(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
インストルメントパネルから車室内側に突出するステアリングコラムを上側から覆うアッパーカバーと、前記アッパーカバーに対向して前記ステアリングコラムを下側から覆うロアカバーとを備え、前記アッパーカバーと前記ロアカバーの互いの端縁部を突き合わせて組み合わされ、先端側が前記インストルメントパネルに形成された挿通用開口部に挿通されるコラムカバーであって、
前記アッパーカバーまたは前記ロアカバーのいずれか一方に設けられて、対向する前記アッパーカバーまたは前記ロアカバーのいずれか他方に向かって上下方向に突出形成された嵌合爪部と、
前記アッパーカバーまたは前記ロアカバーのいずれか他方に設けられて、前記嵌合爪部が嵌合される開口部を備える嵌合部と、
前記アッパーカバーに設けられ、前記アッパーカバーが車両前方側に移動された際に前記インストルメントパネルの前記挿通用開口部の外縁と干渉する干渉部と、を備え、
前記嵌合爪部には、前記干渉部が前記インストルメントパネルの前記挿通用開口部の外縁に干渉した際に、前記開口部の周縁部と当接して前記アッパーカバーを前記ロアカバーに対して車両後方かつ上方に離脱するよう案内すべく車両前後方向かつ上下方向に傾斜された傾斜部が形成され、
さらに、
前記嵌合爪部は、先端部が車幅方向に突出するL字状に形成され、前記開口部の周縁部に係合されるフック部を有し、
前記開口部の周縁部の前記傾斜部と対向する部位は、前記干渉部が前記インストルメントパネルに干渉した際に、嵌合爪部を前記フック部の突出方向と反対側の方向に案内するよう車両前後方向かつ車幅方向に傾斜されていることを特徴とするコラムカバー。
前記開口部の周縁部には、前記嵌合爪部が嵌合された状態で前記傾斜部と対向する部位に前記傾斜部と同一方向に傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコラムカバー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のコラムカバーでは、複数のスリットがあるため見栄えが良くない。また、場合によっては、つぶれ残りが発生して二次衝突した際のステアリングコラムのコラプスを阻害する懸念がある。
【0006】
一方、特許文献2に記載のコラムカバーは、アッパーカバーが2つのパーツに分けられて形成され、しかもスライド構造を有しているので、部品点数が増える上、構造が複雑になるため、組み付けの工数が増えるなどコストの面で不利となる。また、二次衝突時におけるドライバのステアリングホイールへの衝突角度やタイミングは、衝突事故の多様性より様々な態様が考えられる。特許文献2に記載のコラムカバーは、前段側アッパーカバーの嵌合部と当該嵌合部と嵌合するロアカバーの嵌合部がそれぞれステアリングコラムの軸方向に略直線状に形成されている。車両の衝突方向やドライバの着座姿勢等によっては、ステアリングコラムの軸方向以外の角度から衝撃を受ける場合もあり、コラムカバーがコラム軸方向に収縮されない可能性もあることから、二次衝突時にステアリングコラムのコラプスを阻害してドライバへの衝撃緩和が確実に行われないことが懸念される。
このように従来のコラムカバーの構造には改善の余地があった。
【0007】
かかる従来技術の問題に鑑み、本発明は、簡素な構成で車両の二次衝突時におけるドライバへの衝撃を確実に低減できるコラムカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はかかる目的を達成するため、インストルメントパネルから車室内側に突出するステアリングコラムを上側から覆うアッパーカバーと、前記アッパーカバーに対向して前記ステアリングコラムを下側から覆うロアカバーとを備え、前記アッパーカバーと前記ロアカバーの互いの端縁部を突き合わせて組み合わされ
、先端側が前記インストルメントパネルに形成された挿通用開口部に挿通されるコラムカバーであって、前記アッパーカバーまたは前記ロアカバーのいずれか一方に設けられて、対向する前記アッパーカバーまたは前記ロアカバーのいずれか他方に向かって上下方向に突出形成された嵌合爪部と、前記アッパーカバーまたは前記ロアカバーのいずれか他方に設けられて、前記嵌合爪部が嵌合される開口部を備える嵌合部と、前記アッパーカバーに設けられ、前記アッパーカバーが車両前方側に移動された際に前記インストルメントパネル
の前記挿通用開口部の外縁と干渉する干渉部と、を備え、前記嵌合爪部には、前記干渉部が前記インストルメントパネル
の前記挿通用開口部の外縁に干渉した際に、前記開口部の周縁部と当接して前記アッパーカバーを前記ロアカバーに対して車両後方かつ上方に離脱するよう案内すべく車両前後方向かつ上下方向に傾斜された傾斜部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、二次衝突時にドライバによってコラムカバーが前方に押動されると、アッパーカバーの干渉部がインストルメントパネル
の挿通用開口部の外縁と干渉することによって、アッパーカバーの移動が阻止されるとともにロアカバーに対してアッパーカバーが車両後方側へ相対変位される。これによって、嵌合爪部が嵌合部の開口部の周縁部(嵌合爪部がアッパーカバーに設けられる場合は、嵌合爪部の後方側で傾斜部と対向する部位)に当接され傾斜部の傾斜に沿ってアッパーカバーが押し上げられるとともに、嵌合爪部と嵌合部との嵌合が外れるので、アッパーカバーがロアカバーから離脱され、ロアカバーのみが前方に移動可能となる。このため、二次衝突が発生した際に、コラムカバーがステアリングコラムのコラプスを阻害せずに、確実にドライバへの衝撃を和らげることができる。
【0010】
このとき、本発明において好ましくは、前記開口部の周縁部には、前記嵌合爪部が嵌合された状態で前記傾斜部と対向する部位に前記傾斜部と同一方向に傾斜する傾斜面が形成されていることとしてもよい。
【0011】
このようにすれば、嵌合爪部の傾斜部と当該傾斜部と対向する部位となる嵌合部の開口部の周縁部との摺動がスムーズとなるので、アッパーカバーがインストルメントパネルに干渉した際に、より確実にアッパーカバーを傾斜部に沿って押し上げてロアカバーから離脱させることができる。
【0012】
また、本発明において好ましくは、前記嵌合爪部は、先端部が車幅方向に突出するL字状に形成され、前記開口部の周縁部に係合されるフック部を有し、前記開口部の周縁部の前記傾斜部と対向する部位は、前記干渉部が前記インストルメントパネルに干渉した際に、嵌合爪部を前記フック部の突出方向と反対側の方向に案内するよう車両前後方向かつ車幅方向に傾斜されていることとしてもよい。
【0013】
このようにすれば、二次衝突によって、アッパーカバーがインストルメントパネルに干渉した際に、嵌合爪部の傾斜部と対向する部位となる開口部の周縁部の傾斜に沿って、嵌合爪部がフック部の突出方向と反対方向に導かれるため、嵌合爪部が撓んでフック部の係合が外れ易くなる。これによって、より一層スムーズかつ確実にロアカバーからアッパーカバーを離脱させることができる。
【0014】
また、本発明において好ましくは、前記アッパーカバーと前記ロアカバーの合わせ位置を決める位置決めピンと、当該位置決めピンが嵌合される孔部とを備えており、前記位置決めピンには、前記干渉部が前記インストルメントパネルに干渉した際に、前記孔部の周縁部と当接して前記アッパーカバーを前記ロアカバーに対して車両後方かつ上方に離脱するよう案内する傾斜部が形成され、前記孔部には、前記位置決めピンの前記傾斜部と対向する部位に、前記ピン部の前記傾斜部と同一方向に傾斜する傾斜面が形成されていることとしてもよい。
【0015】
このようにすれば、位置決めピンと孔部とを嵌合させて位置決めをした上で、嵌合爪部と嵌合部の開口部とを嵌合させられるので、より精度よくアッパーカバーとロアカバーとを組み合わせることができる。しかも位置決めピンと孔部にも嵌合爪部と嵌合部と同じように傾斜部と傾斜面を形成しているので、二次衝突によって、アッパーカバーの干渉部がインストルメントパネルと干渉した際に、位置決めピンが傾斜部に沿って孔部から外れるので、位置決めピンによってアッパーカバーの離脱を邪魔することがない。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡素な構成で車両の二次衝突時におけるドライバへの衝撃を確実に低減できるコラムカバーが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0019】
本発明のコラムカバーの第1の実施形態の概略構成について説明する。
図1に示すように、インストルメントパネル10には、運転席の前方において、メータユニット12が設けられている。メータユニット12の下方には、車両前後方向に貫通して車両の後方に延びるステアリングコラム14が設けられ、このステアリングコラム14の内部には、ステアリングシャフト16が配設されている。
【0020】
ステアリングシャフト16の車内側の端部には、ステアリングホイール18が取り付けられている。ステアリングホイール18は、ステアリングシャフト16、および図示しないユニバーサルジョイント、連結シャフト、ステアリングギヤ、タイロッド、ナックルアームを介して前輪と接続されているので、ステアリングホイール18の操作によって前輪が操舵されるようになっている。
【0021】
また、ステアリングコラム14におけるインストルメントパネル10よりも後方の部分、すなわち車室内側には、インストルメントパネル10から車室内側に突出するように、コラムカバー100が取り付けられる。コラムカバー100は、インストルメントパネル10に形成された挿通用開口部20にコラムカバー100の先端側が挿通された状態で配置されていて、ステアリングコラム14の一部である後端側をその軸方向に沿って覆っている。なお、ここで言う「先端側」とは、車両前方側を意味し、「後端側」とは、車両後方側を意味するものとし、ステアリングコラム14を基準にするとステアリングホイール18が取り付けられる側の方向を意味するものとし、以下でも同様に定義する。
【0022】
一方、ステアリングコラム14およびステアリングシャフト16は、車両の正面衝突時にドライバが前のめりになる荷重、つまり後方からの衝撃荷重の作用時に車両前方に移動可能(コラプシブル)となるように構成されている。また、本実施形態では、ステアリングコラム14やステアリングシャフト16が収縮機能を発揮させるために、ステアリングコラム14を覆うコラムカバー100にも、種々の対策を講じている。
【0023】
コラムカバー100は、例えば、プロピレン等の樹脂による成形品であり、
図2および
図3に示すように、それぞれが断面略矩形状の有底箱体を2分割した半割形状をなしているアッパーカバー102およびロアカバー104が再び有底箱体を構成するように、それぞれの端縁部106、108を接合させて形成される。すなわち、コラムカバー100は、アッパーカバー102とロアカバー104の互いの端縁部を突き合わせて組み合わせることにより形成される。このようにして、アッパーカバー102は、ステアリングコラム14(
図1参照)を鉛直方向に対して上側から覆い、ロアカバー104は、アッパーカバー102に対向して、ステアリングコラム14を鉛直方向に対して下側から覆うようになる。
【0024】
アッパーカバー102は、後端側壁部110、左右の側壁部112、114、及びこれらに連なる上壁部116を有しており、先端側及び鉛直方向下側に開放している。左右の側壁部112、114の下端面は、ロアカバー104の端縁部108と接合する端縁部106となる。後端側壁部110には、ステアリングコラム14を挿通させる略半円状の切り欠き部118が下端縁部に開放するように形成されている。左右の側壁部112、114には、操作レバー等を挿通させる略半円状の切り欠き部120、122が下端縁部に開放するようにそれぞれ形成されている。
また、本実施形態では、上壁部116が後端側から先端側に向かってステアリングコラム14の軸線側に寄るように湾曲した形状に形成されており、隆起部124となっている。隆起部124は、二次衝突時にアッパーカバー102を先端側方向に移動させた際に挿通用開口部20の外縁20aと干渉する干渉部となる(
図8参照)。なお、本実施形態のコラムカバー100としたことによる二次衝突発生時の作用については、後述する。
【0025】
ロアカバー104は、後端側壁部126、左右の側壁部128、130、及びこれらに連なる下壁部132を有しており、先端側及び鉛直方向上側に開放している。左右の側壁部128、130の上端面は、アッパーカバー102の端縁部106と接合する端縁部108となる。後端側壁部126には、ステアリングコラム14を挿通させる略半円状の切り欠き部134が上端縁部に開放するように形成されている。左右の側壁部128、130には、操作レバー等を挿通させる略半円状の切り欠き部136、138が上端縁部に開放するように、それぞれ形成されている。後端側壁部126の切り欠き部134は、アッパーカバー102に形成された後端側壁部110の切り欠き部118、左側壁128の切り欠き部136とアッパーカバー102に形成された左側壁112の切り欠き部120、右側壁130の切り欠き部138とアッパーカバー102に形成された右側壁114の切り欠き部122は、それぞれ対向するように形成されている。
【0026】
また、本実施形態では、
図3に示すように、アッパーカバー102とロアカバー104とを対向させて接合させるために、アッパーカバー102のロアカバーと当接する側には、複数の嵌合爪部140が設けられ、ロアカバー104のアッパーカバー102と当接する側には、嵌合爪部140のそれぞれと嵌合するために形成された複数の嵌合部142が設けられている。なお、本実施形態では、アッパーカバー102側に複数の嵌合爪部140が設けられ、ロアカバー104側に複数の嵌合部142が設けられているが、かかる構成に限定されない。すなわち、アッパーカバー102側に複数の嵌合部142が設けられ、ロアカバー104側に複数の嵌合爪部140が設けられる構成としてもよい。
【0027】
次に、本実施形態におけるコラムカバーのアッパーカバーとロアカバーとの接合部位の詳細について、図面を使用しながら説明する。
図4は、同実施の形態におけるコラムカバーのアッパーカバーとロアカバーとの接合部位の拡大図、
図5(a)は、
図4におけるA−A断面図、
図5(b)は、
図4におけるB−B断面図、
図6(a)は、
図4におけるC−C断面図、
図6(b)は、
図4におけるD−D断面図、
図7は、
図4におけるE−E断面図である。
【0028】
図4に示すように、コラムカバー100を構成するアッパーカバー102のロアカバー104と当接する側には、嵌合爪部140がアッパーカバー102の長さ方向(
図4に示すX方向)の端縁部106となる側壁部114に沿って設けられている。本実施形態では、嵌合爪部140は、アッパーカバー102の長さ方向の端縁部106に沿って設けられる板形状の第1嵌合爪部140b、第2嵌合爪部140cを含む構成であり、これら嵌合爪部140b、140cが側壁部114に対向する側壁部112にも同様に設けられている。すなわち、アッパーカバー102には、嵌合爪部140として、側壁部112、114に沿って嵌合爪部140b、140cが4つ、それぞれ設けられている。また、アッパーカバー102の側壁部114の後端側には、ピン形状の嵌合ピン141が設けられ、本実施形態では、側壁部112、114の後端側に嵌合ピン141が2つ設けられている。
【0029】
一方、コラムカバー100を構成するロアカバー104のアッパーカバー102と当接する側には、
図4に示すように、嵌合部142がロアカバー104の長さ方向(
図4に示すX方向)の端縁部108となる側壁部130に沿って設けられている。本実施形態では、嵌合部142は、ロアカバー104の長さ方向の端縁部に沿って設けられる溝形状の開口部が形成された第1嵌合部142b、第2嵌合部142cを含む構成であり、これら嵌合部142b、142cが側壁部130に対向する側壁部128にも同様に設けられている。すなわち、ロアカバー104には、嵌合部142として、側壁部128、130に沿って嵌合部142b、142cが4つ、それぞれ設けられている。また、ロアカバー104の側壁部130の後端側には、孔形状の嵌合孔部143が設けられ、本実施形態では、側壁部128、130の後端側に嵌合孔部143が2つ設けられている。
【0030】
嵌合爪部140には、干渉部124がインストルメントパネル10に干渉した際に、嵌合部142の開口部142b2、142c2(
図5、
図6参照)の周縁部と当接して、アッパーカバー102をロアカバー104に対して車両後方かつ上方に離脱するよう案内すべく車両前後方向かつ上下方向に傾斜された傾斜部144が形成されている。すなわち、本実施形態では、嵌合爪部140b、140cには、アッパーカバー102の後端側に向けて傾斜部144b、144cがそれぞれ形成されている。また、嵌合ピン141には、その先端側の全方向に向けて傾斜部144aが形成されている(
図7参照)。さらに、嵌合爪部140b、140cは、支持部材146(146b、146c)を介して側壁部114に支持され、嵌合ピン141は、支持部材146aを介して側壁部114に支持されている。
【0031】
一方、嵌合部142b、142cには、嵌合爪部140b、140cが嵌合部142b、142cと嵌合する際に、嵌合爪部140b、140cに形成された傾斜部144b、144cに対向する部位に傾斜面148b、148cがそれぞれ形成されている(
図9参照)。すなわち、嵌合部142b、142cの開口部142b2、142c2の周縁部には、嵌合爪部140b、140cが嵌合された状態で嵌合爪部140b、140cに形成された傾斜部144b、144cと対向する部位に、当該傾斜部144b、144cと同一方向に傾斜する傾斜面148b、148cが形成されている。また、嵌合孔部143には、その外周の全方向に向けて傾斜面148aが形成されている(
図7参照)。このように、嵌合部142b、142cの開口部142b2、142c2の周縁部に傾斜面148b、148cを設けることにより、嵌合爪部140b、140cの傾斜部144b、144cと、当該傾斜部144b、144cと対向する部位となる開口部142b2、142c2の周縁部との摺動がスムーズとなる。このため、アッパーカバー102がインストルメントパネル10に干渉した際に、より確実にアッパーカバー102を傾斜部144b、144cに沿って押し上げて、ロアカバー104から離脱させることができる。これら嵌合部142b、142cおよび嵌合孔部143は、側壁部130の鉛直方向上側に取り付けられている。
【0032】
嵌合部142cは、
図5(a)に示すように、側壁部130に直接取り付けられる枠部材142c1で構成されている。この枠部材142c1のスリット部142c2が開口部となって、嵌合爪部140cが嵌合される。そして、
図5(b)に示すように、嵌合爪部140cの先端側に略L字形に形成されるフック部140c1が枠部材142c1に係止されることよって、嵌合爪部140cが嵌合部142cに嵌合されて、アッパーカバー102がロアカバー104から鉛直方向に外れない構成となっている。
【0033】
また、本実施形態では、コラムカバー100の生産時の加工精度の負荷を低減させるために、
図5(a)に示すように、嵌合爪部140cと嵌合部142cとの間には、嵌合部142cの長さ方向の両端側に第1のクリアランス150cと第2のクリアランス152cが設けられている。これにより、部品ばらつきに対して許容することができる。従って、嵌合爪部140b、140cと嵌合部142b、142cをそれぞれ複数設ける場合でも、高い加工精度を要求せずに嵌合爪部140b、140cと嵌合部142b、142cとを嵌合可能とできる。
【0034】
同様にして、嵌合部142bは、
図6(a)に示すように、側壁部130に直接取り付けられる枠部材142b1で構成されている。この枠部材142b1のスリット部142b2が開口部となって、嵌合爪部140bが嵌合される。そして、
図6(b)に示すように、嵌合爪部140bの先端側に略L字形に形成されるフック部140b1が枠部材142b1に係止されることよって、嵌合爪部140bが嵌合部142bに嵌合されて、アッパーカバー102がロアカバー104から鉛直方向に外れない構成となっている。
【0035】
また、同様にして、
図6(a)に示すように、嵌合爪部140bと嵌合部142bとの間には、嵌合部142bの長さ方向の両端側に第1のクリアランス150bと第2のクリアランス152bが設けられている。コラムカバー100の後端側の方向に設けられる第1のクリアランス150bは、コラムカバー100の先端側の方向に設けられる第2のクリアランス152bよりも、嵌合部142bの長さ方向に大きい構成となっている。
【0036】
次に、本実施形態におけるコラムカバーの構成とすることによる作用について、図面を使用しながら説明する。
図8(a)〜(c)は、同実施形態のコラムカバーを適用した場合の二次衝突時の作用説明図であり、(a)は、二次衝突発生時、(b)は、アッパーカバー102の隆起部124のインストルメントパネル10への干渉時、(c)は、アッパーカバー102のロアカバー104からの離脱時を示す。また、
図9(a)は、同実施の形態におけるコラムカバーのアッパーカバーの嵌合爪部とロアカバーの嵌合部が嵌合している状態を示す作用説明図、
図9(b)は、同実施の形態におけるコラムカバーのアッパーカバーの嵌合爪部がロアカバーの嵌合部から外れる状態を示す作用説明図を示す。さらに、
図10(a)は、同実施の形態におけるコラムカバーのアッパーカバーの嵌合ピンとロアカバーの嵌合孔部が嵌合している状態を示す作用説明図、
図10(b)は、同実施の形態におけるコラムカバーのアッパーカバーの嵌合ピンがロアカバーの嵌合孔部から外れる状態を示す作用説明図を示す。なお、
図8においては、本実施形態のコラムカバー100の構成とすることによる作用を説明するために、コラムカバー100の特徴部である嵌合爪部140、嵌合部142を模式化して図示している。
【0037】
コラムカバー100のアッパーカバー102とロアカバー104が接合しているときは、
図9(a)に示すように、嵌合爪部140b(140c)が嵌合部142b(142c)に嵌合されている。また、
図10(a)に示すように、嵌合ピン141が嵌合孔部143に嵌合されている。
【0038】
二次衝突が発生すると、
図8(a)に示すように、ドライバによりコラムカバー100が車両前方方向に向けて押されるようになる。その後、コラムカバー100が車両前方方向に向けて押されると、
図8(b)に示すように、アッパーカバー102の隆起部124が干渉部となって、インストルメントパネル10の挿通用開口部20の外縁20aと干渉する。そして、アッパーカバー102の車両前方側への移動が阻止されて、ロアカバー104のみが車両前方方向に移動する。
【0039】
その後、さらにロアカバー104が車両前方方向に向けて押されると、
図9(b)に示すように、嵌合爪部140b(140c)の傾斜部144b(144c)が嵌合部142b(142c)の傾斜面148b(148c)をスライドしながら乗り上げられる。また、同様にして、
図10(b)に示すように、嵌合ピン141の傾斜部144aが嵌合孔部143の傾斜面148aをスライドしながら乗り上げられる。このように、嵌合爪部140となる嵌合爪部140b、140c、嵌合ピン141が嵌合部142b、142cと、嵌合孔部143に形成された傾斜面148b、148c、148aを乗り上げることによって、
図8(c)に示すように、アッパーカバー102がロアカバー104から外れて、ロアカバー104のみが車両前方方向に移動するようになる。すなわち、嵌合爪部140、嵌合部142のそれぞれに傾斜部144、傾斜面148を設けることによって、二次衝突発生時に嵌合爪部140が嵌合部142から外れ易くなる。すなわち、本実施形態では、二次衝突時にドライバによってコラムカバー100が前方に押動されると、アッパーカバー102の干渉部124がインストルメントパネル10と干渉する。そして、アッパーカバー102の移動が阻止されると共に、ロアカバー104に対してアッパーカバー102が車両後方側へ相対変位される。これによって、嵌合爪部140が嵌合部142の開口部142b2、142c2の周縁部に当接され、傾斜部144の傾斜に沿ってアッパーカバー102が押し上げられると共に、嵌合爪部140と嵌合部142との嵌合が外れる。そして、アッパーカバー102がロアカバー104から離脱され、ロアカバー104のみが前方に移動可能となる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態では、二次衝突発生時にドライバによってステアリングホイール18を介して、コラムカバー100が前方に押動されると、アッパーカバー102がロアカバー104から離脱する構成としている。このため、二次衝突の際には、アッパーカバー102がロアカバー104から外れることによって、ロアカバー104のみが車両前方に移動するようになるので、コラムカバー100によってコラプスが阻害されずに、確実にドライバへの衝撃を和らげることができる。
【0041】
特に、本実施形態では、アッパーカバー102とロアカバー104との接合を複数の嵌合爪部140とそれらと同数の嵌合部142によって接合し、これらが二次衝突発生時に互いに離脱し易い構成としている。このため、少ない部品点数でアッパーカバー102とロアカバー104の接合を安定させた上で、二次衝突の際には、様々な角度からの衝撃によっても、アッパーカバー102がロアカバー104から外れ易い構成として、コラムカバー100のコラプス阻害を防止できる。
【0042】
さらに、本実施形態では、嵌合爪部140b、140cに形成された傾斜部144b、144cと、嵌合部142b、142cに形成された傾斜面148b、148cとの間には、クリアランス150b、150c、152b、152cが設けられている。このため、嵌合爪部140b、140cと嵌合部142b、142cをそれぞれ複数設ける場合でも、高い加工精度を要求せずに嵌合爪部140b、140cと嵌合部142b、142cとを嵌合可能とできるので、生産工程や生産コストを削減できる。
【0043】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0044】
例えば、本発明の第1の実施形態では、アッパーカバーには、嵌合爪部を4つ設け、嵌合部を4つ設けているが、嵌合爪部、嵌合部の個数および設置個所については、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。