特許第6029467号(P6029467)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029467
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】薬物送達デバイスの本体
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/20 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
   A61M5/20
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-502668(P2012-502668)
(86)(22)【出願日】2010年3月31日
(65)【公表番号】特表2012-521826(P2012-521826A)
(43)【公表日】2012年9月20日
(86)【国際出願番号】EP2010054341
(87)【国際公開番号】WO2010112560
(87)【国際公開日】20101007
【審査請求日】2013年3月26日
【審判番号】不服2015-9330(P2015-9330/J1)
【審判請求日】2015年5月20日
(31)【優先権主張番号】09004664.0
(32)【優先日】2009年3月31日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/169,846
(32)【優先日】2009年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ハルムス
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン・ラープ
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ・ダースバッハ
(72)【発明者】
【氏名】ウード・シュタオダー
【合議体】
【審判長】 長屋 陽二郎
【審判官】 宮下 浩次
【審判官】 熊倉 強
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−522275(JP,A)
【文献】 米国特許第3885562(US,A)
【文献】 特表2004−502503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって:
- 外表面(2);及び
- 外表面中の凹部(5)、ここで凹部は情報を提示するために提供され、ここで、
- 凹部(5)は、レリーフ構造(8)を備え、そしてレリーフ構造(8)が凹部(5)の外側で存在するとき、本体(1)の外表面(2)のレベルを超えない、そしてレリーフ構造(8)が本体(1)の一体部品を成形する;
を含むデバイス。
【請求項2】
凹部(5)内に位置するラベル(7)、を更に含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
ラベル(7)が、凹部(5)の外部に存在するとき、本体(1)の外表面(2)のレベルを超えない、請求項2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
凹部(5)を覆い、そして凹部(5)の外部に存在するとき、本体(1)の外表面(2)のレベルを超えない透明カバー(9)を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
デバイスの操作のために提供される機構(3)、ここで機構(3)は外表面(2)とは反対側にある本体(1)の側面上の本体(1)の内容積内に位置する;
を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
デバイスの操作のために提供される操作ボタン(4)、及び操作ボタン(4)の近辺に位置する凹部(5)を更に含む、請求項5に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
ペン型薬物送達デバイス又は注射用ペンの部品を形成する本体(1)を更に含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
情報が送達すべき薬物に関するものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
情報が投与すべき用量に関するものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
薬物の複数の用量を送達するように構築されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の薬物送達デバイスを含む薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯型薬物送達デバイス、特に、ペン型薬物送達デバイス又は注射用ペンの本体又はハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型薬物送達デバイスは、一般的に、医薬用の物質又は流体、例えば、インスリン、成長ホルモン、又は患者による自己投与に適したその他の薬物の投与のために知られている。薬物送達デバイスは、特に、容易に取扱いが可能であり、そしてどこでも利用可能であるペン形状が有用である。薬物送達デバイスの洗練された型は、再充填可能であり、そして多数回再使用可能であるよう構築されている。デバイスの長寿命を確実にするために、毎日の使用中に起こる損傷を避けることが重要である。
【0003】
幾つかの薬物送達デバイスは、複数の異なった用量を送達するよう構築されている。そのような薬物送達デバイスの1つの特定の例が特許文献1に記載されている。そこに示された薬物送達デバイスは、使用者が送達デバイスを作動させることを可能とする。その目的のため、薬物送達デバイスは、ペン型注射器用における使用に好適な駆動機構を含み、そこで医薬品の事前設定された用量を投与することができる。ニードルユニットは、患者の体内へ医薬品を投与するために、薬物送達デバイスに装着することができる。
【0004】
薬物送達デバイス又は用量についての必要な情報は、デバイスの使用者によって直接アクセスできるようにするべきであり、従って、好ましくは、デバイスの本体に接続されるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP第1923083号A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、破損又は故障がほとんど起こらない手段により直接アクセス可能な情報を有する携帯型薬物送達デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は請求項1に記載の薬物送達デバイスで達成される。実施態様は従属請求項から生じる。
【0008】
薬物送達デバイスは外表面及び外表面における凹部を含む。凹部は情報の表示用に提供される。
【0009】
凹部は底が浅くてもよく、そして、好ましくは、書かれた、又は印刷された情報を容易に読むことができる本体の外表面に位置する。情報は凹部内の本体の外表面に提示されねばならない。情報は、例えば、印刷することにより、又は成形することにより、又は表面にレリーフを形成することにより適用することができる。薬物送達デバイスの本体は、更に、凹部内に位置するラベルを含んでもよい。情報を運ぶ印刷された、又は構造化ラベル(structured label)は、原価効率の良い生産からみて、有利に使用することができる。凹部がラベルのために提供されるならば、凹部の深さは、好ましくは、ラベルの厚さに適合される。ラベルが更なる手段又は道具を使わないで直ちに固定することができるように、ラベルは、接着剤により凹部内の本体表面に固定することができ、特に、事前にラベルの裏側に容易に提供される接着層により固定することができる。これにより、特に、必要な直接情報を含むデバイスの本体を容易に製造することが可能となる。
【0010】
レリーフ構造の厚さが、凹部の深さより小さいか、又は高々それと同等である場合、レリーフ構造の最も高い表面レベル、又はラベルの外表面のレベルは、それぞれ、デバイス本体の外表面のレベルを超えないであろう。それ故、凹部に置かれた情報は、薬物送達デバイスの使用中又は保存中、引掻きを受け、又は損傷を受けることから保護され、そして、特に、ラベルは引き剥がしから保護される。更にその上、薬物送達デバイスの平面上での摺動、滑り、回転が、ラベル又は印刷された若しくは成形された情報の表面に引掻き、又は損傷を与えることもなく、情報を判読不能とさせるかも知れない摩耗又は引掻きを発生させることもない。
【0011】
薬物送達デバイスの本体の実施態様において、操作ボタンを備えた一端で提供される延長形のペン型デバイスが対象となり、そして、凹部は、操作ボタンが設置される本体端部の近くに位置する。
【0012】
別の実施態様において、凹部は、印刷された若しくは成形された情報又はラベルを保護する光学的に透明なカバーを備えている。カバーは、例えば、薄いフォイルであってもよい。 カバーは、好ましくは、本質的に引掻き抵抗性のある透明な材料で形成され、そして透明なプラスチック又はガラスであってもよい。カバーは、完全には平坦ではない表面上で、特に粗面の表面上で、薬物送達デバイスを滑動させ、又はこすることによる損傷から守り、又は少なくとも減少させる。
【0013】
別の実施態様において、本体は、組立てられた薬物送達デバイス、特に、注射用ペンの一部である。
【0014】
本明細書で使用する用語「薬物」は、多くとも1500Daの分子量を有する少なくとも1つの薬学的に活性な化合物、又は、薬学的に活性なペプチド、蛋白質、DNA、RNA、抗体、酵素、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又はそれらの混合物を含む医薬製剤を意味し、好ましくは、少なくとも1つのペプチドを含み、更に、好ましくは、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症の治療用のぺプチドであり、特に好ましくは、ヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0015】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;位置B28におけるプロリンが、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで置き換えられ、そして、位置B29において、Lysが、Proで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0016】
ヒトインスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0017】
エキセンジン−4は、例えばエキセンジン−4(1−39)、配列H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2のペプチドを意味する。
【0018】
エキセンジン−4誘導体は、例えば以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
【0019】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体;
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のエキセンジン−4誘導体のいずれか1つの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0020】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に表示されているような脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は調節活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0021】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えばアルカリ又はアルカリ土類金属、例えばNa+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又はアンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されたC1−C6アルキル基;場合により置換されたC2−C6アルケニル基;場合により置換されたC6−C10アリール基、又は場合により置換されたC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark Publishing Company,Easton, Pa., U.S.A., 1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0022】
薬学的に許容可能な溶媒和物は、例えば、水和物である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施例及び実施態様の他の特徴は、添付図面と組み合わせて次の詳細な記述から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に基づく本体を有するペン型薬物送達デバイスの実施態様の断面図の一部を示す。
図2】ラベルを有する凹部の断面を示す。
図3】レリーフ構造を有する凹部の断面を示す。
図4】ラベルとカバーを有する凹部の断面を示す。
【0025】
図は本発明に対して重要ではない追加の特徴をも示し、そして説明用としてのみ表現される。図は正確な縮尺率で描かれていない。
【0026】
図1は、本体1又は外表面2を有するハウジングを含むペン型薬物送達デバイス又は注射用ペン14の実施態様の断面の一部を示す。外表面2の反対側にある本体1の側に、本体1の内容積が、デバイスの操作のため、特に薬物の規定用量を送達するために備わっている機構3で占められている。機構3は、例えば、本体1の端部に位置する操作ボタンを押す又は回転することにより操作することができる。凹部5は本体1の外表面で形成される。凹部5は情報を運ぶため提供され、そして、凹部5の外側の本体の外表面2のレベルに対して下方にあるレベル上に表面6を有する。凹部5は、好ましくは、底が浅く、そして、例えば、操作ボタン4の近辺に、又は操作ボタン4が位置するデバイスの端部近くに位置することができる。情報は、例えば、印刷又は成形により、凹部5の表面6に直接適用することができる。図1に記載の実施態様において、凹部5の表面6はラベル7を有する。ラベル7はその外表面12上に情報を運ぶ。図1の断面は、好ましい実施態様を示し、ここで、ラベル7は、凹部5の外側に存在する本体1の外表面2のレベルを超えるか、又は上昇することはない。
【0027】
図2は、図1の実施態様に記載の凹部5の位置での本体1の断面を示す。凹部5におけるラベル7は、その外表面上に、印刷又は成形された形で情報を運ぶ。ラベル7は、例えば、接着層10によって凹部5の表面6に固定することができる。
【0028】
図3はレリーフ構造8を有する凹部5の断面図を示す。これは、迅速に入手可能な情報が、凹部5内の本体表面上にいかに迅速に置くことができるかを示す更なる実施例である。レリーフ構造8は、例えば、プラスチック材料から製造することができる本体1の一体部品として形成するように、凹部5の表面6に直接形成することができる。代わりに、構造化ラベル又は成形されたエレメントは、凹部5内の本体1に適用することができる。図3の断面は、好ましい実施態様を示し、ここで、レリーフ構造8は、凹部5の外側に存在するとき、本体1の外表面2のレベルを超えるか、又は上昇することはない。更に、レリーフ構造8は、図4で示すものと同様のカバーで保護することができる。
【0029】
図4はラベル7及びカバー9を有する凹部5の断面を示す。ラベル7は、印刷又は成形された形で外表面12上に情報を運ぶ。ラベル7は、好ましくは、接着層10により凹部5の外表面6に固定される。カバー9は必ずしも必要ではなく、図2で示す実施態様によると省く(leave off)ことができる。他方では、ラベル7がカバー9により代わりに保持され、そしてカバー9が本体1に固定されるならば、接着層10は、ラベル7を必ずしも固定する必要はない。図4の実施態様において、カバー9は追加接着層11によって固定されるが、それは、また、フック、スパイク又は突起リム13のような固定手段によって適用することができるかもしれない。図4の断面は、好ましい実施態様を示し、ここで、カバー9は、凹部5の外側に存在するとき、本体1の外表面2のレベルを超えるか、又は上昇することはない。
【0030】
ラベル7は図2に記載の実施態様として、凹部5の表面6全てを、本質的に、覆い得て、またはラベル7は、図4で示す通り、凹部5の表面6のより小さい面積に限定され得る。
【0031】
情報が、ラベル又は他の分離エレメントなしで、凹部5の表面6上に、直接、印刷され、又は成形される実施態様は、また、損傷に対する情報のよりよい保護を有すために、図4で示すものに基づきカバーで提供することができる。
【0032】
本発明及びその利点を詳細に説明したが、種々の変化、代替、修正は、当然のことながら、添付の特許請求範囲で定義される本発明の精神、範囲から外れることなく、本明細書で達成できるであろう。同様に、種々の実施態様と組み合わせて説明した特徴は、本発明の範囲から離れることなく、異なった方法で組み合わせることができる。
【0033】
参照番号
1.本体
2.本体の外表面
3.機構
4.操作ボタン
5.凹部
6.凹部の表面
7.ラベル
8.レリーフ構造
9.カバー
10.接着層
11.追加接着層
12.ラベルの外表面
13.突起リム
14.注射用ペン
図1
図2
図3
図4