷システムの概略構成を示す図であり、
図2は、同印刷システムの機能構成を示すブロック図である。この印刷システムは、
図1に示すように、用紙(記録媒体)を積載し、その積載された用紙を印刷装置本体2に給紙する給紙装置1と、印刷ジョブを受け付けて給紙装置1により給紙された用紙に印刷を実行する印刷装置本体2とを備えている。
【0016】
給紙装置1は、略箱形のフレーム内に、用紙を積載する給紙台12が上下動自在に設けられている。フレームの下方には、モータ13(駆動手段)が設けられており、モータ13には、巻取りプーリ14が連結されている。フレームの上方には、中間プーリ15が設けられている。巻取りプーリ14の周面にはワイヤ16の一端が連結されており、そのワイヤ16は中間プーリ15に掛け回されて他端を給紙台12の側面に設けられた突起12aに連結されている。これにより、モータ13を駆動してワイヤ16を巻取りプーリ14に巻取っていけば、ワイヤ16によって突起12aが上方に引張られ、給紙台12がフレーム内を上昇する。またモータを駆動して巻取りプーリに巻取られたワイヤをほどいていけば、給紙台12は自重で下降する。
【0017】
また、給紙装置1には、給紙台12の昇降経路に沿って複数のセンサS0〜S4が設けられている。センサS0は、給紙台12の昇降範囲上限に設けられ、給紙台12上に用紙Pが載置されていない場合には給紙台12の上面が、給紙台12上に用紙Pが載置されている場合には用紙Pの上面が、給紙台12の昇降範囲上限の位置にあることを検知する。
【0018】
センサS1は、第1の中間位置(たとえば本実施形態では、給紙台12の上に約1000枚の用紙Pを載置した場合にセンサS0が応動する位置)に設けられ、給紙台12の上面がその第1の中間位置にあることを検知する。センサS2は、第2の中間位置(本実施形態では、給紙台12の上に約2000枚の用紙Pを載置した場合にセンサS0が応動する位置)に設けられ、給紙台12の上面がその第2の中間位置にあることを検知する。センサS4は、第3の中間位置(本実施形態では、給紙台12の上に約3000枚の用紙Pを載置した場合にセンサS0が応動する位置)に設けられ、給紙台12の上面がその第3の中間位置にあることを検知する。センサS4は、給紙台12の昇降範囲下限に設けられ、給紙台12の上面が昇降範囲下限の位置にあることを検知する。
【0019】
また、給紙装置1には、給紙台12の昇降動作を指示するユーザによる入力を受け付けるための液晶タッチパネル等の表示入力部17(受付手段)が設けられている。表示入力部17は、用紙を給紙する際に、たとえば
図3に示すような、給紙台の停止位置として予め設定された複数の位置を選択可能に提示する画面171を表示させ、その中からいずれか1つの停止位置を選択する入力を受け付ける。
図3では、選択可能な給紙台の停止位置として、上述した昇降範囲上限の位置、第1〜3の中間位置、下限の位置が選択可能に表示されている。
【0020】
表示入力部17は、この停止位置を選択させる画面において、印刷ジョブの遂行に不足している用紙の枚数や、その不足分以上の用紙を補充可能な給紙台の停止位置のうち、昇降範囲上限の位置からの給紙台の移動量が最短となる位置をさらに表示するものであってもよい。
図3では、印刷ジョブの遂行に不足している用紙の枚数を、画面の右上の「あと2400枚」という表示で示しており、その2400枚以上の用紙が補充可能な給紙台の停止位置(第3の中間位置、昇降範囲下限の位置)のうち、昇降範囲上限の位置からの給紙台の移動量が最短となる位置(第3の中間位置)を点線で示している。この表示を受けて、ユーザは、印刷ジョブの遂行に必要となる用紙の最小限の補充枚数を認識しつつ、この時点での用紙の補充枚数を決定することができる。
【0021】
また、表示入力部17は、給紙台の下降・上昇ボタンを表示させ、給紙台の下降または上昇を直接的に指示するユーザによる入力を受け付ける機能をさらに有する。
【0022】
また、給紙装置1には、表示入力部17により受け付けた入力信号と、各センサS0〜S4の検知信号に基づいてモータ13の駆動を制御し、給紙台12の昇降動作を行う給紙台制御部18が設けられている。給紙台制御部18は、印刷中は、モータ13を駆動させ、給紙による用紙の減少に追従して給紙台12を少しずつ上昇させる。また、給紙台12に用紙を補充する際には、表示入力部17において給紙台の停止位置として予め設定された複数の位置のうちいずれかの位置を選択するユーザ入力が検知されたことを受けて、モータ13を駆動させ、その選択された停止位置のセンサが応動するまで給紙台12を下降させる。また、表示入力部17において下降ボタンまたは上昇ボタンが押下された場合には、モータ13を駆動させ、そのボタンの押下に応じて、給紙台を所定距離下降または上昇させる。
【0023】
印刷装置本体2は、
図1に示すように、原稿の画像を読み取る画像読取部21、画像読取部21で読み取られた画像情報に基づいて孔版原紙に製版処理を施す製版部22、製版部22において製版された孔版原紙を用いて用紙に印刷を施す印刷部23、印刷部23に用紙を給紙する給紙部24、印刷済みの用紙を排出する排紙部25、および所定の操作項目などを表示するとともに、操作者による操作指示などの入力を受け付ける表示入力部27を備えている。
【0024】
画像読取部21は、原稿の画像情報を光電的に読み取るラインイメージセンサを有し、ラインイメージセンサで原稿を走査することによって原稿を読み取り、画像データを出力
する。製版部22は、孔複数個の発熱体が一列に配列されてなるサーマルヘッド221を有し、孔版原紙ロールから繰り出された孔版原紙Mに対し、サーマルヘッド221を用いて製版処理を行う。
【0025】
印刷部23は、多孔金属板、メッシュ構造体などのインク通過性の円筒状の印刷ドラム231、印刷ドラム231の内部に配置されたスキージローラ232と、ドクターローラ233と、インク供給ポンプ234と、プレスローラ235とを備えている。また、印刷部30は、インク切れセンサISを備えている。そして、印刷ドラムの外周には製版済孔版原紙Mが巻き付けられて装着されるようになっている。
【0026】
給紙部240は、給紙装置1の給紙台12より用紙Pを一枚ずつ取り出すピックアップローラ241と、用紙Pを印刷ドラム231とプレスローラ235との間に送り出すタイミングローラ242とを備えている。排紙部50は、印刷済用紙P´を印刷ドラム231より剥ぎ取る剥取爪251と、剥取爪251により印刷ドラム231から剥ぎ取られた印刷済用紙P´を後述する排紙台253まで搬送する排紙送りベルト部252と、排紙送りベルト部252により搬送された印刷済用紙P´が積載される排紙台253とを備えている。
【0027】
表示入力部70は、液晶パネル等であり、印刷装置本体2の現在の状態や印刷に関する種々の設定事項、操作指示の内容を表示する画面、インクが切れていることを知らせるメッセージを表示する画面、用紙の補充を促すメッセージを表示する画面等を表示し、表示された画面に対するユーザによる入力を受け付けるものである。
【0028】
また、
図2に示すように、上述した印刷装置本体2の各部は印刷機制御部28に接続されており、印刷機制御部28が各部の制御を行う。特に、本実施形態の印刷機制御部28は、印刷動作制御部281、判定部282および出力部283を備えている。
【0029】
印刷動作制御部281は、給紙装置1における用紙切れや用紙詰まり、印刷装置本体2における用紙詰まりや、インク切れ、メインテナンス等を検知し、用紙の搬送や印刷を停止させるものである。ここで、用紙切れは、たとえばセンサS0〜S4からの信号により給紙装置10に積載されている用紙の枚数(以下、「積載残量」という)を把握することにより検知することができる。用紙詰まりは、給紙装置1や印刷装置本体2の用紙搬送経路上に設置されている用紙の有無を検出する複数の用紙検出センサからの信号を監視して用紙の搬送状況を把握することにより検知することができる。
【0030】
また、インク切れは、インク切れセンサISからの信号を監視することにより検知することができる。メインテナンスは、たとえば印刷装置本体2に備えているカウンタにより印刷枚数を積算しその積算した値が所定の値に達したときにメインテナンス動作が開始されるようにしている場合に、印刷枚数を積算した値が所定の値に達したことを知らせるカウンタからの信号に基づいて検知することができる。なお、メインテナンスは、メインテナンス動作が開始される際に発生するメインテナンス開始信号に基づいて検知することもできる。
【0031】
判定部282は、印刷動作制御部281により実行中の印刷が中断された場合に、その印刷の中断が印刷装置本体2内における用紙詰まり、インク切れ、印刷装置本体2のメインテナンス等の、印刷装置本体2における予め定められた状態の発生によるものであるか否かを判定する。たとえば、印刷装置本体2内における用紙詰まりを印刷装置本体2における予め定められた状態とした場合、印刷が中断されると、判定部282は、その印刷の中断が印刷装置本体2内に設置されている複数の用紙センサからの信号に基づくものであるか否かを確認し、印刷装置本体2内に設置されている複数の用紙センサからの信号に基づくものである場合にその印刷の中断は印刷装置本体2における予め定められた状態の発生によるものであると判定する。
【0032】
同様に、印刷装置本体2内におけるインク切れを印刷装置本体2における予め定められた状態とした場合には、印刷が中断されると、判定部282は、その印刷の中断がインク切れセンサISからの信号に基づくものであるか否かを確認し、インク切れセンサISからの信号に基づくものである場合にその印刷の中断が印刷装置本体2における予め定められた状態の発生によるものであると判定する。また、印刷装置本体2のメインテナンスを印刷装置本体2における予め定められた状態とした場合には、印刷が中断されると、判定部282は、その印刷の中断がカウンタからの信号またはメインテナンス開始信号に基づくものであるか否かを確認し、カウンタからの信号またはメインテナンス開始信号に基づくものである場合にその印刷の中断が印刷装置本体2における予め定められた状態の発生によるものであると判定する。
【0033】
たとえば、印刷装置本体2内における用紙詰まり、インク切れ、印刷装置本体2のメインテナンスの全ての状態を印刷装置本体2における予め定められた状態とした場合には、印刷が中断されると、判定部282は、その印刷の中断が印刷装置本体2内に設置されている複数の用紙センサからの信号、インク切れセンサISからの信号、カウンタからの信号およびメインテナンス開始信号のいずれかに基づくものであるか否かを確認することにより、その印刷の中断が印刷装置本体2における予め定められた状態の発生によるものであるか否かを判定する。
【0034】
出力部283は、印刷装置本体2において印刷ジョブの実行を開始する前や、判定部282により印刷の中断が前記予め定められた状態の発生によるものであると判定された場合に、給紙装置10に積載されている用紙の積載残量を取得し、かつ、
図4を参照して、その積載残量の状態が
図4のいずれの状態に該当するかに応じて用紙を補充可能である旨を出力しまたは非出力とするものである。具体的には、積載残量がゼロである場合には用紙を補充可能である旨を出力し、積載残量がゼロより多く、最大積載量(満タン)よりは少ない場合には、中断された印刷の遂行に必要な用紙の枚数(以下、「残印刷枚数」という)をさらに取得して積載残量と比較し、積載残量が残印刷枚数がより少ない場合にのみ、用紙を補充可能である旨を出力する。積載残量が残印刷枚数以上である場合には、用紙を補充可能である旨の出力はしない。また、積載残量が最大積載量である場合にも、用紙を補充可能である旨の出力はしない。用紙を補充可能である旨の出力としては、たとえば、用紙の補充を促すメッセージを表示入力部27に表示させたり、不図示のランプを点灯させたりすることができる。
【0035】
このとき、残印刷枚数は、印刷を実行すべき印刷ジョブに係る原稿枚数に印刷部数を積算することによって求めることができ、積載残量は、給紙台12上に積載されている用紙束の厚みを用紙一枚当りの厚みで割ることによって求めることができる。用紙一枚当りの厚みは、用紙の種類による固有の値をユーザが手入力して記憶させてもよいし、たとえば、給紙台上に積載されている用紙のうち所定枚数を印刷開始前に予め通紙し、給紙台が移動した量に基づいて算出するようにしてもよい。
【0036】
以下、
図5のフローチャートを参照して、本実施形態の印刷システムにおいて行われる処理の流れを説明する。まず、印刷装置本体2において印刷ジョブを受け付けると(ST1)、出力部282は、その印刷ジョブの実行が開始される前に、給紙装置10に積載されている用紙の枚数(積載残量)を取得し(ST2)、必要に応じて印刷の遂行に必要な用紙の枚数(残印刷枚数)をさらに取得し、積載残量が残印刷枚数以上または最大積載量のいずれかの状態に該当するかを判断する(ST3)。そのいずれの状態に該当すると判断された場合には(ST3:YES)、印刷装置本体2は、印刷機制御部28により印刷装置本体2の各部を制御して、印刷を開始させる(ST4)。
【0037】
一方、ステップST3において、積載残量が残印刷枚数以上および最大積載量のいずれの状態にも該当しないと判断された場合には(ST3:NO)、出力部282は、用紙の補充を促すメッセージを表示入力部27に表示させたり、不図示のランプを点灯させたりして、用紙を補充可能であることをユーザに知らせる(ST5)。
【0038】
そして、印刷装置本体2の表示入力部27または給紙装置10の表示入力部17において、用紙を補充する旨のユーザによる入力が検出された場合には(ST6:YES)、さらに、表示入力部17において、紙台12の昇降動作を指示するユーザによる入力を受け付け、その入力に従って、給紙台制御部18によりモータ13の駆動を制御して、給紙台12を所定の位置(補充位置)に移動させる(ST7)。具体的には、表示入力部17において給紙台の停止位置として予め設定された複数の位置のうちいずれかの位置を選択するユーザ入力が検知された場合には、モータ13を駆動させ、その選択された停止位置のセンサが応動するまで給紙台12を下降させ、表示入力部17において下降ボタンまたは上昇ボタンが押下された場合には、モータ13を駆動させ、そのボタンの押下に応じて、給紙台を所定距離下降または上昇させる。その後、ユーザによる用紙の補充が完了すると、ステップST4に進み、印刷装置本体2が、印刷機制御部28により印刷装置本体2の各部を制御して、印刷を開始させる(ST4)。
【0039】
一方、ステップST5の報知に対し、用紙を補充する旨のユーザによる入力が所定時間検出されない場合や、用紙を補充しない旨のユーザによる入力が検出された場合には(ST6:NO)、そのままステップST4に進み、印刷装置本体2が、印刷機制御部28により印刷装置本体2の各部を制御して、印刷を開始させる(ST4)。
【0040】
その後、何らかの中断要因により印刷装置本体2における印刷が中断された場合、判定部282は、その印刷の中断が印刷装置本体2内における用紙詰まり、インク切れ、印刷装置本体2のメインテナンス等の、印刷装置本体2における予め定められた状態によるものであるか否かを判定する(ST8)。たとえばその印刷の中断がインク切れセンサISからの信号に基づくものであるか否かを確認し、インク切れセンサISからの信号に基づくものである場合には、その印刷の中断は印刷装置本体2における予め定められた状態の発生によるものであると判定する。そこで、印刷の中断が印刷装置本体2における予め定められた状態の発生によるものであると判定された場合には(ST8:YES)、ステップST2に戻り、再び、ステップST2以降の処理が行われる。一方、印刷の中断は別の要因によるものであり、印刷装置本体2における予め定められた状態の発生によるものではないと判定された場合には(ST8:NO)、ステップST9に進み、印刷が完了したか否かが判断され、印刷が完了するまで、ステップST8,ST9の処理が繰り返し行われる。そして、印刷が完了した時点で処理を終了する。
【0041】
上記の構成により、本実施形態の印刷システムによれば、用紙を積載し、積載された用紙を印刷装置本体2に給紙する給紙装置10と、印刷ジョブを受け付けて給紙装置10により給紙された用紙に印刷を実行する印刷装置本体2とを備えた印刷システムにおいて、印刷装置本体2の判定部282により、印刷が中断された場合に、その中断が印刷装置本体2における予め定められた状態、たとえば用紙詰まり、インク切れ、メインテナンスといった状態の発生によるものであるか否かが判定され、印刷装置本体2の出力部282により、判定部282において印刷の中断が予め定められた状態の発生によるものであると判定された場合に、用紙を補充可能である旨が出力されるので、ユーザがその出力を受けて、用紙詰まり、インク切れ、メインテナンスなどにより印刷が中断されている間に用紙を補充しておくことで、用紙切れ、印刷開始前の用紙不足などの要因によって印刷が停止する回数を減らし、印刷システムの稼働率を向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態の印刷システムでは、出力部282により、判定部282において印刷の中断が予め定められた用紙詰まり等の状態の発生によるものであると判定された場合に、中断された印刷の遂行に必要な用紙の枚数と給紙装置に積載されている用紙の枚数とをそれぞれ取得し、積載されている用紙の枚数が必要な用紙の枚数より少ない場合にのみ、前記出力が行われるようにしているので、ユーザに対して用紙の補充を促す前記出力が必要以上に頻繁に行われないようにすることができ、ユーザの利便性を確保しつつ、印刷システムの稼働率を向上させることができる。
【0043】
なお、本実施形態では、印刷装置本体2が孔版印刷方式で印刷を実行するものである場合について説明したが、インクジェット方式など、他の印刷方式により印刷を実行するものであってもよい。印刷装置本体2がたとえばインクジェットプリンターである場合には、メインテナンスでは、ヘッドクリーニング(パージ処理)やウォームアップ等の処理が行われることとなる。