特許第6029574号(P6029574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6029574ボトルキャップの滅菌・装着方法および滅菌・装着設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029574
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】ボトルキャップの滅菌・装着方法および滅菌・装着設備
(51)【国際特許分類】
   B65B 55/04 20060101AFI20161114BHJP
   B65D 41/34 20060101ALI20161114BHJP
   B65B 55/08 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   B65B55/04 V
   B65D41/34
   B65B55/08 B
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-261923(P2013-261923)
(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公開番号】特開2015-117040(P2015-117040A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2016年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 徹
【審査官】 佐野 健治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−189355(JP,A)
【文献】 特開2013−215579(JP,A)
【文献】 特開2013−133153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 55/04
B65B 55/08
B65D 41/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルキャップの開栓時に、キャップ本体から切り離された環状バンド部を容器の口頸部に残置させるためのフラップ部が、環状バンド部の内周面に形成された合成樹脂製のボトルキャップを、滅菌処理して容器の口頸部に装着し口部を閉じるボトルキャップの滅菌・装着方法であって、
前記フラップ部が、環状バンド部の内周面からキャップ軸心方向外側に向かって傾斜された状態でボトルキャップを搬送し、前記ボトルキャップの外面と内面に、同時または順次電子線を照射して滅菌する滅菌工程と、
前記フラップ部を、キャップ軸心方向内側で前記天面側に向かって折り込むフラップ折込工程と、
ボトルキャップを容器の口頸部に装着するキャップ装着工程と、を順次行う
ことを特徴とするボトルキャップの滅菌・装着方法。
【請求項2】
滅菌工程でボトルキャップの内面を滅菌する時に、先端に電子線の照射口が形成されたノズル部を有する内面用電子線照射機を使用し、
前記ノズル部とボトルキャップとを接近離間方向に相対移動させて、前記照射口を環状バンド部の開口部の内外近傍まで接近または挿入して電子線を照射する
ことを特徴とする請求項1記載のボトルキャップの滅菌・装着方法。
【請求項3】
滅菌工程で、搬送経路に沿って移動するボトルキャップの内面に向かって、内外面用電子線照射装置から電子線を照射するとともに、照射された電子線の一部を、磁界により迂回させて、ボトルキャップの外面に照射する
ことを特徴とする請求項1記載のボトルキャップの滅菌・装着方法。
【請求項4】
フラップ折込工程を、ボトルキャップを容器の口頸部に装着するキャップ装着工程で、ボトルキャップを容器の口頸部に装着する装着動作前または装着動作と同時に行い、
ボトルキャップとフラップ折り込み部材とを相対移動させて当該フラップ折り込み具を環状バンド部の開口部に嵌入させフラップ部を折り込む
ことを特徴とする請求項1または2記載のボトルキャップの滅菌・装着方法。
【請求項5】
ボトルキャップの開栓時に、キャップ本体から切り離された環状バンド部を容器の口頸部に残置させるためのフラップ部が、環状バンド部の内周面に形成された合成樹脂製のボトルキャップを、滅菌処理して容器の口頸部に装着し口部を閉じるボトルキャップの滅菌・装着設備であって、
前記フラップ部が、環状バンド部の内周面からキャップ軸心方向外側に向かって傾斜された状態のボトルキャップを、キャップ搬送経路に沿って搬送するキャップ搬送装置と、
前記キャップ搬送経路に配置されて電子線によりボトルキャップを滅菌する電子線照射装置と、
電子線による滅菌後に、ボトルキャップの前記フラップ部を、キャップ軸心方向内側で前記天面側に折り込むフラップ折り込み手段と、
フラップ部折り込み後のボトルキャップを容器の口頸部に装着するキャッパーと、を具備した
ことを特徴とするボトルキャップの滅菌・装着設備。
【請求項6】
電子線照射装置は、ボトルキャップの天面側に電子線を照射して外面を滅菌する外面用電子線照射機と、ボトルキャップの開口部に電子線を照射して内面を滅菌する内面用電子線照射機とを具備した
ことを特徴とする請求項5記載のボトルキャップの滅菌・装着設備。
【請求項7】
内面用電子線照射機は、先端部に電子線の照射口が形成されたノズル部を有し、当該ノズル部とボトルキャップとを接近離間方向に相対移動させて、前記照射口を環状バンド部の開口部の内外近傍まで挿入または接近させ電子線を照射するように構成された
ことを特徴とする請求項6記載のボトルキャップの滅菌・装着設備。
【請求項8】
電子線照射装置は、環状バンド部の開口部に電子線を照射して内面を滅菌する内面用電子線照射機と、当該内面用電子線照射機から照射される電子線の一部を、迂回させてボトルキャップの天面に照射し外面を滅菌する電子線迂回装置とを具備した
ことを特徴とする請求項5に記載のボトルキャップの滅菌・装着設備。
【請求項9】
フラップ折り込み手段は、ボトルキャップを保持可能なキャップ保持具と、環状バンド部の開口部に嵌合可能な折り込み具と、当該折り込み具とボトルキャップとを接近離間方向に相対移動させて、前記折り込み具を環状バンド部の開口部に嵌め込みフラップ部を折り込む駆動装置とを具備したフラップ加工装置により構成され、
前記キャップ保持具は、少なくとも環状バンド部の外周部を囲むバンド部保持具を有する
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載のボトルキャップの滅菌・装着設備。
【請求項10】
フラップ折り込み手段はキャッパーに設けられ、かつ当該キャッパーの把持装置に把持されたボトルキャップと、フラップ押し込み部材とを接近離間方向に相対方向に移動させて、当該フラップ押し込み部材を環状バンド部の開口部に嵌め込みフラップ部を折り込むように構成され、
前記フラップ押し込み部材を、装着する容器の口頸部とした
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載のボトルキャップの滅菌・装着設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填後の容器の口頸部にボトルキャップを装着する際に、電子線によりボトルキャップを滅菌するためのボトルキャップの滅菌・装着方法および滅菌・装着設備に関する。
【背景技術】
【0002】
図7(a)(b)に示すように、この合成樹脂製のボトルキャップBCは、開封痕跡を表示するタンパーエビデント特性を備えたもので、天面12の外周部から円筒状のスカート部13が垂設され、このスカート部13の開口面14寄りに、ボトルキャップBCの開放時に切り離される弱化線15が周方向に形成されている。ボトルキャップBCは、この弱化線15を境に、キャップ本体10と開封痕跡表示用の環状バンド部11に区画されている。
【0003】
ボトルキャップBCの内面には、天面12から開口面側に突出された内シール部16や、スカート部13の内周面に形成される雌ねじ螺条部17、環状バンド部11の内周面に周方向に一定間隔をあけて形成される複数のフラップ部18などのように、突起物が多数形成されている。なお、フラップ部18は周方向に連続状に形成されるものもある。
【0004】
電子線は、空気中の分子により拡散することが知られているが、ボトルキャップの内面を電子線により滅菌する場合、このように突起物が多いと、突起物の裏側(奥側)まで十分に滅菌できないおそれがある。これに対応するために、電子線の照射線量を大きくしたり、長時間照射すると、樹脂製のボトルキャップの変形や変色を招きかねない。
【0005】
この対策として、特許文献1には、電子線の照射方向を、ボトルキャップの軸心に対して傾斜させるとともに、照射範囲でボトルキャップを軸心周りに一回転以上回転させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4501269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ボトルキャップを開ける時に容器の口頸部から環状バンド部11を抜け止めするために、フラップ部18は、装着状態で先端部が内方に向く姿勢に折り曲げられており、小さい電子線量では、電子線の照射方向を傾斜させたとしても、フラップ部の裏側まで十分に滅菌することが難しいという問題があった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決して、突起物の多いボトルキャップの内面を、少ない電子線量で十分に滅菌して、容器の口頸部に装着するためのボトルキャップの滅菌・装着方法および滅菌・装着設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、
ボトルキャップの開栓時に、キャップ本体から切り離された環状バンド部を容器の口頸部に残置させるためのフラップ部が、環状バンド部の内周面に形成された合成樹脂製のボトルキャップを、滅菌処理して容器の口頸部に装着し口部を閉じるボトルキャップの滅菌・装着方法であって、
前記フラップ部が、環状バンド部の内周面からキャップ軸心方向外側に向かって傾斜された状態でボトルキャップを搬送し、前記ボトルキャップの外面と内面に、同時または順次電子線を照射して滅菌する滅菌工程と、
前記フラップ部を、キャップ軸心方向内側で前記天面側に向かって折り込むフラップ折込工程と、
ボトルキャップを容器の口頸部に装着するキャップ装着工程と、を順次行うことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のボトルキャップの滅菌・装着方法において、
滅菌工程でボトルキャップの内面を滅菌する時に、先端に電子線の照射口が形成されたノズル部を有する内面用電子線照射機を使用し、
前記ノズル部とボトルキャップとを接近離間方向に相対移動させて、前記照射口を環状バンド部の開口部の内外近傍まで接近または挿入して電子線を照射することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のボトルキャップの滅菌・装着方法において、
滅菌工程で、搬送経路に沿って移動するボトルキャップの内面に、内外面用電子線照射装置から電子線を照射するとともに、照射された電子線の一部を、磁界により迂回させて、ボトルキャップの外面に照射することを特徴とする。
【0012】
請求項4は、請求項1または2記載のボトルキャップの滅菌・装着方法において、
フラップ折込工程を、ボトルキャップを容器の口頸部に装着するキャップ装着工程で、ボトルキャップを容器の口頸部に装着する装着動作前または装着動作と同時に行い、
ボトルキャップとフラップ折り込み部材とを相対移動させて当該フラップ折り込み具を環状バンド部の開口面に嵌入させフラップ部を折り込むことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、
ボトルキャップの開栓時に、キャップ本体から切り離された環状バンド部を容器の口頸部に残置させるためのフラップ部が、環状バンド部の内周面に形成された合成樹脂製のボトルキャップを、滅菌処理して容器の口頸部に装着し口部を閉じるボトルキャップの滅菌・装着設備であって、
前記フラップ部が、環状バンド部の内周面からキャップ軸心方向外側に向かって傾斜された状態のボトルキャップを、キャップ搬送経路に沿って搬送するキャップ搬送装置と、
前記キャップ搬送経路に配置されて電子線によりボトルキャップを滅菌する電子線照射装置と、
電子線による滅菌後に、ボトルキャップの前記フラップ部を、キャップ軸心方向内側で前記天面側に折り込むフラップ折り込み手段と、
フラップ部折り込み後のボトルキャップを容器の口頸部に装着するキャッパーと、を具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のボトルキャップの滅菌・装着設備において、
電子線照射装置は、ボトルキャップの天面側に電子線を照射して外面を滅菌する外面用電子線照射機と、ボトルキャップの開口部に電子線を照射して内面を滅菌する内面用電子線照射機とを具備したことを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のボトルキャップの滅菌・装着設備において、
内面用電子線照射機は、先端部に電子線の照射口が形成されたノズル部を有し、当該ノズル部とボトルキャップとを接近離間方向に相対移動させて、前記照射口を環状バンド部の開口部の内外近傍まで挿入または接近させ電子線を照射するように構成されたことを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項5に記載のボトルキャップの滅菌・装着設備において、
電子線照射装置は、環状バンド部の開口部に電子線を照射して内面を滅菌する内面用電子線照射機と、当該内面用電子線照射機から照射される電子線の一部を、迂回させてボトルキャップの天面に照射し外面を滅菌する電子線迂回装置とを具備したことを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項5乃至8のいずれかに記載のボトルキャップの滅菌・装着設備において、
フラップ折り込み手段は、ボトルキャップを保持可能なキャップ保持具と、環状バンド部の開口部に嵌合可能な折り込み具と、当該折り込み具とボトルキャップとを接近離間方向に相対移動させて、前記折り込み具を環状バンド部の開口部に嵌め込みフラップ部を折り込む駆動装置とを具備したフラップ加工装置により構成され、
前記キャップ保持具は、少なくとも環状バンド部の外周部を囲むバンド部保持具を有することを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項5乃至8のいずれかに記載のボトルキャップの滅菌・装着設備において、
フラップ折り込み手段はキャッパーに設けられ、かつ当該キャッパーの把持装置に把持されたボトルキャップと、フラップ押し込み部材とを接近離間方向に相対方向に移動させて、当該フラップ押し込み部材を環状バンド部の開口部に嵌め込みフラップ部を折り込むように構成され、
前記フラップ押し込み部材を、装着する容器の口頸部としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の発明によれば、滅菌工程で、フラップ部が、環状バンド部の内周面からキャップ軸心方向外側に向かって傾斜するボトルキャップの内面に電子線を照射して滅菌するので、フラップ部裏側の環状バンド部やキャップ本体の内周面に十分に電子線を照射することができ、確実に滅菌することができる。そして、滅菌工程後にフラップ折込工程で、フラップ部を天面側に向かって内側に折り込むので、キャップ装着工程でキャップを容器の口頸部にスムーズに装着することができる。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、ノズル部を有する内面用電子線照射機を使用して、ノズル部先端の照射口を環状バンド部の開口面近傍まで接近または挿入して電子線を照射することにより、凹凸の多いボトルキャップの内周面をさらに確実に滅菌することができる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、1台の内外面用電子線照射機により、ボトルキャップの内面に向かって照射する電子線の一部を迂回させて、ボトルキャップの外面に照射することにより、1台の内外面用電子線照射機により、ボトルキャップの内面と外面とを同時滅菌することができ、設備コストを削減することができる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、フラップ折込工程をキャップ装着工程で行うことにより、滅菌・装着設備を削減できて設備コストや占有容積を削減することができる。
請求項5記載の発明によれば、フラップ部が、環状バンド部の内周面からキャップ軸心方向外側に向かって傾斜するボトルキャップを、キャップ搬送装置により搬送する搬送経路で、ボトルキャップに電子線を照射して滅菌することにより、フラップ部裏側の環状バンド部やキャップ本体の内周面に十分に電子線を照射することができ、確実に滅菌することができる。そして、滅菌した後に、フラップ折込工程で、フラップ部を天面側に向かって内側に折り込むので、キャッパーによりキャップを容器の口頸部にスムーズに装着することができる。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、外面用電子線照射機と内面用電子線照射機とを使用して、搬送中のボトルキャップの外面と内面とに順次電子線を照射することにより、良好に滅菌することができる。
【0024】
請求項7記載の発明によれば、内面用電子線照射機をノズル部の先端部に照射口を備えた内面用電子線照射機を使用して、照射口を環状バンド部の開口面に接近または挿入して電子線を照射することにより、凹凸の多いボトルキャップの内面を効果的に滅菌することができる。
【0025】
請求項8記載の発明によれば、1台の内面用電子線照射機と電子線迂回装置とを使用することにより、ボトルキャップの内面と外面とを滅菌することができ、設備コストを削減することができる。
【0026】
請求項9記載の発明によれば、キャップ加工装置のキャップ保持具に、バンド保持部を設けることにより、折り込み具が嵌入された時に、弱化線によりキャップ本体から分離されやすい環状バンド部を確実に保持できて、ボトルキャップの損傷を未然に防止することができる。
【0027】
請求項10記載の発明によれば、キャッパーにおいて、ボトルキャップの環状バンド部の開口面が、容器の口頸部に嵌め合わされた時に、口頸部先端をフラップ押し込み部材として、フラップ部を天面側で内側に折り込むことにより、ボトルキャップを口頸部外周に嵌合させる。したがって、別途フラップ加工装置が不要となり、設備コストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明に係るボトルキャップの滅菌・装着設備の実施例1を示す平面図である。
図2】ボトルキャップの滅菌・装着設備を示す側面図である。
図3】ボトルキャップの滅菌・装着設備を含む充填設備の平面図である。
図4】フラップ部加工装置を示す縦断面図である。
図5】(a)(b)は、内面用電子線照射機のノズル部からの電子線の広がりを示す電子線照射状態とボトルキャップの縦断面図で、(a)は滅菌前、(b)は滅菌状態を示す。
図6】(a)(b)は、フラップ部折り曲げ装置によるフラップ部の折り曲げ作業を示し、(a)は折り曲げ前の状態を示す縦断面図、(b)は折り曲げ状態を示す縦断面図である。
図7】(a)〜(c)は、ボトルキャップの縦断面図で、(a)は装着状態、(b)はキャップ本体の分離状態、(c)は未完ボトルキャップを示す。
図8】(a)〜(f)は実施例1乃至6を示すフロー図で、(a)は実施例1、(b)は実施例2、(c)は実施例3、(d)は実施例4、(e)は実施例5、(f)は実施例6を示す。
図9】(a)(b)は本発明に係るボトルキャップの滅菌・装着設備の実施例2を示し、(a)は側面部分縦断面図、(b)は(a)に示すA−A部拡大断面図である。
図10】(a)(b)は本発明に係るボトルキャップの滅菌・装着設備の実施例3を示し、(a)は側面部分縦断面図、(b)は側面部分断面図である。
図11】(a)〜(c)は本発明に係るボトルキャップの滅菌・装着設備の実施例4を示すボトルキャップと口頸部との嵌合状態を示す縦断面図で、(a)は嵌入前、(b)はフラップ部の折り込み状態、(c)は装着状態を示す。
図12】(a)〜(d)は本発明に係るボトルキャップの滅菌・装着設備の実施例4の他の実施例でボトルキャップの動作を説明する縦断面図で、(a)は押込ブロックに嵌入する前、(b)は押込ブロックへの嵌合状態、(c)は容器の口頸部への嵌入状態、(d)は容器の口頸部への嵌合状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
先に説明したボトルキャップと本発明に係るボトルキャップとは同一であるため、同一の符号を付して説明する。
合成樹脂製のボトルキャップBCは、一般的に、まず圧縮成形や射出成形により、図7(c)に示す未完ボトルキャップBCを形成する。この時、各フラップ部18は、成形型からの抜き出しのために、ボトルキャップBCのキャップ軸心O方向の外方に向かってそれぞれ傾斜されている。従来では、次いで、二次加工により、未完ボトルキャップBCのフラップ部18をその基端部で折り込んで、キャップ軸線O方向内方(天面12側)に向かって傾斜するように折り込むとともに、スカート部13の所定位置に、キャップ本体10と環状バンド部11を区画する破断用の弱化線15を周方向に沿って形成する。
【0030】
一方、容器BTは、図7(a)(b)に示すように、胴部上端にネック部21を介して突出された筒状の口頸部26の上端面に、口部22が開口される。この口頸部26の外周面には、口部22近傍から中間部にかけて雄ねじ螺条部23が突設され、この雄ねじ螺条部23に、ボトルキャップBCの雌ねじ螺条部17が螺合される。また口頸部26の基端部外周に、ボトルキャップBCの嵌入限となる鍔部24が全周にわたって突設され、さらにこの鍔部24の所定距離上方位置に、フラップ部18を係止して環状バンド部11を抜け止めする顎部25が全周にわたって突設されている。
【0031】
本発明は、二次加工に行われるフラップ部18の折り曲げ加工を、成形時に行わないで、図8(a)〜(f)に示すように、ボトルキャップBCの滅菌後で、口頸部26への装着前または装着時に行うことにより、電子線による滅菌を効果的に行うことを特徴としている。
【0032】
なお、ここで、ボトルキャップBCを、開口面14を下方から支持して搬送することがある場合、外方に向かって拡開されるフラップ部18の先端部が、環状バンド部11の開口面14と同じか、僅かに天面12側に後退している方が望ましい。
【0033】
次に図8を参照して、本発明に係る実施例1〜6の手順を簡単に説明する。
[実施例1]は、図1図2および図8(a)に示すように、複数のボトルキャップBCに一度に電子線を照射可能な大口径の射出口44Pを有する外面用電子線照射機44を使用してボトルキャップBCの外面を滅菌(STEP.11a)し、次いでボトルキャップBCの開口面14に嵌合可能な小径の射出口46Pを有するノズル部46Nを備えた内面滅菌用電子線照射装置46を使用して、ボトルキャップBCの内面を滅菌(STEP.11b)する滅菌工程(STEP.11)を行う。次いで、図6に示すフラップ折り込み用のポンチ(フラップ折り込み具)47PとボトルキャップBCを相対移動し、ポンチを環状バンド部11の開口面14に嵌入させて、フラップ部18を軸線O上の内方に折り込むフラップ折込工程(STEP.12)を行う。さらに、ボトルキャップBCを容器BTの口頸部26に装着するキャップ装着工程(STEP.13)を行うものである。
【0034】
[実施例2]は、図8(b)、図9に示すように、一度の照射で複数のボトルキャップBCを滅菌可能な大きい口径の射出口51Pを有する内面用電子線照射機51と、内面用電子線照射機51から照射される電子線の一部を、迂回させてボトルキャップBCの外面を滅菌する電子線迂回装置52により、ボトルキャップBCの内面と外面の滅菌を同時に行う滅菌工程(STEP.21)を行う。次いでフラップ部18を軸線O上の内方に折り込むフラップ折込工程(STEP.12)を行う。さらに、ボトルキャップBCを容器BTの口頸部26に装着するキャップ装着工程(STEP.13)を行うものである。
【0035】
[実施例3]は、図8(c)、図10に示すように、一度の照射で複数のボトルキャップBCを滅菌可能な大きい口径の射出口61P,62Pをそれぞれ有する内面用電子線照射機61および内面滅菌用電子線照射機62を使用して、ボトルキャップBCの外面と内面とを順次、電子線を照射して滅菌する滅菌工程(STEP.31)を行う。次いでフラップ部18を軸線O上の内方に折り込むフラップ折込工程(STEP.12)を行う。さらに、ボトルキャップBCを容器BTの口頸部26に装着するキャップ装着工程(STEP.13)を行うものである。
【0036】
図8(d)に示す[実施例4]は、[実施例1]におけるフラップ折込工程(STEP.12)とキャップ装着工程(STEP.13)を同時に行うフラップ折込・キャップ装着工程(STEP.32)を有するものである。
【0037】
図8(e)に示す[実施例5]は、[実施例2]におけるフラップ折込工程(STEP.12)とキャップ装着工程(STEP.13)とを同時に行うフラップ折込・キャップ装着工程(STEP.32)を有するものである。
【0038】
図8(f)に示す[実施例6]は、[実施例3]におけるフラップ折込工程(STEP.12)とキャップ装着工程(STEP.13)を同時に行うフラップ折込・キャップ装着工程(STEP.32)を有するものである。
【0039】
[実施例1]
以下、本発明に係るボトルキャップ滅菌・装着設備の実施例1を図1図7を参照に基づいて説明する。
【0040】
(全体構造)
図3に示すように、ボトル充填設備30は、充填用旋回テーブル31Tの外周部に容器BTを一定ピッチで保持し、これら容器BTが充填用旋回経路31Rに沿って搬送中に内容液を定量充填するロータリ式の充填装置31と、充填用旋回テーブル31Tから出口スターホイール32を介して排出される容器BTの口頸部26に、ボトルキャップBCを装着するキャッパー33と、このキャッパー33にボトルキャップBCを供給するキャップ供給ホイール34とを具備している。本発明に係るボトルCを供給するボトルキャップ滅菌・装着設備40は、ボトル充填設備のキャッパー33と、キャップ滅菌装置41と、により構成される。
【0041】
キャップ滅菌装置41は、図1図2に示すように、たとえば遠心式のキャップフィーダ42から1個ずつ送り出されたボトルキャップBCを、下流側下方に傾斜する直線状のキャップ搬送経路43Lに沿って順次搬送するキャップ搬送装置43と、このキャップ搬送経路43Lに沿って搬送されるボトルキャップBCの外面に、照射口44Pを介して下方から電子線を照射して滅菌する外面用電子線照射機44と、滅菌用旋回テーブル45Tに一定ピッチで設けられた保持位置に外面滅菌後のボトルキャップBCを受け取り、円形の滅菌用旋回経路45Rに沿って間欠的に搬送する滅菌用旋回搬送装置45と、この滅菌用搬送経路45Rの上方の複数位置に設置された内面用電子線照射機46と、加工用旋回テーブル47Tの外周部に一定ピッチで設けられた保持具に、外内面滅菌後のボトルキャップBCを受け取り、加工用旋回経路47Rに沿って搬送する途中で、折り込み用のポンチ47PによりボトルキャップBCのフラップ部18を内方に折り込むフラップ加工装置47と、フラップ加工装置47によりフラップ加工されたボトルキャップBCを、順次中間フィーダ49に排出する排出用ホイール装置48とを具備している。
【0042】
内面用電子線照射機46は、環状バンド部11の開口面14に挿入可能な外径のノズル部46Nが垂下され、このノズル部46Nの下端部に形成された照射口46Pが形成されている。そして、ノズル部46Nの下方にボトルキャップBCが停止されると、滅菌用旋回テーブル45Tを所定距離上昇させる(またはノズル部46Nを下降させる、あるいは滅菌用旋回テーブル45T上昇させ、かつノズル部46Nを下降させる)ことにより、図5に示すように、照射口46Pを環状バンド部11の開口面14の開口位置Sを挟んでU−Dの範囲で接近または挿入させ、ボトルキャップBCの内面を滅菌することができる。この時、フラップ部18の先端が照射口46Pに接近することから、電子線を小さい照射量で、環状バンド部11の内周面でフラップ部18より奥側も十分に電子線を照射して十分に滅菌することができる。
【0043】
フラップ加工装置47は、図4図6に示すように、加工用旋回テーブル47Tの外周部で一定ピッチごとに、開口面14を上向きにボトルキャップBCを保持するキャップ保持具47Cと、フラップ折り込み用のポンチ47Pと、中間ロッド47Lを介してポンチ47Pを昇降駆動する駆動シリンダ(駆動装置)47Sと、が設けられている。昇降自在に支持されたポンチ47Pは、環状バンド部11の開口面14に嵌入されることにより、開口面14でキャップ軸心O方向の外方に向かって広がる環状バンド部11のフラップ部18を、キャップ軸心O方向の内方に折り込むことができる。キャップ保持具47Cは、キャップ本体10の外周部に開閉自在に設けられて把持する本体保持部7Caと、本体把持部47Caの上面に取り付けられて、環状バンド部11の外周部を囲んで保持するバンド保持部(バンド部保持部)47Cbとが開閉自在に設置されており、弱化線15によりキャップ本体10との連結強度が低い環状バンド部11を、バンド部保持ブロック47Cbで保持することで、弱化線15部分の破断などのボトルキャップBCの損傷を未然に防止することができる。
【0044】
なお、フラップ部18が周方向に連続して連結されているような場合に、図6(a)に仮想線で示すように、ポンチ47Pの上部に回転用モータを介在させて、ポンチ47Pをその軸心周りに所定方向に回転させることもできる。
【0045】
(動作説明)
キャップフィーダ42からキャップ搬送装置43を介してキャップ滅菌装置41に搬入されたボトルキャップBCは、天面12が下方から支持される姿勢で、キャップ搬送装置43により搬送される。キャップ搬送経路43Lに沿って送られるボトルキャップBCは、滅菌工程(STEP.11)において、外面用電子線照射機44の照射口44Pから電子線が照射されて、ボトルキャップBCの天面12と外周面が滅菌される(STEP.11a)。
【0046】
次いで、キャップ搬送経路43Lの出口から排出された外面滅菌後のボトルキャップBCは、滅菌用旋回テーブル45Tの保持具に順次保持され滅菌用搬送経路に沿って、たとえば内面用電子線照射機46の設置基数ごとに間欠搬送される。そして、停止位置で滅菌用旋回テーブル45Tが上昇されて、各内面用電子線照射機46にそれぞれ対応するボトルキャップBCが、ノズル部46Nの照射口46Pに接近、または挿入され、ボトルキャップBCの内面が滅菌される(STEP.11b)。
【0047】
さらにフラップ折込工程(STEP.12)で、滅菌後のボトルキャップBCが中間搬送具を介して加工用旋回テーブル47のキャップ保持具47Cに順次搬入され、加工用旋回経路47Rに沿って搬送されるとともに、駆動シリンダ47Sによりフラップ折り込み用のポンチ47Pを下降させて、キャップ保持具47Cに保持されたボトルキャップBCの開口面14に嵌入させる。これにより、図6(a)に示すように、キャップ軸線O上の外方に向かって傾斜するフラップ部18を、図6(b)に示すように、フラップ折り込み用のポンチ47Pによりキャップ軸線O上の内方で天面12に向かって折り込む。
【0048】
フラップ加工装置47によりフラップ加工されたボトルキャップBCは、排出用ホイール装置48から中間フィーダ49を介してボトル充填設備30のキャップ供給ホイール34に送られ、キャップ供給ホイール34からキャッパー33に送られる。そしてキャップ装着工程(STEP.13)で、キャッパー33によりこれらボトルキャップBCを、充填後の容器BTの口頸部22に嵌め込まれる。
【0049】
(実施例の効果)
実施例1によれば、成形された時に二次加工をしないで、フラップ部18が、環状バンド部11の開口面14外方に向かって開放されたボトルキャップBCを使用し、キャップ搬送装置43によりキャップ搬送経路43Lに沿って搬送されるボトルキャップBCの天面12に向かって、外面用電子線照射機44から電子線を照射して外面を滅菌する。次いで内面用電子線照射機46のノズル部46Nの先端部に照射口46Pに、環状バンド部11の開口面14を接近または挿入して電子線を照射することにより、凹凸の多いボトルキャップBCの内面を効果的に滅菌することができる。
【0050】
また、滅菌後のボトルキャップBCを、フラップ加工装置47によりフラップ折り込み用のポンチ47Pを、環状バンド部11の開口面14に嵌合することにより、環状バンド部11の内周面からキャップ軸心Oの外方に拡開されたフラップ部18を、開口面14内方で天面12側に向かって折り込むので、キャッパー33によりボトルキャップBCを容器BTの口頸部22にスムーズに嵌合装着することができる。
【0051】
さらに、フラップ加工装置47では、ポンチ47Pを環状バンド部11の開口面14に嵌合する時に、キャップ保持具47Cのバンド部保持ブロック47Cbで、環状バンド部11の外周部を囲んで保持するので、弱化線15によりキャップ本体10との連結強度が弱い環状バンド部11を保護することができ、ボトルキャップBCの損傷を未然に防止することができる。
【0052】
[実施例2]
実施例2は、図8(b)に示すように、実施例1における滅菌工程(STEP.11)を、滅菌工程(STEP.21)に変更したもので、他の工程は実施例1と同じであるため、同一部材には同一符号を付して、説明を省略する。
【0053】
実施例2のキャップ滅菌装置50は、図9(a)(b)に示すように、一度の電子線照射で複数のボトルキャップBCを滅菌可能な大口径の照射口51Pを有する内面用電子線照射機51が、キャップ搬送経路43Lの上方に設置されている。この内面用電子線照射機51の下方にキャップ搬送経路43Lを挟んで電子線迂回装置52が設置される。この電子線迂回装置52は、内面用電子線照射機51から照射される電子線の一部を、迂回させてボトルキャップBCの天面12に照射し外面を滅菌するものである。電子線迂回装置52は、電子線の照射方向を曲げることができる磁界を形成するための複数または単数の磁界発生器(図示せず)を備えている。キャップ搬送経路43Lの出口は、フラップ加工装置47の加工用旋回テーブル47Tの入口に接続されている。
【0054】
上記キャップ滅菌装置50において、キャップ搬送装置43により、天面12を下方から支持されキャップ搬送経路43Lに沿って搬送されるボトルキャップBCに対して、内面用電子線照射機51の照射口51Pから電子線が照射され、ボトルキャップBCの内面が滅菌される。さらに電子線迂回装置52により照射口51Pから照射された電子線の一部が迂回されてボトルキャップBCの外面に照射され、ボトルキャップBCの外面が滅菌される。そしてキャップ搬送装置43の出口から排出される滅菌済みのボトルキャップBCは、フラップ加工装置47の加工用旋回テーブル47Tのキャップ保持具47Cに順次搬入される。
【0055】
上記実施例2によれば、外向きのフラップ部18を有するボトルキャップBCを電子線により滅菌する作用効果に加えて、1台の内面用電子線照射機51と電子線迂回装置52とを使用することにより、ボトルキャップBCの内面と外面とを同時に滅菌することができ、設備コストを削減することができる。
【0056】
[実施例3]
実施例3は、図8(c)に示すように、実施例1における滅菌工程(STEP.11)を、滅菌工程(STEP.31)に変更したもので、他の工程は実施例1と同じであるため、同一部材には同一符号を付して、説明を省略する。
【0057】
実施例2のキャップ滅菌装置60は、図9(a)(b)に示すように、一度の電子線照射で複数のボトルキャップBCを滅菌可能な大口径の照射口61Pを有する外面用電子線照射機61、および大径の照射口62Pを有する内面用電子線照射機62を具備している。外面用電子線照射機61は、天面12を下方から支持してボトルキャップBCを搬送するキャップ搬送経路43Lの上流側下方に設置され、照射口61Pから照射される電子線によりボトルキャップBCの外面を滅菌する。内面用電子線照射機62は、キャップ搬送経路43Lの下流側上方に設置され、照射口62Pから照射される電子線によりボトルキャップBCの内面を滅菌する。
【0058】
そしてキャップ搬送装置43の出口から排出される滅菌済みのボトルキャップBCは、フラップ加工装置47の加工用旋回テーブル47Tのキャップ保持具47Cに順次搬入される。
【0059】
実施例3によれば、外向きのフラップ部18を有するボトルキャップBCを電子線により滅菌する作用効果に加えて、略同一の外面用および内面用電子線照射機61,62を使用するができ、設備コストの削減や電子線制御の容易化に寄与することができる。
【0060】
[実施例4乃至6]
実施例4乃至6は、図8(d)に示すように、実施例1乃至3におけるフラップ折込工程(STEP.12)およびキャップ装着工程(STEP.13)を、フラップ折込・キャップ装着工程(STEP.32)に変更したものである。他の工程は実施例11乃至3と同じであるため、同一部材には同一符号を付して、説明を省略する。
【0061】
このフラップ折込・キャップ装着工程(STEP.32)は、キャップ装着時に、フラップ押し込み部材により、フラップ部18の内方への折り込みを行うもので、ここでは、図10に示すように、フラップ押し込み部材として、装着する容器BTで、口部26を形成する口頸部26の先端部が採用される。
【0062】
キャッパー33は、図示しないが、旋回テーブルの外周部に一定ピッチで設置された容器保持装置と、各容器保持装置の上方に配置されて、キャップ用チャック(キャップ把持装置)71を介して把持されたボトルキャップBCを回転させつつ容器BTの口頸部26に向かって下降させ、接近させて口頸部26に螺合させる装着用駆動装置がそれぞれ設けられている。
【0063】
またボトルキャップBCを容器BTの口頸部26に押し込む時に、フラップ部18を折り込む時に環状バンド部11に発生する外方への拡開力を保持するために、キャップ本体10の外周部を把持するキャップ用チャック71に、環状バンド部11の外周部を囲むバンド把持部72が設けられている。
【0064】
フラップ折込・キャップ装着工程(STEP.32)において、キャッパー33のキャップ用チャック71に把持されたボトルキャップBCを、容器BTの口頸部26に嵌入させて環状バンド部11の開口面14に嵌め込むことで、図10(b)に示すように、口頸部26先端部により、フラップ部18をキャップ軸心O内方で天面12側に折り込み、さらにボトルキャップBCを口頸部26に外嵌させる。
【0065】
上記構成によれば、実施例1乃至3におけるフラップ折込工程(STEP.12)を削除して、フラップ部18の折り込みを、ボトルキャップBCを容器BTの口頸部26に装着するキャップ装着工程で同時に行うことができ、フラップ加工装置47が不要となり、設備コストの削減に寄与することができる。
【0066】
なお、フラップ押し込み部材として、図11に示すように、容器BTの口頸部26に替えて、押込用ブロック81を使用することもできる。すなわち、ボトルキャップBCを、容器BTの口頸部26に嵌合させる直前に、キャップ用チャック71に把持されたボトルキャップBCの下方に対向して押込用ブロック81を配置し、ボトルキャップBCを下降、または回転と共に下降させてフラップ部18をキャップ軸心O内方で天面12側に折り込んだ後、ボトルキャップBCを一旦上昇させて押込用ブロック81を後退させる。そして、再度ボトルキャップBCを下降させて、容器BTの口頸部26に嵌合させる。
【0067】
したがって、押し込み用ブロック81を使用することにより、キャッパー33での動作が増えるものの、フラップ部18を内方に折り込んでいるので、ボトルキャップBCをスムーズに容器BTの口頸部26に装着することができる。
【符号の説明】
【0068】
BT 容器
BC ボトルキャップ
O キャップ軸心
10 キャップ本体
11 環状バンド部
12 天面
13 スカート部
14 開口面
15 弱化線
16 内シール部
17 雌ねじ螺条部
18 フラップ部
21 ネック部
22 口部
25 顎部
26 口頸部
33 キャッパー
41 キャップ滅菌装置
43 キャップ搬送装置
43L キャップ搬送経路
44 外面用電子線照射機
45 滅菌用旋回搬送装置
46 内面用電子線照射機
46N ノズル部
46P 照射口
47 フラップ加工装置
47R 加工用旋回経路
47P ポンチ
47S 駆動シリンダ
47C キャップ保持具
47Ca 本体保持部
47Cb バンド保持部
51 内面用電子線照射装置
51P 照射口
52 電子線迂回装置
60 キャップ滅菌装置
61 外面用電子線滅菌装置
62 内面用電子線滅菌装置
71 キャップ用チャック
72 バンド把持部
81 押込用ブロック
図1
図2
図3
図4
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図5