(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0014】
本発明の一実施の形態に係る豆腐製造装置10は、豆腐の原料に通電し、ジュール熱を発生させて加熱することにより、一度に異なる種類の豆腐(例えば、胡麻豆腐、抹茶豆腐、及びココア豆腐等)を製造できる。なお、豆腐の原料は、豆乳を主成分とする液状の原料である。
豆腐製造装置10は、
図1に示すように、基台12、電源供給部14、収容容器20、蓋22、及び複数の電極板30a、30b、32a、32b(
図2〜
図4参照)を備えている。
【0015】
基台12は、収容容器20が載せられる台座である。基台12の内部には、豆腐の原料に印加する電圧を制御するための制御部(不図示)が設けられている。
【0016】
電源供給部14は、基台12の上側端部に固定されている。電源供給部14には、
図2に示すように、制御部によって制御された電源を供給する3つの電源コンセント142a、142b、142cが設けられている。各電源コンセント142a、142b、142cは、左右方向にそれぞれ電源プラグの差し込み口が並ぶ2極のコンセントである。各電源コンセント142a、142b、142cは、左右方向(A方向と直交する方向)に並んで配置され、電源供給部14の正面側の上下方向に延びる面に取り付けられている。
電源供給部14の蓋22が近接する位置には、マグネットを検出する近接センサ144が設けられている。近接センサ144は、制御部に接続されている。
【0017】
収容容器20は、
図3及び
図5に示すように、それぞれ異なる種類の豆腐の原料を入れることができる複数の豆腐容器40及び電極板30a、30b、32a、32bが収められる容器である。収容容器20は、平面視して矩形状の上側が開口した容器であり、豆腐製造装置10を使用する状態(
図1参照)においては、電源供給部14の正面側であって基台12の上に取り付けられる。蓋22で覆われ基台12に取り付けられ収容容器20は、電源コンセント142a、142b、142cから離れる方向(
図2に示すA方向)に分離できる。
【0018】
収容容器20の上端部には、
図3に示すように、正面側に左右方向に間隔を空けて切り欠き202a1、202b1、202c1、202d1が形成され、背面側(電源コンセント142a、142b、142cの側)に左右方向に間隔を空けて切り欠き202a2、202b2、202c2、202d2が形成されている。各切り欠き202a1、202b1、202c1、202d1、202a2、202b2、202c2、202d2は、それぞれ上下方向に延び、その幅は各電極板30a、30b、32a、32bの厚みよりも広くなっている。
【0019】
収容容器20の底面には、
図4に示すように、間隔を空けてA方向に延びる一対のガイド204が形成されている。一対のガイド204の間隔は、基台12(
図2参照)の幅(A方向と直交する方向の寸法)よりも僅かに大きくなっている。
【0020】
蓋22は、収容容器20の開口した部分を上から覆い、内部に埃等の異物が入ることを抑えることができる。
蓋22は、平面視して矩形状であり、
図3に示すように、収容容器20の上部の外側側面をそれぞれ覆う側面板224を有している。
【0021】
背面側の側面板224は、基台12に取り付けられた状態(
図1参照)においては、収容容器20と電源供給部14の電源コンセント142a、142b、142cの取り付け面との間に位置する。背面側の側面板224には、
図3に示すように、収容容器20に形成された背面側の切り欠き202a2に対応する位置、切り欠き202b2、202c2に対応する位置、及び切り欠き202d2に対応する位置に、それぞれ切り欠き226a
、切り欠き226b、及び切り欠き226cが形成され、収容容器20の切り欠き202a2、202b2、202c2、202d2を塞がないようになっている。
【0022】
蓋22には、平面視して豆腐容器40に対応する位置に、制御部(不図示)に接続された温度センサ122(
図1参照)を挿入するための孔H1〜H4(
図2参照)がそれぞれ形成されている。
また、背面側の側面板224には、電源供給部14に設けられた近接センサ144によって検出されるマグネット222(
図3及び
図4参照)が設けられている。
【0023】
複数の電極板(電極部の一例)30a、30b、32a、32bは、豆腐容器40に入った原料に電圧を印加できる。電極板30a、30b及び電極板32a、32bは、それぞれ1組となり、電圧を印加できる。
電極板30aの両端部は、それぞれ切り欠き202a1及び切り欠き202a2に上方から挿入され、支持される。電極板30bの両端部は、それぞれ切り欠き202b1及び切り欠き202b2に上方から挿入され、支持される。電極板32aの両端部は、それぞれ切り欠き202c1及び切り欠き202c2に上方から挿入され、支持される。電極板32bの両端部は、それぞれ切り欠き202d1及び切り欠き202d2に上方から挿入され、支持される。
【0024】
各電極板30a、30b、32a、32bの背面側(電源コンセント142a、142b、142cの側)は、
図4に示すように、収容容器20及び蓋22から突出する。この突出した部分は電源プラグとして機能し、電源コンセント142a、142b、142cに挿入される。詳細には、電極板30aの突出した部分が電源コンセント142aの電源コンセント142bとは反対の側の差し込み口に挿入され、電極板30b、32aの突出した部分が電源コンセント142bの一対の差し込み口にそれぞれ挿入され、電極板32bの突出した部分が電源コンセント142cの電源コンセント142bとは反対の側の差し込み口に挿入される。
【0025】
次に、豆腐製造装置10の使用方法について説明する。
まず、使用者が、各豆腐容器40(
図3参照)に異なる種類の豆腐の原料を投入し、収容容器20に収める。使用者は、電極板30aを切り欠き202a1、202a2に、電極板30bを切り欠き202b1、202b2に、電極板32aを切り欠き202c1、202c2に、電極板32bを切り欠き202d1、202d2に上方から挿入し、収容容器20に取り付ける。各電極板30a、30b、32a、32bは、それぞれ豆腐容器40内の原料に浸かる。
【0026】
次に、使用者は収容容器20に蓋22を取り付け、基台12の側面にガイド204が沿うようにして収容容器20を押しこむと、電源コンセント142a、142b、142cに各電極板30a、30b、32a、32bが挿入される(
図1参照)。
その後、使用者は原料の温度を検出できるように、蓋22の対応する孔H1〜H4のいずれかに温度センサ122を挿入する。
【0027】
使用者が電源スイッチ124を入れると、蓋22に設けられたマグネット222(
図4参照)が電源供給部14に設けられた近接センサ144(
図2参照)によって検出され、制御部(不図示)が、収容容器20が取り付けられたことを判断する。その後、制御部が、電源コンセント142a、142b、142cを介して電極板30aと電極板30bとの間及び電極板32aと電極板32bとの間にそれぞれ電圧を印加する。電圧の大きさは、温度センサ122から得られた温度データに基づいて制御され、各豆腐容器40内の原料が加熱される結果、異なる種類の豆腐が製造される。
なお、蓋22を取り付けることなく、収容容器20を基台12に取り付けた場合には、近接センサ144によってマグネット222が検出されず、制御部は、電源供給部14から電源を供給しない。
【0028】
豆腐製造装置10を使用した後は、使用者は蓋22で覆われた収容容器20を基台12から取り外す。その際、収容容器20の背面側と電源コンセント142a、142b、142cの取り付け面(電源供給部14の正面側の面)との間に蓋22の側面板224が位置しているので、使用者が蓋22の前面側を持って上方に持ち上げると、
図6に示すように梃子の原理により収容容器20がガイド204に沿って前方(A方向)に押し出され、基台12から容易に取り外される。
【0029】
収容容器20を基台12から取り外した後、使用者は、各電極板30a、30b、32a、32b(
図3参照)を取り外して洗浄する。各電極板30a、30b、32a、32bは、上方に引き抜くだけで取り外されるので、手入れが容易である。
【0030】
このように、豆腐製造装置10によれば、収容容器20にそれぞれ異なる種類の豆腐の原料を入れることができる複数の豆腐容器40が収容されるので、一度に異なる種類の豆腐を製造できる。
なお、各豆腐容器40に同一の原料を入れれば、一度に同一種類の豆腐を製造できる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
前述の実施の形態においては、収容容器20に4つの豆腐容器が収められ、豆腐製造装置10は一度に4つの豆腐が製造できたが、豆腐製造装置10が一度に製造できる豆腐の数は4つに限定されるものではない。
【0032】
第1の例として、A方向と交差する方向(電源コンセント142a、142b、142cが並ぶ方向)に更に多く(例えば4列)の豆腐容器を収容できる収容容器を用い、対応する電源コンセント左右方向に設けることで、より多くの豆腐を製造できる。
また、第2の例として、A方向に更に多くの豆腐容器を収容できる収容容器を用い、各豆腐容器内部の原料に接触できる電極板を使用することで、より多くの豆腐を製造できる。
更に、第3の例として、前述の第1の例と第2の例とを組み合わせてより多くの豆腐を製造できる。
【0033】
マグネット222及びこのマグネット222を検出する近接センサ144は、それぞれ、金属及び金属を検出できる近接センサであってもよい。更には、収容容器20が予め決められた位置にあることを検出できるセンサできれば任意でよい。
【解決手段】豆腐製造装置10は、上端部に切り欠き202a1、202b1、202c1、202d1、202a2、202b2、202c2、202d2が形成され、豆腐の原料を入れる複数の豆腐容器40が収まる収容容器20と、切り欠き202a1、202b1、202c1、202d1、202a2、202b2、202c2、202d2に収まり、豆腐容器40に入った豆腐の原料に電圧を印加する電極部30a、30b、32a、32bと、を備え、電極部30a、30b、32a、32bが上方に取り外し可能となっている。