特許第6029775号(P6029775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6029775-空気調和装置およびリモコン給電方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029775
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】空気調和装置およびリモコン給電方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
   F24F11/02 104A
   F24F11/02 103C
   F24F11/02 105Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-553232(P2015-553232)
(86)(22)【出願日】2013年12月18日
(86)【国際出願番号】JP2013007437
(87)【国際公開番号】WO2015092831
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2015年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松野 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】西 勇一
(72)【発明者】
【氏名】小畑 智昭
(72)【発明者】
【氏名】前北 彰久
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−218453(JP,A)
【文献】 特開平7−55238(JP,A)
【文献】 特開平9−133395(JP,A)
【文献】 特許第3364925(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F11/00−11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1台の室外機と、
当該室外機と第1の信号線によって接続された複数台の室内機と、
当該複数台の室内機と第2の信号線によって接続された少なくとも1台のリモートコントローラとで構成され、
前記複数台の室内機は、それぞれ前記リモートコントローラへの給電を行うリモコン給電手段を備え
記複数台の室内機のそれぞれは、所定のルールに従って順位付けられたアドレスが設定されており、
前記室外機は、複数台の室内機のうち、所定のアドレスの室内機に対して、前記リモートコントローラへの給電を指令することを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】
複数台のリモートコントローラで構成され、
前記複数台の室内機は、2以上のグループに分けられると共に、それぞれのグループに属する室内機は別々のリモートコントローラに接続されており、
前記室外機は、前記各グループに属する複数台の室内機のうち、所定のアドレスの室内機に対して、前記リモートコントローラへの給電を指令する
請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記室内機は、
当該室内機の動作を制御する制御手段と、
アドレスを設定するアドレス設定手段と、
前記リモートコントローラから送信される制御データモニタ要求信号を受信するモニタ要求受信手段と、
同一信号線で接続される他の室内機が前記リモートコントローラからの制御データモニタ要求信号を受信したか否かを監視するモニタ要求受信監視手段と、
制御データを記憶する第1の不揮発メモリとを備え、
前記室外機は、
当該室外機の動作を制御する制御手段と、
前記室内機への給電指令を行うリモコン給電指令手段と、
前記室内機が前記リモートコントローラから送信された制御データモニタ要求を受信したかを確認するモニタ要求受信確認手段と、
前記信号線で接続された室内機のアドレスを検知する室内機アドレス検知手段と、
制御データを記憶する第2の不揮発メモリとを備え、
前記リモートコントローラは
当該リモートコントローラの動作を制御する制御手段と、
前記室内機からの給電を検知するリモコン給電検知手段と、
前記室内機に制御データを要求するモニタ要求送信手段とを備えた、
請求項1又は2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
1台の室外機と、当該室外機と第1の信号線によって接続された複数台の室内機と、当該複数台の室内機と第2の信号線によって接続された少なくとも1台のリモートコントローラとで構成され、
前記複数台の室内機は、それぞれ前記リモートコントローラへの給電を行うリモコン給電手段を備え、かつ前記複数台の室内機は、2以上のグループに分けられると共に、それぞれのグループに属する室内機は別々のリモートコントローラに接続された空気調和装置において、
前記複数台の室内機のそれぞれには、所定のルールに従って順位付けられたアドレスが設定されており、
前記室外機は、前記各グループに属する複数台の室内機のうち、所定のアドレスの室内機に対して、前記リモートコントローラへの給電を指令することを特徴とするリモコン給電方法。
【請求項5】
前記室外機は、全ての前記室内機に対して、自己のアドレスの返信を要求すると共に、返信された室内機のアドレスに基づいて前記各グループに属する室内機から前記所定のアドレスの室内機を選び、当該室内機に対して、前記リモートコントローラへの給電を指令する、請求項に記載のリモコン給電方法。
【請求項6】
前記室外機は、定期的に前記所定のアドレスの室内機に対して前記リモートコントローラへの給電状態を問い合わせ、前記所定のアドレスの室内機からの応答が途絶えたとき、当該室内機が属するグループの前記所定のアドレスの次のアドレスの室内機に対して、前記リモートコントローラへの給電を指令する、請求項またはに記載のリモコン給電方法。
【請求項7】
前記室外機は、前記第2の室内機に対して前記リモートコントローラへの給電を指令する際、前記所定のアドレスの室内機によるリモートコントローラへの給電ができないことを、前記所定のアドレスの次のアドレスの室内機を介して前記リモートコントローラに通知し、
当該通知を受けたリモートコントローラは、表示手段に前記所定のアドレスの室内機が故障中であることを表示する、請求項に記載のリモコン給電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数台の室内機を1台または複数台のリモートコントローラで制御する空気調和装置およびリモートコントローラへの給電方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気調和装置は、空気調和機とリモートコントローラ(以降、「リモコン」と略す)との間のデータ伝送と、空気調和機よりリモコンに対する電力供給を同伝送路(電力・信号線)により行うために、据付時にスイッチを切り替えたりコネクタを差し替えたりしていた。このため、リモコンへの配線だけは3線コードとすることが必要となったり、現地での配線作業が厄介で、配線施工上の自由度が低下し、作業ミスが発生する可能性が高いなどの問題点があった。
【0003】
このような問題点を解決するために、従来の空気調和装置では、空気調和機の室内機にアドレスを設定し、特定のアドレスの室内機からリモコンに電力を供給するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述した構成を採用すれば、給電を設定する作業を必要とせず、また給電線用の信号線を不要とすることができるため、結果として、配線作業を簡素化できると共に、信頼性の高い空気調和装置が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−133395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その一方、上述した従来の空気調和装置では、それぞれの室内機の制御用基板に、リモコンへの給電電流を監視する回路を搭載する必要があった。しかし、リモコンに給電する室内機の基板は1台であるため、リモコン給電を行わない室内機の基板の給電電流監視回路は不要となり、コストダウンの妨げとなっていた。
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、それぞれの室内機の基板に給電電流監視回路を必要としない空気調和装置およびリモコン給電方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明にかかる空気調和装置は、1台の室外機と、室外機と第1の信号線によって接続された複数台の室内機と、複数台の室内機と第2の信号線によって接続された少なくとも1台のリモートコントローラとで構成され、複数台の室内機は、それぞれリモートコントローラへの給電を行うリモコン給電手段を備え複数台の室内機のそれぞれは、所定のルールに従って順位付けられたアドレスが設定されており、室外機は、複数台の室内機のうち、所定のアドレスの室内機に対して、リモートコントローラへの給電を指令する。
【0009】
またこの発明にかかるリモコン給電方法は、1台の室外機と、室外機と第1の信号線によって接続された複数台の室内機と、複数台の室内機と第2の信号線によって接続された少なくとも1台のリモートコントローラとで構成され、複数台の室内機は、それぞれリモートコントローラへの給電を行うリモコン給電手段を備え、かつ複数台の室内機は、2以上のグループに分けられると共に、それぞれのグループに属する室内機は別々のリモートコントローラに接続された空気調和装置において、複数台の室内機のそれぞれには、所定のルールに従って順位付けられたアドレスが設定されており、室外機は、各グループに属する複数台の室内機のうち、所定のアドレスの室内機に対して、リモートコントローラへの給電を指令する。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、室外機からの指令によって、各グループに属する室内機のうち1番目のアドレスの室内機にのみリモコンへの給電を行う方法を採用したので、室内機の給電電流監視回路をなくすことができ、結果として、空気調和装置のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の実施の形態1にかかる空気調和装置の構成を示す図である。
図2】この発明の実施の形態1にかかるリモコン給電方法を説明するフローチャートである。
図3】この発明の実施の形態2にかかるリモコン給電方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態にかかる空気調和装置およびリモコン給電方法について、図面を参照して説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態にかかる空気調和装置の構成を示す図である。本実施の形態にかかる空気調和装置は、4台の室内機1a〜1d(以降、総称して「室内機1」とも云う)と1台の室外機2で構成され、室内機1と室外機2は信号線4によって相互に接続されている。
【0014】
室内機1a〜1dは2つのグループに分けられ、室内機1aと1bで構成されるグループ10a、室内機1cと1dで構成されるグループ10bには、それぞれ運転操作および運転状態の表示を行うリモコン3aおよび3b(以降、総称して「リモコン3」とも云う)が、信号線5aおよび5bにより接続されている。
【0015】
室内機1a〜1dと室外機2は相互に通信が可能であり、制御に必要なデータが室内機1a〜1dから室外機2に送信される。またリモコン3aは、グループ10a内の室内機1aおよび1bと相互に通信が可能であり、リモコン3aから制御に必要なデータが室内機1aおよび1bに送信される。同様に、リモコン3bは、グループ10b内の室内機1cおよび1dと相互に通信が可能であり、リモコン3bから制御に必要なデータが室内機1cおよび1dに送信される。
【0016】
室内機1、室外機2およびリモコン3の構成について説明する前に、この発明におけるリモコン給電方法の概要を説明する。図1に示す空気調和装置において、リモコン3aおよび3bへの給電は、各グループ10aおよび10bに含まれる室内機1のうちアドレスが一番若い室内機1aおよび1cによって行われる。室外機2は、信号線4によって接続された全ての室内機1a〜1dのアドレスを確認して、グループ10aおよび10b内で一番アドレスが若い室外機1aおよび1cを特定し、その室外機1aおよび1cに対してリモコンへの給電を指令する。
【0017】
最初に、室内機1a〜1dの構成を説明する。それぞれの室内機1a〜1dは、制御手段13、アドレス設定手段14、リモコン給電手段15、モニタ要求受信手段16、モニタ要求受信監視手段17および不揮発メモリ18を備えている。
【0018】
制御手段13は室内機1の動作を制御するもので、マイクロコンピュータで構成されている。アドレス設定手段14はディップスイッチにより構成され、それぞれの室内機のアドレスを設定するために用いられる。リモコン給電手段15はリモコン3への給電を行う。モニタ要求受信手段16は、リモコン3から送信される制御データモニタ要求を受信する。モニタ要求受信監視手段17は、同一信号線で接続される他の室内機がリモコンからの制御データモニタ要求を受信したか否かを監視する。不揮発メモリ18には制御データが記憶される。
【0019】
室内機1a〜1dのアドレスは、室内機に順番を付与することにより行われ、本実施の形態では、室内機1aのアドレスを01、室内機1bのアドレスを02、室内機1cのアドレスを03、室内機1dのアドレスを04とする。
【0020】
本実施の形態では、アドレスの設定方法として数値を増やしていく方法を採用したが、この方法に限定されない。予め定められたルールに従って順位付けを行い、それに従ってアドレスを設定すればよい。また本実施の形態では、ディップスイッチを操作して各室内機のアドレスを設定したが、他の手段を用いてアドレスを設定してもよい。
【0021】
次に、室外機2の構成を説明する。室外機2は、制御手段21、リモコン給電指令手段22、モニタ要求受信確認手段23、リモコン給電監視手段24、室内機アドレス検知手段25および不揮発メモリ26を備えている。
【0022】
制御手段21は室外機2の動作を制御するもので、マイクロコンピュータで構成されている。リモコン給電指令手段22は室内機1への給電指令を行う。モニタ要求受信確認手段23は、室内機1がリモコン3から送信された制御データモニタ要求を受信したか否かを確認する。リモコン給電監視手段24は、室内機1がリモコン給電を行っているか否かを監視する。室内機アドレス検知手段25は、信号線4で接続された室内機1のアドレスを検知する。不揮発メモリ26には制御データが記憶される
【0023】
次に、リモコン3の構成を説明する。リモコン3は、制御手段31、モニタ要求送信手段32、リモコン給電検知手段33、操作ボタン34および表示手段35を備えている。
【0024】
制御手段31はリモコン3の動作を制御するもので、マイクロコンピュータで構成されている。モニタ要求送信手段32は、各室内機1に運転状態などの制御データを要求する。リモコン給電検知手段33は、室内機1からの給電を検知する。操作ボタン34は、空気調和装置の運転切替などを制御するために用いられる。また表示手段35は、空気調和装置の制御内容を表示するために用いられる。
【0025】
なお、本実施の形態では、4台の室内機1a〜1dが2つのグループ10aおよび10bにグルーピングされた空気調和装置について説明したが、室内機およびグループの数はこれに限定されない。空気調和装置が設置される部屋の大きさや数に応じて、室内機およびグループの数を増減すればよい。
【0026】
次に、図2のフローチャートを参照して、本実施の形態にかかるリモコン給電方法について説明する。
【0027】
本実施の形態にかかるリモコン給電方法の概要を説明すると、室外機2は、空気調和装置の設置時に、室内機1のクルーピングの状況、およびそれぞれのグループ10a、10bに含まれる室内機1a〜1dのアドレスを確認する。その後、グループ内で一番アドレスが若い室外機(ここでは1aおよび1c)を特定し、その室外機1aおよび1cに対してリモコン3aおよび3bへの給電を指令する。以下、フローチャートに基づき、リモコンへの給電指令について具体的に説明する。
【0028】
室内機1の立上げ時に、ユーザは、室内機1に搭載されているアドレス設定手段14を用いてアドレスを設定する(ステップS11)。具体的には、ディップスイッチを操作し、予め定められたルールに従って各室内機のアドレスを設定する。上述したように、室内機1a〜1dのアドレスは01〜04に設定される。
【0029】
次に、アドレスが設定された全ての室内機1に対し、室外機2は、信号線4を介してアドレス検索を行う(ステップS12)。具体的には、室外機2は信号線4で接続されている全室内機のアドレスを検知するために、室外機2の室内機アドレス検知手段25から室内機1a〜1dへ自己アドレス返信要求を送信する。室外機2から自己アドレス返信要求を受信した室内機1a〜1dは、自己アドレス返信応答を室外機2へ返信し、室外機2は各室内機1a〜1dのアドレスを取得し、アドレス検索を完了する。
【0030】
室外機1のアドレス検索完了後、室外機2のリモコン給電指令手段22は、検索したアドレスのうち最も番号の若い室内機1aにリモコン給電指令を送信する(ステップS13)。リモコン給電指令を受信した室内機1aは、リモコン給電手段15によりリモコン3aへ給電を行う(ステップS14)。
【0031】
給電されたリモコン3aは、表示手段35に空気調和装置の運転状態などの制御データを表示するため、モニタ要求送信手段32から室内機1aおよび1bに制御データモニタ要求を送信する(ステップS15)。
【0032】
モニタ要求受信手段16で制御データモニタ要求を受信した最若アドレスの室内機1aは(ステップS16でYes)、受信したことを不揮発メモリ18に記憶する(ステップS17)。
【0033】
一方、室内機1bは、モニタ要求受信監視手段17により、同一信号線で接続されている他の室内機(ここでは室内機1a)が、制御データモニタ要求を受信したか否かを監視し、受信を確認した場合(ステップS18においてYes)、室内機1aが受信したことを不揮発メモリ18に記憶する(ステップS19)。
【0034】
室外機2は、最若のアドレス室内機1aに給電指令を送信してから所定の時間経過後、信号線4で接続されている全室内機1a〜1dに対し、リモコン3から制御データモニタ要求を受信したか確認するため、モニタ要求受信確認手段23から室内機1へモニタ要求受信有無要求を送信する(ステップS20)。
【0035】
制御データモニタ要求を受信したことを不揮発メモリ18に記憶している室内機1aは、室外機2へモニタ要求受信有無応答を送信する。一方、モニタ要求受信監視手段17により同一信号線5aで接続されている他の室内機1aが制御データモニタ要求を受信したことを不揮発メモリ18に記憶している室内機1bは、室外機2へ他室内機モニタ要求受信応答を送信する(ステップS21)。
【0036】
室外機2は、モニタ要求受信有無要求に対して応答した室内機1aおよび1bを同一グループであると判断し、不揮発メモリ26に記憶する。この時、モニタ要求受信有無応答を送信した室内機1aはリモコン3への給電を行う親機、他室内機モニタ要求受信応答を送信した室内機1bは、リモコンへの給電を行わず、かつ親機の制御内容に従事する子機であるとして、室外機2は、その内容を不揮発メモリ26に記憶する(ステップS22)。
【0037】
次に、室外機2のリモコン給電指令手段22は、グルーピングされた室内機1aおよび1bを除く、残りの室内機1cおよび1dのうち、最も若いアドレスの室内機1cに、再び給電指令を送信する。室外機2は、信号線4で接続される全室内機のグルーピングが確定するまで上述の動作を繰り返す(ステップS23)。
【0038】
全室内機1a〜1dのグルーピング完了後、室外機2は各グループの親室内機(ここでは1aおよび1c)にリモコン給電指令を送信する。リモコン給電指令を受信した親室内機1aおよび1cは、リモコン給電手段15によりリモコン3aおよび3bへの給電を行い、それぞれのグループに接続されているリモコン3aおよび3bの立上げが完了する(ステップS24)。
【0039】
以上のように、本実施の形態においては、室外機2から室内機1への問い合わせにより室内機1のグルーピング関係を把握し、その結果に基づいて、室外機2が、各グループ内の一番アドレスの若い室内機1にリモコン3へ給電を指令する方法を採用したので、室内機に給電検知回路を設ける必要がなくなり、結果として、空気調和装置のコストダウンが可能となる。
【0040】
実施の形態2.
本実施の形態では、グループ内の親室内機の故障により、リモコンへの給電ができなくなった場合に、給電元の室内機を切替えることにより、リモコンへの給電を継続する方法について説明する。
【0041】
図3は、本実施の形態にかかるリモコン給電方法の流れを示すフローチャートである。室外機2のリモコン給電監視手段24は、親室内機(ここでは1aおよび1c)のリモコン3への給電を監視するため、定期的に給電有無要求を親室内機に送信する(ステップS31)。
【0042】
親室内機1aまたは1cは、リモコン3aまたは3bへの給電を継続する限り給電有無応答を室外機に送信する。親室内機の給電が途絶えると、給電有無応答が室外機2へ送信されず(ステップS32でNo)、室外機2は親室内機1aまたは1cからリモコン3aまたは3bへの給電が途絶えたことを認識する(ステップS33)。
【0043】
室外機2は、不揮発メモリ26に、グループ10aおよび10bに属する室内機1a〜1dのアドレスを記憶している。室外機2は、不揮発メモリ26から室内機1a〜1dのアドレスを読み出し、リモコン3aまたは3bへの給電を続けるために、リモコンへの給電が途絶えたグループ10aまたは10b内で親機の次に若いアドレスを持つ室内機(ここでは1bまたは1d)を特定する。そしてリモコン給電指令手段22から、室内機1bまたは1dへリモコン給電指令を送信する(ステップS34)。
【0044】
リモコン給電指令を受信した室内機1bまたは1dは、リモコン給電手段15によりリモコン3aまたは3bへの給電を行い、リモコン3aまたは3bへの給電は継続される(ステップS35)。
【0045】
上述したように、親室内機1aまたは1cが故障によりリモコン3aまたは3bへの給電ができなくなっても、グループ10aまたは10b内で親機の次に若いアドレスを有する正常な室内機1bまたは1dにリモコンへの給電元を切り替えることにより、リモコン3aまたは3bへの給電が継続される。
【0046】
また、親室内機1aまたは1cからの給電有無応答が途絶え、室外機2が親室内機の次に若いアドレスを持つ室内機1bまたは1dに対してリモコン給電指令を送信する際、親室内機が給電不可である情報を室内機1bまたは1dを介してリモコン3aまたは3bに同時に送信し、リモコン3aまたは3bの表示手段35に親室内機のリモコン給電手段15が故障していることを表示する。このようにすれば、空気調和装置のユーザに親室内機のリモコン給電手段が故障中であることを認識させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1a〜1d 室内機
2 室外機
3a、3b リモコン
4、5a、5b 信号線
10a、10b グループ
13、21、31 制御手段
14 アドレス設定手段
15 リモコン給電手段
16 モニタ要求受信手段
17 モニタ要求受信監視手段
18、26 不揮発メモリ
22 リモコン給電指令手段
23 モニタ要求受信確認手段
24 リモコン給電監視手段
25 室内機アドレス検知手段
32 モニタ要求送信手段
33 リモコン給電検知手段
34 操作ボタン
35 表示手段
図1
図2
図3