特許第6029638号(P6029638)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6029638文字入力装置、及び、文字入力プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029638
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】文字入力装置、及び、文字入力プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/023 20060101AFI20161114BHJP
   H03M 11/04 20060101ALI20161114BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20161114BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20161114BHJP
【FI】
   G06F3/023 310L
   G06F3/0488 160
   G06F3/0484 150
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-227852(P2014-227852)
(22)【出願日】2014年11月10日
(65)【公開番号】特開2015-167012(P2015-167012A)
(43)【公開日】2015年9月24日
【審査請求日】2015年3月17日
(31)【優先権主張番号】特願2014-24570(P2014-24570)
(32)【優先日】2014年2月12日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】藤井 輝也
【審査官】 笠田 和宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−182487(JP,A)
【文献】 特開2012−098705(JP,A)
【文献】 特開2009−276926(JP,A)
【文献】 特開2002−215304(JP,A)
【文献】 特開2011−134313(JP,A)
【文献】 特開2008−152441(JP,A)
【文献】 特開2013−073383(JP,A)
【文献】 特表2006−520024(JP,A)
【文献】 特開2002−091677(JP,A)
【文献】 特開2011−191811(JP,A)
【文献】 特開2014−016707(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/102159(WO,A1)
【文献】 特開2011−192215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G06F 3/01− 3/0489
H03M 11/04−11/24
H04M 1/00
1/24− 1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部への接触を検出する検出部と、
前記表示部に対して仮想キーボードを表示制御する制御部であって、前記検出部が前記仮想キーボードへの接触を検出した場合、前記表示部に対して、前記仮想キーボードのキーのうち前記接触の位置を基準として接触物に応じた範囲にある前記仮想キーボードの1以上のキーを拡大表示させる制御部と、
前記拡大表示されたキーのうち、指定されたキーに対応する文字を入力する文字入力部と、
を有し、
前記制御部は、前記仮想キーボードの1以上のキーを拡大表示させる際に、前記検出部が前記仮想キーボードの第1キーへの接触を検出した場合、前記拡大表示されたキーのうち前記第1キーに対応するキーと、前記拡大表示されたキーのうち前記第1キーに対応するキーとは異なる他のキーと、を異なる形態で表示した後、前記検出部が、前記接触物が前記仮想キーボードに接触した状態で前記第1キーとは異なる第2キーへ移動したことを検出した場合に、前記拡大表示されたキーのうち前記第2キーに対応するキーと、前記拡大表示されたキーのうち前記第2キーに対応するキーとは異なる他のキーと、を異なる形態で表示
前記制御部は、前記仮想キーボードの1以上のキーが拡大表示された後、前記仮想キーボードのキーのうち現時点で接触されているキーへの接触が第1期間維持された場合に、一以上のヌルキー及びバックスペースキーの少なくとも一方をさらに拡大表示させ、
前記文字入力部は、前記ヌルキーが指定された場合は、文字入力を禁止し、前記バックスペースキーが指定された場合は、既に入力されている文字を少なくとも1つ削除する、
文字入力装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記キーを前記拡大表示させる際、前記接触物と前記表示部との平面視における重なりがより少なくなる範囲に存在する前記仮想キーボードの1以上のキーを拡大表示させる、
請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記キーを前記拡大表示させる際、前記接触物が右手である場合は、前記接触の位置から前記表示部に向かって右側の範囲にある前記仮想キーボードの1以上のキーを拡大表示させ、前記接触物が左手である場合は、前記接触の位置から前記表示部に向かって左側にある範囲にある前記仮想キーボードの1以上のキーを拡大表示させる、
請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項4】
前記文字入力部は、前記検出部が前記接触の解除を検出した場合に、前記拡大表示されたキーのうち前記指定されたキーとしての前記解除のときに接触されていたキーに対応する文字を入力する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の文字入力装置。
【請求項5】
前記検出部はさらに、前記接触物の紋様を検出し、
前記制御部は、前記検出部が検出した前記接触物の紋様に基づき、前記接触物を判定する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の文字入力装置。
【請求項6】
前記接触物が予め設定された設定情報を保持する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記設定情報に基づき、前記接触物を判定する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の文字入力装置。
【請求項7】
前記仮想キーボードの各キーの表示位置と前記接触の位置とを照合して接触されたキーを特定する接触キー特定部をさらに備え、
前記制御部は、拡大表示される前記仮想キーボードの1以上のキーの表示位置及び表示範囲の少なくとも一方を前記接触キー特定部により特定された前記接触の位置に応じて制御する、
請求項1から請求項いずれか1項に記載の文字入力装置。
【請求項8】
前記制御部は、拡大表示される前記仮想キーボードの1以上のキーが、前記仮想キーボードに重ならないように表示する、
請求項1から請求項いずれか1項に記載の文字入力装置。
【請求項9】
表示部と、前記表示部への接触を検出する検出部と、を有するコンピュータを、
前記表示部に対して仮想キーボードを表示制御する制御部であって、前記検出部が前記仮想キーボードへの接触を検出した場合、前記表示部に対して、前記仮想キーボードのキーのうち前記接触の位置を基準として接触物に応じた範囲にある前記仮想キーボードの1以上のキーを拡大表示させる制御部、及び、
前記拡大表示されたキーのうち、指定されたキーに対応する文字を入力する文字入力部、
として機能させ、
前記制御部は、前記仮想キーボードの1以上のキーを拡大表示させる際に、前記検出部が前記仮想キーボードの第1キーへの接触を検出した場合、前記拡大表示されたキーのうち前記第1キーに対応するキーと、前記拡大表示されたキーのうち前記第1キーに対応するキーとは異なる他のキーと、を異なる形態で表示した後、前記検出部が、前記接触物が前記仮想キーボードに接触した状態で前記第1キーとは異なる第2キーへ移動したことを検出した場合に、前記拡大表示されたキーのうち前記第2キーに対応するキーと、前記拡大表示されたキーのうち前記第2キーに対応するキーとは異なる他のキーと、を異なる形態で表示
前記制御部は、前記仮想キーボードの1以上のキーが拡大表示された後、前記仮想キーボードのキーのうち現時点で接触されているキーへの接触が第1期間維持された場合に、一以上のヌルキー及びバックスペースキーの少なくとも一方をさらに拡大表示させ、
前記文字入力部は、前記ヌルキーが指定された場合は、文字入力を禁止し、前記バックスペースキーが指定された場合は、既に入力されている文字を少なくとも1つ削除する、
文字入力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置、及び、文字入力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の文字入力装置として、例えば文字入力装置のタッチパネル付き表示部に、複数のキーで構成された仮想キーボードを表示させ、仮想キーボードの何れか1つのキーに対応するタッチパネル部分への接触を検出することで文字入力を行なうものが知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1及び2には、仮想キーボードの何れか1つのキーが接触された場合に、当該キーと共に当該キーの周囲に位置するキーをタッチパネル付き表示部に拡大表示させ、拡大表示されたキーのうち指定されたキーに対応する文字を入力する文字入力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−192215号公報
【特許文献2】特開2001−175375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の文字入力装置では、拡大表示させるキーの範囲がキーの接触の位置を基準とした固定の範囲(周囲)であるため、場合によってはユーザが押し間違う可能性が低いキーまで拡大表示させてしまう虞がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、表示部に対して押し間違う可能性が低いキーを拡大表示させることを抑制できることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る文字入力装置は、表示部と、前記表示部への接触を検出する検出部と、前記表示部に対して仮想キーボードを表示制御する制御部であって、前記検出部が前記仮想キーボードへの接触を検出した場合、前記表示部に対して、前記仮想キーボードのキーのうち前記接触の位置を基準として接触物に応じた範囲にある前記仮想キーボードの1以上のキーを拡大表示させる制御部と、前記拡大表示されたキーのうち、指定されたキーに対応する文字を入力する文字入力部と、を有し、前記制御部は、前記仮想キーボードの1以上のキーを拡大表示させる際に、前記検出部が前記仮想キーボードの第1キーへの接触を検出した場合、前記拡大表示されたキーのうち前記第1キーに対応するキーと、前記拡大表示されたキーのうち前記第1キーに対応するキーとは異なる他のキーと、を異なる形態で表示した後、前記検出部が、前記接触物が前記仮想キーボードに接触した状態で前記第1キーとは異なる第2キーへ移動したことを検出した場合に、前記拡大表示されたキーのうち前記第2キーに対応するキーと、前記拡大表示されたキーのうち前記第2キーに対応するキーとは異なる他のキーと、を異なる形態で表示前記制御部は、前記仮想キーボードの1以上のキーが拡大表示された後、前記仮想キーボードのキーのうち現時点で接触されているキーへの接触が第1期間維持された場合に、一以上のヌルキー及びバックスペースキーの少なくとも一方をさらに拡大表示させ、前記文字入力部は、前記ヌルキーが指定された場合は、文字入力を禁止し、前記バックスペースキーが指定された場合は、既に入力されている文字を少なくとも1つ削除する、文字入力装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、制御部は、接触物に応じた範囲にある仮想キーボードの1以上のキーを拡大表示させるので、接触物によっては押し間違う可能性が低いキーを表示させないようにすることができるため、もって表示部に対して押し間違う可能性が低いキーを拡大表示させることを抑制できる。この結果、拡大表示させるキーの数を少なくすることもでき、煩雑さが無くなる。また、抑制した分だけ拡大表示させるキーのサイズをより大きくして、見易くすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンの外観構成を概略的に示す正面図である。
図2図1に示すスマートフォンのハードウェア構成を概略的に示す構成図である。
図3図1に示すスマートフォンの機能的構成図である。
図4】制御部の表示制御により表示部に表示される文字入力画面の一例を示す図である。
図5】(A)は、右手用範囲情報及び左手用範囲情報で規定される各範囲の一例を視覚的に表現した図である。(B)は、右手用範囲情報及び左手用範囲情報で規定される各範囲の他の例を視覚的に表現した図である。(C)は、右手用範囲情報及び左手用範囲情報で規定される各範囲のさらに他の例を視覚的に表現した図である。
図6図4に示す文字入力画面が表示部に表示されている間に実行される、制御部と文字入力部の処理の流れを示すフローチャートである。
図7】(A)及び(B)は、本発明の第1実施形態に係る文字入力装置の制御部により一例として表示されるキーの説明図である。
図8】(A)及び(B)は、本発明の第1実施形態に係る文字入力装置の制御部により他の例として表示されるキーの説明図である。
図9】(A)は、本発明の第3実施形態に係る文字入力装置の制御部により一例として表示される文字表示領域の説明図であり、(B)は、本発明の第3実施形態に係る文字入力装置の制御部により一例として表示されるキーの説明図である。
図10】(A)及び(B)は、本発明の第4実施形態に係る文字入力装置の制御部により他の例として表示されるキーの説明図である。
図11図1に示すスマートフォンの機能的構成の一例を示す図である。
図12】仮想キーボード表示領域情報および入力文字表示領域情報で規定される各範囲の一例を視覚的に示した図である。
図13】本発明の実施形態に係る表示制御装置において、表示部にキーを表示する処理フローの一例を示すフローチャートである。
図14】本発明の第5実施形態に係る表示制御装置の制御部により表示部に表示されるキーの一例を示す図である。
図15】本発明の第6実施形態に係る表示制御装置の制御部により表示部に表示されるキーの一例を示す図である。
図16】本発明の第7実施形態に係る表示制御装置の制御部により表示部に表示されるキーの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンの外観構成を概略的に示す正面図である。図2は、図1に示すスマートフォンのハードウェア構成を概略的に示す構成図である。
【0011】
図1に示すように、スマートフォン10は、例えば矩形の薄形筐体12を備え、その薄形筐体12の一方の面には、タッチパネル14が例えば多くの部分を占めるように構成されている。該タッチパネル14が搭載されている面(正面)には、スピーカ16、マイクロフォン18及びハードボタン20が設けられている。また、筐体10Aの側面や底面には、ハードキー22、図1では不図示の音声出力端子24Aなどの外部インターフェース24(図2参照)が設けられる。さらに、筐体10Aの背面には、図1では不図示のカメラ26(図2参照)が設けられている。
【0012】
このスマートフォン10では、図2に示すように、上記各構成要素が内部の中央処理装置28に接続されている。中央処理装置28にはさらに、移動体通信用アンテナ30A、移動体通信部30、無線LAN通信用アンテナ32A、無線LAN通信部32、及び記憶部34が接続されている。
【0013】
タッチパネル14は、表示装置、入力装置及び指紋読取装置の機能を備え、表示機能を担うディスプレイ(表示画面)14Aと、入力機能を担うタッチセンサ14Bと、指紋読取機能を担う指紋センサ14Cと、で構成される。ディスプレイ14Aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの一般的な表示デバイスにより構成される。タッチセンサ14Bは、ディスプレイ14Aの上面に配置された、接触操作(接触)を検出するための素子及びその上に積層された透明な操作面を備えて構成される。タッチセンサ14Bの接触検知方式としては、静電容量式、抵抗膜式(感圧式)、電磁誘導式など既知の方式のうちの任意の方式を採用することができる。指紋センサ14Cの指紋読取方式としては、特に限定されないが、例えば、上記操作面上に指が置かれたときの指紋の凹凸による電極の電荷の変化量に基づいて指紋画像を生成する(指紋を読み取る)方式を採用することができる。指紋センサ14Cは、タッチセンサ14Bと一体化しても別体として設けてもよい。
【0014】
表示装置としてのディスプレイ14Aは、中央処理装置28による記憶部34内の文字入力プログラムPの実行により生成される文字入力画面を表示する。入力装置としてのタッチセンサ14Bは、操作面に対して接触する接触物(ユーザの指やスタイラスなどを含む。以下、「指」である場合を代表例として説明する。)の動作を検出することで、操作入力を受け付け、その接触位置の情報を中央処理装置28に与える。指の動作は、接触点の位置または領域を示す座標情報として検出され、座標情報は、例えば、タッチパネル14の短辺方向及び長辺方向の二軸上の座標値として表される。以下、話を簡便にするため、表示装置としてのディスプレイ14Aについても入力装置としてのタッチセンサ14Bについても、単に「タッチパネル14」と称する。
【0015】
図3は、図1に示すスマートフォン10の機能的構成図である。
図3に示すように、スマートフォン10は、記憶部34と、表示部40と、検出部42と、を有する。また、スマートフォン10は、中央処理装置28が文字入力プログラムPを実行することによりそれぞれ機能する、制御部44と、文字入力部46と、を有する。
【0016】
記憶部34には、文字入力プログラムP内又は外にある仮想キーボード情報34Aと、右手用範囲情報34Bと、左手用範囲情報34Cと、を含んでいる。
仮想キーボード情報34Aは、英語入力可能なフルキーボード型の仮想キーボード50の情報である(図4参照)。この仮想キーボード50には、図4に示すように、複数の文字キー52Aと複数のその他のキー52Bとを含む各種のキー52が配置されている。仮想キーボード情報34Aには、例えば各種のキー52の種別情報や各キー52の配置情報が含まれる。各文字キー52Aは、例えば「A」、「B」・・・「X」、「Y」、又は、「Z」の文字に対応し、当該文字を入力するためのものである。各その他のキー52Bは、例えば既に入力されている文字を削除したり仮想キーボード50を英語版から日本語版に切り替えたりするためのもの等である。なお、文字キー52Aは、子音に対応するキーと母音に対応するキーを含み、文字キー52AはJIS規格に準拠したキー配列となっており、母音の位置が散在している。
右手用範囲情報34Bは、例えば図5(A)に示すように、表示部40におけるユーザの指の接触(予定)の位置70を基準として当該接触(表示部40に触れる)の指の手としての右手に応じた範囲72Aの形状やサイズの情報等である。この範囲72Aは、具体的には、その形状が縦(上下)に長い長方形であり、実際には表示されないが表示部40に表示されるものと仮定したときにユーザから表示部40に向かって長方形の左側の長辺の中点が接触の位置70となるようにされている。ただし、右手用範囲情報34Bは、例えば図5(B)に示すような範囲72Bや図5(C)に示すような範囲72Cの情報であってもよい。この範囲72Bは、具体的には、その形状が縦(上下)に長い長方形であり、実際には表示されないが表示部40に表示されるものと仮定したときにユーザから表示部40に向かって長方形の上辺の中点よりも左側が接触の位置70となるようにされている。また、範囲72Cは、具体的には、その形状が円形(楕円形を含む)であり、実際には表示されないが表示部40に表示されるものと仮定したときにユーザから表示部40に向かって円周の左側が接触の位置70となるようにされている。
左手用範囲情報34Cは、例えば図5(A)に示すように、表示部40におけるユーザの指の接触(予定)の位置70を基準として当該接触の指の手としての左手に応じた範囲74Aの形状やサイズの情報等である。この範囲74Aは、具体的には、その形状が縦(上下)に長い長方形であり、実際には表示されないが表示部40に表示されるものと仮定したときにユーザから表示部40に向かって長方形の右側の長辺の中点が接触の位置70となるようにされている。ただし、左手用範囲情報34Cは、例えば図5(B)に示すような範囲74Bや図5(C)に示すような範囲74Cの情報であってもよい。この範囲74Bは、具体的には、その形状が縦(上下)に長い長方形であり、実際には表示されないが表示部40に表示されるものと仮定したときにユーザから表示部40に向かって長方形の上辺の中点よりも右側が接触の位置70となるようにされている。また、範囲74Cは、具体的には、その形状が円形(楕円形を含む)であり、実際には表示されないが表示部40に表示されるものと仮定したときにユーザから表示部40に向かって円周の右側が接触の位置70となるようにされている。
【0017】
図3に戻って、表示部40は、例えばディスプレイ14Aを含んで構成される。検出部42は、例えばタッチセンサ14Bと指紋センサ14Cを含んで構成される。
【0018】
制御部44は、表示部40に対して仮想キーボード50を表示制御する。また、制御部44は、検出部42が仮想キーボード50への接触を検出した場合、表示部40に対して、仮想キーボード50のキー52のうち当該接触の位置を基準として接触の指51の手が右手か左手かに応じた範囲72A,72Bにあるキー52を拡大表示させるものである。
【0019】
文字入力部46は、拡大表示されたキー52のうち、指定されたキー52(特に文字キー52A)に対応する文字を入力するものである。
【0020】
図4は、制御部44の表示制御により表示部40に表示される文字入力画面60の一例を示す図である。この文字入力画面60は、中央処理装置28が例えばスマートフォン10のメールソフトウェア等と共に文字入力プログラムPを実行したときに表示される。
【0021】
文字入力画面60には、例えば、画面下部に仮想キーボード情報34Aに基づいた仮想キーボード50が配置され、画面上部に入力文字表示領域62が配置される。入力文字表示領域62は、文字入力部46で入力された文字が表示される領域である。ユーザは、この文字入力画面60にて、入力文字表示領域62を見ながら仮想キーボード50を操作して文字入力を行い、メール等を作成する。
【0022】
図6は、図4に示す文字入力画面60が表示部40に表示されている間に実行される、制御部44と文字入力部46の処理の流れを示すフローチャートである。当該処理は、定期的に例えば0.5秒毎に、または、不定期に繰り返し実行される。
【0023】
(ステップSP10)制御部44は、検出部42(タッチセンサ14B)の検出信号の有無に基づき、表示部40に表示されている文字入力画面60の仮想キーボード50への接触が有るか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)、すなわち、例えば図7(A)に示すように、検出部42が仮想キーボード50への接触を検出して、制御部44が検出部42から検出信号を受けた場合にはステップSP12の処理に移行する。また、制御部44は、否定判定した場合(No)には全体の処理を終える。
【0024】
(ステップSP12)制御部44は、検出部42(指紋センサ14C)が検出して生成した指紋画像に基づき、ステップSP10での接触の指51(図4参照)の手が右手か否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)、すなわち接触の指51が右手であると判定した場合にはステップSP14の処理に移行する。また、制御部44は、否定判定した場合(No)、すなわち接触の指51が左手であると判定した場合にはステップSP16の処理に移行する。なお、制御部44は、仮想キーボード50に接触する接触物が指51ではなく、スタイラス等の他の接触物であり、且つ指紋画像がない場合は、例えば他の接触物専用の範囲(不図示)にあるキーを拡大表示させて、ステップSP18の処理に移行する。また、制御部44は、上記指紋画像がない場合は、例えばステップSP14又はステップSP16に移行してもよい。
【0025】
(ステップSP14)例えばステップSP10での接触が図7(A)に示す場合を例に挙げて説明する。制御部44は、図7(B)に示すように、表示部40に対して、記憶部34内の仮想キーボード情報34A及び右手用範囲情報34Bに基づき、仮想キーボード50のキー52のうち接触の位置70を基準として接触の指51の手である右手に応じた範囲72Aにあるキー52を拡大表示させる。具体的には、図7(A)では、ユーザの接触し間違え等により文字「W」と「S」の文字キー52Aの間の隙間の位置70に右手の指51が接触しており、当該位置70を基準とした範囲72Aにあるキー52Aが文字「W」、「S」、「E」、「D」の各文字キー52Aとなっている。なお、本実施形態では、「範囲にあるキー」とは、キー52が当該範囲内にあるものだけでなく、キー52の一部が当該範囲と重なっているものも含む。したがって、図7(B)では、範囲72Aにある文字「W」、「S」、「E」、「D」の各文字キー52Aが拡大表示されている。ユーザは、この状態で、位置70から拡大された文字キー52Aの中で目的の文字キー52Aまでスライドさせる。そして、制御部44は、ステップSP18の処理に移行する。
【0026】
(ステップSP16)例えばステップSP10での接触が図8(A)に示す場合を例に挙げて説明する。制御部44は、図8(B)に示すように、表示部40に対して、記憶部34内の仮想キーボード情報34A及び左手用範囲情報34Cに基づき、仮想キーボード50のキー52のうち接触の位置70を基準として接触の指51の手である左手に応じた範囲74Aにあるキー52を拡大表示させる。具体的には、図8(A)では、ユーザの接触し間違え等により文字「W」と「S」の文字キー52Aの間の隙間の位置70に左手の指51が接触しており、当該位置70を基準とした範囲74Aにあるキー52Aが文字「W」、「S」、「Q」、「A」の4つの文字キー52Aとなっている。したがって、図8(B)では、範囲72Bにある文字「W」、「S」、「Q」、「A」の4つの文字キー52Aが拡大表示されている。ユーザは、この状態で、位置70から拡大された文字キー52Aの中で目的の文字キー52Aまでスライドさせる。そして、制御部44は、ステップSP18の処理に移行する。
【0027】
(ステップSP18)制御部44は、文字入力部46に処理を渡す。処理を渡された文字入力部46は、検出部42の検出信号の有無に基づき、ステップSP10で判定した接触が解除されたか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP20の処理に移行し、否定判定した場合(No)にはステップSP18の最初の処理に戻る。なお、本実施形態において「解除」とは、指51が表示部40から離れることである。
【0028】
(ステップSP20)文字入力部46は、上記解除の直前のキー52(解除のときに接触されていたキー52)が文字キー52Aであるか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP22の処理に移行し、否定判定した場合(No)にはステップSP24の処理に移行する。
【0029】
(ステップSP22)文字入力部46は、上記解除の直前に接触されていた文字キー52Aがユーザにより指定されたキー52と判定し、指定されたキー52に対応する文字を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、図7(B)や図8(B)に示すように、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。そして、制御部44は、全体の処理を終える。
図7(B)では、例えば、位置70から文字「D」の文字キー52Aまでスライドされて接触が解除され、解除の直前に接触されていた文字キー52Aに対応する文字「d」が入力されている。また、図8(B)では、例えば、位置70から文字「A」の文字キー52Aまでスライドされて接触が解除され、解除の直前に接触されていた文字キー52Aに対応する文字「a」が入力されている。
【0030】
(ステップSP24)文字入力部46は、上記解除の直前に接触されていたその他のキー52Bがユーザにより指定されたキー52と判定し、指定されたキー52に対応する処理、例えば既に入力されている文字を削除する処理等を実行する。そして、文字入力部46は、全体の処理を終える。
【0031】
以上、本発明の第1実施形態のスマートフォン10によれば、制御部44は、接触の指51の手が右手か左手かに応じた範囲72A,72Bにあるキー52を拡大表示させる。
【0032】
ここで、右手の指51で仮想キーボード50に接触する場合は、接触しようとしている指51から表示部40に向かって右側のキー52は指51を含む右手によって遮られ見え難くなっているので、ユーザによっては押し間違える(接触し間違える)可能性が高いと考えられる。一方で、接触しようとしている指51から表示部40に向かって左側のキー52は右手によって遮られることなく見え易いので、ユーザによっては押し間違える可能性が低いと考えられる。したがって、制御部44は、接触の指51の手が右手の場合、右手に応じた範囲72A、すなわち押し間違の可能性が高いと考えられる接触の位置70から右側の範囲の文字キー52Aを拡大表示させ、押し間違いの可能性が低いと考えられる接触の位置70から左側の範囲の不必要な文字キー52Aは拡大表示させないようにしている。言い換えると、制御部44は、キー52を拡大表示させる際、指51(接触物)と表示部40との平面視における重なりがより少なくなる範囲(右手に応じた範囲72A)に存在する仮想キーボード50の1以上のキーを拡大表示させるようにしている。
同様に、左手の指51で仮想キーボード50に接触する場合は、接触しようとしている指51から表示部40に向かって左側のキー52は指51を含む左手によって遮られ見え難くなっているので、ユーザによっては押し間違える可能性が高いと考えられる。一方で、接触しようとしている指51から表示部40に向かって右側のキー52は左手によって遮られることなく見え易いので、ユーザによっては押し間違える可能性が低いと考えられる。したがって、制御部44は、接触の指51の手が左手の場合、左手に応じた範囲72B、言い換えれば押し間違いの可能性が高いと考えられる接触の位置70から左側の範囲の文字キー52Aを拡大表示させ、押し間違いの可能性が低いと考えられる接触の位置70から右側の範囲の不必要な文字キー52Aは拡大表示させないようにしている。言い換えると、制御部44は、キー52を拡大表示させる際、指51(接触物)と表示部40との平面視における重なりがより少なくなる範囲(右手に応じた範囲72A)に存在する仮想キーボード50の1以上のキーを拡大表示させるようにしている。
ただし、上記ユーザによっては上記思考(感覚)が逆の場合もあり得るので、この場合は、ユーザの感覚に応じて、右手に応じた範囲72A及び左手に応じた範囲72Bの設定を変更してもよい。また、上記とは逆に、右手に応じた範囲72Aは位置70よりも左側の範囲の文字キー52Aを拡大表示させるように、左手に応じた範囲72Aは位置70よりも右側の範囲の文字キー52Aを拡大表示させるように予め設定されていてもよい。
【0033】
本実施形態では、上記のように、接触物(接触の手)によっては押し間違う可能性が低いキー52を拡大表示させないようにすることができるため、もって表示部40に対して押し間違う可能性が低いキー52を拡大表示させることを抑制できる。押し間違う可能性が低いキー52を拡大表示させることを抑制することができれば、拡大表示させるキー52の数を少なくすることができ、煩雑さが無くなる。また、抑制した分だけ拡大表示させるキー52のサイズをより大きくして、見易くすることもできる。
【0034】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンについて説明する。上記第1実施形態では、制御部44は検出部42が検出した指51の指紋に基づき接触の指51の手が右手か左手かを判定する場合を説明したが、本第2実施形態では、制御部44は仮想キーボード50への接触を右手で行うか又は左手で行うかが予め設定された設定情報に基づき、接触の指51の手が右手か左手か判定する点で、上記第1実施形態と大きく異なる。
【0035】
本第2実施形態に係るスマートフォンの構成は、上記第1実施形態に係るスマートフォン10の構成と同様である。ただし、本第2実施形態に係るスマートフォンには、指紋センサ14Cが設けられていない。また、記憶部34は、仮想キーボード50への接触を右手で行うか又は左手で行うかが予め設定された設定情報を保持している。この設定情報は、ユーザによるスマートフォンの操作により、適宜、変更可能とされている。
【0036】
また、本第2実施形態に係るスマートフォンでは、制御部44と文字入力部46が図6に示すフローチャートと同様の流れの処理を行う。ただし、ステップSP12では、指紋画像ではなく、記憶部34の設定情報に基づき、ステップSP10での接触の指51の手が右手か否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP14の処理に移行する。また、制御部44は、否定判定した場合(No)にはステップSP16の処理に移行する。
【0037】
以上、本発明の第2実施形態のスマートフォンによれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られる他、指紋センサ14Cを設けない分だけスマートフォンの製造コストを抑制することができる。
【0038】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンについて説明する。本第3実施形態は、上記第1〜第2実施形態と組み合わせて又は別個に実施される。本第3実施形態に係るスマートフォンの構成は、上記第1実施形態に係るスマートフォン10の構成と同様である。
【0039】
本第3実施形態に係るスマートフォンでは、制御部44は、検出部42が仮想キーボード50の文字キー52Aへの接触を例えば0.5秒以上等所定時間以上続いて(長押しを)検出した場合、図9(B)に示すように、表示部40に対して、当該文字キー52A及び当該文字キー52Aの文字の小文字の関連文字キー54と共に、少なくとも1つのヌルキー80及び少なくとも1つのバックスペースキー82(以下、「BSキー」と称す。)を表示制御する。そして、文字入力部46は、検出部42が上記接触の解除を検出すると、当該解除の直前に接触されていたキーが文字キー52A又は当該文字キー52Aの文字に関連する文字の関連文字キー54である場合や仮想キーボード50の他の領域である場合は、図9(A)に示すように、文字キー52A又は関連文字キー54の文字、例えば文字キー52Aの文字「H」を入力する。また、図9(A)に示すように、当該解除の直前に接触されていたキーがヌルキー80である場合は、何も入力せず、当該解除の直前に接触されていたキーがBSキー82である場合は、既に入力されている文字、例えば「G」を1つ削除する。
なお、文字入力部46は、ヌルキー80が接触された場合は、その接触が解除される前であっても、何も入力しないようにしてもよく(文字入力を禁止)、また、文字入力部46は、BSキー82が接触された場合は、その接触が解除される前であっても、既に入力されている文字を1つ削除してもよい。この際、図9(B)に示すように、接触されているBSキー82の隣に、制御部44により新たなBSキー82が表示制御され、BSキー82の次に新たなBSキー82がさらに接触された場合は、図9(A)に示すように、既に入力されている文字、例えば文字「F」をさらに1つ削除してもよい。また、新たなBSキー82が接触された場合は、新たなBSキー82の隣にさらに新たなBSキー82が表示制御されてもよい。
【0040】
以上、本第3実施形態に係るスマートフォンによれば、誤って文字キー52Aを長押ししても、そのままヌルキー80にスライドして接触を解除することで、文字キー52Aの文字が誤入力されることを回避することができる。また、その際に、そのままBSキー82にスライドすることで、誤って既に入力した文字を1つ削除することができる。さらにまた、そのまま新たなBSキー82にスライドすることで、誤って既に入力した文字をさらに1つ削除することができる。
【0041】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンについて説明する。本第4実施形態は、第1実施形態と第3実施形態を組み合わせた形態の一つである。
【0042】
本第4実施形態に係るスマートフォンの構成は、上記第1実施形態に係るスマートフォ
ン10の構成と同様である。また、本第4実施形態に係るスマートフォンでは、制御部4
4と文字入力部46が図6に示すフローチャートと同様の流れの処理を行う。
【0043】
ただし、本第4実施形態では、ステップSP14とステップSP18の間に、新たなステップが追加される。この新たなステップでは、制御部44は、例えば図10(A)に示すように、文字キー52Aが拡大表示されている状態でステップSP10において判定した接触が予め定められた時間以上維持されたか、すなわち長押しされたか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)には表示部40に対して図10(B)に示すように拡大表示されている文字キー52Aの隣に当該文字キー52Aと同じ表示サイズのヌルキー80及びBSキー82を仮想キーボード50に重ねて表示させる。また、制御部44は、否定判定した場合(No)にはステップSP18の処理に移行する。
【0044】
そして、ステップSP24において、解除の直前に接触されていたその他のキー52Bがヌルキー80である場合は何も入力せず、BSキー82である場合は既に入力されている文字を1つ削除する。
【0045】
以上、本発明の第4実施形態のスマートフォンによれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られる他、文字キー52Aの文字が誤入力されることを回避することができる。
【0046】
<第5実施形態>
第5実施形態は、制御部44が、仮想キーボード50のキーのうち接触位置を基準として上記接触位置に応じた範囲にある仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示部40に表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御する一例を示す。特に、本第5実施形態においては、制御部44が、上記1以上のキー52A(52)を仮想キーボード50に重ならないように表示制御する一例について説明する。以下では、第1実施形態乃至第4実施形態と異なる点について特に説明し、他の点については説明を省略する。本第5実施形態について、図11乃至14を用いて説明する。
【0047】
図11は、図1に示すスマートフォン10(第5実施形態乃至第7実施形態においては、スマートフォン10A)の機能的構成の一例を示す図である。図11に示すように、スマートフォン10Aは、機能的に、記憶部34Sと、表示部40と、検出部42と、接触キー特定部43と、文字入力部46と、備えて構成されている。ここで、スマートフォン10Aの制御部44と、文字入力部46と、は中央処理装置28が後述する記憶部34Sに格納された文字入力プログラムP’を実行することによりそれぞれ機能する。
【0048】
記憶部34Sは、仮想キーボード情報34A、右手範囲情報34B、左手範囲情報34C及び文字入力プログラムP(図11には不図示)の他、仮想キーボード表示領域情報34D、入力文字表示領域情報34E、及び文字入力プログラムP’を記憶・保持する機能ブロックである。
【0049】
図12は、仮想キーボード表示領域情報34Dおよび入力文字表示領域情報34Eで規定される各範囲の一例を視覚的に示した図である。
【0050】
図12に示すように、仮想キーボード表示領域情報34Dは、文字入力画面60において仮想キーボード50が表示される領域を示す情報であり、その領域の範囲又は位置は、スマートフォン10Aの全体の形状、文字入力画面60の形状、仮想キーボード50の表示範囲・表示位置などに基づく。仮想キーボード50が表示される領域は、具体的には、その形状が横(左右)に長い長方形である。ただし、仮想キーボード50が表示される領域は、例えば、その形状が長方形以外の四角形やその他の多角形、円形(楕円形を含む)などであってもよい。
【0051】
また、図12に示すように、入力文字表示領域情報34Eは、文字入力画面60において入力された文字が表示される領域(入力文字表示領域62)を示す情報であり、その領域の範囲又は位置は、スマートフォン10Aの全体の形状、表示部40及び文字入力画面60の形状、仮想キーボード50の表示範囲・表示位置などに基づく。文字入力画面60において入力された文字が表示される領域は、具体的には、その形状が縦(上下)に長い長方形である。ただし、仮想キーボード50が表示される領域は、例えば、その形状が長方形以外の四角形やその他の多角形、円形(楕円形を含む)などであってもよい。
【0052】
また、記憶部34は、接触物51(ユーザの指やスタイラスなどを含む。以下、「指」である場合を代表例として説明する。)に対して予め設定された設定情報を記憶・保持する機能ブロックである。具体的には、記憶部34は、ユーザの指の指紋情報とユーザ識別情報とを対応付けた情報(設定情報)を記憶・保持する。
【0053】
接触キー特定部43は、表示部40において接触されたキーを特定する機能ブロックである。具体的には、接触キー特定部43は、仮想キーボード50の各キー52の表示位置と接触物51の表示部40への接触位置とを照合して接触されたキーを特定する。
【0054】
制御部44は、仮想キーボード50を表示部40に表示する機能ブロックである。また、制御部44は、接触キー特定部43が特定する、仮想キーボード50のキー52のうち接触物51の表示部40への接触位置を基準として上記接触位置に応じた範囲にある仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示させる機能ブロックである。さらに、制御部44は、接触キー特定部43が特定する、仮想キーボード50のキー52のうち接触物51の表示部40への接触位置を基準として上記接触位置に応じた範囲にある仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御する機能ブロックである。
【0055】
具体的には、検出部42は、接触物51が仮想キーボード50へ接触したことを検出した場合、接触キー特定部43は、仮想キーボード50の各キー52の表示位置と接触物51の表示部40への接触位置とを照合して接触されたキーを特定する。そして、制御部44は、接触キー特定部43が仮想キーボード50のキー52へ接触があったと判断した場合、接触キー特定部43が仮想キーボード50のキー52のうち接触物51の表示部40への接触位置を基準として上記接触位置の周辺に配置されている仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御する(図14以降で詳述)。なお、制御部44が上記接触位置の周辺に配置されている仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御するタイミングに関して、特に制限はなく、仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示部40に表示させる際又は表示させた後であってもよい。
【0056】
より具体的には、制御部44は、仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示部40に表示させる際又は表示させた後に、上記1以上のキー52A(52)が表示部40に表示される仮想キーボード50に重ならないように、記憶部34に記憶・保持されている仮想キーボード表示領域情報34Bおよび入力文字表示領域情報34Cに基づいて、表示部40に対する、上記1以上のキーの表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を制御する(図14で詳述)。また、制御部44は、上記1以上のキー52A(52)が、表示部40に表示される仮想キーボード50に重ねられて表示される場合、接触物51によって上記1以上のキー52A(52)の表示が隠れてしまわないように、上記1以上のキー52A(52)を表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を制御する(図15で詳述)。
【0057】
さらに、制御部44は、検出部42が検出した接触物の表面に形成された紋様、つまり、ユーザの指の指紋などに基づき、接触物51を判定する。また、制御部44は、記憶部34Sが保持する設定情報に基づき、接触物51を判定する。例えば、制御部44は、検出部42が検出した上記紋様と、記憶部34Sが保持する設定情報と、に基づいてどのユーザの指が表示部40に接触したのかを判定する。
【0058】
文字入力部46は、仮想キーボード50の複数のキー52のうち、接触されたキーに対応する文字を入力する機能ブロックである。また、文字入力部46は、制御部44により、接触キー特定部43が特定する、仮想キーボード50のキー52のうち接触物51の表示部40への接触位置を基準として上記接触位置に応じた範囲に表示された1以上のキー52A(52)のうち、接触されたキーに対応する文字を文字入力画面60に入力する機能ブロックである。
【0059】
図13は、本発明の実施形態に係る表示制御装置において、表示部にキーを表示する処理フローの一例を示すフローチャートである。
【0060】
まず、制御部44は、表示部40に仮想キーボード50を表示する(図13のステップSP30)。
【0061】
次に、検出部42は、接触物51の表示部40への接触の有無を検出する。(図13のステップSP31)。
【0062】
検出部42が、接触物51の表示部40への接触が有ったと判定した場合(ステップSP31において「YES」の場合)は、図13のステップSP32に進む。一方で、検出部42が、接触物51の表示部40への接触が無かったと判定した場合(ステップSP31において「NO」の場合)は、本処理フローは終了する。
【0063】
ステップSP31において、接触物51の表示部40への接触が有ったと判定された場合(ステップSP31において「YES」の場合)は、検出部42は、接触物51の表示部40への接触位置を検出する(図13のステップS32)。
【0064】
次に、接触キー特定部43は、仮想キーボード50の各キー52の表示位置と上記接触位置とを照合して接触されたキーを特定する(図13のステップSP33)。
【0065】
次に、制御部44は、仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御する(図13のステップSP34)。
【0066】
なお、図13に示すステップSP30〜SP34は必ずしもこのステップ通りに実行されなくてもよく、適宜変更されてよい。
【0067】
(キーの表示例)
図14は、本発明の第5実施形態に係る表示制御装置の制御部により表示部に表示されるキーの一例を示す図である。キーの表示例として、図14を用いて、制御部44が、仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を仮想キーボード50に重ならないように表示制御する一例を示す。
【0068】
図14に示すように、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示される仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)は、仮想キーボード50に重ならないように表示される。すなわち、1以上のキー52A(52)は、制御部44により、接触物(ユーザの指)51には重ならないように表示位置、表示範囲が制御されている。ここで、1以上のキー52A(52)は、「T」,「G」,「Y」,「H」,「U」,「J」キーを含んで構成されている。また、制御部44は、図14に示すように、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の「H」キーに接触すると、表示される1以上のキー52A(52)に含まれる「H」キーが強調表示する。
【0069】
具体的には、制御部44は、検出部42が検出する、接触物51の表示部40への接触位置に対応する接触位置情報に応じて1以上のキー52A(52)の表示を制御する。より具体的には、制御部44は、上記1以上のキー52A(52)を表示部40に表示する際に又はその後に、接触物51の表示部40への接触位置に応じて、表示部40に対する、上記1以上のキー52A(52)の表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を制御する。結果として、制御部44は、1以上のキー52A(52)を、仮想キーボード50に重ならないように表示する。
【0070】
なお、図14の例では、制御部44は、1以上の各キー52A(52)の表示範囲(サイズ)を、仮想キーボード50の各キー52の表示範囲(サイズ)に比べて大きくなるように制御する。
【0071】
以上、本発明の第5実施形態のスマートフォン10Aによれば、接触キー特定部43により、表示部40に表示された仮想キーボード50の各キーの表示位置と接触位置とを照合して接触されたキーを特定し、制御部が、仮想キーボード50のキーのうち上記接触位置を基準として上記接触位置に応じた範囲にある仮想キーボード50の1以上のキーを表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御する。その結果、文字入力を容易かつ迅速に実行可能とすることにより操作性を向上させることにつなげることができる。
【0072】
また、制御部44が、上記1以上のキー52を仮想キーボード50に重ならないように表示制御する。結果として、接触物51によって上記1以上のキーの表示が隠れてしまうことを防ぐことができ、入力するためのキー52が見易く、探し易い。また、上記1以上のキーの表示の後ユーザが仮想キーボード50の他のキー52に接触することを希望する場合にも、仮想キーボード50の各キー52が見易く、探し易い。
【0073】
<第6実施形態>
第6実施形態は、制御部44が、仮想キーボード50のキーのうち接触位置を基準として上記接触位置に応じた範囲にある仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示部40に表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御する一例を示す。特に、本第6実施形態においては、制御部44が、仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を仮想キーボード50に重ねて表示制御する一例について説明する。なお、制御部44が、仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を仮想キーボード50に重ねて表示制御する点で、制御部44が、上記1以上のキー52A(52)を仮想キーボード50に重ならないように表示制御する第5実施形態とは異なる。本第6実施形態について、図15を用いて説明する。
【0074】
図15は、本発明の第6実施形態に係る表示制御装置の制御部により表示部に表示されるキーの一例を示す図である。図15に示すように、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示される仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)は、仮想キーボード50に重なるように表示される。ここで、1以上のキー52A(52)は、「T」,「G」,「Y」,「H」,「U」,「J」キーを含んで構成されている。また、制御部44は、図15に示すように、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の「H」キーに接触すると、表示される1以上のキー52A(52)に含まれる「H」キーが強調表示する。
【0075】
具体的には、制御部44は、検出部42が検出する、接触物51の表示部40への接触位置に対応する接触位置情報に応じて1以上のキー52A(52)の表示を制御する。より具体的には、制御部44は、上記1以上のキー52A(52)を表示部40に表示する際に又はその後に、接触物51の表示部40への接触位置に応じて、表示部40に対する、上記1以上のキー52A(52)の表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を制御する。結果として、制御部44は、1以上のキー52A(52)を、仮想キーボード50に重ねて表示しながらも、接触物51によっては上記1以上のキー52A(52)の表示が隠れてしまわないように制御する。
【0076】
なお、図15の例では、制御部44は、1以上の各キー52A(52)の表示範囲(サイズ)を、仮想キーボード50の各キー52の表示範囲(サイズ)に比べて大きくなるように制御する。
【0077】
以上、本発明の第6実施形態のスマートフォン10Aによれば、上記した効果に加え、制御部44により、上記1以上のキー52A(52)の少なくとも一部が仮想キーボード50に重ねられた状態で表示される場合であっても、接触物51によって上記1以上のキー52A(52)の表示が隠れてしまうことを防ぐことができ、入力するためのキー52が見易く、探し易い。
【0078】
<第7実施形態>
第7実施形態は、制御部44が、仮想キーボード50上の接触物51の動きに応じて1以上のキー52Aに含まれる一以上のキーを選択(入力)可能なように制御する一例について説明する。本第7実施形態について、図16を用いて説明する。
【0079】
図16は、本発明の第7実施形態に係る表示制御装置の制御部44により表示部40に表示されるキーの一例を示す図である。図16に示すように、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示される仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)は、仮想キーボード50に重ならないように表示される。すなわち、1以上のキー52A(52)は、制御部44により、接触物(ユーザの指)51には重ならないように表示位置、表示範囲が制御されている。ここで、1以上のキー52A(52)は、「T」,「G」,「Y」,「H」,「U」,「J」キーを含んで構成されている。また、制御部44は、図16に示すように、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の「H」キーに接触すると、表示される1以上のキー52A(52)に含まれる「H」キーが強調表示する。
【0080】
次に、図16の矢印A1が示すように、仮想キーボード50において、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の「H」キーから「U」キーに移動した場合、制御部44により、矢印A2が示すように、表示部40に表示される仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)に含まれる「H」キーにかわり「U」キーが入力(選択)される。具体的には、制御部44は、ユーザの指の表示部40(仮想キーボード50)への接触位置(検出部42が検出する、ユーザの指の表示部40への接触位置に対応する接触位置情報)に応じて、1以上のキー52Aに含まれる一以上のキー(図16における「U」キー)を選択(入力)可能なように制御する。この場合、制御部44により、「U」キーが強調表示される。
【0081】
なお、図16の例では、制御部44は、1以上の各キー52A(52)の表示範囲(サイズ)を、仮想キーボード50の各キー52の表示範囲(サイズ)に比べて大きくなるように制御する。
【0082】
以上、本発明の第6実施形態のスマートフォン10Aによれば、制御部44が、仮想キーボード50上の接触物51の動きに応じて1以上のキー52Aに含まれる一以上のキーを選択(入力)可能なように制御することにより、仮想キーボード50上でユーザが指を自由に動かした場合であっても、1以上の各キー52A(52)において入力されうる各キーが隠れてしまうことがなく、且つ、ユーザが入力を希望する又はユーザが入力をするキーを容易に把握することができる。
【0083】
<変形例>
以上、本願の開示する技術の複数の実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものではない。また、上記各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(たとえば、各実施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること等)され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0084】
例えば、上記各実施形態に係る文字入力装置は、スマートフォン10を一例に挙げたが、タッチパネルを搭載した電子機器であれば特に限定されず、例えばタブレット型端末やゲーム専用機、マルチメディア端末、現金自動預け払い機等であってもよい。中でも、スマートフォン10やタブレット型端末等の携帯端末である場合、仮想キーボード50の各キー52の表示サイズが小さくなり、キー52を接触し間違う可能性が高くなる。したがって、表示部40に対して不必要なキーを拡大表示させることを抑制できる上記各実施形態に係る文字入力装置を適用したときの有効性が高い。
同様に、仮想キーボード50は、英語入力可能なフルキーボード型のキーボードである場合を説明したが、日本語入力可能なテンキー型の仮想キーボードであってもよい。ただし、英語入力や日本語入力に関わらず、フルキーボード型のキーボードである場合、各キー52の表示サイズが小さくなるのでキー52を接触し間違う可能性が高くなる。したがって、フルキーボード型のキーボードである場合は、表示部40に対して不必要なキーを拡大表示させることを抑制できる上記各実施形態に係る文字入力装置を適用したときの有効性が高い。
【0085】
また、上記各実施形態に係る文字入力装置では、メールソフトウェア等と共に文字入力プログラムPを実行したときを例に挙げたが、文書作成用ソフトウェアや表計算ソフトウェア等、他のソフトウェアと共に起動されてもよい。
【0086】
また、表示部40への接触物は指51である場合を説明したが、例えば指を含まない手のひらであってもよい。また、接触物は、足や舌等のユーザの体の他の部位であってもよい。この場合、制御部44は、足や舌等の紋様に基づき、接触物を判定してもよい。
【0087】
また、第1実施形態では、仮想キーボード50への接触があると直ぐに文字キー52Aの拡大表示が行なわれる場合を説明したが、仮想キーボード50の長押しがされた後に文字キー52Aの拡大表示が行なわれてもよい。
【0088】
また、第4実施形態では、制御部44は、文字キー52Aが拡大表示されている状態で長押しがされた後にヌルキー80及びBSキー82を表示させる場合を説明したが、例えば文字キー52Aの拡大表示と同時にヌルキー80及びBSキー82を表示させてもよい。
【0089】
また、制御部44が拡大表示させる文字キー52Aの数は、4つである場合を説明したが、この数に限られることなく、2つや3つ、5つ等であってもよい。さらに、制御部44が表示する上記1以上のキー52A(52)の数には特に制限はない。さらに、制御部44は、上記1以上のキー52A(52)に含まれるキーの数について上記1以上のキー52A(52)を表示する際に、またはその後に、増減するような制御を行ってもよい。
【0090】
また、文字入力部46は、検出部42が接触の解除を検出した場合に解除直前のキー52に対応する文字を入力する場合を説明したが、検出部42が接触の解除を検出した後、拡大表示されているキー52のうち何れか1つが接触された場合に当該接触されたキー52に対応する文字を入力してもよい。
【0091】
また、BSキー82は、既に入力されている文字を1つ削除するためのキーである場合を説明したが、既に入力されている文字を2つ以上削除するためのキーであってもよく、例えば既に入力されている文節を削除するためのキーであってもよい。
【0092】
なお、第5乃至第7実施形態において、図14乃至図16の例では、制御部44は、1以上の各キー52A(52)の表示範囲(サイズ)を、仮想キーボード50の各キー52の表示範囲(サイズ)に比べて大きくなるように制御する。しかしながら、これに限られず、制御部44は、1以上の各キー52A(52)の表示範囲(サイズ)を、仮想キーボード50の各キー52の表示範囲(サイズ)と(略)同一となるように制御し、又は仮想キーボード50の各キー52の表示範囲(サイズ)に比べて小さくなるように制御してもよい。
【0093】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
表示部と、
複数のキーが配列された仮想キーボードを前記表示部に表示する制御部と、
前記表示部への接触位置を検出する検出部と、
前記仮想キーボードの各キーの表示位置と前記接触位置とを照合して接触されたキーを特定する接触キー特定部と、
を備え、
前記制御部は、前記接触キー特定部が特定する、前記仮想キーボードのキーのうち前記接触の位置を基準として前記接触位置に応じた範囲にある前記仮想キーボードの1以上のキーを表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を前記接触位置に応じて制御する、
表示制御装置。
(付記2)
複数のキーが配列された仮想キーボードを表示部に表示する表示ステップと、
前記表示部への接触位置を検出する検出ステップと、
前記仮想キーボードの各キーの表示位置と前記接触位置とを照合して接触されたキーを特定する特定ステップと、
を含み、
前記表示ステップは、前記特定ステップが特定する、前記仮想キーボードのキーのうち前記接触の位置を基準として前記接触位置に応じた範囲にある前記仮想キーボードの1以上のキーを表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を前記接触位置に応じて制御する、
表示制御方法。
(付記3)
コンピュータに、
複数のキーが配列された仮想キーボードを表示部に表示する機能と、
前記表示部への接触位置を検出する機能と、
前記仮想キーボードの各キーの表示位置と前記接触位置とを照合して接触されたキーを特定する機能と、
前記仮想キーボードのキーのうち前記接触の位置を基準として前記接触位置に応じた範囲にある前記仮想キーボードの1以上のキーを表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を前記接触位置に応じて制御する機能と、
を実現させるための表示制御プログラム。
【符号の説明】
【0094】
P:文字入力プログラム、10,10A:スマートフォン(文字入力装置)、34,34S:記憶部、40:表示部、42:検出部、43:接触キー特定部、44:制御部、46:文字入力部、50A,50B:仮想キーボード、52A:文字キー(キー)、70:接触の位置、72A,72B,72C:範囲、74A,74B,74C:範囲、80:ヌルキー、82:バックスペースキー(BSキー)
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