(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
棒状体の一端部の側に紙巻き煙草を支持する部分、前記棒状体の他端部の側に柄の部分を有し、前記紙巻き煙草を支持する部分には、吸煙側の端部と着火側の端部とが互いに反対側へ突出するように紙巻き煙草を支持する開口部が設けられ、
前記開口部は、前記棒状体の長さ方向に対して垂直方向である前記棒状体の厚み方向に貫通する貫通孔により構成され、
前記貫通孔の内周面に穴部が形成されており、
前記穴部には、バネと、抜け止め部材とが収容されており、
前記バネは、前記抜け止め部材を前記貫通孔内に出没自在に支持し、
前記抜け止め部材は、前記バネにより前記貫通孔に向けて付勢されていることで、煙草を前記貫通孔に抜け止め状態で嵌合させ、
前記柄の部分に前記喫煙補助具を自立させるための支持体をさらに備え、
前記支持体は、棒状部材と、前記棒状部材の一端部の側に設けられた平板部を有し、
前記棒状部材の他端部は前記柄の部分に回動可能に取り付けられており、
前記柄の部分には、前記柄の部分に対して前記支持体が閉じられた状態で前記棒状部材が収容される第1の収容部と、前記平板部が収容される第2の収容部とが設けられ、
前記第1の収容部は、前記棒状体の柄の部分の他端部の幅が、前記棒状体の柄の部分の一端部の幅よりも小さく形成されたことにより生じる空間であり、
前記棒状部材の厚みは前記柄の部分の他端部の厚みと同じであり、
前記第2の収容部は、前記柄の部分の着火側の面に形成された凹溝であり、
前記平板部の幅は前記柄の部分の一端部の幅と同じであり、
前記柄の部分に対して前記支持体が閉じられて、前記棒状部材が前記第1の収容部に収容され、前記平板部が前記第2の収容部に収容された状態で、前記棒状部材の着火側の面が前記柄の部分の他端部の着火側の面と揃い、前記棒状部材の側面が前記柄の部分の一端部の側面と揃い、前記平板部の着火側の面が前記柄の部分の一端部及び他端部の着火側の面と揃い、前記平板部の側面が前記柄の部分の一端部の側面と揃う、喫煙補助具。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の複数の実施形態を図面を参照して説明する。
図1〜
図5は、本発明の喫煙補助具10の一実施形態を示す。
【0028】
喫煙補助具10は、板状の棒状体11であり、長さ方向を上下方向とした場合に、上端部に紙巻き煙草(以下、「煙草」と称す。)Cを支持する部分12、煙草Cを支持する部分より下側の下端部の側に柄の部分13を一体に有している。
【0029】
棒状体11の形状は図示例のものに限定されず、長さ方向に対して直交する方向の断面の形状が多角形、円形、楕円形など任意の形状の棒状体であってもよい。また、棒状体11の煙草を支持する部分12と柄の部分13とで前記断面形状が異なっていてもよい。
【0030】
棒状体11は、耐燃性のある素材から構成されていることが好ましく、アルミニウム、真鍮などの金属からなる素材で形成されていることが好ましいが、これに限定されるものではない。また、木材に金属のメッキを施したものであってもよい。また、柄の部分13と煙草を支持する部分12とで素材が異なっていてもよい。
【0031】
煙草を支持する部分12には、吸煙側の端部と着火側の端部とが互いに反対側へ突出するように煙草Cを支持する開口部が設けられている。本実施形態の開口部は、棒状体11を長さ方向に対して直交方向に貫通する貫通孔14である。貫通孔14は、円周(巻きの太さ)が5.4mm以上8.3mm以下の一般に流通している煙草Cが貫通可能な程度の直径であればよく、煙草Cの長さ方向に対して垂直な円形状の断面の直径よりもわずかに大きい。
【0032】
なお、以下の説明では、
図1において、貫通孔14に煙草Cを係止させた際に煙草Cの吸煙側の端部が突出する面を喫煙補助具10の正面、紙巻き煙草の着火側の端部が突出する面を喫煙補助具10の背面とし、
図1の上下方向を喫煙補助具10の上下方向、貫通孔14の貫通方向及び上下方向に直交する方向を左右方向としている。
【0033】
図1、
図2に示すように、貫通孔14の内周面14aには有底の穴部16が設けられている。穴部16には貫通孔14内に出没自由に支持される直方体の抜け止め部材15が収容されている。さらに、穴部16にはバネ17が収容されており、バネ17の一端は抜け止め部材15の下端面に当たりバネ17の他端は穴部16の底面に当たっている。抜け止め部材15は、貫通孔14に煙草Cが挿入されていない状態で、その上端部が貫通孔14の内周面14aから突出するように、バネ17により貫通孔14に向けて付勢されている(
図2参照)。
【0034】
また、柄の部分13の正面には、穴部16の内部と連通する上下方向に長い長孔18が開設されている。長孔18には、抜け止め部材15と一体の爪部15aがスライド自由に係合し、柄の部分13の表面へ突出している。
【0035】
柄の部分13の側面には、凹状の湾曲部13bが形成されている。柄の部分13の把持時に湾曲部13bが喫煙者の手の内側に沿うことで、柄の部分13を把持しやすくなっている。
【0036】
柄の部分13には、貫通孔14の下側位置であって柄の部分13の上側(上端部)に、滑り止め部を構成する2本の溝13aが左右方向の全体に亘って形成されている。本実施形態では、各溝13aは棒状体11の正面及び背面にそれぞれ形成されている。この溝13aにより喫煙者が柄の部分13を把持した際に、
図5に示すように、手の平や指が溝13aと接して滑りにくくなる。また、灰皿の縁部に溝13aを係止させて煙草Cを灰皿に置くことが可能である。
【0037】
本発明の喫煙補助具10の使用方法について説明する。
図5に示すように、喫煙者は喫煙補助具10の柄の部分13を把持する。そして、爪部15aを下方にスライドさせることで抜け止め部材15を下方に押し下げ、
図3に示すように抜け止め部材15の上端面が貫通孔14の内周面14aから突出しない状態とする。この状態で、煙草Cを貫通孔14へ正面側から挿入する。
【0038】
適当な位置まで煙草Cを挿入した後、喫煙者が爪部15aから手を離すと、
図4に示すように、抜け止め部材15はバネ17によるバネ圧で押し上げられ煙草Cを貫通孔14の内周面14aに押し付ける。これにより煙草Cは抜け止め状態で貫通孔14と嵌合する。
喫煙者は
図5に示すように喫煙補助具10を把持した状態で、煙草Cに着火し、喫煙する。
喫煙補助具10に支持された煙草Cを灰皿に置く際には、灰皿の縁部に溝13aを係止させる。
【0039】
本発明の喫煙補助具10によれば、喫煙者は、貫通孔14に吸煙側を手前にして煙草Cを差し込み、煙草Cが差し込まれた貫通孔14を上方にして柄の部分13を把持して喫煙することで、喫煙者の手が煙草Cから下方に離れた位置となるため、喫煙者の手に煙草Cや煙草Cの煙の匂いがつきにくくなる。このため、煙草Cの匂いが手につくことを望まない人であっても、気軽に喫煙を楽しむことができ、また、手が多少濡れている状態でも喫煙することが可能となる。さらに、喫煙の所作を美しく見せ、おしゃれ感覚で喫煙を楽しむことができる。
【0040】
本実施形態では、溝13aは柄の部分13の表面及び背面に2本ずつ形成されているが、溝13aの個数や大きさは本実施形態には限定されず、柄の部分13の表面及び背面のそれぞれに1つまたは3つ以上形成されていてもよく、柄の部分13の前面のみまたは背面のみに形成されていてもよい。
特に、柄の部分13の断面形状が円形状である場合には、例えば
図10、
図12に示すように、溝63a、83aを形成することで灰皿に係止する際に喫煙補助具60が転がるのを防止することができる。
【0041】
また、滑り止めや灰皿への係止のために、溝13aに代えて凸条部を形成してもよい。さらに、例えばシリコーンゴムからなるゴムシートや発泡塩化ビニール樹脂からなる樹脂シートなどを柄の部分13に接着したり、多数の突起部を形成したりしてもよい。
【0042】
棒状体11の断面形状が円形や楕円形である場合には、例えば
図10、
図12に示すように、棒状体61、81の柄の部分63、83の下端部63c、83cの正面、背面を平坦面としてもよい。この実施形態によれば、喫煙補助具60、80を灰皿の縁部に係止する際に棒状体61、81の下端部が灰皿が置かれた台の表面(載置面)と当接するので、喫煙補助具60が転がりにくく、安定して灰皿に喫煙補助具60を係止できる。
【0043】
また、棒状体11の下端面や下端部にゴムシートを接着していてもよい。喫煙補助具10を灰皿の縁部に係止する際に、棒状体11の下端部のゴムシートが灰皿が置かれた台の表面と当接するので、喫煙補助具10が転がったり滑ったりしにくく、安定して灰皿に喫煙補助具10を係止できる。
【0044】
また、喫煙補助具10の紙巻き煙草を支持する部分12を柄の部分13に対して折り曲げることが可能な構成とし、灰皿のサイズに合わせて紙巻き煙草の灰を灰皿に落とすことができるようにしてもよい。
【0045】
図1の実施形態では、抜け止め部材15を上下方向にスライドさせているが、
図6に示す喫煙補助具20のように、抜け止め部材25を回動させることで、貫通孔24に出没自由であってもよい。図示のものは、貫通孔24に対して左右方向の一方側に貫通孔24と連通する切り欠き溝26が形成されており、この切り欠き溝26に抜け止め部材25の中央部が支持軸25aにより回転可能に軸支されている。抜け止め部材25は、上端部25bが貫通孔24内へ出没し、下端部25cが外部へ出没する。抜け止め部材25の下端部25cには、抜け止め部材25の上端部25bを貫通孔24に向けて付勢するバネ27が取り付けられている。
【0046】
煙草Cを貫通孔24に挿入する際に喫煙者が抜け止め部材25の下端部25cを押し込むと、バネ27が圧縮変形し、抜け止め部材25が回動して抜け止め部材25の下端部25cが切り欠き溝26の内部に押し込まれる。このとき、抜け止め部材25の上端部25bは貫通孔24より引っ込むので、煙草Cを貫通孔24へ挿入する。適当な位置まで煙草Cを挿入した後、喫煙者が抜け止め部材25の下端部25cから手を離すと、抜け止め部材25はバネ圧を受けて上端部25bが回動して貫通孔24内に突出する。これにより、煙草Cは貫通孔24の内周面24aに押し付けられ、抜け止め状態で貫通孔24と嵌合する。
その他の構成については、
図1の実施形態と同様であるため、対応する構成には対応する符号を付して説明を省略する。
【0047】
図7に示す喫煙補助具30は、貫通孔34に煙草Cが挿入されていない状態で、上下の抜け止め部材35が貫通孔34の内周面34aからわずかに突出するように、バネ37により貫通孔34に向けて付勢されている。
この状態で、貫通孔34に煙草Cを挿入すると、抜け止め部材35はバネ37を圧縮変形させて穴部36へ押し込まれる。煙草Cは適当な位置まで挿入された後、バネ37のバネ圧により抜け止め状態で貫通孔34に嵌合される。
その他の構成については、
図1の実施形態と同様であるため、対応する構成には対応する符号を付して説明を省略する。
【0048】
図8〜
図10に示す実施形態は、ネジ軸45〜65よりなる抜け止め部材を貫通孔44〜64内へ出没自由としたものである。その他の構成については、
図1の実施形態と同様であるため、対応する構成には対応する符号を付して説明を省略する。
図8に示す喫煙補助具40では、貫通孔44と連通するネジ穴46が形成されており、ネジ穴46にはネジ軸45がねじ込まれている。ネジ軸45の先端部45aは進退動作して貫通孔44に対して出没する。外部に突出するネジ軸45の基端部45bには円盤状のネジ頭部45cが形成されている。喫煙者はネジ頭部45cをつまんでネジ軸45を回転させることで、ネジ軸45の先端部45aを貫通孔44の内周面44aから突出させて煙草Cを貫通孔44に抜け止め状態で嵌合させることができる。
【0049】
また、
図9に示す喫煙補助具50は、柄の部分53と煙草を支持する部分52とが分離しており、煙草を支持する部分52の貫通孔54と連通するネジ穴56に、柄の部分53に取り付けられたネジ軸55がねじ込まれている。柄の部分53を回転させることで、ネジ軸55の先端部55aが貫通孔54の内周面54aから突出し、煙草Cを貫通孔54に抜け止め状態で嵌合させることができる。
【0050】
さらに、
図10に示す喫煙補助具60は、柄の部分63に貫通孔64と連通するネジ穴66を形成し、ネジ穴66に抜け止め部材としてのネジ軸65がねじ込まれたものである。ネジ軸65は、先端部65aが進退動作して貫通孔64内へ出没自由となっている。柄の部分63にはネジ穴66と連通する長孔68が形成されており、ネジ軸65の一部が長孔68から露出している。喫煙者は長孔68から露出したネジ軸65を直接回転させることで、ネジ軸65の先端部65aを貫通孔64の内周面64aから突出させ、煙草Cを貫通孔64に抜け止め状態で嵌合させることができる。
【0051】
図1〜
図10に示す実施形態の抜け止め部材15〜65の上端部や先端部の形状は、貫通孔14〜64に煙草Cを嵌合できればどのような形状であってもよく、球状、円錐形状、多角錐状、板状であってもよく、キャラクター、食べ物、文字などを模した形状であってもよく、抜け止め部材の上端面が煙草Cの外周面に沿う凹状であってもよい。また、抜け止め部材としてワイヤーを用いてもよい。
【0052】
なお、抜け止め部材15〜65は貫通孔14〜64の内周面の下側に限らず、上側、右側、左側に設けることもできる。
また、抜け止め部材15〜65は1つだけでなく、2つ以上設けられていてもよい。
【0053】
抜け止め部材15〜65を貫通孔14〜64内へ出没させる機構は、上記の実施形態に限られるものではなく、例えば、口紅などの化粧品容器等に用いられている繰り出し機構を用いたもの、ノック式のボールペンなどに用いられているノック機構を用いたもの、回転軸とギアからなる回転運動から直線運動への変換機構を用いたものなど、種々の態様のものを採択できる。
【0054】
また、
図11に示す実施形態の喫煙補助具70は、抜け止め部材として回転板75を用いたもので、縦向きの回転板75の外周縁が貫通孔74内へ出没するようになっている。貫通孔74の下面には、貫通孔74の貫通方向に沿って貫通孔74と連通する切り欠き溝76が形成されている。切り欠き溝76には溝幅に対応する厚みの回転板75が縦向きの姿勢で嵌められており、切り欠き溝76中を転動しながら貫通孔74の貫通方向に移動可能となっている。切り欠き溝76の底部76aは、貫通孔74の正面側の開口から背面側の開口に向かって上向きに傾斜している。切り欠き溝76の底部76aには、回転板75が貫通孔74の背面側の開口付近に達したとき回転板75が逆方向への転動するのを防止する突起部76bが設けられている。なお、切り欠き溝76は、回転板75が脱落しないように両端が塞がれている。
【0055】
喫煙者は、貫通孔74の正面側の開口から煙草Cを回転板75上に乗り上がるように挿入する。さらに煙草Cを押し込むことで、回転板75が切り欠き溝76を転動するので、煙草Cを貫通孔74の背面側の開口までスムーズに挿入することができる。切り欠き溝76は底部76aが上向きに傾斜しているので、回転板75は貫通孔74の背面側の開口に近づくにつれて貫通孔74への突出量が大きくなり、煙草Cを貫通孔74の内周面74aに押し付けて嵌合させることができる。
その他の構成については、
図1の実施形態と同様であるため、対応する構成には対応する符号を付して説明を省略する。
【0056】
図12〜
図15は本発明のさらに他の実施形態を示す。
本実施形態の喫煙補助具80は、
図12、
図13に示すように、中空管よりなる棒状体81の内部に、貫通孔84と重なることにより互いに連通する貫通孔85aを有する棒状のスライド部材85が上下方向へ摺動可能に挿入されたものである。棒状体81の内部には、重なった貫通孔85aが位置ずれする方向へスライド部材85を付勢するバネ87が設けられている。スライド部材85はバネ87のバネ圧を受けて、上端部が棒状体81の上端面から上方に突出している。
【0057】
また、柄の部分83の外周面には、棒状体81の中空内部と連通する上下方向に長い溝孔88が形成されており、スライド部材85に一体に形成された爪部85bが溝孔88内に突出している。爪部85bは溝孔88内を移動してスライド部材85の上下方向のスライドをガイドするとともに、溝孔88の上下の端部と突き当たることで、スライド部材85が棒状体81から抜け落ちるのを防いでいる。
棒状体81の柄の部分83は、下端部83cが平坦面に形成されている。
その他の構成については、
図1の実施形態と同様であるため、対応する構成には対応する符号を付して説明を省略する。
【0058】
喫煙者は喫煙補助具80の柄の部分83を把持して、
図14に示すように、スライド部材85を棒状体81の貫通孔84とスライド部材85の貫通孔85aとが重なる位置まで下方に押し下げる。この状態で、煙草Cを貫通孔84の正面側の開口から挿入する。煙草Cを適当な位置まで挿入し、喫煙者がスライド部材85から手を離すと、
図15に示すように、スライド部材85はバネ87のバネ圧を受けて上方へ変位する。重なった貫通孔84、85aが位置ずれすると、煙草Cが棒状体81の貫通孔84の内周面84aとスライド部材85の貫通孔85aの内周面との間に挟まれ、抜け止め状態でスライド部材85の貫通孔85a及び棒状体81の貫通孔84と嵌合する。
【0059】
図16、
図17に示す実施形態は、
図12〜
図15の喫煙補助具80の変形例を示す。
図示の喫煙補助具80は、中空管よりなるスライド部材85が棒状体81の上端部の外周面に摺動可能に嵌められている。スライド部材85は、棒状体81の貫通孔84と重なることにより互いに連通する貫通孔85aを有している。スライド部材85の内部には、重なった貫通孔85aが位置ずれする方向へスライド部材85を付勢するバネ87が設けられている。スライド部材85は、
図17に示すように、スライド部材85の貫通孔85aが棒状体81の貫通孔84より上方に位置するように、バネ87に付勢されている。
【0060】
棒状体81の表面の貫通孔84を挟む位置には上下方向に長い溝孔88が形成されており、溝孔88内にはスライド部材85に一体形成された爪部85bが突出している。爪部85bは溝孔88内を移動してスライド部材85の上下方向のスライドをガイドするとともに、溝孔88の上下の端部と突き当たることで、スライド部材85が棒状体81から抜け落ちるのを防いでいる。
その他の構成については、
図12〜
図15の実施形態と同様であるため対応する構成には対応する符号を付して説明を省略する。
【0061】
喫煙者は喫煙時に、
図16、
図17に示す状態から、バネ圧に反してスライド部材85を棒状体81の貫通孔84とスライド部材85の貫通孔85aとが重なる位置まで下方に押し下げる。この状態で、煙草Cを貫通孔84の正面側の開口から挿入する。煙草Cを適当な位置まで挿入し、喫煙者がスライド部材85から手を離すと、スライド部材85はバネ87によるバネ圧を受けて上方へ変位する。重なった貫通孔84、85aが位置ずれすると煙草Cが棒状体81の貫通孔84の内周面84aとスライド部材85の貫通孔85aとの間で挟まれ、抜け止め状態でスライド部材85の貫通孔85a及び棒状体81の貫通孔84と嵌合する。
【0062】
図18、
図19は本発明のさらに他の実施形態を示す。
本実施形態の喫煙補助具90では、煙草を支持する開口部は、棒状体91の上端部に取り付けられたリング状の開閉部材95により形成されている。
【0063】
本実施形態の開閉部材95はピンチ部材により構成され、上端部に開閉可能な嵌合部95cと、下端部にハンドル部95dを備えた一対の本体部95a、95aと、嵌合部95cを閉鎖する方向へ各本体部95a、95aを付勢するバネ95bとを備えている。各本体部95a、95aは線対称の形状であって、嵌合部95c、95cは半円弧状のものであり、中央部がピン95eによって開閉自在に連結されている。ハンドル部95d、95dは、下端部がピン95eよりも外側に位置する。
その他の構成については、
図1の実施形態と同様であるため、対応する構成には対応する符号を付して説明を省略する。
【0064】
上記の実施形態において、嵌合部95c、95cが閉じた状態で、喫煙者がハンドル部95d、95dを挟持して互いに近づく方向に回動させると、
図19に示すように嵌合部95c、95cが開放される。喫煙者は開放部分から煙草Cを嵌合部95c、95cに挿入し、ハンドル部95d、95dから手を離すと、
図18に示すように、嵌合部95c、95cはバネ95のバネ力を受けて閉じ、煙草Cが嵌合部95c、95cに嵌合する。
【0065】
上記の実施形態では、開閉部材95はピンチ部材により構成したが、これに限定されず、例えば、
図20に示すように、装身具などに用いられるリング状の引輪を用いて構成することもできる。図示の開閉部材105は、棒状体101の上端部に取り付けられる中空の半円形の環状部材105aと、バネ105bと、摺動部材105cとを備えている。バネ105bは環状部材105aの中空部に収容されている。摺動部材105cは、環状部材105aの中空部に摺動自在に収容されており、環状部材105aの外周壁に設けられたスリットより突出するツマミ部105dを有している。摺動部材105cは環状部材105aと共にリング状をなし、煙草Cの支持部を形成する。
【0066】
上記の実施形態において、ツマミ部105dを引くことにより、摺動部材105cが環状部材105a内に引っ込んで支持部105eが開いた状態となるので、煙草Cを環状部材105aに係止する。この状態でツマミ部105dから手を離すと、摺動部材105cは、バネ105bのバネ圧を受けて環状部材105aの中空部を摺動して環状部材105aから突出し、閉じた状態となって煙草Cを支持する。
【0067】
また、
図21はさらに他の実施例の喫煙補助具110を示すもので、棒状体111の上端面に蓋板115が設けられている。蓋板115は、一端部が棒状体111の上端面にヒンジ機構116により回動可能に支持されている。蓋板115の下面には断面が半円状の凹面115aが形成されている。棒状体111の上端面には、蓋板115が閉じた状態で蓋板115の凹面115aと対向する位置に、断面が半円状の凹面111aが形成されている。蓋板115の凹面115aと棒状体111の凹面111aとで開閉部材が構成されている。
【0068】
蓋板115の下面には係合凸部115bが形成されて、棒状体111には蓋板115の係合凸部115bと対向する位置に係合凹部111bが形成されている。
図21中の点線で示されるように、蓋板115を開き、煙草Cを棒状体111の上端面の凹面111aに係止した後、蓋板115を回動させて閉じ、蓋板115を下方に押下げると、蓋板115の係合凸部115bと棒状体111の係合凹部111bとが係合する。これにより、蓋板115の凹面115aと棒状体111の上端面の凹面111aとの間に煙草Cが挟まれて支持される。
【0069】
図22は本発明のさらに他の実施形態を示す。本実施形態の喫煙補助具120では、
棒状体121の貫通孔124に煙草Cを抜け止め状態で嵌合させるために、貫通孔124の内周面124aに内周面124aより突出する例えば直径1.5mmの半球状の突出部125が形成されている。本実施形態では、突出部125は、貫通孔124の背面側の開口の端縁に、上下に2箇所形成されている。対向する突出部125、125の間の距離が煙草Cの直径よりもわずかに小さくなっている。
【0070】
なお、突出部125の個数や形成箇所は本実施形態に限定されず、例えば、貫通孔124の周方向に互いに等しい間隔を開けて3つ以上形成してもよく、貫通孔124の周方向または貫通方向に複数個連続して並べて形成してもよく、貫通孔124の貫通方向の中央部に形成してもよい。また、突出部の直径は本実施形態に限定されない。さらに、突出部125の形状は半球状に限定されない。また、突出部125は、貫通孔124の内周面124aの周方向全体に亘ってリング状に一周形成されていてもよい。
その他の構成については、
図1の実施形態と同様であるため、対応する構成には対応する符号を付して説明を省略する。
【0071】
上記の実施形態において、煙草Cは貫通孔124の貫通方向の正面側の開口から挿入され、貫通孔124の背面側の開口から着火側の先端が出る際に突出部125に当たる。突出部125、125の間の距離は煙草Cの直径よりも小さいため、煙草Cは変形しながら貫通孔124を通り抜け、抜け止め状態で貫通孔124に嵌合する。
【0072】
図23は本発明のさらに他の実施形態を示す。本実施形態の喫煙補助具130では、貫通孔134は内周面134aに煙草Cの径より小さな径の縮径部134bを有している。本実施形態では、貫通孔14の貫通方向の正面側の開口から背面側の開口に亘って径が小さくなっており、背面側の開口の径が煙草Cの径より小さくなって縮径部134bを構成している。
その他の構成については、
図1の実施形態と同様であるため、対応する構成には対応する符号を付して説明を省略する。
【0073】
上記の実施形態において、煙草Cは貫通孔134の正面側の開口から挿入され、貫通孔134の背面側の開口から着火側の先端が出る際に縮径部134bに当たる。縮径部134の径は煙草Cの直径よりも小さいため、煙草Cは変形しながら貫通孔134を通り抜け、抜け止め状態で貫通孔134に嵌合する。
【0074】
なお、
図23の実施形態において、貫通孔134の貫通方向の正面側の開口の端縁に、内周面より突出する突出部を形成していてもよい。
突出部が形成される個数、形状は限定されず、煙草Cが貫通孔134を貫通することが可能な大きさであればよい。煙草Cは突出部により変形しながら貫通孔134に挿入され、よりしっかりと抜け止め状態が維持される。
【0075】
上記の
図1〜
図23の実施形態において、喫煙者の手の大きさに合わせて、柄の部分の長さを変更できるような機構を設けてもよい。例えば、柄の部分の下方にネジ穴を形成し、そのネジ穴に延長部材を接続するものである。
【0076】
図24〜
図26に本発明の他の実施形態を示す。
図24〜
図26に示す喫煙補助具140、150は、棒状体141、151の柄の部分143、153に支持体149、159を取り付け、支持体149、159によって喫煙補助具140を支えて自立させる構成としている。
図24の喫煙補助具140は、柄の部分143の背面に棒状の支持体149が収容される収容部143cが設けられている。支持体149はその上端部が支持軸149aで回動可能に収容部143c内に支持されている。
なお、本実施形態では、煙草Cを支持する部分142の構成は
図1と同じとしているが、
図1〜
図23の何れの構成であってもよい。
その他の構成については、
図1の実施形態と同様であるため、対応する構成には対応する符号を付して説明を省略する。
【0077】
喫煙補助具140を自立させる際には、収容部143cから支持体149を引き出し、柄の部分143の下端部と支持体149の下端部とを台上に載置する。これにより、
図24に示すように、喫煙補助具140は台の表面に対して斜め方向に自立する。この状態の喫煙補助具140を灰皿Sの近傍の台上に載置することで、喫煙補助具140が転がったり滑ったりすることなく煙草Cの灰を灰皿Sに落とすことができ、喫煙者は一時的に紙巻き煙草から手を離すことができる。
【0078】
なお、支持体149は下端部が支持軸によって回動可能に収容部143c内に支持されていてもよい。この場合、支持体149が回動して収容部143cから引き出されたときに、支持体149が灰皿の近傍の台の表面に載置され、喫煙補助具140は台の表面に対して垂直方向に自立する。
【0079】
図25、
図26に示す喫煙補助具150においては、支持体159は棒状部材1591と、棒状部材1591の一端部(以下、「先端部」と言う。)に設けられた平板部1592からなる。棒状部材1591は、柄の部分153の幅方向(左右方向)に所定の隙間を開けて並んで配置され、棒状部材1591の他端部(以下、「基端部」と言う。)が柄の部分153の下端部にネジ159aにより回動自由に連結されている。ネジ159aにより、柄の部分153に対して支持体159が任意の角度で開いた状態を保持できるようになっている。棒状部材1591の厚みd1は柄の部分153の厚みDと同じに形成されている。平板部1592の厚みd2は柄の部分153の厚みDよりも薄く形成されており、平板部1592の幅w2は棒状部材1591の幅w1よりも大きく、柄の部分153の幅Wと同じに形成されている。
柄の部分153の下端部の背面側の角部には面取部153fが形成されている。面取部153fにより、支持体159と柄の部分153とが開いた状態で台上に喫煙補助具150を載置する際に、角部が台の表面に当たって載置が不安定となることを防いでいる。
【0080】
棒状体151の柄の部分153の下側部分は、幅Wが柄の部分153の上側部分よりも小さく形成されており、幅Wが小さくなったことにより生じる空間が、支持体159が柄の部分153に対して閉じた状態で支持体159の棒状部材1591を収容する第1の収容部153cとなる。また、柄の部分153の上側部分の背面には、支持体159が柄の部分153に対して閉じた状態で支持体159の平板部1592が収容される凹溝状の第2の収容部153dが形成されている。
【0081】
平板部1592の背面には、滑り止め部を構成する溝1592aが形成されている。また、棒状部材1591の背面と柄の部分153の背面との同じ位置には溝1591a、153aが形成されている。これらの溝1592a、1591a、153aを灰皿の縁部に係止させることで、煙草Cを灰皿に置くことが可能である。
さらに、支持体159の平板部1592の側面には、溝1592aに連続する溝1592bが形成されており、柄の部分153の側面には、溝1592bに連続する溝153eが形成されている。また、柄の部分153の側面には、溝153aに連続する溝153bが形成されており、棒状部材1591の側面には、溝1591aに連続する溝1591bが形成されている。
【0082】
なお、
図25、
図26では煙草Cを支持する部分152の構成を
図1と同じとしているが、
図1〜
図23の何れの構成であってもよい。
その他の構成については、
図1の実施形態と同様であるため、対応する構成には対応する符号を付して説明を省略する。
【0083】
喫煙者は、
図26に示すように支持体159を柄の部分153に対して閉じた状態として、支持体159の棒状部材1591と柄の部分153とを把持して喫煙する。
また、喫煙補助具150を自立させる際には、
図25に示すように、柄の部分153に対して支持体159を開き、支持体159の背面を台上に載置する。
支持体159の先端部には棒状部材1591よりも幅方向に長い平板部1592が設けられているので、支持体159が棒状部材1591だけで構成されている場合に比べて台に接触する面積が大きくなり、喫煙補助具150を安定して自立させることができる。このため、喫煙者は一時的に紙巻き煙草Cから手を離すことができる。煙草Cの長さや灰皿Sの大きさに合わせて柄の部分153に対する支持体159の開く角度を調整することで、喫煙補助具150を灰皿Sの近傍の台に載置する際に、煙草Cの灰を確実に灰皿Sに落とすことができる。喫煙補助具150の柄の部分153が台の表面に対して垂直方向になるように柄の部分153に対する支持体159の開く角度を90度としてもよく、台の表面に対して斜め方向となるように柄の部分153に対する支持体159の開く角度を90度より小さくしてもよい。
【0084】
また、柄の部分や煙草を支持する部分の開口部の周囲に、例えば、定規、ペン、缶切、文鎮、靴べら、虫眼鏡、ルーペ、キーホルダー、スパナ、やすり、鍵、磁石、ライト、時計、録音機、無線機、充電器、時計、携帯電話、USBメモリ、コンピュータ、カメラ、テレビ、ラジオ等の機能を付加したり、柄の部分を腕や首が通るように形成してブレスレットやネックレスとしてもよい。
喫煙補助具10は、一端部の側に紙巻き煙草Cを支持する部分12、他端部の側に柄の部分13を有し、紙巻き煙草を支持する部分12には、吸煙側の端部と着火側の端部とが互いに反対側へ突出するように紙巻き煙草を支持する開口部14が設けられてなる。