【実施例】
【0042】
(実施例及び比較例)
(触媒の製造)
<触媒A>5質量%V
2O
5/Mg−Ni−O(Mg25モル%)
イオン交換水600mlに硝酸マグネシウム六水和物9.6978gと硝酸ニッケル六水和物32.9980gを溶解した水溶液を、室温において150rpmの回転数で撹拌しながら、pHが11になるまで、水酸化カリウム水溶液を滴下し、マグネシウム及びニッケルの水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌して反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、沈殿物にアンモニア水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過して洗浄物を得、次いで、洗浄物を130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、マグネシウム及びニッケルの酸化物を得た。得られたマグネシウム及びニッケルの酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。
次いで、メタバナジン酸アンモニウム0.1284gをイオン交換水110mlに溶解し、得られた溶液に、上記で得たマグネシウム及びニッケルの酸化物1.9000gを加え、40℃で1時間撹拌した。次いで、減圧蒸発乾固して、蒸発乾固物を得た。次いで、得られた蒸発乾固物を、130℃で12時間乾燥した後、空気中550℃で2時間焼成し、焼成物を得た。得られた焼成物のふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Aとして得た。
得られた触媒Aの金属原子A及びマグネシウムの原子換算の合計モル数に対するマグネシウム原子の原子換算のモル数の割合;ニッケルのNiO換算量、コバルトのCoO換算量、ジルコニウムのZrO
2換算量、マグネシウムのMgO換算量及びバナジウムのV
2O
5換算量の合計に対するバナジウムのV
2O
5換算量の割合;触媒全量に対するニッケルのNiO換算量、コバルトのCoO換算量、ジルコニウムのZrO
2換算量、マグネシウムのMgO換算量及びバナジウムのV
2O
5換算量の合計の割合;触媒中の全金属原子の原子換算の合計モル数に対するニッケル、コバルト、ジルコニウム、マグネシウム及びバナジウムの原子換算の合計モル数の割合を表1に示す。
【0043】
<触媒B>5質量%V
2O
5/Mg−Ni−O(Mg50モル%)
イオン交換水350mlに硝酸マグネシウム六水和物11.1485gと硝酸ニッケル六水和物12.6438gを溶解した水溶液を室温において150rpmの回転数で撹拌しながら、pHが11になるまで水酸化カリウム水溶液を滴下し、マグネシウム及びニッケル水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌し反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、アンモニア水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過により洗浄物を得、次いで、130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、マグネシウム及びニッケルの酸化物を得た。得られたマグネシウム及びニッケルの酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。
次いで、メタバナジン酸アンモニウム0.1016gをイオン交換水85mlに溶解し、上記で得られたマグネシウム及びニッケルの酸化物1.5001gを加え、40℃で1時間撹拌した。次いで、減圧蒸発乾固して、蒸発乾固物を得た。次いで、得られた減圧蒸発乾固物を130℃で12時間乾燥した後、空気中550℃で2時間焼成し、焼成物を得た。得られた焼成物のふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Bとして得た。
得られた触媒Bの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0044】
<触媒C>5質量%V
2O
5/Mg−Ni−O(Mg75モル%)
イオン交換水410mlに硝酸マグネシウム六水和物19.6662gと硝酸ニッケル六水和物7.4331gを溶解した他は、触媒Bの場合と同様に行い、触媒Cを得た。
得られた触媒Cの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0045】
<触媒D>5質量%V
2O
5/Mg−Zr−O(Mg25モル%)
イオン交換水160mlに硝酸マグネシウム六水和物2.5011gと硝酸ジルコニル二水和物6.0086gを溶解した水溶液を室温において150rpmの回転数で撹拌しながら、pHが10になるまでアンモニア水を滴下し、マグネシウム及びジルコニウム水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌し反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、アンモニア水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過により洗浄物を得、次いで、130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、マグネシウム及びジルコニウムの酸化物を得た。得られたマグネシウム及びジルコニウムの酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。
次いで、メタバナジン酸アンモニウム0.0643gをイオン交換水55mlに溶解し、上記で得られたマグネシウム及びジルコニウムの酸化物0.9505gを加え、40℃で1時間撹拌した。次いで、減圧蒸発乾固して、蒸発乾固物を得た。次いで、得られた蒸発乾固物を130℃で12時間乾燥した後、空気中550℃で2時間焼成し、焼成物を得た。得られた焼成物のふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Dとして得た。
得られた触媒Dの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0046】
<触媒E>5質量%V
2O
5/Mg−Zr−O( Mg50モル%)
イオン交換水250mlに硝酸マグネシウム六水和物7.8402gと硝酸ジルコニル二水和物6.2780gを溶解した水溶液を室温において150rpmの回転数で撹拌しながら、pHが10になるまでアンモニア水を滴下し、マグネシウム及びジルコニウム水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌し反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、アンモニア水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過により洗浄物を得、次いで、130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、マグネシウム及びジルコニウムの酸化物を得た。得られたマグネシウム及びジルコニウムの酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。
次いで、メタバナジン酸アンモニウム0.1016gをイオン交換水85mlに溶解し、上記で得られたマグネシウム及びジルコニウムの酸化物1.5000gを加え、40℃で1時間撹拌した。次いで、減圧蒸発乾固して、蒸発乾固物を得た。次いで、得られた蒸発乾固物を130℃で12時間乾燥した後、空気中550℃で2時間焼成し、焼成物を得た。得られた焼成物のふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Eとして得た。
得られた触媒Eの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0047】
<触媒F>5質量%V
2O
5/Mg−Zr−O( Mg75モル%)
イオン交換水340mlに硝酸マグネシウム六水和物15.7503gと硝酸ジルコニル二水和物4.2043gを溶解したものを使用し、メタバナジン酸アンモニウム0.1019gをイオン交換水85mlに溶解し、マグネシウム及びジルコニウムの酸化物を1.5000g使用した他は、触媒Eの場合と同様に行い、触媒Fを得た。
得られた触媒Fの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0048】
<触媒G>5質量%V
2O
5/MgO(Mg100モル%)
イオン交換水500mlに硝酸マグネシウム六水和物31.8722gを溶解し、硝酸ニッケル六水和物を使用しなかった他は、触媒Bの場合と同様に行い、触媒Gを得た。
得られた触媒Gの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0049】
<触媒H>5質量%V
2O
5/NiO(Mg0モル%)
イオン交換水210mlに硝酸ニッケル六水和物15.7889gを溶解し、硝酸マグネシウム六水和物を使用しなかった他は、触媒Bの場合と同様に行い、触媒Hを得た。
得られた触媒Hの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0050】
<触媒I>5質量%V
2O
5/ZrO
2(Mg0モル%)
イオン交換水240mlに硝酸ジルコニル二水和物12.0002gを溶解した水溶液を室温において150rpmの回転数で撹拌しながら、pHが8になるまでアンモニア水を滴下し、ジルコニウム水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌し反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、アンモニア水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過により洗浄物を得、次いで、 130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、ジルコニウム酸化物を得た。得られたジルコニウム酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ 以下のものを得た。
次いで、メタバナジン酸アンモニウム0.0645gをイオン交換水55mlに溶解し、上記で得られたジルコニウム酸化物0.9505gを加え、40℃で1時間撹拌した。次いで、減圧蒸発乾固して、蒸発乾固物を得た。次いで、得られた蒸発乾固物を130℃で12時間乾燥した後、空気中550℃で2時間焼成し、焼成物を得た。得られた焼成物のふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Iとして得た。
得られた触媒Iの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0051】
<触媒J>1質量%V
2O
5/Mg−Ni−O(Mg50モル%)
メタバナジン酸アンモニウム0.0201gをイオン交換水15mlに溶解し、マグネシウム及びニッケルの酸化物を1.4998g使用した他は、触媒Bの場合と同様に行い、触媒Jを得た。
得られた触媒Jの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0052】
<触媒K>10質量%V
2O
5/Mg−Ni−O(Mg50モル%)
メタバナジン酸アンモニウム0.2149gをイオン交換水185mlに溶解し、マグネシウム及びニッケルの酸化物を1.5007g使用した他は、触媒Bの場合と同様に行い、触媒Kを得た。
得られた触媒Kの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0053】
<触媒L>15質量%V
2O
5/Mg−Ni−O(Mg50モル%)
メタバナジン酸アンモニウム0.2267gをイオン交換水195mlに溶解し、マグネシウム及びニッケルの酸化物を1.0002g使用し他は、触媒Bの場合と同様に行い、触媒Lを得た。
得られた触媒Lの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0054】
<触媒M>20質量%V
2O
5/Mg−Ni−O(Mg50モル%)
メタバナジン酸アンモニウム0.3216gをイオン交換水275mlに溶解し、マグネシウム及びニッケルの酸化物を1.0004g使用した他は、触媒Bの場合と同様に行い、触媒Mを得た。
得られた触媒Mの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0055】
<触媒N>25質量%V
2O
5/Mg−Ni−O(Mg50モル%)
メタバナジン酸アンモニウム0.4289gをイオン交換水365mlに溶解し、マグネシウム及びニッケルの酸化物を1.0008g使用した他は、触媒Bの場合と同様に行い、触媒Nを得た。
得られた触媒Nの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0056】
<触媒O>5質量%V
2O
5/Mg−Co−O(Mg50モル%)
イオン交換水350mlに硝酸マグネシウム六水和物11.1247gと硝酸コバルト六水和物12.6270gを溶解した水溶液を室温において150rpmの回転数で撹拌しながら、pHが11になるまで水酸化カリウム水溶液を滴下し、マグネシウム及びコバルト水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌し反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、アンモニア水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過により洗浄物を得、次いで、130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、マグネシウム及びコバルトの酸化物を得た。得られたマグネシウム及びコバルトの酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。
次いで、メタバナジン酸アンモニウム0.1014gをイオン交換水85mlに溶解し、上記で得られたマグネシウム及びコバルトの酸化物1.5001gを加え、40℃で1時間撹拌した。次いで、減圧蒸発乾固して、蒸発乾固物を得た。次いで、得られた減圧蒸発乾固物を130℃で12時間乾燥した後、空気中550℃で2時間焼成し、焼成物を得た。得られた焼成物のふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Oとして得た。
得られた触媒Oの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0057】
<触媒P>5質量%V
2O
5/Mg−Al−O(Mg50モル%)
イオン交換水440mlに硝酸マグネシウム六水和物14.0443gと硝酸アルミニウム九水和物20.5472gを溶解した水溶液を室温において150rpmの回転数で撹拌しながら、pHが10になるまでアンモニア水を滴下し、マグネシウム及びアルミニウム水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌し反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、アンモニア水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過により洗浄物を得、次いで、130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成を行い、マグネシウム及びアルミニウムの酸化物を得た。得られたマグネシウム及びアルミニウムの酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。
次いで、メタバナジン酸アンモニウム0.1016gをイオン交換水85mlに溶解し、上記で得られたマグネシウム及びアルミニウムの酸化物1.5001gを加え、40℃で1時間撹拌した。次いで、減圧蒸発乾固して、蒸発乾固物を得た。次いで、得られた蒸発乾固物を130℃で12時間乾燥した後、空気中550℃で2時間焼成し、焼成物を得た。得られた焼成物のふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを、触媒Pとして得た。
得られた触媒Pの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0058】
<触媒Q>5質量%V
2O
5/Mg−Fe−O(Mg50モル%)
イオン交換水330mlに硝酸マグネシウム六水和物10.6706gと硝酸鉄九水和物16.8124gを溶解した水溶液を室温において150rpmの回転数で撹拌しながら、pHが9.8になるまでアンモニア水を滴下し、マグネシウム及び鉄水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌し反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、アンモニア水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過により洗浄物を得、次いで、130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、マグネシウム及び鉄の酸化物を得た。得られたマグネシウム及び鉄の酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。
次いで、メタバナジン酸アンモニウム0.1016gをイオン交換水85mlに溶解し、上記で得られたマグネシウム及び鉄の酸化物1.5002gを加え、40℃で1時間撹拌した。次いで、減圧蒸発乾固し、蒸発乾固物を得た。次いで、得られた蒸発乾固物を130℃で12時間乾燥した後、空気中550℃で2時間焼成し、焼成物を得た。得られた焼成物のふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Qとして得た。
得られた触媒Qの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0059】
<触媒R>5質量%V
2O
5/Mg−Zn−O(Mg50モル%)
イオン交換水330mlに硝酸マグネシウム六水和物10.5325gと硝酸亜鉛六水和物12.2188gを溶解した水溶液を室温において150rpmの回転数で撹拌しながら、pHが10.5になるまでアンモニア水を滴下し、マグネシウム及び亜鉛水酸化物を沈殿させた。更に1時間撹拌し反応を完結させた後、1時間静置の後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。次いで、アンモニア水を加え撹拌することにより洗浄を行い、吸引ろ過により洗浄物を得、次いで、130℃で12時間乾燥した。次いで、乾燥物を空気中550℃で2時間焼成し、マグネシウム及び亜鉛の酸化物を得た。得られたマグネシウム及び亜鉛の酸化物を、乳鉢で粉砕した後、ふるい分けを行い、100メッシュ以下のものを得た。
次いで、メタバナジン酸アンモニウム0.1018gをイオン交換水85mlに溶解し、上記で得られたマグネシウム及び亜鉛の酸化物1.5001gを加え、40℃で1時間撹拌した。次いで、減圧蒸発乾固し、蒸発乾固物を得た。次いで、得られた蒸発乾固物を130℃で12時間乾燥した後、空気中550℃で2時間焼成し、焼成物を得た。得られた焼成物のふるい分けを行い、20〜60メッシュのものを触媒Rとして得た。
得られた触媒Rの各金属原子の含有量を表1に示す。
【0060】
<分析方法>
1)触媒中の金属原子A及びマグネシウムの原子換算の合計モル数に対するマグネシウム原子の原子換算のモル数の割合、2)ニッケルのNiO換算量、コバルトのCoO換算量、ジルコニウムのZrO
2換算量、マグネシウムのMgO換算量及びバナジウムのV
2O
5換算量の合計に対するバナジウムのV
2O
5換算量の割合、3)触媒全量に対するニッケルのNiO換算量、コバルトのCoO換算量、ジルコニウムのZrO
2換算量、マグネシウムのMgO換算量及びバナジウムのV
2O
5換算量の合計の割合、4)触媒中の全金属原子の原子換算の合計モル数に対するニッケル、コバルト、ジルコニウム、マグネシウム及びバナジウムの原子換算の合計モル数の割合は、ICP発光分光分析により、求められる。
【0061】
【表1】
【0062】
なお、表1中、1)は触媒中の金属原子A及びマグネシウムの原子換算の合計モル数に対するマグネシウム原子の原子換算のモル数の割合であり、2)はニッケルのNiO換算量、コバルトのCoO換算量、ジルコニウムのZrO
2換算量、マグネシウムのMgO換算量及びバナジウムのV
2O
5換算量の合計に対するバナジウムのV
2O
5換算量の割合であり、3)は触媒全量に対するニッケルのNiO換算量、コバルトのCoO換算量、ジルコニウムのZrO
2換算量、マグネシウムのMgO換算量及びバナジウムのV
2O
5換算量の合計の割合であり、4)は触媒中の全金属原子の原子換算の合計モル数に対するニッケル、コバルト、ジルコニウム、マグネシウム及びバナジウムの原子換算の合計モル数の割合である。
【0063】
(酸化脱水素反応)
<反応条件>
触媒の活性評価を、常圧固定床流通式反応装置を用いて以下のようにして行った。
20〜60メッシュにそろえた触媒0.1gと、石英砂(20〜60メッシュ)を0.9g混合し、反応装置に充填した。次いで、反応装置に、n−C
4H
10、O
2及びHeの混合ガス(n−C
4H
10:O
2:He=1:1:10、全流量150ml/分)を流通させ、所定の反応温度(500℃又は550℃)まで昇温した。次いで、所定温度に到達してから1時間後に、反応ガスをサンプリングした。反応ガスの分析には、TCDガスクロマトグラフ(島津製作所GC−8A)を用いて、C1成分を活性炭、C2〜C7成分をVZ−7充填剤により分析した。その結果を、表2〜表5に示す。
【0064】
なお、表2〜表5中、「金属種」とは、触媒に含有されている金属原子の種類のことであり;「Mgモル%」とは、触媒中の金属原子A及びマグネシウムの原子換算の合計モル数に対するマグネシウム原子の原子換算のモル数の割合(モル%)であり;「V
2O
5質量%」とは、触媒全量に対するバナジウムのV
2O
5換算量の割合(質量%)である。
【0065】
<評価>
n−ブタン転化率、CO、CO
2、ブテン及びブタジエン選択率、ブタジエン収率を、以下のようにして計算した。
【0066】
転化率(%)=((サンプリングガスの全炭素モル数(モル/分)−未反応n−ブタンの炭素モル数(モル/分))/サンプリングガスの全炭素モル数(モル/分))×100
【0067】
選択率(%)=(各生成物の炭素モル数(モル/分)/(サンプリングガスの全炭素モル数(モル/分)−未反応n−ブタンの炭素モル数(モル/分)))×100
*式中、各生成物の炭素モル数とは、選択率の対象となるCO、CO
2、ブテン、ブタジエンのそれぞれの炭素モル数である。
【0068】
ブタジエン収率(%)=(ブタジエンの炭素モル数(モル/分)/サンプリングガスの全炭素モル数(モル/分))×100
【0069】
なお、上記計算式における各成分のモル数については、反応装置の出口ラインに接続した石鹸膜流量計により、ガス流量(ml/分)を測定し、これに各成分の単位体積当たりのモル数をかけることにより算出した。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
*触媒Hについては反応中にコーク析出量が多かったため、転化率・選択率・収率とも測定できなかった。
【0073】
【表5】