(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029587
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】高電圧エネルギーハーベスティング及び変換再生可能エネルギー公益事業規模電力システム、及び該システムのための視覚監視及び制御システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
H02J3/38 130
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-532919(P2013-532919)
(86)(22)【出願日】2011年10月5日
(65)【公表番号】特表2013-541930(P2013-541930A)
(43)【公表日】2013年11月14日
(86)【国際出願番号】US2011054943
(87)【国際公開番号】WO2012048012
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2014年10月2日
(31)【優先権主張番号】61/485,384
(32)【優先日】2011年5月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/389,816
(32)【優先日】2010年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512117270
【氏名又は名称】アレンコン・アクイジション・カンパニー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オーレグ・エス・フィッシュマン
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ・ケイ・ダブリュー・シュワベ
【審査官】
安井 雅史
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3154942(JP,U)
【文献】
特表2010−512139(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0133911(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0192510(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0283129(US,A1)
【文献】
特表2008−500797(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02104216(EP,A1)
【文献】
特開2000−287387(JP,A)
【文献】
特表2006−522492(JP,A)
【文献】
特開平04−121070(JP,A)
【文献】
特開2004−343937(JP,A)
【文献】
特開2010−183734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00− 5/00
13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生可能エネルギー公益事業規模電力システムであって、
高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークを備え、
該高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークは、
複数列の光電池モジュールにして、各光電池モジュールがDC出力部を有する複数列の光電池モジュールと、
複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機にして、各太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機が、前記複数列の光電池モジュールの少なくとも1つのDC出力部に接続する少なくとも1列の太陽エネルギーオプティマイザ入力部を有し、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機各々が、プラスDCリンク及びマイナスDCリンクを有するDCリンクに接続する共通出力部を基準とするプラス高電圧DC出力部及びマイナス高電圧DC出力部を有し、前記プラス高電圧DC出力部が前記プラスDCリンクに接続し、前記マイナス高電圧DC出力部が前記マイナスDCリンクに接続し、前記共通出力部が前記DCリンクの共通部に接続し、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機各々が、可変周波数制御共鳴インバータを持つ少なくとも一つのDC−DCコンバータを有し、前記可変周波数制御共鳴インバータが、前記DC出力部に接続する共鳴インバータ入力部と、絶縁変圧器により整流器の入力部に接続する共鳴インバータ出力部とを有し、前記整流器が、プラス整流出力部及びマイナス整流出力部に接続する出力部を有し、前記プラス整流出力部及びマイナス整流出力部が前記DCリンクに接続する複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機と、
複数のグリッドインバータパッケージモジュールを有する中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムにして、前記複数のグリッドインバータパッケージモジュール各々が、前記DCリンクに接続する入力部を有する中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムとを備える再生可能エネルギー公益事業規模電力システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つのDC−DCコンバータ各々は、
4つのDC−DCコンバータにして、該4つのDC−DCコンバータが第1DC−DCコンバータ別個組及び第2DC−DCコンバータ別個組を備え、該4つのDC−DCコンバータ各々は、前記少なくとも1列の太陽エネルギーオプティマイザ入力部各々に接続される光電池列インバータ入力部と、プラス整流出力部及びマイナス整流出力部とを有し、前記第1DC−DCコンバータ別個組が前記プラスDCリンクに並列に接続される前記プラス整流出力部を有し、前記第2DC−DCコンバータ別個組は前記マイナスDCリンクに並列に接続されるマイナス整流出力部を有し、前記第1DC−DCコンバータ別個組の前記マイナス整流出力部と第2DC−DCコンバータ別個組のプラス整流出力部はDCリンクの前記共通部に共に共通に接続される4つのDC−DCコンバータと、
前記4つのDC−DCコンバータ各々の光電池列インバータ入力部における光電池列インバータ入力電圧及び光電池列インバータ入力電流を検出及び監視するため、及び、前記4つのDC−DCコンバータ各々を最大電力点へと制御するためのプロセッサと、
前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機からの複数の高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークデータ、及び複数の中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムデータの送信及び受信のためのアンテナに接続されるトランシーバとを備える請求項1の再生可能エネルギー公益事業規模電力システム。
【請求項3】
前記DCリンクは、
複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バスにして、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バス各々が前記プラス高電圧DC出力部と、前記マイナス高電圧DC出力部と、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機から選択された別個の複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機の共通出力部とを有する複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バスと、
複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機垂直バスにして、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バス各々が前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機垂直バスの別個の一つに接続される複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機垂直バスとを備え、
前記再生可能エネルギー公益事業規模電力システムは、中央制御システムを更に備え、該中央制御システムは、
前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バスに接続された前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機及び前記複数のグリッドインバータパッケージモジュール間で、複数の高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークデータを通信するための手段と、
複数の高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークデータ及び複数の中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムデータを送信及び受信するための手段とを備える請求項1の再生可能エネルギー公益事業規模電力システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記可変周波数制御共鳴インバータの動作周波数を変えることにより、前記4つのDC−DCコンバータ各々を最大電力点へと制御する請求項2の再生可能エネルギー公益事業規模電力システム。
【請求項5】
高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークを備える公益事業規模再生可能エネルギーシステムからの再生可能エネルギーを取り入れ、変換し、監視し、かつ制御する方法であって、
前記高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークは、複数列の光電池モジュールにして、該複数列の光電池モジュール各々が収集器DC出力部を有する複数列の光電池モジュールと、複数のグリッドインバータパッケージモジュールを有する中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムとを備え、
前記方法は、前記高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワーク内に分散する複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機により、前記複数列の太陽電池モジュールの収集器DC出力を最大電力点へと最適化する工程にして、該複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機各々が、プラスDCリンク及びマイナスDCリンクを有するDCリンクに接続される共通出力部を基準とするプラス高電圧DC出力部及びマイナス高電圧DC出力部を有し、前記プラス高電圧DC出力部が前記プラスDCリンクに接続され、前記マイナス高電圧DC出力部が前記マイナスDCリンクに接続され、前記共通出力部が前記DCリンクの共通部に接続され、太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機各々が、可変周波数制御共鳴インバータを持つ少なくとも一つのDC−DCコンバータを有し、前記可変周波数制御共鳴インバータが、収集器DC出力部の少なくとも一つに接続される共鳴インバータ入力部と、絶縁変圧器により整流器の出力部に接続される共鳴インバータ出力部とを有し、前記整流器が、プラス整流出力部及びマイナス整流出力部に接続される出力部を有し、前記プラス整流出力部及びマイナス整流出力部がDC出力部により前記DCリンクに接続される該工程と、
前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機の前記DC出力部をDCリンクにより中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムに接続する工程とを含む方法。
【請求項6】
再生可能エネルギー公益事業規模電力システムであって、
高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークを備え、
該高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークは、
複数列の光電池モジュールにして、各光電池モジュールが列DC出力部を有する複数列の光電池モジュールと、
複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機にして、各太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機が、前記複数列の光電池モジュールの少なくとも1つの列DC出力部に接続する少なくとも1列の太陽エネルギーオプティマイザ入力部を有し、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機各々が、プラスDCリンク及びマイナスDCリンクを有するDCリンクに接続する共通出力部を基準とするプラス高電圧DC出力部及びマイナス高電圧DC出力部を有し、前記プラス高電圧DC出力部が前記プラスDCリンクに接続し、前記マイナス高電圧DC出力部が前記マイナスDCリンクに接続し、前記共通出力部が前記DCリンクの共通部に接続し、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機各々が、可変周波数制御共鳴インバータを持つ少なくとも一つのDC−DCコンバータを有し、前記可変周波数制御共鳴インバータが、前記列DC出力部に接続する共鳴インバータ入力部と、絶縁変圧器により整流器の入力部に接続する共鳴インバータ出力部とを有し、前記整流器が、前記DCリンクに接続される高電圧DC出力部に対するプラス整流出力部に接続される出力部を有する複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機とを備え、
前記DCリンクは、
複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バスにして、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バス各々が前記プラス高電圧DC出力部と、前記マイナス高電圧DC出力部と、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機から選択された別個の複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機の共通出力部とを有する複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バスと、
複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機垂直バスにして、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バス各々が前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機垂直バスの別個の一つに接続される複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機垂直バスとを備え、
該再生可能エネルギー公益事業規模電力システムは、
複数のグリッドインバータパッケージモジュールを有する中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムにして、前記複数のグリッドインバータパッケージモジュール各々が、前記DCリンクに対する入力部を有する中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムと、
前記高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークと、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バスに接続される前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機と、前記中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムとを監視及び制御するためのバーチャル投入監視システム及び中央制御システムとを備える再生可能エネルギー公益事業規模電力システム。
【請求項7】
前記複数列の光電池モジュール各々は複数の太陽電池モジュールを備え、
前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機各々は、
4つのDC−DCコンバータにして、該4つのDC−DCコンバータが第1DC−DCコンバータ別個組及び第2DC−DCコンバータ別個組を備え、該4つのDC−DCコンバータ各々は、前記少なくとも1列の太陽エネルギーオプティマイザ入力部に接続される光電池列インバータ入力部と、プラス整流出力部及びマイナス整流出力部とを有し、前記第1DC−DCコンバータ別個組は前記プラスDCリンクに並列に接続される前記プラス整流出力部を有し、前記第2DC−DCコンバータ別個組は前記マイナスDCリンクに並列に接続されるマイナス整流出力部を有し、前記第1DC−DCコンバータ別個組の前記マイナス整流出力部と第2DC−DCコンバータ別個組のプラス整流出力部がDCリンクの前記共通部に共に共通に接続される4つのDC−DCコンバータと、
前記4つのDC−DCコンバータ各々の光電池列インバータ入力部における光電池列インバータ入力電圧及び光電池列インバータ入力電流を検出及び監視するため、及び、前記4つのDC−DCコンバータ各々を最大電力点へと制御するためのプロセッサと、
前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機からの複数の高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークデータ、及び、複数の中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムデータの、前記バーチャル投入監視システム及び中央制御システムへの及びからの送信及び受信のためのアンテナに接続されるトランシーバとを備える請求項6の再生可能エネルギー公益事業規模電力システム。
【請求項8】
前記中央制御システムは、
前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機及び前記複数のグリッドインバータパッケージモジュール間で通信するための手段と、
複数の高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークデータ及び複数の中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムデータを送信及び受信するための手段と、
前記バーチャル投入監視システムと通信するための手段とを備える請求項6の再生可能エネルギー公益事業規模電力システム。
【請求項9】
前記バーチャル投入監視システムは、バーチャル投入設備ウォッチドッグコンピュータシステムを備え、
該バーチャル投入設備ウォッチドッグコンピュータシステムは、
複数の高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークデータ及び複数の中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムデータを収集するため;
3次元視覚型バーチャルリアリティディスプレイ環境における前記複数の高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークデータ及び前記複数の中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムデータの視覚表示のため;及び、
前記複数列の光電池モジュールの利用可能な照射に基づく高電圧電気グリッドへの投入のための高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークからの電力出力を予測するため、のものである請求項6の再生可能エネルギー公益事業規模電力システム。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記可変周波数制御共鳴インバータの動作周波数を変えることにより、前記4つのDC−DCコンバータ各々を最大電力点へと制御する請求項7の再生可能エネルギー公益事業規模電力システム。
【請求項11】
高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークを備える公益事業規模再生可能エネルギーシステムからの再生可能エネルギーを取り入れ、変換し、監視し、かつ制御する方法であって、
前記高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークは、複数列の光電池モジュールにして、該複数列の光電池モジュール各々が列DC出力部を有する複数列の光電池モジュールと、
複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機にして、各太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機が、前記複数列の光電池モジュールの少なくとも1つの前記列DC出力部に接続する少なくとも1列の電力オプティマイザ入力部を有し、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機各々が、プラスDCリンク及びマイナスDCリンクを有するDCリンクに接続する共通出力部を基準とするプラス高電圧DC出力部及びマイナス高電圧DC出力部を有し、前記プラス高電圧DC出力部が前記プラスDCリンクに接続し、前記マイナス高電圧DC出力部が前記マイナスDCリンクに接続し、前記共通出力部が前記DCリンクの共通部に接続し、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機各々が、可変周波数制御共鳴インバータを持つ少なくとも一つのDC−DCコンバータを有し、前記可変周波数制御共鳴インバータが、前記列DC出力部に接続する共鳴インバータ入力部と、絶縁変圧器により整流器の入力部に接続する共鳴インバータ出力部とを有し、前記整流器が、プラス整流出力部及びマイナス整流出力部に接続する出力部を有し、前記プラス整流出力部及びマイナス整流出力部がDCリンクに接続する高電圧DC出力部を有する複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機とを備え、
前記DCリンクは、
複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バスにして、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バス各々が前記プラス高電圧DC出力部と、前記マイナス高電圧DC出力部と、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機から選択された別個の複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機の共通出力部とを有する複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バスと、
複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機垂直バスにして、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バス各々が前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機垂直バスの別個の一つに接続される複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機垂直バスとを備え、
前記高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークは、複数のグリッドインバータパッケージモジュールを有する中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムを備え、
該方法は、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機が前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機水平バスに接続される3次元視覚型バーチャルリアリティディスプレイ環境において前記高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークを視覚投入監視する工程と、
前記3次元視覚型バーチャルリアリティディスプレイ環境と通信する、高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワーク及び中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムを中央制御する工程とを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
この出願は、2010年10月5日付け出願の米国仮出願第61/389,816号、及び2011年5月12日付け出願の米国仮出願第61/485,384号の利益を主張する。各出願は参照によりその全体がここに組み込まれる。
【0002】
本発明の分野
本発明は、一般に、再生可能エネルギー公益事業規模電力システムに関し、特に、高電圧エネルギーハーベスティング及び変換再生可能エネルギー収集及び変換システム、及び該システムのための視覚監視及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で用いる用語「再生可能エネルギー電力システム」は、ソーラーファームもしくは発電所を形成するために多数の相互接続した光電池(光起電性)モジュールを利用するか、又は、ウィンドファームもしくは発電所を形成するために多数の相互接続された風力タービン発電機を利用する公益事業規模(もしくは商用規模)(utility size)電力システムを意味する。
【0004】
公益事業規模(5〜100メガワット(MW
e)出力能力の範囲)太陽光発電システムは、太陽電池モジュール等の多数の太陽光発電集熱器を備える。これらは、DC電力を連語DC―ACインバータに供給し、該インバータはDC電力をAC電力に変換する。
【0005】
公益事業規模風力発電システムは、多数の電気的に相互接続された風力タービン発電機を備える。風力タービン駆動発電機組立体は、発電機に適切に接続される出力軸を有する風力タービンであり得る。種々のタイプの発電機システムが風力タービンに接続され得る。1つのそのようなシステムは、タイプ4業界指定風力タービン発電機電力システムとして知られている。該システムにおける上記発電機は、DC−ACインバータに供給される整流出力DCリンクを有する整流器に供給される可変周波数可変電圧出力を有する同期永久磁石発電機である。該インバータ出力電流は、次いで、線路変圧器を通じて変換され、該線路変圧器はインバータ出力電圧レベルをグリッド(格子/送電網)電圧レベルに変換する。
【0006】
太陽又は風力再生可能エネルギー公益事業規模電力システムのいずれに対しても、該電力システム構成要素は、慣用の住宅向きの又は商用規模の発電所よりも著しく広域にわたって展開され、そのため、電力システムの物理的視覚化及び制御を、慣用規模の発電所に使用される一般的な1ライン中央制御ボードの物理的視覚化及び制御の域を超える挑戦的なものにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムと組み合わされた高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークのための監視及び制御システムを提供することが本発明の1つの目的である。ここで、再生可能エネルギーハーベスティングは、ハーベスティングネットワーク内で最適に電力配分される。
【0008】
中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステム及び公益事業規模再生可能エネルギーシステムのための視覚監視及び制御システムと組み合わされた高電圧エネルギーハーベスティングを提供することが本発明の別の目的である。
【0009】
再生可能エネルギー公益事業規模電力システムのための電力の収集、変換、監視及び制御システムを提供することが本発明の別の目的である。再生可能エネルギー公益事業規模電力システムは、該電力システムのオペレータによる該電力システムの中央集中型の入力及び出力制御及び監視のための3次元視覚型バーチャルリアリティディスプレイ環境を含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1側面において、本発明は、再生可能エネルギー公益事業規模電力システムである。該システムは、高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワーク及び中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムを有する。該高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークは、各列がDC出力部を有する複数列の再生可能エネルギー収集器と、該ハーベスティングネットワークの全体にわたって分散された複数の再生可能エネルギ電力オプティマイザとを有する。各再生可能エネルギー電力オプティマイザは、複数列の再生可能エネルギー収集器の少なくとも1つのDC出力部に接続される少なくとも1列のエネルギー収集器列電力オプティマイザ入力部を有する。複数の再生可能エネルギー電力オプティマイザ及び送信機各々は、DCリンクに接続される高電圧DC出力部を有する。中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムは、DCリンクに接続され、また、高電圧電気グリッド(配電網)に接続可能な複数のグリッドインバータパッケージモジュールを有する。
【0011】
別の側面において、本発明は、再生可能エネルギー公益事業規模電力システムである。該システムは、高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークと、中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムと、高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワーク及び中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムを監視及び制御するためのバーチャル投入監視システム及び中央制御システムとを有する。高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークは、各列がDC出力部を有する複数列の再生可能エネルギー収集器と、複数の再生可能エネルギー電力オプティマイザ及び送信機とを有する。前記複数の再生可能エネルギー電力オプティマイザ及び送信機各々は、複数列の再生可能エネルギー収集器の少なくとも1つのDC出力部に接続される少なくとも1列の電力オプティマイザ入力部を有する。前記複数の再生可能エネルギー電力オプティマイザ及び送信機各々は、DCリンクに接続される高電圧DC出力部を有する。グリッド同期多相調整電流源インバータシステムは、DCリンクに接続され、複数のグリッドインバータパッケージモジュールを有する。
【0012】
別の側面において、本発明は、公益事業規模再生可能エネルギーシステムからの再生可能エネルギーを取り入れ、変換し、監視し、かつ制御する方法である。該再生可能エネルギーシステムは、高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークを含む。ハーベスティングネットワークは、各列がDC出力部を有する複数列の再生可能エネルギー収集器を含む。ハーベスティングネットワークはまた、複数の再生可能エネルギー電力オプティマイザ及び送信機を含む。前記複数の再生可能エネルギー電力オプティマイザ及び送信機各々は、前記複数列の再生可能エネルギー収集器の少なくとも1つのDC出力部に接続される少なくとも1列の電力オプティマイザ入力部を有する。前記複数の再生可能エネルギー電力オプティマイザ及び送信機各々は、DCリンクに接続される高電圧DCを有する。再生可能エネルギーシステムはまた、中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムを含む。中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムは、DCリンクに接続され、また、複数のグリッドインバータパッケージモジュールを有する。本発明において、高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワークのバーチャル投入監視は、3次元視覚型バーチャルリアリティディスプレイ環境で実行される。高電圧再生可能エネルギーハーベスティングネットワーク及び中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムは、3次元視覚型バーチャルリアリティディスプレイ環境と通信して中央集中により制御される。
【0013】
本発明の上記及び他の側面が本明細書及び特許請求の範囲に更に記述される。
【0014】
本発明を例示する目的で、現在好ましい形態が図面が示される。しかしながら、この発明は図示のまさにその構成及び手段に限定されないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、太陽エネルギーの収集及び変換のための再生可能エネルギー公益事業規模電力システム、及び該電力システムのための本発明の監視及び制御システムの1例の簡易化した1ラインブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明のいくつかの例で利用される太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機の1例の図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機に利用可能な共鳴DC−DCコンバータの1例の図である。
【
図4】
図4は、DC−DCコンバータの入力に接続される光電池列電圧が低い場合の、
図3に示す共鳴DC−DCコンバータの共鳴付近のインバータ電流の波形を例示する。
【
図5】
図5は、DC−DCコンバータの入力に接続される光電池列電圧が高い場合の、
図3に示す共鳴DC−DCコンバータの非共鳴のインバータ電流の波形を例示する。
【
図6】
図6は、ソーラーファームの太陽電池モジュールと本発明に利用される太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機との間の相互接続の1例である。
【
図7】
図7は、本発明の3次元視覚型バーチャルリアリティディスプレイ環境における1つの3次元視覚表示フレームの簡易化した白黒表現である。
【
図8】
図8は、風力エネルギーの収集及び変換のための再生可能エネルギー公益事業規模電力システム、及び該電力システムのための本発明の監視及び制御システムの1例の簡易化した1ラインブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、太陽エネルギーの収集及び変換のための再生可能エネルギー公益事業規模電力システム、及び該電力システムのための本発明の監視及び制御システムの1例の簡易化したワンライン(単線結線)ブロック図である。この例において、高電圧太陽光発電エネルギー収集(「ハーベスティング」ともいう)ネットワーク12と、中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステム14と、随意バーチャル投入監視及び制御システム16とが存在する。昇圧器18は、グリッドインバータパッケージ(GrIP)モジュール14a−14dにおけるインバータの出力を、高電圧配電気グリッドから電気的に絶縁させる。
【0017】
随意高電圧太陽光発電エネルギーハーベスティングネットワーク及び中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムは、米国特許出願第12/542,891(公開第2009/0302686号として公開)に更に記述される。この出願は、参照によりその全体がここに組み込まれる。
【0018】
バーチャル投入監視及び制御システムは、バーチャル投入設備ウォッチドッグ(VIEW)モジュール16aと中央制御モジュール16bとを備える。
【0019】
図1の高電圧太陽光発電エネルギー収集ネットワーク12のいくつかの例で利用される太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機(SPOT)の1例が
図2に示される。
図2のSPOT20は、複数(この例では4つ)のDC−DCコンバータ20aと、プロセッサ20b(この例ではマイクロプロセッサ(μP)として表される)と、トランシーバ20c(この例では、送信及び受信アンテナ20c’を有する無線周波数(RF)トランシーバとして表される)とを備える。
【0020】
図2の4つのDC−DCコンバータは、可変光電池「列」電圧及び電流を並列固定高電圧(例えば1,250ボルトDC)に変換する。この例において、
図2に示すように、コンバータのうちの2つのプラス(+)出力が並列に共に接続され、他の2つのコンバータのマイナス(−)出力が並列に共に接続され、共通(ニュートラル)回路を形成する。該4つのコンバータの残りの4つの出力は、
図2に示すように一般に共に接続される。
コンバータの並列のプラス及びマイナス出力は、DCリンク(
図1及び
図2におけるDCリンクバス22として特定される)に直列で高DC電圧にて(例えば2.5 kV DC)で接続される(締め付けられる)。該高DC電圧は各DC−DCコンバータの出力電圧(例えば1.25kV DC)の2倍である。
図1のワンラインダイアグラムを再び参照して、複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機(
図2に示す)が複数の太陽光電池モジュール30に接続され得る。
【0021】
図3は、
図2に示す太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機20で利用可能なDC−DCコンバータの概略的な1例である。各DC−DCコンバータは、2つの区域からなる。すなわち、直列共鳴フルブリッジインバータ20a’と組合わせ出力フィルタ及び整流器区域20a”である。これらは、高周波(10kHz〜20kHzの範囲)変圧器Txを介して互いに絶縁される。端子1及び2での入力光電池列源から引き込まれる電力は、インバータの動作周波数によって変化する。入力電流(Idc)及び電圧(E)は、
図2におけるプロセッサ20bにより測定される。該プロセッサは、DC−DCコンバータが最大電力点値で動作するようにインバータの動作周波数を調整する。該コンバータの入力インバータの動作周波数は、共鳴付近で変化する。該共鳴は、直列共鳴ループを形成する
図3におけるインダクタLタンク及びコンデンサCタンクの値により定義される。周波数が共鳴点に近付くにつれ、インバータは、入力光電池列からより多くの電流を引き込み、光電池列電圧を低下させる。下記に更に記述されるように、プロセッサ20bの機能の1つは、光電池列電圧及び電流の数学的積を最大電力点値に保つことである。
図4は、入力光電池列電圧がロー(低)あり得る場合の共鳴付近のインバータ出力電流を例示する。
図5は、光電池列電圧がハイ(高)であり得る場合のインバータ電流非共鳴を例示する。
【0022】
プロセッサ20bは、各DC−DCコンバータ20aに対する入力部で列電圧及び電流を感知するI/O素子と通信するマイクロプロセッサであり得る。該プロセッサは、各コンバータの入力部で列電圧及び電流を監視し、また、最大電力点追跡(MPPT)アルゴリズムのためのコンピュータコードを実行することにより、各太陽光発電モジュール列から最大電力を取り入れるように各コンバータの動作を制御する。例えば、該アルゴリズムは、「ディスターブ及びオブザーブ」サブルーチンを含み得、これにより、DC−DCコンバータの動作周波数が少量だけ変化する。MPPTアルゴリズムは、取り入れられた電力が周波数の乱れにより増加したか低下したかを決定する。
【0023】
トランシーバ20cは、本発明の特定の例で使用される場合、電力システムデータをバーチャル投入監視及び制御システムに送信する。該電力システムデータは、次のものを含む。すなわち、列電圧の大きさ(電圧振幅)、列電流の大きさ(強さ)、列電力の大きさ、SPOT出力電流の大きさ、SPOT動作温度、及びSPOT動作状態データ、例えば、入力光電池列のすべてからの完全最大出力電力で、又は入力光電池列の少なくともいくつかからの限定された最大入力電力でSPOTが動作しているか否か等である。トランシーバ20cは、電力システムデータを受信し、該データは、電力システム限定コマンドデータ及び電力システムON又はOFF状態又は制御を含むことができる。電力システムON又はOFF状態は、例えば、特定のDC−DCコンバータが作動的発振状態(電力システムON)にあるか否かを検出することにより、決定され得る。遠隔電力システムON又はOFFコマンド(中央制御モジュール)は、SPOTのメンテナンスを助長するために使用され得る。トランシーバ20cが送信及び受信する1つの方法は、メッシュ無線システムを介することである。
【0024】
図2に示す太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機を利用する本発明の例において、各光電池列31は、20〜25光電池モジュールを備えることができる。各列の出力は、日照、遮光変化、環境悪化等の太陽エネルギーシステムパラメータにより、一般に1〜10アンペアDC(400〜1,000ボルトDCにおいて)である。4列入力での各SPOTに対する最大ほぼ25,000ワットに対し、ほぼ200〜6,250「ワット/入力列」を生み出すため、
図2に示すように、4つの太陽電池モジュール列のクラスター(房)が単一のSPOTに接続され得る。
【0025】
本発明の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機を利用する再生可能エネルギー公益事業規模電力システムを相互接続する1例が
図6に例示される。太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機の最大数、例えば20は、
図6に示す各SPOT「水平」バス21a、21b、21c...21xを共有することができる。例えば、SPOT水平バス21aは、該バスに接続された20の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機21a
1〜21a
20を有する。これらの相互接続された20の太陽エネルギーオプティマイザ及び通信機と、これら20の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機に接続された光電池モジュールは、光電池エネルギーハーべスティングアレイ21を構成する。該アレイ21は、
図1に図式的に例示される高電圧光電池エネルギー収集ネットワーク12の1区域を表し、太陽放射から最大500kWを生み出すことができる。光電池エネルギーハーベスティングアレイ21は、アレイ21の20の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機各々に接続される4(光電池)列の光電池モジュールを備え得る。各光電池列は、直列に接続されたほぼ20〜25の光電池モジュールからなる。4光電池列の光電池モジュールの組合せは、ほぼ80〜100モジュールからなる光電池「クラスター(房)」として特定され得る。そのため、アレイ21における20の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機により、総計1,600〜2,000の光電池モジュールがSPOT水平バス21aに接続される。SPOT水平バス21b...21x(ここでxは、光電池収集ネットワーク23を構成する最後のバス及びアレイを表す変数である。)を含む他の光電池エネルギーハーベスティングアレイ各々も、太陽放射から最大500kWを生み出すことができる。これら他のアレイの太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機に接続される光電池列は
図6には示されない。各SPOT水平バスはそれぞれ、SPOT「垂直」バス(
図6において26a、26b、26c、...26x)に接続され、これらバスは次いで、中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステム14におけるグリッドインバータパッケージモジュール(14a、14b、14c及び14d)に接続される。この実施構成は、太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機の各1つに接続される光電池モジュールのアレイが供給する最大10アンペアDCに基づいて、SPOT垂直バス各々を形成する導体の寸法を、200アンペアDCの最大電流容量に限定する。
【0026】
図1の中央制御モジュール16bは、前記複数の太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機、中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステムの前記インバータモジュール間で通信するための回路構成を備える。該回路構成は、電力システムデータを送信及び受信するためのものでもある。該電力システムデータの送受信は、例えば、各SPOTから送信されたデータを集めること;好ましくは、セキュアイーサネット(登録商標)等のセキュアデータリンク17(
図1に破線で示す)により、グリッドインバータパッケージモジュール14a〜14dと通信すること;本発明の特定の例で使用される場合、例えばVIEWコンピュータシステムを介して3次元視覚型バーチャルリアリティディスプレイ環境と通信すること;中央インバータシステムから高電圧(HV)電気グリッド(配電網)へと投入された高電圧電気グリッド電圧を監視すること;ハーベスティング12システムと変換14システム間のDCリンク22における電圧を監視すること;各グリッドインバータパッケージモジュールに配送されたセットDC入力電流の大きさを制御すること、ここで、該セットDC入力電流の大きさは、ハーベスティング12システムにより生じた電流の供給と変換14システムによる需要とを整合させるように設定される;及び、前記グリッドに投入されたAC電流の位相をACグリッド電圧の位相に対して制御すること、等である。
【0027】
本発明の1実施形態において、エネルギー変換システム14は、複数のグリッドインバータパッケージモジュールを備える。4つのグリッドインバータパッケージモジュール14a〜14dが
図1及び6のシステム例に示されるが、一般には、グリッドインバータパッケージモジュールの総計は、本発の他のシステムにおいて3〜40の範囲である。グリッドインバータパッケージモジュールは、以下のための回路構成を含む。すなわち、グリッドインバータパッケージ定格電力(
図1の例では2,500kW)をDCからACに変換すること;グリッドインバータパッケージ動作パラメータを、中央制御モジュール及び3次元視覚型ディスプレイ環境(例えば、VIEWコンピュータ)に送信(報告)すること;及び、中央制御モジュールから動作パラメータ、例えば、先の欄に記述したようなセットDC入力電流の大きさの設定値及びグリッドインバータパッケージの出力位相角等を受信すること、である。送信された動作パラメータは、次のものを含むことができる。すなわちグリッドインバータパッケージモジュールへのDC入力電流;グリッドインバータパッケージモジュールからのAC出力位相電流;グリッドインバータパッケージモジュールからのAC出力位相電圧;グリッドインバータパッケージモジュールからのAC出力電力;グリッドインバータパッケージモジュールからの出力周波数;グリッドインバータパッケージモジュール冷却サブシステムにおける冷却液(使用される場合)の温度;及び、選択されたグリッドインバータパッケージ回路構成要素温度、である。
【0028】
本発明の1例において、バーチャル投入監視システムは、VIEWコンピュータシステムを備える3次元視覚型バーチャルリアリティディスプレイ環境である。VIEWコンピュータシステムは、ハーベスティングシステム情報を収集し;該収集したハーベスティング情報を、更に後述するように3次元バーチャルリアリティを用いて提示し;かつ、太陽エネルギー再生可能電力システムに対する利用可能な列照射に基づいてグリッドに投入するための電力出力を予測する。
【0029】
本発明のバーチャル投入監視システムのキー要素は
図7に例示され、これは、VIEWコンピュータ視覚表示ユニットにおける高電圧太陽光エネルギー収集ネットワークの部分的表示の3次元画像の簡易化した白黒例示である。この例示において、光電池列を構成する光電池モジュール30は、据え付けられた動的外部環境(例えば、動的リアルタイム雲濃淡の構成要素を含む)に対し視覚化(可視化)される。SPOT20の入力部に接続された光電池列からの導体91とSPOT20の出力部が接続されるDCリンク22と共に、SPOT20の相対的位置が示される。各SPOTは、エンクロージャに封入され得る。エンクロージャはほぼ12x12x6インチ(304.8x304.8x152.4mm)であり、
図7に示すようにエンクロージャの上面に光電池列に対する4つの接続点があり、また、
図7に示すように該SPOTエンクロージャの側面のいずれか又はSPOTエンクロージャの底面に、3つの通過(SPOT水平バスの端部におけるSPOTを除く)入力及び出力導体(
図2に例示される正、負及びニュートラル(共通))がある。光電池モジュールの各光電池クラスターは、1つの構造支持ラック上に取り付けられ得る。該ラックは、該光電池クラスターに関連付けられた太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機のための取り付け構造(ラックの下面又は側面のいずれかにおける)としての機能も果たし得る。下記に開示される視覚投入監視システムの色コーディング要素、雲視覚化及び他の表示要素のすべては、3次元視覚型バーチャルリアリティ表示環境の要素としてVIEWコンピュータ視覚表示ユニット上に設けられた電力システムの3次元画像において成し遂げられる。
【0030】
太陽エネルギーに対し、本発明のバーチャル投入監視及び制御システムの2つの典型的な例が与えられる。1つの例は、固定傾斜トラッキング光電池アレイを使用し、他方は、
図1に台座
32で例示されるような2軸トラッキング光電池アレイを使用する。ソーラーファームサイトの正確な3次元描写がVIEWコンピュータ表示モデルに組み込まれる。VIEWコンピュータ表示モデルのオペレータの視点(ビュー)が、3次元空間中を制約なしに移動しているバーチャルカメラビューから、ビデオモニター等の適切なコンピュータ視覚出力装置に提供され得る。オペレータは、ハンドヘルドコントローラ、ジョイスティック又はトラックボール等の適切なコンピュータ入力装置を介して、3次元空間を通るカメラの運動を制御する。運動は光電池アレイの全体にわたってあり得、また、随意的に、ソーラーファームの個々の構成要素の事前に設定された3次元空間トラックに与えられ得る。
【0031】
ソーラーファームにおける個々の光電池列の電力出力は、VIEWコンピュータ視覚表示ユニットに視覚化され得る。光電池列各々は、該列を制御するSPOTにより参照され得る。SPOTは、その関連する列のパフォーマンスデータを中央制御モジュールに伝達する。ソーラーファームに対する太陽の朝から晩までの日光の変化は、光電池モジュールに対して変化する日照レベルを与えることができ、常に日照に垂直である2軸トラッカー(もし使用される場合)が向く方向に影響を及ぼす。本発明のバーチャル投入監視システムの1例において、電力値の大きさ、電流値の大きさ及び電圧値の大きさは、VIEWコンピュータ視覚表示ユニットにおける電力システム構成要素(例えば、光電池モジュール、太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機、相互接続電気導体、グリッドインバータパッケージモジュールに関連したスイッチング構成要素等)の画像に対する色の強さの適切な範囲で表される。色の強さは、該電力システム構成要素に関連した電力、電流及び電圧の大きさの関数である。
【0032】
本発明の1例において、モジュールの光電池列の公称(名目もしくは定格)出力の色コーディングは、連続的色スペクトル(範囲)の濃淡の度合い(影)で成し遂げられる。該スペクトルは、フルパワーで動作する列に対する青の明るい濃淡から、フルパワー未満に対する青より暗い濃淡、最終的には、ゼロパワーを発生させている(もしくは電力を生んでいない)機能的列に対する黒まで及び得る。色の移行は、公称電力出力に直線的に関連し得る。機器故障により電力を生まない列がもしあれば、赤で視覚的に表示され、ゼロパワーを発生させている(もしくは電力を生んでいない)正常の列からそれらを区別する。電力システム電気導体は、それらを流れる電流の大きさを表す緑の濃淡で表示され得る。明るい緑はより高い電流レベルを表し、より暗い緑はより低い電流値を表す。誤動作又は故障状態にある導体は赤で示され得る。各SPOTに対するエンクロージャは、黄色の濃淡で表示され得る。より高い電流値は明るい黄色で表され、より低い電流値はより暗い黄色で表される。誤作動又は故障状態のSPOTエンクロージャは赤で示され得る。インバータ、変圧器、グリッド開閉装置及び他の構成要素は自然色で視覚的に表示され得る。動的メーターグラフィックアイコンが、適切な単位、例えばキロワットでのリアルタイム総発電量の表示と共に、視覚ディスプレイの適切な位置(例えば、視覚ディスプレイの隅)に位置付けられ得る。オペレータが制御可能な視覚表示ポインティングアイコンは、システム構成要素によって生じた電力出力及びエネルギーの詳細情報を、メーターグラフィックアイコンにおいて固有識別子、例えば該構成要素に対する数字等と共に視覚的に表示するため、オペレータによって用いられ得る。
【0033】
バーチャル投入監視システムにおいて、雲の画像が、光電池パネルの表面に該雲が作り出す影から再現(再構成)され得る。該影は、ソーラーファームのある区画から取り入れられる光電池電力の可変的な縮小によって検出される。
【0034】
該システムは、該サイト上の雲運動パラメータ(雲方向及び速度)に基づき、近い未来(例えば、リアルタイムの現在から10分後)における該システムの電力出力を視覚的に表示する予測アルゴリズムの実行を含むことができる。
【0035】
本発明の1例モデルにおいて、視覚化は、VIEWコンピュータ視覚表示ユニットにおける専用視覚層で成し遂げられ得る。これにより、設備は活性化され得(例えば、透明に作られた光電池モジュール)、また、電力システムの種々のステージが選択したディスプレイ層をオン又はオフすることにより目立たせられ得る。
【0036】
図8は、風力エネルギーの収集及び変換のための再生可能エネルギー公益事業規模電力システム、及び該電力システムのための本発明の監視及び制御システムの1例の簡易なワンラインブロック図である。永久磁石同期発電機(SG)50によって作り出された可変周波数AC電力は、AC−DCコンバータ51によって整流され、次いで、風力エネルギーオプティマイザ及び送信機(WPOT)40の入力部に供給される。風力エネルギーオプティマイザ及び送信機は、風力タービンを最大電力点値で動作させるため、最適な負荷を前記同期発電機に供給する。風力エネルギーオプティマイザ及び送信機40は、これが典型的に(他を除外するものではなく)、太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機に対する
図2に示す4つのDC−DCコンバータに代えて単一のDC−DCコンバータ(例えば
図3に示される)を利用する点を除き、上述した太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機と類似する。1つ又は複数の風力エネルギーオプティマイザ及び変換器の出力部は、電圧DCリンク42を介して中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステム14に接続される。ここで、該システムは、3つ以上のグリッドインバータパッケージモジュール、例えば、
図8に示される4つのそのようなモジュール14a〜14dを利用する。
【0037】
バーチャル投入監視システムは、本発明の特定の例に使用される場合、VIEWコンピュータ表示ユニットにウインドファームの稼働を視覚的に描くため、1つ又は複数の風力エネルギー オプティマイザ及び変換器及びグリッドインバータパッケージモジュールと通信する。該3次元視覚型表示環境はウインドファームの3次元地形層を含む。一般的な風力タービングラフィックが使用可能である。タービンの数に応じて、グリッドインバータパッケージの適切な数が選択される。各タービンはほぼ1.5MWの出力を有し、各グリッドインバータパッケージは、2.5メガワット(MW)の電力定格を有する。バーチャル投入監視システムの視覚化は、グリッドインバータパッケージが最前面にあり、かつ該インバータシステムに対するタービン及び接続部が明確に見えるように、位置合わせされ得る。変圧器は、インバータが内部に配置される建物の外面における該インバータの隣に位置付けられ得る。風力タービンの出力の視覚化は、3次元視覚型表示環境上に層状にされた数値又は図形での少なくともリアルタイム電力出力及び随意的履歴データを有する電力メーターグラフィックアイコンであり得る。
【0038】
太陽エネルギーシステムのための上述したバーチャル投入システムの構成要素は、該構成要素が風力エネルギーではなく太陽エネルギーに一意的に関連した構成要素又は機能に特に対応している場合を除き、風力エネルギーシステムのためのバーチャル投入システムにも適用される。
【0039】
本発明は好ましい例及び実施形態に関連して記述された。明確に述べたものとは別に、均等、代替及び変更が可能であり、本発明の範囲内にある。
【符号の説明】
【0040】
12 高電圧太陽光発電エネルギー収集ネットワーク
14 中央グリッド同期多相調整電流源インバータシステム
14a−14d グリッドインバータパッケージ(GrIP)モジュール
16 随意バーチャル投入監視及び制御システム
16a バーチャル投入設備ウォッチドッグ(VIEW)モジュール
16b 中央制御モジュール
17 セキュアデータリンク
18 昇圧器
20 太陽エネルギーオプティマイザ及び送信機(SPOT)
20a DC−DCコンバータ
20b プロセッサ
20c トランシーバ
20c’ 送信及び受信アンテナ
22 DCリンク
30 太陽光電池モジュール
31 光電池
列
32 台座