特許第6029477号(P6029477)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大和製衡株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6029477-重量選別機 図000002
  • 特許6029477-重量選別機 図000003
  • 特許6029477-重量選別機 図000004
  • 特許6029477-重量選別機 図000005
  • 特許6029477-重量選別機 図000006
  • 特許6029477-重量選別機 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029477
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】重量選別機
(51)【国際特許分類】
   G01G 11/00 20060101AFI20161114BHJP
   B07C 5/30 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   G01G11/00 H
   B07C5/30
【請求項の数】10
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-10281(P2013-10281)
(22)【出願日】2013年1月23日
(65)【公開番号】特開2014-142233(P2014-142233A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2016年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】香川 洋一郎
(72)【発明者】
【氏名】孝橋 徹
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−247101(JP,A)
【文献】 特開2006−184107(JP,A)
【文献】 特開2005−144263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00−23/48
B07C 5/00− 5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次供給される被計量物の重量を測定し、それぞれ異なる重量範囲ごとに定められる所定数の重量ランクのうち被計量物の測定重量値が該当する重量ランクに前記被計量物を選別する選別処理を行う重量選別機であって、
各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、所定時間当たりに各々の重量ランクに選別される重量ランク別の被計量物の合計個数または合計重量の予測値を算出するランク別合計予測値算出手段と、
前記ランク別合計予測値算出手段により算出される予測値を表示する表示手段と
を備えた重量選別機。
【請求項2】
各々の重量ランクに対して、被計量物の所望個数または所望重量を設定する所望量設定手段と、
前記各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、前記単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、各々の重量ランクについて、前記所望個数分または前記所望重量分の被計量物を選別するために要する時間の予測値を算出する第1のランク別選別時間算出手段をさらに備え、
前記表示手段は、
前記第1のランク別選別時間算出手段によって算出される時間の予測値をも表示するよう構成された、
請求項1に記載の重量選別機。
【請求項3】
被計量物を搬送し、かつ各々の重量ランクに応じた排出位置が定められ、搬送する被計量物をその被計量物の重量ランクに応じた前記排出位置で排出し、各々の前記排出位置から排出される被計量物が各々の前記排出位置に配置された容器へ収容されるよう構成された搬送排出手段と、
各々の重量ランクに対して、前記容器へ収容されるべき被計量物の収容個数または収容重量を設定する収容量設定手段と、
前記各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、前記単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、各々の重量ランクについて、前記収容個数分または前記収容重量分の被計量物を選別するために要する時間の予測値を算出する第2のランク別選別時間算出手段とをさらに備え、
前記表示手段は、
前記第2のランク別選別時間算出手段によって算出される時間の予測値をも表示するよう構成された、
請求項1または2に記載の重量選別機。
【請求項4】
被計量物を搬送し、かつ各々の重量ランクに応じた排出位置が定められ、搬送する被計量物をその被計量物の重量ランクに応じた前記排出位置で排出し、各々の前記排出位置から排出される被計量物が各々の前記排出位置に配置された容器へ収容されるよう構成された搬送排出手段と、
各々の重量ランクに対して、前記容器へ収容されるべき被計量物の収容個数または収容重量を設定する収容量設定手段と、
前記各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、前記単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、各々の重量ランクについて、前記容器に前記収容個数分または前記収容重量分の被計量物が収容されてなる生産品の所定時間当たりの生産数の予測値を算出するランク別生産数算出手段とをさらに備え、
前記表示手段は、
前記ランク別生産数算出手段によって算出される前記生産品の所定時間当たりの生産数の予測値をも表示するよう構成された、
請求項1または2に記載の重量選別機。
【請求項5】
順次供給される被計量物の重量を測定し、それぞれ異なる重量範囲ごとに定められる所定数の重量ランクのうち被計量物の測定重量値が該当する重量ランクに前記被計量物を選別する選別処理を行う重量選別機であって、
各々の重量ランクに対して、被計量物の所望個数または所望重量を設定する所望量設定手段と、
各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、各々の重量ランクについて、前記所望個数分または前記所望重量分の被計量物を選別するために要する時間の予測値を算出する第1のランク別選別時間算出手段と、
前記第1のランク別選別時間算出手段によって算出される時間の予測値を表示する表示手段と
を備えた重量選別機。
【請求項6】
順次供給される被計量物の重量を測定し、それぞれ異なる重量範囲ごとに定められる所定数の重量ランクのうち被計量物の測定重量値が該当する重量ランクに前記被計量物を選別する選別処理を行う重量選別機であって、
被計量物を搬送し、かつ各々の重量ランクに応じた排出位置が定められ、搬送する被計量物をその被計量物の重量ランクに応じた前記排出位置で排出し、各々の前記排出位置から排出される被計量物が各々の前記排出位置に配置された容器へ収容されるよう構成された搬送排出手段と、
各々の重量ランクに対して、前記容器へ収容されるべき被計量物の収容個数または収容重量を設定する収容量設定手段と、
各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、各々の重量ランクについて、前記収容個数分または前記収容重量分の被計量物を選別するために要する時間の予測値を算出する第2のランク別選別時間算出手段と、
前記第2のランク別選別時間算出手段によって算出される時間の予測値を表示する表示手段と
を備えた重量選別機。
【請求項7】
順次供給される被計量物の重量を測定し、それぞれ異なる重量範囲ごとに定められる所定数の重量ランクのうち被計量物の測定重量値が該当する重量ランクに前記被計量物を選別する選別処理を行う重量選別機であって、
被計量物を搬送し、かつ各々の重量ランクに応じた排出位置が定められ、搬送する被計量物をその被計量物の重量ランクに応じた前記排出位置で排出し、各々の前記排出位置から排出される被計量物が各々の前記排出位置に配置された容器へ収容されるよう構成された搬送排出手段と、
各々の重量ランクに対して、前記容器へ収容されるべき被計量物の収容個数または収容重量を設定する収容量設定手段と、
各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、各々の重量ランクについて、前記容器に前記収容個数分または前記収容重量分の被計量物が収容されてなる生産品の所定時間当たりの生産数の予測値を算出するランク別生産数算出手段と、
前記ランク別生産数算出手段によって算出される前記生産品の所定時間当たりの生産数の予測値を表示する表示手段と
を備えた重量選別機。
【請求項8】
前記単位時間当たりの被計量物の選別個数は、
単位時間当たりの前記選別処理による選別可能な被計量物の最大個数に対する、単位時間当たりに供給される被計量物の個数の割合である供給効率を、前記単位時間当たりの前記選別処理による選別可能な被計量物の最大個数と乗算することにより算出されるよう構成され、
前記供給効率は、予め設定された所定値、または、稼働中において実際に単位時間当たりに供給される被計量物の個数に基づいて算出された算出値からなる、
請求項1〜7のいずれかに記載の重量選別機。
【請求項9】
既存の複数個の被計量物の各々の重量値からなる重量分布データ、または、稼働中に測定される複数個の被計量物の各々の重量値からなる重量分布データに基づいて、前記各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率を算出するランク別個数比率算出手段をさらに備えた、
請求項1〜8のいずれかに記載の重量選別機。
【請求項10】
前記ランク別個数比率算出手段は、
前記重量分布データが正規分布するものとして、前記各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率を算出する正規分布算出モードと、前記重量分布データが正規分布しないものとして、前記各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率を算出する非正規分布算出モードとを有し、
前記ランク別個数比率算出手段に前記正規分布算出モードと前記非正規分布算出モードとのうちのいずれかのモードを設定するモード設定手段をさらに備えた、
請求項9に記載の重量選別機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被計量物をその重量に応じた重量ランクに選別する重量選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
農水産物等の物品からなる被計量物は、例えば、同一種類のものであって、重量が略等しいものを重量ランクが同一のものとして箱詰めし、この箱詰めされた状態で取引されている。このように、被計量物を重量ランク別に箱詰めする際には、振分装置を備えた重量選別機が使用されている。
【0003】
このような重量選別機では、例えば、夫々異なる重量範囲ごとに定められる所定数の重量ランクが予め設定されており、被計量物の重量を順次計量して各計量値に該当する重量ランクを判定することができるものであり、重量ランクが判定された各被計量物は、振分装置によって重量ランク毎に予め定められた位置へ振り分けられて箱などの容器に収容される。
【0004】
また、特許文献1に記載の重量選別機では、複数の被計量物の重量の標準偏差と平均値とを算出し、この標準偏差と平均値とを持つ正規分布に従う複数の模擬重量値を生成し、その模擬重量値に基づいて各重量ランクに選別される被計量物の個数の比率を予測し、それを表示するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−247101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1に記載の重量選別機では、各重量ランクに選別される被計量物の個数の比率(予測値)は報知される。しかしながら、例えば、各重量ランクに選別される単位時間当たりの被計量物の個数等の、重量ランク別の生産性(生産効率)については報知されない。そのため、使用者は、重量ランク別商品の生産計画を立てるのが容易ではない。
【0007】
また、例えば、容器に収容される被計量物の個数等の所定の収容量が予め定められ、容器に所定の収容量の被計量物が収容されると新しい容器との交換を作業員が行う場合において、容器の交換作業がどのような時間間隔で発生するか等については報知されない。そのため、使用者は、作業員の配置等の作業計画を立てることも容易ではない。
【0008】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、重量ランク別商品の生産計画や作業計画を立てる上で、有用な情報を使用者に与えることができる重量選別機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある形態(aspect)に係る重量選別機は、順次供給される被計量物の重量を測定し、それぞれ異なる重量範囲ごとに定められる所定数の重量ランクのうち被計量物の測定重量値が該当する重量ランクに前記被計量物を選別する選別処理を行う重量選別機であって、各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、所定時間当たりに各々の重量ランクに選別される重量ランク別の被計量物の合計個数または合計重量の予測値を算出するランク別合計予測値算出手段と、前記ランク別合計予測値算出手段により算出される予測値を表示する表示手段とを備えている。
【0010】
この構成によれば、所定時間当たりに各々の重量ランクに選別される重量ランク別の被計量物の合計個数または合計重量の予測値を算出して表示するので、使用者に重量ランク別商品の生産計画を立てる上で有用な情報を与えることができ、使用者はその生産計画を立てるのが容易になる。
【0011】
また、各々の重量ランクに対して、被計量物の所望個数または所望重量を設定する所望量設定手段と、前記各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、前記単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、各々の重量ランクについて、前記所望個数分または前記所望重量分の被計量物を選別するために要する時間の予測値を算出する第1のランク別選別時間算出手段をさらに備え、前記表示手段は、前記第1のランク別選別時間算出手段によって算出される時間の予測値をも表示するよう構成されていてもよい。
【0012】
この構成によれば、重量ランクごとに設定される所望個数分または所望重量分の被計量物を選別するために要する時間の予測値を算出して表示するので、使用者に重量ランク別商品の生産計画を立てる上で有用な情報を与えることができ、使用者はその生産計画を立てるのが容易になる。
【0013】
また、被計量物を搬送し、かつ各々の重量ランクに応じた排出位置が定められ、搬送する被計量物をその被計量物の重量ランクに応じた前記排出位置で排出し、各々の前記排出位置から排出される被計量物が各々の前記排出位置に配置された容器へ収容されるよう構成された搬送排出手段と、各々の重量ランクに対して、前記容器へ収容されるべき被計量物の収容個数または収容重量を設定する収容量設定手段と、前記各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、前記単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、各々の重量ランクについて、前記収容個数分または前記収容重量分の被計量物を選別するために要する時間の予測値を算出する第2のランク別選別時間算出手段とをさらに備え、前記表示手段は、前記第2のランク別選別時間算出手段によって算出される時間の予測値をも表示するよう構成されていてもよい。
【0014】
この構成によれば、重量ランクごとに設定される、容器へ収容されるべき収容個数分または収容重量分の被計量物を選別するために要する時間の予測値を算出して表示するので、使用者に重量ランク別商品の生産計画を立てる上で有用な情報を与えることができ、使用者はその生産計画を立てるのが容易になる。また、収容個数分または収容重量分の被計量物が収容された容器を作業者が新しい容器と交換する作業を行う場合には、その作業計画を立てるのが容易になる。
【0015】
また、被計量物を搬送し、かつ各々の重量ランクに応じた排出位置が定められ、搬送する被計量物をその被計量物の重量ランクに応じた前記排出位置で排出し、各々の前記排出位置から排出される被計量物が各々の前記排出位置に配置された容器へ収容されるよう構成された搬送排出手段と、各々の重量ランクに対して、前記容器へ収容されるべき被計量物の収容個数または収容重量を設定する収容量設定手段と、前記各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、前記単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、各々の重量ランクについて、前記容器に前記収容個数分または前記収容重量分の被計量物が収容されてなる生産品の所定時間当たりの生産数の予測値を算出するランク別生産数算出手段とをさらに備え、前記表示手段は、前記ランク別生産数算出手段によって算出される前記生産品の所定時間当たりの生産数の予測値をも表示するよう構成されていてもよい。
【0016】
この構成によれば、容器に収容個数分または収容重量分の被計量物が収容されてなる生産品の所定時間当たりの生産数の予測値を算出して表示するので、使用者に重量ランク別商品の生産計画を立てる上で有用な情報を与えることができ、使用者はその生産計画を立てるのが容易になる。
【0017】
また、本発明の他の形態に係る重量選別機は、順次供給される被計量物の重量を測定し、それぞれ異なる重量範囲ごとに定められる所定数の重量ランクのうち被計量物の測定重量値が該当する重量ランクに前記被計量物を選別する選別処理を行う重量選別機であって、各々の重量ランクに対して、被計量物の所望個数または所望重量を設定する所望量設定手段と、各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、各々の重量ランクについて、前記所望個数分または前記所望重量分の被計量物を選別するために要する時間の予測値を算出する第1のランク別選別時間算出手段と、前記第1のランク別選別時間算出手段によって算出される時間の予測値を表示する表示手段とを備えている。
【0018】
この構成によれば、重量ランクごとに設定される所望個数分または所望重量分の被計量物を選別するために要する時間の予測値を算出して表示するので、使用者に重量ランク別商品の生産計画を立てる上で有用な情報を与えることができ、使用者はその生産計画を立てるのが容易になる。
【0019】
また、本発明の別の他の形態に係る重量選別機は、順次供給される被計量物の重量を測定し、それぞれ異なる重量範囲ごとに定められる所定数の重量ランクのうち被計量物の測定重量値が該当する重量ランクに前記被計量物を選別する選別処理を行う重量選別機であって、被計量物を搬送し、かつ各々の重量ランクに応じた排出位置が定められ、搬送する被計量物をその被計量物の重量ランクに応じた前記排出位置で排出し、各々の前記排出位置から排出される被計量物が各々の前記排出位置に配置された容器へ収容されるよう構成された搬送排出手段と、各々の重量ランクに対して、前記容器へ収容されるべき被計量物の収容個数または収容重量を設定する収容量設定手段と、各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、各々の重量ランクについて、前記収容個数分または前記収容重量分の被計量物を選別するために要する時間の予測値を算出する第2のランク別選別時間算出手段と、前記第2のランク別選別時間算出手段によって算出される時間の予測値を表示する表示手段とを備えている。
【0020】
この構成によれば、重量ランクごとに設定される、容器へ収容されるべき収容個数分または収容重量分の被計量物を選別するために要する時間の予測値を算出して表示するので、使用者に重量ランク別商品の生産計画を立てる上で有用な情報を与えることができ、使用者はその生産計画を立てるのが容易になる。また、収容個数分または収容重量分の被計量物が収容された容器を作業者が新しい容器と交換する作業を行う場合には、その作業計画を立てるのが容易になる。
【0021】
また、本発明のさらに別の他の形態に係る重量選別機は、順次供給される被計量物の重量を測定し、それぞれ異なる重量範囲ごとに定められる所定数の重量ランクのうち被計量物の測定重量値が該当する重量ランクに前記被計量物を選別する選別処理を行う重量選別機であって、被計量物を搬送し、かつ各々の重量ランクに応じた排出位置が定められ、搬送する被計量物をその被計量物の重量ランクに応じた前記排出位置で排出し、各々の前記排出位置から排出される被計量物が各々の前記排出位置に配置された容器へ収容されるよう構成された搬送排出手段と、各々の重量ランクに対して、前記容器へ収容されるべき被計量物の収容個数または収容重量を設定する収容量設定手段と、各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率と、単位時間当たりの被計量物の選別個数とに基づいて、各々の重量ランクについて、前記容器に前記収容個数分または前記収容重量分の被計量物が収容されてなる生産品の所定時間当たりの生産数の予測値を算出するランク別生産数算出手段と、前記ランク別生産数算出手段によって算出される前記生産品の所定時間当たりの生産数の予測値を表示する表示手段とを備えている。
【0022】
この構成によれば、容器に収容個数分または収容重量分の被計量物が収容されてなる生産品の所定時間当たりの生産数の予測値を算出して表示するので、使用者に重量ランク別商品の生産計画を立てる上で有用な情報を与えることができ、使用者はその生産計画を立てるのが容易になる。
【0023】
また、前記単位時間当たりの被計量物の選別個数は、単位時間当たりの前記選別処理による選別可能な被計量物の最大個数に対する、単位時間当たりに供給される被計量物の個数の割合である供給効率を、前記単位時間当たりの前記選別処理による選別可能な被計量物の最大個数と乗算することにより算出されるよう構成され、前記供給効率は、予め設定された所定値、または、稼働中において実際に単位時間当たりに供給される被計量物の個数に基づいて算出された算出値からなるものでもよい。
【0024】
この構成によれば、重量選別機の非稼働時においては、設定された供給効率(所定値)に基づいて、単位時間当たりの被計量物の選別個数を算出し、この算出した値に基づいて予測値を算出し表示することができる。また、重量選別機の稼働中においては、その稼働中において実際に単位時間当たりに供給される被計量物の個数に基づいて供給効率(算出値)を算出し、この算出値に基づいて単位時間当たりの被計量物の選別個数を算出し、さらにこの算出した値に基づいて予測値を算出し表示することができる。このため、使用者は、稼働中に表示される予測値を見て、生産実績に応じた生産計画の変更が可能になる。なお、稼働中において実際に単位時間当たりに供給される被計量物の個数は、例えば、所定時間内に実際に重量が測定される被計量物の個数を計数し、その計数値に基づいて算出するようにしてもよい。
【0025】
また、既存の複数個の被計量物の各々の重量値からなる重量分布データ、または、稼働中に測定される複数個の被計量物の各々の重量値からなる重量分布データに基づいて、前記各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率を算出するランク別個数比率算出手段をさらに備えていてもよい。
【0026】
この構成によれば、重量選別機の非稼働時においては、既存の重量分布データに基づいて、各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率を算出し、この算出値に基づいて予測値を算出し表示することができる。また、重量選別機の稼働中においては、その稼働中に測定された重量分布データに基づいて各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率を算出し、この算出値に基づいて予測値を算出し表示することができる。このため、使用者は、稼働中に表示される予測値を見て、生産実績に応じた生産計画の変更が可能になる。
【0027】
また、前記ランク別個数比率算出手段は、前記重量分布データが正規分布するものとして、前記各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率を算出する正規分布算出モードと、前記重量分布データが正規分布しないものとして、前記各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率を算出する非正規分布算出モードとを有し、前記ランク別個数比率算出手段に前記正規分布算出モードと前記非正規分布算出モードとのうちのいずれかのモードを設定するモード設定手段をさらに備えていてもよい。
【0028】
この構成によれば、重量分布データの分布状態に応じて正規分布算出モードと前記非正規分布算出モードとのうちのいずれかを選択して、各々の重量ランクに属する被計量物の個数比率を算出することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、以上に説明した構成を有し、重量ランク別商品の生産計画や作業計画を立てる上で、有用な情報を使用者に与えることができる重量選別機を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】(a)は、本発明の実施形態の重量選別機を上方から視た概略構成を示す模式図であり、(b)は、同重量選別機を側方から視た概略構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施形態の重量選別機の概略構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態において、正規分布算出モードが選択されたときの、被計量物の重量分布を標準化したときの標準正規分布における確率変数の値と重量ランクの境界重量値との対応関係の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態において、正規分布算出モードが選択されたときの、第1ランクに属する被計量物の平均重量値を求める方法を説明するための図である。
図5】標準正規分布の確率密度関数f(u)の近似関数を求める方法の説明に用いる図である。
図6】本発明の実施形態において、非正規分布算出モードが選択されたときに作成される重量段階別個数テーブルの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0032】
(実施形態)
図1(a)は、本発明の実施形態の重量選別機を上方から視た概略構成を示す模式図であり、図1(b)は、同重量選別機を側方から視た概略構成を示す模式図である。また、図2は、同重量選別機の概略構成を示すブロック図である。
【0033】
この重量選別機は、例えば果物や魚介類等の農水産物等の被計量物を、所定数の重量ランクに選別するものである。
【0034】
この重量選別機は、送り込みコンベヤ1と、ロードセル等からなる重量センサ4により支持された計量コンベヤ2と、振分アーム6〜9を備えた振分コンベヤ3からなる振分装置(搬送排出手段)3Aと、電装品収納ボックス5と、操作表示器15と、制御装置16とを備えている。また、送り込みコンベヤ1側の計量コンベヤ2の端部(搬入端)には光センサ等からなる物品検出センサ21が設けられ、振分コンベヤ3の周囲には被計量物の収容箱(容器)B1〜B5が設けられている。なお、ここでは、振分装置3Aとして、振分アーム6〜9を有するフリッパ式の振分装置を用いているがこれに限らない。例えば、エアージェット式の振分装置、ゲート式の振分装置あるいはチャンネライザー(分岐搬送コンベヤ)等、被計量物の種類等に適した振分装置を適宜選択して用いることができる。
【0035】
電装品収納ボックス5には、その前面の上部に操作表示器15が嵌め込まれるようにして取り付けられ、内部に制御装置16が収納されている。
【0036】
制御装置16は、例えばマイクロコンピュータ等によって構成され、CPU等からなる演算制御部16aと、RAM及びROM等からなる記憶部16bとを有している。演算制御部16aは、そのCPUが記憶部16bに記憶されたCPUの実行プログラムを実行することにより、本重量選別機の全体の動作制御を行う。なお、制御装置16は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。
【0037】
制御装置16は、重量センサ4の計量信号及び物品検出センサ21の検出信号を入力し、送り込みコンベヤ1、計量コンベヤ2、振分コンベヤ3、振分アーム6〜9を制御する。図2に示されるように、制御装置16は、重量センサ4からのアナログ計量信号が増幅回路19で増幅された後、A/D変換器20によってデジタル計量信号に変換されて入力されることにより、計量コンベヤ2上の被計量物Wの重量を取得する。また、制御装置16は、コンベヤ駆動回路17を制御することにより、送り込みコンベヤ1、計量コンベヤ2及び振分コンベヤ3の駆動(動作)を制御し、振分アーム駆動回路18を制御することにより、振分アーム6〜9の駆動(動作)を制御する。
【0038】
送り込みコンベヤ1の前段には例えば供給コンベヤ10が設けられる。ここでは、供給コンベヤ10も制御装置16によってその動作が制御される。この供給コンベヤ10には、作業者または図示しない前段装置から被計量物が供給され、その被計量物が送り込みコンベヤ1へ搬送される。送り込みコンベヤ1は、供給コンベヤ10によって順次搬送されてくる被計量物Wを受け取り、計量コンベヤ2へ移送する。計量コンベヤ2は、送り込みコンベヤ1によって搬送されてくる被計量物Wを受け取り、振分コンベヤ3へ移送する。なお、図1では、供給コンベヤ10が桟付きコンベヤである場合が図示されており、この場合、作業者が供給コンベヤ10の桟10aで区画された各領域へ被計量物Wを供給する。
【0039】
制御装置16は、物品検出センサ21の検出信号に基づいて、所定のタイミングで、すなわち被計量物Wが計量コンベヤ2上の所定位置に移送されてきたときに、重量センサ4によって計量される被計量物Wの重量を取得する。さらに、制御装置16は、重量センサ4によって計量された被計量物Wの重量が、予め設定された所定数の重量ランクのうちのどのランクに属するかを判定し、その判定結果に基づいて振分アーム駆動回路18を介して振分アーム6〜9の駆動を制御する。
【0040】
ここでは、第1〜第4ランクの4つの規格品の重量ランクと、規格外品の重量ランクとからなる5つの重量ランクが設定されている。この重量ランクの設定は、使用者が操作表示器15を操作して設定することができる。
【0041】
操作表示器15は、例えばタッチパネルディスプレイ等を用いて構成され、重量選別機の操作およびその動作条件の設定値の入力操作等を行うための入力部13と、被計量物の重量の計量値等をスクリーン(ディスプレイ画面)に表示する表示部14とを備えている。なお、ここでは、入力部13と表示部14とが、操作表示器15(タッチスクリーン式のディスプレイ)として一体的に構成されているが、別々に設けられてあってもよい。
【0042】
また、制御装置16は、操作表示器15(入力部13)からの信号を入力するとともに、操作表示器15(表示部14)へ表示するデータ等の信号を出力する。操作表示器15の入力部13は、所望量設定手段、収容量設定手段、モード設定手段等として機能し、操作表示器15の表示部14は表示手段等として機能する。
【0043】
なお、制御装置16は、ランク別合計予測値算出手段、第1及び第2のランク別選別時間算出手段、ランク別生産数算出手段、ランク別個数比率算出手段等として機能する。
【0044】
次に本重量選別機の動作の一例について説明する。なお、制御装置16が本重量選別機の動作を制御するために必要となる情報等は全て記憶部16bに記憶されており、動作中に記憶すべき情報は全て記憶部16bに記憶される。
【0045】
まず、本重量選別機の選別処理動作について説明する。ここでは、例えば、規格品となる重量範囲が、下限重量値WL以上で、上限重量値WU以下の範囲となるように設定され、下限重量値WL未満の範囲及び上限重量値WUを超える範囲が規格外品となるように設定されている。さらに、4つの規格品の重量ランクの重量範囲の境界値(境界重量値)が小さい方から順にW1,W2,W3に設定されている。これにより、第1ランクの重量範囲がWL以上、W1未満の範囲となり、第2ランクの重量範囲がW1以上、W2未満の範囲となり、第3ランクの重量範囲がW2以上、W3未満の範囲となり、第4ランクの重量範囲がW3以上、WU以下の範囲となる。
【0046】
制御装置16は、稼働時には、各コンベヤ1,2,3,10を搬送動作させ、重量センサ4によって計量された被計量物Wが、所定数の重量ランクのうちのどのランクに属するかを判定し、第1ランクに属する被計量物Wに対しては、振分アーム6を駆動させて第1ランク収容箱B1へ収容させる。同様に、第2ランクに属する被計量物Wに対しては、振分アーム7を駆動させて第2ランク収容箱B2へ収容させ、第3ランクに属する被計量物Wに対しては、振分アーム8を駆動させて第3ランク収容箱B3へ収容させ、第4ランクに属する被計量物Wに対しては、振分アーム9を駆動させて第4ランク収容箱B4へ収容させる。また、規格外品の重量ランクに属する被計量物Wに対しては、いずれの振分アーム6〜9も駆動させず、規格外品収容箱B5へ収容させる。
【0047】
なお、制御装置16が各振分アーム6〜9を駆動させるタイミングをより正確に制御するために、計量コンベヤ2の搬出端や振分コンベヤ3の中途等にも物品検出センサを設け、その検出信号を制御装置16へ入力するよう構成してもよい。
【0048】
次に本実施形態における特徴点について説明する。本実施形態では、制御装置16は、次の(1−a)〜(5−b)の予測値を算出することができ、算出した予測値を操作表示器15の表示部14の画面に表示させるようにしている。
【0049】
(1−a)所定時間当たりに各重量ランクに選別される被計量物の合計個数の予測値
(1−b)所定時間当たりに各重量ランクに選別される被計量物の合計重量の予測値
(2−a)各重量ランクについて設定された所望個数の被計量物を選別するために要する時間の予測値
(2−b)各重量ランクについて設定された所望重量の被計量物を選別するために要する時間の予測値
(3−a)各重量ランクの収容箱に対して被計量物の収容個数が決められている場合に、収容個数の被計量物を選別するために要する時間の予測値
(3−b)各重量ランクの収容箱に対して被計量物の収容重量が決められている場合に、収容重量の被計量物を選別するために要する時間の予測値
(4−a)各重量ランクの収容箱に対して被計量物の収容個数が決められている場合に、所定時間当たりに生産される各重量ランクの収容箱の生産箱数の予測値
(4−b)各重量ランクの収容箱に対して被計量物の収容重量が決められている場合に、所定時間当たりに生産される各重量ランクの収容箱の生産箱数の予測値
(5−a)各重量ランクの収容箱に対して被計量物の収容個数が決められている場合に、各重量ランクについて設定された収容箱の生産箱数分の被計量物を選別するために要する時間の予測値
(5−b)各重量ランクの収容箱に対して被計量物の収容重量が決められている場合に、各重量ランクについて設定された収容箱の生産箱数分の被計量物を選別するために要する時間の予測値
上記(1−a)、(1−b)、(4−a)、(4−b)の予測値は、各重量ランクの所定時間当たりの生産量を示す予測値であり、使用者が生産計画を立てる上で有用な情報となる。また、これら以外の予測値は、各重量ランクについて所定量の選別(生産)に要する時間の予測値であり、使用者が生産計画を立てる上で有用な情報となる。すなわち、上記(1−a)〜(5−b)のいずれの予測値も、使用者が生産計画を立てる上で有用な情報となる。
【0050】
なお、上記(1−a)〜(5−b)の予測値のうち、制御装置16は、操作表示器15の操作によって選択された予測値を算出し、表示部14に表示させるように構成されている。すなわち、使用者が操作表示器15を操作して(1−a)〜(5−b)の予測値の中から所望の予測値を選択することができるよう構成されており、制御装置16は、選択された予測値を算出し表示部14に表示させる。
【0051】
上記の予測値を算出するために、制御装置16は、まず、各重量ランクに属する被計量物の個数の比率(以下、「確率」という)、各重量ランクに属する被計量物1個当たりの平均重量値を算出する。これらの値の算出方法の違いによって、予測値の算出モードが2つある。すなわち、正規分布算出モードと非正規分布算出モードとがあり、使用者が操作表示器15を操作していずれかを選択できるようになっている。使用者は、被計量物の種類やその仕入れ先等からその被計量物の重量分布が正規分布であるか否かを判断し、正規分布であると判断したときには正規分布算出モードを選択し、正規分布ではないと判断したときには非正規分布算出モードを選択する。この選択されたモードが制御装置16に設定される。
【0052】
また、本実施形態では、重量選別機の非稼働時において予測値を算出し表示する場合と、稼働中に予測値を算出し表示する場合とでは、予測値を算出するために用いるデータ(被計量物の重量分布情報)が異なる。
【0053】
≪重量選別機の非稼働時(例えば稼働前)における予測値の表示≫
まず、重量選別機の非稼働時において予測値を算出し表示する場合について説明する。
【0054】
重量選別機の稼働前などの非稼働時において、使用者は、操作表示器15を操作して、正規分布算出モードと非正規分布算出モードのいずれか1つを選択し、表示させたい所望の予測値を選択し、この所望の予測値を算出するための条件(予測値算出条件)を設定し、所望の予測値の算出表示の指示を行う。
【0055】
この指示がなされると、制御装置16は、記憶部16bに記憶されている被計量物の重量分布情報を用いて、所望の予測値を算出し、操作表示器15の表示部14の画面に表示する。上記の被計量物の重量分布情報は、複数個の被計量物の各々の重量値からなる既存の重量分布データであり、例えば、以前の稼働時に計量されて記憶部16bに蓄積されている被計量物の重量値データである。あるいは、USBメモリ、CDなどの記憶媒体から与えられた被計量物の重量値データでもよいし、他の外部機器から通信ラインを介して与えられた被計量物の重量値データでもよい。
【0056】
本実施形態では、前述のように、制御装置16には、予測値算出条件として、各重量ランク及びその重量範囲が設定されている他、本重量選別機による単位時間当たりの被計量物の選別個数(計量個数)として、例えば1分間当たりに計量される被計量物の個数Q(個/分)が設定され、1日当たりの稼働時間R(時間)が設定されている。また、操作表示器15の表示部14に表示される被計量物の重量表示値の最小目盛りの重量値をwd(g)とし、この最小目盛り重量wdが設定されている。すなわち、これらの値は、操作表示器15が操作されることによって予測値算出条件として制御装置16へ入力されて制御装置16の記憶部16bに記憶されている。
【0057】
〔正規分布算出モードの場合〕
まず、非稼働時において、正規分布算出モードが選択された場合の詳細について説明する。
【0058】
制御装置16には、規格品の下限及び上限重量値を含む境界重量値W1,W2,W3,WL,WUが設定され、正規分布算出モードが設定されている。なお、制御装置16には、予め、正規分布表(正規分布表のデータ)が記憶部16bに記憶されている。
【0059】
1.各重量ランクに属する被計量物の確率(個数比率)の算出方法
制御装置16は、以下のようにして、各重量ランクに属する被計量物の確率を求める。
【0060】
制御装置16は、まず、被計量物の重量分布情報(重量値データ)から被計量物の平均重量値Wa(g)と標準偏差ws(g)とを算出する。この非稼働時において正規分布算出モードが選択される場合に限り、被計量物の重量分布情報として、重量値データではなく、被計量物の平均重量値Waと標準偏差wsとが、直接、制御装置16へ与えられるようにしてもよい。
【0061】
次に、被計量物の重量分布の標準化を行い、重量ランクの境界重量値W1,W2,W3,WL,WUのそれぞれに対応する標準(規準)正規分布における確率変数の値k1,k2,k3,kL,kUを次式により算出する。
【0062】
k1=(W1−Wa)/ws
k2=(W2−Wa)/ws
k3=(W3−Wa)/ws
kL=(WL−Wa)/ws
kU=(WU−Wa)/ws
図3は、被計量物の重量分布を標準化したときの標準正規分布における確率変数uの値と重量ランクの境界重量値との対応関係の一例を示す図である。
【0063】
この図3では、規格品の下限重量値WLが標準正規分布における確率変数uの−3に対応し、上限重量値WUが標準正規分布における確率変数uの3に対応する場合(すなわち、上記のkL=−3となり、kU=3となる場合)が示されているが、これに限らない。
【0064】
なお、操作表示器15を用いて規格品の下限及び上限重量値WL,WUを予め設定せずに、制御装置16が被計量物の平均重量値Waと標準偏差wsを用いて、以下の式に基づいて、下限及び上限重量値WL,WUを算出して自動的に設定するようにしてもよい。
WL=Wa−3・ws
WU=Wa+3・ws
この場合には、図3のように、規格品の下限及び上限重量値WL,WUを、標準正規分布における確率変数uの−3,3に必ず対応させることができる。
【0065】
次に、制御装置16は、k1,k2,k3,kL,kUの値を用いて、正規分布表(正規分布表のデータ)から各重量ランクに属する被計量物の確率(個数比率)を求める。
【0066】
正規分布表は、標準正規分布における確率変数uが0〜5の範囲の任意の値「u1」において、確率変数uが0〜u1の範囲となる確率を示す表である。したがって、確率変数uが負の値の場合には符号を逆にして(すなわち正の値)にして正規分布表を用いる。
【0067】
第1ランクに属する被計量物の確率p1は、標準正規分布において、確率変数uが(−3)からk1(k1は負の値)の範囲内となる確率である。この確率p1は、正規分布表における「3」の場合の確率(すなわち確率変数uが0〜3の範囲となる確率)から「−k1」の場合の確率(すなわち確率変数uが0〜(−k1)の範囲となる確率)を減算することにより算出される。
【0068】
第2ランクに属する被計量物の確率p2は、標準正規分布において、確率変数uがk1(k1は負の値)からk2(k2は負の値)の範囲内となる確率である。この確率p2は、正規分布表における「−k1」の場合の確率から「−k2」の場合の確率を減算することにより算出される。
【0069】
第3ランクに属する被計量物の確率p3は、標準正規分布において、確率変数uがk2(k2は負の値)からk3(k3は正の値)の範囲内となる確率である。この確率p3は、正規分布表における「−k2」の場合の確率と「k3」の場合の確率とを加算することにより算出される。
【0070】
第4ランクに属する被計量物の確率p4は、標準正規分布において、確率変数uがk3から3の範囲内となる確率である。この確率p4は、正規分布表における「3」の場合の確率から「k3」の場合の確率を減算することにより算出される。
【0071】
以上のようにして第1〜第4ランクに属する被計量物の確率p1〜p4を算出する。また、規格外品の重量ランクとなる被計量物の確率を、1−(p1+p2+p3+p4)により算出するようにしてもよい。
【0072】
2.各重量ランクに属する被計量物の平均重量値の算出方法
制御装置16は、以下のようにして、各重量ランクに属する被計量物の平均重量値を求める。
【0073】
まず、第1ランクに属する被計量物の平均重量値(被計量物1個当たりの重量値)を求める場合について図4を用いて説明する。図4は、第1ランクに属する被計量物の平均重量値を求める方法を説明するための図である。
【0074】
標準化された被計量物の重量分布の確率密度関数f(u)において、第1ランクの重量範囲WL〜W1に相当する範囲(確率変数uが−3〜k1の範囲)を微小区間に細分化し、各微小区間における被計量物の確率を前述の正規分布表を用いて算出する。
【0075】
ここで、最小目盛り重量wdは、確率密度関数f(u)において、wd/wsに相当するので、各微小区間の幅iを、i=wd/wsとする(wsは前述の標準偏差)。
【0076】
確率p11は、正規分布表における「3」の場合の確率から「3−i」の場合の確率を減算することにより算出される。同様に、確率p21は、正規分布表における「3−i」の場合の確率から「3−2・i」の場合の確率を減算することにより算出される。
【0077】
このように、確率pm1は、正規分布表における「3−(m−1)i」の場合の確率から「3−m・i」の場合の確率を減算することにより算出される。したがって、mの値を1から1ずつインクリメントして、順次確率pm1を求め、
−3+m・i≧k1
となったときに、その確率pm1を求めて終了する。この最後の確率pm1をpq1とする。
【0078】
そして、第1ランクに属する被計量物の平均重量値wa1を次式により算出する。
wa1={(WL+wd)・p11+(WL+2・wd)・p21+・・・
+(WL+q・wd)・pq1}/(p11+p21+・・・+pq1)
同様に、確率密度関数f(u)において、第2ランクの重量範囲W1〜W2に相当する範囲k1〜k2を微小区間に細分化し、各微小区間における被計量物の確率pm2を正規分布表を用いて算出する。
【0079】
この場合、確率pm2は、正規分布表における「−k1−(m−1)i」の場合の確率から「−k1−m・i」の場合の確率を減算することにより算出される。したがって、mの値を1から1ずつインクリメントして、順次確率pm2を求め、
k1+m・i≧k2
となったときに、その確率pm2を求めて終了する。この最後の確率pm2をpr2とする。
【0080】
そして、第2ランクに属する被計量物の平均重量値wa2を次式により算出する。
wa2={(W1+wd)・p12+(W1+2・wd)・p22+・・・
+(W1+r・wd)・pr2}/(p12+p22+・・・+pr2)
同様に、確率密度関数f(u)において、第3ランクの重量範囲W2〜W3に相当する範囲k2〜k3を微小区間に細分化し、各微小区間における被計量物の確率pm3を正規分布表を用いて算出する。
【0081】
この場合、確率pm3は、確率変数uが0以下の範囲では、正規分布表における「−k2−(m−1)i」の場合の確率から「−k2−m・i」の場合の確率を減算することにより算出される。したがって、mの値を1から1ずつインクリメントして、
k2+m・i≧0
となるまで、上述のようにして順次確率pm3を求める。
【0082】
その後(確率変数uが正の値の範囲)は、mを1ずつインクリメントして、正規分布表における「k2+m・i」の場合の確率から「k2+(m−1)i」の場合の確率を減算することにより、順次確率pm3を算出する。そして、
k2+m・i≧k3
となったときに、その確率pm3を求めて終了する。この最後の確率pm3をps3とする。
【0083】
そして、第3ランクに属する被計量物の平均重量値wa3を次式により算出する。
wa3={(W2+wd)・p13+(W2+2・wd)・p23+・・・
+(W2+s・wd)・ps3}/(p13+p23+・・・+ps3)
同様に、確率密度関数f(u)において、第4ランクの重量範囲W3〜WUに相当する範囲k3〜3を微小区間に細分化し、各微小区間における被計量物の確率pm4を正規分布表を用いて算出する。
【0084】
この場合、確率pm4は、正規分布表における「k3+m・i」の場合の確率から「k3+(m−1)i」の場合の確率を減算することにより算出される。したがって、mの値を1から1ずつインクリメントして、順次確率pm4を求め、
k3+m・i≧3
となったときに、その確率pm4を求めて終了する。この最後の確率pm4をpt4とする。
【0085】
そして、第4ランクに属する被計量物の平均重量値wa4を次式により算出する。
wa4={(W3+wd)・p14+(W3+2・wd)・p24+・・・
+(W3+t・wd)・pt4}/(p14+p24+・・・+pt4)
以上のようにして第1〜第4ランクに属する被計量物の平均重量値wa1〜wa4を算出する。
【0086】
なお、上記では、正規分布表を用いて、各重量ランクに属する被計量物の確率p1〜p4及び各微小区間iにおける被計量物の確率を求めるようにしたが、これに限らない。例えば、標準正規分布の確率密度関数f(u)の近似関数を予め記憶しておいて、その近似関数を積分することによって算出するようにしてもよい。
【0087】
近似関数の算出方法の一例を簡単に説明する。標準正規分布の確率密度関数f(u)は、図5に示され、f(0)、f(1)、f(−1)、f(2)、f(−2)、f(3)、f(−3)の値は、次のようになる。
f(0)=0.399
f(1)=f(−1)=0.242
f(2)=f(−2)=0.054
f(3)=f(−3)=0.004
これらの値を用いて、例えば、確率密度関数f(u)を図5に示すように3つの範囲A、B、Cに分けてそれぞれ二次関数に近似させることができる。あるいは、2つの範囲D、Eに分けてそれぞれ三次関数に近似させることができる。
【0088】
例えば、3つの範囲A、B、Cに分ける場合には、範囲Aにおいて近似される二次関数f1(u)を、
f1(u)=a・u2+b・u+c
とおいて、f1(1)=0.242、f1(2)=0.054、f1(3)=0.004となるように、a、b、cを算出してf1(u)を求めればよい。同様に、範囲Bにおいて近似される二次関数f2(u)においては、f2(1)=f2(−1)=0.242、f2(0)=0.399となるようにf2(u)を求めればよい。範囲Cにおいて近似される二次関数f3(u)についても、f3(−1)=0.242、f3(−2)=0.054、f3(−3)=0.004として同様に求めることができる。
【0089】
また、2つの範囲D、Eに分ける場合には、範囲Dにおいて近似される三次関数f4(u)を、
f4(u)=a・u3+b・u2+c・u+d
とおいて、f4(0)=0.399、f4(1)=0.242、f4(2)=0.054、f4(3)=0.004となるように、a、b、c、dを算出してf4(u)を求めればよい。同様に、範囲Eにおいて近似される三次関数f5(u)においては、f5(0)=0.399、f5(−1)=0.242、f5(−2)=0.054、f5(−3)=0.004となるようにf5(u)を求めればよい。例えば、この三次関数f5(u)を、uが−3からk1の範囲で積分すれば、第1ランクに属する被計量物の確率p1を算出できる。
【0090】
3.各予測値の算出方法
次に、以上のようにして算出される各ランクに属する確率p1〜p4、各ランクに属する被計量物の平均重量値wa1〜wa4を用いて、各予測値を算出する方法を説明する。
【0091】
〔(1−a)所定時間(ta)当たりに各々の重量ランクに選別される被計量物の合計個数の予測値(予測合計個数)〕の算出方法
本実施形態では、操作表示器15を操作して上記所定時間taを予測値算出条件として、制御装置16に設定することができる。制御装置16に、所定時間taとして、例えば1時間及び1日が設定されている場合、制御装置16は、第1〜第4ランクの1時間当たりの予測合計個数Ct1〜Ct4及び1日当たりの予測合計個数Cr1〜Cr4を次式によって算出する。なお、前述のように、Q(個/分)は、本重量選別機により1分間当たりに計量される被計量物の個数であり、R(時間)は、1日当たりの稼働時間である。
【0092】
(第1ランクの1時間当たりの予測合計個数)Ct1=60・p1・Q
(第2ランクの1時間当たりの予測合計個数)Ct2=60・p2・Q
(第3ランクの1時間当たりの予測合計個数)Ct3=60・p3・Q
(第4ランクの1時間当たりの予測合計個数)Ct4=60・p4・Q
(第1ランクの1日当たりの予測合計個数)Cr1=60・R・p1・Q
(第2ランクの1日当たりの予測合計個数)Cr2=60・R・p2・Q
(第3ランクの1日当たりの予測合計個数)Cr3=60・R・p3・Q
(第4ランクの1日当たりの予測合計個数)Cr4=60・R・p4・Q
そして、制御装置16は、上記算出した各予測値を表示部14の画面に表示させる。
【0093】
〔(1−b)所定時間(tb)当たりに各々の重量ランクに選別される被計量物の合計重量の予測値(予測合計重量)〕の算出方法
本実施形態では、操作表示器15を操作して上記所定時間tbを予測値算出条件として、制御装置16に設定することができる。制御装置16に、所定時間tbとして、例えば1時間及び1日が設定されている場合、制御装置16は、第1〜第4ランクの1時間当たりの予測合計重量Wt1〜Wt4及び1日当たりの予測合計重量Wr1〜Wr4を次式によって算出する。
【0094】
(第1ランクの1時間当たりの予測合計重量)Wt1=60・p1・Q・wa1
(第2ランクの1時間当たりの予測合計重量)Wt2=60・p2・Q・wa2
(第3ランクの1時間当たりの予測合計重量)Wt3=60・p3・Q・wa3
(第4ランクの1時間当たりの予測合計重量)Wt4=60・p4・Q・wa4
(第1ランクの1日当たりの予測合計重量)Wr1=60・R・p1・Q・wa1
(第2ランクの1日当たりの予測合計重量)Wr2=60・R・p2・Q・wa2
(第3ランクの1日当たりの予測合計重量)Wr3=60・R・p3・Q・wa3
(第4ランクの1日当たりの予測合計重量)Wr4=60・R・p4・Q・wa4
そして、制御装置16は、上記算出した各予測値を表示部14の画面に表示させる。
【0095】
〔(2−a)各々の重量ランクについて設定された所望個数の被計量物を選別するために要する時間の予測値(予測所要時間)〕の算出方法
本実施形態では、操作表示器15を操作して各々の重量ランクについて所望個数を予測値算出条件として、制御装置16に設定することができる。制御装置16は、第1〜第4ランクについて所望個数Cs1〜Cs4が設定されている場合、その個数分の被計量物を選別するために要する第1〜第4ランクの予測所要時間Tc1〜Tc4を次式によって算出する。
【0096】
Tc1(時間)=Cs1/Ct1=Cs1/(60・p1・Q)
Tc2(時間)=Cs2/Ct2=Cs2/(60・p2・Q)
Tc3(時間)=Cs3/Ct3=Cs3/(60・p3・Q)
Tc4(時間)=Cs4/Ct4=Cs4/(60・p4・Q)
そして、制御装置16は、上記算出した各予測値を表示部14の画面に表示させる。
【0097】
〔(2−b)各々の重量ランクについて設定された所望重量の被計量物を選別するために要する時間の予測値(予測所要時間)〕の算出方法
本実施形態では、操作表示器15を操作して各々の重量ランクについて所望重量を予測値算出条件として、制御装置16に設定することができる。制御装置16は、第1〜第4ランクについて所望重量Ws1〜Ws4が設定されている場合、その重量分の被計量物を選別するために要する第1〜第4ランクの予測所要時間Tw1〜Tw4を次式によって算出する。
【0098】
Tw1(時間)=Ws1/Wt1=Ws1/(60・p1・Q・wa1)
Tw2(時間)=Ws2/Wt2=Ws2/(60・p2・Q・wa2)
Tw3(時間)=Ws3/Wt3=Ws3/(60・p3・Q・wa3)
Tw4(時間)=Ws4/Wt4=Ws4/(60・p4・Q・wa4)
そして、制御装置16は、上記算出した各予測値を表示部14の画面に表示させる。
【0099】
次に、例えば、規格品の各ランクの収容箱B1〜B4に収容されるべき被計量物の収容個数が予め決まっている場合には、上記収容個数の被計量物が収容箱B1〜B4に収容されると(例えば収容箱B1〜B4が一杯になると)、順次、空の収容箱と交換されて、その空の収容箱へ被計量物が収容される。このような場合に、次の(3−a)、(4−a)、(5−a)の予測値を算出して表示させることができる。
【0100】
〔(3−a)各々の重量ランクの収容箱に対して被計量物の収容個数が決められている場合に、収容個数の被計量物を選別するために要する時間の予測値(予測所要時間)〕の算出方法
本実施形態では、操作表示器15を操作して各重量ランクの収容箱に収容されるべき被計量物の収容個数を予測値算出条件として、制御装置16に設定することができる。例えば、第1ランク収容箱B1の収容個数がCb1に、第2ランク収容箱B2の収容個数がCb2に、第3ランク収容箱B3の収容個数がCb3に、第4ランク収容箱B4の収容個数がCb4に、それぞれ設定されている場合、制御装置16は、各収容個数分の被計量物を選別するために要する第1〜第4ランクの予測所要時間T1〜T4を算出する。
【0101】
制御装置16は、第1ランクの被計量物をCb1個選別するための予測所要時間T1(すなわち、第1ランク収容箱B1にCb1個の被計量物を収容するために要する予測時間)を次式によって算出する。
【0102】
T1(分)=Cb1/(Ct1/60)=Cb1/(p1・Q)
同様に、第2〜第4の各ランクの被計量物をCb2〜Cb4個選別するための予測所要時間T2〜T4を次式によって算出する。
【0103】
T2(分)=Cb2/(Ct2/60)=Cb2/(p2・Q)
T3(分)=Cb3/(Ct3/60)=Cb3/(p3・Q)
T4(分)=Cb4/(Ct4/60)=Cb4/(p4・Q)
そして、制御装置16は、上記算出した各予測値を表示部14の画面に表示させる。
【0104】
この予測値T1〜T4を表示することは、所定の収容個数の被計量物が収容された収容箱B1〜B4と空の収容箱との交換を作業者が行う場合に、使用者が作業者の配置等、作業計画を立てる上でも有用である。なお、この場合、稼働時において、各収容箱B1〜B4に所定の収容個数の被計量物が収容されたことを、作業者に報知(例えば操作表示器15の画面に表示)するように構成されていることが好ましい。
【0105】
〔(4−a)各々の重量ランクの収容箱に対して被計量物の収容個数が決められている場合に、所定時間(tc)当たりに生産される各々の重量ランクの収容箱の生産箱数の予測値(予測生産箱数)〕の算出方法
本実施形態では、操作表示器15を操作して各重量ランクの収容箱に収容されるべき被計量物の収容個数及び上記所定時間tcを予測値算出条件として、制御装置16に設定することができる。制御装置16に、第1〜第4ランク収容箱B1の収容個数Cb1〜Cb4が設定され、所定時間tcとして、例えば1時間及び1日が設定されている場合、制御装置16は、1時間当たりの第1〜第4ランクの予測生産箱数Ph1〜Ph4を次式によって算出する。
【0106】
Ph1=60/T1=60・p1・Q/Cb1
Ph2=60/T2=60・p2・Q/Cb2
Ph3=60/T3=60・p3・Q/Cb3
Ph4=60/T4=60・p4・Q/Cb4
また、1日当たりの第1〜第4の各ランクの予測生産箱数Pd1〜Pd4を次式によって算出する。
【0107】
Pd1=R・Ph1=60・R・p1・Q/Cb1
Pd2=R・Ph2=60・R・p2・Q/Cb2
Pd3=R・Ph3=60・R・p3・Q/Cb3
Pd4=R・Ph4=60・R・p4・Q/Cb4
そして、制御装置16は、上記算出した各予測値を表示部14の画面に表示させる。
【0108】
〔(5−a)各々の重量ランクの収容箱に対して被計量物の収容個数が決められている場合に、各々の重量ランクについて設定された収容箱の生産箱数分の被計量物を選別するために要する時間の予測値(予測所要時間)〕の算出方法
本実施形態では、操作表示器15を操作して各々の重量ランクの収容箱に収容されるべき収容個数と、各収容箱の生産箱数とを予測値算出条件として、制御装置16に設定することができる。制御装置16に、第1〜第4ランクについて各々の収容箱B1〜B4の収容個数Cb1〜Cb4と生産箱数CB1〜CB4とが設定されている場合、制御装置16は、各生産箱数分の被計量物を選別するために要する第1〜第4ランクの予測所要時間TB1〜TB4を次式によって算出する。
【0109】
TB1(時間)=CB1/Ph1=CB1・Cb1/(60・p1・Q)
TB2(時間)=CB2/Ph2=CB2・Cb2/(60・p2・Q)
TB3(時間)=CB3/Ph3=CB3・Cb3/(60・p3・Q)
TB4(時間)=CB4/Ph4=CB4・Cb4/(60・p4・Q)
そして、制御装置16は、上記算出した各予測値を表示部14の画面に表示させる。
【0110】
次に、例えば、規格品の各ランクの収容箱B1〜B4に収容されるべき被計量物の収容重量が予め決まっている場合には、上記収容重量の被計量物が収容箱B1〜B4に収容されると(例えば収容箱B1〜B4が一杯になると)、順次、空の収容箱と交換されて、その空の収容箱へ被計量物が収容される。このような場合に、次の(3−b)、(4−b)、(5−b)の予測値を算出して表示させることができる。
【0111】
〔(3−b)各々の重量ランクの収容箱に対して被計量物の収容重量が決められている場合に、収容重量の被計量物を選別するために要する時間の予測値(予測所要時間)〕の算出方法
本実施形態では、操作表示器15を操作して各重量ランクの収容箱に収容されるべき被計量物の収容重量を予測値算出条件として、制御装置16に設定することができる。例えば、第1ランク収容箱B1の収容重量がWb1に、第2ランク収容箱B2の収容重量がWb2に、第3ランク収容箱B3の収容重量がWb3に、第4ランク収容箱B4の収容重量がWb4に、それぞれ設定されている場合、制御装置16は、各収容重量分の被計量物を選別するために要する重量ランク別の予測所要時間T1w〜T4wを算出する。
【0112】
制御装置16は、第1ランクの被計量物を重量Wb1分選別するための予測所要時間T1w(すなわち、第1ランク収容箱B1に重量Wb1分の被計量物を収容するために要する予測時間)を次式によって算出する。
【0113】
T1w(分)=Wb1/(Wt1/60)=Wb1/(p1・Q・wa1)
同様に、第2〜第4の各ランクの被計量物を重量Wb2〜Wb4分選別するための予測所要時間T2w〜T4wを次式によって算出する。
【0114】
T2w(分)=Wb2/(Wt2/60)=Wb2/(p2・Q・wa2)
T3w(分)=Wb3/(Wt3/60)=Wb3/(p3・Q・wa3)
T4w(分)=Wb4/(Wt4/60)=Wb4/(p4・Q・wa4)
そして、制御装置16は、上記算出した各予測値を表示部14の画面に表示させる。
【0115】
この予測値T1w〜T4wを表示することは、所定の収容重量の被計量物が収容された収容箱B1〜B4と空の収容箱との交換を作業者が行う場合に、使用者が作業者の配置等、作業計画を立てる上でも有用である。なお、この場合、稼働時において、各収容箱B1〜B4に所定の収容重量の被計量物が収容されたことを、作業者に報知(例えば操作表示器15の画面に表示)するように構成されていることが好ましい。
【0116】
〔(4−b)各々の重量ランクの収容箱に対して被計量物の収容重量が決められている場合に、所定時間(td)当たりに生産される各々の重量ランクの収容箱の生産箱数の予測値(予測生産箱数)〕の算出方法
本実施形態では、操作表示器15を操作して各重量ランクの収容箱に収容されるべき被計量物の収容重量及び上記所定時間tdを予測値算出条件として、制御装置16に設定することができる。制御装置16に、第1〜第4ランク収容箱B1の収容重量Wb1〜Wb4が設定され、所定時間tdとして、例えば1時間及び1日が設定されている場合、制御装置16は、1時間当たりの第1〜第4ランクの予測生産箱数Ch1〜Ch4を次式によって算出する。
【0117】
Ch1=60/T1w=60・p1・Q・wa1/Wb1
Ch2=60/T2w=60・p2・Q・wa2/Wb2
Ch3=60/T3w=60・p3・Q・wa3/Wb3
Ch4=60/T4w=60・p4・Q・wa4/Wb4
また、1日当たりの第1〜第4の各ランクの予測生産箱数Cd1〜Cd4を次式によって算出する。
【0118】
Cd1=R・Ch1=60・R・p1・Q・wa1/Wb1
Cd2=R・Ch2=60・R・p2・Q・wa2/Wb2
Cd3=R・Ch3=60・R・p3・Q・wa3/Wb3
Cd4=R・Ch4=60・R・p4・Q・wa4/Wb4
そして、制御装置16は、上記算出した各予測値を表示部14の画面に表示させる。
【0119】
〔(5−b)各々の重量ランクの収容箱に対して被計量物の収容重量が決められている場合に、各々の重量ランクについて設定された収容箱の生産箱数分の被計量物を選別するために要する時間の予測値(予測所要時間)〕の算出方法
本実施形態では、操作表示器15を操作して各々の重量ランクの収容箱に収容されるべき収容重量と、各収容箱の生産箱数とを予測値算出条件として、制御装置16に設定することができる。制御装置16に、第1〜第4のランクについて各々の収容箱B1〜B4の収容重量Wb1〜Wb4と生産箱数CB1〜CB4とが設定されている場合、制御装置16は、各生産箱数分の被計量物を選別するために要する第1〜第4ランクの予測所要時間TB1〜TB4を次式によって算出する。
【0120】
TB1(時間)=CB1/Ch1=CB1・Wb1/(60・p1・Q・wa1)
TB2(時間)=CB2/Ch2=CB2・Wb2/(60・p2・Q・wa2)
TB3(時間)=CB3/Ch3=CB3・Wb3/(60・p3・Q・wa3)
TB4(時間)=CB4/Ch4=CB4・Wb4/(60・p4・Q・wa4)
そして、制御装置16は、上記算出した各予測値を表示部14の画面に表示させる。
【0121】
以上に述べた各予測値の算出式から明らかなように、各重量ランクに属する被計量物の確率p1〜p4は、いずれの予測値を算出する場合でも必要であるが、各重量ランクに属する被計量物の平均重量値wa1〜wa4は、(1−b)、(2−b)、(3−b)、(4−b)、(5−b)の予測値を算出する場合にのみ用いられ、これら以外の予測値の算出には用いられない。すなわち、制御装置16は、(1−b)、(2−b)、(3−b)、(4−b)、(5−b)の予測値の全てが選択されていない場合には、これらの予測値を算出しないので、各重量ランクに属する被計量物の平均重量値wa1〜wa4も算出しない。
【0122】
なお、上記の(1−a)、(1−b)、(4−a)、(4−b)の説明において、所定時間ta、tb、tc、tdとして、1時間及び1日が設定されている場合について説明したが、この所定時間は、操作表示器15を操作して所望の時間に設定することができ、例えば、30分間、1か月等に設定することも可能である。
【0123】
また、上記では、規格品となる第1〜第4ランクに関する各予測値を算出し表示する場合について説明したが、規格外品となる重量ランクに関しても同様にして各予測値を算出し表示することができる。
【0124】
〔非正規分布算出モードの場合〕
次に、非稼働時において、非正規分布算出モードが選択された場合の詳細について説明する。
【0125】
制御装置16には、規格品の下限及び上限重量値を含む境界重量値W1,W2,W3,WL,WUが設定され、非正規分布算出モードが設定されている。
【0126】
4.各重量ランクに属する被計量物の確率(個数比率)の算出方法
制御装置16は、以下のようにして、各重量ランクに属する被計量物の確率を求める。
【0127】
制御装置16は、まず、被計量物の重量分布情報(重量値データ)に基づいて、図6に示すような重量段階別個数テーブルTAを作成する。この重量段階別個数テーブルTAは記憶部16bに記憶される。
【0128】
重量段階別個数テーブルTAにおいて、
W〈n〉=WL+n・wd (n=0,1,2,・・・,N)
であり、
N=(WU−WL)/wd
である。すなわち、下限重量値WLから上限重量値WUまでの間を最小目盛り重量wdで区切った重量をW〈n〉とし、W〈0〉は下限重量値WLに等しく、W〈N〉は上限重量値WUに等しい。また、W〈n1〉は境界重量値W1に等しく、W〈n2〉は境界重量値W2に等しく、W〈n3〉は境界重量値W3に等しい。
【0129】
そして、重量値データからそれぞれのW〈n〉に等しい重量値の被計量物の個数を算出(計数)し、その算出した個数がc〈n〉である。例えば、W〈0〉とc〈0〉は、重量がW〈0〉である被計量物の個数がc〈0〉個存在していることを示している。
【0130】
また、W〈0〉未満の重量と、W〈N〉を超える重量との被計量物の合計個数(すなわち規格外品の合計個数)を算出し、記憶する。この規格外品の合計個数をC〈M〉とする。
【0131】
制御装置16は、第1〜第4ランクの各重量ランクに属する被計量物の個数C〈T1〉〜C〈T4〉を次式によって算出する。
【0132】
C〈T1〉=c〈0〉+c〈1〉+・・・・+c〈n1−1〉
C〈T2〉=c〈n1〉+c〈n1+1〉+・・・・+c〈n2−1〉
C〈T3〉=c〈n2〉+c〈n2+1〉+・・・・+c〈n3−1〉
C〈T4〉=c〈n3〉+c〈n3+1〉+・・・・+c〈N〉
さらに、被計量物の総個数C〈T〉を次式によって算出する。
【0133】
C〈T〉=C〈T1〉+C〈T2〉+C〈T3〉+C〈T4〉+C〈M〉
そして、制御装置16は、第1〜第4ランクに属する被計量物の確率p1〜p4を次式によって算出する。
【0134】
p1=C〈T1〉/C〈T〉
p2=C〈T2〉/C〈T〉
p3=C〈T3〉/C〈T〉
p4=C〈T4〉/C〈T〉
以上のようにして第1〜第4ランクに属する被計量物の確率p1〜p4を算出する。
【0135】
なお、制御装置16は、上記の算出方法に限らず、重量値データを構成する重量値の総個数C〈T〉と、その重量値データに含まれる各々の重量ランクに該当する重量値の合計個数C〈T1〉〜C〈T4〉とを算出すれば、各々の確率p1〜p4を算出することができる。また、規格外の重量ランクとなる被計量物の確率を、例えば、1−(p1+p2+p3+p4)により算出するようにしてもよい。
【0136】
5.各重量ランクに属する被計量物の平均重量値の算出方法
制御装置16は、以下のようにして、各重量ランクに属する被計量物の平均重量値を求める。
【0137】
制御装置16は、第1〜第4ランクに属する被計量物1個当たりの平均重量値wa1〜wa4を、重量段階別個数テーブルTAを参照して次式により算出する。
wa1=(W〈0〉・c〈0〉+W〈1〉・c〈1〉+・・・
+W〈n1−1〉・c〈n1−1〉)/C〈T1〉
wa2=(W〈n1〉・c〈n1〉+W〈n1+1〉・c〈n1+1〉+・・・
+W〈n2−1〉・c〈n2−1〉)/C〈T2〉
wa3=(W〈n2〉・c〈n2〉+W〈n2+1〉・c〈n2+1〉+・・・
+W〈n3−1〉・c〈n3−1〉)/C〈T3〉
wa4=(W〈n3〉・c〈n3〉+W〈n3+1〉・c〈n3+1〉+・・・
+W〈N〉・c〈N〉)/C〈T4〉
以上のようにして、第1〜第4ランクに属する被計量物1個当たりの平均重量値wa1〜wa4を算出する。
【0138】
なお、制御装置16は、上記の算出方法に限らず、重量値データに含まれる各々の重量ランクに該当する重量値の合計重量と、各々の重量ランクに該当する重量値の合計個数C〈T1〉〜C〈T4〉とを算出すれば、各々の平均重量値wa1〜wa4を算出することができる。
【0139】
6.各予測値の算出方法
次に、以上のようにして算出される各ランクに属する確率p1〜p4、各ランクに属する被計量物の平均重量値wa1〜wa4を用いて、各予測値を算出する方法については、正規分布算出モードの場合と同様であるので、説明を省略する。
【0140】
≪重量選別機の稼働中における予測値の表示≫
重量選別機の稼働中の場合も、上記の非稼働時の場合と同様、制御装置16は、正規分布算出モードと非正規分布算出モードとのうち、選択されているモードに従って、選択されている予測値を算出する。
【0141】
ただし、稼働中においては、制御装置16は、順次供給されて計量した被計量物の重量値を記憶部16bに記憶しており、各予測値を算出する際には、直近(直前)に計量した所定個数(例えば100個)の被計量物の各々の重量値からなるデータを重量分布情報として用い、非稼働時の場合と同様にして、各ランクに属する確率p1〜p4、各ランクに属する被計量物の平均重量値wa1〜wa4を算出し、さらに予測値を算出して操作表示器15の表示部14の画面に表示させる。
【0142】
また、制御装置16は、稼働中において、予測値を算出して表示させるタイミングが異なる、自動表示モードと手動表示モードとを有している。使用者は、操作表示器15を操作して自動表示モードと手動表示モードとのいずれか一方を選択できるように構成されている。
【0143】
自動表示モードが選択されている場合には、制御装置16は、例えば、所定の時間間隔で、あるいは、所定の個数の被計量物を計量するたびに、予測値を算出して操作表示器15の画面に表示させる。
【0144】
また、手動表示モードが選択されている場合には、さらに、使用者が操作表示器15を操作して予測値の算出表示指令を制御装置16に与える(例えば、予測値の算出表示指令のための所定の操作がなされる)ことにより、制御装置16は、予測値を算出して操作表示器15の画面に表示させる。
【0145】
以上にのべた本実施形態では、使用者が操作表示器15を操作して、単位時間当たりの被計量物の計量個数Q(個/分)を設定するようにしたが、使用者が操作表示器15を操作して単位時間当たりの被計量物の理想的な計量個数Qs(個/分)と供給効率ηとを予測値算出条件として、制御装置16に設定することにより、制御装置16が次式によって単位時間当たりの被計量物の計量個数Q(個/分)を算出するようにしてもよい。
【0146】
Q=Qs・η
ここで、単位時間当たりの被計量物の理想的な計量個数Qsは、現在の運転条件の下において、供給コンベヤ10から重量選別機への被計量物の供給が遅れたりすることなく、スムーズに行われた場合の重量選別機の単位時間当たりの被計量物の最大処理個数である。この理想的な計量個数Qsは、計量コンベヤ2の搬送速度(設定速度)と、計量コンベヤ2へ順次供給される任意の被計量物とその次の被計量物のそれぞれの重量を正しく測定できる最小の中心間距離以上の所定の距離(所定値)とによって決めることができる。図1のように、供給コンベヤ10が桟付きコンベヤである場合には、単位時間(例えば1分間)当たりに各桟10aが送り込みコンベヤ1と隣接する一端へ到達する個数(回数)が、理想的な計量個数Qsである。
【0147】
また、供給効率ηは、例えば、供給コンベヤ10へ被計量物を供給する作業者の熟練度や人数に応じて、適切と考えられる値を操作表示器15を用いて設定することができる。また、供給コンベヤ10へその前段の装置から自動で被計量物が供給される場合には、その前段の装置の処理能力等に基づいて適切と考えられる値を設定するようにしてもよい。また、操作表示器15を用いて供給効率ηが設定されていない場合には、Q=Qsとする(すなわち、η=1とする)ようにしてもよい。図1のように、供給コンベヤ10が桟付きコンベヤである場合には、桟10aで区画された領域が、被計量物が供給されないまま同供給コンベヤ10の下側へ移ることがあれば、上記区画された領域から送り込みコンベヤ1への被計量物の供給がなされないので、供給効率は低下する。
【0148】
また、重量選別機の稼働中においては、制御装置16は、所定の時間内における被計量物の計量個数をカウントし、それに基づいて単位時間当たりの実際の被計量物の計量個数Qrを算出し、次式に基づいて実際の供給効率ηrを算出し、この実際の供給効率ηrを前述の供給効率ηとして設定(再設定)するようにしてもよい。
【0149】
ηr=Qr/Qs
そして、制御装置16は、この稼働中に設定された供給効率η(=ηr)を用いて、
Q=Qs・η
により、単位時間当たりに計量される被計量物の個数Q(=Qr)を算出し、この算出値(Q)を用いて予測値を算出するようにしてもよい。これにより、現在の重量選別機への被計量物の供給状況に応じた予測値を算出し、表示部14に表示させることができる。
【0150】
この場合において、算出した単位時間当たりの実際の被計量物の計量個数Qr、実際の供給効率ηrを表示部14の画面に表示させるようにしてもよい。これにより、例えば供給コンベヤ10へ被計量物を供給する作業者あるいは前段の装置の実際の供給能力を把握し、評価することができる。また、稼働終了時に設定されている供給効率ηの値(ηr)を記憶部16bに記憶しておいて、その供給効率ηの値(ηr)を、次に予測値を算出表示させるときに用いる供給効率ηとして設定できるようにしてもよい。
【0151】
また、本実施形態で述べたように、使用者が操作表示器15を操作して、単位時間当たりの被計量物の計量個数Qを設定する場合でも、重量選別機の稼働中においては、制御装置16が、所定の時間内における被計量物の計量個数をカウントし、それに基づいて単位時間当たりの実際の被計量物の計量個数Qrを算出し、それを単位時間当たりの被計量物の計量個数Qとして設定(再設定)するようにしてもよい。これにより、現在の重量選別機への被計量物の供給状況に応じた予測値を算出し、表示部14に表示させることができる。また、この場合も、算出した単位時間当たりの実際の被計量物の計量個数Qrを表示部14の画面に表示させることにより、例えば供給コンベヤ10へ被計量物を供給する作業者あるいは前段の装置の実際の供給能力を把握し、評価することができる。また、稼働終了時に設定されている単位時間当たりの被計量物の計量個数Qの値(Qr)を記憶部16bに記憶しておいて、その計量個数Qの値(Qr)を、次に予測値を算出表示させるときに用いる単位時間当たりの被計量物の計量個数Qとして設定できるようにしてもよい。
【0152】
本実施形態では、非稼働時に前述の予測値を算出し表示部14に表示させることにより、使用者は重量ランク別商品の生産計画を立てる上で有用な情報を得ることができ、その生産計画を立てるのが容易になる。また、稼働中においては、その稼働中の実際の計量データを用いて前述の予測値を算出し表示部14に表示させることにより、生産実績に応じた生産計画の変更が可能になる。
【0153】
また、本実施形態では、正規分布算出モードと非正規分布算出モードとを有しているので、被計量物の重量分布状態に応じていずれかのモードを選択することができる。また、非稼働時において正規分布算出モードを選択する場合には、重量分布情報として、多数の被計量物の重量値のデータに代えて、被計量物の平均重量値(Wa)と標準偏差(ws)とを入力(設定)するようにしてもよい。
【0154】
なお、本実施形態では、操作表示器15を用いて各重量ランクを規定する境界重量値(例えばW1,W2,W3,WL,WU)を制御装置16に予め設定しておいて、制御装置16が、被計量物の重量分布情報に基づいて各重量ランクに属する被計量物の確率(例えばp1〜p4)を算出するように構成したが、これに限らない。例えば、操作表示器15を用いて各重量ランクに属する被計量物の確率(個数比率)として所望の確率を制御装置16に予め設定しておいて、制御装置16が、被計量物の重量分布情報において各重量ランクに属する被計量物の確率が上記所望の確率となるように、各々の重量ランクを規定する境界重量値を算出するように構成してもよい。また、規格品の下限重量値WLと、各重量ランクに属する被計量物の重量ランク別の所定の平均重量値とを制御装置16に予め設定しておいて、制御装置16が、被計量物の重量分布情報に基づいて、各重量ランクに属する被計量物の平均重量値がそれぞれの上記所定の平均重量値となるように境界重量値(W1,W2,W3,WU)を算出するように構成してもよい。
【0155】
また、本実施形態では、被計量物がコンベヤで水平搬送される重量選別機について説明したが、本発明はこのような重量選別機に限られない。例えば、供給される被計量物の重量を計量し、その被計量物を下方へ排出可能な複数の計量ホッパが円状に配置され、これら複数の計量ホッパが同時にその円周上を間欠的に回転するように構成されたものでもよい。この場合、円周上の所定位置で停止した計量ホッパに供給コンベヤの搬出端から落下する被計量物が供給される。そして、計量ホッパで被計量物の重量が計量され、制御装置によって被計量物の重量ランクが判定されると、その重量ランクに対応する停止位置で計量ホッパから被計量物を排出するよう構成されている。前述のように、計量ホッパが回転する円周上には、供給コンベヤからの被計量物の供給位置と、複数の重量ランクの各々に対応する位置とが定められている。供給コンベヤには、例えば作業員によって魚等の被計量物が供給され、計量ホッパから排出される被計量物は、例えば傾斜シュートを介して、収容箱へ収容される。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明は、重量ランク別商品の生産計画や作業計画を立てる上で、有用な情報を使用者に与えることができる重量選別機等として有用である。
【符号の説明】
【0157】
2 計量コンベヤ
3 振分コンベヤ
3A 振分装置
4 重量センサ
13 入力部
14 表示部
15 操作表示器
16 制御装置
B1〜B5 収容箱
図1
図2
図3
図4
図5
図6