【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)以上説明した課題を解決する為、本発明においては、
鍔部と、
該鍔部の下方に備えられた払出振子枢結軸と、
該払出振子枢結軸に回動自在に枢結された払出振子を備え、
該払出振子には吊下部が設けられ、
該鍔部には目標穴が設けられ、
該目標穴に棒状体が挿入されると、該棒状体が該振出振子に接触して回転させ、該払出振子の該吊下部より吊下げた物品が落下可能とされている
ことを特徴とする、業務用景品獲得ゲーム機用の景品展示・払出装置としている。
【0014】
本発明に係る業務用景品獲得ゲーム機用の景品展示・払出装置は、業務用景品獲得ゲームのうち、その内部に遊戯者から透明素材で遮蔽された遊戯空間が設けられており、遊戯空間内で少なくとも2つの方向に移動可能とされた遊戯手段を備え、かつ、該遊戯手段は遊戯者がボタン等から構成される操作手段を操作することで遊戯空間(19)内で移動し、所定の遊戯課題を達成すれば景品が払い出されるタイプの業務用景品獲得ゲーム機の遊戯空間内に設置して使用されるものである。
【0015】
本発明の一実施例を示した説明図である
図1を参照すると本発明の構成や作用効果についての理解が容易になる。もっとも、本発明は同図に現れた構成になんら限定されるものではなく、実質的に同じ構成を有する業務用景品獲得ゲーム機用の景品展示・払出装置であれば、本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもないことである。
【0016】
さて、本発明に係る景品展示・払出装置は、鍔部(22)を備えている。本発明においては景品展示・払出装置の業務用景品獲得ゲーム機の遊戯空間内への設置を簡単に行うため、遊戯空間内に設置された板状の部材に固定穴を設け、この固定穴に景品展示・払出装置をはめ込むことによって固定することとした。固定穴に景品展示・払出装置をはめ込んだ際に、景品展示・払出装置が固定穴から抜け落ちてしまわないよう、固定穴の直径よりも大きな直径を有する鍔部を設けているのである。
図1の例では、固定穴の直径に対し、景品展示・払出装置の胴部(29)の直径をわずかに小さく、鍔部(22)の直径を大きく設定しており、固定穴に胴部をはめ込むと鍔部が固定穴の周部に当接して固定される。なお、同図では、胴部や鍔部はそれぞれパイプ状、ディスク状の軸対称形状であり、景品展示・払出装置はちょうどシルクハットのような形状となっている。しかし、本発明に係る景品展示・払出装置は必ずしも軸対称形状である必要はなく、例えば、断面が正方形や長方形のような多角形形状ほか、その機能を妨げない限度において任意の形状を採り得る。
【0017】
ところで、本発明に係る景品展示・払出装置は、固定穴にはめ込むこと以外にも任意の方法で業務用景品獲得ゲーム機の遊戯空間内に固定・設置することができる。例えば、板状の部材に、幅が胴部(29)の直径よりも大きく鍔部(22)の直径よりも小さいスリットを設けておき、このスリットの景品展示・払出装置をはめ込むことができる。この場合、スリットに沿って任意の位置に景品展示・払出装置を設置することができる。
【0018】
また、先端にリング形状または音叉形状の部材を備えた棒状の部材を遊戯空間内に設け、これらリング形状部または音叉形状部にはめ込むことによって景品展示・払出装置を設置してもよい。この場合は、例えば遊戯空間の壁面に棒状の部材を取り付けることが可能であり、棒状の部材は視覚的に目立ちにくいことから、景品展示・払出装置のみが遊戯空間内に浮かんでいるように見えるような視覚的な面白さを演出できる。あるいは、遊戯空間内に設けた支柱から四方に棒状の部材が伸びるように取り付けると、樹木の枝の先端に景品展示・払出装置が設けられているような意匠となる。いずれの場合でも、独特の視覚的な面白さを演出できることはもちろんであるが、景品展示・払出装置は、業務用景品獲得ゲーム機で遊戯者が遊戯をする際に遊戯手段を誘導する標的であるから、遊戯者から明確に視認可能でなければならない。この点、これらの景品展示・払出装置の固定方法であれば、景品展示・払出装置の周辺にほとんど障害物が無い状態が実現されるため、極めて好ましい結果が得られる。
【0019】
本景品展示・払出装置の鍔部(22)の下方には、払出振子(28)を備えている。払出振子(28)は、鍔部(22)の下方に設けられた払出振子枢結軸(23)によって景品展示・払出装置に回動自在に枢結される。また、払出振子(28)には、吊下部(24)が設けられている。
図1の例では、景品展示・払出装置の胴部(29)に凸部を設け、ここに払出振子枢結軸(23)を設けた。また、払出振子(28)を涙型に加工した板とし、吊下部(24)はこれに「く」の字形の切り欠きを設けることで実現している。業務用景品獲得ゲーム機の遊戯空間内に景品展示・払出装置を設置し、その吊下部(24)である切り欠きに図示しない紐を掛け、この紐によって景品を吊下げて展示するのである。この結果、遊戯空間内で、景品展示・払出装置の備える払出振子(28)の吊下部(24)から紐で景品が吊下げられた状態とすることができる。なお、図では切り欠きによって吊下部(24)を実現したが、要は、紐やこれに類するものを掛けて吊下げ展示する、いわゆるフックの機能を実現できれば良いのであるから、この機能を実現する構造であれば任意のものを採用可能である。
【0020】
鍔部(22)には目標穴(20)が設けられ、この目標穴(20)から払出振子(28)が見通せる状態に設定される。このことの意味は
図2を参照すれば理解が容易となる。遊戯空間内に景品展示・払出装置が設置されている状態では、
図2(A)のようであり、図示しないが吊下部(24)からは紐で景品が吊下げられる。ここで、遊戯者が遊戯手段(1)を操作して、首尾よく目標穴(20)の真上に遊戯手段(1)を誘導することに成功した状態は
図2(B)のようになる。ここで、遊戯手段(1)は棒状体であるとした。この後、遊戯手段(1)は下降し、目標穴(20)を通過して払出振子(28)に接触し、払出振子枢結軸(23)を中心に回転させる。そうすると、
図2(C)のような状態となり、吊下部(24)に掛けられた紐は吊下部(24)から外れて落下する。この結果、紐に取り付けられた景品は落下して遊戯者に払い出される。
【0021】
以上のような構成とすることにより遊戯者が遊戯手段を操作して首尾よく目標穴に誘導した場合に、紐に吊した景品を遊戯者に払い出すという、業務用景品獲得ゲーム機に必要不可欠な機能を備えた景品展示・払出装置を実現できる。また、景品展示・払出装置は非常にコンパクトであり、かつ、その取り付けも取付穴等にはめ込むだけと非常に容易であることから、業務用景品獲得ゲーム機の備える遊戯空間内の様々な場所に景品展示・払出装置を設置することが可能であり、かつ、変更も容易である。これにより、遊戯空間内で景品の配置の自由度が増し、立体的な景品配置で得られる意匠的効果を通じて遊戯者の遊戯意欲を惹起できる華やかさを演出することが可能になる。また、景品展示・払出装置の設置位置を変えることによって、景品に応じた難度の調整も可能となる。
【0022】
(2)以上説明した課題を解決するため、本発明においては、
前記鍔部にはターゲット板固定突起が設けられ、
該ターゲット板固定突起と嵌合可能なターゲット板固定穴を備えたターゲット板を備え、
該ターゲット板にはターゲット穴を備えている
ことを特徴とする、(1)に記載の業務用景品獲得ゲーム機用の景品展示・払出装置としている。
【0023】
業務用景品獲得ゲーム機の遊戯空間内の様々な位置に景品展示・払出装置を設置することで、遊戯課題の難度を調整できることはすでに説明したとおりである。すなわち、初期的に遊戯手段が遊戯空間の天井付近に設定される場合であれば、遊戯空間の底面近くに景品展示・払出装置を設置すると、遊戯手段と景品展示・払出装置の備える目標穴の距離が離れているため、遊戯者にとって目標穴の直上に遊戯手段を正確に位置決めすることは困難となる。しかし、景品展示・払出装置の設置位置のみで難度を調整することが容易でない場合もある。例えば、高価な大型景品を使用する場合には、この景品に係る遊戯課題の難度を高く調整することが好ましいが、大型景品を吊り下げるには景品展示・払出装置の設置位置が高い位置にならざるを得ず、結果として遊戯課題の難度が低くなってしまうという不具合が生じる。
【0024】
そこで、景品展示・払出装置の備える目標穴の大きさを調整することで遊戯課題の難度を調整できることが好ましい。当然、目標穴が小さければ、遊戯手段を目標穴を通過することは困難となり、遊戯課題の難度は高くなる。しかし、様々な大きさの目標穴を備えた景品展示・払出装置を多数保有することは、業務用景品獲得ゲーム機を設置する遊戯施設にとって、管理上及び費用上の負担が大きくなるという問題がある。
【0025】
そこで、景品展示・払出装置に安価なターゲット板を重ねることで上記の問題を解決することとした。
図4を参照すると理解が容易であるが、ターゲット穴(26)とターゲット板固定穴(27)を備えたターゲット板(25)を準備し、これを、
図3に示すように、景品展示・払出装置の鍔部に重ねることで、実質的に目標穴の大きさや形状を変化させ、遊戯課題の難度を調整するのである。ターゲット板(25)と景品展示・払出装置の鍔部(22)の位置がずれてしまうことが無いよう、鍔部(22)にはターゲット板固定突起(21)を設け、これとターゲット板(25)の備えるターゲット板固定穴(27)を嵌合させることができるようにした。
【0026】
図4に例示するように、様々な形状・大きさのターゲット穴(26)を備えたターゲット板(25)を準備することができる。ターゲット穴が小さければ小さいほど、遊戯手段をターゲット穴に通過させることが難しくなり、遊戯課題の難度が高くなることは言うまでもない。しかし、ターゲット穴を複雑な形状、例えば星形等にすると、ターゲット穴自体が意匠的な美しさを奏するのみならず、視覚的にはターゲット穴が大きく見えて一見難度が低そうに感じられるものの、遊戯手段が通過できる領域は内部のごく狭い領域にすぎないために実際の難度は極めて高いというような、感覚と現実のギャップの意外性を演出することができるなどの効果がある。さらに、遊戯手段を単純な丸棒でなく、複雑な断面形状を有するものとすれば、形合わせの遊びの要素を盛り込むことができるなど、さらに遊戯課題に深みを持たせることができる。
【0027】
(3)以上説明した課題を解決するため、本発明においては、
少なくとも一部部材を透明または半透明の素材で構成した
ことを特徴とする、(1)または(2)に記載の業務用景品獲得ゲーム機用の景品展示・払出装置としている。
【0028】
業務用景品獲得ゲーム機においては、遊戯手段の達成と景品の払出プロセスが遊戯者から直接的に理解されることが重要である。遊戯課題を達成したことを近接センサや透過光検出センサ等で検出して、ソレノイドバルブ等のアクチュエータを駆動して景品を払い出すといったように、人間に不可視の電子的プロセスが景品の払い出しプロセスに介在すると、しばしば遊戯者が胡散臭さのような不信感を抱き、遊戯することを敬遠してしまう結果を招くからである。その点、本発明にかかる景品展示・払出装置は、業務用景品獲得ゲーム機の備えるボタン等の操作手段を操作して棒状体である遊戯手段を移動し、目標穴(ターゲット穴を含む)の位置に正確に位置決めして、これを目標穴に通過させれば、純粋に機械的なプロセスのみによって景品の払い出しが行われるので、非常に好ましいものである。しかし、このプロセスが遊戯者から良好に視認可能でなければその特徴を活かすことができない。
【0029】
そこで、本発明に係る景品展示・払出装置においては、少なくとも一部の部材を透明または半透明(有色透明を含む)の素材で構成し、遊戯者が景品展示・払出装置の内部の構造や動きを容易に視認可能とすることが好ましい。とくに、ターゲット板や鍔部は面積が大きく遊戯者から払出振子等の本発明に特徴的な構造の視認性を低下させやすいため、透明または半透明の素材で構成することが好ましい。
【0030】
また、本発明にかかる景品展示・払出装置の構造や仕組みは、遊戯手段が達成されると純粋に機械的なプロセスで景品が払い出されるものであり、見た目にも理解が容易で楽しさを感じさせるものであるので、例えばターゲット板や鍔部は透明素材で構成しつつ、払出振子は有色透明の素材や不透明の素材で構成して、遊戯者から本発明にかかる景品展示・払出装置の動作の仕組みをより明瞭に視認・理解できるようにすることも好ましい形態である。このようにすると、純粋な業務用景品獲得ゲーム機の遊戯内容に対する興味のみならず、景品展示・払出装置の機械構造や動作の仕組みなどに興味を抱く遊戯者の注意をひきつけることも期待できる。
【発明の効果】
【0031】
(1)鍔部を設けたので、景品展示・払出装置を業務用景品獲得ゲーム機の遊戯空間内への設置を、遊戯空間内に設けられた固定穴やスリット、または、リング状や音叉状の部材などにはめ込むのみという非常に簡単な操作で行なうことができる。このため、業務用景品獲得ゲーム機を設置する遊戯施設において、遊戯空間内で立体的に美しく景品を配置することが可能となり、また、景品に対応する景品展示・払出装置の設置位置を買えることで、景品ごとの遊戯課題の難度を容易に調整できるという効果が得られる。
【0032】
また、払出振子を払出振子枢結軸に回動自在に取り付け、払出振子には吊下部を設けたので、非常に小型でありつつ、目標穴に遊戯手段である棒状体が挿入されると吊下部から紐によって吊下げられた景品を払い出すことが可能な景品展示・払出装置が実現できる。非常に小型であることは、遊戯空間のさまざまな位置に景品展示・払出装置を設置して、これから景品を吊下展示することを可能とするものである。また、遊戯課題の達成が景品の払い出しと直接的に結びついている。すなわち、遊戯者が操作する遊戯手段が目標穴に挿入されたことによって払出振子が回転して紐で吊下げられた景品が落下して払い出されるという景品払出のプロセスが、遊戯者から一目で理解されるため、遊戯者が遊戯課題に胡散臭さのような不信感を抱くことも無い。
によって駆動される。
【0033】
(2)鍔部にターゲット板固定突起を設け、これと勘合可能なターゲット板固定穴とターゲット穴が設けられたターゲット板を供える景品展示・払出装置としたので、ターゲット板を交換することでさまざまなターゲット穴を備えた景品展示・払出装置として利用することが可能になる。ターゲット板は、本質的には穴が設けられた板であるからきわめて安価に製造可能であり、かつ、多数を保有しても非常にコンパクトに収納可能であるから、遊戯施設で多くの種類のターゲット板を保有しても必要な費用は僅かですみ、また、大きな保管場所も必要ない。これにより、さまざまな大きさのターゲット穴を備えた景品展示・払出装置によって遊戯課題の難度を遊戯施設の方針や景品に応じて適切に設定することが可能になる。
【0034】
また、さまざまな形状のターゲット穴を備えることにより、見かけ上の遊戯課題の難度と実際の難度との間にギャップを発生させることができる。あるいは、遊戯手段の形状も単なる円柱ではなく、例えば多角形の断面形状とすることで、形あわせの遊びの要素を盛り込むなど、遊戯課題に深みを持たせ、ますます遊戯者の興味をひきつけることができる。
【0035】
(3)少なくとも一部部材を透明または半透明の素材で構成したので、遊戯者から、遊戯課題の達成から景品の払出までのプロセスを容易に視認することが可能となり、遊戯者が遊戯内容についての胡散臭さのような不信感を抱くことが無くなる。