(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第一実施形態)
以下に、本発明の実施の形態について添付した図面を参照して説明する。
まず本発明の第一実施形態に係る穿孔工具1について説明する。
第一実施形態に係る穿孔工具1は、
図1(a)に示すように、ワークWを加工する工具本体10と、工具本体10の外周側を囲むカバー20と、このカバー20の周方向の一部に設けられた可変シール部材30とを備えている。この穿孔工具1は、ワークWに孔を形成するなどの加工を行うためのものである。
なお、
図1(a)は、穿孔工具1のカバー20の端部に対してワークWが対向配置され、ワークWと穿孔工具1が接触する前の状態の概略説明図である。また、
図1(b)は、ワークWと穿孔工具1が接触した状態の概略説明図である。
【0019】
ワークWは、例えば炭素繊維強化複合材料で構成されており、工具本体10によって加工されることにより切削粉Xが生じる。本実施形態において、ワークWの表面(
図1において左面)は平面とされているが、ワークWの表面には部品などが取り付けられ、凸部Waが形成されている。
【0020】
工具本体10は、軸線方向(長手方向、
図1において左右方向)に移動可能に設けられており、軸線方向に移動することでワークWの表面に対して近接離間する。この工具本体10は、例えば、ドリルやリーマなどの切削工具である。本実施形態においては、工具本体10は、工具本体10を支持する主軸11によって支持され、軸線方向に移動可能とされている。
【0021】
カバー20は、工具本体10の外周側を囲んで配置されており、その端部がワークWの表面に対向している。このカバー20は、例えば工具本体10を支持する主軸11の外周側に固定される。このカバー20は、円筒形状を有しており、先端側(
図1(a)、(b)において右側)が開口している。なお、本実施形態においては、円筒形状とされたカバー20の軸線と工具本体10の軸線とが一致している。
カバー20先端側の端部の端面は、平坦な面とされ、ワークWの面と対向している。実際に、ワークWを加工する際には、
図1(b)に示すように、カバー20の端部がワークWと接触(当接)するようになっている。
【0022】
本実施形態において、カバー20端部の周方向の一部(
図1(a)(b)においてカバー20右端部の下側)には切欠きが形成されている。この切欠き部21は、ワークWの凸部Waの位置に応じて形成されており、カバー20をワークW側から近づけた時に、カバー20の端部がワークWと接することができるようになっている。そして、この切欠き部21には、可変シール部材30が取り付けられている。
【0023】
可変シール部材30は、ワークWの表面に接触(当接)することで、ワークWの形状に応じて変形可能とされている。本実施形態においては、この可変シール部材30は、ブラシシールとされており、ブラシシールは十分な柔軟性を有し、外力に対して容易に弾性変形可能である。
なお、ブラシシールは、極細(金属)ワイヤーが十分に密な状態で束とされており、ワークWの切削粉Xが、極細ワイヤーによってカバー20の外方に飛散することが防止されるようになっている。
また、ブラシシールは、シリコーンゴムなどで構成されても良い。
【0024】
ワークWの表面に前述の凸部Waが形成されている場合において、カバー20の端部が凸部Waに干渉し、ワークWの表面を十分に覆うことができず、ワークWとカバー20との間に比較的大きな隙間が生じてしまうことがある。このような場合、工具本体10によってワークWを切削加工した際に、切削粉Xがカバー20とワークWとの間の隙間から飛散してしまう問題が生じる。
【0025】
本実施形態においては、ワークWの凸部Waの位置に応じてカバー20の端部に切欠き部21が形成されており、カバー20の端部をワークWの表面に接触(当接)させても、カバー20と凸部Waとが干渉しないように構成されている。そして、この切欠き部21には、ワークWの形状に応じて変形可能とされた可変シール部材30(ブラシシール)が取り付けられており、この可変シール部材30がワークWの表面及び凸部Waに接触するようになっている。すなわち、ワークWの表面に凸部Waが形成されている場合でも、カバー20と可変シール部材30(ブラシシール)とによって、ワークWの表面を囲うことができるようになっている。
【0026】
上述のような構成とされた第一実施形態にかかる穿孔工具1によれば、ワークWの表面に凸部Waがある場合において、この凸部Waに可変シール部材30(ブラシシール)が対向するように配置し、可変シール部材30をワークWの凸部Waに応じて変形させワークWの表面に接触させることができる。したがって、上述のカバー20と可変シール部材30(ブラシシール)とによって、ワークWの表面を十分に囲うことができ、工具本体10によってワークWを加工する際に生じる切削粉Xが飛散することを 防止可能となる。
【0027】
さらに、本実施形態においては、ワークWの表面にカバー20が接触(当接)する構成とされているので、工具本体10によりワークWを加工する際に生じるびびり振動の発生を抑制することもできる。
【0028】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係る穿孔工具101について説明する。
なお、第一実施形態と同一の構成のものについては、同一の符号を付して記載し、詳細な説明を省略する。
第二実施形態に係る穿孔工具101は、
図2(a)に示すように、ワークWを加工する工具本体10(
図2(a)において図示略)と、工具本体10の外周側を囲むカバー120と、カバー120の周方向にわたって設けられた可変シール部材130と、を備えている。カバー120は、第一実施形態とは異なり、切欠き部が形成されていない構成とされている。
なお、
図2(a)は、ワークWと可変シール部材130とが接触する前の状態の概略説明図である。また、
図2(b)は、ワークWと可変シール部材130とが接触した状態の概略説明図である。
【0029】
可変シール部材130は、カバー120の内周面側に設けられた複数の針131と、これら複数の針131を保持する針保持具132と、を有している。なお、本実施形態では、
図2(b)に示すように、穿孔工具101によってワークWを加工する際には、第一実施形態とは異なりカバー120がワークWに接触(当接)せず、針131がワークWに接触するようになっている。
複数の針131は、カバー120の内周面側に周方向全周にわたって設けられている。複数の針131は、針保持具132によって針131の長手方向(
図2(a)において左右方向)に移動可能に保持されている。
【0030】
針保持具132は、リング状に形成され針保持具132を保持するリング部133と、外方から押圧されることでリング部133をワークW側に近づける押圧部134と、前述の複数の針131が配置された周方向のさらに内側に設けられたリング状のクランプ135と、を有している(
図2(c)参照)。
なお、押圧部134は、リング部133をワークW側に近づける機能だけでなく、リング部133をワークW側に近づけた後に、引きだされることで針131をワークWから遠ざける機能も有している。本実施形態の針保持具132は、さらに、前述のようにリング部133が引き出される際に、針131の位置を元の基準の位置に配置するリング形状の位置決め部材136を有している。
また、クランプ135は、複数の針131を所定の位置において固定するためのものであり、クランプ135を拡径することにより複数の針131を固定できる。
【0031】
上述のような構成とされた可変シール部材130によってワークWの表面を囲みワークWを孔あけ加工する方法について、以下に説明する。
まず、ワークW表面における所定の孔あけの位置まで主軸11を移動し、カバー120をワークWと対向させる。
次に、針保持具132の押圧部134を押圧して、針保持具132をワークW側に送り、複数の針131をワークWに押し当てる。このとき複数の針131は、ワークWの表面形状に応じた形状に成形されることになる。
【0032】
次いで、針保持具132に取り付けられたクランプ135を拡径し、上記のようにして成形した複数の針131の形状を固定する。
そして、工具本体10によって、孔あけ加工を行う。
孔あけ加工が終了したら、クランプ135を縮径してから針保持具132の押圧部134を引き戻し、針131を位置決め部材136に当接させて、元の基準の位置に複数の針131を戻す。
上記のようにして、ワークWの表面を囲み、ワークWを孔あけ加工できる。
【0033】
上記のような構成とされた第二実施形態に係る穿孔工具101によれば、ワークWの表面に凸部Waがあっても、針保持具132に移動可能に保持された針131をワークWの表面の形状に沿って接触(当接)させ、ワークWを囲う構成とされているので、複数の針131によって、ワークWの表面を囲うことができる。したがって、ワークWの切削粉がカバー120の外方に飛散することを防止することができる。
【0034】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態に係る穿孔工具201について説明する。
第三実施形態に係る穿孔工具201は、第二実施形態に係る可変シール部材130がストロークセンサ237を備えていること以外は、穿孔工具101と同一の構成であり、同一の構成のものについては、同一の符号を付して記載し、詳細な説明を省略する。
【0035】
第三実施形態に係る穿孔工具201は、ワークWを加工する工具本体10(
図3において図示略)と、工具本体10の外周側を囲むカバー120と、カバー120の周方向にわたって設けられた可変シール部材230と、を備えている(
図3参照)。
【0036】
可変シール部材230は、カバー120の内周面側に設けられた複数の針131と、これら複数の針を保持する針保持具132と、針131のストロークを検出するストロークセンサ237と、を有している。
ストロークセンサ237は、針131が工具本体10の軸線方向に移動する際の針131の変位量(ストローク)を検出するためのセンサである。本実施形態においては、
図3に示すように、2つの針にストロークセンサ237が取り付けられている。
なお、第三実施形態においては、ワークWの面と軸線(工具本体10の軸線)とが傾いて配置されている。
【0037】
第三実施形態に係る穿孔工具201によれば、ストロークセンサ237が、可変シール部材230に二つ配置されているので、ストロークセンサ237同士を結ぶ直線と、ワークW面と直交する方向との角度を求めることができる。すなわち、ワークWの面に直交する方向と軸線(工具本体10の軸線)とのなす角度θpを求めることができる(
図3参照)。
具体的には、一の針131がワークWに当接するまでの距離をL1、他の針131がワークWに当接するまでの距離をL2、ストロークセンサ同士の直線距離をHとしたときにθpは、
θp=tan
−1{(L2−L1)/H}
によって求めることが可能である。
さらに、可変シール部材230がストロークセンサ237を3つ有し、ストロークセンサ237が3つの針に取り付けられている場合には、ワークWの面に直交する方向と軸線との3次元的な傾きを求めることができる。
なお、ストロークセンサ237としては、例えばポテンショメータなどが挙げられる。
【0038】
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態に係る穿孔工具について説明する。
なお、第四実施形態は、針331の長手方向に直交する方向における針331の断面の形状が、第二実施形態と異なること以外は第二実施形態と同一の構成であるので、同一の構成のものについては、同一の符号を付して記載し、詳細な説明を省略する。
【0039】
第四実施形態に係る穿孔工具は、ワークWを加工する工具本体10と、工具本体10の外周側を囲むカバー120と、カバー120の周方向にわたって設けられた可変シール部材330と、を備えている。
【0040】
可変シール部材330は、カバー120の内周面側に設けられた複数の針331と、これら複数の針331を保持する針保持具132と、を有している。
複数の針331の断面(針331の長手方向に直交する断面)は、隣接する針331同士が周方向に重なり合うような断面形状とされている。すなわち、
図4(a)に示すように、針331の断面が、針保持具132の外周側から内周側に向かうにしたがって、周方向の一方側(
図4(a)において左回り側)に向かう形状となっている。
【0041】
以上のような構成とされた第四実施形態に係る穿孔工具によれば、針331同士が周方向に重なり合うような断面を有しているので、ワークWの切削粉Xが針同士の間の隙間から飛散することを確実に防止することができる。例えば、
図4(b)に示すように、針331aの断面が矩形の場合、隣接する針331a同士の間の隙間からワークWの切削粉Xが抜け出ることも考えられるが、第四実施形態の穿孔工具の構成にすることで、ワークWの切削粉Xが抜け出ることを確実に防止できる。
【0042】
なお、穿孔工具は、
図4(c)に示すように、前述の軸線方向と直交する断面において、針131が周方向に外側列を形成し、針131aが周方向に内側列を形成した複数列の構造とされていても良い。このとき、周方向に並ぶ内側列の針131aが、外側列に並ぶ針131同士の間の隙間を塞ぐように配置しておけば良い。この場合においても、上記第四実施形態で説明した穿孔工具と同様の効果を奏する。
【0043】
なお、第一実施形態から第四実施形態の穿孔工具は、切削粉を吸引する吸引部を備えていても良い。吸引部を備えることで、切削粉を吸引部によって吸引することができ、より確実にワークWの切削粉がカバーの外方に飛散することを防止できる。
【0044】
(第五実施形態)
次に、本発明の第五実施形態に係る穿孔工具401について説明する。
なお、第一実施形態及び第二実施形態と同一の構成のものについては、同一の符号を付して記載し、詳細な説明を省略する。
【0045】
第五実施形態に係る穿孔工具401は、
図5に示すように、ワークWを加工する工具本体10と、工具本体10の外周側を囲むカバー120と、カバー120の周方向にわたって設けられた可変シール部材30と、カバー120に取り付けられた吸引部440と、を備えている。
【0046】
吸引部440は、切削粉の飛散を防ぐためのものであり、ワークWを加工している間に空気を吸引して切削粉を吸引できるようになっている。この吸引部440は、カバー120の基端側(
図5において左側)に配置されている。なお、図示例では、吸引部440が一つ配置されている場合を示しているが、吸引部440を配置する箇所は複数であっても良い。
【0047】
そして、第五実施形態においては、カバー120の内側に整流板451(渦生成手段)が配置されている。この整流板451は、らせん状の溝が形成された板であり、吸引部440により吸引する吸気の流れを整えて渦を発生せるためのものである。
なお、整流板451は、カバー120の内周側の周方向の一部に配置されていても良いし、全周を囲むように配置されていても良い。また、整流板451を配置するのではなく、カバー120の内周側にらせん状の溝が形成されている構成とされても良い。
【0048】
以上のような構成とされた第五実施形態に係る穿孔工具401によれば、カバー120の内周側に、整流板451が配置されているので、吸引部440によって空気を吸引する際に渦を発生させて、ワークWの切削粉を効率的に巻き上げて収集することができる。したがって、カバー120の外方に切削粉が飛散することをより確実に防止することが可能となる。
【0049】
(第六実施形態)
次に、本発明の第六実施形態に係る穿孔工具501について説明する。
なお、第一実施形態の穿孔工具1と同一の構成のものについては、同一の符号を付して記載し、詳細な説明を省略する。また、吸引部については、第五実施形態と同様の構成であるので同一の符号を付して記載し、詳細な説明を省略する。
【0050】
第六実施形態に係る穿孔工具501は、
図6(a)に示すように、ワークWを加工する工具本体10(
図6(a)において図示略)と、工具本体10の外周側を囲むカバー520と、カバー520の端部の周方向にわたって設けられた可変シール部材30と、このカバー520に取り付けられた吸引部440と、を備えている。なお、第六実施形態においては、カバー520には切欠きが形成されておらず、カバー520の端部の全周に可変シール部材30(ブラシシール)が取り付けられている。
【0051】
そして、第六実施形態においては、
図6(a)に示すように、カバー520に孔552(渦生成手段)が形成されている。孔552は、カバー520を貫通するように複数形成され、軸線方向(
図6(a)の左右方向)において吸引部440と可変シール部材30との間に配置されている。
図6(b)に、
図6(a)のA−A断面図を示す。
図6(b)に示すように、孔552は、カバー520外周側から内周側に向かうにしたがって、周方向の一方側(
図6(b)において左回り側)に向かう形状となっている。このような孔552が形成されている場合に吸引部440により空気を吸引すると
図6(b)に示すように、孔552から空気が入り込み、左回りの空気の渦が発生する。
【0052】
以上のような構成とされた第六実施形態に係る穿孔工具501によれば、吸引時において空気の渦が発生する孔がカバー520に形成されているので、ワークWの切削粉を効率的に巻き上げて収集することができる。したがって、カバー520の外方に切削粉が飛散することをより確実に防止することが可能となる。
【0053】
(第七実施形態)
次に、本発明の第七実施形態に係る穿孔工具601について説明する。
なお、第一実施形態及び第二実施形態と同一の構成のものについては、同一の符号を付して記載し、詳細な説明を省略する。また、吸引部については、第五実施形態と同様の構成であるので同一の符号を付して記載し、詳細な説明を省略する。
【0054】
第七実施形態に係る穿孔工具601は、
図7(a)に示すように、ワークWを加工する工具本体10(
図7(a)において図示略)と、工具本体10の外周側を囲むカバー120と、カバー120の周方向にわたって設けられた可変シール部材630と、カバー120に取り付けられた吸引部440と、を備えている。
【0055】
そして、
図7(b)の可変シール部材630(ブラシシール)の断面(
図7(a)のA−A断面)に示すように、可変シール部材630には孔653(渦生成手段)が形成されている。孔653は、可変シール部材630の周方向と直交する方向に複数形成されている。孔653は、可変シール部材630の外周側から内周側に向かうにしたがって、周方向の一方側(
図7(b)において左回り側)に向かう形状となっている。このような孔653が形成されている場合に、穿孔工具601をワークWに接触させて、吸引部440により空気を吸引すると
図7(b)に示すように、孔653から空気が入り込み、左回りの空気の渦が発生する。
【0056】
以上のような構成とされた第七実施形態に係る穿孔工具601によれば、吸引時において空気の渦が発生する孔653がカバー120に形成されているので、ワークWの切削粉を効率的に巻き上げて収集することができる。したがって、カバー120の外方に切削粉が飛散することをより確実に防止することが可能となる。
【0057】
ここで、隣り合う孔653で区切られた可変シール部材630同士は、前述の軸線方向と直交する断面において、周方向に重なり合うような断面形状とされていることが好ましい。この場合、ワークWの切削粉が外方に飛散することをより確実に防止可能となる。
【0058】
(第八実施形態)
次に、本発明の第八実施形態に係る穿孔工具701について説明する。
なお、第一実施形態及び第二実施形態と同一の構成のものについては、同一の符号を付して記載し、詳細な説明を省略する。
【0059】
第八実施形態に係る穿孔工具701は、ワークWを加工する工具本体10と、工具本体10の外周側を囲むカバー120と、カバー120の周方向にわたって設けられた可変シール部材30と、カバー120に取り付けられた吸引部440と、を備えている。
【0060】
そして、第八実施形態においては、
図8に示すように、工具本体10が取り付けられる主軸11の周方向にファン754(渦生成手段)が形成されている。このファン754は、吸引部440によって吸気を吸引する際に、空気の渦を発生させるためのものである。
【0061】
以上のような構成とされた第八実施形態に係る穿孔工具701によれば、吸引時において空気の渦が発生するファン754が主軸11の周方向に形成されているので、ワークWの切削粉を効率的に巻き上げて収集することができる。したがって、カバー120の外方に切削粉が飛散することをより確実に防止することが可能となる。
【0062】
以上、本発明の実施形態である穿孔工具について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0063】
例えば、上記実施の形態においては、ワークの表面に凸部が形成されている場合について説明したが、凹部が形成されている場合においても本発明を適用することが可能である。例えば、ブラシシールが、カバーの端部よりもワーク側に突出するように設けることでワークに凹部が形成されている場合でも、ワークの表面を覆い切削粉が飛散することを防止できる。
【0064】
また、カバーは、主軸の外側に取り付け可能に形成されている構成とされても良い。例えば、第五実施形態及び第八実施形態においては、
図5及び
図8に示すように、カバー120と主軸11との間に可変シール部材30(ブラシシール)が設けられた状態でカバー120が主軸11に取り付けられている。
【0065】
また、カバーの形状は円筒形状に限定されるものではなく、例えば矩形などの形状であっても良い。
また、第二実施形態においては、カバー内周方向の全周に針が配置されている場合についてしたが、これに限定されるものではなく、周方向の一部に針が設けられていても良い。
また、第五実施形態から第八実施形態において、可変シール部材がブラシシールの場合について説明したが、針と針保持具とを有する可変シール部材とされても良い。また、第五実施形態から第八実施形態において、カバーの端部に切欠き部を形成し、この切欠き部に可変シール部材を取り付けても良い。