【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は請求項1に記載の薬物送達デバイスで達成される。実施態様は従属請求項から生じる。
【0008】
薬物送達デバイスは外表面及び外表面における凹部を含む。凹部は情報の表示用に提供される。
【0009】
凹部は底が浅くてもよく、そして、好ましくは、書かれた、又は印刷された情報を容易に読むことができる本体の外表面に位置する。情報は凹部内の本体の外表面に提示されねばならない。情報は、例えば、印刷することにより、又は成形することにより、又は表面にレリーフを形成することにより適用することができる。薬物送達デバイスの本体は、更に、凹部内に位置するラベルを含んでもよい。情報を運ぶ印刷された、又は構造化ラベル(structured label)は、原価効率の良い生産からみて、有利に使用することができる。凹部がラベルのために提供されるならば、凹部の深さは、好ましくは、ラベルの厚さに適合される。ラベルが更なる手段又は道具を使わないで直ちに固定することができるように、ラベルは、接着剤により凹部内の本体表面に固定することができ、特に、事前にラベルの裏側に容易に提供される接着層により固定することができる。これにより、特に、必要な直接情報を含むデバイスの本体を容易に製造することが可能となる。
【0010】
レリーフ構造の厚さが、凹部の深さより小さいか、又は高々それと同等である場合、レリーフ構造の最も高い表面レベル、又はラベルの外表面のレベルは、それぞれ、デバイス本体の外表面のレベルを超えないであろう。それ故、凹部に置かれた情報は、薬物送達デバイスの使用中又は保存中、引掻きを受け、又は損傷を受けることから保護され、そして、特に、ラベルは引き剥がしから保護される。更にその上、薬物送達デバイスの平面上での摺動、滑り、回転が、ラベル又は印刷された若しくは成形された情報の表面に引掻き、又は損傷を与えることもなく、情報を判読不能とさせるかも知れない摩耗又は引掻きを発生させることもない。
【0011】
薬物送達デバイスの本体の実施態様において、操作ボタンを備えた一端で提供される延長形のペン型デバイスが対象となり、そして、凹部は、操作ボタンが設置される本体端部の近くに位置する。
【0012】
別の実施態様において、凹部は、印刷された若しくは成形された情報又はラベルを保護する光学的に透明なカバーを備えている。カバーは、例えば、薄いフォイルであってもよい。 カバーは、好ましくは、本質的に引掻き抵抗性のある透明な材料で形成され、そして透明なプラスチック又はガラスであってもよい。カバーは、完全には平坦ではない表面上で、特に粗面の表面上で、薬物送達デバイスを滑動させ、又はこすることによる損傷から守り、又は少なくとも減少させる。
【0013】
別の実施態様において、本体は、組立てられた薬物送達デバイス、特に、注射用ペンの一部である。
【0014】
本明細書で使用する用語「薬物」は、多くとも1500Daの分子量を有する少なくとも1つの薬学的に活性な化合物、又は、薬学的に活性なペプチド、蛋白質、DNA、RNA、抗体、酵素、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又はそれらの混合物を含む医薬製剤を意味し、好ましくは、少なくとも1つのペプチドを含み、更に、好ましくは、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症の治療用のぺプチドであり、特に好ましくは、ヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0015】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;位置B28におけるプロリンが、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで置き換えられ、そして、位置B29において、Lysが、Proで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0016】
ヒトインスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0017】
エキセンジン−4は、例えばエキセンジン−4(1−39)、配列H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2のペプチドを意味する。
【0018】
エキセンジン−4誘導体は、例えば以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで、基−Lys6−NH
2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
【0019】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体;
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2、
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2、
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2、
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
又は前述のエキセンジン−4誘導体のいずれか1つの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0020】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に表示されているような脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は調節活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0021】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えばアルカリ又はアルカリ土類金属、例えばNa
+、又は、K
+、又は、Ca
2+から選択されるカチオン、又はアンモニウムイオンN
+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されたC1−C6アルキル基;場合により置換されたC2−C6アルケニル基;場合により置換されたC6−C10アリール基、又は場合により置換されたC6−C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark Publishing Company,Easton, Pa., U.S.A., 1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0022】
薬学的に許容可能な溶媒和物は、例えば、水和物である。