【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、上記課題を解決するために、ヒト相補性決定領域(CDR)ライブラリーからファージライブラリー法を用いて完全ヒト抗体を作製し、これらの抗体が結合するヒトCD81の領域を評価し、ある領域に結合する抗体であれば、優れた薬効を示すと共に、ヒトにおける安全性の高い抗体となることを見出して、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明はヒトCD81に対するヒトモノクローナル抗体を提供する。また、本発明者らは抗CD81抗体がT細胞の遊走を抑制するとの新たな知見も得たことから、本発明の抗体は、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患だけでなく、多発性硬化症、乾癬等のT細胞遊走が関連する疾患の予防、改善又は治療にも有用であることを見出した。さらに、本発明の抗体は、単にCD81を発現しているがん細胞に結合し得るだけでなく、補体依存性細胞障害活性(CDC)により、結合したがん細胞に対して殺細胞効果を示すことから、血液がんをはじめとするCD81を発現しているがん細胞によるがんの予防、改善又は治療にも有用であることを見出した。
【0016】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[項1]
ヒトCD81に対する抗体であって、配列番号:22に記載のアミノ酸配列中80番目のアミノ酸から175番目のアミノ酸領域に結合する抗体。
[項2]
結合するアミノ酸領域が113番目のアミノ酸から175番目のアミノ酸領域である項1に記載の抗体。
[項3]
下記(1)〜(13)のいずれかに記載のヒトCD81変異体に対する結合親和性が、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に対する結合親和性を100%として、40%未満である項1または項2に記載の抗体。
(1)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の127番目のチロシンをフェニルアラニンまたはトリプトファンに置換したCD81変異体
(2)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の130番目のアラニンをスレオニンまたはバリンに置換したCD81変異体
(3)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の135番目のバリンをアラニンまたはロイシンに置換したCD81変異体
(4)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の137番目のアスパラギン酸をアラニンまたはグルタミン酸に置換したCD81変異体
(5)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の143番目のアラニンをスレオニンまたはバリンに置換したCD81変異体
(6)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の151番目のヒスチジンをアラニンまたはアルギニンに置換したCD81変異体
(7)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の154番目のロイシンをアラニンまたはイソロイシンに置換したCD81変異体
(8)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の158番目のグリシンをアラニンまたはセリンに置換したCD81変異体
(9)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の164番目のアラニンをスレオニンまたはバリンに置換したCD81変異体
(10)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の168番目のセリンをアラニンまたはスレオニンに置換したCD81変異体
(11)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の169番目のバリンをアラニンまたはロイシンに置換したCD81変異体
(12)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の170番目のロイシンをアラニンまたはイソロイシンに置換したCD81変異体
(13)配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81の172番目のアスパラギンをアラニンまたはグルタミンに置換したCD81変異体。
[項4]
前記(9)及び(11)に記載のヒトCD81変異体に対する結合親和性が、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に対する結合親和性を100%として、40%未満である項1〜3のいずれか1項に記載の抗体。
[項5]
項1〜4のいずれか1項に記載の抗体と同等の結合特性を有するか、もしくは、項1〜4のいずれか1項に記載の抗体と競合的に、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に結合する、抗体。
[項6]
項1〜4のいずれか1項に記載の抗体と競合的に、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に結合し、かつT細胞遊走抑制作用を有する抗体。
[項7]
下記群1〜24のうち、いずれか1つの群に記載の6種のCDRをすべて含む、ヒトCD81に対する抗体。
群1
(a−1)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−1)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−1)配列番号:3で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−1)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−1)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−1)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群2
(a−2)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−2)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−2)配列番号:37で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−2)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−2)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−2)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群3
(a−3)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−3)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−3)配列番号:40で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−3)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−3)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−3)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群4
(a−4)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−4)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−4)配列番号:43で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−4)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−4)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−4)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群5
(a−5)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−5)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−5)配列番号:46で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−5)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−5)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−5)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群6
(a−6)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−6)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−6)配列番号:49で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−6)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−6)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−6)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群7
(a−7)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−7)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−7)配列番号:52で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−7)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−7)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−7)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群8
(a−8)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−8)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−8)配列番号:43で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−8)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−8)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−8)配列番号:55で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群9
(a−9)配列番号:60で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−9)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−9)配列番号:3で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−9)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−9)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−9)配列番号:61で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群10
(a−10)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−10)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−10)配列番号:66で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−10)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−10)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−10)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群11
(a−11)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−11)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−11)配列番号:3で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−11)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−11)配列番号:69で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−11)配列番号:70で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群12
(a−12)配列番号:60で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−12)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−12)配列番号:66で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−12)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−12)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−12)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群13
(a−13)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−13)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−13)配列番号:3で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−13)配列番号:77で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−13)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−13)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群14
(a−14)配列番号:80で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−14)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−14)配列番号:3で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−14)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−14)配列番号:81で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−14)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群15
(a−15)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−15)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−15)配列番号:66で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−15)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−15)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−15)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群16
(a−16)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−16)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−16)配列番号:90で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−16)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−16)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−16)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群17
(a−17)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−17)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−17)配列番号:52で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−17)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−17)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−17)配列番号:93で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群18
(a−18)配列番号:98で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−18)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−18)配列番号:3で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−18)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−18)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−18)配列番号:99で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群19
(a−19)配列番号:60で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−19)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−19)配列番号:3で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−19)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−19)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−19)配列番号:99で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群20
(a−20)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−20)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−20)配列番号:90で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−20)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−20)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−20)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群21
(a−21)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−21)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−21)配列番号:3で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−21)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−21)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−21)配列番号:55で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群22
(a−22)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−22)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−22)配列番号:66で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−22)配列番号:110で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−22)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−22)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群23
(a−23)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−23)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−23)配列番号:3で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−23)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−23)配列番号:5で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−23)配列番号:115で示されるアミノ酸配列を含むCDR
群24
(a−24)配列番号:1で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−24)配列番号:2で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−24)配列番号:90で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−24)配列番号:4で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−24)配列番号:120で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−24)配列番号:6で示されるアミノ酸配列を含むCDR。
[項8]
下記群25〜48のうち、いずれか1つの群に記載の軽鎖可変領域及び重鎖可変領域の組み合わせを含む項7に記載の抗体。
群25
(g−1)前記(a−1)〜(c−1)を含む軽鎖可変領域及び
(h−1)前記(d−1)〜(f−1)を含む重鎖可変領域
群26
(g−2)前記(a−2)〜(c−2)を含む軽鎖可変領域及び
(h−2)前記(d−2)〜(f−2)を含む重鎖可変領域
群27
(g−3)前記(a−3)〜(c−3)を含む軽鎖可変領域及び
(h−3)前記(d−3)〜(f−3)を含む重鎖可変領域
群28
(g−4)前記(a−4)〜(c−4)を含む軽鎖可変領域及び
(h−4)前記(d−4)〜(f−4)を含む重鎖可変領域
群29
(g−5)前記(a−5)〜(c−5)を含む軽鎖可変領域及び
(h−5)前記(d−5)〜(f−5)を含む重鎖可変領域
群30
(g−6)前記(a−6)〜(c−6)を含む軽鎖可変領域及び
(h−6)前記(d−6)〜(f−6)を含む重鎖可変領域
群31
(g−7)前記(a−7)〜(c−7)を含む軽鎖可変領域及び
(h−7)前記(d−7)〜(f−7)を含む重鎖可変領域
群32
(g−8)前記(a−8)〜(c−8)を含む軽鎖可変領域及び
(h−8)前記(d−8)〜(f−8)を含む重鎖可変領域
群33
(g−9)前記(a−9)〜(c−9)を含む軽鎖可変領域及び
(h−9)前記(d−9)〜(f−9)を含む重鎖可変領域
群34
(g−10)前記(a−10)〜(c−10)を含む軽鎖可変領域及び
(h−10)前記(d−10)〜(f−10)を含む重鎖可変領域
群35
(g−11)前記(a−11)〜(c−11)を含む軽鎖可変領域及び
(h−11)前記(d−11)〜(f−11)を含む重鎖可変領域
群36
(g−12)前記(a−12)〜(c−12)を含む軽鎖可変領域及び
(h−12)前記(d−12)〜(f−12)を含む重鎖可変領域
群37
(g−13)前記(a−13)〜(c−13)を含む軽鎖可変領域及び
(h−13)前記(d−13)〜(f−13)を含む重鎖可変領域
群38
(g−14)前記(a−14)〜(c−14)を含む軽鎖可変領域及び
(h−14)前記(d−14)〜(f−14)を含む重鎖可変領域
群39
(g−15)前記(a−15)〜(c−15)を含む軽鎖可変領域及び
(h−15)前記(d−15)〜(f−15)を含む重鎖可変領域
群40
(g−16)前記(a−16)〜(c−16)を含む軽鎖可変領域及び
(h−16)前記(d−16)〜(f−16)を含む重鎖可変領域
群41
(g−17)前記(a−17)〜(c−17)を含む軽鎖可変領域及び
(h−17)前記(d−17)〜(f−17)を含む重鎖可変領域
群42
(g−18)前記(a−18)〜(c−18)を含む軽鎖可変領域及び
(h−18)前記(d−18)〜(f−18)を含む重鎖可変領域
群43
(g−19)前記(a−19)〜(c−19)を含む軽鎖可変領域及び
(h−19)前記(d−19)〜(f−19)を含む重鎖可変領域
群44
(g−20)前記(a−20)〜(c−20)を含む軽鎖可変領域及び
(h−20)前記(d−20)〜(f−20)を含む重鎖可変領域
群45
(g−21)前記(a−21)〜(c−21)を含む軽鎖可変領域及び
(h−21)前記(d−21)〜(f−21)を含む重鎖可変領域
群46
(g−22)前記(a−22)〜(c−22)を含む軽鎖可変領域及び
(h−22)前記(d−22)〜(f−22)を含む重鎖可変領域
群47
(g−23)前記(a−23)〜(c−23)を含む軽鎖可変領域及び
(h−23)前記(d−23)〜(f−23)を含む重鎖可変領域
群48
(g−24)前記(a−24)〜(c−24)を含む軽鎖可変領域及び
(h−24)前記(d−24)〜(f−24)を含む重鎖可変領域。
[項9]
下記群49〜72のうち、いずれか1つの群に記載の軽鎖可変領域及び重鎖可変領域の組み合わせを含む項8に記載の抗体。
群49
(i−1)配列番号:8に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−1)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群50
(i−2)配列番号:38に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−2)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群51
(i−3)配列番号:41に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−3)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群52
(i−4)配列番号:44に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−4)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群53
(i−5)配列番号:47に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−5)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群54
(i−6)配列番号:50に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−6)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群55
(i−7)配列番号:53に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−7)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群56
(i−8)配列番号:56に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−8)配列番号:57に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群57
(i−9)配列番号:62に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−9)配列番号:63に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群58
(i−10)配列番号:67に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−10)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群59
(i−11)配列番号:71に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−11)配列番号:72に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群60
(i−12)配列番号:75に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−12)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群61
(i−13)配列番号:8に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−13)配列番号:78に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群62
(i−14)配列番号:82に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−14)配列番号:83に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群63
(i−15)配列番号:86に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−15)配列番号:87に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群64
(i−16)配列番号:91に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−16)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群65
(i−17)配列番号:94に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−17)配列番号:95に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群66
(i−18)配列番号:100に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−18)配列番号:101に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群67
(i−19)配列番号:104に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−19)配列番号:101に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群68
(i−20)配列番号:106に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−20)配列番号:10に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群69
(i−21)配列番号:108に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−21)配列番号:57に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群70
(i−22)配列番号:111に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−22)配列番号:112に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群71
(i−23)配列番号:116に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−23)配列番号:117に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
群72
(i−24)配列番号:121に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−24)配列番号:122に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域。
[項10]
下記群73〜96のうち、いずれか1つの群に記載の軽鎖及び重鎖の組み合わせを含む項8または項9に記載の抗体。
群73
(k−1)配列番号:26に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−1)配列番号:28に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群74
(k−2)配列番号:39に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−2)配列番号:28に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群75
(k−3)配列番号:42に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−3)配列番号:28に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群76
(k−4)配列番号:45に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−4)配列番号:28に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群77
(k−5)配列番号:48に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−5)配列番号:28に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群78
(k−6)配列番号:51に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−6)配列番号:28に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群79
(k−7)配列番号:54に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−7)配列番号:28に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群80
(k−8)配列番号:58に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−8)配列番号:59に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群81
(k−9)配列番号:64に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−9)配列番号:65に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群82
(k−10)配列番号:68に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−10)配列番号:28に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群83
(k−11)配列番号:73に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−11)配列番号:74に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群84
(k−12)配列番号:76に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−12)配列番号:28に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群85
(k−13)配列番号:26に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−13)配列番号:79に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群86
(k−14)配列番号:84に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−14)配列番号:85に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群87
(k−15)配列番号:88に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−15)配列番号:89に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群88
(k−16)配列番号:92に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−16)配列番号:28に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群89
(k−17)配列番号:96に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−17)配列番号:97に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群90
(k−18)配列番号:102に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−18)配列番号:103に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群91
(k−19)配列番号:105に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−19)配列番号:103に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群92
(k−20)配列番号:107に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−20)配列番号:28に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群93
(k−21)配列番号:109に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−21)配列番号:59に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群94
(k−22)配列番号:113に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−22)配列番号:114に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群95
(k−23)配列番号:118に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−23)配列番号:119に示されるアミノ酸配列を含む重鎖
群96
(k−24)配列番号:123に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−24)配列番号:124に示されるアミノ酸配列を含む重鎖。
[項11]
項7〜10のいずれか1項に記載の抗体と競合的に、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に結合する、抗体。
[項12]
項11に記載の抗体であって、T細胞遊走抑制作用を有する抗体。
[項13]
項7に記載の群1〜群24のいずれか1つの群に記載の6種から選択される少なくとも1つのCDRを含む抗体であって、当該群の6種のCDRをすべて含むヒトCD81に対する抗体と競合的に、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に結合する、ヒトCD81に対する抗体。
[項14]
項7に記載のいずれか1つの抗体と90%以上の相同性を持ち、当該抗体と競合的に、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に結合する、ヒトCD81に対する抗体。
[項15]
下記CDRを含むヒトCD81に対する抗体。
(a−25)配列番号:11で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(b−25)配列番号:12で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(c−25)配列番号:13で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(d−25)配列番号:14で示されるアミノ酸配列を含むCDR、
(e−25)配列番号:15で示されるアミノ酸配列を含むCDR、及び
(f−25)配列番号:16で示されるアミノ酸配列を含むCDR。
[項16]
下記可変領域を含む項15に記載の抗体。
(g−25)前記(a−25)〜(c−25)を含む軽鎖可変領域及び
(h−25)前記(d−25)〜(f−25)を含む重鎖可変領域。
[項17]
下記可変領域を含む項16に記載の抗体。
(i−25)配列番号:18に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び
(j−25)配列番号:20に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域。
[項18]
下記軽鎖及び重鎖を含む項16または項17に記載の抗体。
(k−25)配列番号:30に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖及び
(l−25)配列番号:32に示されるアミノ酸配列を含む重鎖。
[項19]
項15〜18のいずれか1項に記載の抗体と競合的に、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に結合する、抗体。
[項20]
項19に記載の抗体であって、T細胞遊走抑制作用を有する抗体。
[項21]
項15に記載の少なくとも1つのCDRを含む抗体であって、項15に記載の抗体と競合的に、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に結合する、ヒトCD81に対する抗体。
[項22]
項15に記載の抗体と90%以上の相同性を持ち、当該抗体と競合的に、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に結合する、ヒトCD81に対する抗体。
[項23]
ヒト化抗体もしくはヒト抗体である項1〜6、11〜14及び19〜22のいずれか1項に記載の抗体。
[項24]
ヒト化抗体もしくはヒト抗体である項7〜10及び15〜18のいずれか1項に記載の抗体。
[項25]
項1〜24のいずれか1項に記載の抗体の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチド。
[項26]
項1〜6、11〜14及び19〜23のいずれか1項に記載の抗体の重鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドと、項1〜6、11〜14及び19〜23のいずれか1項に記載の抗体の軽鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドの組み合わせ。
[項27]
項7〜10、15〜18及び24のいずれか1項に記載の抗体の重鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドと、項7〜10、15〜18及び24のいずれか1項に記載の、重鎖可変領域に対応する軽鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドの組み合わせ。
[項28]
項1〜24のいずれか1項に記載の抗体の重鎖及び軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチド。
[項29]
項1〜6、11〜14及び19〜23のいずれか1項に記載の抗体の重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドと、項1〜6、11〜14及び19〜23のいずれか1項に記載の抗体の軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドの組み合わせ。
[項30]
項7〜10、15〜18及び24のいずれか1項に記載の抗体の重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドと、項7〜10、15〜18及び24のいずれか1項に記載の、重鎖に対応する軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドの組み合わせ。
[項31]
項25または28に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
[項32]
項31に記載の発現ベクターにより形質転換した組換え細胞。
[項33]
項1〜6、11〜14及び19〜22のいずれか1項に記載の抗体の重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターと、項1〜6、11〜14及び19〜22のいずれか1項に記載の抗体の軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターにより形質転換した組換え細胞。
[項34]
項7〜10、15〜18及び24のいずれか1項に記載の抗体の重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターと、項7〜10、15〜18及び24のいずれか1項に記載の、重鎖に対応する軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターにより形質転換した組換え細胞。
[項35]
項32〜34のいずれか1項に記載の組換え細胞を培養し、得られた培養上清から抗体を回収することからなる、抗ヒトCD81抗体の製造方法。
[項36]
項1〜24のいずれか1項に記載の抗体を含有する、医薬組成物。
[項37]
項1〜24のいずれか1項に記載の抗体を有効成分とする、炎症性腸疾患、多発性硬化症、乾癬または血液がんの予防、改善または治療剤。
[項38]
前記(3)、(4)、(8)、(11)及び(12)に記載のヒトCD81変異体に対する結合親和性が、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に対する結合親和性を100%として、40%未満である項1〜3のいずれか1項に記載の抗体。
[項39]
前記(3)、(4)、(6)及び(8)〜(13)に記載のヒトCD81変異体に対する結合親和性が、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に対する結合親和性を100%として、40%未満である項1〜3のいずれか1項に記載の抗体。
[項40]
前記(1)〜(5)、(7)、(8)、(11)及び(12)に記載のヒトCD81変異体に対する結合親和性が、配列番号22に記載のアミノ酸配列を有する天然のヒトCD81に対する結合親和性を100%として、40%未満である項1〜3のいずれか1項に記載の抗体。