(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
−シリンダ−ピストン・ユニット(10)の端面(12)が開口部(29)周りに係合するプレス・イン区域(60)、及びプレス・イン区域(60)を囲むプレス・オン区域(80)を有し、
−プレス・イン区域(60)が、開口部(29)の境界を定める内側ウェブ(62)、及び外側ウェブ(63)を含んでなり、
−内側ウェブ(62)を囲み、シリンダ−ピストン・ユニット(10)の中心軸(15)に沿って測定した、その深さが、それに垂直な方向を向いた平面におけるその幅の少なくとも四分の一である、凹部(71)の境界を、ウェブ(62、63)が定め、
−プレス・オン区域(80)が、少なくとも注射中、プレス・イン区域(60)の端面(61)に対して、注射方向(2)と反対方向にオフセットされ、
−中心軸(15)に垂直な平面に投影されたプレス・オン区域(80)の表面(81)の面積が、同じ平面に投影されたプレス・イン区域(60)の表面(61)の面積より大きい、
シリンダ内部(31)を端面開口部(29)と連結する、少なくとも1つの流路(25)を有する、使い捨て注射器のシリンダ−ピストン・ユニット(10)であって、
凹部(71)は、接着剤(72)を備え、凹部(71)の母線に沿った断面が常に一定の形状であり、そしてウェブ(62、63)が、1つの平面内に位置する、又は、頂角が165度と180度の間である、円錐表面を取り囲む、エッジ(64、65)を有するこ
とを特徴とする、シリンダ−ピストン・ユニット。
プレス・オン区域(80)が、シリンダ−ピストン・ユニット(10)の中心軸(15)に垂直な平面内に位置する表面を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ−ピストン・ユニット(10)。
シリンダ−ピストン・ユニット(10)のシリンダー(20)が、内側シリンダー(36)と、内側シリンダー(36)を囲む外側シリンダー(37)を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ−ピストン・ユニット(10)。
内側シリンダー(36)が、バネ(33)によって与えられた負荷のもと、注射方向(2)において、外側シリンダー(37)に対して可動であることを特徴とする、請求項6に記載のシリンダ−ピストン・ユニット(10)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1から4は、注射器の、例えば、使い捨て注射器の、シリンダ−ピストン・ユニット10を示す。かかるシリンダ−ピストン・ユニット10は、例えば、活性物質を保管するため、及び、投薬するため、無針注射器、又は、一体化注射針を備えた注射器に挿入される。
【0009】
シリンダ−ピストン・ユニット10は、シリンダ20とピストン50を含む。シリンダ−ピストン・ユニット10が、注射器内に入れられると、シリンダ20とピストン50は、変位スペース30内で、皮下、皮内、若しくは、筋肉内投与用の製剤3、又は液体支持材料、例えば蒸留水若しくは生理食塩水を取り囲む。
【0010】
シリンダ−ピストン・ユニット10は、例えば、一度だけ用いられるように意図されている。それは、例えば、0.1から2mlの薬剤量を投与するために使用される。適切な場合には、3mlの薬剤量を投与することもできる。
【0011】
シリンダ20は、標準的な使い捨て注射器の注射筒の形状に似ている。例えば、それは、5.6mmの内部直径、16.6mmの外径を有する。前端部21では、流路25はシリンダ内部31を外界(environment)1と連結する。この流路25は、例えば、0.2mmの直径を有する、ノズルの様な排出エレメント26を含む。
【0012】
流れの方向性をより良くするために、流出漏斗35は、シリンダ基部34とノズル孔26との間では、直線的に先細になっていない。例えば、流出漏斗35とノズル孔26との間の移行部は連続である。その直径が、例えば、0.1と0.5mmの間であるノズル孔26は、その直径の2から4倍の長さである。
【0013】
適切な場合には、シリンダ20は、中心線15を中心とした、又は、中央流路25を中心とした、共通部分円上に、配置された数個の流路25を有することができる。
【0014】
例示の実施態様において、シリンダ20は、例えば、ポット形状であり、少なくとも、いくつかの区域において、多層壁22を有する。シリンダ内部31に隣接し、同様に、流路25の周りにも係合する、内壁層23は、例えば、非晶質の、透明熱可塑性の、例えば、シクロオレフィン、及び、エチレン、又は、αオレフィン(COC)ベースの、1つ、又は、それ以上のコポリマーで作られ、1.5mmの壁厚みを有する。スリーブ形状の外壁層24は、例えば、2成分射出成形によって、この内壁層23上に、一体的に成形される。この外壁層24は、例えば、ポリカーボネート(PC)で作られ、例示の実施態様において、4mmの壁厚みを有する。
【0015】
シリンダ壁22は、1つの層として形成することもでき、この場合には、それは、例えば、COCで作られる。一層、又は、多層の構成において、補強材を、例えば、壁22に組み込まれた金網を、有することもできる。
【0016】
変位スペース30の方向に向いたその端面上に、ピストン50は、円周方向の、スカート状のシール・リップ(sealing lip)52を有する。このシール・リップ52は、シリンダの内壁27に対して、プレテンションによって押し付ける。ピストンのストロークの間に増える反作用力により、シリンダの内壁27上の、このシール・リップ52の押し付ける力は増える。ピストン50は、例えば、Teflon(登録商標)で作られる
【0017】
ピストン・ロッド56は、ピストン50上に固定される。例示の実施態様において、このピストン・ロッド56は、5mmの直径を有し、COCで作られている。
【0018】
流路25から離れる方向を向いたその端部では、シリンダ20は、段差のある状の断面拡幅部分28を有する。二部材滅菌クロージャ16、18が、この断面拡幅部分28に着座する。第1の、U形状プロファイル部材16が、シリンダの内壁27上とピストン・ロッド56上にもたれる。シール・リング(sealing ring)18は、U形状の開口部17内にウェブ19によって着座する。このウェブ19が、U形状プロファイル部材16を、前記の二構造部材27、56に押し付ける。
【0019】
駆動部への連結のため、シリンダ−ピストン・ユニット10は、例えばねじ山11、バヨネット取り付け具、受け入れスリット等を有す。
【0020】
シリンダ−ピストン・ユニット10の端面12は、プレス・イン区域60と、及び、プレス・イン区域を取り囲んでいる、プレス・オン区域80とに分割される。プレス・イン区域60は、流路25の開口部29を縁取っている。それの端面61は、例示の実施態様において、シリンダ−ピストン・ユニット10の注射方向2に、プレス・オン区域80の端面81よりも1.5mmだけ、突き出ている。このオフセットは、開口部29の直径の7.5倍に相当する。オフセットをより小さく、例えば、開口部の直径の5倍に、作ることも考えられる。
【0021】
プレス・イン区域60は、例えば2mmの外径を有する。それは、注射方向2に尖っており、互いに同軸方向に配置される、2つのウェブ62、63を有する。例えば
図2及び9を参照のこと。双方のウェブ62、63は、例えば、この方向に尖ったエッジ64、65を有する。例示の実施態様において、これらのエッジ64、65は、その頂角が175度である、仮想円錐の表面を取り囲む(enclose)。円錐表面の頂角は、円錐先端がシリンダ−ピストン・ユニット10の外にあって、165度と180度の間にあり得る。2つのウェブのエッジ64、65は、共通平面を取り囲むことも考えられる。この場合、この平面は、例えばシリンダ−ピストン・ユニット10の中心軸15に対して垂直にある。
【0022】
内側ウェブ62は、開口部29の周りで係合する。それの内側面66は、流路25の壁の一部を形成する。
【0023】
凹状の外側面67は、エッジ64の内側面66と、12度の角度を取り囲む。
【0024】
例示の実施態様において、外側ウェブ63は、2つの凹状の側面68、69によって、境界が定められる。エッジ65において、囲まれる角度は、例えば36度の寸法を取る。
【0025】
エッジ64、65において、ウェブ側面66、67;68、69によって取り囲まれる角度は45度までの寸法を取ることが可能である。適切な場合には、個々のウェブ62、63は、尖ったエッジ64、65の代わりに、例えば0.1mmの幅を有する環状表面を有することができる。この場合、環状表面に隣接するウェブ側面66、67;68、69の正接する面は、前記角度を取り囲む。ウェブ・エッジ64、65の1つ又は双方は、半トーラス体(torus)として設計することもできる。
【0026】
2つのウェブ62、63は、円周溝71の境界を定める。例示の実施態様において、この凹部71は、一定の、半円形の断面を有する。凹部71の深さは、例えば0.55mmの寸法を取る。例えば、断面積は0.48mm
2、即ち例えばシリンダ−ピストン・ユニット10の中心軸15に垂直な平面に投影されたプレス・イン区域60の端面の15%である。凹部71の断面は、半卵形、半楕円、V形状、矩形などであってもよい。非対称の断面も考えられる。
【0027】
中心軸15に沿って測られた、凹部71の深さは、中心軸15に垂直の面内の、半径方向4における、それの長さの1/4と3/4の間である。それは、例えば、凹部71の対称線である、凹部71の母線に沿って変化することができる。
【0028】
ここで、プレス・オン区域80は、平らな表面81を含む。後者は、シリンダ−ピストン・ユニット10の中心軸15に垂直な平面内にある。この表面は、例えば、中心軸15に垂直な平面に投影されたプレス・イン区域60の端面61の66倍の大きさである。2つの表面の比はより小さくてもよい。しかし、中心軸15に垂直な平面に投影されたプレス・オン区域80の端面81は、この平面に投影されたプレス・イン区域60の面61より大きい。
【0029】
図1において、摺動スリーブ13が、シリンダ−ピストン・ユニット10の全周に配置される。クロージャキャップ40がこの摺動スリーブ13上に座る。このクロージャキャップ40は、例えば、弾性的に変形可能な保持リング41と、そのリング内に張られた(tensioned)膜42から成る。膜42は、例えば、シリンダ−ピストン・ユニット10の外側エッジ上とウェブ62、63の双方の上に弾性的に張られている。この3ヶ所の線接触により、プレス・イン区域60とプレス・オン区域80の無菌性を確にする。さらにその上、例えば、注射器が使用される前に空気がチャンバーから押し出されるならば、膜42は、圧力安全弁として作用する。
【0030】
注射器を、例えば、使い捨て注射器を使用するために、注射液が導入され、変位スペース30内から空気が除かれた後、クロージャキャップ40は取り外される。その次に、注射器は、シリンダ−ピストン・ユニット10の外側端面12によって、患者の皮膚6上に置かれる;
図4参照。ウェブ62、63が最初に皮膚6に接触する。それらは、外側の、より堅い皮膚層7を中へと押し、それを弾性的に変形する。同時に、より緩やかな、深部の皮膚層8と、該皮膚層の下の脂肪組織9が変形する。プレス・オン−区域80が、プレス・イン区域60の外側の皮膚6上を押し付ける。この様に、皮膚は固定されるので、プレス・イン区域60によって生じた変形が、表面に平行な向きである皮膚6に引張応力をもたらす。
【0031】
変形の間は、内側ウェブ62で囲まれた区域91内の皮膚6は伸ばされる。より堅い皮膚組織7は、張力を受けている。2つのウェブ62、63で囲まれた区域92内では、皮膚は内部に押し込まれない。皮膚は、凹部71において、例えば、Oリングのように、ぴったりと係合する。このように、それは、内側ウェブ62によって囲まれる区域を封じ込めるので、注射液は皮膚表面に沿って漏れ出ることはない。このようにして、「ウェト・ショット」は効果的に防止される。同時に、皮膚6の負荷のかかった、及び、負荷のかかってない区域91、92は注射器が滑るのを防止する。
【0032】
凹部71に、ばんそうこう、又は、経皮治療システム(TTS)におけるような、接着剤72が注入されるなら、なおさら効果的である。この目的のために、ノズル孔26の開口部29のすぐ周辺の皮膚6は、注射噴流の方向と逆方向の強い粘着力により固定される。このことは、「ウェト・ショット」発生の危険性なしに、注射噴流をかなり減速できることを意味する。このように、エネルギーの蓄積を減らすことができ、圧力、又は、力により負荷のかかる、すべての部材の大きさをよ
り小さくすることができる。
【0033】
使用される接着剤72は、例えば、ポリビニルエーテル、合成ゴム、クロロブタジエンエラストマーなどである。多成分接着剤も使用することができる。凝結(setting)は、溶剤の蒸発後、部分的結晶化によって起きる。接着剤の弾性率は、例えば、シリンダ−ピストン・ユニット10の端面12の弾性率に対応する。接着剤72は、ばんそうこう、例えば、Collemplastrum adhesive DAB(German Pharmacopeia)6に使用することができる、接着剤72であってもよい。脂肪分の多い、又は、汗まみれの皮膚上への使用のためには、例えば、より強く接着するシリコン接着剤も使用することができる。
【0034】
注射器が始動された後、シリンダ−ピストン・ユニット10のピストン50は、開口部29の方向に前に押される。皮下注射においては、それによって、変位スペース30内から置換された注射液は、より堅い上部皮膚層7と深部の皮膚層8をへて、皮下脂肪組織9に置換する。張力のかかっている、より堅い皮膚層7は、極く僅かの抵抗を示すだけである。それゆえ、注射は、張力のかかっていない皮膚の場合よりも、より低い圧力が必要となるだけである。注射の間に形成される皮膚層チャネル93は、無事に閉じ、このようにして、注射液の返流(return flow)を防止する。このように、患者の技術関連の投薬不足は防ぐことができる。
【0035】
図5は、シリンダ−ピストン・ユニット10の端面12の図を示す。環状ウェブ62、63は、例えば、6角形の形状に配置されている。この図において、環状ウェブ62、63の間に配置された凹部71は、六角形リング(hexagonal ring)の形状を有す。凹部71の断面は、例えば、
図1から4に示す凹部71の断面に相当する。ウェブ62、63は、三角形、正方形、又は、多角形の形状であってもよい。ウェブ62、63の双方が、異なって設計されることも考えられる。
【0036】
図6と7は、断面図と注射方向2と反対から見た図における、別のシリンダ−ピストン・ユニット10を示す。これらの図面に示されたシリンダ20は、例えば、一成分材料から製造される。シリンダ−ピストン・ユニット10は、例えば、シリンダ内部31を外界1と連結する、4つの流路25を有す。これらの流路25は、共通の部分円32上に位置する。例示の実施態様において、全ての流路25の断面は同一である。しかし、個々の流路25は、異なった断面を有することもできる。
【0037】
各流路25は、プレス・イン区域60によって囲まれた開口部29を有す。個々のプレス・イン区域60は、
図1から4に関連して記述されたように、設計される。例えば、個々のプレス・イン区域60の外側ウェブ63は互いに接している。全てのプレス・イン区域60によって囲まれた中央区域82は、プレス・イン区域60を囲むプレス・オン区域80と共に、平面内に位置する。この例示の実施態様において、中心軸15に垂直に配置されたプレス・オン区域80の表面81は、中心軸15に垂直な平面に投影された、プレス・イン区域60の全ての端面61の合計の2倍である。プレス・オン区域80の端面81の投影は、それゆえ、全てのプレス・イン区域60の端面61の投影の合計よりも大きい。
【0038】
それの2つの端部53、54にて、シリンダ−ピストン・ユニット10のピストン50は、突き出ている、予め張力をかけられたシール・カフ(sealing cuff)52、55を有す。これらは、ピストン50が動くと、シリンダの内壁27に対して押し付けられる。例えば、変位スペース30の方向に向かったピストンの端面57は、平らな表面として設計される。
【0039】
示された4つの流路25の代わりに、2つ、3つ、5つ、またはそれ以上の流路を有する実施態様も考えられる。流路25の1つは、かかる実施態様において、中心に配置することができる。
【0040】
かかるシリンダ−ピストン・ユニット10を有する注射器が適用される時、患者の皮膚は、第1の、例示の実施態様に関連して記述されたように個々のプレス・イン区域60の区域内で、変形される。皮膚は、溝形状の凹部71に係合しているので、個々の開口部29を囲む区域は密閉される。
【0041】
プレス・オン区域80は上部皮膚層7の滑りを防止するので、注射のためのプレス・イン区域60によって、後者は張力を受ける。この例示の実施態様においても、全体積が、いくつかの部分的な体積へと分配されるので、気泡の形成が避けられる効果と共に、低圧で、安全な注射がこのように可能である。
【0042】
図8は、
図1から4に示されたシリンダ−ピストン・ユニット10の主要な次元に一致する、主要な次元を持つシリンダ−ピストン・ユニット10を示す。プレス・イン区域60の設計も、そこに記述された設計に一致する。
【0043】
プレス・オン区域80は、円周溝83を有する。後者は、圧迫部(depressor)84によって、半径方向4内で、範囲を定められる。圧迫部84の端面85の大きさは、シリンダ−ピストン・ユニット10の中心軸15に垂直な平面に投影されたプレス・イン区域60の端面61の10倍に相当する。
【0044】
例えば、その側面86が圧迫部84に隣接している、ほぼV形状の溝83の側面86は、例えば、圧迫部84の端面85に垂直な方向を向いている。例示の実施態様において、溝83の深さは、プレス・イン区域60の直径に一致している。
【0045】
溝の基部87に隣接する内側の側面88は、へこんでいて、端面81の方向に、凸状に曲がった表面と一体となっている。
【0046】
シリンダ−ピストン・ユニット10が、皮膚6上に置かれた時、後者は、第1の、例示の実施態様に関連して記述された様に、プレス・イン区域60によって負荷がかかった部分91内で、引っ張られる。注射方向2と反対方向にオフセットされたプレス・オン区域80において、圧迫部84は、皮膚が滑るのを防止する。溝83の区域において、皮膚6は溝83の輪郭に寄り添い、この様にして、内
側ウェブ62によって範囲を定められた区域の第2のシールを、例えば、ピッタリとあったシールを、形成するので、注射液は、皮膚層チャネル93内部へと送り込まれる。同時に、溝83の区域内の、負荷があまりかかっていない皮膚6は、注射器の滑りを防止する。
【0047】
注射の間、それゆえ、注射液は、皮下脂肪組織9内に、安全に入っていくことができる。
【0048】
図10と11は、別のシリンダ−ピストン・ユニット10を示す。シリンダ20は、二部材にて設計され、内側部材36と、それと同軸となっている、外側部材37を有する。内側部材36は、軸方向5に、外側部材37に対して可動である。バネ33、例えば、圧縮バネは、内側部材36の支持表面38と外側シリンダ部材37の軸受面39の間に配置されている。内側シリンダ36の環状溝76内にはめられたOリング77が、内側シリンダ36と外側シリンダ37との間の隙間78を通ってくる細菌の侵入を防止し、この様にして、無菌状態でプレス・オン区域80を密封する。
【0049】
図10は、患者の皮膚上に置かれた時の、シリンダ−ピストン・ユニット10を示す。外側シリンダ37のプレス・オン区域80は皮膚6上にのしかっている。内側シリンダ36のプレス・イン区域60は、少し皮膚6内側へ押されている。この図において、注射方向2において、プレス・オン区域80に対して、それは、例えば、0.5mmのオフセットされている。しかし、プレス・イン区域60は、注射以前に、注射方向と反対方向に、プレス・オン区域80に対してオフセットすることができる。圧縮バネ33には、負荷がかかっていない。例えば、この状態では、注射器の始動をすることはできない。
【0050】
注射器がさらにずっと押し付けられた時、内側シリンダ36は、注射方向2において、外側シリンダ37に対して動かされる;
図11参照。バネ33は圧縮される。このように、プレス・オン区域80上の圧力は増す。同時に、ストロークが増えるにつれて、プレス・イン区域60は、皮膚6を引っ張る。
図11の図において、プレス・イン区域60は、注射方向2において、プレス・オン区域80に対して、例えば、1.5mmのオフセットされている。ここで、注射は解放され、開始される。皮膚層7、8を通って皮膚層チャネル93が形成され、注射液が脂肪組織9内に注射される。
【0051】
記述された、例示の実施態様の組合せも考えられる。